(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811246
(24)【登録日】2020年12月16日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】2つの水域における波の発生のための側方波状運動を伴う障壁を有する造波機システム
(51)【国際特許分類】
A63C 19/10 20060101AFI20201228BHJP
E04H 4/00 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
A63C19/10 C
E04H4/00 502B
【請求項の数】25
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-541565(P2018-541565)
(86)(22)【出願日】2016年11月3日
(65)【公表番号】特表2019-500178(P2019-500178A)
(43)【公表日】2019年1月10日
(86)【国際出願番号】ES2016070774
(87)【国際公開番号】WO2017077156
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2019年10月25日
(31)【優先権主張番号】P201531602
(32)【優先日】2015年11月6日
(33)【優先権主張国】ES
(31)【優先権主張番号】P201631302
(32)【優先日】2016年10月7日
(33)【優先権主張国】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】517104596
【氏名又は名称】インスタント スポルト、ソシエダ リミタダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オドリオゾーラ サガストゥーメ、ホセ マヌエル
【審査官】
槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0011497(US,A1)
【文献】
米国特許第05342145(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0088814(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0017951(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0189948(US,A1)
【文献】
米国特許第06019547(US,A)
【文献】
米国特許第06336771(US,B1)
【文献】
特開2010−127659(JP,A)
【文献】
米国特許第04976570(US,A)
【文献】
英国特許出願公開第02106383(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63C 19/10
A63B 69/00
A63B 69/12
A63G 31/00−31/16
A63G 21/18
E04H 4/00
E04H 3/10−3/16
G01M 10/00
F04D 35/00
A47K 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造波機システム(1)であって、
縦方向(5)に沿って配置され、障壁(4)の長さ(L)に沿って前面(4a)および後面(4b)を有し、前記前面(4a)は第1水塊(2)に面し、前記後面(4b)は第2水塊(3)に面している、連続する長尺な障壁(4)であって、前記障壁(4)は、前記第1水塊(2)と前記第2水塊(3)との間、前記障壁(4)の中、上、および下、および前記長さ(L)に沿った水の通過を防止する、障壁(4)と、
前記第1水塊(2)の下の床(6)に前記前面(4a)から一定の距離に形成された第1リーフ(12)、および前記第2水塊(3)の下の床(8)に前記後面(4b)から一定の距離に形成された第2リーフ(15)と、
を備え、
前記障壁(4)は蛇行運動を伴って前記長さ(L)全体に沿って移動可能であり、前記前面(4a)は前記第1水塊(2)の波の形成のために前記第1水塊(2)の水を前記第1リーフ(12)に向かって押し、前記後面(4b)は前記第2水塊(3)の波(W)の形成のために前記第2水塊(3)から前記第2リーフ(15)に向かって水を押す
ことを特徴とする、造波機システム(1)。
【請求項2】
前記障壁(4)は、前記障壁(4)の下の床から延在することを特徴とする、請求項1に記載の造波機システム(1)。
【請求項3】
前記障壁(4)は、前記波(W)の最高点より上の高さまで延在することを特徴とする、請求項2に記載の造波機システム(1)。
【請求項4】
前記第1リーフ(12)および前記第2リーフ(15)のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に直線状であることを特徴とする、請求項1に記載の造波機システム(1)。
【請求項5】
前記第1リーフ(12)および前記第2リーフ(15)のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載の造波機システム(1)。
【請求項6】
前記第1リーフ(12)および前記第2リーフ(15)のうちのいずれか少なくとも1つは、平面図において前記障壁(4)の前記縦方向(5)に対して−20から20度の角度を形成することを特徴とする、請求項1に記載の造波機システム(1)。
【請求項7】
前記障壁(4)は、前記第1水塊(2)に向かっておよび前記第2水塊(3)に向かってその間で時間をずらして往復移動可能な縁部(71)を有する、一連の連結パネル(70)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の造波機システム(1)。
【請求項8】
前記障壁(4)の前記前面(4a)および前記後面(4b)は、前記縦方向(5)に配置され、前記第1水塊(2)に向かっておよび前記第2水塊(3)に向かってその間で時間をずらして横方向に往復移動可能な複数の前面(50a;60a;80a;90a)および後面(50b;60b;80b;90b)を有することを特徴とする、請求項1に記載の造波機システム(1)。
【請求項9】
前記障壁(4)は、前記障壁(4)の前記前面(4a)の隣り合う前面(80a;90a)の間に配置された少なくとも1つの可動中間要素(50;60c;81;92)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の造波機システム(1)。
【請求項10】
前記可動中間要素(50;60c;81;92)は、剛性、可撓性、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項9に記載の造波機システム(1)。
【請求項11】
前記障壁(4)は、前記障壁(4)の前記前面(4a)の隣り合う後面(80b;90b)の間に配置された少なくとも1つの可動中間要素(50;60c;81;92)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の造波機システム(1)。
【請求項12】
前記可動中間要素(50;60c;81;92)は、剛性、可撓性、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項11に記載の造波機システム(1)。
【請求項13】
前記障壁(4)は、前記第1水塊(2)に向かっておよび前記第2水塊(3)に向かってその間で時間をずらして往復移動可能な隣接するブロック(60)を備え、前記前面(60a)および前記後面(60b)は前記ブロック(60)の後面および前面であることを特徴とする、請求項8に記載の造波機システム(1)。
【請求項14】
前記障壁(4)は、前記縦方向(5)に配置され、前記第1水塊(2)に向かっておよび前記第2水塊(3)に向かってその間で時間をずらして横方向に往復移動可能なプレート(20;80;90)を備え、前面(20a;80a;90a)および後面(20b;80b;90b)は前記プレート(20;80;90)の後面および前面であることを特徴とする、請求項8に記載の造波機システム(1)。
【請求項15】
前記障壁(4)は、可撓性、剛性、またはこれらの組み合わせであって、隣接するプレート(20;80;90)の間に配置された、少なくとも1つの連結要素を備えることを特徴とする、請求項14に記載の造波機システム(1)。
【請求項16】
前記障壁(4)は、隣接するプレート(20;90)の間にあって前記隣接するプレート(20;90)に関節式に接続された、2つの剛性の連結パネル(50;92)を備えることを特徴とする、請求項14に記載の造波機システム(1)。
【請求項17】
各プレート(90)は、旋回運動を伴って移動可能であることを特徴とする、請求項14に記載の造波機システム(1)。
【請求項18】
各プレートは、並進運動および旋回運動を伴って移動可能であることを特徴とする、請求項14に記載の造波機システム(1)。
【請求項19】
各プレート(20;80)は、並進運動を伴って移動可能であることを特徴とする、請求項14に記載の造波機システム(1)。
【請求項20】
各プレート(20)は、前記障壁(4)の上に配置された駆動システム(21)によって動作させられることを特徴とする、請求項19に記載の造波機システム(1)。
【請求項21】
各プレート(20)は、上部構造(31)から懸架されることを特徴とする、請求項19に記載の造波機システム(1)。
【請求項22】
各プレート(20)は、フレーム(24)に沿って前後に縦方向に移動可能な対応するキャリッジ(40)から懸架されることを特徴とする、請求項19に記載の造波機システム(1)。
【請求項23】
各プレート(20)は、対応するキャリッジ(40)に堅固に接続されていることを特徴とする、請求項22に記載の造波機システム(1)。
【請求項24】
前記フレーム(24)は、前記キャリッジ(40)の側方ホイール(41)がその上を転動できる側方ガイドチャネル(29)を備えることを特徴とする、請求項22に記載の造波機システム(1)。
【請求項25】
前記キャリッジ(40)は、前記キャリッジ(40)の前記側方ホイール(41)間に配置されたラック(42)を備え、前記フレーム(24)は、前記ラック(42)に結合されたピニオン(23)の回転を引き起こす関連するモータおよび変速機セット(22)を有し、前記ピニオン(23)の回転は、対応するラック(42)、キャリッジ(40)、およびプレート(20)の縦方向移動を引き起こすことを特徴とする、請求項24に記載の造波機システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水媒質中の造波機システムに関し、特に、連続して動作して二重波、すなわち一連のピストンの前の波と一連のピストンの後の波を発生する、一連のピストンを使用する造波機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
水媒質中の装置および造波機システムの多くの設計は、従来技術において知られており、その目的は、人の娯楽および余暇目的のために水媒質中で人工的に波を発生させることである。サーフィンなどのスポーツ向けの造波機システムもまた知られている。
【0003】
サーフィン向けの造波機システムは、他の造波システムまたは装置に比べて複雑さが増している。より具体的には、これらのシステムは、非常に正確な特性および形状を有する波の形成を追求し、海で自然発生するある種の砕波をシミュレートする。一方では、波は高く、好ましくは動的でなければならず、すなわち前進する。加えて、波は非常に速く移動しなければならず、可能であれば、徐々に砕波しなければならず、すなわち非砕波領域および砕波領域を呈しなければならない。さらに、理想的な波は、好ましくは、サーファーが自分のルーチンまたはテクニックを実行できるバレルを有する必要がある。サーフィンに適した波を得ることは非常に複雑な作業である。実際、自然波を正確にシミュレートした完璧な人工波は存在しないか、発生させることが不可能であると、何年もの間考えられてきた。
【0004】
造波機システムの一例は、水中で攪拌させるために、プレート、ブレード、またはピストンを移動および/または傾斜させることに基づいている。ピストンの使用は、建設的に比較的単純であり、水媒質中で波または攪拌を生じるのに効果的である。ピストンは、水を水平に移動させるために、水塊の中で前後に繰り返し移動する、または水塊の中で前後に繰り返し傾斜する、パネルであると理解されているか、もしくは水塊に対して両方の運動の組み合わせ(並進および傾斜)を呈するパネルであると、理解される。
【0005】
ピストン技術を用いて波を発生させようとする試みにおいて、造波機システムは、一列に整列または配置され、徐々に砕波して任意のバレルを有する波、すなわちサーフィンに適した波を得るためにある順序で動作する、一連のピストンに基づいて開発されてきた。このようなシステムの例は、米国特許第6920651号明細書、米国特許第4062192号明細書および米国特許第4783860号明細書に見ることができる。
【0006】
サーフィン可能な波は比較的高く高速でなければならず、したがって、大量のエネルギーを輸送しなければならないため、サーフィン用造波機システムに必要な電気消費量は非常に高く、そのようなシステムは実際上経済的に不可能になることが多い。従来技術で知られている造波機システムは、通常、システムが時間とともにより多くのユーザによって使用されることを可能にし、したがってシステムの稼働による収益を増加させるので、とりわけ単位時間あたりにシステムが発生させることができる波の数を増加させることによって、システムの経済的実行可能性を向上させようとする。
【0007】
本発明は、経済的に実行可能であり、実際にうまく動作することができる、ピストンに基づくサーフィン造波システムを創出することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6920651号明細書
【特許文献2】米国特許第4062192号明細書
【特許文献3】米国特許第4783860号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、縦方向に配置された連続的かつ長尺の障壁を備える、造波システムである。障壁は、障壁の長さに沿って前面および後面を有する。前面は第1水塊に面しており、後面は第2水塊に面している。障壁は、第1水塊から第2水塊に向かう水の通過を防止し、逆もまた同様である。第1リーフは、第1水塊の下の床に、障壁から一定の距離に配置される。同様に、第2リーフは、第2水塊の下の床に、障壁から一定の距離に配置される。障壁は、その前面および後面に側方波動を形成する蛇行運動を伴ってその全長に沿って移動可能である。波動は、第1水塊および第2水塊に向かって往復移動する。前面は、第1水塊に波を形成するために、第1水塊から第1リーフに向かって水を押す。次に、第2水塊に波を形成するために、後面が第2水塊から第2リーフに向かって水を押す。
【0010】
造波機システムは、同時に2つの方向、すなわち第1および第2の2つの領域に波を発生させるので、多数の波を発生させることを可能にする。さらに、波は徐々に砕波し、高いエネルギーを担持し、サーフィンに適している一方、発生機システムは、妥当なエネルギー消費、妥当な水量、水塊の総量の妥当な表面積、および全体的なシステムの妥当な表面積(しばしばシステムの「フットプリント」と呼ばれる)を必要とする。これらの全ては、システムを経済的に実行可能にするのに役立ち、システムが首尾よく実用されることを可能にする。
【0011】
本発明の別の態様は、造波機と、水塊と、水塊の下の床に形成されたリーフとを備える、造波機システムである。リーフは、リーフと造波機との間に位置する深水領域と、リーフを越えて位置する浅水領域との間の、移行領域を提供する。造波機は、リーフに向かって水を移動させて水塊に波を形成させるために、水塊に面している。リーフは、浅水領域よりも深く、波が浅水領域を出る浅い領域の端部と深水領域とを接続するチャネルによって、少なくとも部分的に囲まれている。造波機によって移動させられた水は、浅水領域に沿って伝播するサーフィン可能な波に干渉することなく、新しい波を発生させるために造波機とリーフとの間の深水領域に向かってチャネルによって戻されることが可能である。
【0012】
本発明の詳細は、本発明の範囲を限定することを意図しない添付の図面に見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の例示的実施形態による造波機システムの斜視図であって、障壁の縦方向に対して横向き並進運動を呈するプレートまたはピストンに基づく移動障壁を有しており、システムは、障壁の端部に連続する垂直な壁の形態の側縁部を備えている。
【
図3】
図1のシステムの障壁に含まれる5つのピストンを、その駆動機構および関連する支持構造とともに示す、斜視図である。
【
図4】前の図の3つのピストンを、対応する駆動システムとともに示す、拡大斜視図である。
【
図5】あるピストンに関連付けられたフレームならびにモータおよび変速機セットの底面斜視図である。
【
図6】ピストンに関連付けられたキャリッジの上面斜視図である。
【
図7】2つずつの隣り合うピストンの間に配置された2対の連結パネルのレイアウトの詳細を示す、
図1のシステムの3つのピストンの拡大斜視図である。
【
図8】障壁の端部の1つのみにおいて側縁部を省略した、代替造波機システムの斜視図である。
【
図11】本発明による障壁の第2の実施形態の斜視図である。
【
図12】本発明による障壁の第3の実施形態の斜視図である。
【
図13】本発明による障壁の第4の実施形態の斜視図である。
【
図14】本発明による障壁の第5の実施形態の斜視図である。
【
図20】湾曲リーフおよび直線リーフを有し、障壁に向かう水の戻りのための深いチャネルを備える、本発明による造波機システムの別の実施形態の斜視図である。
【
図22】本発明による造波機システムの別の実施形態の平面図である。
【
図23】本発明による造波機システムの別の実施形態の平面図である。
【
図24】本発明による造波機システムの別の実施形態の平面図である。
【
図25】本発明による造波機システムの別の実施形態の平面図である。
【
図26】本発明による造波機システムの別の実施形態の平面図である。
【
図27】本発明による造波機システムの別の実施形態の平面図である。
【
図28】本発明による造波機システムの別の実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の態様は、障壁の両側の2つの対向する水塊に向かって障壁が往復移動するように、長尺で連続して動作可能な障壁の蛇行運動に基づく、人工造波機システムに関する。障壁は、2つの水塊の間の水の通過を妨げるように構築されている。蛇行運動において、障壁は各水塊に向かって交互に水を押し、各水塊に波を発生させる。
【0015】
図1から
図7、
図10、および
図15は、本発明の第1の実施形態を示す。最初に
図1および
図2を参照すると、これらの図は、第1水塊(2)および第2水塊(3)中にサーフィン可能な波が発生することを可能にする、造波機システム(1)の斜視図および平面図を示す。このようにするために、システム(1)は、縦方向(5)に配置された連続した長尺の障壁(4)の形態の造波機を備える。造波機または障壁(4)は、第1水塊(2)および第2水塊(3)に向かって、蛇行運動を伴って往復移動可能である。障壁(4)は浸透性ではなく、すなわち、障壁(4)がまだ静止しているときおよび動いているときの両方において、障壁(4)を通じて第1水塊(2)と第2水塊(3)との間の水の通過を妨げる。さらに、障壁(4)は、好ましくは、障壁(4)が第1水塊(2)と第2水塊(3)との間の障壁(4)の下の水の通過を実質的に防止するように、障壁(4)の下のシステムの床と実質的に接触して配置されている。「実質的に水の通過を防止する」とは、障壁(4)が床と水密に接触することが必須ではないことと理解される。システムの床との間に数ミリメートルまたは数分の1センチメートル(好ましくは1センチメートル未満)のわずかな公差または分離が許容される。同様に、以下に説明される障壁(4)の異なる可動要素の間、およびこれらの可動要素といくつかの実施形態では障壁(4)に隣接して配置することができる可能な垂直面との間に、わずかな公差または隙間(好ましくは1センチメートル未満)があってもよい。障壁(4)の機能および蛇行運動は、以下でより詳細に説明される。
【0016】
床(6)は第1水塊(2)の下に設けられ、2つの対向する側縁部(7)は第1水塊(2)の側面に設けられる。同様に、床(8)は第2水塊(3)の下に設けられ、2つの対向する側縁部(9)は第2水塊(3)の側面に設けられる。図示される実施形態では、第1水塊(2)の側縁部(7)は、互いに平行な直線状の垂直壁である。しかしながら、代替実施形態では、側縁部(7)は、たとえば傾斜した岸の形態の非垂直構成を呈してもよく、または傾斜した岸がその後に続く障壁(4)に近い垂直壁などの様々な形状を組み合わせてもよいことが、考えられる。いくつかの実施形態では、側縁部(7)は、直線状であることに代えてまたは加えて、湾曲していてもよく、または他の適用可能なレイアウトを備えていてもよいと考えられる。本発明の異なる実施形態では、側縁部(7)は互いに平行でなくてもよく、または類似の形状または構成を示さなくてもよいことも、考えられる。これらの変形例は全て、第2水塊(3)の側縁部(9)に等しく適用可能である。さらに、第1水塊(2)の側縁部(7)および第2水塊(3)の側縁部(9)は、図示される実施形態のように、障壁(4)に対して、すなわち障壁(4)の縦方向(5)を含む垂直対称平面に対して、互いに対称であってもよい。第1水塊(2)の側縁部(7)および第2水塊(3)の側縁部(9)が、異なる形状、サイズ、構成および/またはレイアウトを呈する代替実施形態もまた、考えられる。一方、第1水塊(2)の側縁部(7)は、いずれの距離に配置されてもよく、第2水塊(3)の側縁部(9)といかなる角度を形成してもよい。側縁部(7,9)の一方または両方が存在しなくてもよいこと、ならびに第1水塊(2)と第2水塊(3)が障壁(4)の一方または両方の縦方向端部で互いに混合するかまたは連通することも、考えられる。たとえば、
図8および
図9に代替システム(1)が示されており、そこでは、図の左側に位置する障壁(4)の一方の縦方向端部から延在する側縁部(7,9)が設けられており、水塊(2,3)がこの端部で連通するように、図の右側に位置する障壁の反対側の端部には縁部が含まれていない。
【0017】
再び
図1および
図2を参照すると、システム(1)の遠位端に関して、図面は、第1水塊(2)および第2水塊(3)の端部に傾斜ランプの形態の岸(10,11)を、実例によって示す。代替実施形態では、ランプの形態の岸の代わりに、スイミングプール、湖沼、拡幅部、湾曲した岸などの終端があってもよい。第1の水塊(2)および第2水塊(3)は、任意の長さおよび幅を有することができる。第1水域(2)の幅は一定であっても可変であってもよい。たとえば、第1水塊(2)に2つの側縁部(7)がある場合、これらの側縁部(7)は、互いに平行であってもなくてもよい。同様に、第2水塊(2)に側縁部(9)がある場合、これらは互いに平行であってもなくてもよい。
【0018】
図1および
図2に示されるように、第1水塊(2)には、第1水塊(2)の床(6)に形成された第1リーフ(12)が設けられている。リーフは、勾配の変化をもたらし、障壁により近い深水領域(4)と障壁(4)からより遠い浅水領域との間の移行領域として作用する、床の領域であると理解される。より具体的には、この実施形態では、第1リーフ(12)は、障壁(4)のより近くに位置する床(6)の深水領域(13)と障壁(4)からより遠くに位置する床(6)の浅水領域(14)との間に深さの変化を提供し、両方の領域(13,14)を分離する、ランプまたは傾斜面の形態の移行領域である。同様に、第2リーフ(15)は、第2水塊(3)の下の床(8)上の、第2の水塊(3)に形成される。現在の第2リーフ(15)は、障壁(4)のより近くに位置する床(8)の深水領域(16)と障壁(4)からより遠くに位置する床(8)の浅水領域(17)との間の段差の形態で深さの変化を提供する垂直壁として形成される。第2リーフ(15)は、両方の領域(16,17)を分離する。
【0019】
本発明によれば、
図2の平面図に示されるように、第1リーフ(12)および第2リーフ(15)は、障壁(4)から一定の距離で、障壁(4)の縦方向(5)と実質的に平行に配置されている。たとえば、一方または両方のリーフ(12,15)は、実質的に直線状であり、縦方向(5)に対して−20度から20度の角度を形成することができる。
【0020】
場合により、第1水塊(2)の床(6)および/または第2水塊(3)の床(8)は、本実施形態のように、障壁(4)から対応するリーフ(12,15)まで水平であってもよい。あるいは、第1水塊(2)の下の床(6)および障壁(4)に隣接する第2水塊(3)の下の床(8)の一方または両方、すなわち障壁(4)から対応するリーフ(12,15)までは、対応するリーフ(12,15)に向かって増加する高さを有することができると考えられる。
【0021】
システム(1)における障壁(4)を説明するために、
図3は、障壁(4)の一部の拡大斜視図を示す。図示されるように、本実施形態の障壁(4)は、前後に移動可能な一組のピストン(20)または剛性プレートを備え、ピストン(20)は、それらの間で時間をずらして移動し、一方の横側面に向かってから他方の側面に向かう往復波動を形成し、障壁(4)内に波動形成の効果を生じ、縦方向(5)に移動する。
【0022】
図は5つのピストン(20)のみを示しているが、ピストン(20)の動作に関する以下の説明は、障壁(4)のピストンセット(20)の全てに適用される。ピストン(20)の各々は、ピストン(20)の上部に位置する独立駆動システム(21)によって動作され、以下に説明するように懸架される。ピストン(20)および対応する駆動システム(21)は、支持構造(30)によって支持される。支持構造(30)は、上部構造(31)の対向する横側面に位置する脚部(32)によって床に支持される、上部構造(31)を含む。この例示的な実施形態では、支持構造(30)は、縦方向のバーまたは梁(33)および横方向のバーまたは梁(34)で形成されている。一組のピストン(20)は、この上部構造(31)から吊されている。
【0023】
各ピストン(20)がピストン(20)の上部に位置する駆動システム(21)によって動作されるという事実は、いくつかの利点を提供する。一方では、システム(1)の、すなわち駆動システム(21)を収容するための、機械室を構築するために必要な土木工事が最小限に抑えられる。たとえば、構造を支持するために、単一の平らな床が構築されればよく、床および構造は、平面図で最小面積を占めることになる。さらなる重要な利点は、駆動システム(21)の全体機構が、水から隔離されて容易にアクセス可能な乾燥した領域に妥当なコストで配置できることである(たとえば、(31)支持構造体(30)の内部にアクセスするための開口部を有する上部構造の上に通路が設けられてもよい)。これにより、システムを一般的なスイミングプール規制に適合させやすくする。支持構造体(30)はまた、ユーザを機械から分離するネットを支持する機能を実行して、ユーザが機械のいかなる可動要素または構成要素とも接触することができないようにしてもよい。
【0024】
図4から
図6は、ピストン(20)の駆動システム(21)を理解できるようにする3つの追加図を示す。図示されるように、各駆動システム(21)は、
図5に見られる各ピニオン(23)を回転させる電気駆動モータおよび変速機セット(22)を備える。各電気駆動モータおよび変速機セット(22)は、それぞれのフレーム(24)上に取り付けられ、それぞれのフレーム(24)によって支持される。フレーム(24)は、
図3に示されるように、このフレーム(24)が縦梁(33)によって支持されてその間に懸架されるように、上部構造体(31)の縦梁(33)に固定されるように構成された2つの横方向端部(25)を有する。
図5により明確に示されるように、電気駆動モータおよび変速機セット(22)の大部分は、フレーム(24)のプレート(26)の上面(27)からフレーム(24)自体より上に突起している一方、ピニオン(23)は、フレーム(24)のプレート(26)の下面(28)から突起している。各フレーム(24)は側方ガイドチャネル(29)を備え、これらはピニオン(23)の対向する側に、互いに直線状および平行に、(障壁(4)の縦方向(5)に対して)横方向に配置されている。本実施形態のフレーム(24)は固定されており、すなわち、システム(1)の通常の機能中は動かない。
【0025】
図6は、障壁(4)の各ピストン(20)に関連付けられたキャリッジ(40)の斜視図であり、より詳細には、各ピストン(20)はそれぞれのキャリッジ(40)から懸架されている。キャリッジ(40)は、キャリッジ(40)の両側に配置された側方ホイール(41)と、(障壁(4)の縦方向(5)に対して)横方向の側方ホイール(41)の間に位置するラック(42)と、を備える。キャリッジ(40)は、フレーム(24)に対して移動可能にフレーム(24)に結合されるように構成される。より具体的には、キャリッジ(40)の側方ホイール(41)は、キャリッジ(40)を横方向に保持して案内する、ガイドチャネル(29)に沿って転動するように構成される。次に、ピニオン(23)がその中心軸の周りを回転するとき、およびピニオン(23)は横方向に固定されているので、ピニオン(23)の回転が、横方向にフレーム(24)に対してラック(42)の、したがってキャリッジ(40)全体の運動を引き起こすように、ラック(42)はピニオン(23)と嵌合する。
図4は、それぞれのフレーム(24)のガイドチャネル(29)に結合されたキャリッジ(40)を示す。
図2に示すように、システム(1)が波(W)を発生させているとき、各キャリッジ(40)は、電気駆動モータおよび変速機セット(22)ならびにフレーム(24)を固定位置に維持しながら、いくつかのキャリッジ(40)は前方に動きその他のものは後方に動いて蛇行運動を形成するように、隣接するキャリッジ(40)に対して時間をずらして、それぞれのフレーム(24)に沿って交互に前後に移動する。キャリッジ(40)の移動は、キャリッジ(40)から懸架されたピストン(20)の運動を引き起こす。
【0026】
前述のシステムは、電気部品、すなわち電気駆動モータおよび変速機セット(22)を、ほぼ完全にフレーム(24)の上の乾燥領域に隔離することができる点において有利である。より具体的には、
図4に示すように、電気駆動モータおよび変速機セット(22)のモータ(22a)は、完全にフレーム(24)の上方にある。さらに、電気駆動モータおよび変速機セット(22)がピストン(20)とともに移動せず、むしろ固定されたまま、すなわち支持構造(30)およびフレーム(24)に対して固定位置に固定されたままである点、固定されたモータを使用することでシステムの電気設備を簡素化すること、さらに、実際にはピニオン(23)を回転させる軸を通すための穴を形成するだけでよいので、フレーム(24)を通る必要な開口部を最小限に抑えることができ、これによりフレーム(24)の下の湿った領域のフレーム(24)の上に位置する乾燥領域の隔離または水密性を大幅に促進する点、さらに、フレーム(24)の上の乾燥領域には可動部分または機構がないため巻き込まれる危険性が低減されるので、(フレーム(24)がシートなどで覆われている場合に)フレーム(24)の上を歩いている可能性のある人の安全性が向上する点において、このシステムは有利である。電気駆動モータおよび変速機セット(22)がピストン(20)の上方にあり、ピストン(20)が懸架されているという事実もまた、障壁(4)が床まで延在することができ、床から波の頂点まで波の全てを動かすことができ、したがって波を発生させるためにシステムによって消費されるエネルギーを効率的に使用することができるので、有利である。
【0027】
ピストン(20)の懸架されたレイアウトをもう一度参照すると、
図4はキャリッジ(40)から懸架されたピストン(20)を示しており、キャリッジ(40)とのピストン(20)の接続を強化し、水をピストン(20)の前および後の両方に有してピストン(20)が水中で横方向に前後移動している間、ピストン(20)がその垂直および縦方向位置(すなわち、障壁(4)の縦方向(5)と平行な位置)を維持することを保証する、いくつかの斜めの前および後の補強ロッド(45)をさらに示すことに、留意しなければならない。これらの補強ロッド(45)は、ピストン(20)の前壁および後壁から、たとえばキャリッジ(40)の横梁(43)に向かって延在している。
【0028】
好ましくは、
図4に、およびより詳細に
図7に示すように、2つの垂直な連結パネル(50)は2つの隣接するピストン(20)の間に配置され、各パネル(50)は、垂直回転軸(51)に対してピストン(20)および他のパネル(50)に連結されている。この場合、垂直回転軸(51)はヒンジ接続部によって提供される(非常に少量の水がパネル間およびパネルとピストンとの間のヒンジ接続部を通過することは不可能ではないが、これは本発明には関係しない)。2つの連結パネルを有することにより、障壁(4)全体が移動可能となり、したがってこれに対向する水の全てを障壁(4)の両側まで押すことができる。さらに、連結パネル(50)は、剛性ピストン(20)が、これらの間で時間をずらして動くことができ、したがって、システムが詰まることなく、これらの剛性ピストン(20)間の相対距離を変化させることができるようにする。同時に、両方のパネル(50)の縁部の1つが剛性ピストン(20)に連結されるので、2つの連結パネル(50)のみを有することで、可動連結パネル(50)の制御されない動きを防止する。
【0029】
本実施形態の連結垂直パネル(50)は、上縁部(52)と下縁部(53)とを備える。この実施形態では、パネル(50)の上縁部(52)は、その間にパネル(50)が配置されるピストン(20)の上縁部(20c)と同じ高さにあり、好ましくは、これら上縁部(20c、52)の全ては波(W)の最高点よりも高い。連結パネル(50)の下縁部(53)は、ピストン(20)の下縁部(20d)と同じ高さにあり、好ましくはこれらの下縁部(20d、53)の全ては、床と同一平面または実質的に同一平面にある(数ミリメートルまたはほんの数センチメートルの分離、好ましくは1センチメートル未満の分離を伴う)。したがって、障壁(4)は、ピストン(20)とパネル(50)との組み合わせで構成され、隣接するパネル(50)間または隣接するパネル(50)とピストン(20)との間、または障壁(4)の上または下を、水が通ることはない。言い換えると、ピストン(20)とパネル(50)の両方は、システムの床から(場合によっては数ミリメートルまたはほとんど数センチメートルの分離、好ましくは1センチメートル未満の分離を伴う)波の最高点までの範囲の水を押し、すなわち、これらは水柱全体を移動させることができ、したがって蛇行する移動障壁(4)の両側に発生する波(W)の高さを最大にすることができる。さらに、波の谷がピストン(20)およびパネル(50)の一方の側にあって波の最高点が反対側にあるときの圧力差のため、水がパネル(50)の下を通過できる隙間を最小化または回避することによって、最高点側から谷側への水の通過を回避する。これは水を無駄に動かすことによって、すなわちサーフィン可能な波を発生させることに寄与せずに、ピストン(20)の運動においてエネルギーが浪費されていることを意味する。
【0030】
図10および
図15は、本実施形態の障壁(4)の斜視図を示す。説明したように、障壁(4)は、一連の連結パネル、より具体的には障壁(4)の縦方向(5)に永久的に配置され、一対の連結パネル(50)が交互に配置されて横方向に可動な、一連のパネルまたはピストン(20)で構成されている。障壁(4)は、障壁(4)の全長(L)に沿って前面(4a)および後面(4b)を有し、全長(L)は、縦方向(5)の障壁(4)の寸法であると理解される。前面(4a)は、ピストン(20)の前面(20a)と連結パネル(50)の前面(50a)とで構成され、後面(4b)は、ピストン(20)の後面(20b)と連結パネル(50)の前面(50b)とで構成される。障壁(4)の前面(4a)は第1水塊(2)に面し、後面(4b)は第2水塊(3)に面している。障壁(4)の前面(4a)および後面(4b)は、好ましくは障壁(4)の下のシステム(1)の床から、システム(1)によって発生する波(W)の最高点を超える高さまで延在する。障壁(4)は、蛇行運動を伴って全長(L)に沿って移動可能であり、ここで前面(4a)は、第1水塊(2)でのサーフィン可能な波(W)の形成のため、この第1水塊(2)から第1リーフ(12)(
図1)に向かって水を押し、後面(4b)は、第2水塊(3)でのサーフィン可能な波(W)の形成のため、この第2水塊(3)から第2リーフ(15)に向かって水を押す。蛇行運動は、ピストン(20)が第1水塊(2)と第2水塊(3)との間で時間をずらしてどのように第1水塊(2)および第2水塊(3)に向かって動くかを示す
図15に示されており、各ピストン(20)は後続ピストン(20)に対して異なる時間で前後に移動し、パネル(50)はピストン(20)に付随して、移動障壁(4)は縦方向(5)に移動しながら側面に向かって往復移動する側方波動を形成するようになっており、これは蛇の動きと似ている。障壁(4)の蛇行運動は、非常に高いエネルギー効率で両方の水塊(2,3)に波を発生させ、装置の経済的実行可能性に寄与する。波はそれぞれのリーフ(12,15)に向かって伝播して砕けるので、リーフ(12,15)の領域にサーフィン可能な波が形成され、これらはその後も水域(2,3)を伝播し続ける。リーフ(12,15)は、障壁(4)から所望の波(W)の高さの7倍以下の短い距離に配置することができ、波が砕波する前にほとんど高さを失わせず、したがってシステム(1)のエネルギー消費に関連して波(W)の高さを最大化させることができる。
【0031】
障壁(4)の蛇行運動は、障壁(4)に平行ではない、すなわち障壁(4)の縦方向(5)に対して0以外の角度を形成する、波(W)を発生できるようにする。これにより、リーフ(12,15)は、リーフ(12,15)への到達時に波が十分な高さに到達するのに十分でありながら、リーフ(12,15)の領域内で徐々に砕波する、したがってサーフィン可能である波(W)をうまく形成できる、障壁(4)からの最短距離に配置されることが可能となる。したがって、(障壁とリーフとの間の限られた分離のおかげで)比較的小さい「フットプリント」を有するシステム(1)を使用して、したがって妥当な量の水および構造サイズを必要とする、サーフィン可能な波(W)を発生することが可能であり、前記態様はいずれも波のプールの経済的実行可能性に不可欠である。
【0032】
蛇行障壁の前面または前表面および後面または後表面の両方によって波を発生させることに基づくシステム(1)の別の重要な利点は、システムを構築するために必要な機械および土木工事に対して多くの波を発生させることができるので、システムが非常に高い使用性を有することである。機械に関する限り、対向する波を発生させるために、それぞれの駆動システムを有する1列のピストンのみが必要とされる。さらに、静水力を補償するための機構は、障壁の非動作側では必要とされない(両側が波を発生させるために水塊に向かって水を移動させるので)。加えて、ピストンのみが前方向に波を発生し、後面は水が移動するのに波を発生させるのに使用されない濡れた環境にある従来技術で知られているシステムと比較して、障壁の後面ではエネルギーを損失しない。土木工事に関しては、これまでにも述べたように、障壁の蛇行運動は、リーフから障壁までの距離を最小限に抑え、こうして設備の「フットプリント」を最小限に抑えながら、リーフに対してある角度をつけた波を発生させ、徐々に砕波する波を得られるようにする。さらなる利点は、このシステムが、ピストンの前側が水を押してピストンの後側が乾燥した環境にある、従来のシステムほどの防水を必要としないことである。これらの利点の全ては、システムが経済的に実行可能であり、首尾よく実現されることにつながる。
【0033】
図11および
図16は、この場合、水が第1水塊(2)から第2水塊(3)に向かってまたは逆方向にその下または上を通過できないように、一連の隣接するブロック(60)で構成される蛇行する移動障壁(4)の代替実施形態を示す。ブロック(60)は、その間での水の通過を阻止するブロック(60)の間の重なりを維持しながら、第1水塊(2)に向かって、また第2水塊(3)に向かって、その間で時間をずらして往復移動させられることが可能である。障壁(4)の前面(4a)はブロック(60)の前面(60a)から構成され、障壁(4)の後面(4b)は、ブロック(60)後面(60b)から構成されている。ブロック(60)の側面(60c)はまた、第1水域(2)を第2水域(3)から分離する働きをし、すなわち水塊(2,3)の間の水の通過に対する障壁として機能する。
【0034】
図12および
図17は、この場合、いくつかの縁部(71)はそれぞれの駆動システムによって動作される駆動縁である、一連の連結パネル(70)で構成された蛇行する移動障壁(4)の代替実施形態を示す(たとえば、第1の実施の形態のものと同様)。縁部(71)は、第1水塊(2)に向かって、また第2水塊(3)に向かって、その間で時間をずらして横方向に往復移動可能である。言い換えると、縁部(71)は第1の実施形態のようなピストン(20)と同等であるが無視できる幅で構築され、パネル(70)は第1の実施形態のパネル(50)と同等である。障壁(4)の前面(4a)はパネル(70)の前面(70a)から構成され、障壁(4)の後面(4b)はパネル(70)の後面(70b)から構成されている。先の実施形態の場合と同様に、障壁(4)は、障壁(4)の中、下、および上を通る水の通過を防止する。
【0035】
図13および
図18は、この場合、障壁(4)の縦方向(5)に配置され、その間で連続してまたは時間をずらして横方向に移動可能な、一連のパネル(80)で構成された、蛇行する移動障壁(4)の代替実施形態を示す。パネル(80)は、前面(80a)および後面(80b)を有する。障壁(4)の前面(4a)はパネル(80)の前面(80a)を含み、障壁(4)の後面(4b)はパネル(80)の後面(80b)を含む。2つずつの隣接するパネル(80)の前面(80a)は、障壁(4)の前面(4a)の連続横断面を形成する。同様に、2つずつの隣接するパネル(80)の後面(80b)は、障壁(4)の後面(4b)の連続横断面を形成する。障壁(4)の前面(4a)の連続横断面の間、すなわちパネル(80)の前面(80a)の間に、キャンバスなどの少なくとも1つの可撓性要素が配置される。同様に、障壁(4)の後面(4b)の連続横断面の間、すなわち隣接するパネル(80)の後面(80b)の間に、キャンバスのような少なくとも1つの可撓性要素が配置される。本実施形態では、2つずつの隣接するパネル(80)の間に単一の可撓性要素(81)またはキャンバスが存在するが、2つ以上のキャンバス、たとえば互いに平行な2つ以上のキャンバスが存在する可能性を排除するものではない。障壁(4)の前面(4a)は可撓性要素(81)の前面(81a)を含み、障壁(4)の後面(4b)は可撓性要素要素(81)の後面(81b)を含む。先の実施形態の場合と同様に、障壁(4)は、障壁(4)の中、下、および上を通る水の通過を防止する。
【0036】
図14および
図19は、先の実施形態のいくつかと同様に、第1水塊(2)に向かって、また第2水塊(3)に向かって、その間で時間をずらして往復移動する一連のプレートで構成された、蛇行した移動障壁(4)の代替の実施形態を示す。しかしながら、この場合、一連のプレートは、障壁(4)の縦方向(5)に配置され、各旋回可能なプレート(90)の下側に配置された回転軸(91)に対して旋回可能な、プレート(90)を含む。剛性、可撓性またはそれらの組み合わせである中間要素(92)は、縦プレート(90)を相互接続し、蛇行して不透過性の障壁(4)の形成を可能にする、旋回可能なプレート(90)の間に配置される。本実施形態では、中間要素は可撓性の三角のキャンバスである。障壁(4)の前面(4a)は、プレート(90)の前面(90a)と中間要素(92)の前面(92a)とで構成され、障壁(4)の後面(4b)は、プレート(90)の後面(90b)と中間要素(92)の後面(92b)とで構成されている。先の実施形態の場合と同様に、障壁(4)は、障壁(4)の中、下、および上を通る水の通過を防止する。
【0037】
記載されたものに対する代替の実施形態が考えられる。
【0038】
たとえば、一方または両方のリーフ(12,15)は、平面図において部分的または完全に湾曲していてもよいと考えられる。たとえば、
図20および21は、直線状の第1リーフ(12)および湾曲した第2リーフ(15)を備えた代替システム(1)を示す。
【0039】
本発明の他の実施形態では、先に記載された構成要素および要素のいずれも、障壁の両側に向かってまたは造波機の一方の側に向かって波を発生するかどうかにかかわらず、すなわち造波機の2つの側面のうちの一方にしか重要な水塊およびリーフが存在しないかどうかにかかわらず、いずれの造波機システムにも適用可能である。
【0040】
図20および21は、直線状、湾曲状、または任意の他の構成を呈するリーフに適用可能な、本発明の選択的な追加の態様を示す。すなわち、この追加の態様が直線状第1リーフ(12)および湾曲第2リーフ(15)とともに示されているという事実が、この追加の態様をこの特定のリーフ構成に限定すると理解されてはならない。この追加の態様は、リーフ(12,15)が、これらの間の深いチャネル(100)を画定する障壁(4)を越えて延在することにある。好ましくは、図示されるように、リーフ(12,15)は、障壁(4)の端部に、各波(W)の波面に対して垂直に配置された、仮想垂直平面(140)を越えて延在する。これにより、サーフィン可能な波(W)を発生させるための障壁(4)の全長を最大限に利用することができる。したがって、図に見られるように、リーフ(12,15)は、チャネル(100)によって部分的に包囲されている。より具体的には、本実施形態のチャネル(100)は、各リーフ(12,15)およびその浅水領域(14,17)を一方の側に沿って包囲し、浅水領域(14,17)は岸(110)と壁(112)によって包囲されている。
【0041】
チャネル(100)は、浅水領域(14,17)よりも深く、水塊(2,3)の下の床(6,8)の深水領域(13,16)の延長に配置されている。チャネル(100)は、縦方向(5)に障壁(4)の後ろに配置され、好ましくは、波(W)が配向され、移動した水が到達する、少なくとも1つの岸(110)(すなわち第1水塊(2)または第2水塊(3)と接触している岸(110))まで延在する。具体的には、チャネル(100)は、浅水領域(14,17)のそれぞれの端部(114)まで延在し、これを通じて波(W)が浅水領域(14,17)を出る。
【0042】
チャネル(100)は、第1水塊(2)および第2水塊(3)の深水領域と連通し、図中の矢印(A、B)によって示されるように、障壁(4)に向かって水を戻す。言い換えれば、第1水塊(2)を例にとると、水は障壁(4)によって第1リーフ(12)に向かって移動し、第1リーフ(12)の近傍でサーフィン可能な波(W)を形成し、サーフィン可能な波(W)は第1水塊(2)の浅水領域(14)に沿って伝播する。移動した水は、最終的に縁部または岸(110)に到達する。波(W)が形成されている間、水塊(2)の平均水位は、岸(110)の領域で最も高く、造波機(4)の領域で最も低い。これは、波(W)がその方向に、すなわち、波が作り出される造波機(4)から、波が消える岸(110)に向かって、水を押すことによって引き起こされる。したがって、水は、岸(110)の領域から造波機(4)の領域に戻る経路を見つけようとする。
【0043】
次いで、浅水領域(14)の端部(114)に到達するまで、この縁部または岸(110)と実質的に平行に移動する水の流れが形成される。端部(114)に到達するとき、水は深水領域、深いチャネル(100)(浅水領域(14)の端部(114)および岸(110)まで延在するように配置されている)を見つける。チャネル(100)に到達すると、チャネル(100)が浅水領域(17)よりも深く、したがって動かされた水の量によってより小さな床面積に接触するという事実のため、摩擦に遭遇しないので、水の流れはチャネル(100)内に残る傾向がある。したがって、水の流れは、チャネル(100)内に残り、チャネル(100)に沿って、ならびに第1水塊(2)の床(6)の深水領域(13)に沿って、障壁(4)に向かって戻る。
【0044】
チャネル(100)のこの構成は、多様で有利な効果を実現する。一方では、水は、(浅水領域(14,17)内に位置する)サーフィン可能な波(1)から離れたままで戻され、岸(110)への波(1)のときに一般的に起こる波(W)のサーフィン可能な側の流れの悪影響を実質的に回避する。さらに、チャネル(100)の領域および深水領域(13,16)において、今や同じ水の流れがより深いところで移動するので、戻り水流は、岸(110)の近傍の流れの速度よりも低い速度を有する。したがって、障壁(4)に隣接する領域への水の戻りは、障壁(4)の前の水との干渉を最小限にして起こる。サーフィン領域(浅水領域(14,17))は流れによって悪影響を受けないことを意味するので、障壁(4)に向かう流れをチャネル(100)に集中させる傾向があることも有利である。
【0045】
さらに、本実施形態では、障壁(4)の端部に1つ以上の案内要素(120)が含まれ、その機能は、障壁(4)に到達する波が方向転換して反対の水塊(2,3)に向かうのを、部分的にまたは完全に防止することである。本実施形態では、案内要素(120)は、水を導くためにある角度の側面(122)を有するいくつかの突起である。しかしながら、案内要素(120)がシステム(1)の床上の壁、島、または他の任意の突起であってもよい代替実施形態が、考えられる。たとえば、案内要素は、障壁(4)の端部から岸(11)に向かって、たとえば岸(110)に至るまでまたはほぼ至るまで延在し、チャネル(100)を2つに分割して、すなわち、各水塊(2,3)に対してチャネル(100)の一部分を画定する、壁であってもよい。
【0046】
図22から
図27は、本発明による造波機システム(1)の6つの代替の例示的な実施形態を示す。図面は、同一の技術的特徴を識別するために、前の実施形態で使用された参照番号を含む。観察されるように、これらの造波機システム(1)の各々は、上述した障壁と類似の障壁などの造波機(4)、水塊(2)、およびリーフ(12)を備える。リーフ(12)は、水塊(2)の下の床(6)上に形成され、リーフ(12)と造波機(4)との間に配置された深水領域(13)と、リーフ(12)を越えて配置された浅水領域(14)との間の移行を提供する。造波機(4)は、水塊(2)に面し、リーフ(12)に向かう水の運動および水塊(2)内の波(W)の形成を引き起こすように構成されている。理解されるように、リーフ(12)は、チャネル(100)によって少なくとも部分的に包囲されている。チャネル(100)は、浅水領域(14)よりも深くなっており、そこを通じて波(W)が浅水領域(14)を出る浅水領域(14)の端部(114)に深水領域(13)を接続する。
【0047】
図22のシステム(1)において、リーフ(12)は、波(W)が前方に伝播するにつれて、平面視でリーフ(12)および波(W)によって形成される角度(150)が実質的に一定のままとなるように、造波機(4)を越えて延在する。これにより、波(W)の剥離角度(151)が変化しないことを保証する。「剥離角度」(151)は、波(W)が前に伝播するときの波(W)の砕波点がその後に続く軌道(152)と波(W)が前に進む方向との間の角度であると理解され、波(W)が良好でサーフィン可能な波となるために、この角度は30度から50度の間でなければならない。このようにして、波(W)は、造波機(4)から遠ざかるにつれてエネルギーを失う中で、波(W)がサーフィン可能なサイズを失い終わるまで、砕波し続けて正確な砕波角度で前進し続ける。発生した波(W)をより良く使用することに加えて、波(W)はより少ない力で岸に到達し、安全性を高め、反発を減少させる。
【0048】
さらに、
図22のシステムでは、チャネル(100)の幅は、リーフ(12,15)と障壁(4)との間の距離より狭くはない(好ましくは実質的に一定であり、等しい)。代替的または追加的に、チャネル(100)の深さは、実質的に一定であり、深水ゾーン(14)の深さに等しくてもよい。これらの特徴により、造波機システム(1)を構築するのに必要な土木建築のコストを大幅に増大させるような、過度に深いおよび/または広いチャネル(100)を構築する必要なしに、乱流が首尾よく防止される。
【0049】
図22のシステム(1)は、浅水領域(14)と岸(110)との間でこれらに沿って配置され、戻りチャネル(100)に接続された、回収チャネル(130)をさらに含む。回収チャネル(130)は、浅水領域(14)よりも深く、岸(100)に対する波の圧力によって蓄積された水がリーフ(12)に戻ることなく戻りチャネル(100)に伝播するのを助ける。これは、サーフエリア、すなわちリーフ(12)の向こうの浅水領域(14)における流れおよび乱流を減少させるのに寄与する。回収チャネル(130)は、波が岸(110)に衝突する前にサーファーが波に乗り終わってボードから安全に飛び降りることができる、深いゾーンをさらに提供する。好ましくは、回収チャネル(130)の幅は3から5メートルの範囲であり、深さは0.5から1.5メートルの範囲である。
【0050】
さらに、
図22のシステム(1)において、回収チャネル(130)は、戻りチャネル(100)が始まる浅水領域(14)の端部(114)から、(同様に造波機(4)まで実質的に延在する)反対の壁(112)まで延在する。言い換えると、回収チャネル(130)は、浅水領域(14)の後部領域(116)全体に沿って延在し、両チャネル(100,130)は、岸(110)全体に沿って一緒に延在する。これにより、実質的に全ての波(W)の水は、チャネル(130,100)内に集められ、浅水領域(14)の周りのチャネル(130,100)を通じて、造波機(4)とリーフ(12)との間の深水領域(13)まで戻される。
【0051】
加えて、観察されるように、各波(W)は、波(W)が戻りチャネル(100)から最も遠い岸(110)の地点に最初に衝突するように、そして波(W)が最後に衝突する岸(110)の領域が端部(114)および戻りチャネル(100)に隣接するように、岸(110)と平行でない波面を形成して前方に伝播する。好ましくは、波(100)または波面は、岸(110)に対して3度から40度の角度(151)を形成する。
【0052】
図23のシステム(1)において、リーフ(12)は、造波機(4)を大幅に超えて延在し、完全に真っ直ぐではなく、むしろ造波機(4)から遠くに配置された湾曲部分を有する。このシステム(1)では、見てわかるように、剥離角度(151)、すなわち波(W)が前方に伝播する際の波(W)の砕波点がその後に続く軌道(152)と波(W)が前方に伝播する方向との間に形成される角度は、ある程度まで徐々に変化するが、好ましくは30から50度の範囲内である。
【0053】
図24のシステム(1)では、戻りチャネル(100)がリーフ(12)の両側に含まれていることがわかる。加えて、一方の側には、浅水領域(14)の後部領域(116)および岸(110)の一部に沿って延在し、チャネル(100)と連通する、小さい回収チャネル(130)がある。その代わり、反対側には回収チャネル(130)がない。代わりに、浅水領域(14)が岸(110)まで延在する。この非対称性は、利用可能なスペースに起因する制約を満たすに役立ち、および/またはリーフ(12)の両側に異なる波を発生させようとすることができる。
【0054】
図25のシステム(1)は、浅水領域(14)の後部領域(116)と岸(110)との間に幅広の回収チャネル(130)を含む。回収チャネル(130)は、戻りチャネル(100)と反対の壁(112)との間で、浅水領域(14)の後部領域(116)全体および岸(110)に沿って延在する。この実施形態では、リーフ(12)は、仮想垂直平面(140)を越えて延在しない。回収チャネル(130)の幅が広いため、回収チャネル(13)は、比較的静かな水で広大な水浴ゾーンを提供することができる。この構成は単なるサーフィンに加えて付加的な用途のためにシステム(1)を使用することを好むとともに、岸(110)に衝突する前に波(W)のエネルギーを散逸させるのに多大に寄与し、安全性を高め、次の波(W)に向かって跳ね返る引き波を防止するが、この引き波は、波(W)にバンプおよび不完全を作り出してサーフィン可能な波(W)を劣化させるものである。
【0055】
図26のシステム(1)において、戻りチャネル(100)は、浅水領域(14)の一方の側にのみ設けられ、浅水領域(14)の後部領域(116)の全長に沿って延びていない小さな回収チャネル(13)と連通している。代わりに、浅水領域(14)が岸(110)に達する領域が存在する。加えて、リーフ(12)は、造波機(4)の端部に配置された仮想平面(140)を越えて、波(W)に対して垂直に延在している。
【0056】
図27のシステム(1)では、造波機(4)は長尺ではなく、逆U字型に類似した形態で配置された、3つのピストンラインなどの発生機サブセット(160a、160b、160c)からなり、造波機(4)の全幅を減少させている。浅水領域(14)は、浅水領域(14)の各側に1つずつある2つのリーフ(12)によって画定された水塊(2)の中央に設けられている。したがって、対応するリーフ(12)とそれに面する発生機サブセット(160a、160c)との間の浅水領域(14)の対向する両側に、2つの戻りチャネル(100)が画定される。回収チャネル(13)は、浅水領域(14)の後部領域(116)に設けられ、1つの戻りチャネル(100)から他の戻りチャネル(100)まで延在し、これにより3つのチャネル(100,130,100)の全てが連通している。本実施形態において、リーフ(12)は、造波機(4)の端部に波(W)に対して垂直に設けられた仮想平面(140)を越えて延在していない。しかしながら、一方または両方のリーフ(12)が仮想平面(140)を越えて延在する別の実施形態が考えられる。
【0057】
図28のシステム(1)では、造波機(4)は長尺であり、ラインを形成している。リーフ(12)は、造波機(4)と平行であり、造波機(4)の端部に波(W)に対して垂直に設けられた仮想平面(140)を越えて延在する。戻りチャネル(100)は、リーフ(12)および造波機(4)と実質的に平行であり、実質的に一定であってリーフ(12)と波造波機(4)との間の距離に等しい幅を有する。本実施形態は、回収チャネル(130)を含まない。しかしながら、岸(110)と浅水領域(14)の後部領域(116)との間に回収チャネル(13)を設けることが可能な代替の実施形態が考えられる。システム(1)の本構成は、これを構築するための比較的小さな空間を必要とする。
【0058】
要約すると、そこを通じて波(W)が浅水領域(14;17)を出る浅水領域(14;17)の端部(114)に深水領域(13;16)を接続するチャネル(100)は、波プール内の岸に向かう波によって動かされた水によって生じた流れに、浅水領域(14,17)から分離された戻り経路を見つけさせる。したがって、流れは、サーフエリア(リーフ(12,15)の向こうの浅水領域(14,17))を通って戻ることはない。このようにして、システムは、可能性のある反流が、サーフエリア内の波(W)の面および波(W)の質に影響を及ぼす可能性のある水塊(2,3)の浅水領域(14,17)の表面に乱流を形成するのを防止する。
【0059】
最後に、戻りチャネル(チャネル(100))を有するという概念は、リーフの向こうに配置された浅水領域にサーフィン可能な波を形成するために、リーフおよび岸に向かって水塊中の水を移動させることに基づくあらゆる造波技術に適用可能であることに、留意すべきである。たとえば、戻りチャネルの概念は、(水平に移動するピストン、垂直に移動するピストンまたは旋回するピストンを有するような)ピストンベースの造波機システム、(水塊を動かすために空気を水塊に向かってに噴射することに基づく)空気圧造波機システム、または水塊に対して水を排出することに基づく造波機システムに適用可能である。