(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2の工程チューブに対応してそれぞれ配設され、前記第1及び第2の工程チューブのうち、対応する工程チューブの中心における前記第1の軸の垂直軸から外れて対称的に配置される第1及び第2のユーティリティモジュールを更に備える請求項1に記載の基板処理システム。
前記第1及び第2の工程チューブのそれぞれは、単一のチューブ、または外部チューブと内部チューブを備える複数のチューブにより構成される請求項1に記載の基板処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、複数の工程チューブを備えて、基板の処理量を増やしつつ、システムの占有面積(Foot Print)を狭めることのできる基板処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る基板処理システムは、第1の軸の方向に離間して配置され、互いに独立した工程空間を与える第1及び第2の工程チューブと、複数枚の基板が多段に積載され、前記第1及び第2の工程チューブの工程空間にそれぞれ配設される基板ボートと、前記第1及び第2の工程チューブにそれぞれ配設され、前記基板ボートを昇降させる第1及び第2のボート昇降器と、を備え、前記第1及び第2のボート昇降器のそれぞれは、前記第1及び第2の工程チューブ間の空間に配置される昇降軸部材を備えていてもよい。
【0009】
前記第1のボート昇降器の昇降軸部材と前記第2のボート昇降器の昇降軸部材は、互いに点対称となるように前記第1の軸の両側に配置されてもよい。
【0010】
前記第1及び第2のボート昇降器のそれぞれは、前記昇降軸部材に連結されて前記昇降軸部材に沿って昇降する昇降体と、前記昇降体と結合され、前記基板ボートを支持する支持プレートと、を備え、前記昇降体は、前記支持プレートの中心から前記第1の軸の方向と交差する第2の軸の方向に外れて前記支持プレートと結合されてもよい。
【0011】
前記昇降軸部材は、スクリューシャフトとボールナットにより構成され、前記スクリューシャフトの回転を用いて前記ボールナットを移動させるボールスクリューと、前記スクリューシャフトの両側に配置される複数のガイドレールと、を備えていてもよい。
【0012】
前記昇降体は、前記ボールナットと結合され、前記スクリューシャフトに沿って延びるベース板と、前記ベース板に前記ボールナットの両側にそれぞれ配置されるように結合され、前記複数のガイドレールにそれぞれ連結されて滑走する複数の摺動部と、を備えていてもよい。
【0013】
前記昇降軸部材は、前記スクリューシャフトに沿って延び、前記スクリューシャフトと前記複数のガイドレールが支持される垂直フレームを更に備えていてもよい。
【0014】
前記基板処理システムは、前記第1及び第2の工程チューブに対応してそれぞれ配設され、前記第1及び第2の工程チューブのうち、対応する工程チューブの中心における前記第1の軸の垂直軸から外れて対称的に配置される第1及び第2のユーティリティモジュールを更に備えていてもよい。
【0015】
前記第1及び第2のユーティリティモジュールのそれぞれは、前記対応する工程チューブから遠ざかる向きに延びてもよい。
【0016】
前記第1及び第2のユーティリティモジュールのそれぞれは、前記対応する工程チューブから延びる冷却水供給ラインと連結され、冷却水の供給を制御する冷却水制御部と、前記対応する工程チューブから延びるガス供給ラインと連結され、工程ガスの供給を制御するガス制御部と、を備え、前記第1及び第2のユーティリティモジュールのそれぞれにおいては、前記冷却水制御部が前記ガス制御部よりも前記対応する工程チューブに近付いて配置されてもよい。
【0017】
前記基板処理システムは、前記第1及び第2の工程チューブにそれぞれ配設され、端部が複数の排気ポンピングポートにそれぞれ連結される第1及び第2の排気ダクトと、前記第1及び第2の工程チューブにそれぞれ配設されて、前記第1及び第2の工程チューブにそれぞれ熱を供給する第1及び第2のヒータ部と、前記第1及び第2のヒータ部をそれぞれ冷却させ、端部が複数の吸熱ポンピングポートにそれぞれ連結される第1及び第2の急速放熱ガスラインと、を更に備え、前記第1及び第2のユーティリティモジュールのそれぞれには、前記対応する工程チューブに配設される排気ダクトの端部及び前記対応する工程チューブに熱を供給したヒータ部を冷却させる急速放熱ガスラインの端部が配置され、前記第1及び第2のユーティリティモジュールのそれぞれにおいては、前記配置された排気ダクトの端部が前記配置された急速放熱ガスラインの端部よりも前記対応する工程チューブに近付いて配置されてもよい。
【0018】
前記ガス供給ラインのそれぞれは、複数本のガスラインを備え、前記第1の工程チューブに連結されるガス供給ラインの前記複数本のガスラインと、前記第2の工程チューブに連結されるガス供給ラインの前記複数本のガスラインは互いに対称的に配置され、互いに対称的なガスラインには、同じガスが供給されてもよい。
【0019】
前記第1及び第2の工程チューブのそれぞれは、単一のチューブ、または外部チューブと内部チューブを備える複数のチューブにより構成されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態に係る基板処理システムは、互いに独立した工程空間を与える第1及び第2の工程チューブを用いて、基板の処理量を向上させながらも、第1の軸の方向に離間して配置される第1及び第2の工程チューブ間の空間に第1及び第2のボート昇降器のそれぞれの昇降軸部材を配置して、基板処理システムの第1の軸の方向の幅を狭めることができる。
【0021】
また、第1及び第2の工程チューブ間の空間に配置されるそれぞれの昇降軸部材が第1の軸の両側に点対称となるように配置されることにより、第1及び第2の工程チューブ間の空間を狭めることができ、基板処理システムの第1の軸の方向の幅を更に狭めることができる。
【0022】
更に、昇降軸部材をボールスクリュー、複数のガイドレール及び垂直フレームの組立て体により構成して、支持プレートの中心を工程チューブの中心と一致させるために昇降体を支持プレートの中心から第2の軸の方向に外れるように支持プレートと結合したとしても、安定的に基板ボートを昇降させることができる。ここで、複数のガイドレールがスクリューシャフトの両側に対称的に配置されて昇降体のバランスを取ることができ、昇降体の安定的な昇降により基板ボートが安定的に昇降可能になる。
【0023】
更にまた、第1及び第2のユーティリティモジュールがそれぞれ対応する工程チューブから遠ざかる向きに延びながら、それぞれ対応する工程チューブの中心から第2の軸の方向に延びる軸から外れて配置されることにより、第1及び第2のユーティリティモジュール間にメンテナンス(maintenance)空間を確保することができる。のみならず、第1及び第2のユーティリティモジュールが第2の軸の方向に延びる場合には、基板処理システムの第1の軸の方向の幅が最小化される。
【0024】
これらに加えて、第1及び第2のユーティリティモジュールの冷却水制御部とガス制御部及び排気ダクトの端部及び急速放熱ガスラインの端部をそれぞれ対応する工程チューブから遠ざかる向きにこの順に配列することにより、メンテナンス空間が更に広くなり、基板処理システムの第2の軸の方向の幅を狭めることができる。なお、冷却水供給ラインとガス供給ラインが周りから温度などの影響を受けることを極力抑えることもできる。
【0025】
一方、第1の工程チューブに連結されるガス供給ラインの複数本のガスラインと、第2の工程チューブに連結されるガス供給ラインの複数本のガスラインを互いに対称的に配置することにより、同じガスが供給されるガスラインの長さを等しくして、各工程チューブの工程条件を同様にできる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態として実現され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されており、図中、同じ符号は同じ構成要素を示す。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理システムを示す概略図であって、
図1の(a)は、基板処理システムの一部の斜視図であり、
図1の(b)は、基板処理システムの一部の平断面図である。
【0029】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る基板処理システム100は、第1の軸11の方向に離間して配置され、互いに独立した工程空間を与える第1及び第2の工程チューブ110a、110bと、複数枚の基板10が多段に積載され、前記第1及び第2の工程チューブ110a、110bの工程空間にそれぞれ配設される基板ボート120と、前記第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ配設され、前記基板ボート120を昇降させる第1及び第2のボート昇降器130a、130bと、を備えていてもよい。
【0030】
第1及び第2の工程チューブ110a、110bは、第1の軸11の方向に互いに離間して配置されてもよく、一対(pair)をなしてもよく、互いに独立した工程空間を与えることができる。ここで、第1の軸11の方向は横方向であってもよく、基板処理システム100を横切る方向であってもよい。第1及び第2の工程チューブ110a、110bは、内部空間を有してもよく、基板処理工程の際に基板ボート120が収容されてもよく、ガス雰囲気(又は、雰囲気ガス)、温度などがそれぞれ別々に制御されてもよい。第1及び第2の工程チューブ110a、110bがそれぞれ別々に制御されて基板処理工程が安定的に行われ、基板処理システム100を用いた基板の処理量及び基板の処理品質が向上し、第1及び第2の工程チューブ110a、110bの間隔及び/又は周りの配置構成を減らして占有面積(Foot Print)を狭めることができる。ここで、第1及び第2の工程チューブ110a、110bは、単一のチューブにより構成されてもよく、複数のチューブにより構成されてもよく、基板ボート120が収容されて基板処理工程が行われ得る工程空間を与えることができればよい。例えば、第1及び第2の工程チューブ110a、110bは、外部チューブと内部チューブにより構成されてもよい。
【0031】
基板ボート120は、バッチ式(Batch type)により基板処理工程を行うために複数枚の基板10が多段に(又は、上下方向に)積載されてもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bの工程空間にそれぞれ配設されてもよく、基板の処理工程に際して第1及び第2の工程チューブ110a、110bの内部空間(又は、工程空間)に収容されてもよい。このとき、基板ボート120は、複数であってもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bの工程空間にそれぞれ配設されてもよい。ここで、基板ボート120は、複数枚の基板10がそれぞれ別々に処理可能な複数の処理空間を有するように構成されてもよい。
【0032】
第1及び第2のボート昇降器130a、130bは、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ配設されてもよく、基板ボート120を独立して昇降させてもよい。このとき、第1及び第2のボート昇降器130a、130bは、基板ボート120を昇降させて第1及び第2の工程チューブ110a、110bの内部空間にそれぞれ収容してもよく、基板ボート120を第1及び第2の工程チューブ110a、110bの工程空間に配設して、複数枚の基板10を第1及び第2の工程チューブ110a、110bの工程空間に搬入(loading)してもよい。例えば、第1及び第2のボート昇降器130a、130bは、基板ボート120を支持して昇降させてもよい。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態に係るボート昇降器を示す図であって、
図2の(a)は、第1及び第2のボート昇降器を示し、
図2の(b)は、昇降軸部材と昇降体を示し、
図2の(c)は、第1及び第2のボート昇降器の平面図である。
【0034】
図2を参照すると、第1及び第2のボート昇降器130a、130bのそれぞれは、第1及び第2の工程チューブ110a、110b間の空間に配置される昇降軸部材131を備えていてもよい。昇降軸部材131は、第1及び第2の工程チューブ110a、110b間の空間に配置されてもよく、それぞれの工程チューブ110に向かって(すなわち、前記第1及び第2の工程チューブのうち、対応する工程チューブに向かって)配置されてもよい。このため、第1及び第2の工程チューブ110a、110b間の空間を活用することができ、昇降軸部材131が第1及び第2の工程チューブ110a、110bの対から外側に向かって延びて配置されないことから、基板処理システム100の第1の軸11の方向の幅及び/又は第1の軸11の方向と交差する第2の軸12の方向の幅を狭めることができる。
【0035】
第1のボート昇降器130aの昇降軸部材131と第2のボート昇降器130bの昇降軸部材131は、互いに点対称となるように第1の軸11の両側に配置されてもよい。第1のボート昇降器130aの昇降軸部材131と第2のボート昇降器130bの昇降軸部材131が、第1の軸11の両側(又は、前記第1の工程チューブの中心と前記第2の工程チューブの中心とを結んだ線の両側)に(例えば、前記第2の軸の方向に)配置されて、第1及び第2の工程チューブ110a、110b間の空間が狭まり、基板処理システム100の第1の軸11の方向の幅を更に狭めることができる。そして、第1のボート昇降器130aの昇降軸部材131と第2のボート昇降器130bの昇降軸部材131は、第1の軸11上の点を中心として互いに点対称であってもよく、第1の軸11と第2の軸12の交差点13を中心として互いに点対称となっていて、それぞれの工程チューブ110を向いてもよい。これにより、第1の工程チューブ110aの中心と第2の工程チューブ110bの中心とを結んだ線の両側に配置されて、それぞれの工程チューブ110の中心から外れたとしても、基板ボート120を安定的に昇降させることができる。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態に係る基板ボートの昇降を説明するための概念図であって、
図3の(a)は、昇降前であり、
図3の(b)は、昇降後である。
【0037】
図2及び
図3を参照すると、第1及び第2のボート昇降器130a、130bのそれぞれは、昇降軸部材131に連結されて昇降軸部材131に沿って昇降する昇降体132と、昇降体132と結合され、基板ボート120を支持する支持プレート133と、を備えていてもよい。昇降体132は、昇降軸部材131に連結されてもよく、昇降軸部材131に沿って昇降してもよい。昇降体132の昇降により互いに結合された支持プレート133を昇降させることができ、これにより、支持プレート133に支持された基板ボート120を昇降させることができる。
【0038】
支持プレート133は、昇降体132と結合されてもよく、基板ボート120を支持してもよい。支持プレート133は、昇降体132に結合されて昇降体132とともに昇降してもよく、支持中の基板ボート120を昇降させてもよい。このとき、支持プレート133は、昇降体132と結合されてもよく、基板ボート120を安定的に支持できればよく、その形状に特に制限はない。
【0039】
そして、昇降体132は、支持プレート133の中心から第1の軸11の方向と交差する第2の軸12の方向に外れて支持プレート133と結合されてもよい。第1のボート昇降器130aの昇降軸部材131と第2のボート昇降器130bの昇降軸部材131が第1の軸11の両側に互いに点対称となるように配置されるので、支持プレート133の中心が、第1及び第2の工程チューブ110a、110bのうち、対応する工程チューブ110の中心と位置合わせされるようにするために、昇降体132を支持プレート133の中心から第1の軸11の方向と交差する第2の軸12の方向に外れるように支持プレート133に結合することができる。このとき、昇降体132のそれぞれは、それぞれ結合される支持プレート133の中心から互いに遠ざかる向き(又は、前記第1の工程チューブの中心と前記第2の工程チューブの中心とを結んだ線の両側にそれぞれ遠ざかる向き)に外れて支持プレート133に結合されてもよい。そして、昇降体132に結合された支持プレート133は、昇降体132から第1の工程チューブ110aの中心と第2の工程チューブ110bの中心とを結んだ線に向かって延びてもよく、その中心が前記対応する工程チューブ110の中心と位置合わせされてもよい。これにより、昇降軸部材131がそれぞれの工程チューブ110の中心(又は、前記第1の工程チューブの中心と前記第2の工程チューブの中心とを結んだ線)から外れて配置されたとしても、昇降体132と支持プレート133を用いて、安定的に基板ボート120を昇降させることができ、基板ボート120をそれぞれの工程チューブ110の内部空間に収容して複数枚の基板10をそれぞれの工程チューブ110の工程空間に搬入することができる。
【0040】
また、昇降軸部材131は、スクリューシャフトとボールナットにより構成され、前記スクリューシャフトの回転を用いて、前記ボールナットを移動させるボールスクリュー131aと、前記スクリューシャフトの両側に配置される複数のガイドレール131bと、を備えていてもよい。ボールスクリュー(Ball Screw)131aは、回転運動を直線運動に切り換えたり、逆に、直線運動を回転運動に切り換えたりするときに用いる機械部品であり、ねじとナットとの間にボール(ball)を入れて循環させることにより動力を伝達し、ねじの役割を果たすスクリューシャフト(Screw Shaft)と、ナットにボールを入れるボールナット(Ball Nut)と、により構成されてもよい。ボールスクリュー131aは、前記スクリューシャフトの回転を用いて前記ボールナットを移動させることができ、前記ボールナットの移動により前記ボールナットと結合された昇降体132を昇降させることができる。例えば、前記スクリューシャフトは、垂直に立てられてもよく、前記ボールナットは、前記スクリューシャフトに拘束されて前記スクリューシャフトの回転につれて上昇又は下降してもよい。そして、ボールスクリュー131aは、前記ボールナットの移動の際にボールにより点接触が起こり、これにより、線接触をするロープやチェーンよりもパーティクルを格段に低減することができるだけではなく、面接触をするラックアンドピニオン(Rack & Pinion)ギヤよりもパーティクルを有効に低減することができる。このとき、前記スクリューシャフトは、サーボモータ(Servo−Motor)などの動力源により回転してもよく、前記ボールナットは、前記スクリューシャフトの回転によりナットに入れられたボールがねじ山に乗って(又は、ねじの溝に沿って)移動して前記スクリューシャフトの軸に沿って昇降することができる。
【0041】
複数のガイドレール131bは、前記スクリューシャフトの両側に配置されてもよく、前記スクリューシャフトと並ぶように配置されてもよい。このとき、複数のガイドレール131bは、前記スクリューシャフトを中心として対称的に配置されてもよい。これにより、昇降体132がボールスクリュー131aだけではなく、複数のガイドレール131bに結合されて昇降軸部材131に安定的に連結可能になり、対称的に配置された複数のガイドレール131bが昇降体132の昇降に際してバランスを取ることができて、昇降体132及び/又は基板ボート120が安定的に昇降可能である。このため、昇降軸部材131がそれぞれの工程チューブ110の中心から外れて配置されて昇降体132が支持プレート133の中心から第2の軸12の方向に外れて片側に偏って支持プレート133に結合されたとしても、傾いたり捩れたりすることなく、基板ボート120を支持して安定的に昇降させることができる。
【0042】
一方、複数のガイドレール131bは、大きさ若しくは幅(又は、太さ)が異なっていてもよい。昇降体132が支持プレート133の中心から片側に偏って結合されるが故に、昇降体132の片側に力(又は、荷重)が偏ることがあるため、相対的に力が更に課せられるガイドレール131bの大きさ若しくは幅を広げて昇降体132両側のバランスを取ってもよい。なお、ガイドレール131bのそれぞれと前記スクリューシャフトとの距離を異ならせてもよい。しかしながら、この場合には、昇降軸部材131の第2の軸12の方向の幅が広過ぎる虞があり、前記スクリューシャフトがそれぞれの工程チューブ110の中心から遠ざかり過ぎる虞もあり、基板処理システム100の第2の軸12の方向の幅を広げる虞もある。
【0043】
昇降体132は、前記ボールナットと結合され、前記スクリューシャフトに沿って延びるベース板132aと、ベース板132aに前記ボールナットの両側にそれぞれ配置されるように結合され、複数のガイドレール131bにそれぞれ連結されて滑走する複数の摺動部132bと、を備えていてもよい。ベース板132aは、前記ボールナットと結合されてもよく、前記スクリューシャフトの回転により前記スクリューシャフトの軸に沿って昇降する前記ボールナットとともに昇降してもよい。そして、ベース板132aは、前記スクリューシャフトに沿って前記スクリューシャフトの延在方向に延びてもよく、ベース板132aが前記スクリューシャフトに沿って延びることにより、昇降体132が昇降軸部材131に支持(又は、固定)可能な面積が広くなる。これにより、昇降体132が安定的に昇降軸部材131に連結(又は、支持)可能であり、基板ボート120を支持する支持プレート133を昇降体132が安定的に支持する(又は、受け止めたり把持したりする)ことができる。そのため、昇降体132が支持プレート133の中心から第2の軸12の方向に外れて片側に偏って支持プレート133に結合されたとしても、昇降体132及び/又は支持プレート133の傾き若しくは捩れなしに基板ボート120が支持プレート133に安定的に支持されて昇降可能である。
【0044】
複数の摺動部132bは、両側に互いに離間してベース板132aに結合されてもよく、前記ボールナットの両側に配置されてもよく、複数のガイドレール131bにそれぞれ連結されてもよい。ここで、複数のガイドレール131bにそれぞれ連結された複数の摺動部132bは、複数のガイドレール131bに沿って滑走してもよい。複数の摺動部132bは、鋼球(Ball)を有していてもよく、複数のガイドレール131bに形成されたガイド溝に沿って鋼球が移動しながら(又は、転がりながら)複数の摺動部132bが滑走してもよい。ベース板132aが複数の摺動部132bにより複数のガイドレール131bに連結されて支持されてもよく、ベース板132aが前記ボールナットにより前記スクリューシャフトに支持されるだけではなく、複数の摺動部132bにより複数のガイドレール131bにも二重的に支持されて傾き若しくは捩れなしに安定的に昇降することができる。なお、複数の摺動部132bが複数のガイドレール131bに沿って滑走することにより、ベース板132aが前記スクリューシャフトの他に、複数の部分に支持されても有効に昇降可能である。
【0045】
昇降軸部材131は、前記スクリューシャフトに沿って延び、前記スクリューシャフトと、複数のガイドレール131bが支持される垂直フレーム131cと、を更に備えていてもよい。垂直フレーム131cは、前記スクリューシャフトに沿って延びてもよく、前記スクリューシャフトと複数のガイドレール131bが固定されて支持されてもよい。例えば、垂直フレーム131cは、前記スクリューシャフトと複数のガイドレール131bが収容されて結合されるハウジングの役割を果たしてもよく、垂直フレーム131c及び前記スクリューシャフトと複数のガイドレール131bが一つの組立て体を構成してもよい。垂直フレーム131cを用いて、垂直に立てられる前記スクリューシャフトと複数のガイドレール131bが垂直に立てられた状態で安定的に支持(又は、固定)可能であり、昇降体132を用いて、基板ボート120の支持された支持プレート133を昇降させながら傾いたり捩れたりすることがない。
【0046】
ここで、垂直フレーム131cは、第2の軸12の方向の幅が第1の軸11の方向の幅よりも大きくてもよい。昇降体132が支持プレート133の中心から第2の軸12の方向に外れて片側に偏って支持プレート133に結合されると、昇降軸部材131に力(又は、荷重)が第2の軸12の方向の片側に偏って働く(又は、付加する)虞があるため、垂直フレーム131cの第2の軸12の方向の幅を垂直フレーム131cの第1の軸11の方向の幅よりも大きくすることにより、第2の軸12の方向に片側に偏って働く力に耐え得る支持力を与えることができる。これにより、昇降軸部材131が傾き又は捩れなしに垂直に上手く立てられ、このような昇降軸部材131に沿って支持プレート133と結合された昇降体132及び基板ボート120を支持した支持プレート133が安定的に昇降可能である。
【0047】
一方、昇降軸部材131は、垂直フレーム131cの下部に配設されて垂直フレーム131cを支持し、垂直フレーム131cの第2の軸12の方向の幅よりも広い第2の軸12の方向の幅を有するフレーム受け台131dを更に備えていてもよい。フレーム受け台131dは、垂直フレーム131cの下部に配設されてもよく、垂直フレーム131cを支持してもよく、垂直フレーム131cの第2の軸12の方向の幅よりも広い第2の軸12の方向の幅を有していてもよい。垂直フレーム131cの下部に配設されて垂直フレーム131cを支持するフレーム受け台131dを用いて、垂直フレーム131cが更に安定的に立てられているようにでき、昇降体132、支持プレート133及び基板ボート120の安定的な昇降を行うようにできる。また、フレーム受け台131dの第2の軸12の方向の幅を垂直フレーム131cの第2の軸12の方向の幅よりも大きくすることにより、垂直フレーム131cを更に安定的に支持することができ、片側に偏って昇降軸部材131に結合される支持プレート133により垂直フレーム131cが片側に傾くことを防ぐことができる。このとき、片側に偏って昇降軸部材131から延びる支持プレート133の部分を減らすために、垂直フレーム131cから第2の軸12の方向のうち、第1の工程チューブ110aの中心と第2の工程チューブ110bの中心とを結んだ線から遠ざかる向きに延びてもよい。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態に係る第1及び第2のユーティリティモジュールを説明するための概念図である。
【0049】
図4を参照すると、本発明に係る基板処理システム100は、第1及び第2の工程チューブ110a、110bに対応してそれぞれ配設され、第1及び第2の工程チューブ110a、110bのうち、対応する工程チューブ110の中心における第1の軸11の垂直軸から外れて対称的に配置される第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bを更に備えていてもよい。第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bは、第1及び第2の工程チューブ110a、110bに対応してそれぞれ配設されてもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bのうち、対応する工程チューブ110の中心における第1の軸12の垂直軸(又は、前記対応する工程チューブ110の中心から前記第1の軸と交差する第2の軸の方向に延びる軸)から外れて対称的に配置されてもよい。ここで、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bは、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにおいて基板処理工程が行えるように各種のユーティリティ(Utility)及び電装部品が取り付けられてもよい。このとき、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bは、互いに遠ざかる向きに対称的に配置されてもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bの中心間の距離以上の幅を保ちながら互いに離間して前記対応する工程チューブ110の中心における第1の軸11の垂直軸から外れて配置されてもよい。例えば、相互間が拡開されるように(又は、広くなるように)斜め方向に配置されてもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bの中心間の距離よりも広い幅を保ちながら互いに並ぶように配置されてもよい。
【0050】
第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれが前記対応する工程チューブ110の中心における第1の軸11の垂直軸から外れる場合には、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140b間の空間が更に広くなり、広いメンテナンス空間40が確保可能である。例えば、前記対応する工程チューブ110の中心から斜め方向(又は、対角線方向)に延びて前記対応する工程チューブ110の中心における第1の軸11の垂直軸から外れてもよく、前記対応する工程チューブ110の中心から第1の軸11の方向に外れて延びて前記対応する工程チューブ110の中心における第1の軸11の垂直軸から外れてもよい。このとき、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bは、互いに対称的に配置されてもよく、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bが第2の軸12の方向に延びる場合には、基板処理システム100の第1の軸11の方向の幅が最小化可能である。
【0051】
ここで、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bは、第1及び第2の工程チューブ110a、110bの両端に第2の軸12の方向に並ぶように配置されてもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bが配置される工程部(又は、工程領域)115の両端から第2の軸12の方向に延びて互いに並ぶように配置されてもよい。この場合、基板処理システム100の第1の軸11の方向の幅が最小化されるだけではなく、メンテナンス空間40を最大にすることができる。
【0052】
第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれは、前記対応する工程チューブ110から遠ざかる向きに延びてもよい。
【0053】
従来には、ユーティリティモジュール140が片側方向に延びることなく、工程チューブ110の第2の軸12の方向に各構成要素が分散されて空き空間を満たすように配置されていた。例えば、ユーティリティモジュール140は、工程チューブ110の第2の軸12の方向(の空間)に第1の軸11の向きに(向きに沿って)配置(又は、延設)され、第1の軸11の向きに配置された幅がある程度満たされれば(例えば、前記工程チューブの幅に略等しくなれば)、残りの構成要素が次の行に第1の軸11の向きに配置されていた。このとき、工程チューブ110に連結されてある程度の長さ(例えば、前記第2の軸の方向への長さ)を必要とする構成要素(例えば、排気ダクトなど)は、第2の軸12の方向に延びるように配置しなければならなかった。これにより、基板処理システム100の第1の軸11の方向の幅及び/又は第2の軸12の方向の幅が広くならざるを得なかった。なお、工程チューブ110の第2の軸12の方向に空間を確保し難いため、工程チューブ110などのメンテナンス(maintenance)空間40を有することができなかった。
【0054】
しかしながら、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bが前記対応する工程チューブ110から遠ざかる向きに延びて配置されれば、基板処理システム100の第1の軸11の方向の幅又は第2の軸12の方向の幅を狭めることができるだけではなく、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140b間にメンテナンス空間40を確保することもできる。また、第1及び第2の工程チューブ110a、110bに連結されてある程度の長さを必要とする構成要素は、第2の軸12の方向に延びていて、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bの端部に垂直(又は、上下方向)に配置して基板処理システム100の第2の軸12の方向の幅又は第1の軸11の方向の幅をも狭めることができる。
【0055】
第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれは、前記対応する工程チューブ110から延びる冷却水供給ライン20と連結され、冷却水の供給を制御する冷却水制御部141と、前記対応する工程チューブ110から延びるガス供給ライン30と連結され、工程ガスの供給を制御するガス制御部142と、を備えていてもよい。冷却水制御部141は、前記対応する工程チューブ110から延びる冷却水供給ライン20と連結されてもよく、冷却水(Process Cooling Water;PCW)の供給を制御してもよい。ここで、冷却水制御部141は、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにおいて駆動に必要な冷却水を供給及び確認する装置であってもよい。例えば、冷却水制御部141は、冷却水弁(valve)を備えていてもよく、前記対応する工程チューブ110への冷却水の供給を制御してもよい。冷却水供給源(図示せず)から冷却水が冷却水制御部141を介して前記対応する工程チューブ110に供給されてもよく、前記対応する工程チューブ110に供給された冷却水が前記対応する工程チューブ110に形成された(又は、配設された)冷却流路を経て冷却水制御部141を介して排出されてもよい。
【0056】
ガス制御部142は、前記対応する工程チューブ110から延びるガス供給ライン30と連結されてもよく、工程ガスの供給を制御してもよい。ここで、ガス制御部142は、第1及び第2の工程チューブ110a、110bに供給される前記工程ガスを伝達するための装置であってもよい。例えば、ガス制御部142は、ガスパネル(Gas Panel)を備えていてもよく、前記対応する工程チューブ110への前記工程ガスの供給を制御してもよい。前記ガスパネル(Gas Panel)は、一般的に、前記工程ガスとして使用可能な種々の複数のガスを計量してもよく、前記複数のガスをそれぞれの工程チューブ110に振り分ける気体分離器及びガスの流動を調節するマスフローコントローラ(Mass Flow Controller;MFC)を備えていてもよい。このとき、前記複数のガスのうちの少なくともいずれか一つのガスは、予熱器、マスフローコントローラ(MFC)、バブラー(bubbler)、フィルタなどの構成要素により供給されてもよい。工程ガス供給源(図示せず)から前記工程ガスがガス制御部142を介して前記対応する工程チューブ110に供給されてもよい。ここで、前記工程ガスは、効率よい基板の処理のために、加熱されて前記対応する工程チューブ110に供給されてもよい。
【0057】
そして、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれにおいては、冷却水制御部141がガス制御部142よりも前記対応する工程チューブ110に近付いて配置されてもよい。冷却水は、効率よい冷却のために、前記対応する工程チューブ110に近付いた個所から供給されてもよく、供給距離(又は、流動距離)が短くてもよい。このため、冷却水が前記対応する工程チューブ110に近付いた個所から供給できるように、冷却水制御部141を前記対応する工程チューブ110に近付けて配置してもよく、ガス制御部142よりも前記対応する工程チューブ110の方に近付くように配置して、冷却水制御部141を前記対応する工程チューブ110の最も近くに配置してもよい。これにより、冷却水が前記対応する工程チューブ110に供給されながら、短い供給距離により温度の変化(例えば、温度の上昇)がほとんどない低い温度を保つことができ、前記対応する工程チューブ110から冷却水が供給される領域を有効に冷却させることができる。
【0058】
ガス制御部142は、加熱された前記工程ガスが通ってもよく、予熱器など前記ガスを加熱する構成要素が配置されてもよく、一般的に、全般的な温度が冷却水制御部141の温度よりも高くてもよい。これにより、冷却水制御部141がガス制御部142よりも前記対応する工程チューブ110の方から遠く配置されれば、冷却水の供給距離が長くなるだけではなく、ガス制御部142の周り(又は、周辺)を通りながらガス制御部142の温度により冷却水の温度が上昇してもよく、これにより、冷却水を用いた効率よい冷却が行われない。
【0059】
しかしながら、本発明においては、冷却水制御部141をガス制御部142よりも前記対応する工程チューブ110の方に近付けて配置することにより、前記対応する工程チューブ110の冷却水が供給される領域において冷却水の効率よい冷却を行うことができる。
【0060】
図5は、本発明の一実施形態に係る排気ダクト、ヒータ部及び急速放熱ガスラインを説明するための概念図であって、
図5の(a)は、工程チューブ、排気ダクト、ヒータ部及び急速放熱ガスラインの分解図であり、
図5の(b)は、排気ダクトの端部及び急速放熱ガスラインの端部の位置を示す。
【0061】
図5を参照すると、本発明に係る基板処理システム100は、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ配設され、端部が複数の排気ポンピングポート51にそれぞれ連結される第1及び第2の排気ダクト150a、150bと、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ配設されて、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ熱を供給する第1及び第2のヒータ部160と、第1及び第2のヒータ部160をそれぞれ冷却させ、端部が複数の吸熱ポンピングポート52にそれぞれ連結される第1及び第2の急速放熱ガスライン170a、170bと、を更に備えていてもよい。第1及び第2の排気ダクト150a、150bは、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ配設されてもよく、端部が複数の排気ポンピングポート51にそれぞれ連結されて第1及び第2の工程チューブ110a、110b内のガス(又は、残留ガス)を排気してもよい。このとき、排気を行って、第1及び第2の工程チューブ110a、110b内を真空状態に保ってもよい。第1及び第2の排気ダクト150a、150bは、その一方の端が第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ連結されてもよく、第2の軸12の方向に延びて他方の端(すなわち、端部)が排気ポンピングポート51に連結(又は、連通)されてもよい。このとき、排気ポンピングポート51は、基板処理システム100の下部に位置してもよく、基板処理システム100の外部に配設されてもよい。そして、第1及び第2の排気ダクト150a、150bは、排気ポンピングポート51に連結されるために、第2の軸12の方向に延びていて、折り曲げられて端部(又は他方の端部)が垂直(又は、上下方向)に延びてもよい。
【0062】
第1及び第2のヒータ部160は、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ配設されてもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ熱を供給してもよい。例えば、第1及び第2のヒータ部160は、第1及び第2の工程チューブ110a、110bの外側に配設されてもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bをそれぞれ収容して加熱してもよい。これにより、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ収容される複数枚の基板10を反応(又は、基板処理)可能な温度に昇温することができる。
【0063】
第1及び第2の急速放熱ガスライン170a、170bは、第1及び第2のヒータ部160をそれぞれ冷却させてもよく、端部が複数の吸熱ポンピングポート52にそれぞれ連結されて第1及び第2の工程チューブ110a、110bの外側(又は、周り)の熱気(又は、熱い空気)を排出してもよく、第1及び第2の工程チューブ110a、110bをそれぞれ冷却させてもよい。必要に応じて、複数枚の基板10の温度が上昇し過ぎることを防ぎ、複数枚の基板10の基板処理(例えば、熱処理)後に第1及び第2のヒータ部160及び/又は第1及び第2の工程チューブ110a、110bの温度を速やかに下げるために、第1及び第2のヒータ部160を冷却させてもよい。例えば、第1及び第2のヒータ部160の外壁(例えば、側壁)には、外部の空気を第1及び第2のヒータ部160内に注入可能な空気注入口(図示せず)が形成されてもよく、第1及び第2のヒータ部160内に注入されて第1及び第2のヒータ部160内の温度により熱交換の行われた空気を第1及び第2の急速放熱ガスライン170a、170bに排出してもよい。ここで、第1及び第2の急速放熱ガスライン170a、170bは、その一方の端が第1及び第2のヒータ部160の外壁にそれぞれ連結されてもよく、第2の軸12の方向に延びて他方の端(すなわち、端部)が吸熱ポンピングポート52に連結されてもよく、速やかに前記熱交換の行われた空気を排出してもよい。このとき、吸熱ポンピングポート52は、基板処理システム100の下部に位置してもよく、基板処理システム100の外部に配設されてもよく、第1及び第2の急速放熱ガスライン170a、170bは、吸熱ポンピングポート52に連結されるために、第2の軸12の方向に延びていて折り曲げられて端部が垂直(又は、上下方向)に延びてもよい。これにより、外部から第1及び第2のヒータ部160内に注入された空気が、第1及び第2のヒータ部160の内部において、第1及び第2のヒータ部160の熱源と第1及び第2の工程チューブ110a、110bの外壁を冷却させることができる。このため、第1及び第2のヒータ部160の熱源の温度が上昇し過ぎて複数枚の基板10が加熱され過ぎることを防ぐとともに、基板10の基板処理後に第1及び第2のヒータ部160の熱源(又は、前記熱源の温度)を速やかに冷却させることができて、第1及び第2の工程チューブ110a、110bを速やかに冷却させることができる。なお、第1及び第2の工程チューブ110a、110bを速やかに冷却させて、複数枚の基板10を速やかに冷却させることができる。
【0064】
また、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれには、前記対応する工程チューブ110に配設される排気ダクト150の端部及び前記対応する工程チューブ110に熱を供給したヒータ部160を冷却させる急速放熱ガスライン170の端部が配置されてもよい。ここで、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれは、前記対応する工程チューブ110に配設される排気ダクト150の端部を収容する排気ダクト収容部143と、前記対応する工程チューブ110に熱を供給したヒータ部160を冷却させる急速放熱ガスライン170の端部を収容する放熱ライン収容部144と、を更に備えていてもよい。排気ダクト収容部143は、前記対応する工程チューブ110に配設される排気ダクト150の端部を収容してもよく、まるで箱体のように構成されてもよく、垂直に延びて排気ポンピングポート51に連結される排気ダクト150の端部が排気ダクト収容部143に収容されて第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれに配置されてもよい。ここで、排気ダクト収容部143は、圧力弁(Pressure Valve)と圧力計(Pressure Gauge)とを備えていてもよく、排気ポンピングポート51を介した吸込み力(又は、吸込み圧力)を制御して、第1及び第2の工程チューブ110a、110b内を真空状態に保つことができる。垂直に延びる排気ダクト150の端部を排気ダクト収容部143に収容して、排気ダクト150の端部が他の構成要素により干渉されないようにでき、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bの構成要素の配置(又は、配置順序)に応じて排気ダクト150を効率よく配置して、メンテナンス空間40を更に広げることができる。
【0065】
放熱ライン収容部144は、前記対応する工程チューブ110に熱を供給したヒータ部160を冷却させる急速放熱ガスライン170の端部を収容してもよく、まるで箱体のように構成されてもよい。このとき、垂直に延びて吸熱ポンピングポート52に連結される急速放熱ガスライン170の端部が放熱ライン収容部144に収容されて、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれに配置されてもよい。垂直に延びる急速放熱ガスライン170の端部を放熱ライン収容部144に収容して、急速放熱ガスライン170の端部が他の構成要素により干渉されないようにでき、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bの構成要素の配置に応じて急速放熱ガスライン170を効率よく配置して、メンテナンス空間40を更に広げることができる。
【0066】
そして、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれにおいては、前記配置された排気ダクト150の端部が前記配置された急速放熱ガスライン170の端部よりも前記対応する工程チューブ110の方に近付いて配置されてもよい。急速放熱ガスライン170は、第1及び第2のヒータ部160の熱源を冷却させるための熱交換により暖められた空気(又は、熱気)を排出するため、排気ダクト150の温度よりも高くてもよい。このような急速放熱ガスライン170の端部が前記対応する工程チューブ110に近付いて配置される場合には、急速放熱ガスライン170の高い温度が前記対応する工程チューブ110又は第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれの他の構成要素に影響を及ぼす虞があるため、急速放熱ガスライン170の端部(すなわち、前記放熱ライン収容部)を排気ダクト150の端部(すなわち、前記排気ダクト収容部)よりも前記対応する工程チューブ110の方から遠くに配置してもよい。このとき、第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれにおいて、急速放熱ガスライン170の端部を前記対応する工程チューブ110から最も遠くに配置してもよい。なお、急速放熱ガスライン170の端部を前記対応する工程チューブ110から遠くに配置することにより、熱気が長い流動距離(又は、排出距離)を通りながら空気(又は、外部空気)により有効に放熱(又は、冷却)されるようにできる。
【0067】
第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれにおいては、冷却水制御部141、ガス制御部142、排気ダクト150の端部及び急速放熱ガスライン170の端部が前記対応する工程チューブ110から遠ざかる向きに配列されてもよく、冷却水制御部141とガス制御部142が排気ダクト150の端部と急速放熱ガスライン170の端部よりも前記対応する工程チューブ110の方に近付いて配置されてもよい。第1及び第2のユーティリティモジュール140a、140bのそれぞれにおいては、冷却水制御部141、ガス制御部142、排気ダクト150の端部及び急速放熱ガスライン170の端部が前記対応する工程チューブ110から遠ざかる向きに一列に配置されてもよく、冷却水制御部141、ガス制御部142、排気ダクト150の端部及び急速放熱ガスライン170の端部がこの順に配置されてもよい。この場合、冷却水制御部141、ガス制御部142にそれぞれ連結(又は、配設)される各ライン(例えば、前記冷却水供給ライン、前記ガス供給ラインなど)と排気ダクト150及び急速放熱ガスライン170が互いに絡んだり撚ったりすることなく効率よく配置可能であり、その結果、空間の活用度が高くなる。
【0068】
このとき、冷却水制御部141とガス制御部142は、排気ダクト150の端部及び急速放熱ガスライン170の端部よりも前記対応する工程チューブ110の方に近付いて配置されてもよい。冷却水制御部141とガス制御部142は、前記対応する工程チューブ110に冷却水、前記工程ガスなどを供給する部分であり、排気ダクト150の端部及び急速放熱ガスライン170の端部は、前記対応する工程チューブ110から残留ガス、熱気などが排出される部分であるため、前記対応する工程チューブ110に供給するわけではないため、ラインの長さ(又は、流動距離)が長くても何等の問題もない排気ダクト150の端部及び急速放熱ガスライン170の端部を前記対応する工程チューブ110から遠くに配置することができる。そして、前記対応する工程チューブ110に冷却水、前記工程ガスなどを供給する冷却水制御部141とガス制御部142を前記対応する工程チューブ110に近づけて配置して、前記対応する工程チューブ110に供給される供給距離を短くすることにより、長い供給距離により温度の変化(例えば、温度の上昇)が起こることを防ぐことができる。これにより、温度の変化がほとんどない(温度の保たれた)冷却水、前記工程ガスなどが前記対応する工程チューブ110に供給可能であり、前記対応する工程チューブ110において効率よく基板処理工程が行われる。
【0069】
更に、冷却水制御部141、ガス制御部142、排気ダクト150の端部及び急速放熱ガスライン170の端部が前記対応する工程チューブ110からこの順に配置される場合には、各箱体の幅が狭いものから広いものの順に配置可能であるので、空間の活用度が極大化可能であり、実質的に使用可能なメンテナンス空間40の有効面積が最大化可能であり、基板処理システム100の第2の軸12の方向の幅を狭めることができる。そして、冷却水供給ライン20とガス供給ライン30が周り(例えば、前記排気ダクトの端部及び前記急速放熱ガスラインの端部など)から温度などの影響を受けることを極力抑えることができる。
【0070】
図6は、本発明の一実施形態に係る対称的なガス供給ラインを説明するための概念図である。
【0071】
図6を参照すると、ガス供給ライン30のそれぞれは、複数本のガスライン31を有していてもよく、第1の工程チューブ110aに連結されるガス供給ライン30の複数本のガスライン31と、第2の工程チューブ110bに連結されるガス供給ライン30の複数本のガスライン31は、互いに対称となるように配置されてもよく、互いに対称となるガスライン31には同じガスが供給されてもよい。複数本のガスライン31は2本以上であってもよく、互いに同じガス又は異なるガスを供給してもよい。例えば、複数本のガスライン31は、第1のガスライン31aと第2のガスライン31bを備えていてもよい。このとき、前記工程ガスは、基板処理ガスと不活性ガスを含んでいてもよく、第1のガスライン31aは、前記基板処理ガスを供給してもよく、第2のガスライン31bは、不活性ガスを供給してもよい。第1の工程チューブ110aに連結されるガス供給ライン30の複数本のガスライン31と、第2の工程チューブ110bに連結されるガス供給ライン30の複数本のガスライン31とは互いに対称となるように配置されてもよく、第1の工程チューブ110aに連結される第1のガスライン31a及び第2のガスライン31bと、第2の工程チューブ110bに連結される第1のガスライン31a及び第2のガスライン31bとが互いに対称となっていてもよい。例えば、それぞれの第1のガスライン31aが第1の軸11の方向の両側の外郭に配置される場合には、それぞれの第2のガスライン31bがそれぞれの第1のガスライン31aよりも内側に配置されてもよく、それぞれの第2のガスライン31bが第1の軸11の方向の両側の外郭に配置される場合には、それぞれの第1のガスライン31aがそれぞれの第2のガスライン31bよりも内側に配置されてもよい。
【0072】
ここで、互いに対称となるガスライン31には同じガスが供給されてもよく、それぞれの第1のガスライン31aには同じガスが供給されてもよく、それぞれの第2のガスライン31bにも同じガスが供給されてもよい。このとき、第1のガスライン31aと第2のガスライン31bには同じガスが供給されてもよく、異なるガスが供給されてもよい。このため、同じガスが供給されるガスライン31が互いに対称となるように配置されることにより、第1及び第2の工程チューブ110a、110bにそれぞれ同じガスを供給するガスライン31のそれぞれ(すなわち、同じガスを供給する前記第1の工程チューブに連結されたガスライン、前記第2の工程チューブに連結されたガスライン)の長さが等しくてもよく、供給距離差によるガス(又は、前記工程ガス)の温度差、分圧差などを防いで、第1及び第2の工程チューブ110a、110bの工程条件を同様にできる。
【0073】
このように、本発明においては、互いに独立した工程空間を与える第1及び第2の工程チューブを用いて、基板の処理量を向上させながらも、第1の軸の方向に離間して配置される第1及び第2の工程チューブ間の空間に第1及び第2のボート昇降器のそれぞれの昇降軸部材を配置して、基板処理システムの第1の軸の方向の幅を狭めることができる。また、第1及び第2の工程チューブ間の空間に配置されるそれぞれの昇降軸部材が第1の軸の両側に点対称となるように配置されることにより、第1及び第2の工程チューブ間の空間を狭めることができ、基板処理システムの第1の軸の方向の幅を更に狭めることができる。更に、昇降軸部材をボールスクリュー、複数のガイドレール及び垂直フレームの組立て体により構成して、支持プレートの中心を工程チューブの中心と一致させるために昇降体を支持プレートの中心から第2の軸の方向に外れるように支持プレートと結合したとしても、安定的に基板ボートを昇降させることができる。ここで、複数のガイドレールがスクリューシャフトの両側に対称的に配置されて昇降体のバランスを取ることができ、昇降体の安定的な昇降により基板ボートが安定的に昇降可能になる。更にまた、第1及び第2のユーティリティモジュールがそれぞれ対応する工程チューブから遠ざかる向きに延びながら、それぞれ対応する工程チューブの中心から第2の軸の方向に延びる軸から外れて配置されることにより、第1及び第2のユーティリティモジュール間にメンテナンス空間を確保することができ、第1及び第2のユーティリティモジュールが第2の軸の方向に延びる場合には、基板処理システムの第1の軸の方向の幅が最小化される。これらに加えて、第1及び第2のユーティリティモジュールの冷却水制御部とガス制御部及び排気ダクトの端部及び急速放熱ガスラインの端部をそれぞれ対応する工程チューブから遠ざかる向きにこの順に配列することにより、メンテナンス空間が更に広くなり、基板処理システムの第2の軸の方向の幅を狭めることができる。なお、冷却水供給ラインとガス供給ラインが周りから温度などの影響を受けることを極力抑えることもできる。一方、第1の工程チューブに連結されるガス供給ラインの複数本のガスラインと、第2の工程チューブに連結されるガス供給ラインの複数本のガスラインを互いに対称的に配置することにより、同じガスが供給されるガスラインの長さを等しくして、各工程チューブの工程条件を同様にできる。
【0074】
以上、本発明の好適な実施形態について図示し且つ説明したが、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形及び均等な他の実施形態が実施可能であるということが理解できる筈である。よって、本発明の技術的な保護範囲は、下記の特許請求の範囲により定められるべきである。