特許第6811311号(P6811311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6811311有機発光ダイオードデバイス及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811311
(24)【登録日】2020年12月16日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】有機発光ダイオードデバイス及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20201228BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20201228BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20201228BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20201228BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   H05B33/02
   H05B33/14 A
   H01L27/32
   G02B5/02 B
   G09F9/30 310
   G09F9/30 365
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-514156(P2019-514156)
(86)(22)【出願日】2016年7月12日
(65)【公表番号】特表2019-518319(P2019-518319A)
(43)【公表日】2019年6月27日
(86)【国際出願番号】CN2016089717
(87)【国際公開番号】WO2017215060
(87)【国際公開日】20171221
【審査請求日】2018年11月27日
(31)【優先権主張番号】201610429048.3
(32)【優先日】2016年6月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517264292
【氏名又は名称】武漢華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】黄 静
【審査官】 横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/004811(WO,A1)
【文献】 特表2008−538155(JP,A)
【文献】 特表2016−506022(JP,A)
【文献】 特表2015−518239(JP,A)
【文献】 特開2009−235297(JP,A)
【文献】 特開2009−263553(JP,A)
【文献】 特開2015−011164(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0181198(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0041313(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00−28
G02B 5/02
G09F 9/30
H01L 27/32
H01L 51/50−56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオードデバイスであって、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に設置され、透明材料を材料とする第1電極と、
前記第1電極に位置する有機発光層と、
前記有機発光層に設置された第2電極と、
前記ガラス基板の下方に位置し、材料として第1屈折率を有するポリイミド中空球及び第2屈折率を有するポリイミドを含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きい射出光強化層とを備え、
前記射出光強化層は前記第2屈折率を有するポリイミドからなる最外層を有する、有機発光ダイオードデバイス。
【請求項2】
前記射出光強化層は、厚みが2μm〜6μmである、請求項1に記載の有機発光ダイオードデバイス。
【請求項3】
前記ポリイミド中空球は、前記ポリイミドに対する比率が40%〜60%である請求項2に記載の有機発光ダイオードデバイス。
【請求項4】
有機発光ダイオードデバイスであって、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に設置された第1電極と、
前記第1電極に位置する有機発光層と、
前記有機発光層に設置された第2電極と、
前記第2電極の上方に位置し、材料として第1屈折率を有するポリイミド中空球及び第2屈折率を有するポリイミドを含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きい射出光強化層とを備え、
前記射出光強化層は前記第2屈折率を有するポリイミドからなる最外層を有する、有機発光ダイオードデバイス。
【請求項5】
前記ポリイミド中空球は、前記ポリイミドに対する比率が40%〜60%である請求項に記載の有機発光ダイオードデバイス。
【請求項6】
前記射出光強化層の厚みは2μm〜6μmである請求項に記載の有機発光ダイオードデバイス。
【請求項7】
前記第1電極の材料は非透明材料である請求項に記載の有機発光ダイオードデバイス。
【請求項8】
表示装置であって、
複数の有機発光ダイオードデバイスを備え、
前記有機発光ダイオードデバイスは、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に設置された第1電極と、
前記第1電極に位置する有機発光層と、
前記有機発光層に設置された第2電極と、
前記ガラス基板の下方又は前記第2電極の上方に位置し、材料として第1屈折率を有するポリイミド中空球及び第2屈折率を有するポリイミドを含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きい射出光強化層とを備え、
前記射出光強化層は前記第2屈折率を有するポリイミドからなる最外層を有する、表示装置。
【請求項9】
前記ポリイミド中空球は、前記ポリイミドに対する比率が40%〜60%である請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記射出光強化層の厚みは2μm〜6μmである請求項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1電極の材料が透明材料である場合、前記射出光強化層は前記ガラス基板の下方に位置する請求項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1電極の材料が非透明材料である場合、前記射出光強化層は前記第2電極の上方に位置する請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイの技術分野に関し、特に有機発光ダイオードデバイス及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料、基板及び空気の間に屈折率勾配があるため、有機発光ダイオード(Organic Light−Emitting Diode、OLED)デバイスでは、大部分の光子が有機発光層とガラス基板の間に限制されて、20〜30%だけの光子がデバイスの外部へ出射される。
【0003】
底部OLEDの出光率を高めるために、従来、ガラス基板の下方に高屈折率基板を増設することにより光子を基板の外部へ取り出すのが一般的であり、高屈折率を有するナノ/ミクロン金属酸化物粒子、たとえばTiO2、ZrO2などを散乱媒体として加えて光の伝播方向を変えることで、より多くの光子をデバイスの外部へ出射させる。ただし、このような方法は、散乱媒体の屈折率がすべて高いため、基板と散乱粒子との間の屈折率の差異を減少させ、光の基板での散乱効果を低下させて、出光率を低下させるという欠点がある。
【0004】
このため、従来技術に存在する問題を解決するために、有機発光ダイオードデバイス及び表示装置を提供することが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術における有機発光ダイオードデバイスの低散乱効果による出光率低下の技術的問題を解決するために、有機発光ダイオードデバイス及び表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に設置され、透明材料を材料とする第1電極と、
前記第1電極に位置する有機発光層と、
前記有機発光層に設置された第2電極と、
前記ガラス基板の下方に位置し、材料として第1屈折率を有する第1材料及び第2屈折率を有する第2材料を含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きく、厚みが2μm〜6μmである射出光強化層とを備える有機発光ダイオードデバイスを提供する。
【0007】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスにおいて、前記射出光強化層の材料は、ポリイミド中空球及びポリイミドを含む。
【0008】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスにおいて、前記ポリイミド中空球は、化学イミド化法によって製造される。
【0009】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスにおいて、前記ポリイミド中空球は、前記ポリイミドに対する比率が40%〜60%である。
【0010】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に設置された第1電極と、
前記第1電極に位置する有機発光層と、
前記有機発光層に設置された第2電極と、
前記第2電極の上方に位置し、材料として第1屈折率を有する第1材料及び第2屈折率を有する第2材料を含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きい射出光強化層とを備える有機発光ダイオードデバイスを提供する。
【0011】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスにおいて、前記射出光強化層の材料は、ポリイミド中空球及びポリイミドを含む。
【0012】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスにおいて、前記ポリイミド中空球は、化学イミド化法によって製造される。
【0013】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスにおいて、前記ポリイミド中空球は、前記ポリイミドに対する比率が40%〜60%である。
【0014】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスにおいて、前記射出光強化層の厚みは2μm〜6μmである。
【0015】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスにおいて、前記第1電極の材料は非透明材料である。
【0016】
本発明はさらに、複数の有機発光ダイオードデバイスを備える表示装置を提供し、前記有機発光ダイオードデバイスは、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に設置された第1電極と、
前記第1電極に位置する有機発光層と、
前記有機発光層に設置された第2電極と、
前記ガラス基板の下方又は前記第2電極の上方に位置し、材料として第1屈折率を有する第1材料及び第2屈折率を有する第2材料を含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きい射出光強化層とを備える。
【0017】
本発明の表示装置において、前記射出光強化層の材料は、ポリイミド中空球及びポリイミドを含む。
【0018】
本発明の表示装置において、前記ポリイミド中空球は、化学イミド化法によって製造される。
【0019】
本発明の表示装置において、前記ポリイミド中空球は、前記ポリイミドに対する比率が40%〜60%である。
【0020】
本発明の表示装置において、前記射出光強化層の厚みは2μm〜6μmである。
【0021】
本発明の表示装置において、前記第1電極の材料が透明材料である場合、前記射出光強化層は前記ガラス基板の下方に位置する。
【0022】
本発明の表示装置において、前記第1電極の材料が非透明材料である場合、前記射出光強化層は前記第2電極の上方に位置する。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイス及び表示装置は、従来の有機発光ダイオードデバイスの最外層に高屈折率材料及び低屈折率材料で製造された射出光強化層を1層増設することにより、大きな屈折率コントラストを実現して、散乱効果と出光率を高める
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る第1有機発光ダイオードデバイスの構造模式図である。
図2】本発明に係る第2有機発光ダイオードデバイスの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照しながら各実施例について説明することにより、本発明が実施可能な特定実施例を例示する。本発明に使用される方向用語、たとえば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「側面」などは、添付した図面を参照した方向である。このため、使用される方向用語は、本発明を説明して解釈するものであり、本発明を限制するものではない。図中、構造が類似したユニットは同じ符号で示されている。
【0026】
図1に示されるように、図1は本発明の第1有機発光ダイオードデバイスの構造模式図である。
【0027】
図1に示されるように、本発明に係る有機発光ダイオードデバイスは、ガラス基板11、第1電極12、有機発光層13、第2電極14及び射出光強化層20を備える。該第1電極12は前記ガラス基板11に設置され、有機発光層13は前記第1電極12に位置し、第2電極14は前記有機発光層13に設置されるが、勿論、前記第2電極14に薄膜パッケージ層がさらに設置されてもよい。前記射出光強化層20は前記ガラス基板11の下方に位置し、前記射出光強化層20の材料は第1屈折率を有する第1材料及び第2屈折率を有する第2材料を含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きく、つまり、第1屈折率と第2屈折率との差の値が大きく、該所定閾値は従来の値に基づいて設定してもよく、すなわち、射出光強化層は屈折率の勾配比が大きい材料で製造される。
【0028】
好ましくは、該第1電極12の材料は、たとえばインジウムスズ酸化物などの透明材料であり、第2電極14の材料は、非透明材料である。
【0029】
好ましくは、前記射出光強化層20の材料はポリイミド中空球21とポリイミド22を含む。ポリイミド中空球の屈折率が低く、ポリイミド材料の屈折率比が高いため、大きな屈折率勾配を実現して、散乱効果を高め、出光率が増大する。
【0030】
好ましくは、前記ポリイミド中空球21は、化学イミド化法によって製造される。従来のナノ又はミクロン散乱層における粒子同士が粘着しやすく、粒子の均一性を劣化させるため、化学イミド化法によって単分散性に優れるポリイミド中空球を得て、ポリイミド中空球同士の粘着を防止し、粒子の均一性を高め、さらに出光率が増大する。
【0031】
好ましくは、前記ポリイミド中空球21は、前記ポリイミド22に対する比率が40%〜60%、より好ましくは45%〜50%である。比率が小さすぎると、散乱効果が悪くなり、比率が大きすぎると、大量の材料が無駄になり、コストが高まる。
【0032】
好ましくは、前記射出光強化層20の厚みは2μm〜6μm、より好ましくは3〜5μmである。厚みが小さすぎると、屈折率コントラストが悪く、厚みが大きすぎると、有機発光ダイオードデバイス全体の厚みが増大して、さらに表示装置の厚みが増大する。
【0033】
図2に示されるように、図2は本発明の第2有機発光ダイオードデバイスの構造模式図である。
【0034】
図2に示されるように、本発明に係る有機発光ダイオードデバイスは、ガラス基板11、第1電極15、有機発光層13、第2電極16、射出光強化層20を備え、該第1電極15は前記ガラス基板11に設置され、有機発光層13は前記第1電極15に位置し、第2電極16は前記有機発光層13に設置され、射出光強化層20は前記第2電極16に位置するが、勿論、前記第2電極16に薄膜パッケージ層がさらに設置されてもよく、該射出光強化層20は該薄膜パッケージ層に位置する。前記射出光強化層20の材料は、第1屈折率を有する第1材料及び第2屈折率を有する第2材料を含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きく、つまり、第1屈折率と第2屈折率との差の値が大きく、該所定閾値は従来の値に基づいて設定してもよく、すなわち、射出光強化層は屈折率の勾配比が大きい材料で製造される。
【0035】
好ましくは、該第1電極15の材料は、たとえば金属などの非透明材料であり、第2電極16の材料は、マグネシウムアルミニウム合金であり、つまり、光子が第2電極16を透過できる。
【0036】
好ましくは、前記射出光強化層20の材料はポリイミド中空球21とポリイミド22を含む。ポリイミド中空球の屈折率が低く、ポリイミド材料の屈折率が高いため、大きな屈折率コントラストを実現して、散乱効果を高め、出光率が増大する。
【0037】
好ましくは、前記ポリイミド中空球21は、化学イミド化法によって製造される。従来のナノ又はミクロン散乱層における粒子同士が粘着しやすく、粒子の均一性を劣化させるため、化学イミド化法によって単分散性に優れるポリイミド中空球を得て、ポリイミド中空球同士の粘着を防止し、粒子の均一性を高め、さらに出光率が増大する。
【0038】
好ましくは、前記ポリイミド中空球21は、前記ポリイミド22に対する比率が40%〜60%、より好ましくは45%〜50%である。比率が小さすぎると、散乱効果が悪くなり、比率が大きすぎると、大量の材料が無駄になり、コストが高まる。
【0039】
好ましくは、前記射出光強化層20の厚みは2μm〜6μm、より好ましくは3〜5μmである。厚みが小さすぎると、屈折率コントラストが悪く、厚みが大きすぎると、有機発光ダイオードデバイス全体の厚みが増大して、さらに表示装置の厚みが増大する。
【0040】
具体的には、上記ポリイミド中空球は以下の方法で製造される。
まず、高屈折率ポリイミドPI(n>1.8)を合成する2種のモノマーである二無水物モノマーとジアミンモノマーを、1:1の比率で、溶剤(たとえば、ジメチルアセトアミドDMAc)に溶解して、2種のモノマーを重合反応させて、PI前駆体、すなわちポリアミック酸PAAを生成する。
【0041】
次に、ポリスチレンテンプレートのスルホン化球を溶剤DMAcに分散させて、直鎖状ポリスチレンテンプレートのスルホン化球を遠心除去する。残りの架橋ポリスチレンテンプレートのスルホン化球を溶剤に分散させて、該溶剤を一定の速度でPAA含有溶剤に滴下し、所定時間撹拌した後、吸着されていない余計なPAAを遠心除去し、溶剤を用いてPAA複合中空球を複数回洗浄する。
【0042】
その後、化学イミド化方法によってPAA複合中空球をイミド化し、具体的に、一定量の無水酢酸とピリジンをPAA複合中空球の分散液に滴下して、室温で所定時間撹拌した後、水とエタノールの混合液を加えて、析出した粉末を水とエタノールで複数回洗浄した後、窒素ガスの雰囲気下で加熱して架橋させて、該PIの複合中空球を得る。
【0043】
上記射出光強化層の製造プロセスにおいて、図1又は図2のガラス基板の下方又は薄膜パッケージ層の上方に該PI複合中空球の分散液を塗布する。化学イミド化法によってポリイミド中空球を製造するため、分散液におけるポリイミド中空球を互いに「離間」させる役割を果たし、さらに熱処理により、球と球の間の粘着を防止する。さらに、該高屈折率ポリイミドを基板または埋め戻し層材料として最外層に塗布し、このようにして、中空球による低屈折率中心とは大きな屈折率の差異を実現する。
【0044】
本発明に係る有機発光ダイオードデバイスでは、ガラス基板の下方又は第2電極の上方に、高屈折率材料及び低屈折率材料で製造される射出光強化層を1層増設することにより、大きな屈折率コントラストを実現して、散乱効果と出光率を高める。
【0045】
本発明はさらに、複数の有機発光ダイオードデバイスを備える表示装置を提供し、図1又は2に示されるように、該有機発光ダイオードデバイスは、ガラス基板11、第1電極12又は15、有機発光層13、第2電極14又は16、射出光強化層20を備え、該第1電極12又は15は前記ガラス基板11に設置され、有機発光層13は前記第1電極12又は15に位置し、第2電極14又は16は前記有機発光層13に設置され、射出光強化層20は前記ガラス基板11の下方又は前記第2電極14又は16に位置するが、勿論、前記第2電極14又は16に薄膜パッケージ層がさらに設置されてもよく、該射出光強化層20は該薄膜パッケージ層に位置する。前記射出光強化層20の材料は第1屈折率を有する第1材料及び第2屈折率を有する第2材料を含み、前記第1屈折率と前記第2屈折率との差の値が所定閾値より大きく、つまり、第1屈折率と第2屈折率との差の値が大きく、該所定閾値は従来の値に基づいて設定してもよく、すなわち、射出光強化層は屈折率の勾配比が大きい材料で製造される。
【0046】
好ましくは、該第1電極12の材料は、たとえばインジウムスズ酸化物などの透明材料であり、第2電極14の材料は、非透明材料であり、前記射出光強化層20は前記ガラス基板11の下方に位置する。
【0047】
好ましくは、該第1電極15の材料は、たとえば金属などの非透明材料であり、前記射出光強化層20は、前記第2電極16の上方に位置する。第2電極16の材料はマグネシウムアルミニウム合金であり、つまり、光子が第2電極16を透過できる。
【0048】
好ましくは、前記射出光強化層20の材料は、ポリイミド中空球21とポリイミド22を含む。ポリイミド中空球の屈折率が低く、ポリイミド材料の屈折率が高いため、大きな屈折率コントラストを実現して、散乱効果を高めて、出光率が増大する。
【0049】
好ましくは、前記ポリイミド中空球21は、化学イミド化法によって製造される。従来のナノ又はミクロン散乱層における粒子同士が粘着しやすく、粒子の均一性を劣化させるため、化学イミド化法によって単分散性に優れるポリイミド中空球を得て、ポリイミド中空球同士の粘着を防止し、粒子の均一性を高め、さらに出光率が増大する。
【0050】
好ましくは、前記ポリイミド中空球21は、前記ポリイミド22に対する比率が40%〜60%、より好ましくは45%〜50%である。比率が小さすぎると、散乱効果が悪くなり、比率が大きすぎると、大量の材料が無駄になり、コストが高まる。
【0051】
好ましくは、前記射出光強化層20の厚みは2μm〜6μm、より好ましくは3〜5μmである。厚みが小さすぎると、屈折率コントラストが悪く、厚みが大きすぎると、有機発光ダイオードデバイス全体の厚みが増大して、さらに表示装置の厚みが増大する。
【0052】
本発明に係る表示装置は、ガラス基板の下方又は第2電極の上方に高屈折率材料及び低屈折率材料で製造された射出光強化層を1層増設することにより、大きな屈折率コントラストを実現して、さらに散乱効果と出光率を高める。
【0053】
以上のように、以上は、本発明の好適実施例を説明したが、本発明は上記好適実施例により限制されず、当業者であれば、本発明の精神と範囲を逸脱せずに、各種変化や修飾をすることができ、このため、本発明の保護範囲は特許請求の範囲により限定されている範囲を基準にする。
図1
図2