特許第6811142号(P6811142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811142
(24)【登録日】2020年12月16日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】ウインドレギュレータ
(51)【国際特許分類】
   E05F 11/48 20060101AFI20201228BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20201228BHJP
   E05F 15/689 20150101ALI20201228BHJP
【FI】
   E05F11/48 E
   B60J1/17 A
   E05F15/689
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-94964(P2017-94964)
(22)【出願日】2017年5月11日
(65)【公開番号】特開2018-188931(P2018-188931A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146434
【氏名又は名称】株式会社城南製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】城間 朝敬
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−151682(JP,U)
【文献】 実開平1−102378(JP,U)
【文献】 特開2012−149384(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/093285(WO,A1)
【文献】 特開2006−28973(JP,A)
【文献】 特開2015−121063(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102010006443(DE,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0065010(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00−17/00
B60J 1/00− 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、
前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、
前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、
回転することにより前記ワイヤの巻き取り及び繰り出しを行う円筒状のドラムと、
前記ガイドレールの下端に設けられ、前記ドラムを収容する有底円筒状のドラム収容部を有するドラムハウジングと、を備え、
前記ドラムハウジングには、前記ドラム収容部の開口側とは反対側に開口した排水口が前記ドラム収容部の上側に設けられている、
ウインドレギュレータ。
【請求項2】
前記ドラムハウジングには、前記ガイドレールが嵌合する嵌合穴が形成され、
前記嵌合穴の一部が前記排水口と連通して設けられている、
請求項1に記載のウインドレギュレータ。
【請求項3】
前記ドラムハウジングは、前記ドラムの回転軸方向において、前記排水口とは反対側が開口している、
請求項1又は2に記載のウインドレギュレータ。
【請求項4】
前記ドラムハウジングには、外部から侵入してきた水を前記排水口に案内する案内面が前記ドラム収容部の上側に設けられ、
前記案内面が、前記回転軸方向に沿って、前記ドラム収容部の開口側とは反対側に向かって徐々に前記回転軸との距離が近づくように傾斜している、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のウインドレギュレータ。
【請求項5】
前記嵌合穴の開口縁部には、前記嵌合穴の開口部を広げるように形成されたスリットが設けられている、
請求項2乃至4の何れか1項に記載のウインドレギュレータ。
【請求項6】
前記ガイドレールは、車両前後方向の後方側に傾いて配置され、長手方向に延びる平板部と、前記平板部における前記長手方向に直交する幅方向の端部から立設された一対の側板部と、を有し、
前記ガイドレールに付着した水は、前記一対の側板部のうち前記車両前後方向の後方側に配置された前記側板部側に沿って誘導される、
請求項1乃至5の何れか1項に記載のウインドレギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインドレギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、ガイドレールに摺動して案内されるキャリアプレートと、キャリアプレートを上下方向に牽引する上昇側ワイヤ(上昇側ケーブル)及び下降側ワイヤ(下降側ケーブル)と、ガイドレールの下端に設けられて上昇側ケーブル及び下降側ケーブルの巻き取り及び繰り出しを行う駆動部と、を備えているウインドレギュレータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
駆動部は、回転することにより上昇側ワイヤ及び下降側ワイヤの巻き取り及び繰り出しを行うドラムと、ガイドレールの下端に取り付けられてドラムを収容するドラム収容部を有するドラムハウジングと、ドラムハウジングに一体的に取り付けられた駆動モータと、からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−204944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のウインドレギュレータにおいては、ウインドレギュレータが格納されるドアパネル内に雨水が進入することがある。この場合に、進入した水がドラム収容部内に浸水し、ドラムに巻き回されているワイヤに水が付着して錆が発生するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、ドラム収容部内への浸水を防止することができるウインドレギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、回転することにより前記ワイヤの巻き取り及び繰り出しを行う円筒状のドラムと、前記ガイドレールの下端に設けられ、前記ドラムを収容する有底円筒状のドラム収容部を有するドラムハウジングと、を備え、前記ドラムハウジングには、前記ドラム収容部の開口側とは反対側に開口した排水口が前記ドラム収容部の上側に設けられている、ウインドレギュレータを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るウインドレギュレータによれば、ドラム収容部内への浸水を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係るウインドレギュレータ、及びウインドレギュレータが設けられる車両のドアを示す全体概略図である。
図2】ウインドレギュレータの構成を示す全体図である。
図3】ドラムハウジングの構成を示す概略図である。
図4図3におけるA−A線断面図である。
図5】ドラムハウジングをガイドレールの長手方向に沿ってみた平面図である。
図6図5における要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
本実施の形態に係るウインドレギュレータは、窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、キャリアプレートを牽引するワイヤと、回転することによりワイヤの巻き取り及び繰り出しを行う円筒状のドラムと、ガイドレールの下端に設けられ、ドラムを収容する有底円筒状のドラム収容部を有するドラムハウジングと、を備え、ドラム収容部の開口側とは反対側に開口した排水口がドラム収容部の上側に設けられている。
【0011】
このウインドレギュレータは、ドラムハウジングの排水口によってドラム収容部に流れてくる水を外部に排水できるので、ドラム収容部内への浸水を防止することができる。
【0012】
[実施の形態]
本発明の実施の形態に係るウインドレギュレータは、例えば自動車のドアの窓ガラスを昇降するための装置であり、自動車のドアパネルに取り付けられて使用される。
【0013】
(ウインドレギュレータ1の概要)
本実施の形態に係るウインドレギュレータ1、及びウインドレギュレータ1が設けられる車両のドア9を示す全体概略図である。なお、図1は、窓ガラス90の全閉状態を示し、ドア1及び窓枠を二点鎖線で示す。またさらに図1において、紙面の左側を車両前後方向の後方側、紙面の右側を車両前後方向の前方側とする。図2は、ウインドレギュレータ1の構成を示す全体図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、ウインドレギュレータ1は、車両のドア9に設けられた図略のドアパネル内に格納され、窓ガラス90の昇降方向に沿って設けられたガイドレール2と、ガイドレール2と摺動して窓ガラス90と共に移動するキャリアプレート3と、キャリアプレート3を牽引する上昇用ワイヤ41及び下降用ワイヤ42と、上昇用ワイヤ41及び下降用ワイヤ42の巻き取り及び繰り出しを行うための駆動力を発生する駆動部5と、を備えて概略構成されている。
【0015】
(ガイドレール2の構成)
ガイドレール2は、長板状の金属板を所定の形状に折り曲げて形成され、ドア9に対して車両前後方向の後方側に傾いて配置されている。また、ガイドレール2は、その長手方向に延びる平板部20と、平板部20における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された第1及び第2の側板部211,212と、第2の側板部212の先端から平板部20とは反対側に張り出した鍔部22と、を有している。第1及び第2の側板部211,212のうち、第1の側板部211が車両前後方向の後方側に配置されている側板部である。図2では、第1及び第2の側板部211,212が紙面の手前側に突出している。
【0016】
ガイドレール2は、車両前後方向の後方側に傾いて配置され、かつ、車両前後方向の後方側に傾いて配置された第1の側板部211を有しているので、例えば窓ガラス90を伝ってきた雨水がガイドレールに付着すると、付着した水が第1の側板部211の延在方向(図2に示す矢印方向)に沿って下方側に流れるので、確実に後述する嵌合穴53を介して排水口54bへ水を誘導することが可能である。
【0017】
なお、本実施の形態では、平板部20の長手方向に直交する幅方向の両端部から第1及び第2の側板部211,212がそれぞれ立設されているが、両端部のうち車両前後方向の後方側に位置する側板部のみが設けられていればよいので、第1の側板部211のみが立設されていてもよい。
【0018】
(キャリアプレート3の構成)
キャリアプレート3は、例えばポリアセタール等の樹脂によって形成された板状の部材である。キャリアプレート3には、窓ガラス90を支持する図略の支持部材を取り付けるための取付孔3a,3bが形成されている。
【0019】
(上昇用ワイヤ41及び下降用ワイヤ42の構成)
上昇用ワイヤ41は、一端部がキャリアプレート3に連結され、ガイドレール2の上端に設けられてワイヤガイド23を介して、他端部が後述するドラム51に連結されている。下降用ワイヤ42は、一端部がキャリアプレート3に連結され、他端部がドラム51に連結されている。
【0020】
上昇用ワイヤ41は、ドラム51の回転軸O方向に沿ってみた場合に、ワイヤガイド23及びドラム51の間においてガイドレール2と重ならないように配策されている。下降用ワイヤ42は、ドラム51の回転軸O方向に沿ってみた場合に、キャリアプレート3及びドラム51の間においてガイドレール2と重なるように配策されている。以下の説明において、ドラム51の回転軸O方向を単に回転軸O方向と呼ぶ。
【0021】
上昇用ワイヤ41は、ガイドレール2の長手方向の中央部付近に設けられてワイヤ支持部材24によって支持されている。下降用ワイヤ42は、ガイドレール2の平板部20の長手方向の一部において接触する。
【0022】
(駆動部5の構成)
駆動部5は、減速機付きのモータ50と、モータ50によって回転駆動され、回転することにより上昇用ワイヤ41及び下降用ワイヤ42の巻き取り及び繰り出しを行う円筒状のドラム51(後述する図3に示す)と、ガイドレール2の下端に設けられ、ドラム51を収容するドラム収容部520(図3に示す)を有するドラムハウジング52と、を有している。モータ50は、ドラムハウジング52に一体に取り付けられている。ドラムハウジング52には、カバー部材10が複数(本実施の形態では3つ)のボルト11(図2参照)によって固定されている。
【0023】
図3は、ドラムハウジング52の構成をドラム51と共に示す概略図である。図4は、図3におけるA−A線断面図である。なお、図3では、カバー部材10が取り外された状態のドラムハウジング52を示している。また図3では、説明の便宜上、下降用ワイヤ42の図示は省略している。
【0024】
(ドラム51の構成)
図3に示すように、ドラム51には、上昇用ワイヤ41の端部に設けられたワイヤエンド411が係止する係止溝51aと、下降用ワイヤ42の端部に設けられたワイヤエンド421が係止する係止溝52aとが、それぞれ形成されている。ドラム51の外周には、上昇用ワイヤ41及び下降用ワイヤ42の一部がそれぞれ巻き回されている。
【0025】
(ドラムハウジング52の構成)
ドラムハウジング52は、例えばポリプロピレン等の樹脂により成形され、前述のドラム収容部520と、上昇用ワイヤ41及び下降用ワイヤ42をそれぞれドラムハウジング52の外部へ導出するための第1及び第2導出溝521,522と、ガイドレール2を嵌合する嵌合穴53(詳細は後述する図5,6参照)と、ドラム収容部520の上方に配置されてガイドレール2が嵌合する嵌合部57と、嵌合部57とドラム収容部520との間に設けられ、回転軸O方向に後述する嵌合部57を貫通して形成された貫通孔54と、を有している。
【0026】
ドラム収容部520には、回転軸Oを中心としてドラム51を回転可能に支持する軸部520bが設けられている。
【0027】
また、ドラムハウジング52には、カバー部材10を固定するための複数(本実施の形態では3つ)の固定部551〜553と、図略のドアパネルに取り付けるための複数(本実施の形態では2つ)の取付部561,562と、が設けられている。
【0028】
貫通孔54は、ドラム収容部520の径方向の上側に設けられ、回転軸O方向に沿ってみた場合に、ドラム収容部520と重ならない位置に設けられている。この配置構成により、例えば貫通孔54がドラム収容部520と重なる位置に設けられている場合に比べて、ドラム収容部520への浸水を確実に防止できる。また、本実施の形態では、貫通孔54は、回転軸O方向に沿ってみた形状が矩形状であるが、貫通孔54の形状はこれに限定されるものではない。
【0029】
図4に示すように、ドラム収容部520は、回転軸O方向の一方が開口し、他方に底面520aが形成された有底円筒状である。
【0030】
貫通孔54の回転軸O方向のドラム収容部520の開口側の開口部は、外部から浸入した水を貫通孔54内に呼び込む流水口54aとして形成されている。一方、貫通孔54の回転軸O方向のドラム収容部520の開口側とは反対側(底面520a側)に開口した開口部は、ドラムハウジング52内に浸水した水をドラムハウジング52の外部へ排水する排水口54bとして形成されている。
【0031】
ドラムハウジング52に流水口54aが形成されているので、ドラムハウジング52の外部から侵入してきた水を後述する案内面54cを介して図4に示す矢印Aに沿った流路を経由させて排水口54bに誘導することができる。すなわち、ドラムハウジング52に浸水した水をドラム収容部520に侵入させることなく排水することが可能である。
【0032】
本実施の形態では、ドラムハウジング52は、回転軸O方向において、排水口54bとは反対側が開口して流水口54aが設けられているが、これに限定されず、例えば排水口54bだけ設けられていてもよい。つまり、変形例として、ドラムハウジング52は、回転軸O方向において、排水口54bとは反対側に壁が設けられていてもよい。これによっても、嵌合穴53に嵌合したガイドレール2の下端から滴下してきた水を排水口54bから排水することが可能である。
【0033】
ドラムハウジング52には、外部から侵入してきた水又はガイドレール2に付着した水を排水口54bに案内する案内面54cがドラム収容部520の上側に設けられている。案内面54cは、回転軸O方向に沿って、ドラム収容部520の開口側とは反対(底面520a側)側に向かって徐々に回転軸Oとの距離が近づくように傾斜している。これにより、流水口54a側に滴下された水が排水口54bに確実に誘導される。
【0034】
ドラムハウジング52の嵌合穴53の一部は、排水口54bと連通して設けられている。本実施の形態では、嵌合穴53の貫通孔54と重なる部位(図3における左側)が排水口54bと連通している。これにより、嵌合穴53に嵌合したガイドレール2の下端部に付着した水を、図4に示す矢印Bの流路を経由させて、排水口54bに誘導することが可能である。すなわち、ドラムハウジング52に浸水した水をドラム収容部520に侵入させることなく排水することが可能である。
【0035】
貫通孔54の流水口54aの上側に連なって開口した開口部54dは、ガイドレール2がドラムハウジング52に嵌合した状態において貫通孔54を回転軸O方向に見たときに、ガイドレール2の平板部20における下端の一部を外部から臨める覗き穴として形成されている(図3参照)。これにより、ガイドレール2をドラムハウジング52に嵌合させる際における組付けの確認が容易となる。また、開口部54dが形成されていることにより、開口部54dが形成されていない場合に比べて、より確実に嵌合部57の上部から流水してきた水を排水口54bへ誘導することができる。
【0036】
図5は、ドラムハウジング52をガイドレール2の長手方向に沿ってみた場合の平面図である。図6は、図5に示す嵌合穴53を拡大した拡大図である。図5では、説明の便宜上、ガイドレール2の図示を省略している。図6では、嵌合穴53に嵌合したガイドレール2を二点鎖線で示している。
【0037】
図5及び図6に示すように、ドラムハウジング52の嵌合部57は、第1嵌合部571と、第2嵌合部572と、第3嵌合部573と、第4嵌合部574と、からなる。
【0038】
第1嵌合部571は、平板状に形成され、第2嵌合部572及び第3嵌合部573との間でガイドレール2の平板部20を挟んで支持している。第2嵌合部572と第3嵌合部573は、第2導出溝522を挟むように配置されている。第2嵌合部572は、図3に示すように、回転軸O方向に沿ってみた場合に、第2導出溝522よりも左側に設けられ、第3嵌合部573は第2導出溝522よりも右側に設けられている。第4嵌合部574は、ガイドレール2の第1の側板部211の側面を支持し、第1嵌合部571及び第2嵌合部572の図5における左側に位置している。
【0039】
ドラムハウジング52の嵌合穴53は、第1嵌合部571と第2及び第3嵌合部572,573とによって挟まれて形成された第1嵌合穴531と、第2嵌合部572及び第4嵌合部574によって挟まれて形成された第2嵌合穴532と、第3嵌合部573に形成された第3嵌合穴533と、からなる。
【0040】
第1嵌合穴531には、ガイドレール2の平板部20が嵌合する。第2嵌合穴532には、ガイドレール2の第1の側板部211が嵌合する。第3嵌合穴533には、ガイドレール2の第2の側板部212及び鍔部22が嵌合する。
【0041】
第2嵌合穴532の開口縁部には、第2嵌合穴532の開口部を広げるように形成された複数(本実施の形態では2つ)のスリット532a,532bが設けられている。これにより、例えば第2嵌合部572の上面に滴下した水が第2嵌合穴532に呼び込まれて、ドラムハウジング52の外部から侵入してきた水がより確実に案内面54cに誘導される。なお、スリットは、第2嵌合穴532の開口部が広がるように形成されていればよく、スリットの形状及び数はこれに限定されない。
【0042】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用及び効果が得られる。
【0043】
(1)ドラムハウジング52には、ドラム収容部520の開口側とは反対側(底面520a側)に開口した排水口54bがドラム収容部520の上側に設けられているので、ドラムハウジング52に浸水した水をドラム収容部520に侵入させることなく排水することが可能である。つまり、ドラム収容部520内への浸水を防止することができる。
【0044】
(2)ドラムハウジング52には、ガイドレール2が嵌合する嵌合穴53が形成され、嵌合穴53の一部が排水口54bと連通して設けられているので、ガイドレール2に沿って流下してきた水が図4に示す矢印Bに沿った経路で嵌合穴53を介して排水口54bに誘導される。これにより、この構成を採用しない場合と比較して、ガイドレール2に付着した水をより確実に排水することができる。
【0045】
(3)ドラムハウジング52は、ドラム51の回転軸O方向において、排水口54bとは反対側が開口した流水口54aを有しているので、ガイドレール2に付着した水だけでなく、嵌合部57の第2嵌合部572を伝ってきた水も図4に示す矢印Aに沿った経路で、排水口54bから排水することができる。
【0046】
(4)ドラムハウジング52の案内面54cが、回転軸O方向に沿って、ドラム収容部520の開口側とは反対側に向かって徐々に回転軸Oとの距離が近づくように傾斜しているので、この構成を採用しない場合と比較して、貫通孔54内に滴下してきた水を確実に排水口54bに誘導することができる。
【0047】
(5)ガイドレール2は、平板部20と、第1及び第2の側板部211,212と、を有し、ガイドレール2が車両前後方向の後方側に傾いて配置されているので、ガイドレール2に付着した水が第1及び第2の側板部211,212のうち車両前後方向の後方側に配置された第1の側板部211側に沿って誘導される。これにより、ドラムハウジング52に侵入してくる水が確実に嵌合穴53を介して排水口54b側に誘導される。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…ウインドレギュレータ、2…ガイドレール、3…キャリアプレート、3a,3b…取付孔、5…駆動部、9…ドア、10…カバー部材、11…ボルト、20…平板部、22…鍔部、23…ワイヤガイド、24…ワイヤ支持部材、41…上昇用ワイヤ、42…下降用ワイヤ、50…モータ、51…ドラム、51a…第1係止溝、52…ドラムハウジング、52a…第2係止溝、53…嵌合穴、54…貫通孔、54a…流水口、54b…排水口、54c…案内面、57…嵌合部、90…窓ガラス、211…第1の側板部、212…第2の側板部、411,421…ワイヤエンド、520…ドラム収容部、520a…底面、520b…軸部、521…第1導出溝、522…第2導出溝、531…第1嵌合穴、532…第2嵌合穴、532a,532b…スリット、533…第3嵌合穴、561,562…取付部、571…第1嵌合部、572…第2嵌合部、573…第3嵌合部、574…第4嵌合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6