(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第1の入力操作を前記入力部が受け付けた場合、前記第1のアイコンの表示位置の前記基準位置に対する変位量に基づいた速度で前記装置が移動するように、前記装置の動作を制御する、請求項1に記載の操作装置。
前記制御部は、前記第1のアイコンの表示位置の前記基準位置に対する変位量が大きくなるほど、前記装置が移動する速度が大きくなるように、前記装置の動作を制御する、請求項2に記載の操作装置。
前記制御部は、前記第2の入力操作を前記入力部が受け付けた場合、前記第2のアイコンの表示位置の前記基準位置に対する変位量に基づいて、前記基準速度からの変速量を制御する、請求項6に記載の操作装置。
前記制御部は、前記第2の入力操作を前記入力部が受け付けた場合、前記第2の入力操作の継続時間に基づいて、前記基準速度からの変速量を制御する、請求項6に記載の操作装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分については同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0014】
[実施の形態1]
(操作装置の構成)
図1は、実施の形態1に従う操作装置の概略構成図である。実施の形態1に従う操作装置1は、移動可能に構成された装置を操作するための操作装置である。本願明細書では、実施の形態1に従う操作装置1の一態様として、舞台機構に含まれる少なくとも1台の舞台装置の移動を操作するための操作装置について説明する。なお、操作装置1の操作対象となる装置は、舞台装置に限定されない。
図1の例では、操作装置1は、複数の舞台装置A1〜An(nは2以上の整数)の移動を操作可能に構成されている。以下、複数の舞台装置A1〜Anを、舞台装置Aと総称する場合がある。
【0015】
図1を参照して、複数の舞台装置A1〜Anは、スタジオ、劇場、ホール、宴会場などの大規模な施設の舞台部分、または屋外に仮設されたステージなどに設置される。舞台装置Aには、舞台上部から吊り下げられた大道具、照明器具、スクリーン設備および舞台幕などを演出効果または格納のために昇降させる吊物機構ならびに、大道具の搬出入および演出上の効果を得るために舞台床を動かす床機構などが含まれる。
【0016】
操作装置1は、複数の舞台装置A1〜Anの動作を制御するために用いられる。操作装置1は、複数の舞台装置A1〜Anとの間で通信可能に構成されている。操作装置1は、通常、舞台装置の存在する舞台付近の現場、もしくは現場から離れた調整室などで、舞台機構を操作する操作者により使用される。本実施の形態では、操作装置1は、タブレット、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末により構成されている。
【0017】
操作装置1は、各舞台装置Aとの間でデータの送受信を行なう。通信方式は、たとえばBluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などによる無線通信であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信であってもよい。なお、
図1の例では、操作装置1が各舞台装置Aと直接通信する構成について説明するが、図示しないネットワークを介して操作装置1が各舞台装置Aと通信する構成としてもよい。
【0018】
操作装置1は、タッチスクリーン5を備える。タッチスクリーン5は、ディスプレイおよびタッチパネルにより構成される。タッチスクリーン5は、各種データの表示および入力を受け付けるためのデバイスである。タッチスクリーン5の詳細な構成については後述する。
【0019】
操作装置1は、タッチスクリーン5(タッチパネル)に対する入力操作に基づいて、舞台装置Aの動作を制御するための制御指令を生成する。操作装置1は、生成した制御指令を操作対象の舞台装置Aに送信する。舞台装置Aは、図示しない制御部を有している。制御部は、操作装置1からの制御指令を受信すると、制御指令に従って舞台装置Aの各部の動作を制御する。
【0020】
舞台装置Aは、定期的に自装置の状態を示す情報を操作装置1に送信する。自装置の状態を示す情報は、自装置の運転状態、たとえば現在動作中か停止中であるかを示す情報、動作が正常に行なわれているか、あるいは、異常が発生したかを示す情報などを含んでいる。舞台装置Aは、自装置の識別情報(装置番号など)とともに自装置の状態を示す情報を操作装置1に送信してもよい。
【0021】
(操作装置および舞台装置の機能構成)
図2は、操作装置1および舞台装置Aの機能構成を示すブロック図である。
【0022】
図2を参照して、操作装置1は、ディスプレイ51と、タッチパネル52と、制御部2と、記憶部3と、通信部4とを含む。
【0023】
ディスプレイ51およびタッチパネル52は、タッチスクリーン5(
図1参照)を構成する。ディスプレイ51は、表示画面を有しており、制御部2からの指示に基づいて情報を表示する。ディスプレイ51は、たとえば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどによって実現される。
【0024】
タッチパネル52は、ディスプレイ51の表示画面上に設けられており、表示画面に対するユーザの入力操作(タッチ操作)を受け付ける。タッチパネル52は、たとえば静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル52は、ディスプレイ51へのタッチ操作を検出し、タッチ座標を制御部2へ出力する。タッチパネル52は「入力部」の一実施例に対応する。なお、入力部は、タッチパネル52に加えて、マウスおよびキーボードなどのポインティングデバイスを含んでいてもよい。
【0025】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)21およびインターフェイス(I/F)22を含むマイクロコンピュータによって構成することができる。記憶部3は、CPU21で実行されるプログラムを記憶するためのメモリであるROM(Read Only Memory)と、CPU21でプログラムを実行する際の作業領域となるメモリであるRAM(Random Access Memory)とを有する。たとえば、操作装置1の起動時、制御部2は、ROMに格納されたプログラムを読出してRAMに展開する。制御部2は、RAMに展開されたプログラムを実行して操作装置1の各部を統括的に制御する。
【0026】
通信部4は、アンテナ41を有しており、アンテナ41を経由して舞台装置Aの通信部8との間で双方向にデータを送受信することで情報を授受できるように構成される。なお、制御部2、記憶部3および通信部4の各々は、タッチスクリーン5に実装されてもよいし、図示しない外部装置に実装されてもよい。
【0027】
舞台装置Aは、通信部8と、制御部6と、記憶部7と、駆動部9とを有する。通信部8は、アンテナ81を有しており、アンテナ81を経由して操作装置1の通信部4との間で双方向にデータを送受信する。制御部6は、CPU61およびインターフェイス62を含むマイクロコンピュータによって構成することができる。記憶部7は、CPU61で実行されるプログラムを記憶するためのROMと、CPU61でプログラムを実行する際の作業領域となるRAMとを有する。制御部6は、通信部8を介して操作装置1からの制御指令を受けると、記憶部7に格納されているプログラムをCPU61が実行することにより、舞台装置Aの各部の動作を制御するための制御信号を生成する。
【0028】
駆動部9は、バトンなどの負荷と、負荷を駆動するためのドライバとを含んで構成される。駆動部9は、制御部6により生成された制御信号に基づいてドライバを駆動することにより、負荷を移動させる。なお、
図2に示す舞台装置Aの構成は必ずしも必須の構成ではなく、たとえば駆動部9については、装置に応じて機能を追加あるいは削除することも可能である。
【0029】
(操作装置の動作)
次に、実施の形態1に従う操作装置1の動作について説明する。
【0030】
上述したように、実施の形態1に従う操作装置1は、たとえば、複数の舞台装置A1〜Anで構成された舞台機構が設置されている現場において、ユーザ(操作者)が各舞台装置Aの動作を操作する場合において用いられる。ユーザは、操作対象の舞台装置Aの動きを見ながら、操作装置1に対する入力操作を行なうことで、操作対象の舞台装置Aが移動する方向、移動する速度および移動する距離などを操作することができる。
【0031】
具体的には、操作装置1のタッチスクリーン5のディスプレイ51には、舞台装置Aを操作するための操作画面が表示される。
図3は、タッチスクリーン5のディスプレイ51に表示される操作画面の一例を示す図である。
【0032】
図3を参照して、操作画面は複数の操作釦70,72,74,76を含む。各操作釦は、タッチスクリーン5のディスプレイ51上にアイコンとして表示される。複数の操作釦70,72,74,76のうちの少なくとも操作釦74,76を示すアイコンは、タッチスクリーン5上のドラッグ操作によって、操作画面上の表示位置が変更するように構成される。本願明細書において、ドラッグ操作とは、ユーザの指またはタッチペンによってアイコンをタッチした状態で指またはタッチペンを移動させる操作であり、ユーザの指またはタッチペンの動きに追従してアイコンを移動させることができる。
【0033】
なお、操作装置1の入力部がマウスを含む場合には、ドラッグ操作はマウスによっても行なうことができる。たとえば、ユーザは、アイコンをマウスポインタで選択し、マウスボタンを押下したままマウスポインタを移動させることで、マウスポインタの動きに追従してアイコンを移動させることができる。
【0034】
操作釦70は、複数の舞台装置A1〜Anの中から操作対象の舞台装置(以下、「対象装置」とも称する)を選択(Select)するための釦である。操作釦72は、対象装置を動作可能な状態(Ready状態)に操作するための釦である。
【0035】
操作釦74および操作釦76は、対象装置の移動を操作するための釦である。操作釦74は、対象装置の移動方向(Direction)を指示するための釦である。
図3の例では、操作釦74は、互いに反対の第1および第2の方向を指示するための2つの操作釦74A,74Bを含む。操作釦74Aは第1の方向を指示するための釦であり、操作釦74Bは第2の方向を指示するための釦である。たとえば、第1の方向を上方向とすると、第2の方向は下方向となり、第1の方向を右方向とすると、第2の方向は左方向となる。本願明細書において、上方向とは舞台床から垂直方向上方に向かう方向であり、下方向とは垂直下方に舞台床に向かう方向である。右方向とは舞台部分の水平方向右方に向かう方向であり、左方向とは舞台部分の水平方向左方に向かう方向である。
【0036】
操作釦76は、対象装置の移動速度(Speed)を変更するための釦である。操作釦76は、対象装置の移動速度を加速させるための操作釦76Aと、対象装置の移動速度を減速させるための操作釦76Bとを含む。
【0037】
操作釦74および操作釦76は、基準線L1上に配置される。基準線L1は、各アイコンの表示位置の基準位置を定めるものである。
図3の例では、操作釦74および操作釦76が共通の基準線L1上に配置されているが、操作釦74および操作釦76が異なる基準線上に配置されてもよい。
【0038】
ここで、
図3に示す操作画面において、操作釦70への入力操作(タッチ操作)によって、複数の舞台装置A1〜Anのうち、上下方向に移動可能(すなわち、昇降可能)に構成された舞台装置Aiが操作対象に選択された場合を想定する。
【0039】
ユーザは、操作釦70をタッチ操作して舞台装置Aiを操作対象に選択すると、続いて操作釦72をタッチ操作することにより、対象装置Aiの起動準備を指示することができる。タッチパネル52は、操作釦72に対するタッチ操作を検出すると、タッチ座標を制御部2へ出力する。制御部2は、対象装置Aiに対する起動準備指令を生成し、通信部4を介して対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiでは、通信部8を介して起動準備指令を受信すると、制御部6は、舞台装置Aiの各部を制御することにより、起動準備処理を実行する。起動準備処理では、たとえば、対象装置Aiの駆動部9に対する電源供給が開始され、駆動部9が駆動可能な状態となる。
【0040】
なお、操作装置1の制御部2は、対象装置Aiから起動準備処理が完了したことの通知を受信すると、操作釦72の表示色を変更させることで、対象装置Aiが動作可能な状態(Ready状態)であることをユーザに知らせることができる。
【0041】
この状態で、ユーザは、操作釦74および操作釦76を操作することにより、対象装置Aiの移動(上昇および下降)を操作することができる。以下の説明では、操作釦74を「昇降釦」と称し、操作釦74Aを「上昇釦」と称し、操作釦74Bを「下降釦」とも称する。また、操作釦76を「変速釦」と称し、操作釦76Aを「加速釦」と称し、操作釦76Bを「減速釦」とも称する。
【0042】
以下、
図4および
図5を参照して、対象装置Aiの昇降を操作する処理について説明する。
図4および
図5は、ユーザの入力操作に応じた、タッチスクリーン5における昇降釦74および変速釦76の表示の変化を説明するための図である。
【0043】
図4は、タッチスクリーン5における昇降釦74の表示の変化を模式的に示す図である。
図4(A)を参照して、対象装置Aiを上昇させたい場合、ユーザは、指F1で上昇釦74Aをタッチし、ディスプレイ51の表示画面の左から右へドラッグ操作を行なう。図中の矢印AR1はドラッグの向きを示す。ドラッグ操作の向きを左右方向としたのは、操作装置1がタブレット型携帯端末であって、ユーザが携帯端末の左右の端部を両手で把持した状態でドラッグ操作を行なう場合を想定したものであり、片方の手(たとえば、右手)の親指を使ったドラッグ操作のしやすさを考慮したものである。なお、ドラッグの向きは矢印AR1と逆向きであってもよい。
【0044】
操作装置1の制御部2は、上昇釦74Aに対するドラッグ操作に応じて、表示画面上の上昇釦74Aを示すアイコンの表示位置を変更する。具体的には、制御部2は、指F1の動きに追従するように、上昇釦74Aの表示位置を矢印AR1の向きに移動させる。
【0045】
さらに、制御部2は、上昇釦74Aに対するドラッグ操作に応じて、対象装置Aiの動作を制御する。
図4(A)の例では、制御部2は、対象装置Aiが上方向への移動(上昇)を開始するように対象装置Aiを制御する。具体的には、タッチパネル52により上昇釦74Aのドラッグ操作が検出されると、制御部2は、対象装置Aiが上昇を開始するための上昇指令を生成し、通信部4を介して対象装置Aiへ送信する。
【0046】
対象装置Aiでは、制御部6は、通信部8を介して上昇指令を受信すると、駆動部9を起動することにより、対象装置Aiの上昇を開始させる。対象装置Aiが上昇を開始すると、制御部6は、予め設定された基準速度で対象装置Aiが上昇するように、駆動部9を制御する。
【0047】
対象装置Aiの上昇は、上昇釦74Aのドラッグ操作がなされている期間中、継続して実行される。そして、ユーザが指F1を上昇釦74Aから離すことによってドラッグ操作が解除されると、
図4(B)に示すように、制御部2は、上昇釦74Aの表示位置を基準位置に戻す。矢印AR2は上昇釦74Aの表示位置の移動の向きを示す。
【0048】
さらに、制御部2は、上昇釦74Aに対するドラッグ操作の解除に応じて、対象装置Aiの上昇が停止するように対象装置Aiを制御する。具体的には、制御部2は、舞台装置Aiを停止させるための停止指令を生成し、生成した停止指令を、通信部4を介して対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiの制御部6は、通信部8を介して停止指令を受信すると、駆動部9を停止させることにより、対象装置Aiの移動を停止させる。
【0049】
なお、図示は省略するが、対象装置Aiを下降させたい場合には、ユーザは、下降釦74Bに対して
図4(A),(B)で示した操作と同様の操作を行なうことで、対象装置Aiの下降および停止を操作することができる。
【0050】
対象装置Aiの移動中(上昇中または下降中)において、ユーザは、変速釦76を操作することで、対象装置Aiの移動速度を変更することができる。
図5は、タッチスクリーン5における変速釦76の表示の変化を模式的に示す図である。
【0051】
図5(A)を参照して、対象装置Aiの上昇中に対象装置Aiを加速させたい場合、ユーザは、指F1で加速釦76Aをタッチし、ディスプレイ51の表示画面の左から右へドラッグ操作を行なう。図中の矢印AR3はドラッグの向きを示す。ドラッグ操作の向きを左右方向としたのは、
図4で説明したのと同様の趣旨による。ドラッグの向きは矢印AR3とは逆向きであってもよい。
【0052】
操作装置1の制御部2は、加速釦76Aに対するドラッグ操作に応じて、表示画面上の加速釦76Aを示すアイコンの表示位置を変更する。具体的には、制御部2は、指F1の動きに追従するように、加速釦76Aの表示位置を矢印AR3の向きに移動させる。
【0053】
さらに、制御部2は、加速釦76Aに対するドラッグ操作に応じて、対象装置Aiの移動速度を制御する。制御部2は、対象装置Aiが加速を開始するように対象装置Aiを制御する。具体的には、タッチパネル52により加速釦76Aのドラッグ操作が検出されると、制御部2は、加速釦76Aの表示位置の基準位置に対する変位量に基づいた速度で対象装置Aiが移動するように、対象装置Aiの動作を制御する。
【0054】
本願明細書では、ディスプレイ51の表示画面の水平方向をx方向とし、表示画面の垂直方向をy方向とする。また、基準位置(基準線L1の位置)のx座標をx=0とする。
図5(A)の例では、加速釦76Aの変更後の表示位置のx座標をx=x1とすると、加速釦76Aの表示位置の基準位置(x=0)に対する変位量Δx=x1で与えられる。
【0055】
制御部2は、加速釦76Aの表示位置の変位量Δxに基づいて、対象装置Aiの移動速度の増加量を示す加速量を算出する。たとえば、制御部2は、加速量を加速釦76Aの表示位置の変位量の関数(たとえば、一次関数)とする関係式を予め有しており、この関係式に変位量Δxを代入することにより、加速量を求めることができる。なお、関係式は、加速釦76Aの表示位置の変位量が大きくなるほど加速量が大きくなるように定められていればよく、ユーザが適宜設定することができる。
【0056】
制御部2は、算出した加速量を基準速度に加算することによって対象装置Aiの速度指令を生成し、通信部4を介して対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiの制御部6は、通信部8を介して速度指令を受信すると、対象装置Aiの移動速度が速度指令に一致するように、駆動部9を制御する。
【0057】
図5(A)の例では、対象装置Aiの上昇中、加速釦76Aの表示位置の変位量Δxに応じた加速量で、対象装置Aiの上昇速度が増加する。したがって、加速釦76Aのドラッグ操作がなされている期間中、増加後の上昇速度で対象装置Aiが上昇することになる。そして、ユーザが指F1を加速釦76Aから離すことによってドラッグ操作が解除されると、
図5(B)に示すように、制御部2は、加速釦76Aの表示位置を基準位置に戻す。矢印AR4は加速釦76Aの表示位置の移動の向きを示す。
【0058】
さらに、制御部2は、加速釦76Aに対するドラッグ操作の解除に応じて、対象装置Aiの加速を停止するように舞台装置Aiを制御する。具体的には、制御部2は、加速量を0に戻した速度指令を生成し、通信部4を介して対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiの制御部6は、通信部8を介して速度指令を受信すると、舞台装置Aiの加速を停止し、上昇速度を基準速度に戻すように駆動部9を制御する。
【0059】
なお、図示は省略するが、対象装置Aiの移動中に対象装置Aiを減速させたい場合には、ユーザは、減速釦76Bに対して
図5(A)で示した操作と同様の操作を行なうことで、減速釦76Bの表示位置の変位量に応じた減速量で、対象装置Aiの移動速度を減少させることができる。そして、
図5(B)に示した操作と同様に、減速釦76Bに対するドラッグ操作を解除することによって、減速釦76Bの表示位置を基準位置に戻すとともに、対象装置Aiの減速を停止して移動速度を基準速度に戻すことができる。
【0060】
(フローチャート)
以上に説明した昇降釦74および変速釦76による対象装置Aiの昇降を操作する処理の流れは
図6に示すフローチャートにまとめることができる。
【0061】
図6を参照して、操作装置1の制御部2は、ステップS01にて、タッチスクリーン5のディスプレイ51上において、上昇釦74Aに対するドラッグ操作がなされている最中であるか否かを判定する。なお、ステップS01および後述するステップS02,S07,S08,S17,S20における判定は、タッチパネル52の検出信号に基づいて行なうことができる。
【0062】
上昇釦74Aに対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S01にてYES)、制御部2は、ステップS03にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の上昇釦74Aの表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS04にて、対象装置Aiを上昇させるための制御指令(上昇指令)を対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiの制御部6は、上昇指令を受信すると、舞台装置Aiを上昇させるように駆動部9を制御する。
【0063】
一方、上昇釦74Aに対するドラッグ操作がなされていなければ(S01にてNO)、制御部2は、ステップS02にて、下降釦74Bに対するドラッグ操作がなされている最中であるか否かを判定する。下降釦74Bに対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S02にてYES)、制御部2は、ステップS05にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の下降釦74Bの表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS06にて、対象装置Aiを下降させるための制御指令(下降指令)を対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiの制御部6は、下降指令を受信すると、舞台装置Aiを下降させるように駆動部9を制御する。一方、下降釦74Bに対するドラッグ操作がなされていなければ(S02にてNO)、すなわち、昇降釦74に対するドラッグ操作がなされていなければ、制御部2は処理を終了する。
【0064】
ここで、ステップS03およびS04における対象装置Aiの移動速度は、制御部2から送信される速度指令に一致するように制御される。制御部2は、基準速度を初期値として、変速釦76の表示位置の基準位置に対する変位量に基づいて速度指令を生成する。
【0065】
具体的には、制御部2は、ステップS07にて、加速釦76Aに対するドラッグ操作がなされている最中であるか否かを判定する。加速釦76Aに対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S07にてYES)、制御部2は、ステップS09にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の加速釦76Aの表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS10にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、加速釦76Aの表示位置の基準位置に対する変位量を検出する。続いて、制御部2は、ステップS11にて、検出した変位量に基づいて、対象装置Aiの移動速度の加速量を算出する。制御部2は、算出した加速量を基準速度に加算することにより、対象装置Aiの速度指令を生成し、生成した速度指令を対象装置Aiへ送信する。ステップS09にて、対象装置Aiの制御部2は、受信した速度指令に従って対象装置Aiが加速するように、駆動部9を制御する。
【0066】
一方、加速釦76Aに対するドラッグ操作がなされていなければ(S07にてNO)、制御部2は、ステップS08にて、減速釦76Bに対するドラッグ操作がなされている最中であるか否かを判定する。減速釦76Bに対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S08にてYES)、制御部2は、ステップS13にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の減速釦76Bの表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS14にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、減速釦76Bの表示位置の基準位置に対する変位量を検出する。続いて、制御部2は、ステップS15にて、検出した変位量に基づいて、対象装置Aiの移動速度の減速量を算出する。制御部2は、算出した減速量を基準速度から減速することにより、対象装置Aiの速度指令を生成し、生成した速度指令を対象装置Aiへ送信する。ステップS16にて、対象装置Aiの制御部2は、受信した速度指令に従って対象装置Aiが減速するように、駆動部9を制御する。
【0067】
一方、減速釦76Bに対するドラッグ操作がなされていなければ(S08にてNO)、すなわち、変速釦76(加速釦76Aおよび減速釦76B)に対するドラッグ操作がなされていなければ、制御部2は、対象装置Aiの速度指令を基準速度に保ったまま、処理をステップS20に進める。
【0068】
変速釦76の表示位置の変位量に基づいた対象装置Aiの変速中、制御部2は、ステップS17にて、変速釦76(加速釦76Aまたは減速釦76B)に対するドラッグ操作が解除されたか否かを判定する。変速釦76に対するドラッグ操作が解除された場合(S17にてYES)、制御部2は、ステップS18に進み、変速釦76の表示位置を基準位置に戻すとともに、ステップS19にて、対象装置Aiの移動速度を基準速度に戻す。一方、変速釦76に対するドラッグ操作が解除されていない場合(S17にてNO)、すなわち、変速釦76に対するドラッグ操作が継続されていれば、制御部2は、処理をステップS07に戻す。
【0069】
次に、制御部2は、ステップS20にて、昇降釦74(上昇釦74Aまたは下降釦74B)に対するドラッグ操作が解除されたか否かを判定する。昇降釦74に対するドラッグ操作が解除されると(S20にてYES)、制御部2は、ステップS21に進み、昇降釦74の表示位置を基準位置に戻すとともに、ステップS22にて、対象装置Aiの移動を停止させる。
【0070】
一方、昇降釦74に対するドラッグ操作が解除されていなければ(S20にてNO)、すなわち、昇降釦74に対するドラッグ操作が継続されていれば、制御部2は、処理をステップS01に戻す。
【0071】
以上説明したように、実施の形態1に従う操作装置によれば、操作釦(
図3の昇降釦74)に対するドラッグ操作に応じて対象装置を移動させるとともに、当該ドラッグ操作の解除に応じて対象装置を停止させる構成としたことにより、ディスプレイ51上での指の動きが対象装置の移動および停止と連動することになる。したがって、対象装置の移動および停止に関する操作内容をユーザに直感的に把握させることができる。
【0072】
これによると、ユーザは、対象装置に視線を向けたままの状態で(すなわち、ディスプレイ51に視線を戻すことなく)、操作釦にタッチした指をディスプレイ51上で動かすことで対象装置を移動させることができ、かつ、ディスプレイ51から指を離すことで対象装置を停止させることができる。したがって、ユーザは、対象装置の動作状態を視覚で確認しながら対象装置の移動および停止を正確に操作することが可能となり、良好な操作性を得ることができる。
【0073】
また、対象装置の移動速度を変更するための操作釦(
図3の変速釦76)については、その表示位置の基準位置に対する変位量に基づいて、対象装置の移動速度をユーザに直感的に把握させることが可能となる。
【0074】
たとえば、ユーザが操作釦がタッチし続ける時間または、操作釦をタッチする回数に応じて対象装置の移動速度の変更する構成とした場合、あるいは、ユーザによる数値入力によって対象装置の移動速度を変更する構成とした場合、ユーザが操作内容を誤って認識することで、対象装置を意図しない速度で移動をさせてしまう可能性が懸念される。実施の形態1に従う操作装置によれば、このようなユーザが操作内容を誤って認識することによる操作ミスを低減することができる。
【0075】
また、実施の形態1に従う操作装置によれば、操作釦(
図3の昇降釦74,変速釦76)に対するドラッグ操作が継続されている間は対象装置を移動または変速させるとともに、ユーザが指を操作釦から離すことによってドラッグ操作が解除されると、対象装置の移動または変速を停止させる構成としたことにより、ユーザが誤って操作釦をタッチしたことなどに起因して対象装置がユーザの意図しない移動をすることを防止することができる。
【0076】
さらに、操作釦に対するドラッグ操作が解除されたときには、操作釦の表示位置を基準位置に戻す構成としたことにより、対象装置が移動を停止したこと、または対象装置が変速を停止したことをユーザに容易に把握させることができる。
【0077】
このように、実施の形態1に従う操作装置によれば、ユーザの入力操作に基づいた画面上における操作釦の表示位置の変更に応じて、対象装置の移動を操作することができるため、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0078】
[実施の形態2]
実施の形態1では、2つの操作釦74,76を用いて対象装置Aiの移動方向および移動速度を操作する構成について説明したが、単一の操作釦を用いて対象装置Aiの移動方向および移動速度を操作することができれば、対象装置Aiの移動の操作に要する操作数が減り、操作が容易となるため、ユーザの操作性をさらに向上させることが可能となる。
【0079】
また、操作画面上に表示される操作釦用のアイコンの数を減らすことができるため、操作画面の見やすさが改善され、結果的にユーザの操作性の向上に繋がる。
【0080】
実施の形態2では、単一の操作釦を用いて対象装置Aiの昇降を操作する処理について説明する。なお、実施の形態2に従う操作装置の構成は、操作釦の構成を除いて、
図1および
図2に示した実施の形態1に従う操作装置の構成と同じであるため、説明は繰り返さない。
【0081】
図7は、実施の形態2に従う操作装置1のタッチスクリーン5のディスプレイ51に表示される操作画面の一例を示す図である。
【0082】
図7を参照して、操作画面は複数の操作釦70,72,78を含む。各操作釦は、タッチスクリーン5のディスプレイ51上にアイコンとして表示される。複数の操作釦70,72,78のうちの少なくとも操作釦78を示すアイコンは、タッチスクリーン5上のドラッグ操作によって、操作画面上の表示位置が変更するように構成される。
【0083】
操作釦70は、複数の舞台装置A1〜Anの中から対象装置を選択(Select)するための釦である。操作釦72は、対象装置を動作可能な状態(Ready状態)に操作するための釦である。
【0084】
操作釦78は、対象装置の移動方向(Direction)および移動速度(Speed)を操作するための釦である。操作釦78は、互いに反対の第1および第2の方向を指示するための2つの操作釦78A,78Bを含む。操作釦78Aは第1の方向を指示するための釦であり、操作釦78Bは第2の方向を指示するための釦である。
【0085】
操作釦78は、基準線L1上に配置される。基準線L1は、操作釦78の表示位置の基準位置を定めるものである。
図7の例では、操作釦78Aおよび操作釦78Bが共通の基準線L1上に配置されているが、操作釦78Aおよび操作釦78Bが異なる基準線上に配置されてもよい。
【0086】
ここで、
図7に示す操作画面において、操作釦70への入力操作(タッチ操作)によって、複数の舞台装置A1〜Anのうち、昇降可能に構成された舞台装置Aiが操作対象に選択された場合を想定する。
【0087】
ユーザは、操作釦70をタッチ操作して舞台装置Aiを操作対象に選択すると、続いて操作釦72をタッチ操作することにより、対象装置Aiの起動準備を指示することができる。タッチパネル52によって操作釦72に対する入力操作が検出されると、制御部2は、対象装置Aiに対する起動準備指令を生成し、通信部4を介して対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiの制御部6は、通信部8を介して起動準備指令を受信すると、対象装置Aiの各部を制御することにより、起動準備処理を実行する。
【0088】
起動準備処理によって対象装置Aiが動作可能な状態(Ready状態)になると、ユーザは、操作釦78を操作することにより、対象装置Aiの上昇および下降を操作することができる。以下の説明では、操作釦78を「昇降釦」と称し、操作釦78Aを「上昇釦」と称し、操作釦78Bを「下降釦」とも称する。
【0089】
以下、
図8を参照して、対象装置Aiの昇降を操作する処理について説明する。
図8は、ユーザの入力操作に応じた、タッチスクリーン5における昇降釦78の表示の変化を模式的に示す図である。
【0090】
図8(A)を参照して、対象装置Aiを上昇させたい場合、ユーザは、指F1で上昇釦78Aをタッチし、ディスプレイ51の表示画面の左から右へドラッグ操作を行なう。図中の矢印AR5はドラッグの向きを示す。ドラッグ操作の向きを左右方向としたのは、
図4で説明したのと同様の趣旨による。
【0091】
操作装置1の制御部2は、上昇釦78Aに対するドラッグ操作に応じて、表示画面上の上昇釦78Aを示すアイコンの表示位置を変更する。具体的には、制御部2は、指F1の動きに追従するように、上昇釦78Aの表示位置を矢印AR5の向きに移動させる。ドラッグの向きは矢印AR5と逆向きであってもよい。
【0092】
さらに、制御部2は、上昇釦78Aに対するドラッグ操作に応じて、対象装置Aiの動作を制御する。実施の形態2では、制御部2は、上昇釦78Aに対するドラッグ操作に応じて、対象装置Aiの移動方向および移動速度を制御する。以下に説明するように、制御部2は、上昇釦78Aの表示位置の変位量に基づいた移動速度で対象装置Aiが上昇するように、対象装置Aiを制御する。
【0093】
具体的には、タッチパネル52により上昇釦78Aのドラッグ操作が検出されると、制御部2は、対象装置Aiが上昇を開始するための上昇指令を生成する。さらに、制御部2は、上昇釦78Aの表示位置の基準位置(x=0)に対する変位量Δxを検出する。
図8(A)の例では、上昇釦78Aの変更後の表示位置のx座標をx=x1とすると、上昇釦78Aの表示位置の基準位置(x=0)に対する変位量Δx=x1で与えられる。
【0094】
制御部2は、上昇釦78Aの表示位置の変位量Δxに基づいて、対象装置Aiの移動速度(
図8では上昇速度)を算出する。たとえば、制御部2は、上昇速度を上昇釦78Aの表示位置の変位量の関数(たとえば、一次関数)とする関係式を予め有しており、この関係式に変位量Δxを代入することにより、上昇速度を求めることができる。なお、関係式は、上昇釦78Aの表示位置の変位量Δxが大きくなるほど、上昇速度が大きくなるように定められていればよく、ユーザが適宜設定することができる。
【0095】
制御部2は、算出した上昇速度を対象装置Aiの速度指令に設定すると、上述した上昇指令とともに通信部4を介して、対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiでは、制御部6は、通信部8を介して上昇指令および速度指令を受信すると、駆動部9を起動することにより、対象装置Aiの上昇を開始させる。舞台装置Aiが上昇を開始すると、制御部6は、速度指令に一致した速度で舞台装置Aiが上昇するように、駆動部9を制御する。
【0096】
対象装置Aiの上昇は、上昇釦78Aのドラッグ操作がなされている期間中、継続して実行される。対象装置Aiの上昇中、上昇釦78Aの表示位置の変位量Δxに応じて、対象装置Aiの上昇速度が変化する。具体的には、上昇釦78Aの表示位置の変位量Δxが大きくなるに従って、対象装置Aiの上昇速度が増加(加速)する一方、変位量Δxが小さくなるに従って、対象装置Aiの上昇速度が減少(減速)する。したがって、ユーザは、上昇釦78Aに対するドラッグ操作によって上昇釦78Aの表示位置を変更することにより、言い換えれば、上昇釦78Aの表示位置の変位量Δxを変更することにより、対象装置Aiの上昇速度を操作することができる。
【0097】
そして、ユーザが指F1を上昇釦78Aから離すことによってドラッグ操作が解除されると、
図8(B)に示すように、制御部2は、上昇釦78Aの表示位置を基準位置へと戻す。矢印AR6は上昇釦74Aの表示位置の移動の向きを示す。
【0098】
さらに、制御部2は、上昇釦78Aに対するドラッグ操作の解除に応じて、対象装置Aiの上昇を停止させるように対象装置Aiを制御する。具体的には、制御部2は、対象装置Aiを停止させるための停止指令を生成し、生成した停止指令を通信部4を介して対象装置Aiへ送信する。対象装置Aiの制御部6は、通信部8を介して停止指令を受信すると、駆動部9を停止させることにより、対象装置Aiの移動を停止させる。
【0099】
なお、図示は省略するが、対象装置Aiを下降させたい場合には、ユーザは、下降釦78Bに対して
図8(A)で示した操作と同様の操作を行なうことで、下降釦78Bの表示位置の変位量に応じた下降速度で、対象装置Aiを下降させることができる。そして、
図8(B)に示した操作と同様に、下降釦78Bに対するドラッグ操作を解除することによって、下降釦78Bの表示位置を基準位置に戻すとともに、対象装置Aiを停止させることができる。
【0100】
(フローチャート)
以上に説明した昇降釦78による対象装置Aiの昇降を操作する処理の流れは
図9に示すフローチャートにまとめることができる。
【0101】
図9に示すフローチャートでは、
図6に示すフローチャートにおけるステップS07〜S19の処理を、ステップS31〜S34の処理に置き換えられている。
図6の同じステップについては詳細な説明を繰り返さない。
【0102】
図9を参照して、操作装置1の制御部2は、ステップS01にて、タッチスクリーン5のディスプレイ51上において、上昇釦78Aに対するドラッグ操作がなされている最中であるか否かを判定する。上昇釦78Aに対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S01にてYES)、制御部2は、ステップS03にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の上昇釦78Aの表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS31にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、上昇釦78Aの表示位置の基準位置に対する変位量を検出する。続いて、制御部2は、ステップS32にて、検出した変位量に基づいて、対象装置Aiの上昇速度を算出する。制御部2は、算出した上昇速度に基づいて速度指令を生成し、生成した速度指令を上昇指令とともに対象装置Aiへ送信する。ステップS04にて、対象装置Aiの制御部6は、受信した速度指令に従って対象装置Aiを上昇させるように駆動部9を制御する。
【0103】
一方、上昇釦78Aに対するドラッグ操作がなされていなければ(S01にてNO)、制御部2は、ステップS02にて、下降釦78Bに対するドラッグ操作がなされている最中であるか否かを判定する。下降釦78Bに対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S02にてYES)、制御部2は、ステップS05にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の下降釦78Bの表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS33にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、下降釦78Bの表示位置の基準位置に対する変位量を検出する。続いて、制御部2は、ステップS34にて、検出した変位量に基づいて、対象装置Aiの下降速度を算出する。制御部2は、算出した下降速度に基づいて速度指令を生成し、生成した速度指令を下降指令とともに対象装置Aiへ送信する。ステップS06にて、対象装置Aiの制御部6は、受信した速度指令に従って対象装置Aiを下降させるように駆動部9を制御する。
【0104】
一方、下降釦78Bに対するドラッグ操作がなされていなければ(S02にてNO)、すなわち、昇降釦78(上昇釦78Aおよび下降釦78B)に対するドラッグ操作がなされていなければ、制御部2は、対象装置Aiを停止状態に保ったまま、処理を終了する。
【0105】
ステップS04またはS06による対象装置Aiの移動中、制御部2は、ステップS20にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、昇降釦78(上昇釦78Aまたは下降釦78B)に対するドラッグ操作が解除されたか否かを判定する。昇降釦78に対するドラッグ操作が解除された場合(S20にてYES)、制御部2は、ステップS21に進み、昇降釦78の表示位置を基準位置に戻すとともに、ステップS22にて、対象装置Aiの移動を停止させる。
【0106】
一方、昇降釦78に対するドラッグ操作が解除されていなければ(S20にてNO)、すなわち、昇降釦78に対するドラッグ操作が継続されていれば、制御部2は、処理をステップS01に戻す。
【0107】
以上説明したように、実施の形態2に従う操作装置においても、操作釦に対するドラッグ操作に応じて対象装置の移動を操作する構成としたことにより、実施の形態1に従う操作装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0108】
さらに、実施の形態2に従う操作装置では、単一の操作釦に対するドラッグ操作によって、対象装置の移動方向および移動速度を操作することができるため、対象装置の移動の操作に要する操作数が減り、操作が容易となる。また、操作画面上に表示される操作釦用のアイコンの数を減らすことができるため、操作画面の見やすさが改善される。その結果、ユーザの操作性をさらに向上させることが可能となる。
【0109】
(実施の形態2の第1の変更例)
図10および
図11は、実施の形態2の第1の変更例に従う操作装置1のタッチスクリーン5のディスプレイ51に表示される操作画面の一例を示す図である。なお、
図10および
図11では、操作釦78のみが示され、操作釦70,72の図示が省略されている。以下、
図10および
図11を参照して、第1の変更例に従う舞台装置Aiの昇降を操作する処理について説明する。
【0110】
図10は、ユーザの入力操作に応じた、タッチスクリーン5における上昇釦78Aの表示の変化を模式的に示す図である。第1の変更例では、上昇釦78Aは、基準線L2上に配置される。基準線L2は、上昇釦78Aの表示位置の基準位置を定めるものである。基準位置(基準線L2の位置)のy座標をy=0(A)とする。下降釦78Bは、基準線L3上に配置される。基準線L3は、下降釦78Bの表示位置の基準位置を定めるものである。基準位置(基準線L3の位置)のy座標をy=0(B)とする。
【0111】
図10(A)を参照して、対象装置Aiを上昇させたい場合、ユーザは、指F1で上昇釦78Aをタッチし、ディスプレイ51の表示画面の下から上へドラッグ操作を行なう。図中の矢印AR7はドラッグの向きを示す。なお、
図10(A)は、
図8(A)と比較して、上昇釦78Aに対するドラッグ操作の向きが異なる。
【0112】
操作装置1の制御部2は、上昇釦78Aに対するドラッグ操作に応じて、指F1の動きに追従するように、上昇釦78Aの表示位置を矢印AR7の向きに移動させる。さらに、制御部2は、上昇釦78Aに対するドラッグ操作に応じて、対象装置Aiの動作を制御する。制御部2は、実施の形態2で説明した手法を用いて、上昇釦78Aの表示位置の変位量に基づいた移動速度で対象装置Aiが上昇するように、対象装置Aiを制御する。
【0113】
ただし、第1の変更例では、制御部2は、上昇釦78Aの表示位置の基準位置(y=0(A))に対する変位量Δyを算出する。たとえば、上昇釦78Aの変更後の表示位置のy座標をy=y1とすると、上昇釦78Aの表示位置の基準位置に対する変位量Δy=y1で与えられる。制御部2は、上昇釦78Aの表示位置の変位量Δyに基づいて、舞台装置Aiの移動速度(
図10では上昇速度)を算出する。これにより、上昇釦78Aのドラッグ操作がなされている期間中、上昇釦78Aの表示位置の変位量Δyに応じて、対象装置Aiの上昇速度が変化する。したがって、ユーザは、上昇釦78Aに対するドラッグ操作によって上昇釦78Aの表示位置を変更することにより、対象装置Aiの上昇速度を操作することができる。
【0114】
そして、ユーザが指F1を上昇釦78Aから離すことによってドラッグ操作が解除されると、
図10(B)に示すように、制御部2は、上昇釦78Aの表示位置を基準位置(y=0)へと戻す。矢印AR8は上昇釦78Aの表示位置の移動の向きを示す。さらに、制御部2は、上昇釦78Aに対するドラッグ操作の解除に応じて、対象装置Aiの上昇が停止するように対象装置Aiを制御する。
【0115】
このように第1の変更例では、対象装置Aiを上昇させたい場合には、ユーザが上昇釦78Aをディスプレイ51の表示画面の下から上へドラッグ操作する構成としたことにより、上昇釦78Aが指示する対象装置Aiの移動方向(上方向)をユーザが感覚的に把握することが容易となる。すなわち、上昇釦78Aをタッチした指F1をドラッグする向き(下から上)と、対象装置Aiが移動する向き(上方向)とが対応付けられていることで、対象装置Aiの移動方向をユーザが感覚的に把握することができる。
【0116】
図10と同様の趣旨により、対象装置Aiを下降させたい場合には、
図11(A)に示すように、ユーザは、指F1で下降釦78Bをタッチし、ディスプレイ51の表示画面の上から下へドラッグ操作を行なうように構成される。図中の矢印AR9はドラッグの向きを示す。
【0117】
この場合、制御部2は、下降釦78Bに対するドラッグ操作に応じて、指F1の動きに追従するように、下降釦78Bの表示位置を矢印AR9の向きに移動させる。さらに、制御部2は、下降釦78Bの表示位置の基準位置(y=0(B))に対する変位量Δyに基づいて、対象装置Aiの移動速度(
図11では下降速度)を算出する。これにより、下降釦78Bのドラッグ操作がなされている期間中、下降釦78Bの表示位置の変位量Δyに応じて、対象装置Aiの下降速度が変化する。
【0118】
そして、ユーザが指F1を下降釦78Bから離すことによってドラッグ操作が解除されると、
図11(B)に示すように、制御部2は、下降釦78Bの表示位置を基準位置(y=0(B))に戻す。矢印AR10は上昇釦78Aの表示位置の移動の向きを示す。さらに、制御部2は、上昇釦78Aに対するドラッグ操作の解除に応じて、対象装置Aiの下降が停止するように対象装置Aiを制御する。
【0119】
図11の例によれば、下降釦78Bをタッチした指F1をドラッグする向き(上から下)と、ドラッグ操作に従って舞台装置A1が移動する向き(下方向)とが対応付けられていることで、対象装置Aiの移動方向をユーザが感覚的に把握することができる。
【0120】
(実施の形態2の第2の変更例)
上述した実施の形態1および2では、対象装置Aiの上昇を指示するための上昇釦78Aと、対象装置Aiの下降を指示するための下降釦78Bとを別体のアイコンで構成したが、上昇釦78Aおよび下降釦78Bを一体のアイコンで構成してもよい。
【0121】
図12は、実施の形態2の第2の変更例に従う操作装置1のタッチスクリーン5のディスプレイ51に表示される操作画面の一例を示す図である。
【0122】
第2の変更例に従う操作装置1の操作画面は、複数の操作釦70,72,80を含む。各操作釦は、タッチスクリーン5のディスプレイ51上にアイコンとして表示される。
図12では、操作釦80のみが示され、操作釦70,72の図示が省略されている。操作釦80を示すアイコンは、タッチスクリーン5上のドラッグ操作によって、操作画面上の表示位置が変更するように構成される。
【0123】
操作釦80は、
図10および
図11に示す操作釦78と同様に、対象装置の移動方向(Direction)および移動速度(Speed)を操作するための釦である。操作釦80は、互いに反対の第1および第2の方向を指示することが可能に構成される。
図12の例では、ユーザは、操作釦80を操作することにより、対象装置の上昇および下降を操作することができる。以下の説明では、操作釦80を「昇降釦」とも称する。
【0124】
操作釦80は、基準線L2上に配置される。基準線L2は、操作釦80の表示位置の基準位置を定めるものである。基準位置(基準線L2の位置)のy座標をy=0とする。
【0125】
図12(A)を参照して、対象装置Aiを上昇させたい場合、ユーザは、指F1で昇降釦80をタッチし、ディスプレイ51の表示画面の下から上へドラッグ操作を行なう。図中の矢印AR11はドラッグの向きを示す。操作装置1の制御部2は、昇降釦80に対するドラッグ操作に応じて、指F1の動きに追従するように、昇降釦80の表示位置を矢印AR11の向きに移動させる。
【0126】
さらに、制御部2は、昇降釦80に対するドラッグ操作に応じて、対象装置Aiの動作を制御する。具体的には、制御部2は、昇降釦80の表示位置の基準位置(y=0))に対する変位量Δy1に基づいて、対象装置Aiの移動速度(上昇速度)を算出する。これにより、昇降釦80のドラッグ操作がなされている期間中、昇降釦80の表示位置の変位量Δy1に応じて、対象装置Aiの上昇速度が変化する。
【0127】
そして、ユーザが指F1を昇降釦80から離すことによってドラッグ操作が解除されると、制御部2は、昇降釦80の表示位置を基準位置(y=0)へと戻すとともに、対象装置Aiの上昇を停止させるように対象装置Aiを制御する。
【0128】
一方、対象装置Aiを下降させたい場合、ユーザは、指F1で昇降釦80をタッチし、ディスプレイ51の表示画面の上から下へドラッグ操作を行なう。図中の矢印AR12はドラッグの向きを示す。操作装置1の制御部2は、昇降釦80に対するドラッグ操作に応じて、指F1の動きに追従するように、昇降釦80の表示位置を矢印AR12の向きに移動させる。
【0129】
さらに、制御部2は、昇降釦80に対するドラッグ操作に応じて、舞台装置Aiの動作を制御する。具体的には、制御部2は、昇降釦80の表示位置の基準位置(y=0))に対する変位量Δy2に基づいて、対象装置Aiの移動速度(下降速度)を算出する。これにより、昇降釦80のドラッグ操作がなされている期間中、昇降釦80の表示位置の変位量Δy2に応じて、対象装置Aiの下降速度が変化する。
【0130】
そして、ユーザが指F1を昇降釦80から離すことによってドラッグ操作が解除されると、制御部2は、昇降釦80の表示位置を基準位置(y=0)へと戻すとともに、対象装置Aiの下降を停止させるように対象装置Aiを制御する。
【0131】
第2の変更例においても、第1の変更例と同様に、対象装置Aiを上昇させたい場合に昇降釦80をタッチした指F1をドラッグする向き(下から上)と、対象装置Aiが移動する向き(上方向)とが対応付けられており、かつ、対象装置Aiを下降させたい場合に昇降釦80をタッチした指F1をドラッグする向き(上から下)と、ドラッグ操作に従って対象装置Aiが移動する向き(下方向)とが対応付けられている。したがって、対象装置Aiの移動方向をユーザが感覚的に把握することが容易となる。
【0132】
(フローチャート)
図13は、実施の形態2の第2の変更例に従う操作装置1における対象装置Aiの昇降を操作する処理の流れを説明するフローチャートである。
【0133】
図13に示すフローチャートでは、
図9に示すフローチャートにおけるステップS01〜S03,S05,S31〜S34の処理が、ステップS41〜S47の処理に置き換えられている。
図9の同じステップについては詳細な説明を繰り返さない。
【0134】
図13を参照して、操作装置1の制御部2は、ステップS41にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、タッチスクリーン5のディスプレイ51上において昇降釦80に対するドラッグ操作がなされている最中であるか否かを判定する。昇降釦80に対するドラッグ操作がなされていなければ(S41にてNO)、制御部2は処理を終了する。
【0135】
一方、昇降釦80に対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S41にてYES)、制御部2は、ステップS42にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の昇降釦80の表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS43にて、昇降釦80の表示位置の変位方向(ドラッグの向き)を検出する。昇降釦80の変位方向が上方向である場合、制御部2は、ステップS44にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、昇降釦80の表示位置の基準位置に対する上方向の変位量を検出する。続いて、制御部2は、ステップS45にて、検出した上方向の変位量に基づいて、対象装置Aiの上昇速度を算出する。制御部2は、算出した上昇速度に基づいて速度指令を生成し、生成した速度指令を上昇指令とともに対象装置Aiへ送信する。ステップS04にて、対象装置Aiの制御部6は、受信した速度指令に従って対象装置Aiを上昇させるように駆動部9を制御する。
【0136】
これに対して、ステップS43にて、昇降釦80の表示位置の変位方向が下方向である場合、制御部2は、ステップS46にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、昇降釦80の表示位置の基準位置に対する下方向の変位量を検出する。続いて、制御部2は、ステップS47にて、検出した下方向の変位量に基づいて、対象装置Aiの下降速度を算出する。制御部2は、算出した下降速度に基づいて速度指令を生成し、生成した速度指令を下降指令とともに対象装置Aiへ送信する。ステップS06にて、対象装置Aiの制御部6は、受信した速度指令に従って対象装置Aiを下降させるように駆動部9を制御する。
【0137】
ステップS04またはS06による対象装置Aiの移動中、制御部2は、ステップS20にて、タッチパネル52の検出信号に基づいて、昇降釦80に対するドラッグ操作が解除されたか否かを判定する。昇降釦80に対するドラッグ操作が解除された場合(S20にてYES)、制御部2は、ステップS21にて、昇降釦80の表示位置を基準位置に戻すとともに、ステップS22にて、対象装置Aiの移動を停止させる。
【0138】
一方、昇降釦80に対するドラッグ操作が解除されていなければ(S20にてNO)、すなわち、昇降釦80に対するドラッグ操作が継続されていれば、制御部2は、処理をステップS01に戻す。
【0139】
なお、上述した実施の形態1および2では、対象装置を上下方向に移動させる(すなわち、昇降させる)場合の操作について説明したが、対象装置の移動方向は上下方向に限定されるものではない。たとえば、対象装置を左右方向に移動させる場合においても、ユーザは、画面上の操作釦の表示位置を変更する入力操作を行なうことによって、対象装置を右方向または左方向に、操作釦の表示位置の変位量に応じた速度で移動させることができる。この場合においても、操作釦は、対象装置の移動方向を指示するための操作釦と、対象装置の移動速度を変更するための操作釦とで構成してもよく、対象装置の移動方向および移動速度を指示するための単一の操作釦で構成してもよい。また、移動方向を指示するための操作釦については、ユーザのドラッグ操作に応じた操作釦の表示位置の変更方向を左右方向とすることで、対象装置の移動方向をユーザが感覚的に把握することができる。
【0140】
また、上述した実施の形態2の第2の変更例では、単一の操作釦が指示する移動方向を、互いに反対の第1および第2の方向とする構成を例示したが、単一の操作釦が指示する移動方向はこれに限定されるものではない。単一の操作釦を、上下および左右の4つの移動方向を指示する構成としてもよい。この場合、当該操作釦をドラッグ操作する向きおよび、ドラッグ操作による当該操作釦の表示位置の変位量に応じて、上記4つの移動方向のいずれか1方向に、任意の速度で対象装置を移動させることが可能となる。
【0141】
[実施の形態3]
上述した実施の形態1および2では、ドラッグ操作による操作釦の表示位置の変位量に応じて、対象装置の移動速度を操作する構成について説明したが、ドラッグ操作の継続時間に応じて、対象装置の移動速度を操作する構成としてもよい。
【0142】
図14は、実施の形態3に従う操作装置1における対象装置Aiの昇降を操作する処理の流れを説明するフローチャートである。
図14では、
図3に示した昇降釦74および変速釦76による対象装置Aiの昇降を操作する処理の流れを説明する。
【0143】
図14に示すフローチャートでは、
図6に示すフローチャートにおけるステップS10,S14の処理が、ステップS10A,S14Aの処理にそれぞれ置き換えられている。
図6と同じステップについては詳細な説明を繰り返さない。
【0144】
図14を参照して、操作装置1の制御部2は、タッチスクリーン5のディスプレイ51上において、加速釦76Aに対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S07にてYES)、ステップS09にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の加速釦76Aの表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS10Aにて、タッチパネル52の検出信号および図示しないタイマの計測値に基づいて、加速釦76Aに対するドラッグ操作の継続時間Δtを検出する。具体的には、制御部2は、加速釦76Aに対するドラッグ操作が検出されると、タイマによる計測を開始し、ユーザがドラッグ操作をし続けている時間を計測する。なお、ドラッグ操作が解除されると、タイマの計測値はリセットされる。
【0145】
続いて、制御部2は、ステップS11にて、ステップS10Aで検出したドラッグ操作の継続時間に基づいて、対象装置Aiの移動速度の加速量を算出する。たとえば、制御部2は、加速量を加速釦76Aに対するドラッグ操作の継続時間の関数(たとえば、一次関数)とする関係式を予め有しており、この関係式に継続時間Δtを代入することにより、加速量を求めることができる。なお、関係式は、加速釦76Aに対するドラッグ操作の継続時間Δtが大きくなるほど、加速量が大きくなるように定められていればよく、ユーザが適宜設定することができる。制御部2は、算出した加速量を基準速度に加算することにより対象装置Aiの速度指令を生成し、生成した速度指令を対象装置Aiへ送信する。ステップS12にて、対象装置Aiの制御部6は、受信した速度指令に従って対象装置Aiを加速させるように駆動部9を制御する。
【0146】
一方、減速釦76Bに対するドラッグ操作がなされている最中である場合(S08にてYES)、制御部2は、ステップS13にて、ユーザの指F1の動きに追従するように、表示画面上の減速釦76Bの表示位置を変更する。制御部2は、さらに、ステップS14Aにて、タッチパネル52の検出信号およびタイマの計測値に基づいて、減速釦76Bに対するドラッグ操作の継続時間Δtを検出する。制御部2は、ステップS15にて、ステップS14Aで検出したドラッグ操作の継続時間に基づいて、対象装置Aiの移動速度の減速量を算出する。たとえば、制御部2は、減速量を減速釦76Bに対するドラッグ操作の継続時間の関数(たとえば、一次関数)とする関係式を予め有しており、この関係式に継続時間Δtを代入することにより、減速量を求めることができる。なお、関係式は、減速釦76Bに対するドラッグ操作の継続時間Δtが大きくなるほど、減速量が大きくなるように定められていればよく、ユーザが適宜設定することができる。制御部2は、算出した減速量を基準速度から減算することにより対象装置Aiの速度指令を生成し、生成した速度指令を対象装置Aiへ送信する。ステップS16にて、対象装置Aiの制御部6は、受信した速度指令に従って対象装置Aiを減速させるように駆動部9を制御する。
【0147】
以上説明したように、実施の形態3に従う操作装置によれば、対象装置の移動速度を変更するための操作釦(
図4の変速釦76)に対するドラッグ操作の継続時間に基づいて、対象装置の移動速度をユーザに直感的に把握させることが可能となる。したがって、実施の形態3に従う操作装置においても、実施の形態1および2に従う操作装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0148】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。