(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物体を位置合わせテンプレートとして用いて物体を取り付け面に所望の位置合わせ状態でブラインド的にスライドマウントしやすくするマーキング装置であって、前記マーキング装置は、
(a)ヘッド部分、マーキング端部及び主軸線に沿って前記ヘッド部分と前記マーキング端部との間に延びるシャフト部分を含むポスト要素を有し、前記シャフト部分は、少なくとも部分的にねじ山付きであり、
(b)前記ポスト要素に対して前記主軸線に沿って閉鎖位置と開放位置と前記閉鎖位置と前記開放位置との間の把持位置との間で動くことができる物体保持要素を有し、
(i)前記物体保持要素は、前記閉鎖位置に向かって弾力的に付勢されており、
(ii)前記閉鎖位置から前記開放位置への前記物体保持要素の運動の結果として、前記物体の取り付けリップを受容するリップ溝が得られ、前記リップ溝は、前記ヘッド部分と前記物体保持要素との間の隙間距離によって少なくとも部分的に構成され、
(iii)前記開放位置から前記把持位置への前記物体保持要素の運動の結果として、把持力によって前記取り付けリップを前記リップ溝内に固定するために前記隙間距離が減少し、
(c)解除位置とロック位置との間で前記シャフト部分に沿って螺進可能な締め付け要素を有し、それにより、前記締め付け要素は、
(i)前記解除位置にあるとき、前記閉鎖位置と前記開放位置との間における前記物体保持要素の運動を可能にし、
(ii)前記ロック位置にあるとき、前記把持位置から前記開放位置に向かう前記物体保持要素の運動を阻止し、
(iii)前記把持力の調節可能性を有効にするよう構成され、
(d)カバー要素を有し、前記カバー要素は、前記締め付け要素に係合して前記主軸線回りの前記カバー要素と前記締め付け要素との相対回転運動を制限する一方で前記カバー要素と前記締め付け要素との相対軸方向運動を可能にするよう構成されている、マーキング装置。
前記締め付け要素は、少なくとも1つの半径方向に延びる位置合わせ部材を含み、前記カバー要素は、前記少なくとも1つの位置合わせ部材を軸方向に摺動可能に受け入れる少なくとも1つの軸方向に延びるスロットを有し、それにより、
(a)前記主軸線回りにおける前記締め付け要素と前記カバー要素との相対回転運動を制限し、
(b)前記締め付け要素と前記カバー要素との相対軸方向運動を可能にする、請求項1記載のマーキング装置。
遠位端部、送り出し部分、及び前記遠位端部と前記送り出し部分との間に位置するリザーバを有するアプリケータ本体を含むマーキングアプリケータを更に有し、前記リザーバは、マーキング物質を収容し、前記送り出し部分は、前記マーキング物質のマーキングパッチを前記マーキング端部に被着させるために前記ポスト要素に係合するよう構成されている、請求項1記載のマーキング装置。
送り出し位置は、前記マーキング端部のところで前記シャフト部分のセグメントに受容的に結合するようになっており、前記マーキングアプリケータは、前記リザーバ中に軸方向に作動可能に延びるプランジャシャフトを備えたプランジャ要素を含む、請求項12記載のマーキング装置。
受容的付着は、前記送り出し部分と前記マーキング端部のところの前記シャフト部分の前記セグメントとの螺合によって行われ、軸方向作動可能性は、前記アプリケータ本体と前記プランジャシャフトとの螺合によって行われる、請求項14記載のマーキング装置。
前記1つ又は2つ以上のファセットは、ゴム入り被膜、グリット、スパイク、ロックワッシャ及びローレット目から成る群から選択される、請求項16記載のマーキング装置。
前記ポスト要素は、前記シャフト部分の側方に設けられた回転戻り止め部材を含み、前記回転戻り止め部材は、前記物体を保持要素に係合して前記主軸線回りの前記物体保持要素に対する前記ポスト要素の回転を制限し又は阻止するよう構成されている、請求項1記載のマーキング装置。
前記物体保持要素と前記締め付け要素との間で前記シャフト部分の回りに軸方向に設けられたスペーサ要素を更に有し、前記スペーサ要素は、前記回転戻り止め部材の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている、請求項18記載のマーキング装置。
前記物体保持要素をその開放位置に動かす前記ステップは、片手を用いて、前記表面係合部分を横切って位置する前記片手の親指及び前記1つ又は2つ以上のフィンガーグリップ部分を把持した前記片手の指で前記カバー要素と前記物体保持要素を互いに向かって引き絞ることによって達成される、請求項21記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施例としてのマーキング装置の概略斜視図である。
【
図2】
図1のマーキング装置の別の概略斜視図である。
【
図3】
図1のマーキング装置の概略分解組立図である。
【
図4】本明細書において開示するマーキング装置のある特定の実施形態の例示のカバー要素の概略斜視図である。
【
図5】
図4に示された例示のカバー要素の概略断面図である。
【
図6】物品保持要素がその開放位置に動かされ、それにより物品保持要素とポスト要素のヘッド部分との間にリップ隙間が提供されている例示のマーキング装置の概略斜視図である。
【
図7】物品保持要素がその開放位置にある間における物品の取り付けスロット中へのポスト要素のヘッド部分の挿入の仕方を示す概略部分斜視図である。
【
図8】カバー要素を回転させて締め付け要素をそのロック位置に動かしている間に例示のマーキング要素のシャフト部分が締結具スリットのスロット閉鎖端部のところに位置されるよう保持されている例示のマーキング装置の概略部分斜視図である。
【
図9】1対のマーキング装置が物品にしっかりと取り付けられた状態の物品の概略斜視図であり、各取り付けスロットの取り付けリップが対応のマーキング装置のリップ溝内に固定されている状態を示す図である。
【
図10】各マーキング装置のカバー要素がそのマーキング位置まで動き、それによりある量のマーキング物質を対応のマーキング端部から取り付け面上の対応のマーク配設場所に移すよう物体を取り付け面の方へ押している状態を示す概略斜視図である。
【
図11】
図3に示された例示のマーキング装置の概略断面図である。
【
図12】本発明の例示のマーキング装置の概略断面図であり、このマーキング装置がキャップ型マーキング先端アプリケータの一例を更に含むとともにマーキング装置が物品保持要素がその閉鎖位置にあり、カバー要素がその伸長位置にある状態でマーキング装置が示されている図である。
【
図13】
図12の概略断面図に類似した概略断面図であるが、物品保持要素がその開放位置にある状態で示す図である。
【
図14】
図13の概略断面図に類似した概略断面図であるが、ポスト要素のヘッド部分が物体の取り付けスロットの締結具ヘッド開口部中に挿入された状態を示す図である。
【
図15】
図14の装置の概略断面図であるが、物体保持要素が把持位置にあり、締め付け要素がその解除位置にある状態を示す図である。
【
図16】
図15の概略断面図に類似した概略断面図であるが、カバー要素を回転させて締め付け要素をそのねじ式にそのロック又は保持位置まで移動させて物体スロットリップをヘッド部分と物体保持要素との間にクランプ作用で固定している状態を示す図である。
【
図18】例示のマーキング装置及びプランジャ型マーキングアプリケータの概略断面図である。
【
図19】
図18の例示の装置及びプランジャ型マーキングアプリケータの概略断面図であり、アプリケータ本体がそのマーキング端部の近くでポスト要素にねじ作用で固定されている状態を示す図である。
【
図20】
図18の例示の装置及びプランジャ型マーキングアプリケータの概略断面図であり、プランジャ要素がアプリケータ本体を通って内方にねじ作用で作動され、それによりマーキング物質のパッチをマーキング端部に押し付けた状態を示す図である。
【
図21】
図18の例示の装置及びプランジャ型マーキングアプリケータの概略断面図であり、アプリケータ本体がねじ作用でポスト要素から取り外されている状態を示す図である。
【
図22】
図18の例示の装置及びプランジャ型マーキングアプリケータの概略断面図であり、アプリケータがマーキング物質を装置のマーキング先端部に塗布した後にマーキング装置から分離された状態を示す図である。
【
図23】
図21のマーキング装置の概略断面図であるが、カバー要素がその伸長位置にあってマーキングに先立って取り付け面に当てて位置決めされた形態でマーキング装置が示されている状態を示す図である。
【
図24】
図21の装置の概略断面図であるが、物体を取り付け面に向かって押し、それによりマーキング先端部がマーキング物質の対応のパッチを取り付け面上に配置することによってカバー要素がその引っ込み位置に押し込められた第6の形態でこの装置が示されている図である。
【
図25】取り付け面の概略部分断面図であり、装置により配置されたマークが取り付け面上に施され、締結具がマークのところに設置可能にマークと位置合わせされている状態を示す図である。
【
図26】取り付け面の概略部分断面図であり、締結具が装置配置マークの配設場所のところで取り付け面内に取り付けられた状態を示す図である。
【
図27】物体の鍵穴特徴部と締結具との係合により取り付け面に取り付けられた物体の概略部分断面図である。
【
図28】本発明のマーク図形アプリケータの別の例示の実施形態の概略斜視図である。
【
図30】本発明のマーキング装置の更に別の例示の実施形態の概略斜視図である。
【
図32】本発明のマーキング装置の更に別の実施形態の概略斜視図である。
【
図34】本発明のマーキング装置の更に別の実施形態の概略斜視図である。
【
図36】本発明のマーキング装置の更に別の例示の実施形態の概略断面図であり、物体保持要素の弾力的付勢力及びカバー要素の弾性的付勢力が物体保持要素によって提供されている状態を示す図である。
【
図37】
図36の概略断面図に類似した概略断面図であるが、物体保持要素が物体保持要素の弾性圧縮によってその開放位置に動かされた状態を示す図である。
【
図38】
図35の概略断面図に類似した概略断面図であるが、カバー要素が物体保持要素の弾性圧縮によってそのマーキング位置に動かされた状態を示す図である。
【
図39】
図36の概略断面図に類似した概略断面図であるが、物体保持要素がその開放位置に動かされ、カバー要素が物体保持要素の弾性圧縮によってそのマーキング位置に動かされた状態を示す図である。
【
図41】本発明のマーキング装置の更に別の例示の実施形態の概略斜視図であり、ポスト要素が回転戻り止め部材を含み、マーキング装置がスペーサ要素を有する状態を示す図である。
【
図42】
図41に示されたマーキング装置の実施形態のポスト要素、保持要素及びスペーサ要素の略図である。
【
図44】
図41の実施形態の物体保持要素をその開放位置に動かした際に形成されるリップ溝の概略部分拡大図である。
【
図44A】
図17の概略断面図に類似した概略断面図であるが、マーキング装置が固定されている特定のスライドマウントスロットに対する
図41のマーキングアプリケータのシャフト部分及び回転戻り止め部材のそれぞれの位置を示す図である。
【
図44B】
図41の機能に類似した機能を実行するマーキング装置の概略側面図であるが、スペーサ要素が物体保持要素と一体に形成されかつ弾性材料で作られている状態を示す図である。
【
図45】本発明のマーキング装置の更に別の例示の実施形態の概略斜視図であり、カバー保持戻り止めがトルクがけツールと係合可能な1対の互いに反対側に設けられたトルク係合溝を有する状態を示す図である。
【
図46】
図45に示されたマーキング装置の実施形態の概略分解組立図である。
【
図47】
図46のマーキングアプリケータの概略斜視図であり、このマーキングアプリケータがトルクがけツールがカバー保持戻り止めのトルク係合スロットに係合したときに用いられる1組の家庭用ピンセットを含み、それによりユーザがカバー要素を回転させながらポスト要素の回転を更に妨げ又は阻止することができる状態を示す図である。
【
図48】本発明のマーキング装置の更に別の例示の実施形態の概略斜視図であり、マーキング端部がねじ式カプラによってポスト要素のシャフト部分に結合されたマーキング端部ねじであることを示す図である。
【
図49】
図48に示されたマーキング装置の実施形態の概略分解組立図である。
【
図50】本発明のマーキング装置及びトルクがけツールの更に別の例示の実施形態の概略斜視図であり、トルクがけツールが物体保持要素のグリップ部分と係合可能な1つ又は2つ以上のねじりロックアームを有する状態を示す図である。
【
図51】互いに係合状態にある
図50のマーキング装置とトルクがけツールの概略斜視図であり、かくしてカバー要素を回転させて締め付け要素をそのロック位置に向かって動かしている間、トルクがけツールが物体保持要素に対するポスト要素の回転を阻止することができる状態を示す図である。
【
図52】スライドマウントスロットの一変形例としての形状を備えた物体の概略部分平面図である。
【
図53】スライドマウントスロットの別の変形例としての形状を備えた物体の概略部分平面図である。
【
図54】スライドマウントスロットの別の変形例としての形状を備えた物体の概略部分平面図である。
【
図55】スライドマウントスロットの別の変形例としての形状を備えた物体の概略部分平面図である。
【
図56】物体を位置合わせテンプレートとして用いて物体を所望の位置合わせ状態で取り付け面にブラインド的にスライドマウントする方法の例示の一実施形態を示す概略流れ図である。
【
図57】物体を取り付け面に取り付けやすくするために物体に取り付けられるようになった安全確実スライドマウント式アダプタの一実施例の概略正面図である。
【
図58】
図57に示された安全確実スライドマウント式アダプタの概略正面側斜視図である。
【
図59】
図57に示された安全確実スライドマウント式アダプタの概略背面図である。
【
図60】
図57に示された安全確実スライドマウント式アダプタの概略背面側斜視図である。
【
図61】1対の安全確実スライドマウント式アダプタが取り付けられた物体の概略背面図である。
【
図62】物体取り付け面に取り付けやすくするために物体に取り付けられるようになった安全確実スライドマウント式アダプタの別の実施例の概略正面図である。
【
図63】
図61に示された安全確実スライドマウント式アダプタの概略正面側斜視図である。
【
図64】
図61に示された安全確実スライドマウント式アダプタの概略背面図である。
【
図65】
図61に示された安全確実スライドマウント式アダプタの概略背面側斜視図である。
【
図66】
図61に示された安全確実スライドマウント式アダプタの概略背面図であり、シャフトチャネル部分が近位セグメントのところよりも中間セグメントのところの方が大きいシャフトチャネル幅を有していることを示す図である。
【
図67】使い捨てフィルムアプリケータシールを含む本発明のキャップ型マーキングアプリケータの一実施例の概略断面図である。
【
図68】
図67のキャップ型マーキングアプリケータに類似したキャップ型マーキングアプリケータの概略断面図であるが、取り外し可能なアプリケータシールが内部スナップ嵌め又は圧力嵌めによりマーキングアプリケータに係合するよう構成された状態を示す図である。
【
図69】
図68のキャップ型マーキングアプリケータに類似したキャップ型マーキングアプリケータの概略断面図であるが、取り外し可能なアプリケータシールが外部スナップ嵌め又は圧力嵌めによりマーキングアプリケータに係合するよう構成されている状態を示す図である。
【
図70】プランジャ型マーキングアプリケータの一実施例の概略断面図であり、取り外し可能なアプリケータシールが内部スナップ嵌め又は圧力嵌めによりアプリケータ本体の送り出し部分に係合するよう構成されている状態を示す図である。
【
図71】
図70のプランジャ型マーキングアプリケータの概略断面図であるが、取り外し可能なアプリケータシールがアプリケータ本体の送り出し部分に内部で螺合するよう構成されている状態を示す図である。
【
図72】
図70のプランジャ型マーキングアプリケータに類似したプランジャ型マーキングアプリケータの概略断面図であるが、取り外し可能なアプリケータシールが外部スナップ嵌め又は圧力嵌めによりアプリケータ本体の送り出し部分に係合するよう構成されている状態を示す図である。図である。
【
図73】本発明のブラインド的スライドマウント式マーキング装置、特にシャフト部分の側方に設けられた回転戻り止め部材を備えていない装置を用いる一全体的方法を示す例示の流れ図である。
【
図74】本発明のブラインド的スライドマウント式マーキング装置、特にシャフト部分の側方に設けられた回転戻り止め部材を有する装置を用いる別の全体的方法を示す例示の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照すると、同一の参照符号は、幾つかの図全体にわたって同一又は対応の特徴を示している。
【0013】
幾つかの図面を参照すると、物体を位置合わせテンプレートとして用いて物体102を所望の位置合わせ状態で取り付け面108にブラインド的にスライドマウントしやすくするマーキング装置の実施形態が全体を符号100で示されている。マーキング装置100のある特定の変形実施形態が参照符号100a〜100jで示されている。
【0014】
本発明のマーキング装置の実施形態は、好ましくは、ポスト要素110、物体保持要素120、締め付け要素142及びカバー要素132を有するのが良い。ポスト要素110は、ヘッド部分112、マーキング端部114及び代表的には主軸線118に沿ってヘッド部分112とマーキング端部114との間に延びるシャフト部分116を含むのが良い。シャフト部分116は、少なくとも部分的にねじ山付きであるのが良い。
【0015】
物体保持要素120は、保持フェース121、ポスト要素を挿通させることができるとともにポスト要素110に対し主軸線118に沿って閉鎖位置(例えば、
図1、
図28、
図32、
図34及び
図36参照)と、開放位置(例えば、
図6及び
図13参照)と、閉鎖位置と開放位置との間の把持位置(
図15及び
図16参照)との間で動くことができるポスト孔122を有するのが良い。物体保持要素120は、閉鎖位置に向かって弾力的に付勢されるのが良い。
図6、
図7、
図13及び
図44を参照すると、物体保持要素120を閉鎖位置から開放位置に動かすと、好ましくは、その結果として、物体102の取り付けリップ105を受け入れるリップ溝128が得られる。
図13を参照すると、リップ溝128は、ヘッド部分112と物体保持要素120との間の隙間距離184によって少なくとも部分的に構成されるのが良い。
図15を参照すると、物体保持要素120を開放位置から把持位置に動かすと、その結果として、把持力186によりリップ溝128内における取り付けリップ105の固定のための隙間距離が減少する。
【0016】
図15及び
図16を参照すると、締め付け要素142は、ねじ山付きであるのが良い主ボア144及び第1のトルク戻り止めを有するのが良く、この第1のトルク戻止めは、カバー要素132の第2のトルク戻り止め148と回転不能に係合可能である。締め付け要素は、シャフト部分116に沿って解除位置とロック位置との間で螺進可能であるのが良い。その結果、
図12及び
図13を参照すると、締め付け要素142は、これがその解除位置にあるとき、これにより閉鎖位置と開放位置との間における物体保持要素120の運動が可能になるよう構成されているのが良い。さらに、
図16を参照すると、締め付け要素142は、ロック位置にあるとき、把持位置から開放位置に向かう物体保持要素120の運動を阻止するよう構成されているのが良い。さらに、
図15及び
図16から明らかなように、締め付け要素が螺進可能であることにより、ヘッド部分112と物体保持要素120との間に生じる把持力186の調節可能性が有効になる。把持力186の有効可能性により、好ましくは、マーキング装置を物体102に剛性的に取り付けるのに十分把持力を増大することができる。
図24を参照すると、かかる剛性は、対応のマーキング154が取り付け面108上の適正な位置に配置されるようにするのを助ける。
【0017】
カバー要素132は、締め付け要素孔134、マーキング先端チャンバ138及びロック戻り止め140を有するのが良い。カバー要素132は、締め付け要素との相対軸方向運動を可能にしながら主軸線118回りの締め付け要素142との相対回転運動を制限するよう締め付け要素142に係合するよう構成されているのが良い。マーキング装置の特に好ましい実施形態では、カバー要素132は、表面係合部分136を有するのが良く、このカバー要素は、ポスト要素110に対して主軸線118に沿って伸長位置(例えば、
図23参照)とマーキング位置(例えば、
図24参照)との間で動くことができるのが良い。
図23に示されているように、マーキング装置100のある特定の好ましい実施形態では、定義上、表面係合部分136は、カバー要素120が伸長位置にあるとき、マーキング端部114を越えて軸方向に延びる。これと関連して、例えば、
図24に示されているように、定義上、表面係合部分136は、カバー要素120がマーキング位置にあるとき、マーキング端部114と実質的に軸方向に位置合わせされ又はこの内方に位置するのが良い。
【0018】
物体保持要素120は、好ましくは主軸線118の半径方向に延びる1つ又は2つ以上のフィンガーグリップ部分124を含むのが良い。
【0019】
マーキング装置100の特定の好ましい実施形態では、カバー要素132は、その伸長位置に向かって弾性的に付勢されているのが良い。かかる弾性的付勢力は、例えば、ばね要素126などによるものであるのが良い。マーキング装置100のある特定の好ましい実施形態では、物体保持要素120の弾力的付勢力とカバー要素132の弾性的付勢力が両方とも、同一のばね要素126によって提供されるのが良い。加うるに又は変形例として、例えば、
図36〜
図39を参照すると、弾力的付勢力及び弾性的付勢力は、物体保持要素120によって提供されても良い。かかる場合、物体保持要素120は、ばね鋼又はレジリエントポリマーで構成されるのが良く、この物体保持要素は、閉鎖輪郭断面を有するのが良い。
【0020】
マーキング装置100の特に好ましい実施形態は、ポスト要素110に取り付けられたカバー保持戻り止め150を更に有するのが良い。
図11、
図35及び
図43を参照すると、カバー保持戻り止め150は、例えば、1つ又は2つ以上のロックナット152a及び1つ又は2つ以上のワッシャ152bを含むのが良い。
図12及び
図23を参照すると、カバー保持モデル止め150は、カバー要素132をポスト要素110に取り付けた状態で軸方向に保持するよう構成されているのが良く、このカバー保持戻り止めは、カバー要素132がその伸長位置にあるとき、表面係合部分136とマーキング端部114との間の軸方向距離188を制限することができる。カバー保持モデル止め150は、ポスト要素110に回転不能に固定されるとともにカバー要素132を回転させて締め付け要素142をそのロック位置に動かしている間、ポスト要素110の回転を阻止するためにトルクがけツール182(例えば、電池)と係合するよう構成されているのが良い。マーキング装置、例えば、
図45〜
図47に示されているマーキング装置のある特定の実施形態では、カバー保持戻止り150は、トルクがけツール182と係合可能な1つ又は2つ以上のトルク係合溝183を有するのが良い。トルク係合溝183は、例えば、
図45に示されている1対の互いに反対側に設けられた溝であるのが良く、かくしてありふれた家庭用物体、例えば、ピンセットをトルクがけツール182として好都合に使用できる。
【0021】
図32及び
図33を参照すると、一実施形態としてのマーキング装置100cでは、締め付け要素142は、少なくとも1つの半径方向に延びる位置合わせ部材190を含むのが良く、カバー要素132は、少なくとも1つの位置合わせ部材190を軸方向に摺動可能に受け入れる少なくとも1つの軸方向に延びるスロット192を含むのが良い。かかる形態により、主軸線118回りにおける締め付け要素142とカバー要素132との相対回転運動を上述したように制限することができるとともに締め付け要素142とカバー要素132との相対的軸方向運動の上述したように有効にすることができる。
【0022】
図12、
図18、及び
図67〜
図72を参照すると、マーキングアプリケータ(例えば、150a,155b)を更に有するのが良く、このマーキングアプリケータは、遠位端部156、送り出し部分161、及び遠位端部156と送り出し部分160との間に位置するリザーバ164を有するアプリケータ本体162を含む。リザーバ164は、マーキング物質158を収容するのが良い。送り出し部分161は、マーキング物質158のマーキングパッチ154をマーキング端部114に被着させるためにポスト要素110に係合するよう構成されているのが良い。例えば、
図12〜
図22に示されているように、アプリケータ本体162は、カバー要素132に取り外し可能に固定可能であるのが良い。
図13〜
図15に示されているように、マーキングアプリケータ155aのキャップ構成では、カバー要素132をアプリケータ本体162がカバー要素132に固定された状態でそのマーキング位置の方へ動かすと、マーキングアプリケータ155aは、マーキングパッチ154をマーキング端部114に貼付するよう構成されているのが良い。
【0023】
図18〜
図22を参照すると、マーキングアプリケータ155bの送り出し部分161は、マーキング端部114のところのシャフト部分116のセグメントに受容的に結合するようになっているのが良い。かかるマーキングアプリケータは、リザーバ164中に軸方向に作動可能に延びるプランジャシャフト167を備えたプランジャ要素166を有するのが良い。シャフト部分116への送り出し部分161の受容的結合は、送り出し部分161とマーキング端部114のところのシャフト部分116のセグメントの螺合によるのが良い。マーキングアプリケータ155bのかかる実施形態では、軸方向作動可能性は、アプリケータ本体162とプランジャシャフト167との螺合によるのが良い。プランジャ要素を備えたマーキングアプリケータの変形実施形態では、プランジャシャフトとリザーバは、これら相互の非ねじ式軸方向摺動可能運動だけを可能にするよう構成されていても良い。
【0024】
マーキング装置のある特定の好ましい実施形態では、ヘッド部分112は、1つ又は2つ以上の摩擦係合ファセットを備えた内側フェース130を有するのが良い。1つ又は2つ以上のファセットは、例えば、ゴム入り被膜202、グリット、スパイク、ロックワッシャ194、ローレット目、これらの組み合わせなどであるのが良い。
【0025】
図41〜
図44を参照すると、マーキング装置100fの特に好ましい実施形態では、ポスト要素110は、シャフト部分116の側方に設けられた回転戻り止め部材204を含むのが良い。回転戻り止め部材204は、主軸線118回りの物体保持要素120に対するポスト要素110の回転を制限し又は阻止するよう物体保持要素120(例えば、回転戻り止め溝206のところ)に係合するよう構成されているのが良い。かかる実施形態は、物体保持要素120と締め付け要素142との間でシャフト部分116回りに軸方向に設けられたスペーサ要素208を更に有するのが良い。スペーサ要素208は、好ましくは、回転戻り止め要素204と締め付け要素142との機械的締まり嵌めを阻止するよう回転戻り止め要素204の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されているのが良い。
【0026】
図44Bを参照すると、回転戻り止め部材204を備えたマーキング装置100gの特定の実施形態では、スペーサ要素208は、例えば、物体保持要素120と一体に形成されるのが良い。例えば、この回転戻り止め要素120は、射出成形プラスチックで形成されるのが良く、この回転戻り止め要素120は、回転戻り止め部材204の軸方向終端部との間に間隔が必要な場合、回転戻り止め部材がこれとは違ってマーキング装置100gの作動中に締め付け要素に機械的に係合する場合のある場所に厚い又は深絞り区分を有するよう形作られるのが良い。
【0027】
図41〜
図44に戻ってこれらを参照すると、回転戻り止め部材204を有するマーキング装置では、物体保持要素120は、好ましくは、視覚的に知覚可能な回転配向インジケータ210を有するのが良い。このインジケータ210は、例えば、物体保持要素120の中央に配置されるのが良い。
図44Aを参照すると、かかるインジケータ210は、マーキング装置をスライドマウントスロット104内に収納したとき、ポスト要素110のシャフト部分116が回転戻り止め部材204が閉鎖スロット端部177のところに位置するのではなく、閉鎖スロット端部177のところに適正に位置決めする状態で行き着くようにするための容易な外部視覚的基準をマーキング装置のユーザに提供する。回転戻り止め部材204を有するマーキング装置の実施形態の重要な一利点は、かかる実施形態がポスト要素110の回転を阻止するためにヘッド部分112と物体102を取り付けるリップ105との摩擦係合を必要としないで全ての取り付けリップ材料を締め付けることができそうであるということにある。
【0028】
物体102を位置合わせテンプレートとして用いて物体102を所望の位置合わせ状態で取り付け面108にブラインド的にスライドマウントする方法が一連のステップを含む。かかる方法300の一例が
図56に示されている。特に、図示するとともに本明細書において説明する方法のステップは、任意特定の順序で実施される必要がない場合がある。
【0029】
ブロック302では、取り付け面へのブラインド的スライドマウント向けの物体102を選択する。物体102は、一般に、少なくとも1つのスライドマウントスロット104を有する。各スライドマウントスロット104は、これに対応した締結具ヘッド開口部103、取り付けリップ105及びスロット閉鎖端部177を有する。ブロック304では、マーキング装置を用意する。用意したマーキング装置は、好ましくは、構造的及び機能的に本明細書においてどこか他の場所において説明するとともに図示した装置のうちの1つ又は2つ以上と一致する。ブロック306では、物体保持要素120をその開放位置に動かす(例えば、
図13参照)。ブロック308では、ヘッド部分112を対応のスライドマウントスロット104中に挿入する。ブロック310では、リップ溝128を滑らせてスロット閉塞端部177のところで対応の取り付けリップ105を受容させる(例えば、
図14参照)。ブロック312では、物体保持要素120をその把持位置に動かす(例えば、
図15参照)。ブロック314では、カバー要素132を回転させて締め付け要素142をそのロック位置に螺進させる(例えば、
図16参照)。ブロック316では、マーキング物質をマーキング端部114に塗布する。ブロック318では、物体102を表面係合部分136が取り付け面108と接触関係をなした状態で取り付け面108に沿って所望の取り付け位置合わせ状態に位置決めする(例えば、
図10及び
図23参照)。ブロック320では、物体102を取り付け面108の方へ押してカバー要素132がそのマーキング位置まで動くようにし、それによりある量のマーキング物質158をマーキング端部114から取り付け面108上の対応のマーク配設場所に移す(例えば、
図24参照)。ブロック322では、対応のスライドマウント締結具106をマーク配設場所に取り付ける(例えば、
図25及び
図26参照)。ブロック324では、物体102をスライドマウント締結具106と対応のスライドマウントスロット104との取り付け係合関係によって取り付け面108に取り付ける(例えば、
図27参照)。
【0030】
例えば、符号300で示されている方法では、選択ステップでは、選択した物体102は、2つ又は3つ以上のかかるスライドマウントスロット104を有するのが良い。かかる場合、マーキング装置を用意するステップは、本明細書において説明するマーキング装置を1つ又は2つ以上追加して設けるステップを含むのが良く、残りのステップは、提供されるマーキング装置の全てと関連して実施される。
【0031】
図6を参照すると、例えば符号300で示されている方法では、物体保持要素120をその開放位置に動かすステップは、好ましくは、片手を用いて表面係合部分136を横切って位置するその片手の親指及び保持要素120の1つ又は2つ以上のフィンガーグリップ部分124を把持した片手の指(親指以外の指)でカバー要素132と物体保持要素120を互いに向かって引き絞ることによって達成されるのが良い。
【0032】
図23を参照すると、例えば符号300で示されている方法では、マーキング装置は、ポスト要素110に取り付けられたカバー保持戻り止め150を更に有するのが良い。かかる場合、カバー保持戻り止め150は、(i)カバー要素132をポスト要素110に軸方向に保持し、(ii)カバー要素132が伸長位置にあるとき、表面係合部分136とマーキング端部114との間の軸方向距離188を制限し、(iii)ポスト要素110に回転不能に固定されるのが良い。さらに、マーキング装置のある特定の実施形態を用いる場合、ヘッド部分112の内側フェース130がスライドマウントスロット104の内面に摩擦係合し、カバー要素120を回転させて締め付け要素142を動かしている間、ポスト要素110が回転するのを阻止することが望ましい場合がある。マーキング装置のある特定の実施形態は、この摩擦係合を容易にするよう摩擦係合ファセット196などを提供するのが良い。かかる場合、この方法は、回転ステップ中、引っ張り力250を対応のスライドマウントスロット104の軸方向外方でカバー要素132に及ぼすステップを更に含むのが良い。
【0033】
これとは対照的に、この方法が回転モデル止め部材204を有するマーキング装置(例えば、
図41〜
図44に示されている装置100f)の実施形態を用いて実施されているとき、ヘッド部分112とスライドマウントスロット104の内面との間のかかる摩擦係合は、カバー部分132を回転させている間にポスト要素110の回転を阻止する必要はない場合があり、というのは、回転戻り止め部材204が取り付けリップの縁部に接触してポスト要素110の回転を阻止することができるからである。これについては、例えば、
図44Aを参照されたい。しかしながら、スロット幅が十分大きい場合、ユーザは、保持要素120及びかくしてポスト要素110の回転を阻止するようマーキング装置を静止状態に保持することが必要な場合がある。これについては、例えば、
図8を参照されたいが、この場合、ユーザがカバー要素132を回転させてマーキング装置100fを物体102に対して剛性的に締め付けている間、ユーザの親指は、マーキング装置を押している。全ての実施形態に関し、装置110は、カバー要素132を回転させている間、スロット閉鎖端部177の方へ保持される必要があり、その目的は、ポスト要素110がスライドマウントスロットの外方に歩くのを阻止することにある。
【0034】
追加的に又は代替的に、カバー保持戻り止め150がトルクがけツール182と係合した状態でマーキング装置を用いて本方法を実施しているとき、この方法は、回転ステップ中、カバー保持戻り止め150とトルクがけツール182との係合によって主軸線118回りのポスト要素110の回転を阻止するステップを更に含むのが良い。
図45〜
図47に示されているように、この方法のある特定の実施形態では、カバー保持戻り止め150は、トルクがけツール182と係合可能な1対の互いに反対側に設けられたトルク係合溝183を有するのが良い。
図50及び
図51は、変形実施形態としてのトルクがけツール182を示しており、このトルクがけツールは、物体保持要素120のグリップ部分124と係合関係をなして配置されるよう構成された1つ又は2つ以上のねじりロックアーム232を有する。この形態により、トルクがけツール182は、カバー要素132が完全に回転可能な状態のままにある間、ポスト要素110が物体保持要素120に対して回転するのを阻止することができる。
【0035】
図30及び
図31を参照すると、一実施形態としてのマーキング装置100bが示されており、この実施形態では、締め付け要素は、1つ又は2つ以上のナット及び1つ又は2つ以上のワッシャで作られている。トルクツール138がトルクがけ状態でナットに係合してこの実施形態の締め付け要素をその解除位置とロック位置との間で動かすよう設けられている。
【0036】
図48及び
図49を参照すると、一実施形態としてのマーキング装置100iが示されており、この実施形態では、マーキング端部114は、ねじ式カプラ200によってシャフト部分116に連結されたマーキング端部ねじ198によって形成されている。
図48及び
図49では、マーキング端部ねじ198は、フィリップス型ヘッド(十字付きヘッド)を有する。かくして、必要ならば、ユーザがフィリップスねじ(プラスねじ)ねじ回しを用いることができ、その目的は、カバー要素132の回転中、ポスト要素110の回転を阻止することにある。
【0037】
図50及び
図51を参照すると、一実施形態としてのマーキング装置100jが特別な形をしたトルクがけツール182と関連して設けられ又は違ったやり方で関連しているのが良い。かかるトルクがけツールは、例えば、物体保持要素120のグリップ部分124(又はその他)に設けられた対応のグリップ孔125と係合可能な1つ又は2つ以上のねじりロックアーム232を有するのが良い。かかるトルクがけツールの中央部分は、ポスト要素110に回転不能に取り付けられたカバー保持戻り止め150に磁気的に係合するよう構成されているのが良い。かくして、特定の形をしたトルクがけツールは、カバー要素132を回転させて締め付け要素142をそのロック位置の方へ動かしている間、トルクがけツールが物体保持要素120に対するポスト要素100の回転を阻止することができるようマーキング装置100jに係合するのが良い。オプションとして、ねじりロックアーム232は、特定の実施形態では、トルクがけツール182をマーキング装置100jと係合関係をなして取り外し可能に保持するようトルクがけツール182の中央部分の外方に角度をなして弾性的に付勢されても良い。
【0038】
図57〜
図66を参照すると、安全確実スライドマウント式アダプタの実施形態が全体として168a,168bで示されている。かかるアダプタは、物体がそれ自体の一体形スライドマウント特徴(例えば、物体の後部に設けられた鍵穴スロット)を有していない場合、締結具ヘッド107を有する締結具106によって物体を取り付け面108にスライドマウントを容易にするために物体102に取り付けられるよう構成されている。
図57〜
図66に示されているスライドマウント式アダプタ168a,168bは、物体が例えば、地震の際に締結具106から外れるのを阻止するのを助ける仕方で物体を取り付け面108に取り付けやすくするのに特に好適である。例えば、
図61を参照すると、地震の際における物体102のランダムで協調されていない垂直運動240と水平運動242は、スロット176が締結具106を横切って物体102を取り付け面から外すのには不十分である。
【0039】
安全確実スライドマウント式アダプタ好ましい実施形態は、ベースプレート172及び締結具スロット176を有するのが良い。ベースプレート172は、好ましくは、安全確実スライドマウント式アダプタを例えば、釘、ねじなどによって対応の物体102に取り付ける際に用いられる少なくとも2つの取り付け孔180を有するのが良い。締結具スロット176は、好ましくは、締結具ヘッド開口部(170,174)とスロット閉鎖端部177との曲がりくねった経路に沿って延びるのが良い。
図62〜
図64を参照すると、アダプタ168bのある特定の実施形態では、締結具ヘッド開口部170は、ベースプレート172の周縁部230のところに配置されるのが良い。締結具スロット176の少なくとも一部分は、ヘッドチャネル部分212及び細いシャフトチャネル部分214を有するのが良い。シャフトチャネル部分214は、内方に突き出た取り付けリップ178によって少なくとも部分的に構成されるのが良い。
【0040】
図57及び
図62を参照すると、安全確実スライドマウント式アダプタの実施形態では、締結具スロット176は、近位軸線218に沿ってスロット閉鎖部分177から延びる近位セグメント216、遠位軸線222に沿って締結具ヘッド開口部(170又は174)から延びる遠位セグメント220、及び近位セグメントと遠位セグメントの間に延びる中間セグメント224を有するのが良い。近位セグメントと遠位セグメントは、好ましくは、互いに側方にオフセットしているのが良く、対応の近位軸線と遠位軸線は、互いに平行であり又は平行ではない。
【0041】
説明のために
図66を参照すると、安全確実スライドマウント式アダプタの特定の実施形態では、シャフトチャネル部分214は、近位セグメントのところよりも中間セグメント224のところの方が大きいシャフトチャネル幅228を有するのが良い。かかる構成は、対応のマーキング装置ポスト要素110がアダプタの中間セグメント224を通って側方に動かされている間、回転戻り止め部材204が締結具スロット176を横切ることができるのに特に好適であると言える。
【0042】
安全確実スライドマウント式アダプタのある特定の実施形態では、中間セグメント224は、中間軸線226に沿って延びるのが良い。かかる実施形態では、近位軸線218と遠位軸線222は、互いに平行であるのが良く、中間軸線226は、近位軸線に対して180°未満の角度をなして差し向けられるのが良い。例えば、中間軸線226は、近位及び遠位軸線に垂直であっても良く又はこれら3つの軸線の組み合わせは、例えば、“N”型などを形成しても良い。
【0043】
図67〜
図69は、マーキング物質が経時的に乾燥するのを阻止するために使用できる種々のアプリケータシールを示している。例えば、
図67に示されているように、キャップ型マーキングアプリケータ155aは、接着剤の特性を備えた再使用可能又は使い捨てフィルム244を採用するのが良い。
図68を参照すると、取り外し可能なアプリケータシール246は、マーキングアプリケータと内部スナップ嵌め、圧力嵌め又は螺合によって係合関係をなすよう構成されているのが良い。
図69を参照すると、取り外し可能なアプリケータシール248は、マーキングアプリケータと外部スナップ嵌め又は圧力嵌めにより係合関係をなすよう構成されているのが良い。同様に、
図70〜
図72は、マーキング物質がプランジャ型アプリケータにおいて経時的に乾燥するのを阻止するために使用できる種々のアプリケータシールを示している。
図70を参照すると、取り外し可能なアプリケータシール246は、アプリケータ本体162の送り出し部分161に内部スナップ嵌め又は圧力嵌めにより係合関係をなすよう構成されている。
図71を参照すると、取り外し可能なアプリケータシール246は、アプリケータ本体162の送り出し部分161と内部で螺合するよう構成されている。
図72を参照すると、取り外し可能なアプリケータシール248は、アプリケータ本体162の送り出し部分161と外部スナップ嵌め又は圧力嵌めにより係合関係をなすよう構成されている。
【0044】
図73を参照すると、例示の流れ
図400が本発明のブラインド的スライドマウント式マーキング装置、特にシャフト部分の側方に設けられる回転戻り止め部材を備えていないマーキング装置を用いる一実施例としての全体的方法を示している。
【0045】
図74を参照すると、例示の流れ
図500が本発明のブラインド的スライドマウント式マーキング装置、特にシャフト部分の側方に設けられた回転戻り止め部材を備えているマーキング装置を用いる一実施例としての全体的方法を示している。
【0046】
マーキング装置は、別な言い方としては、ブラインド的スライドマウント式取り付け場所突き止め装置又は単に「器具」又は「装置」という場合がある。1つ又は2つ以上のかかる器具又は装置を含むキットを製作して販売することができるということが想定される。本明細書において説明するとともにクレーム請求されるマーキング装置の実施形態により、取り付けられるべき物理的物体をそれ自体の取り付け「テンプレート」として使用することができ、それにより(a)紙型(ペーパーテンプレート)又は測定値を使用する必要なく、しかも(b)近くの物品及び視覚的魅力に対する潜在的妨害を考慮した上で取り付け面上の取り付け場所の精度が保証される。
【0047】
マーキング装置の実施形態は、ブラインド的スライドマウント式手段(例えば、鍵穴など)付きで売られる任意の物品及びブラインド的スライドマウント式アダプタの取り付けに対応することができる任意他の物体に使用可能に構成されているのが良い。後者に関し、物体102上への例えば、
図57〜
図66に示されているアダプタのほぼ正確な配置を必要とするに過ぎず、というのは、ブラインド的スライドマウント式取り付け穴ロケータシステムは、物体102上のアダプタの水平又は垂直位置の精度とは無関係に取り付け面108上への物体102の正確な視覚的位置合わせを可能にするからである。
【0048】
マーキング装置の好ましい実施形態は、1つ又は2つ以上のスライドマウントスロット104のための手段を備えた状態で取り付けられるべき物体に使用できる。かかる手段としては、例えば、物体102と一体に形成された1つ又は2つ以上のスライドマウントスロット104又は物体の表面に取り付けられたアダプタに形成されているスライドマウントスロット104が挙げられる。前者の実施例としては、多くの従来型電源ストリップ、フォンベース、フォンハンドセット充電ベース、ネットワークルータ、ケーブルボックス、小型電化製品ベースなどが挙げられる。後者の例としては、鏡、額縁、装飾壁用品などが挙げられる。
【0049】
「スライドマウント」という用語は、好ましくは、本明細書では、取り付け面108内又は取り付け面100上に設けられる取り付けハードウェアのヘッドに係合する開口部、例えば、スロットを有する取り付け受け具、鍵穴を意味するために用いられている場合がある。
【0050】
「ブラインド」という用語は、本明細書では、スライドマウントが取り付けられるべき物体の背後又は後部上に位置していると仮定して、取り付け面上のスライドマウント締結具取り付け場所を見ることができず、そして直接的にマーキングすることができないことを説明するために用いられている場合がある。
【0051】
「取り付けハードウェア」という用語は、好ましくは、本明細書においては、取り付け場所のところで取り付け面内又は取り付け面上に配置されていてスライドマウントスロットに係合するハードウェア用品を意味するために用いられている場合がある。取り付けハードウェアの例としては、ねじ、釘、ボルト、壁掛け用金具などが挙げられる。
【0052】
「中央ポスト」(又はポスト要素110)という用語は、好ましくは、本明細書では、第1の端部、第2の端部、及び中央区分(例えば、シャフト部分116)を有する中央構造要素を意味するよう用いられている場合がある。第1の端部は、ヘッド部分110を含む場合がある。第2の端部は、マーキング先端部114を含む場合がある。中央区分(シャフト部分116)の外面は、好ましくは、螺旋隆起部(例えば、ねじ山)で少なくとも部分的に覆われているのが良い。
【0053】
ヘッド部分112は、ポスト要素110の第1の端部のところに設けられるのが良く、このヘッド部分は、好ましくは、下側/内側からスライドマウントスロットに係合して把持するよう構成された突起の形態をしているのが良い。
【0054】
保持面(例えば、物体保持要素120)がこれとポスト要素110のヘッド要素112との間でスライドマウントリップ材料をサンドイッチするよう外面からスライドマウントスロット104に係合するようになっているのが良い。物体保持要素120は、フィンガーグリップ部分124を含むのが良く又はこれらと一体であるのが良い。
【0055】
締め付け要素142は、好ましくは、物体保持要素120、スライドマウント材料(例えば、鍵穴スロットリップ105)、及びヘッド部分112を互いに締め付けるために設けられているのが良い。締め付け要素142をねじ山付きシャフト部分116に沿ってヘッド部分112に螺進させたりヘッド部分112から螺進させたりすることは、好ましくは、端部カバー(カバー要素132)の対応の回転によって駆動されるのが良い。
【0056】
弾力付勢要素126が、締め付け要素142をその保持又はロック位置に移動させるまで(例えば、「締め付けられる」まで)付勢力を保持要素120に及ぼしてヘッド部分112を物体の対応のスライドマウントスロット内に一時的に保持するよう構成されているのが良い。付勢要素はまた、カバー要素132をその伸長位置(例えば、
図23参照)に向かって弾力的に押してマーキング先端部をマーキングされるべき表面から遠ざけた状態に保ち、ついには、マーキングされるべき物体102が押されて取り付け面108をマーキングするようになる(例えば、
図24参照)。付勢要素126は、圧縮ばね、板ばね(例えば、
図36の物体保持要素を参照されたい)などの形態をしているのが良い。
図5及び
図33を参照すると、マーキング装置のある特定の好ましい実施形態では、カバー要素132は、ばね要素126がマーキング装置の作動中、主軸線118の側方に滑らないようにするためにばね位置合わせ溝234、ばね位置合わせボス236などを有するのが良い。
【0057】
「グリップ範囲」(環状スロット又はリップ溝128)という用語は、本明細書では、フィンガーグリップ部分124をカバー要素132に向かって完全に引き戻したときに作られるヘッド部分112と物体保持要素120との間の最大隙間を説明するために用いられている場合がある。隙間範囲は、対応のマーキング装置によって対応可能な最大スライド取り付けリップ材料の厚さを定めることができる。
【0058】
特定の実施例について
図57〜
図66を参照すると、1つ又は2つ以上の安全確実スライドマウント式アダプタ(例えば、168a,168b)が十分な取り付け表面積を有する物体に付加されるのが良い。説明のために
図61を参照すると、安全確立スライドマウント式アダプタは、互いに角度をなして差し向けられた連続スロットの2つ又は3つ以上のセットを有するのが良く、その結果、2つ又は3つ以上の異なる方向性運動(例えば、垂直240及び水平242)の特定の協調が物体102を取り付け面108に取り付け又は物体102を取り付け面108から取り外すために必要である。
【0059】
器具又は装置100の好ましい実施形態は、ブラインド的スライドマウント式取り付けシステム(例えば、鍵穴特徴部)を利用する物体102を取り付けるための1つ又は2つ以上の取り付け存在場所をマーキングするために使用できる。ポスト要素110は、一端のところに位置するヘッド部分112と他端のところにマーキング端部又は先端部114をこれらの間にねじ山が設けられた状態で有するのが良く、このポスト要素は、スライドマウントの最も小さな部分よりも小さな直径を有するのが良い。
【0060】
ヘッド部分112は、スライドマウントに係合するようマウントスロット104よりも大径であるのが良い。幾つかの実施形態では、ヘッド部分112の下側は、スライドマウント材料(例えば、スロットリップ105)との摩擦接触具合を増大させるよう何らかの仕方で処理されるのが良い。
【0061】
物体保持要素120を引き戻してヘッド部分112及びシャフト部分116をスライドマウントスロット104中に容易に挿入するための環状スロットリップ溝又はリップ溝128を形成することができるとともにユーザがスライドマウントスロット内における正確な中央ポストの位置を視覚的に確かめることができるようにするために一体形フィンガーグリップ部分124が設けられるのが良い。
【0062】
マーキング装置を物体102のスライドマウントに固定するための締め付け要素142が設けられるのが良い。
【0063】
カバー要素132のある特定の好ましい実施例は、滑らかなフェースを有するのが良くかつポスト要素110と同心であるのが良い。カバー要素は、物体が取り付け面108の方へ押されると、引っ込み位置(例えば、
図24参照)に動かされるようになっているのが良く、それによりマーキング端部114上のマーキング物質154は、取り付け締結具106が配置されるべき場所を取り付け面108にマーキングすることができる。取り付け締結具106は、好ましくは、締結具ヘッド107を有するのが良い。例えば、
図23に示されているマーキング要素100の幾つかの実施形態では、カバー要素132は、表面係合部分136を有し、この表面係合部分は、マーキングに先立つ物体の位置合わせ中、取り付け面108を横切る滑らかな並進(摺動)運動を保証するよう丸みが付けられ又は斜切された縁部を有するのが良い。
【0064】
ポスト要素110と同心に付勢要素126が位置決めされるのが良く、この付勢要素は、好ましくは、締め付け要素142がその保持又はロック位置(例えば、
図16参照)に動かされるまでヘッド部分112をスライドマウントスロット104の取り付けリップ105に当てて定位置に保持するとともに取り付け面108のマーキング押し作用が実施されるまで引っ込み可能なカバー要素132をその伸長位置に保つという多くの目的に役立つことができる。
【0065】
マーキング装置100のある特定の観点の機能的可能性及び制限は、そのコンポーネントの寸法相互間の相互作用によって定められるのが良い。例えば、グリップ範囲は、ポスト要素110及び締め付け要素142の長さ並びにロック機構体150の位置で決まる場合がある。また、カバー要素がその伸長位置にあるときにカバー要素132の表面係合部分136の下に位置するマーキング端部114の距離は、ポスト要素110及びカバー要素132のそれぞれの長さ、カバー要素132の底部の厚さ、及びロック機構体150の位置で決まる場合がある。同様に、付勢要素126により提供される力は、付勢要素の長さ、ポスト要素110及び締め付け要素142の長さ、カバー要素132の底部の厚さ及びロック機構体150の位置で決まる場合がある。カバー要素132内における締め付け要素142の係合量は、ポスト要素110及び締め付け要素142の長さ、カバー要素132の底部の厚さ、及びロック機構体の位置で決まる。
【0066】
図12〜
図16を参照すると、キャップ型マーキング先端部アプリケータ155aがアプリケータキャップ156及びフィンガーグリップ部分124を互いに向かって押してヘッド部分112を伸長させて装置100を物体102に取り付けたときに自動的に働くようになっているのが良い(例えば、
図13及び
図14参照)。これらの力により、カバー要素132は、その引っ込み位置に動くことができ、それによりマーキング端部114をアプリケータ155aのマーキングパッド160内に押し込み、ここで、マーキング端部114は、マーキング物質158のパッチ154を拾い上げることができる。幾つかの場合、キャップ型マーキング先端部アプリケータ155aは、好ましくは、アプリケータキャップ156の回転によりカバー要素132が同一方向に回転するように構成されているのが良い。
図13及び
図14を参照すると、ロック要素150は、一部がアプリケータキャップ156の内面のところでシャフト戻り部分157に係合してマーキング先端部114がアプリケータリザーバ164に向かって移動することができる距離を制限するようになっているのが良い。
【0067】
図18〜
図22を参照すると、プランジャ型マーキング先端部アプリケータ155bがマーキング端部114の近くに位置するシャフト部分116の部分上を摺動し又はこれに螺合するよう設けられるのが良い。プランジャ要素166がマーキング端部114上への粘性の高いマーキング物質158は、(リップスティック、塗料、クレヨン、釘磨き剤、チョークなど)の押し出しを可能にすることができる。変形例では、プランジャ機構体に代えて、液体マーキングパッドを用いることができる。さらに、装置100のある特定の好ましい実施形態は、正規のマーキング先端部アプリケータを利用しないで使用できる。かかる場合、ユーザによって選択されたマーキング物質を手作業でかつ直接マーキング端部114に塗布することができる。キャップ型マーキング先端部アプリケータ及びプランジャ型マーキング先端部アプリケータのある特定の実施形態では、アプリケータリザーバ164は、詰め替え可能であるのが良い。
【0068】
本発明のマーキング装置及び関連方法の好ましい実施形態の利点としては、以下の内容、すなわち(a)取り付けられるべき物体を位置合わせ「テンプレート」として使用することができ、それにより他の近くの物体を邪魔しないで正確かつ視覚的に見栄えの良い取り付けを保証することができること、(b)紙型又は測定値が取り付け穴の配置場所を定める必要性がないこと、(c)全てのスライドマウント材料、及び事実上全てのスライドマウントスロット構成で役立つこと、(d)マーキング装置が取り付けられるべき物体に対して安全確実な締め付けを行って取り付け面上における取り付け穴配設場所の誤差をなくすことができるということ、(e)マーキング装置が近くの任意の取り付け面(軟質又は硬質)で役立つこと、(f)マーキングのための広範なありふれた物質を採用することができ、それにより暗い、明るい、又は着色された取り付け面のためのマーキング色の選択が可能であること、(g)引っ込み可能/伸長可能なマーキング端部が位置決め中、取り付け面上に偶発的なマークを表示させず、マーキングは、取り付けられるべき物体のプッシュトゥマーク(push-to-mark:押してマーキングする)作用によって達成できるということ、(h)「浮動」式締め付け要素によりカバー要素がその伸長位置にあるときにマーキング端部がカバー要素の表面係合部分の下に常時同一の距離のところに位置し、それによりユーザに使用のたびに同じ押してマーキングする(感触)を与えることができるということ、(i)フィンガーグリップを用いてスロット係合ヘッドを伸長させ、ポスト要素のシャフト部分がスロット端部のところに配置されているという視覚的確認を行うことができるということのうちの1つ、2つ以上又は全てが挙げられる。
【0069】
本発明の実施形態を図示するとともに説明したが、これら実施形態が本発明の考えられる全ての形態を示すとともに説明しているわけではない。これとは異なり、明細書で用いられた用語は、本発明を限定するものではなく説明のための用語であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができるということは言うまでもない。