特許第6811237号(P6811237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロールス‐ロイス、パブリック、リミテッド、カンパニーの特許一覧

特許6811237積層工程のための移動プロファイルを生成する方法
<>
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000002
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000003
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000004
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000005
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000006
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000007
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000008
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000009
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000010
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000011
  • 特許6811237-積層工程のための移動プロファイルを生成する方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811237
(24)【登録日】2020年12月16日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】積層工程のための移動プロファイルを生成する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/38 20060101AFI20201228BHJP
【FI】
   B29C70/38
【請求項の数】16
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-519739(P2018-519739)
(86)(22)【出願日】2016年10月13日
(65)【公表番号】特表2018-534177(P2018-534177A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】GB2016053172
(87)【国際公開番号】WO2017064491
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2019年5月27日
(31)【優先権主張番号】1518284.3
(32)【優先日】2015年10月15日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】590005438
【氏名又は名称】ロールス‐ロイス、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROLLS−ROYCE PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,アシュレー
【審査官】 ▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−295833(JP,A)
【文献】 特表2014−524854(JP,A)
【文献】 特表2007−503329(JP,A)
【文献】 特開2007−185947(JP,A)
【文献】 特表平06−508093(JP,A)
【文献】 特表2008−517810(JP,A)
【文献】 特表2013−540060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/00 − 70/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料のコースを積層するためにヘッドパスに沿ってアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動を定義する積層工程のための移動プロファイルを生成する方法であって、
前記ヘッドパスに沿って接合強度プロファイルを決定する工程と、
前記接合強度プロファイルに基づいて前記移動プロファイルを決定する工程と、を含み、
前記移動プロファイルは相対移動の可変速度を含む方法。
【請求項2】
前記接合強度プロファイルは、前記ヘッドパスに沿って変化する少なくとも1つの局所条件に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接合強度プロファイルは、前記ヘッドパスに沿ったそれぞれの位置に対応する、少なくとも1つの接合データポイントを含み、前記接合強度プロファイルを決定する工程は、各接合データポイントのために、
前記ヘッドパスに沿った前記それぞれの位置のための1つ以上の局所条件を決定する工程と、
前記それぞれの位置のための前記局所条件または前記局所条件の各々に基づいて、前記接合データポイントのための接合強度パラメータを決定する工程と、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記接合強度プロファイルを決定する工程は、各接合データポイントのために、
前記ヘッドパスに沿った前記それぞれの位置のための少なくとも1つの局所条件を決定する工程と、
前記ヘッドパスに沿った先行位置のための前記局所条件または前記局所条件の各々を決定する工程と、
前記ヘッドパスに沿った前記それぞれの位置および前記先行位置または前記先行位置の各々に関する前記局所条件または前記局所条件の各々に基づいて前記接合強度パラメータを決定する工程と、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各接合データポイントのための前記接合強度パラメータは、少なくとも部分的に、前記ヘッドパスに沿った先行位置に関する接着データポイントのための前記接合強度パラメータに基づいて決定される、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記移動プロファイルは、前記ヘッドパスに沿った前記それぞれの位置に対応する、少なくとも1つの移動データポイントを含み、
各移動データポイントのための前記アプリケータヘッドと前記ツールとの間の前記相対移動に関する移動パラメータは、前記接合強度プロファイルの少なくとも1つの前記接合データポイントに基づいて決定される、請求項3から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記接合強度プロファイルは、
前記コースに適用された長さに関するスタック距離パラメータと、
前記ヘッドパス、および/または前記コース、および/または基材のそれぞれの部分の曲率に関する曲率パラメータと、
からなるグループから選択された少なくとも1つの局所条件に基づいて決定される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記移動プロファイルに従い、相対移動によって積層工程において前記複合材料に適用される張力に関する、前記ヘッドパスに沿った予測された張力プロファイルを決定する工程をさらに含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記移動プロファイルに対応する移動プロファイルデータをリソースに出力する工程をさらに含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
複合的な構成要素のための複合材料のコースを積層する方法であって、
積層工程におけるヘッドパスに沿ったアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動を定義する、移動プロファイルを生成する工程と、
前記アプリケータヘッドと前記ツールとの間の前記相対移動を前記移動プロファイルに従って生じさせて、複合材料のコースを積層させるように積層機器を制御する工程と、を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
複合的な構成要素について複合材料を積層する方法であって、
積層工程のために、ヘッドパスに沿ったアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動を定義する第1の移動プロファイルを受け取る工程、または代替的に請求項1から9のいずれか1項に記載の方法によって第1の移動プロファイルを生成する工程と、
第1の積層工程において第1の移動プロファイルに従って相対移動を行うように積層機器を制御する工程と、
少なくとも1つの条件に関する前記第1の積層工程におけるフィードバックパラメータを決定する工程と、
第2の移動プロファイルが少なくとも部分的に前記フィードバックパラメータに基づくように請求項1から10のいずれか1項に記載の第2の積層工程のための前記第2の移動プロファイルを生成する工程と、を含む方法。
【請求項12】
前記フィードバックパラメータは、
環境、複合材料、プリフォームまたはツールの温度に関する温度パラメータと、
前記複合材料の接合性に関する接合性パラメータと、
前記複合材料の経過期間と、
前記アプリケータヘッドと前記ツールとの間の前記相対移動によって前記複合材料に適用される張力に関する張力パラメータと、
前記コースに適用された長さに関するスタック距離パラメータと、
前記ヘッドパスおよび/または前記コースおよび/または基材のそれぞれの部分の曲率に関する曲率パラメータと、
前記ヘッドパスおよび/または前記コースおよび/または基材のそれぞれの部分の曲率に関する曲率パラメータと、
前記アプリケータヘッドによって前記ツールに対して適用される圧縮力に関する圧縮パラメータと、
からなるグループ選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フィードバックパラメータは、前記ヘッドパスに沿った前記相対移動によって前記複合材料に適用される張力に関する張力パラメータを含み、場合により、前記張力パラメータのプロファイルが前記複合材料の接合の開始を示すか否かを判断する工程をさらに含み、前記プロファイルが非接合の開始を示すものであると判断される場合、前記張力パラメータに基づいて前記第2の積層工程のための前記接合強度プロファイルまたは/および前記移動プロファイルが決定される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
コンピューターによって読み取られると、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法をコンピューターに実行させる、コンピューター可読命令を含み、
前記コンピューター可読命令は、前記ヘッドパスに沿って前記接合強度プロファイルを決定することと、前記接合強度プロファイルに基づいて前記移動プロファイルを決定することと、を含み、前記移動プロファイルは相対移動の可変速度を含むように構成される、コンピュータープログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータープログラムを記録した、非一時的なコンピューター可読記憶媒体。
【請求項16】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピューター可読命令を含む少なくとも1つのメモリと、を有し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記コンピューター可読命令を読み取り、命令が請求項1から13のいずれか1項に記載の方法を前記プロセッサに実行させるように構成され、
場合により、
アプリケータヘッドおよびツールを含む積層機器と、
前記アプリケータヘッドと前記ツールとの間の相対移動を行うために前記積層機器を制御するように構成されたコントローラーと、
をさらに有する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層工程のためのアプリケータヘッドとツールとの間の移動プロファイルを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、特定の材料特性の組み合わせを必要とする構成要素に益々使用されている。特に、炭素繊維強化樹脂(Carbon Fibre Reinforced Polymer:CFRP)のような複合材料は、一般的にその高い剛性および軽さから、航空宇宙産業および他の産業の構成要素に使用されている。複合材料は、典型的には強化材料(例えば炭素繊維)およびマトリックス材(例えばエポキシ樹脂)を含む。
【0003】
自動繊維配置(AFP:Automated Fiber Placement)および自動テープ積層(ATL:Automated Tape Laying)などの、構成要素のための複合材料を自動的に積層するための、いくつかの方法が知られている。AFPでは、複合材料のいくつかの個々の繊維が集められてトウ(束)を形成し、トウはツールの上に置かれ、周期的に切断されて複合材料のコース(層)を形成する。狭い幅のテープが、個々の繊維またはトウの代わりに使用されることもある。ATLでは、幅の広いテープが、コースにわたってツールに直接適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AFPとATLの両方において、複合材料は、典型的にアプリケータヘッドとして知られている、自動ツールを用いてツールに適用される。アプリケータヘッドは、各プライ(層)を形成するために所定のパターンに従ってツールにトウまたはテープのコースを適用する。所定のパターンは、手動、半自動または自動で定義されうる。例えばトウのコースのパターンは、プライブックデータファイル形式で入力を受け取りコンピューター上で動作するステアリングプログラムによって自動で定義されてもよく、アプリケータヘッドのためのヘッドパスデータファイルを生成する。プライブックデータファイルは、典型的に複数の連続するプライのための定義と、複合的な構成要素(または構成要素のためのプリフォーム)を形成するためのそれぞれのプライ形状と、を含む。ヘッドパスデータファイルは、典型的にプライブックデータファイルにおいて定義されたプライを積層するために、ステアリングパスの様々なセクション(個々のコースに対応する)の切断位置とともに、アプリケータヘッドのためのステアリングパスの定義を含む。
【0005】
典型的に、アプリケータヘッドの移動は、ユーザーの経験に基づいて決定されるようなヘッドパス全体、またはヘッドパスの別個の部分それぞれのための手動で適用される速度限界に基づいて、速度が制限される。速度限界は典型的に、積層工程における複合材料のコースの非接合を防止するために適用される。
【0006】
しかしながら、上述のように速度限界を決定することは手間がかかり、誤りが生じる可能性がある。
【0007】
したがって、積層工程のための移動プロファイルを生成する改良された方法を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、複合材料のコースを積層するためにヘッドパスに沿ってアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動を定義する積層工程のための移動プロファイルを生成する方法が提供され、ヘッドパスに沿って接合強度プロファイルを決定する工程と、接合強度プロファイルに基づいて移動プロファイルを決定する工程と、を含み、移動プロファイルは相対移動の可変速度を含む方法。
【0009】
接合強度プロファイルは、ヘッドパスに沿って変化する少なくとも1つの局所条件に基づいて決定されてもよい。接合強度プロファイルは、ヘッドパス上で変化してもよい。
【0010】
接合強度プロファイルは、基材(ツール、または基礎となる複合材料である場合がある)と複合材料の部分との間の接合強度に関連してもよい。複合材料の部分は、ヘッドパスに沿ったそれぞれの位置においてアプリケータヘッドに隣接する部分であってもよい。すなわち、接合強度プロファイルは、それぞれの部分がアプリケータヘッドに隣接されているときのヘッドパスに沿った複合材料のそれぞれの部分の接合強度(すなわち、積層/適用直後の部分の接合強度)に関連してもよい。接合強度は、複合材料の部分が基材から非接合になることなく、複合材料のそれぞれの部分に適用されうる限界張力に関連してもよい。したがって、追加される張力は非接合をもたらしうる。
【0011】
接合強度プロファイルは、ヘッドパスに沿った単一の位置に関する単一の接合データポイントから構成してもよく、それぞれの位置におけるコースの接合強度に関する接合強度パラメータは、接合データポイントのために決定されてもよい。接合強度プロファイルは、ヘッドパスに沿った複数の位置におけるコースの接合強度に関して接合強度パラメータが決定されている複数のデータポイントを有してもよい。
【0012】
接合強度プロファイルおよび/または移動プロファイルは、ヘッドパスの小部分またはヘッドパスの全範囲に対応してもよい。接合強度プロファイルは、複合材料の単一のコースに対応するヘッドパスの部分に関連してもよい。あるいは、ヘッドパスが複数のコースに対応してもよい。連続および/または重複する接着強度プロファイルおよび/または移動プロファイルが決定されてもよい。
【0013】
接合強度プロファイルは、ヘッドパスに沿ったそれぞれの位置に対応する、少なくとも1つの接合データポイントを含んでもよい。接合強度プロファイルを決定する工程は、各接合データポイントのために、ヘッドパスに沿ったそれぞれの位置のための1つ以上の局所条件を決定する工程と、それぞれの位置のための局所条件または局所条件の各々に基づいて接合データポイントのための接合強度パラメータを決定する工程と、を含んでもよい。
【0014】
特に、接合強度プロファイルを決定する工程は、各接合データポイントのために、ヘッドパスに沿ったそれぞれの位置のための少なくとも1つの局所条件を決定する工程と、ヘッドパスに沿った先行位置のための局所条件または局所条件の各々を決定する工程と、ヘッドパスに沿ったそれぞれの位置および先行位置または先行位置の各々に関する局所条件または局所条件の各々に基づいて接合強度パラメータを決定する工程と、を含んでもよい。
【0015】
局所条件または局所条件の各々はヘッドパスに沿った複数の先行位置のために決定されてもよく、接合強度パラメータはヘッドパスに沿ったそれぞれの位置および複数の先行位置の各々のための局所条件または局所条件の各々に基づいてもよい。
【0016】
各接合データポイントのための接合強度パラメータは、少なくとも部分的に、ヘッドパスに沿った先行位置に関する接合データポイントのための接合強度パラメータに基づいて決定されてもよい。
【0017】
移動プロファイルは、ヘッドパスに沿ったそれぞれの位置に対応する、少なくとも1つの移動データポイントを含んでもよい。各移動データポイントのためのアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動に関する移動パラメータは、接合強度プロファイルの少なくとも1つの接合データポイントに基づいて決定されてもよい。
【0018】
各移動データポイントのために、移動パラメータは、複数の接合データポイントに基づいて決定されてもよい。移動パラメータは、ヘッドパスに沿った位置および/または積層工程の時点に関連する、アプリケータヘッドおよびツールの相対位置、相対移動率、または相対加速度に関連してもよい。
【0019】
移動プロファイルは、ヘッドパスに沿ったそれぞれの位置に対応する複数の移動データポイントを含んでもよい。移動プロファイルは、単一の移動データポイントから構成されてもよい。
【0020】
各移動データポイントのために、移動パラメータは、ヘッドパスに沿った先行位置に対応する(移動データポイントのためのヘッドパスに沿ったそれぞれの位置に対する)少なくとも1つの接合データポイントに基づいて決定されてもよい。各移動データポイントのために、移動パラメータは、移動データポイントのためのそれぞれの位置に対するヘッドパスに沿った前方位置に対応する少なくとも1つの接合データポイントに基づいて決定されてもよい。
【0021】
接合強度プロファイルは、適用されたコースの長さに関するスタック距離パラメータと、ヘッドパスおよび/またはコースおよび/または基材のそれぞれの部分の曲率に関する曲率パラメータと、からなるグループから選択された少なくとも1つの局所条件に基づいて決定されてもよい。
【0022】
接合強度プロファイルは、少なくとも部分的に、複合材料の接合性に関する接合性パラメータと、複合材料の経過期間と、環境、複合材料、プリフォームまたはツールの温度と、アプリケータヘッドの圧縮力と、プリフォーム、複合材料、ツールまたは環境の温度に関する温度パラメータと、基材の平滑性に関する表面仕上げ特性と、からなるグループから選択される1つ以上の条件に基づいて決定されてもよい。この条件は、データベースに記憶された値に基づいて評価されてもよく、オペレータによって手動で入力されてもよく、または、周期的におよび/または積層工程の間、センサを用いて決定されてもよい。
【0023】
温度パラメータは予測されてもよく、または積層工程の間、センサを用いて決定されてもよい。
【0024】
本方法は、移動プロファイルに従い、相対移動によって積層工程において複合材料に適用される張力に関する、ヘッドパスに沿った予測された張力プロファイルを決定する工程をさらに含んでもよい。
【0025】
本方法は、移動プロファイルに対応する移動プロファイルデータをコンピューター可読ディスクなどの、リソースに出力する工程をさらに含んでもよい。
【0026】
移動プロファイルデータは、予測された張力プロファイルを含んでもよい。したがって、後続の積層工程において、移動プロファイルは、予測された張力プロファイルと、移動プロファイルに従い相対移動によって複合材料に適用される監視された張力との間の比較に基づいて、調整されてもよい。
【0027】
積層工程において使用中に、アプリケータヘッドとツールとの間に、移動プロファイルに実質的に対応する相対移動が生じるように、移動プロファイルデータは定義されてもよい。例えば、移動プロファイルデータは、移動プロファイルのサンプリング、または時間もしくは位置の関数としての、アプリケータヘッドおよび/またはツールへの可変位置、移動率、加速度、および/または電源入力のための指示を含んでもよい。移動プロファイルデータは、移動プロファイルに基づいてヘッドパスの離散部分のために定義された速度限界または加速度限界を含むことができる。そのような限界を含む移動プロファイルは、相対移動プロファイルを自動で決定するが安全性または信頼性における動作のために限界が適用されうる積層機器のために使用されてもよい。
【0028】
本方法は、コンピューターにおいて実行されてもよい。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、複合的な構成要素のための複合材料のコースを積層する方法が提供され、本方法は、本発明の第1の態様による積層工程のためのヘッドパスに沿ってアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動を定義する移動プロファイルを生成する工程と、複合材料のコースを積層するために移動プロファイルに従ってアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動を行うように積層機器を制御する工程と、を含む。
【0030】
本発明の第3の態様によれば、複合的な構成要素のための複合材料を積層する方法であって、積層工程のためのヘッドパスに沿ってアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動を定義する第1の移動プロファイルを受け取る工程、または本発明の第1の態様に示した第1の移動プロファイルを生成する工程と、第1の積層工程において第1の移動プロファイルに従って相対移動を行うように積層機器を制御する工程と、少なくとも1つの条件に関する第1の積層工程におけるフィードバックパラメータを決定する工程と、第2の移動プロファイルが少なくとも部分的にフィードバックパラメータに基づくように本発明の第1の態様による第2の移動プロファイルを生成する工程と、を含む。
【0031】
第1の移動プロファイルを受け取る工程は、移動プロファイルデータから移動プロファイルを決定する工程を含んでもよい。本方法は、第2の移動プロファイルに従って相対移動を行うように積層機器を制御する工程をさらに含んでもよい。本方法は、ヘッドパスの連続する部分に関する連続する移動プロファイルを生成するために実行されてもよい。
【0032】
第1の積層工程は、構成要素の第1の部分に対応してもよいし、第2の積層工程は、構成要素の第2の部分に対応してもよい。したがって、第1および第2の積層工程を用いて単一の構成要素(すなわち、単一の構成要素の例)は製造されてもよい。
【0033】
第1の積層工程は第1の構成要素に対応してもよいし、第2の積層工程は第2の構成要素に対応してもよい。第1および第2の構成要素は、同じ構成要素の設計の第1および第2の例(すなわち、同じ構成要素の第1および第2の複製物、または同じ設計に製造される第1および第2の構成要素)であってもよい。したがって、同じ構成要素の2つ以上の例に対応する2つ以上の工程にわたって移動プロファイルは最適化されてもよいし、より多くの構成要素が生成されるにつれて特定の構成要素を生成する時間が短縮されてもよい。
【0034】
複数のフィードバックパラメータが決定されてもよく、第2の移動プロファイルはフィードバックパラメータの1つ以上に基づいてもよい。
【0035】
フィードバックパラメータは、環境、複合材料、プリフォームまたはツールの温度に関する温度パラメータと、複合材料の接合性に関する接合性パラメータと、複合材料の経過期間と、アプリケータヘッドとツールとの間の相対移動によって複合材料に適用される張力に関する張力パラメータと、コースに適用された長さに関するスタック距離パラメータと、ヘッドパスおよび/またはコースおよび/または基材のそれぞれの部分の曲率に関する曲率パラメータと、ヘッドパスおよび/またはコースおよび/または基材のそれぞれの部分の曲率に関する曲率パラメータと、アプリケータヘッドによってツールに対して適用される圧縮力に関する圧縮パラメータと、からなるグループから選択されてもよい。
【0036】
各フィードバックパラメータのプロファイルは記憶されてもよく、各フィードバックパラメータプロファイルは移動プロファイルと関連付けられてもよい。第2の移動プロファイルは、フィードバックパラメータプロファイルまたはフィードバックパラメータプロファイルの各々に基づいてもよい。第2の移動プロファイルを生成するための接合強度プロファイルは、少なくとも部分的にフィードバックパラメータまたはフィードバックパラメータの各々に基づいて決定されてもよい。第2の移動プロファイルは、接合強度プロファイルまたはフィードバックパラメータまたはフィードバックパラメータの各々に基づいて決定されてもよい。
【0037】
フィードバックパラメータは、ヘッドパスに沿った相対移動によって複合材料に適用される張力に関する張力パラメータを含んでもよい。張力パラメータは、アプリケータヘッドに接続され、アプリケータヘッドの供給装置とアプリケータヘッドのアプリケータローラーとの間に延びる複合材料の部分に適用される張力に応じるセンサを用いて決定されてもよい。追加的または代替的に、張力パラメータは、ツールに接続され、複合材料の張力によってツールに与えられる反力に応じるセンサを用いて決定されてもよい。
【0038】
本方法は、張力パラメータのプロファイルが複合材料の非接合の開始を示すか否かを判断する工程をさらに含み、プロファイルが非接合の開始を示すと判定された場合、張力パラメータに基づいて第2の積層工程のための接合強度プロファイルおよび/または移動プロファイルが決定される。
【0039】
ヘッドパスに沿った張力パラメータのプロファイルは、張力パラメータの変化率が所定の範囲外にある場合、張力パラメータのプロファイル(すなわち張力プロファイル)が不安定である場合、および/または張力または張力プロファイルが予測された張力プロファイルまたは予測された張力パラメータから閾値量だけ離れている場合に、非接合の開始を示すと判断されてもよい。例えば、供給装置は、適用される複合材料に適用される張力を調整するように(例えば、一定の張力を維持するように)構成されたアクチュエータを有する張力制御システムを有してもよい。張力制御システムはアクチュエータの動作に関するセンサを含んでもよく、張力パラメータはセンサの出力に対応してもよい。アクチュエータは、均一な基材(例えば、平板)上に複合材料を積層する場合、実質的に静止したままであってもよい。しかし、複合材料と基材との間に滑りがある場合、アクチュエータは一定の張力を維持するために移動するように制御されてもよい(例えば、供給装置と基材との間の距離を長くすることによって)。したがって、非接合の開始は、張力パラメータのプロファイル(センサの出力)が所定の変化率を超える場合に判断されてもよい。
【0040】
予測された張力プロファイルまたは予測された張力パラメータは、予め決定されてもよい。予測された張力プロファイルまたは予測された張力パラメータは、第1の積層工程のための移動プロファイルに基づいてもよい。例えば、予測された張力プロファイルまたは予測された張力パラメータは、ヘッドパスに沿った相対移動の移動率および/またはヘッドパスに沿った相対移動の加速度に基づいてもよい。
【0041】
本発明の第4の態様によれば、コンピューターによって読み取られると、第1、第2または第3の態様による方法をコンピューターに実行させる、コンピューター可読命令を含む非一時的なコンピューター可読記憶媒体が提供される。
【0042】
本発明の第5の態様によれば、コンピューターによって読み取られると、本発明の第1、第2または第3の態様による方法をコンピューターに実行させる、コンピューター可読命令を含む信号が提供される。
【0043】
本発明の第6の態様によれば、コンピューターによって読み取られると、本発明の第1、第2または第3の態様による方法をコンピューターに実行させる、コンピュータープログラムが提供される。
【0044】
本発明の第7の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピューター可読命令を含む少なくとも1つのメモリと、を有し、少なくとも1つのプロセッサはコンピューター可読命令を読み取り、本発明の第1または第2の態様による方法をコンピューターに実行させるように構成されている。
【0045】
本装置は、アプリケータヘッドおよびツールを含む積層機器と、アプリケータヘッドとツールとの間の相対移動を行うように積層機器を制御するように構成されたコントローラーと、をさらに有する。
【0046】
本発明は、添付した図面を参照して、例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】複合的な構成要素に対応する構成要素のボリュームを概略的に示す斜視図である。
図2】複合的な構成要素の設計および製造段階のための方法を示す図である。
図3】本発明による複合的な構成要素の設計および製造段階のための方法を示す図である。
図4】移動プロファイルを生成する方法を示す図である。
図5】ヘッドパスおよび対応する限界張力プロファイルを示す図である。
図6】移動プロファイルを生成する他の方法を示す図である。
図7】ヘッドパスおよび対応する限界張力プロファイルの他の例を示す図である。
図8】移動プロファイルを生成し、対応する複合材料のコースを積層する方法を示す図である。
図9図8の移動プロファイルを生成する方法を示す図である。
図10】積層装置を示す図である。
図11】処理装置および積層装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の理解のため、まず、図1および図2を参照しつつ、出願人によって過去に検討された(しかし、開示されていない)複合的な構成要素のための例示的な設計および製造方法が以下に説明される。
【0049】
図1は、コンピューターにおいてシミュレートされるような、本明細書では構成要素のボリュームと呼ばれる、複合ファンブレード本体10の3次元表現を示す。ファンブレード本体10は、前縁、後縁および先端金属の取り付けのための凹部12、14を有する。
【0050】
図2は、構成要素の積層工程を定義する例示的な方法(100)および構成要素を製造する例示的な方法(300)を示す。積層工程を定義する方法(100)は、構成要素のCADモデルを設計する工程(102)、プライブックを生成するためにCADモデルに基づいて構成要素のための複合材料のプライを定義する工程(104)、およびCAM(Computer Aided Manufacture)におけるアプリケータヘッドとツールとの間の相対移動に対応するヘッドパスを定義する工程(104)を含む、サブ方法を含む。
【0051】
後続の製造方法(300)は、ヘッドパスの部分のための速度限界(または「速度ゲート」)を手動で定義する工程(302)、ヘッドパスおよび速度ゲートに基づいて積層機器をオペレーティングする工程(304)、および完成した構成要素を形成するためにプリフォームを硬化する工程(306)、を含む。
【0052】
構成要素のボリュームは、当技術分野で知られている任意の適切なCADの設計方法102に従って生成されうる。プライブックは、当技術分野で知られている任意の適切な自動、半自動または手動のプライブックの設計方法を用いることで定義されうる。プライブックは、複数の連続するプライの定義(すなわち、プライの形状およびプライの相対位置)を含む。
【0053】
ヘッドパスは、当技術分野で知られているように自動、半自動、または手動で生成されうる。出願人は、典型的にプライブックにおいて定義されたプライが分析される自動的アプローチを用いてヘッドパスを生成して、複合材料の複数のコースを積層するために定義されたヘッドパスを生成し、連続する各プライを形成する。
【0054】
この例では、ヘッドパスは積層されるプリフォーム全体に対応し、複合材料の複数の連続するコースに対応する。ツールに関連するアプリケータヘッドの一連の位置を含むヘッドパスデータは、コンピューター可読ディスクのようなリソースに出力され、コントローラー、アプリケータヘッドおよび、ツールを含む積層装置に読み込まれる。コントローラーは、位置に基づいて追従するパスを自動で決定するように構成される。ヘッドパスデータは、1つのコースが終端され(すなわち、トウの切断により)、他のコースが開始される複数の切断位置を含む。
【0055】
さらに、コントローラーはヘッドパスの部分の速度限界を定義するユーザーの入力を受信するように構成される。この例では、ユーザーはヘッドパスの視覚的表示に従うことによってヘッドパスの部分を手動で選択し、速度限界(すなわち、ツールに対するアプリケータヘッドの相対移動の速度)を特定の部分に設定する(302)。これは、典型的にユーザーの経験に基づいて行われ、ヘッドパスの複雑な幾何学的部分のために0.1m/sのような比較的遅い速度を選択し、ヘッドパスの単純または平坦な部分のために0.8m/sのような比較的速い速度を選択してもよい。
【0056】
積層工程(304)において、コントローラーは、ヘッドパスを記述するためにヘッドパスデータに従ってアプリケータヘッドをツールに対して移動させ、ヘッドパスの部分に関連付けられて設定された速度限界に従ってアプリケータヘッドの速度を制限する。コントローラーは、ヘッドパスデータにおいて設定されているように各コースの端部に対応するヘッドパスに沿った位置で複合的なトウを切断させる。
【0057】
プリフォームは、積層されると、当技術分野において知られているように高温および高圧において硬化されて構成要素を形成する(306)。
【0058】
図3に示されるように、本発明による積層工程を定義し、複合的な構成要素を製造する方法は、以下に詳細に説明するように、ヘッドパスに沿った接合強度プロファイルに基づいて移動プロファイルが決定される(408)点で上記とは異なる。続いて、製造工程(500)において、移動プロファイルデータに基づいてプリフォームが積層され(410)、その後、上述したようにプリフォームが硬化される(306)。
【0059】
移動プロファイルを決定するための方法の例を詳細に説明する。
【0060】
第1の例
図4および図5を参照して、移動プロファイルを決定する(または生成する)第1の例示的な方法(408)を説明する。図4は本方法のためのフローチャートを示し、一方図5は例示目的のみのためのシミュレートされたヘッドパス410の例を示し、この第1の例では左から右に延びる平板上の直線状のコースである。簡略化のために、この例ではヘッドパス410は複合材料の単一のコースに対応する。他の実施形態ではヘッドパスは複合材料のいくつかの連続するコースに対応してもよく、複合的な構成要素を積層するために必要なすべてのコースに対応してもよい。
【0061】
コースに対応するヘッドパス410はヘッドパス410の連続する部分414を提供するためにコンピューター内で受け取られ、離散化される(412)。この例では、ヘッドパス410は所定の数の等しいパス長の部分(例えば、1000部分)に離散化されが、 他の実施形態では離散部分を決定するために、絶対パス長(例えば、5mm)、またはヘッドパスの曲率もしくは方向、もしくはヘッドパスのそれぞれの部分のために使用するための材料特性の変化がある位置のような異なる基準が使用されてもよい。
【0062】
下記に詳述するように、離散化された各部分414は順番に、コンピューターにおいてヘッドパスのそれぞれの部分をシミュレートし(416)、その部分の局所条件を決定し(418)、その部分の接合強度パラメータを決定するように処理される(420)。各部分はコースが完成するまで、上述のように(すなわち、ループで)再帰的にシミュレートされ分析される。
【0063】
コースの各部分414は、分析されうる任意の適切な方法によってコンピューター内でシミュレートされる。したがって、シミュレーションは図形として表現可能なモデルを生成することを必要としない。対照的に、部分414の位置および形状を分析するために必要な情報を定義することをのみを必要としてもよい。各部分414がシミュレートされると、連続する部分の全てを含むシミュレートされたコースのモデル422が徐々に構築され、コンピューターのメモリに記憶される。
【0064】
この第1の例示的な実施形態では、ヘッドパス410の各部分のために評価される局所条件は、スタック距離パラメータである。スタック距離パラメータは、コースのそれぞれの部分まで積層されたコースのパス長に関係する。したがって、各部分のスタック距離は、その部分のパス長を評価し、モデル422に記憶されているような以前にシミュレートされた部分の累積パス長にこのパス長を加算することによって決定される。他の実施形態では、2つ以上の局所条件が評価されてもよい。
【0065】
この第1の例示的な実施形態では、ヘッドパス410の離散化された各部分414の端部は、接合強度パラメータが決定される接合データポイントを定義する(420)。接合強度パラメータは、基材から(すなわち、ツールまたは複合材料の基礎となるプライから)非接合になる前にそのコースに適用され得る最大張力(またはせん断力)に対応する張力限界を推定し、張力限界に安全マージンを考慮することによって決定される。したがって、各位置での接合強度パラメータは、それぞれの位置(すなわち、部分がアプリケータヘッドに隣接しているときのそれぞれの積層工程の時点における)まで積層されたときのコースの接合強度を表す。
【0066】
張力限界は、スタック距離の関数として、経験的関係に基づいて、接合データポイントにおいて推定される。出願人は、基材に付着しているコースの面積が増加することによって、コースのスタック距離と張力限界との間に関係があることを見出した。
【0067】
例えば、平板に適用されるコースの場合、張力限界は、閾値(または定常状態)の張力限界まで、スタック距離と共に実質的に直線的に増加してもよい。これは図5に図示されており、ヘッドパス410(またはコース)に沿って張力限界プロファイル424を上書きし、ヘッドパス410からの張力限界プロファイル424の通常の分離は、それぞれ接合データポイントの張力限界に比例する。
【0068】
この実施形態では、張力限界は、
積層工程のための特定の材料と、
複合材料の接合性に関する接合性パラメータと、
複合材料の経過期間と、
積層工程におけるプリフォームの温度と、
プリフォームに適用される複合材料の温度と、
複合材料の幅と、
アプリケータローラーによって積層工程において適用される圧縮力と、
基材の平滑性に関する表面仕上げ特性と、
を含む、推定される張力限界に影響を与える他の全体条件に加えて、スタック距離の局所条件に基づいて決定される。
【0069】
この実施形態では、これらの全体条件は、構成要素および機器データベース425に記憶された積層工程の推定値としてコンピューターに提供されるが、他の実施形態では、第3の例示的な実施形態に関して後述されるように、全体条件は、積層工程からのフィードバックに基づいて提供または更新されてもよい。
【0070】
接合性パラメータは、N/mの単位の付着強度の形態で提供されてもよい。接合性パラメータは、積層工程において使用するための特定の材料に基づいて探索テーブルから取得されてもよく、複合材料の経過期間に基づいて変更されてもよい。
【0071】
接合強度は温度と共に増加してもよいし、増加する圧縮力および接合性と共に増加してもよい。材料の接合性は、経過期間と共に低下してもよい。
【0072】
各接合ポイントの接合強度パラメータは、それぞれのデータポイントにおいて決定された張力限界に安全係数を考慮することによって決定される。この実施形態では、安全係数は20%であるので、接合強度パラメータは張力限界の80%である。各接合データポイントの接合強度パラメータはメモリに記憶される。
【0073】
コースの離散化された各部分がシミュレートされ、局所条件が推定されて接合強度パラメータが決定される(416、418、420)と、記憶された接合強度パラメータに基づいて、接合強度プロファイルが決定される(428)。接合強度プロファイルは、ヘッドパス410に沿った一連の接合強度パラメータを含む。
【0074】
移動プロファイルは、接合強度プロファイルに基づいてヘッドパス410に沿って決定される(430)。この第1の例示的な実施形態では、複合材料に適用される張力が接合強度プロファイル(安全係数が考慮された張力限界に関係する)を超えることを回避しながら、積層工程の速度を最適化するように移動プロファイルが決定される。
【0075】
この実施形態では、連続する移動プロファイルを決定し、接合強度プロファイルに関して対応する予測された張力プロファイルを評価することによって移動プロファイルは反復的に決定される。初期移動プロファイルは、積層機器の最大速度および加速能力(すなわち、アプリケータヘッドおよびツールの相対速度および加速能力)に基づいて決定される。対応する予測された張力プロファイルが接合強度プロファイルを超えない限り移動ファイルは反復的に調整される。
【0076】
予測された張力プロファイルは、積層機器の様々な設定のために出願人によって経験的に決定された、複合材料における張力と、アプリケータヘッドおよびツールの相対速度および/または加速度との間の経験的関係に基づいて決定される。例えば、張力プロファイルは単位速度当たりの張力の記憶された値と、単位加速度当たりの張力の記憶された値と、複合材料をアプリケータヘッドに供給するアプリケータヘッドの供給アセンブリによって複合材料に適用されるベースライン張力の記憶された値に基づいてもよい。
【0077】
移動プロファイルは、当技術分野で知られているような最適化方法を用いて、予測された張力プロファイルを接合強度プロファイル内に維持しながらヘッドパスを積層する全体的な時間を最短にするように反復的に最適化されうる。この実施形態では、移動プロファイルは、ヘッドパスに沿った複数の移動データポイント(接合データポイントの位置に対応する)のそれぞれのためのタイムスタンプを決定することによって定義される。タイムスタンプはアプリケータヘッドがそれぞれの部分を積層する積層工程の開始からの時間を決定し、したがって速度および加速度のようなすべての派生量はこのように定義された移動プロファイルから決定されうる。
【0078】
他の実施形態では、移動プロファイルは、複数の対応する接合データポイント(例えば、移動データポイントと同じ位置にある接合データポイント、先行する接合データポイントと前方の接合データポイント)のための接合強度パラメータの平均に基づいて相対移動速度の観点で各移動データポイントにおいて決定されてもよく、これにより相対移動の速度が平滑化される。
【0079】
移動プロファイルが決定されると、移動プロファイルデータが生成されてリソース(コンピューター可読ディスクなど)に出力される。この実施形態では、移動プロファイルデータは時間によって相関付けられた、アプリケータヘッドおよびツールの一連の相対位置座標を含む。
【0080】
後続の製造方法では、積層機器は移動プロファイルデータを解釈することができ、移動プロファイルデータに従いパスに沿って移動するようにアプリケータヘッドおよび/またはツールを制御でき、これにより移動プロファイルに従った移動を実質的に達成することができる。
【0081】
他の実施形態では、移動プロファイルデータはヘッドパスとヘッドパスに沿った移動のための可変の速度または加速度プロファイルを含んでもよい。さらに、移動プロファイルはヘッドパスおよび移動プロファイルを記述する一連のベクトルを含んでもよい。
【0082】
第2の例
図6および図7に示されるように第2の例示的な実施形態では、移動プロファイルを生成する方法(608)は、ヘッドプロファイル610の各部分のための累積張力限界は、それぞれの部分のための局所張力限界および先行部分のための局所張力限界(存在する場合)に基づいて決定されるという点で第1の例示的な実施形態と異なる。プロファイルに沿った各接合データポイントのための接合強度パラメータは、累積張力限界に基づく。
【0083】
さらに、この第2の例示的な実施形態は、評価される局所条件がヘッドパスの曲率に関する曲率パラメータである点で第1の例示的な実施形態と異なる。
【0084】
図6に示されるように、ヘッドパス610は、第1の例示的な実施形態に関して上述した方法と同じ方法で受け取られ、離散化される(412)。さらに、各コースは、上述したように、任意の適切な方法でシミュレートされる(416)。
【0085】
図7に示されるように、この例では、ヘッドパス610は、翼断面の周りにおいて後縁の方向に翼の吸入側の四分点から延在し、その後圧力側に沿って戻り、前縁の周りに延びる単一なコースを定義する。
【0086】
曲率パラメータは、任意の適切な方法で定義されてもよい。例えば、ヘッドパスのそれぞれの部分の曲率パラメータはヘッドパスのそれぞれの部分の最大または主要な曲率であってもよい。それぞれの部分の主要な曲率は、その部分に対する任意の法線平面(すなわち、ヘッドパスのそれぞれの部分の法線を含む平面)において解明される最大曲率である。曲率パラメータは、それぞれの法線平面における曲率半径(または接円の半径として知られている)の逆数に基づいて決定されてもよい。
【0087】
あるいは、曲率パラメータはそれぞれの部分におけるヘッドパス方向も含む法線平面における曲率であってもよい。ヘッドパス方向は、それぞれの部分において、ヘッドパスが延びる方向である。以下、この曲率パラメータはヘッドパスに沿った曲率と称される。
【0088】
この例示的な実施形態では、曲率パラメータはヘッドパスに沿った曲率であり、法線の方向はツールからアプリケータヘッドまで延びる(すなわち、ツールの積層面から離れる)方向として定義される。したがって、曲率パラメータはヘッドパスの各部分が概ね凹状であるときは正であり、曲率が概ね凸状であるときは負である。他の実施形態では、法線はツールに向かって延びる方向に定義されてもよい。したがって、図7に示される例示的な翼は、吸入側および前縁および後縁は負の曲率を有し、一方圧力側は正の曲率を有する。
【0089】
局所張力限界は、それぞれの部分の曲率パラメータに基づいてヘッドパス610の各部分のために決定される(619)。この実施形態では、局所張力限界は、ヘッドパス610の先行部分を参照せずに、独立してヘッドパスのそれぞれの部分に基づいて決定される。
【0090】
第1の実施形態に関して上述したように、張力限界は、ツールに適用される複合材料の温度および複合材料の仕様のような他の全体条件に加えて局所条件(この実施形態では、曲率パラメータ)に基づいて決定される。それぞれの部分の張力限界は、局所張力限界632のデータベースに記憶される。
【0091】
続いて、第1の例示的な実施形態に関して上述したように、ヘッドパス610のそれぞれの部分のために接合強度パラメータが決定される(620)。この例示的な実施形態では、接合強度パラメータを決定する工程(620)は、各部分の局所張力限界および1つ以上の先行部分の局所張力限界に基づいて累積張力限界を決定し、続いて安全係数に基づいて累積張力限界を要因とすることを含む。
【0092】
特に、出願人は、ヘッドパスのそれぞれの部分のための張力限界はそれぞれの部分の局所条件および先行する(前の)部分の条件の両方に依存してもよいことを見出した。しかし、先行部分の局所条件または張力限界への依存は、先行部分とそれぞれの部分(すなわち、張力限界が決定されようとしている部分)との間で距離の関数として減少してもよい。
【0093】
さらに、出願人は、それぞれの部分のための局部張力限界は部分の曲率に依存することを見出した。特に、出願人は、正の曲率を有するヘッドパスの部分が平板よりも非接合となり易い(すなわち、より低い局所張力限界を有する)ことを見出した。さらに、出願人は、負の曲率を有するヘッドパスの部分が平板よりも非接合となり難いことを見出した。
【0094】
上記の観点において、この実施形態では、張力限界推定に対する各部分の影響は、それぞれの部分に対する各部分の位置に従って加重される。特に、ヘッドパスの特定の部分nにおいて評価される累積張力限界は、それぞれの部分と1つ以上の先行部分(存在する場合)のための局所張力限界の加重合計に基づいて決定される。
【0095】
この例示的な実施形態では、部分nの累積張力限界は以下のように計算され、τnはそれぞれの部分nのための局所張力限界に対応し、εnはそれぞれの部分nのために評価される累積張力限界に対応する。
ε=0.25τ(n−2)+0.5τ(n−1)+τ
したがって、累積張力限界が推定される部分nの局所張力限界τは、先行部分(すなわち、部分n−1、n−2)よりも累積張力限界に大きな影響を及ぼす。したがって、累積張力限界は、ある部分から次の部分に落ちる可能性がある。
【0096】
この傾向は図7に示されており、ヘッドパス610の周りの累積張力限界プロファイル(安全マージンを用いた接合強度プロファイルに直接関係する)が、プロファイル624によって図式的に表されている。プロファイル624とヘッドパス610の間の通常の分離は累積張力限界に比例する。中程度の負の曲率のみを有するコースの始め(矢印627によって示される)に示されるように、累積張力限界は定常速度値に達する閾値までスタック距離と共に増加する。さらに、後縁の負の曲率によって翼の後縁における累積張力プロファイル624の大幅な増加がある一方で、翼の圧力側における正の曲率の次の領域における張力限界の著しい低下もある。
【0097】
各接合データポイントに対する累積張力限界は、接合強度パラメータデータベース624に記憶される。さらに、上述したように、各接合データポイントのための接合強度パラメータは、各接合データポイントに対応する累積張力限界に、この実施形態では20%である安全係数を考慮することに基づいて決定される(620)(すなわち、接合強度パラメータが累積張力限界の80%である)。接合強度パラメータも接合強度パラメータデータベース624に記憶される。
【0098】
続いて、第1の実施形態に関して上述したように、接合強度プロファイルおよび移動プロファイルは、積層工程において使用するための移動プロファイルデータを生成するために、接合強度パラメータに基づいて決定される。
第3の例
本発明のさらなる例では、移動プロファイルは、積層工程からのフィードバックデータを用いて決定された条件に基づいて生成される。したがって、積層工程のための移動プロファイルは、積層工程において監視される条件に全体的または部分的に基づいて定義されうる。
【0099】
図8は、この実施形態において、図3および図5に示される移動プロファイルを生成し(408、608)、プリフォームを積層する(304、504)別個の方法を置き換える、積層工程を実行しながら移動プロファイルを生成する方法(800)を示す。
【0100】
この第3の例の複合移動定義および積層する方法(800)において、第1または第2の例を参照して上述されたように、ヘッドパス810の移動プロファイルデータを生成するために第1の移動プロファイルが決定される(408、608)。
【0101】
次に、ヘッドパス810の部分は、第1の積層工程において構成要素のためのプリフォームを部分的に形成するために積層され(812)、1つ以上のフィードバック信号が 第1の積層工程において積層機器によって生成される。
【0102】
この例示的な実施形態では、3つの条件が積層工程において監視される。第1の条件は、複合材料がツールに適用されるときにアプリケータヘッドのアプリケータローラーによって適用される力に関する圧縮力である。第2の条件は、アプリケータヘッドの領域におけるプリフォームの温度である。第3の条件は、積層工程において複合材料がツールに適用されるときに複合材料に適用される張力である。
【0103】
第1の条件は、ヘッドパスに沿ってアプリケータローラーがツールに複合材料を適用するときに、アプリケータローラーによって適用される圧力を測定するためにアプリケータローラーに接続されたフォースセンサを用いて監視される。
【0104】
第2の条件は、アプリケータヘッドに接続され、複合材料がプリフォームに適用されるときに、プリフォームの温度を監視するように構成されたパイロメータを用いて監視される。
【0105】
この例示的な実施形態では、ツールは静止したままでありアプリケータヘッドはツールに対して移動する。第3の条件は、ツールに接続され、アプリケータヘッドの移動に対するツールの反応に基づいて複合材料に適用される張力を解析するように構成されたフォースセンサを用いて監視される。他の実施形態では、第3の条件は、複合材料に適用される張力を決定するためにアプリケータヘッドの供給装置に接続されたフォースセンサを用いて監視される。
【0106】
3つのフィードバック信号は、ヘッドパスと1つ以上の監視された条件とに基づいて移動プロファイルを生成するように構成されたコンピューターに送信される(808)。
【0107】
図9に示されるように、移動プロファイルを生成する方法(808)は、本発明の第1の実施形態(408)に関して上述されたものに実質的に対応するが、以下のように異なる。
【0108】
最初に、1つまたは複数のフィードバック信号(815)が、積層機器から受信される。アプリケータローラーの力およびプライ温度に関するフィードバック信号(第1および第2のフィードバック信号)は、全体条件に関連し、データベース824に記憶されるような、これらの条件のためのデータは、フィードバック信号の受信時に更新される。したがって、この第3の例示的な方法では、連続する各接合強度パラメータを決定する工程(820)は、想定値ではなく、これらの監視された条件に基づいて行われる。これは接合強度パラメータの推定を改善し、したがってヘッドパスのために決定される第2の移動プロファイルを最適化しうる。
【0109】
第3のフィードバック信号は、複合材料に適用される張力に関連する。この第3の例示的な方法(808)では、監視された張力プロファイルをチェックし、積層機器が張力限界以上で動作していることをプロファイルが示しているか否かを判断する、さらなる工程(834)がある。特に、出願人は、張力プロファイルと非接合の動作との間に関係があり、非接合の動作が張力プロファイルに基づいて決定されうることを見出した。例えば、ヘッドパスに沿った張力プロファイルの所定の範囲外の変化率は、非接合の動作を示してもよい。したがって、張力プロファイルが非接合の動作を示す場合、接合強度プロファイルは、複合材料において監視されたまたは予測された張力よりも低くなるように決定されてもよい。
【0110】
さらに、第3の例示的な実施形態による接合強度プロファイルに基づいて移動プロファイルを決定する方法(830)は、張力の予測は、少なくとも部分的に、第3のフィードバック信号から決定されるような(そしてデータベース824に提供される)張力プロファイルに基づくという点で異なる。特に、この実施形態では、移動プロファイルは、上述のように張力プロファイルを接合強度プロファイルより低く維持しながら移動プロファイルを最適化するように、移動プロファイルを反復的に決定して、ヘッドパスに沿った対応する張力プロファイルを予測することによって決定される。この実施形態では、張力プロファイルの各予測は、予測された張力プロファイルが監視された値に基づいて補正されうることに基づき、監視された張力プロファイルに基づいて調整される。したがって、移動プロファイルはさらに最適化されうる。
【0111】
この実施形態では、第1の移動プロファイルは、ヘッドパスの第1の部分に対応し、第2の移動プロファイルは、同じ構成要素のためのヘッドパスの第2の後続部分に対応し、さらなる移動プロファイルは、積層されるヘッドパスの連続する各部分のために生成される。したがって、ヘッドパス全体に沿った移動プロファイルは、ヘッドパスに沿った移動によって構成要素が積層される場合のフィードバックパラメータに基づいて定義される。積層されるヘッドパスの個々の部分は、ヘッドパスを所定の数の部分、または所定のパス 長の部分に離散化することによって定義されてもよい。あるいは、フィードバックパラメータが規則的な間隔で生成されてもよく、フィードバックパラメータが著しく変化した場合または所定の範囲外に変動した場合に、新たな移動プロファイルが生成されてもよい。
【0112】
他の実施形態では、第1の移動プロファイルは、完全なヘッドパスに対応してもよく、第2の移動プロファイルは、構成要素の第2のバージョンを作成することがなければ、同じヘッドパスに対応してもよい。したがって、積層工程が幾分遅くなるように、第1の移動プロファイルは、比較的控えめに定義されてもよい。その後、フィードバックデータに基づいて、連続する移動プロファイルは生成されてもよく、その結果、製造時間が改善される。そのような実施形態では、(移動プロファイルを決定するために使用されるような)複合材料に適用される張力と相対移動との間の関係は、以前に監視された移動プロファイルのための記録された張力プロフィールに基づいて調整されてもよい。張力パラメータは監視され、記録された張力プロファイルが張力プロファイルに対して設定された安全閾値に近づくように、移動プロファイルは連続する積層工程にわたって反復的に調整される。したがって、積層工程は、同じ構成要素の多数のバージョンにわたって徐々に調整されうる。
【0113】
上述の説明では、方法の工程は括弧内の参照番号を用いて識別されているが、ヘッドプロファイル410のようなシミュレートされたものは、カッコなしの参照番号を用いて識別されている。
【0114】
図10は、ツール906に対して移動するように構成されたアプリケータヘッド902を含む、積層機器900を示す。アプリケータヘッド902は、複合材料のコースをツール906に適用するためのアプリケータローラー904を有する。
【0115】
図11は、積層工程および/または積層工程の実行のための移動プロファイルを生成する方法を実行するための制御装置910および積層機器900の概略図を示す。制御装置910は、コントローラー912と、ユーザー入力デバイス918と、出力デバイス919と、を有する。いくつかの例では、装置910は、モジュールであってもよい。本明細書で使用される「モジュール」という用語は、1つ以上の特徴が、後で他の製造者またはエンドユーザーによって含まれうるデバイスまたは装置を指す。例えば、装置がモジュールである場合、装置はコントローラーのみを含んでもよく、残りの特徴は他の製造者によって、またはエンドユーザーによって追加されてもよい。
【0116】
コントローラー912、ユーザー入力デバイス918、および出力デバイス919は、無線リンクを介して互いに接続されてもよく、したがってトランシーバー回路および1つ以上のアンテナを有してもよい。追加的または代替的に、コントローラー912と、ユーザー入力デバイスおよび出力デバイスと、を含む制御装置910の様々な他の構成要素とは、有線リンクを介して互いに接続されてもよく、したがってインターフェース回路(ユニバーサルシリアルバス(USB)ソケット)を有してもよい。コントローラー、ユーザー入力デバイス、および出力デバイスは、有線および無線リンクの任意の組み合わせを介して互いに接続されてもよいことが理解されるべきである。
【0117】
コントローラー912は、図3から図9を参照して本明細書で説明される方法を実行させる任意の適切な回路を含んでもよい。コントローラー912は、本方法を実行するために、少なくとも1つの特定用途向けの集積回路(ASIC)、および/または少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/またはシングルまたはマルチプロセッサ・アーキテクチャー、および/または連続的な(フォン ノイマン:Von Neumann)/並列アーキテクチャー、および/または少なくとも1つのプログラマブルロジックコントローラー(PLC)、および/または少なくとも1つのマイクロプロセッサ、および/または少なくとも1つのマイクロコントローラー、および/または中央処理ユニット(CPU)、および/またはグラフィックス処理ユニット(GPU)を有してもよい。
【0118】
一例として、コントローラーは、少なくとも1つのプロセッサ914および少なくとも1つのメモリ916を有してもよい。メモリ916は、プロセッサによって読み取られると図3から図9を参照して本明細書で説明される方法をコンピューターに実行させる、コンピューター可読命令を含むコンピュータープログラム917を記憶する。コンピュータープログラム917は、ソフトウェアまたはファームウェアであってもよいし、ソフトウェアとファームウェアの組み合わせであってもよい。
【0119】
プロセッサ914は、少なくとも1つのマイクロプロセッサと単一コアプロセッサを含んでもよく、複数のプロセッサコア(デュアルコアプロセッサまたはクワッドコアプロセッサなど)を含んでもよく、または複数のプロセッサ(少なくとも1つは、複数のプロセッサコアを含む)を含んでもよい。
【0120】
メモリ916は、任意の適切な非一時的なコンピューター可読記憶媒体、1つまたは複数のデータ記憶デバイスであってもよく、ハードディスクおよび/または固体メモリ(フラッシュメモリなど)を有してもよい。メモリは、永続的な消去不能メモリであってもよいし、消去可能メモリ(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)であってもよい。
【0121】
また、メモリ916は、構成要素および材料のデータベースおよび接合強度パラメータを記憶する。
【0122】
コンピュータープログラム917は、非一時的なコンピューター可読記憶媒体に記憶されてもよい。コンピュータープログラム917は、非一時的なコンピューター可読記憶媒体からメモリ916に転送されてもよい。非一時的なコンピューター可読記憶媒体916は、例えば、USBフラッシュドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)またはブルーレイ(Blu−ray(登録商標))ディスクである。いくつかの例では、コンピュータープログラム917は、無線信号または有線信号を介してメモリ916に転送されてもよい。
【0123】
ユーザー入力デバイス918は、オペレータが装置を少なくとも部分的に制御することを可能にするための任意の適切なデバイスを有してもよい。例えば、ユーザー入力デバイス918は、キーボード、キーパッド、タッチパッド、タッチスクリーンディスプレイ、およびコンピューターマウスのうちの1つ以上を有してもよい。コントローラー912は、ユーザー入力デバイスから信号を受信するように構成される。
【0124】
出力デバイス919は、ユーザーに情報を伝達する任意の適切なデバイスであってもよい。例えば、出力デバイスは、ディスプレイ(液晶ディスプレイ、または発光ダイオードディスプレイ、またはアクティブマトリックス式有機発光ダイオードディスプレイ、または薄膜トランジスタディスプレイ、または陰極線管(ブラウン管)ディスプレイなど)、および/または拡声器、および/またはプリンター(インクジェットプリンターまたはレーザープリンターなど)であってもよい。コントローラー912は、出力デバイス919に信号を提供し、出力デバイスがユーザーに情報を送信するように構成される。
【0125】
制御装置は、ヘッドパスデータを受信するための入力インターフェース920と、積層機器900からフィードバックパラメータを受信するためのフィードバックインターフェース922と、移動プロファイルデータを積層機器900に提供するための出力インターフェース924と、をさらに含む。制御装置910はコンピューターであってもよい。
【0126】
積層機器900は、さらなるコントローラー926と、アプリケータヘッド902およびツール906と、フィードバックパラメータを決定し制御装置910に送信するためのセンサ機器908と、を含む。コントローラー926は、コントローラー912から受信した命令に基づく相対移動のためのアプリケータヘッド902および/またはツール906を制御するように構成される。他の実施形態では、積層機器900を直接制御することができる制御装置のコントローラー912のみが存在してもよい(すなわち、コントローラー926は存在しなくてもよい)。
【0127】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本明細書に記載された概念から逸脱することなく様々な修正および改良を行いうることが理解される。互いに排他的な場合を除いて、特徴のいずれかを別個にまたは他の特徴と組み合わせて使用することができ、本開示は本明細書に記載される1つ以上の特徴のすべての組み合わせおよび部分的組み合わせを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11