(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のエアロゾル吸引器の一実施形態であるエアロゾル吸引器1について、
図1から
図5を参照して説明する。
【0015】
(エアロゾル吸引器)
エアロゾル吸引器1は、香味成分が付加されたエアロゾルを、燃焼を伴わずに生成して、吸引可能とするための器具であり、
図1及び
図2に示すように、所定方向(以下、長手方向Xと呼ぶ)に沿って延びる棒形状となっている。エアロゾル吸引器1は、長手方向Xに沿って、電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、がこの順に設けられている。第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して着脱可能(換言すると、交換可能)である。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に対して着脱可能(換言すると、交換可能)である。
図3に示すように、第1カートリッジ20には、第一負荷21と第二負荷31が設けられている。エアロゾル吸引器1の全体形状は、
図1のように、電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、が一列に並ぶ形状には限らない。電源ユニット10に対して、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30が交換可能に構成されていれば、略箱状等の任意の形状を採用可能である。なお、第2カートリッジ30は、電源ユニット10に対して着脱可能(換言すると、交換可能)であってもよい。
【0016】
(電源ユニット)
電源ユニット10は、
図3、
図4、及び
図5に示すように、円筒状の電源ユニットケース11の内部に、電源12と、充電IC55Aと、MCU(Micro Controller Unit)50と、DC/DCコンバータ51と、吸気センサ15と、電圧センサ52及び電流センサ53を含む温度検出用素子T1と、電圧センサ54及び電流センサ55を含む温度検出用素子T2と、を収容する。
【0017】
電源12は、充電可能な二次電池、電気二重層キャパシタ等であり、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。電源12の電解質は、ゲル状の電解質、電解液、固体電解質、イオン液体の1つ又はこれらの組合せで構成されていてもよい。
【0018】
図5に示すように、MCU50は、吸気センサ15、電圧センサ52、電流センサ53、電圧センサ54、及び電流センサ55等の各種センサ装置と、DC/DCコンバータ51と、操作部14と、通知部45と、に接続されており、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う。
【0019】
MCU50は、具体的にはプロセッサを主体に構成されており、プロセッサの動作に必要なRAM(Random Access Memory)及び各種情報を記憶するROM(Read Only Memory)等の記憶媒体により構成されるメモリ50aを更に含む。本明細書におけるプロセッサとは、具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0020】
図4に示すように、電源ユニットケース11の長手方向Xの一端側(第1カートリッジ20側)に位置するトップ部11aには、放電端子41が設けられる。放電端子41は、トップ部11aの上面から第1カートリッジ20に向かって突出するように設けられ、第1カートリッジ20の第一負荷21及び第二負荷31の各々と電気的に接続可能に構成される。
【0021】
また、トップ部11aの上面には、放電端子41の近傍に、第1カートリッジ20の第一負荷21に空気を供給する空気供給部42が設けられている。
【0022】
電源ユニットケース11の長手方向Xの他端側(第1カートリッジ20と反対側)に位置するボトム部11bには、外部電源(図示省略)と電気的に接続可能な充電端子43が設けられる。充電端子43は、ボトム部11bの側面に設けられ、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子、microUSB端子、又はLightning(登録商標)端子等が接続可能である。
【0023】
なお、充電端子43は、外部電源から送電される電力を非接触で受電可能な受電部であってもよい。このような場合、充電端子43(受電部)は、受電コイルから構成されていてもよい。非接触による電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導型でもよいし、磁気共鳴型でもよい。また、充電端子43は、外部電源から送電される電力を無接点で受電可能な受電部であってもよい。別の一例として、充電端子43は、USB端子、microUSB端子、又はLightning端子が接続可能であり、且つ上述した受電部を有していてもよい。
【0024】
電源ユニットケース11には、ユーザが操作可能な操作部14が、トップ部11aの側面に充電端子43とは反対側を向くように設けられる。より詳述すると、操作部14と充電端子43は、操作部14と充電端子43を結ぶ直線と長手方向Xにおける電源ユニット10の中心線の交点について点対称の関係にある。操作部14は、ボタン式のスイッチ又はタッチパネル等から構成される。
【0025】
図3に示すように、操作部14の近傍には、パフ(吸引)動作を検出する吸気センサ15が設けられている。電源ユニットケース11には、内部に外気を取り込む不図示の空気取込口が設けられている。空気取込口は、操作部14の周囲に設けられていてもよく、充電端子43の周囲に設けられていてもよい。
【0026】
吸気センサ15は、後述の吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力(内圧)変化の値を出力するよう構成されている。吸気センサ15は、例えば、空気取込口から吸口32に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する内圧に応じた出力値(例えば、電圧値又は電流値)を出力する圧力センサである。吸気センサ15は、アナログ値を出力してもよいし、アナログ値から変換したデジタル値を出力してもよい。
【0027】
吸気センサ15は、検出する圧力を補償するために、電源ユニット10の置かれている環境の温度(外気温)を検出する温度センサを内蔵していてもよい。吸気センサ15は、圧力センサではなく、コンデンサマイクロフォン等から構成されていてもよい。
【0028】
MCU50は、パフ動作が行われて、吸気センサ15の出力値が閾値を超えると、エアロゾルの生成要求がなされたと判定し、その後、吸気センサ15の出力値がこの閾値を下回ると、エアロゾルの生成要求が終了されたと判定する。なお、エアロゾル吸引器1においては、第一負荷21の過熱を抑制する等の目的のために、エアロゾルの生成要求がなされている期間が第一既定値t
upper(例えば、2.4秒)に達すると、吸気センサ15の出力値にかかわらずに、エアロゾルの生成要求が終了されたと判定されるようにしている。このように、吸気センサ15の出力値はエアロゾルの生成要求を示す信号として利用される。したがって、吸気センサ15は、エアロゾルの生成要求を出力するセンサを構成する。
【0029】
なお、吸気センサ15に代えて、操作部14の操作に基づいてエアロゾルの生成要求を検出するようにしてもよい。例えば、ユーザがエアロゾルの吸引を開始するために操作部14に対し所定の操作を行うと、操作部14がエアロゾルの生成要求を示す信号をMCU50に出力するように構成してもよい。この場合には、操作部14が、エアロゾルの生成要求を出力するセンサを構成する。
【0030】
充電IC55Aは、充電端子43に近接して配置され、充電端子43から入力される電力の電源12への充電制御を行う。なお、充電IC55Aは、MCU50の近傍に配置されていてもよい。
【0031】
(第1カートリッジ)
図3に示すように、第1カートリッジ20は、円筒状のカートリッジケース27の内部に、エアロゾル源22を貯留するリザーバ23と、エアロゾル源22を霧化するための第一負荷21と、リザーバ23から第一負荷21へエアロゾル源を引き込むウィック24と、エアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルが第2カートリッジ30に向かって流れるエアロゾル流路25と、第2カートリッジ30の一部を収容するエンドキャップ26と、エンドキャップ26に設けられた、第2カートリッジ30を加熱するための第二負荷31と、を備える。
【0032】
リザーバ23は、エアロゾル流路25の周囲を囲むように区画形成され、エアロゾル源22を貯留する。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿等の多孔体が収容され、且つ、エアロゾル源22が多孔体に含浸されていてもよい。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿上の多孔質体が収容されず、エアロゾル源22のみが貯留されていてもよい。エアロゾル源22は、グリセリン、プロピレングリコール、又は水などの液体を含む。
【0033】
ウィック24は、リザーバ23から毛管現象を利用してエアロゾル源22を第一負荷21へ引き込む液保持部材である。ウィック24は、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミックなどによって構成される。
【0034】
第一負荷21は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって、燃焼を伴わずにエアロゾル源22を加熱することで、エアロゾル源22を霧化する。第一負荷21は、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成されている。
【0035】
なお、第一負荷21は、エアロゾル源22を加熱することで、これを霧化してエアロゾルを生成可能な素子であればよい。第一負荷21は、例えば、発熱素子である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
【0036】
第一負荷21は、温度と電気抵抗値が相関を持つものが用いられる。第一負荷21としては、例えば、温度の増加に伴って電気抵抗値も増加するPTC(Positive Temperature Coefficient)特性を有するものが用いられる。
【0037】
エアロゾル流路25は、第一負荷21の下流側であって、電源ユニット10の中心線L上に設けられる。エンドキャップ26は、第2カートリッジ30の一部を収容するカートリッジ収容部26aと、エアロゾル流路25とカートリッジ収容部26aとを連通させる連通路26bと、を備える。
【0038】
第二負荷31は、カートリッジ収容部26aに埋設されている。第二負荷31は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって、カートリッジ収容部26aに収容される第2カートリッジ30(より詳細にはこれに含まれる香味源33)を加熱する。第二負荷31は、例えば、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成される。
【0039】
なお、第二負荷31は、第2カートリッジ30を加熱することのできる素子であればよい。第二負荷31は、例えば、発熱素子である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
【0040】
第二負荷31は、温度と電気抵抗値が相関を持つものが用いられる。第二負荷31としては、例えば、PTC特性を有するものが用いられる。
【0041】
(第2カートリッジ)
第2カートリッジ30は、香味源33を貯留する。第二負荷31によって第2カートリッジ30が加熱されることで、香味源33が加熱される。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20のエンドキャップ26に設けられたカートリッジ収容部26aに着脱可能に収容される。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20側とは反対側の端部が、ユーザの吸口32となっている。なお、吸口32は、第2カートリッジ30と一体不可分に構成される場合に限らず、第2カートリッジ30と着脱可能に構成されてもよい。このように吸口32を電源ユニット10と第1カートリッジ20とは別体に構成することで、吸口32を衛生的に保つことができる。
【0042】
第2カートリッジ30は、第一負荷21によってエアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルを香味源33に通すことによってエアロゾルに香味成分を付加する。香味源33を構成する原料片としては、刻みたばこ、又は、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。香味源33は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、又はハーブ等)によって構成されてもよい。香味源33には、メントール等の香料が付加されていてもよい。
【0043】
エアロゾル吸引器1では、エアロゾル源22と香味源33によって、香味成分が付加されたエアロゾルを発生させることができる。つまり、エアロゾル源22と香味源33は、エアロゾルを発生させるエアロゾル生成源を構成している。
【0044】
エアロゾル吸引器1におけるエアロゾル生成源は、ユーザが交換して使用する部分である。この部分は、例えば、1つの第1カートリッジ20と、1つ又は複数(例えば5つ)の第2カートリッジ30とが1セットとしてユーザに提供される。したがって、エアロゾル吸引器1においては、電源ユニット10の交換頻度が最も低く、第1カートリッジ20の交換頻度が次に低く、第2カートリッジ30の交換頻度が最も高くなっている。そのため、第1カートリッジ20と第2カートリッジ30の製造コストを下げることが重要になる。なお、第1カートリッジ20と第2カートリッジ30を一体化して1つのカートリッジとして構成してもよい。
【0045】
このように構成されたエアロゾル吸引器1では、
図3中の矢印Bで示すように、電源ユニットケース11に設けられた不図示の取込口から流入した空気が、空気供給部42から第1カートリッジ20の第一負荷21付近を通過する。第一負荷21は、ウィック24によってリザーバ23から引き込まれたエアロゾル源22を霧化する。霧化されて発生したエアロゾルは、取込口から流入した空気と共にエアロゾル流路25を流れ、連通路26bを介して第2カートリッジ30に供給される。第2カートリッジ30に供給されたエアロゾルは、香味源33を通過することで香味成分が付加され、吸口32に供給される。
【0046】
また、エアロゾル吸引器1には、各種情報を通知する通知部45が設けられている(
図5参照)。通知部45は、発光素子によって構成されていてもよく、振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。通知部45は、発光素子、振動素子、及び音出力素子のうち、2以上の素子の組合せであってもよい。通知部45は、電源ユニット10、第1カートリッジ20、及び第2カートリッジ30のいずれに設けられてもよいが、電源ユニット10に設けられることが好ましい。例えば、操作部14の周囲が透光性を有し、LED等の発光素子によって発光するように構成される。
【0047】
(電源ユニットの詳細)
図5に示すように、DC/DCコンバータ51は、電源ユニット10に第1カートリッジ20が装着された状態において、第一負荷21と電源12の間に接続される。MCU50は、DC/DCコンバータ51と電源12の間に接続されている。第二負荷31は、電源ユニット10に第1カートリッジ20が装着された状態において、MCU50とDC/DCコンバータ51との接続ノードに接続される。このように、電源ユニット10では、第1カートリッジ20が装着された状態において、DC/DCコンバータ51及び第一負荷21の直列回路と、第二負荷31とが、電源12に並列接続される。
【0048】
DC/DCコンバータ51は、入力電圧を昇圧可能な昇圧回路であり、入力電圧又は入力電圧を昇圧した電圧を第一負荷21に供給可能に構成されている。DC/DCコンバータ51によれば第一負荷21に供給される電力を調整できるため、第一負荷21が霧化するエアロゾル源22の量を制御することができる。DC/DCコンバータ51としては、例えば、出力電圧を監視しながらスイッチング素子のオン/オフ時間を制御することで、入力電圧を希望する出力電圧に変換するスイッチングレギュレータを用いることができる。DC/DCコンバータ51としてスイッチングレギュレータを用いる場合には、スイッチング素子を制御することで、入力電圧を昇圧せずに、そのまま出力させることができる。
【0049】
MCU50のプロセッサは、後述する第二負荷31への放電を制御するため、香味源33の温度を取得できるように構成される。また、MCU50のプロセッサは、第一負荷21の温度を取得できるように構成されることが好ましい。第一負荷21の温度は、第一負荷21やエアロゾル源22の過熱の抑制や、第一負荷21が霧化するエアロゾル源22の量を高度に制御するために用いることができる。
【0050】
電圧センサ52は、第二負荷31に印加される電圧値を測定して出力する。電流センサ53は、第二負荷31を貫流する電流値を測定して出力する。電圧センサ52の出力と、電流センサ53の出力は、それぞれ、MCU50に入力される。MCU50のプロセッサは、電圧センサ52の出力と電流センサ53の出力に基づいて第二負荷31の抵抗値を取得し、この抵抗値に応じた第二負荷31の温度を取得する。第二負荷31の温度は、第二負荷31によって加熱される香味源33の温度と厳密には一致しないが、香味源33の温度とほぼ同じと見做すことができる。このため、温度検出用素子T1は、香味源33の温度を検出するための温度検出用素子を構成している。
【0051】
なお、第二負荷31の抵抗値を取得する際に、第二負荷31に定電流を流す構成とすれば、温度検出用素子T1において電流センサ53は不要である。同様に、第二負荷31の抵抗値を取得する際に、第二負荷31に定電圧を印加する構成とすれば、温度検出用素子T1において電圧センサ52は不要である。
【0052】
また、
図6に示すように、温度検出用素子T1に代えて、第1カートリッジ20に、第2カートリッジ30の温度を検出するための温度検出用素子T3を設ける構成としてもよい。温度検出用素子T3は、第2カートリッジ30の近傍に配置される例えばサーミスタにより構成される。
図6の構成においては、MCU50のプロセッサは、温度検出用素子T3の出力に基づいて、第2カートリッジ30(換言すると香味源33)の温度を取得する。
【0053】
図6に示すように、温度検出用素子T3を用いて第2カートリッジ30(香味源33)の温度を取得することで、
図5の温度検出用素子T1を用いて香味源33の温度を取得するよりも、香味源33の温度をより正確に取得することが可能となる。なお、温度検出用素子T3は、第2カートリッジ30に搭載される構成としてもよい。温度検出用素子T3を第1カートリッジ20に搭載する
図6に示す構成によれば、エアロゾル吸引器1において最も交換頻度の高い第2カートリッジ30の製造コストを下げることができる。
【0054】
なお、
図5に示すように、温度検出用素子T1を用いて第2カートリッジ30(香味源33)の温度を取得する場合には、エアロゾル吸引器1において交換頻度が最も低い電源ユニット10に温度検出用素子T1を設けることができる。このため、第1カートリッジ20と第2カートリッジ30の製造コストを下げることができる。
【0055】
電圧センサ54は、第一負荷21に印加される電圧値を測定して出力する。電流センサ55は、第一負荷21を貫流する電流値を測定して出力する。電圧センサ54の出力と、電流センサ55の出力は、それぞれ、MCU50に入力される。MCU50のプロセッサは、電圧センサ54の出力と電流センサ55の出力に基づいて第一負荷21の抵抗値を取得し、この抵抗値に応じた第一負荷21の温度を取得する。なお、第一負荷21の抵抗値を取得する際に、第一負荷21に定電流を流す構成とすれば、温度検出用素子T2において電流センサ55は不要である。同様に、第一負荷21の抵抗値を取得する際に、第一負荷21に定電圧を印加する構成とすれば、温度検出用素子T2において電圧センサ54は不要である。
【0056】
図7は、
図5に示す電源ユニット10の具体例を示す図である。
図7では、温度検出用素子T1として電流センサ53を持たず、且つ、温度検出用素子T2として電流センサ55を持たない構成の具体例を示している。
【0057】
図7に示すように、電源ユニット10は、電源12と、MCU50と、LDO(Low Drop Out)レギュレータ60と、開閉器SW1と、開閉器SW1に並列接続された抵抗素子R1及び開閉器SW2の直列回路とからなる並列回路C1と、開閉器SW3と、開閉器SW3に並列接続された抵抗素子R2及び開閉器SW4の直列回路とからなる並列回路C2と、電圧センサ54を構成するオペアンプOP1及びアナログデジタル変換器(以下、ADCと記載)50cと、電圧センサ52を構成するオペアンプOP2及びADC50bと、を備える。
【0058】
本明細書にて説明する抵抗素子とは、固定の電気抵抗値を持つ素子であればよく、例えば抵抗器、ダイオード、又はトランジスタ等である。
図7の例では、抵抗素子R1及び抵抗素子R2が、それぞれ抵抗器となっている。
【0059】
本明細書にて説明する開閉器とは、配線路の遮断と導通を切り替えるトランジスタ等のスイッチング素子である。
図7の例では、開閉器SW1〜SW4は、それぞれトランジスタとなっている。
【0060】
LDOレギュレータ60は、電源12の正極に接続された主正母線LUに接続されている。MCU50は、LDOレギュレータ60と、電源12の負極に接続された主負母線LDとに接続されている。MCU50は、開閉器SW1〜SW4の各々にも接続されており、これらの開閉制御を行う。LDOレギュレータ60は、電源12からの電圧を降圧して出力する。LDOレギュレータ60の出力電圧V1は、MCU50、DC/DCコンバータ51、オペアンプOP1、及びオペアンプOP2の各々の動作電圧としても利用される。
【0061】
DC/DCコンバータ51は、主正母線LUに接続されている。第一負荷21は、主負母線LDに接続される。並列回路C1は、DC/DCコンバータ51と第一負荷21とに接続されている。
【0062】
並列回路C2は、主正母線LUに接続されている。第二負荷31は、並列回路C2と主負母線LDとに接続される。
【0063】
オペアンプOP1の非反転入力端子は、並列回路C1と第一負荷21との接続ノードに接続されている。オペアンプOP1の反転入力端子は、オペアンプOP1の出力端子及び主負母線LDの各々に抵抗素子を介して接続されている。
【0064】
オペアンプOP2の非反転入力端子は、並列回路C2と第二負荷31との接続ノードに接続されている。オペアンプOP2の反転入力端子は、オペアンプOP2の出力端子及び主負母線LDの各々に抵抗素子を介して接続されている。
【0065】
ADC50cは、オペアンプOP1の出力端子に接続されている。ADC50bは、オペアンプOP2の出力端子に接続されている。ADC50cとADC50bは、MCU50の外部に設けられていてもよい。
【0066】
図8は、
図6に示す電源ユニット10の具体例を示す図である。
図8では、温度検出用素子T2として電流センサ55を持たない構成の具体例を示している。
図8に示す回路は、オペアンプOP2、ADC50b、抵抗素子R2、及び開閉器SW4が削除された点を除いては、
図7と同じ構成である。
【0067】
(MCU)
次に、MCU50の機能について説明する。MCU50は、ROMに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される機能ブロックとして、温度検出部と、電力制御部と、通知制御部と、を備える。
【0068】
温度検出部は、温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて、香味源33の温度を取得する。また、温度検出部は、温度検出用素子T2の出力に基づいて、第一負荷21の温度を取得する。
【0069】
図7に示す回路例の場合、温度検出部は、開閉器SW1、開閉器SW3、及び開閉器SW4を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得する。
【0070】
なお、オペアンプOP1の非反転入力端子を抵抗素子R1のDC/DCコンバータ51側の端子に接続し、オペアンプOP1の反転入力端子を抵抗素子R1の開閉器SW2側の端子に接続する構成としてもよい。この場合には、温度検出部は、開閉器SW1、開閉器SW3、及び開閉器SW4を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(抵抗素子R1に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得することができる。
【0071】
図7に示す回路例の場合、温度検出部は、開閉器SW1、開閉器SW2、及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW4を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値(第二負荷31に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第二負荷31の温度を香味源33の温度として取得する。
【0072】
なお、オペアンプOP2の非反転入力端子を抵抗素子R2の主正母線LU側の端子に接続し、オペアンプOP2の反転入力端子を抵抗素子R2の開閉器SW4側の端子に接続する構成としてもよい。この場合には、温度検出部は、開閉器SW1、開閉器SW2、及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW4を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値(抵抗素子R2に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第二負荷31の温度を香味源33の温度として取得することができる。
【0073】
図8に示す回路例の場合、温度検出部は、開閉器SW1及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得する。
【0074】
通知制御部は、各種情報を通知するように通知部45を制御する。例えば、通知制御部は、第2カートリッジ30の交換タイミングの検出に応じて、第2カートリッジ30の交換を促す通知を行うように通知部45を制御する。通知制御部は、第2カートリッジ30の交換を促す通知に限らず、第1カートリッジ20の交換を促す通知、電源12の交換を促す通知、電源12の充電を促す通知等を行わせてもよい。
【0075】
電力制御部は、吸気センサ15から出力されたエアロゾルの生成要求を示す信号に応じて、電源12から第一負荷21及び第二負荷31のうちの少なくとも第一負荷21への放電(負荷の加熱に必要な放電)を制御する。
【0076】
図7に示す回路例の場合、電力制御部は、開閉器SW2、開閉器SW3、及び開閉器SW4を遮断状態に制御し、開閉器SW1を導通状態に制御することで、電源12から第一負荷21へエアロゾル源22を霧化するための放電を行う。また、電力制御部は、開閉器SW1、開閉器SW2、及び開閉器SW4を遮断状態に制御し、開閉器SW3を導通状態に制御することで、電源12から第二負荷31へ香味源33を加熱するための放電を行う。
【0077】
図8に示す回路例の場合、電力制御部は、開閉器SW2及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW1を導通状態に制御することで、電源12から第一負荷21へエアロゾル源22を霧化するための放電を行う。また、電力制御部は、開閉器SW1及び開閉器SW2を遮断状態に制御し、開閉器SW3を導通状態に制御することで、電源12から第二負荷31へ香味源33を加熱するための放電を行う。
【0078】
このように、エアロゾル吸引器1では、第二負荷31への放電によって香味源33の加熱が可能となっている。このため、第一負荷21に放電する電力が同じであれば、香味源33を加熱することによって、香味源33を加熱しない場合よりも、エアロゾルに付加される香味成分量を多くすることができる。
【0079】
ユーザによる1回の吸引動作によって、第1カートリッジ20にて生成されて香味源33を通過するエアロゾルの重量[mg]をエアロゾル重量W
aerosolと記載する。このエアロゾルの生成のために第一負荷21に供給が必要な電力を霧化電力P
liquidと記載する。このエアロゾルの生成のために霧化電力P
liquidが第一負荷21へ供給された時間を供給時間t
senseと記載する。この供給時間t
senseは、1回の吸引あたり、上述した第一既定値t
upperが上限値とされる。香味源33に含まれている香味成分の重量[mg]を香味成分残量W
capsuleと記載する。香味源33の温度に関する情報を温度パラメータT
capsuleと記載する。ユーザによる1回の吸引動作によって、香味源33を通過するエアロゾルに付加される香味成分の重量[mg]を香味成分量W
flavorと記載する。香味源33の温度に関する情報とは、具体的には、温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得される香味源33や第二負荷31の温度である。
【0080】
香味成分量W
flavorは、香味成分残量W
capsule、温度パラメータT
capsule、及びエアロゾル重量W
aerosolに依存することが実験的にわかっている。したがって、香味成分量W
flavorは、以下の式(1)によりモデル化することができる。
【0081】
W
flavor = β × (W
capsule × T
capsule) × γ × W
aerosol・・(1)
【0082】
式(1)のβは、1回の吸引において、香味源33に含まれている香味成分のうちのどの程度の量がエアロゾルに付加されるかの割合を示す係数であり、実験的に求められる。式(1)のγは、実験的に求められる係数である。1回の吸引が行われる期間において、温度パラメータT
capsuleと香味成分残量W
capsuleはそれぞれ変動し得るが、このモデルでは、これらを一定値として取り扱うために、γを導入している。
【0083】
なお、香味成分残量W
capsuleは、吸引が行われる毎に減少する。このため、香味成分残量W
capsuleは、吸引が行われた回数(換言すると、エアロゾルの生成要求に応じた、エアロゾル生成のための第一負荷21への放電動作の累積回数)である吸引回数に反比例する。また、香味成分残量W
capsuleは、吸引に応じてエアロゾル生成のために第一負荷21への放電が行われた時間、が長いほど多く減少する。このため、香味成分残量W
capsuleは、吸引に応じてエアロゾル生成のために第一負荷21への放電が行われた時間の累積値(以下、累積放電時間と記載)にも反比例する。
【0084】
式(1)のモデルから分かるように、吸引毎のエアロゾル量W
aerosolをほぼ一定に制御することを想定すると、香味成分量W
flavorを安定化させるためには、香味成分残量W
capsuleの減少(換言すると、吸引回数又は累積放電時間の増加)に合わせて、香味源33の温度を上げる必要がある。
【0085】
そこで、MCU50の電力制御部は、吸引回数又は累積放電時間に基づいて、香味源33の目標温度(以下に記載する目標温度T
cap_target)を増加させる。そして、MCU50の電力制御部は、温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づき、香味源33の温度が目標温度へ収束するように、電源12から第二負荷31への香味源33の加熱のための放電を制御する。これにより、香味成分量W
flavorを多く且つ安定化させることが可能である。具体的には、MCU50の電力制御部は、メモリ50aに予め記憶されたテーブルにしたがって目標温度を管理する。このテーブルは、吸引回数又は累積放電時間と、香味源33の目標温度とを対応付けて記憶するものである。
【0086】
MCU50は、電源12に蓄えられた電力の消費量のピーク値である最大電力消費量が異なる複数の動作モードにて電源ユニット10を動作させる。複数の動作モードには、最大電力消費量が第一電力消費量となる起動モード(第一モード)と、最大電力消費量が第一電力消費量よりも少ないスリープモード(第二モード)と、が少なくとも含まれる。
【0087】
スリープモードは、電源ユニット10が起動している状態において最大電力消費量が最も少ないモードである。MCU50は、例えば、電源ユニット10の電源ON中に動作させるハードウエアの数を変更することにより、最大電力消費量を増減させて動作モードを変更する。例えば、スリープモードにおいては、MCU50は、自身以外のハードウエアを全て停止させ、且つ、自身における操作部14の操作を検出する機能以外の機能を無効として、最大電力消費量を最小に制御する。また、起動モードにおいては、MCU50は、全てのハードウエアを必要に応じて動作させる。
【0088】
MCU50は、起動モードにおいて、エアロゾル生成要求を示す信号の取得されない期間(以下、非吸引時間と記載)が予め決められたスリープ移行時間を超える場合には、スリープモードにて電源ユニット10を動作させる。MCU50は、スリープ移行時間を単一の固定値とするのではなく、電源ユニット10の状態に関する変数に基づいてスリープ移行時間を可変制御することで、適切なタイミングにてスリープモードに移行させることを可能にしてもよい。
【0089】
図9は、香味成分量W
flavorが目標量に収束するように香味源33の目標温度を演算した結果の一例と、この結果に基づいて香味源33の加熱のために第二負荷31への放電制御を行った場合の香味成分量W
flavorの測定結果の一例と、を示す図である。
図9は、1回の吸引あたりの時間を2.4秒として累計で120回の吸引が行われる場合の結果を示している。
【0090】
図9の横軸は、吸引回数を示す。
図9の右側の縦軸は、香味源33の目標温度を示す。
図9の左側の縦軸は、1回の吸引によってエアロゾルに付加される香味成分量を示す。
図9では、N回目(Nは5の倍数)目の各吸引が行われたときの香味成分量を実験結果としてプロットしている。
図9に示す太い実線が、目標温度の演算結果を示す。なお、
図9の横軸は、吸引回数に2.4秒を乗じることで、累積放電時間に置換できる。
【0091】
図9に示した目標温度のプロファイルによれば、80回付近の吸引までは、吸引毎の香味成分量を、ほぼ目標量にすることができる。これにより、2.4秒といった標準的な吸引を繰り返すユーザであっても、80回の吸引まで多くの香味成分量を提供できる。また、80回を超えても、香味源の加熱を行わないよりは、多くの香味成分量を提供することができる。
【0092】
(エアロゾル吸引器の動作)
図10及び
図11は、
図1のエアロゾル吸引器1の動作を説明するためのフローチャートである。操作部14の操作等によってエアロゾル吸引器1の電源がONされると(ステップS0:YES)、MCU50は、起動モードにて電源ユニット10を動作させる(ステップS20)。そして、MCU50は、メモリ50aに記憶している吸引回数又は累積放電時間に基づいて、香味源33の目標温度T
cap_targetを決定(設定)する(ステップS1)。
【0093】
次に、MCU50は、現時点での香味源33の温度T
cap_senseを温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得する(ステップS2)。
【0094】
次に、MCU50は、温度T
cap_senseと目標温度T
cap_targetに基づいて、香味源33を加熱するための第二負荷31への放電を制御する(ステップS3)。具体的には、MCU50は、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_targetに収束するように、PID(Proportional−Integral−Differential )制御、又は、ON/OFF制御によって第二負荷31へ電力供給を行う。
【0095】
PID制御は、温度T
cap_senseと目標温度T
cap_targetの差をフィードバックし、そのフィードバック結果に基づいて、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_targetに収束するよう電力制御を行うものである。PID制御によれば、温度T
cap_senseを目標温度T
cap_targetに高精度に収束させることができる。なお、MCU50は、PID制御に代えてP(Proportional)制御やPI(Proportional−Integral)制御を用いてもよい。
【0096】
ON/OFF制御は、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_target未満の状態では第二負荷31への電力供給を行い、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_target以上の状態では、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_target未満になるまで第二負荷31への電力供給を停止する制御である。ON/OFF制御によれば、PID制御よりも香味源33の温度を早く上昇させることができる。このため、後述のエアロゾルの生成要求が検知される前の段階にて、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_targetに到達する可能性を高めることができる。なお、目標温度T
cap_targetは、ヒステリシスを有していてもよい。
【0097】
ステップS3の後、MCU50は、エアロゾルの生成要求の有無を判定する(ステップS4)。MCU50は、エアロゾルの生成要求を検知すると(ステップS4:YES)、香味源33の加熱のための第二負荷31への放電を終了し、その時点での香味源33の温度T
cap_senseを温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得する(ステップS8)。そして、MCU50は、ステップS8にて取得した温度T
cap_senseが目標温度T
cap_target以上かを否かを判定する(ステップS9)。
【0098】
温度T
cap_senseが目標温度T
cap_target以上である場合(ステップS9:YES)には、MCU50は、予め決められた霧化電力P
liquidを第一負荷21に供給して、第一負荷21の加熱(エアロゾル源22を霧化するための加熱)を開始する(ステップS10)。ステップS10での第一負荷21の加熱開始後、MCU50は、エアロゾルの生成要求が終了されていない場合(ステップS11:NO)には加熱を継続し、エアロゾルの生成要求が終了された場合(ステップS11:YES)には、第一負荷21への電力供給を停止する(ステップS14)。
【0099】
温度T
cap_senseが目標温度T
cap_target未満である場合(ステップS9:NO)には、MCU50は、霧化電力P
liquidを所定量増加した電力を第一負荷21に供給して、第一負荷21の加熱を開始する(ステップS12)。ここでの電力の増加は、例えば、温度T
cap_senseと目標温度T
cap_targetの温度差と、電力増加量とを対応付けたテーブルにしたがって行う。ステップS12での第一負荷21の加熱開始後、MCU50は、エアロゾルの生成要求が終了されていない場合(ステップS13:NO)には加熱を継続し、エアロゾルの生成要求が終了された場合(ステップS13:YES)には、第一負荷21への電力供給を停止する(ステップS14)。
【0100】
このように、エアロゾルの生成要求がなされた時点にて、香味源33の温度が目標温度に到達していない場合であっても、ステップS12の処理が行われることで、生成されるエアロゾル量を増やすことができる。この結果、香味源33の温度が目標温度よりも低いことに起因するエアロゾルに付加される香味成分量の減少を、エアロゾル量の増加によって補うことが可能となる。したがって、エアロゾルに付加される香味成分量を目標量に収束させることができる。
【0101】
ステップS14の後、MCU50は、メモリ50aに記憶している吸引回数又は累積放電時間を更新する(ステップS15)。
【0102】
次に、MCU50は、更新後の吸引回数又は累積放電時間が閾値を超えるか否かを判定する(ステップS16)。MCU50は、更新後の吸引回数又は累積放電時間が閾値以下の場合(ステップS16:NO)には、ステップS19に処理を移行する。MCU50は、更新後の吸引回数又は累積放電時間が閾値を超える場合(ステップS16:YES)には、第2カートリッジ30の交換を促す通知を通知部45に行わせる(ステップS17)。そして、MCU50は、吸引回数又は累積放電時間を初期値(=0)にリセットし、目標温度T
cap_targetを初期化する(ステップS18)。目標温度T
cap_targetの初期化とは、メモリ50aに記憶しているその時点での目標温度T
cap_targetを設定値から除外することを意味する。
【0103】
ステップS18の後、MCU50は、電源がオフされなければ(ステップS19:NO)、ステップS1に処理を戻し、電源がオフされたら(ステップS19:YES)、処理を終了する。
【0104】
ステップS4において、MCU50は、エアロゾルの生成要求を検出しなかった場合(ステップS4:NO)には、電源ユニット10の状態に関する変数を取得し(ステップS21)、この変数に基づいてスリープ移行時間を設定する(ステップS22)。更に、MCU50は、ステップS5にて、エアロゾルの生成要求が行われていない期間の長さ(非吸引時間)を判定する。MCU50は、非吸引時間がステップS22にて設定したスリープ移行時間を超えた場合(ステップS5:YES)には、第二負荷31への放電を終了して(ステップS6)、電源ユニット10をスリープモードにて動作させる(ステップS7)。MCU50は、非吸引時間がスリープ移行時間以下であった場合(ステップS5:NO)には、ステップS2に処理を移行する。
【0105】
ステップS7の後、MCU50は、操作部14の操作の有無を監視し、操作が有った場合(ステップS23:YES)には、電源ユニット10の動作モードを起動モードに復帰させて(ステップS24)、ステップS1に処理を移行する。
【0106】
ステップS22におけるスリープ移行時間の設定方法としては、例えば次の3つがある。
【0107】
(第一設定方法)
この方法では、電源ユニット10の状態に関する変数として、電源12の状態を示す変数Pbを用いる。変数Pbは、例えば、電源12の電圧又は電源12の残量を示すSOC(State of charge)等である。以降では、変数Pbが大きいほど電源12が放電可能な電力量が多いものとして説明する。スリープ移行時間の最大値は予め決められており、この最大値を以下では既定時間TM1と記載する。
【0108】
MCU50は、変数Pbに基づいて、既定時間TM1から減算する第1の値(減算量)を決定し、既定時間TM1からこの決定した値を減らした分の時間をスリープ移行時間として設定する。
【0109】
MCU50は、例えば、
図12に示すように、変数Pbが閾値TH1を超えている状態では、減算量を0とし、既定時間TM1をそのままスリープ移行時間として設定する。MCU50は、変数Pbが閾値TH1以下の状態では、減算量を値AM1とし、既定時間TM1から値AM1を減らした分の時間をスリープ移行時間として設定する。
【0110】
なお、変数Pbが小さくなるほど、減算量を増やすようにし、変数Pbの大きさに応じて複数段階に既定時間TM1を最大で値AM1分まで減らして、スリープ移行時間が、変数Pbの減少に応じて短くなるようにしてもよい。
【0111】
この方法では、電源12の電圧が低い又は残量が少ない場合には、電源12の電圧が高い又は残量が多い場合と比較して、スリープモードに移行するまでの時間が短縮される。換言すれば、MCU50は、電源12の電圧が低い又は残量が少ない場合には、既定時間TM1(スリープ移行時間の最大値)が経過する前のタイミングで、電源ユニット10をスリープモードに移行させる。このように、電源12の電圧が低い又は残量が少ない場合において、スリープモードに移行するまで時間が短くなることで、より早い段階でスリープモードに移行させることができ、電力消費を減らすことができる。
【0112】
(第二設定方法)
この方法では、電源ユニット10の状態に関する変数として、第二負荷31へ放電する電力量と相関のあるパラメータである変数Ptを用いる。変数Ptは、ステップS1にて決定された目標温度T
cap_targetである。目標温度T
cap_targetが高いほど、香味源33の温度を目標温度T
cap_targetに維持するために必要な電力消費は多くなる。したがって、目標温度T
cap_targetが高いほど、スリープモードに移行するまでの時間を短くすることで、香味源33の温度を目標温度に維持するために多くの電力が消費されるのを抑制することができる。
【0113】
具体的には、MCU50は、変数Ptに基づいて、既定時間TM1から減算する第2の値(減算量)を決定し、既定時間TM1からこの決定した値を減らした分の時間をスリープ移行時間として設定する。
【0114】
MCU50は、例えば、
図13に示すように、変数Pt以下の状態では、減算量を0とし、既定時間TM1をそのままスリープ移行時間として設定する。MCU50は、変数Ptが閾値TH2を超えている状態では、減算量を値AM2とし、既定時間TM1から値AM2を減らした分の時間をスリープ移行時間として設定する。
【0115】
なお、変数Ptが大きくなるほど、減算量を増やすようにし、変数Ptの大きさに応じて複数段階的に既定時間TM1を最大で値AM2まで減らして、スリープ移行時間が、変数Ptの増加に応じて短くなるようにしてもよい。
【0116】
また、第二設定方法では、変数Ptとして、目標温度T
cap_targetの代わりに、目標温度T
cap_targetと外気温(電源ユニット10の周囲温度)との温度差を用いてもよい。外気温は、MCU50に内蔵された温度センサ又は吸気センサ15に含まれる温度センサ等によって取得可能である。
【0117】
目標温度T
cap_targetが外気温に近い状態であれば、香味源33の温度を目標温度T
cap_targetに維持するために必要な電力消費は少なくてすむ。一方、目標温度T
cap_targetが外気温よりも十分に高い状態では、香味源33の温度を目標温度T
cap_targetに維持するために必要な電力消費は多くなる。したがって、この温度差が大きいほど、上記の減算量を大きくして、スリープモードに移行するまでの時間を短くすることで、香味源33の温度を目標温度に維持するために多くの電力が消費されるのを抑制することができる。
【0118】
また、逆の考え方もある。目標温度T
cap_targetが外気温に近い状態であれば、スリープモードに移行してから起動モードに復帰した後に、香味源33の温度を目標温度T
cap_targetに収束させるために必要な電力消費は少なくてすむ。そのため、この温度差が大きいほど、上記の減算量を小さくして、スリープモードに移行するまでの時間を長くすることで、スリープモードから起動モードに復帰した後に、香味源33の温度を目標温度に高速に収束させることができるようになる。
【0119】
これらの方法では、MCU50は、変数Ptに基づき、既定時間TM1(スリープ移行時間の最大値)が経過する前のタイミングで、電源ユニット10をスリープモードに移行させることができるようになる。
【0120】
(第三設定方法)
MCU50は、前述した変数Pb及び変数Ptに基づいて、スリープ移行時間を設定する。具体的には、MCU50は、変数Pbに基づいて既定時間TM1から減算する第1の値(第一減算量)を決定し、変数Ptに基づいて既定時間TM1から減算する第2の値(第二減算量)を決定し、既定時間TM1から第一減算量及び第二減算量を減らした分の時間をスリープ移行時間として設定する。
【0121】
この場合、第一減算量の最大値(
図12の値AM1)と、第二減算量の最大値(
図13の値AM2)の和が、既定時間TM1未満となるように各最大値を決めておくことが好ましい。このようにすれば、スリープ移行時間(既定時間TM1と、第一減算量及び第二減算量の和と、の差)は、変数の値に拠らず、”0“より大きな値を有する。このため、極端に早い時間でスリープモードに移行することがなくなり、エアロゾル吸引器1の使い勝手を向上させることができる。
【0122】
また、この方法によれば、スリープモードへ移行させるタイミングを、複数の変数で個別に調整できる。このため、複数の変数を用いた場合でも競合を回避しつつ、スリープモードへ移行させるタイミングを適切に管理することができる。
【0123】
以上のように、エアロゾル吸引器1によれば、エアロゾルの生成要求がなされない状態が既定時間TM1を超えて継続していない場合であっても、スリープモードに移行できるため、電力消費を低減することが可能となる。したがって、エアロゾルの生成要求がなされた場合にはより多くの電力を第一負荷21や第二負荷31へ放電することができる。この結果、十分な量のエアロゾルや香味成分をユーザに提供可能となり、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
【0124】
(実施形態の変形例)
以上の説明では、MCU50がスリープ移行時間を可変制御するものとしたが、本変形例では、スリープ移行時間を単一の値(後述する一例の“6分”)としている。また、MCU50は、電源ユニット10を、起動モードよりも最大消費電力量が少なく且つスリープモードよりも最大消費電力量が多い省電力モード(第三モード)と、起動モードと、スリープモードの動作モードのいずれかによって電源ユニット10を動作させる。
【0125】
具体的には、MCU50は、電源オン後は起動モードによって電源ユニット10を動作させる。そして、MCU50は、起動モードの状態において、非吸引時間がスリープ移行時間を超えるよりも前のタイミングにて、電源ユニット10を省電力モードにて動作させる。MCU50は、非吸引時間が更に継続されてスリープ移行時間を超えた場合には、電源ユニット10をスリープモードにて動作させる。以下、変形例のエアロゾル吸引器1の動作の詳細を説明する。以下では、省電力モードが、第一省電力モードと、第一省電力モードよりも最大消費電力量の少ない第二省電力モードと、により構成される例を説明する。
【0126】
図14及び
図15は、
図1のエアロゾル吸引器1の動作の変形例を説明するためのフローチャートである。
図14及び
図15において、
図10及び
図11と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。以下に説明するスリープ移行時間(=6分)及びこれと比較する閾値(1分、3分)は一例であり、これに限定されるものではない。
【0127】
ステップS4の判定がNOであった場合、MCU50は、非吸引時間がスリープ移行時間(=6分)よりも小さい第一閾値(=1分)を超えるか否かを判定する(ステップS31)。非吸引時間が1分以下であった場合(ステップS31:NO)には、MCU50は、ステップS2に処理を戻す。
【0128】
非吸引時間が1分を超えた場合(ステップS31:YES)には、MCU50は、非吸引時間が6分を超えるか否かを判定する(ステップS32)。非吸引時間が6分を超えていた場合(ステップS32:YES)には、MCU50は、ステップS6以降の処理を行う。
【0129】
非吸引時間が6分以下であった場合(ステップS32:NO)には、MCU50は、非吸引時間が6分より小さく且つ第一閾値よりも大きい第二閾値(=3分)以下となるか否かを判定する(ステップS33)。
【0130】
非吸引時間が3分以下であった場合(ステップS33:YES)には、MCU50は、復帰フラグF1がTRUEであるか否かを判定する(ステップS34)。
【0131】
復帰フラグF1は、電源ユニット10の動作モードが第一省電力モードであるか否かを判定するために用いられるフラグである。復帰フラグF1がTRUEの状態は、電源ユニット10が第一省電力モードにて動作していることを意味する。復帰フラグF1がFALSEの状態は、電源ユニット10が第一省電力モード以外の動作モードにて動作していることを意味する。
【0132】
MCU50は、復帰フラグF1がFALSEであった場合(ステップS34:NO)には、ステップS1にて決定した目標温度T
cap_targetを減らし(ステップS35)、復帰フラグF1をTRUEに設定し(ステップS36)、ステップS2に処理を戻す。MCU50は、復帰フラグF1がTRUEであった場合(ステップS34:YES)には、ステップS35及びステップS36の処理を省略し、ステップS2に処理を戻す。
【0133】
ステップS35の処理により、香味源33の加熱のために第二負荷31へ放電される電力は、この処理が行われる前よりも少なくなる。つまり、ステップS35の処理が行われることによって、電源ユニット10の動作モードは、起動モードから、この起動モードよりも最大消費電力量の少ない第一省電力モードへと移行する。したがって、ステップS36において、復帰フラグF1が、第一省電力モードにて動作中であることを示すTRUEに設定される。
【0134】
非吸引時間が3分を超えた場合(ステップS33:NO)には、MCU50は、香味源33の加熱のための第二負荷31への放電を終了して(ステップS37)、復帰フラグF2をTRUEに設定し(ステップS38)、ステップS4に処理を戻す。
【0135】
復帰フラグF2は、電源ユニット10の動作モードが第二省電力モードであるかを判断するために用いられるフラグである。復帰フラグF2がTRUEの状態は、電源ユニット10が第二省電力モードにて動作していることを意味する。復帰フラグF2がFALSEの状態は、電源ユニット10が第二省電力モード以外の動作モードにて動作していることを意味する。
【0136】
ステップS33の判定がNOとなった場合には、ステップS37の処理が行われて第二負荷31への放電が停止される。このため、電源ユニット10の最大消費電力量は、第二負荷31への放電が可能とされる起動モードと第一省電力モードよりも少ない状態となる。つまり、ステップS33の判定がNOとなった場合には、MCU50は、電源ユニット10を第二省電力モードにて動作させることになる。したがって、ステップS38において、復帰フラグF2が、第二省電力モードにて動作中であることを示すTRUEに設定される。
【0137】
このように、非吸引時間が1分以下の状態においては、電源ユニット10は起動モードにて動作する。この状態から非吸引時間が増加して1分より大きく且つ3分以下の状態になると、電源ユニット10は起動モードよりも最大消費電力量の少ない第一省電力モードにて動作する。更に、この状態から非吸引時間が増加して3分を超えた状態になると、電源ユニット10は第一省電力モードよりも最大消費電力量の少ない第二省電力モードにて動作する。そして、更に非吸引時間が増加して6分を超えると、電源ユニット10はスリープモードにて動作する。
【0138】
ステップS35において、MCU50は、香味源33の目標温度を、5℃以上15℃以下の温度だけ減少させることが好ましい。香味源33の温度を目標温度に収束させるためには、目標温度の減少幅よりも細かい分解能にて香味源33の温度を取得する必要がある。目標温度の減少幅を5℃以上15℃以下の値とすることで、香味源33の温度の取得分解能を5℃以上とすることができる。このため、香味源33の温度取得のために必要なコストを下げることができる。
【0139】
また、ステップS35において、香味源33の目標温度は、香味源33の温度の取得分解能の5倍以上15倍以下の温度だけ減少させてもよい。香味源33の温度の取得分解能を1℃未満とすることはコストの増加を招来し得る。目標温度の減少幅を取得分解能の5倍以上15倍以下の値とすることで、香味源33の温度取得のために必要なコストを上げることなく、上述した目標温度の減少幅(5℃以上15℃以下の値)を達成可能である。
【0140】
MCU50は、ステップS33の判定がYESとなる場合には、非吸引時間の大きさに応じて、目標温度T
cap_targetの減少幅を変更してもよい。具体的には、MCU50は、非吸引時間が長いほど、減少幅を増やす。このようにすれば、第二省電力モードを更に細分化して電力消費量を段階的に低減させることができる。
【0141】
ステップS4の判定がYESであった場合、MCU50は、ステップS8の処理を行う。ステップS8の後、MCU50は、復帰フラグF1がTRUEか否かを判定する(ステップS41)。MCU50は、復帰フラグF1がTRUEであった場合(ステップS41:YES)には、第一省電力モードにて減少させていた目標温度T
cap_targetを、ステップS1にて決定した値に戻し、復帰フラグF1をFALSEに設定し(ステップS42)、ステップS43に処理を移行する。MCU50は、復帰フラグF1がFALSEであった場合(ステップS41:NO)には、ステップS43に処理を移行する。
【0142】
ステップS43において、MCU50は、復帰フラグF2がTRUEか否かを判定する(ステップS43)。MCU50は、復帰フラグF2がTRUEであった場合(ステップS43:YES)には、ステップS8にて取得した温度T
cap_senseと、ステップS1にて決定した目標温度T
cap_targetに基づいて、香味源33を加熱するための第二負荷31への放電を制御し(ステップS44)、ステップS10に処理を移行する。ステップS44において、MCU50は、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_targetに収束するように、PID制御(PD制御又はP制御)、或いは、ON/OFF制御によって第二負荷31へ電力供給を行う。
【0143】
ステップS43の判定がYESとなる場合は、エアロゾルの生成要求が行われる前の段階において、香味源33の加熱が停止されている状態である。この場合には、香味源33の温度が目標温度よりも低くなっている可能性がある。このため、ステップS44の処理を行うことで、所望の香味成分量をエアロゾルに付加することができる。
【0144】
MCU50は、復帰フラグF2がFALSEであった場合(ステップS43:NO)には、ステップS9において、ステップS8にて取得した温度T
cap_senseと、ステップS1にて決定した目標温度T
cap_targetを比較する。MCU50は、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_targ以上であれば(ステップS9:YES)、ステップS10の処理を行い、温度T
cap_senseが目標温度T
cap_targ未満であれば(ステップS9:NO)、ステップS12の処理を行う。
【0145】
なお、ステップS43の判定がYESとなってステップS44の処理が行われる場合には、エアロゾルを生成するための第一負荷21への放電と、香味源33の温度を目標温度に収束させるための第二負荷31への放電との両方を行う必要がある。
【0146】
この場合には、香味源33とエアロゾル源22の加熱が並行して行われるように、第一負荷21と第二負荷31に同時に放電が行われるようにするとよい。このようにすることで、所望の香味成分量を付加したエアロゾルを効率的に生成可能となる。
【0147】
また、この場合には、第一負荷21と第二負荷31に交互に放電が行われる(換言すると、第二負荷31への放電が停止されている期間に第一負荷21への放電を行い、第一負荷21への放電が停止されている期間に第二負荷31への放電を行う)ようにしてもよい。このようにすることで、電源12から大きな電流が放電されることによる電源12の劣化を抑制することができる。
【0148】
以上の変形例によれば、電源ユニット10の動作モードを、スリープモードに移行させる前に、起動モードよりも最大消費電力量の少ない省電力モードにて動作させることができる。このため、消費電力を削減することができる。特に、第二省電力モードでは第二負荷31への放電が停止されるため、消費電力を大幅に削減できる。また、第一省電力モードでは、起動モードよりも目標温度が低下する。このため、消費電力を削減しつつも、香味源33の加熱によって、エアロゾルに含まれる香味成分量の増加を実現できる。
【0149】
また、変形例によれば、第一省電力モードにおいて香味源33の目標温度が下がっても、エアロゾルを生成する際には、ステップS42において目標温度が上がる。このため、省電力のために目標温度を下げた場合でも、エアロゾルに含まれる香味成分量の低下を抑制できる。
【0150】
また、変形例によれば、復帰フラグF1がTRUE且つ復帰フラグF2がFALSEの状態にてエアロゾルの生成要求が検知された場合には、復帰フラグF1がFALSE且つ復帰フラグF2がFALSEの状態(すなわち起動モード)においてエアロゾルの生成要求が検知された場合と比較すると、第一省電力モードにおいて目標温度が低下されている影響で、ステップS9の判定がNOとなる。このため、第一省電力モードにおいてエアロゾルの生成要求が検知された場合には、エアロゾル生成のために電源12から第一負荷21へ放電される電力が、起動モードにおいてエアロゾルの生成要求が検知された場合にエアロゾル生成のために電源12から第一負荷21へ放電される電力に比して増加される。このため、省電力のために目標温度を下げた場合でも、エアロゾルに含まれる香味成分量の低下を抑制できる。
なお、復帰フラグF1がTRUE且つ復帰フラグF2がFALSEの状態にてエアロゾルの生成要求が検知された場合には、ステップS42にて目標温度を元に戻さずにそのまま維持してもよい。この場合には、香味源33の温度が所望の値よりも低い状態となっている。そのため、エアロゾルに付加される香味成分量が目標量となるように、第一負荷21に供給する電力を、起動モードにおいてエアロゾルの生成要求が検知された場合にエアロゾル生成のために電源12から第一負荷21へ放電させる電力に比して増加させればよい。
【0151】
また、変形例によれば、スリープモードに移行する前の状態においては、非吸引時間に応じて、最大消費電力量が、起動モード、第一省電力モード、第二省電力モードの順に低下される。このため、スリープモードへ移行させる前であっても、消費電力を削減することができる。
【0152】
なお、
図14において、ステップS33〜ステップS36を削除し、ステップS32の判定がNOの場合にステップS37の処理が行われてもよい。この場合には、
図15において、ステップS41及びステップS42を削除し、ステップS8の後に、ステップS43の処理が行われるようにすればよい。このようにした場合でも、スリープモードに移行する前の状態において、非吸引時間に応じて、最大消費電力量が、起動モード、第二省電力モードの順に低下される。このため、スリープモードへ移行させる前であっても、消費電力を削減することができる。
【0153】
または、
図14において、ステップS33、ステップS37、及びステップS38を削除し、ステップS32の判定がNOの場合にステップS34の処理が行われてもよい。この場合には、
図15において、ステップS43及びステップS44を削除し、ステップS41又はステップS42の後に、ステップS9の処理が行われるようにすればよい。このようにした場合でも、スリープモードに移行する前の状態において、非吸引時間に応じて、最大消費電力量が、起動モード、第一省電力モードの順に低下される。このため、スリープモードへ移行させる前であっても、消費電力を削減することができる。
【0154】
ここまでの実施形態と変形例においては、第一負荷21と第二負荷31は、電源12から放電される電力によって発熱するヒータとされているが、第一負荷21と第二負荷31は電源12から放電される電力によって発熱と冷却の双方が可能なペルチェ素子であってもよい。このように第一負荷21と第二負荷31を構成すれば、エアロゾル源22の温度と香味源33の温度に関する制御の自由度が広がるため、香味成分量をより高度に制御することができる。
また、第一負荷21を、超音波などによってエアロゾル源22を加熱することなくエアロゾル源22を霧化することのできる素子で構成してもよい。また、第二負荷31を、超音波などによって香味源33を加熱することなく、香味源33がエアロゾルに付加する香味成分量を変更できるような素子で構成してもよい。
第一負荷21に用いることができる素子は、上述したヒータ、ペルチェ素子、超音波素子に限られず、電源12から供給される電力を消費することでエアロゾル源22の霧化が可能な素子であればさまざまな素子又はその組合せを利用することができる。同様に、第二負荷31に用いることができる素子は、上述したヒータ、ペルチェ素子、超音波素子に限られず、電源12から供給される電力を消費することでエアロゾルに付加する香味成分量の変更が可能な素子であればさまざまな素子又はその組合せを利用することができる。
【0155】
以上の説明では、MCU50が、香味成分量W
flavorが目標量へ収束するように、電源12から第一負荷21及び第二負荷31への放電を制御するものとした。この目標量は、特定の1つの値に限らず、ある程度の幅を持たせた範囲としてもよい。
【0156】
以上の説明では、第二負荷31によって香味源33の加熱が可能な構成としているが、この構成は必須ではない。エアロゾル吸引器1が、第一負荷21のみによって、香味成分が付加されたエアロゾルを生成するものであってもよい。この場合でも、MCU50は、電源ユニット10の動作モードを起動モードからスリープモードに移行させるタイミングを可変とすることで、消費電力の低減が可能である。また、MCU50は、電源ユニット10の動作モードを起動モードからスリープモードに移行させる前に、少なくとも1つの省電力モードに移行させることで、消費電力の低減が可能である。
【0157】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0158】
(1)
エアロゾル生成源を加熱する負荷(第一負荷21と第二負荷31の少なくとも一方)へ放電可能な電源(電源12)と、エアロゾルの生成要求を示す信号を出力する第一センサ(吸気センサ15)と、前記第一センサから前記信号を取得可能な処理装置(MCU50)と、を有するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記処理装置は、最大電力消費量が第一電力消費量となる第一モード(起動モード)と、最大電力消費量が前記第一電力消費量よりも少ない第二モード(スリープモード)とによって前記電源ユニットを動作させることが可能であり、前記第一モードにおいて前記信号の取得されない期間(非吸引時間)が所定時間(既定時間TM1)を超える場合には前記第二モードにて前記電源ユニットを動作させ、
更に、前記処理装置は、前記第一モードにおいて前記期間が前記所定時間を超えるよりも前のタイミングにて、最大電力消費量が前記第一電力消費量未満となるように前記電源ユニットを動作させることが可能に構成される電源ユニット。
【0159】
(1)によれば、エアロゾルの生成要求がなされない状態が所定時間を超えて継続していない場合であっても、電力消費を低減することが可能となる。このため、エアロゾルの生成要求がなされた場合にはより多くの電力を負荷へ放電することができる。この結果、十分な量のエアロゾルをユーザに提供可能となり、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
【0160】
(2)
(1)記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記タイミングにて前記電源ユニットを前記第二モードにて動作させることが可能に構成され、前記電源ユニットの状態に関する変数に基づいて、前記電源ユニットを前記第二モードに移行させるタイミングを決定する電源ユニット。
【0161】
(2)によれば、電源ユニットの状態に応じて適切なタイミングで第二モードへ移行できる。このため、電源ユニットの状態に拠らず一律のタイミングで第二モードへ移行させる場合に比べて、エアロゾル吸引器の電費を向上させることができる。
【0162】
(3)
(2)記載の電源ユニットであって、
前記変数は、前記電源の電圧、又は、前記電源の残量(SOC)である電源ユニット。
【0163】
(3)によれば、電源の状態に基づいて、第二モードへ移行するタイミングが決定される。例えば、電源の電圧が低い又は電源の残量が少ない状態では、電源の電圧が高い又は電源の残量が多い状態よりも、第二モードへ移行するタイミングを早めることで、電源の残量が低い時において、第二モードへ移行させるまでに消費する電力を削減することが可能となる。
【0164】
(4)
(2)記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル生成源は、エアロゾル源(エアロゾル源22)から生成されるエアロゾルに香味成分を付加する香味源(香味源33)を含み、
前記負荷は、前記香味源を加熱可能であり、
前記処理装置は、前記香味源の温度が複数の値のいずれか1つの目標温度へ収束するように前記電源から前記負荷への放電を制御し、
前記変数は、前記目標温度である電源ユニット。
【0165】
(4)によれば、香味源の目標温度に基づいて第二モードへ移行させるタイミングが決定される。例えば、目標温度が高い状態では、目標温度が低い状態と比べて、香味源の温度を目標温度に維持するために必要な電力が多くなり得る。したがって、例えば、目標温度が高い状態では、目標温度が低い状態よりも、第二モードへ移行するタイミングを早めることで、香味源の温度を目標温度に維持するために多くの電力を消費するのを抑制できる。
【0166】
(5)
(2)記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル生成源は、エアロゾル源(エアロゾル源22)から生成されるエアロゾルに香味成分を付加する香味源(香味源33)を含み、
前記負荷は、前記香味源を加熱可能であり、
前記処理装置は、前記香味源の温度が複数の値のいずれか1つの目標温度へ収束するように前記電源から前記負荷への放電を制御し、
前記変数は、前記目標温度と前記電源ユニットの周囲温度との差である電源ユニット。
【0167】
(5)によれば、目標温度と周囲温度の差に基づいて第二モードへ移行させるタイミングが変更される。例えば、目標温度と周囲温度の差が大きい状態では、この差が小さい状態と比べて、香味源の温度を目標温度に維持するために必要な電力が多くなり得る。したがって、例えば、この差が大きい状態では、この差が小さい状態よりも、第二モードへ移行するタイミングを早めることで、香味源の温度を目標温度に維持するために多くの電力を消費するのを抑制できる。
【0168】
(6)
(2)記載の電源ユニットであって、
前記変数は、第1変数(変数Pb)と前記第1変数とは物理量が異なる第2変数(変数Pt)とを含み、
前記処理装置は、
前記第1変数に基づき、第1の値を設定し、
前記第2変数に基づき、第2の値を設定し、
前記期間が、前記所定時間と、前記第1の値と前記第2の値の和との差を超える場合に、前記電源ユニットを前記第二モードに移行させる電源ユニット。
【0169】
(6)によれば、第二モードへ移行させるタイミングを、複数の変数で個別に調整できる。このため、複数の変数を用いた場合でも競合を回避しつつ、第二モードへ移行させるタイミングを適切に管理することができる。
【0170】
(7)
(6)記載の電源ユニットであって、
前記第1の値の最大値(値AM1)と前記第2の値の最大値(値AM2)の和は、前記所定時間未満である電源ユニット。
【0171】
(7)によれば、所定時間と、第1の値と第2の値の和と、の差は、変数の値に拠らず、”0“より大きな値を有する。このため、極端に早い時間で第二モードへ移行されるのを防ぐことができ、使い勝手を向上させることができる。
【0172】
(8)
(1)記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、
最大電力消費量が前記第一電力消費量より少なく且つ前記第二モードより多い第三モード(省電力モード(第一省電力モード、第二省電力モード))によって前記電源ユニットを動作させることが可能であり、
前記第一モードにおいて、前記期間が前記所定時間(既定時間TM1)を超えるよりも前のタイミングにて、前記第三モードへ移行させる電源ユニット。
【0173】
(8)によれば、第二モードに移行する前の第三モードを有するため、第二モードへ移行させる前に消費電力を削減することができる。
【0174】
(9)
(8)記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル生成源は、エアロゾル源(エアロゾル源22)から生成されるエアロゾルに香味成分を付加する香味源(香味源33)を含み、
前記負荷は、前記香味源を加熱可能であり、
前記処理装置は、前記香味源の温度が目標温度へ収束するように前記電源から前記負荷への放電を制御し、
前記第三モード(第一省電力モード)においては、前記目標温度を前記第一モードよりも低下させる電源ユニット。
【0175】
(9)によれば、第三モードでは第一モードよりも目標温度が下がる。このため、消費電力を削減しつつも、香味源の加熱によって、エアロゾルに含まれる香味成分量の増加を実現できる。
【0176】
(10)
(9)記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記第三モード(第一省電力モード)において前記信号を取得した場合には、前記目標温度を増加させる電源ユニット。
【0177】
(10)によれば、第三モードで香味源の目標温度が下がっても、エアロゾルを生成する際には目標温度が上がる。このため、省電力のために目標温度を下げた場合でも、エアロゾルに含まれる香味成分量の低下を抑制できる。
【0178】
(11)
(10)記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル生成源は、前記エアロゾル源を含み、
前記負荷は、前記エアロゾル源を加熱可能であり、
前記処理装置は、前記第三モード(第一省電力モード)において前記信号を取得した場合には、前記電源から前記負荷へ放電する電力を、前記第三モードへ移行させずに前記第一モードにおいて前記信号を取得した場合に前記電源から前記負荷へ放電する電力に比して増加させる電源ユニット。
【0179】
(11)によれば、第三モードにおいて香味源の目標温度が下がった場合でも、エアロゾルを生成する際には負荷へ供給する電力が上がる。このため、省電力のために目標温度を下げた場合でも、エアロゾルに含まれる香味成分量の低下を抑制できる。
【0180】
(12)
(9)記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル生成源は、前記エアロゾル源を含み、
前記負荷は、前記エアロゾル源を加熱可能であり、
前記処理装置は、前記第三モード(第一省電力モード)において前記信号を取得した場合には、前記電源から前記負荷へ前記エアロゾル源を加熱するために放電する電力を、前記第三モードへ移行させずに前記第一モードにおいて前記信号を取得した場合に前記電源から前記負荷へ前記エアロゾルを加熱するために放電する電力に比して増加させる電源ユニット。
【0181】
(12)によれば、第三モードにおいて香味源の目標温度が下がった場合でも、エアロゾルを生成する際には負荷へ供給する電力が上がる。このため、省電力のために目標温度を下げた場合でも、エアロゾルに含まれる香味成分量の低下を抑制できる。
【0182】
(13)
(8)記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル生成源は、エアロゾル源(エアロゾル源22)から生成されるエアロゾルに香味成分を付加する香味源(香味源33)を含み、
前記負荷は、前記香味源を加熱可能であり、
前記処理装置は、前記第三モード(第二省電力モード)では、前記負荷による前記香味源の加熱を停止させる電源ユニット。
【0183】
(13)によれば、第三モードでは、負荷への放電を停止するため、消費電力を大幅に削減できる。
【0184】
(14)
(13)記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル生成源は、前記エアロゾル源を含み、
前記負荷は、前記エアロゾル源を加熱可能であり、
前記処理装置は、前記第三モード(第二省電力モード)において前記信号を取得した場合には、前記香味源と前記エアロゾル源の加熱が並行して行われるように、前記電源から前記負荷へ放電する電源ユニット。
【0185】
(14)によれば、第三モードで香味源の加熱が停止されても、エアロゾルを生成する際には香味源とエアロゾル源の両方が加熱される。このため、省電力のために香味源の加熱を停止した場合でも、エアロゾルに含まれる香味成分量の低下を抑制できる。
【0186】
(15)
(14)記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記第三モード(第二省電力モード)において前記信号を取得した場合には、前記エアロゾル源を加熱するための前記電源から前記負荷への放電と、前記香味源を加熱するための前記電源から前記負荷への放電を交互に行う電源ユニット。
【0187】
(15)によれば、香味源とエアロゾル源の加熱を同時に行うことが避けられる。このため、電源から大きな電流が放電されることによる電源の劣化を抑制することができる。
【0188】
(16)
(1)記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記第二モードに移行する前の状態においては、前記期間に応じて、最大消費電力量を低下させる電源ユニット。
【0189】
(16)によれば、信号の取得されない期間に応じて最大消費電力量が低下する。このため、第二モードへ移行させる前に、消費電力を削減することができる。
【0190】
(17)
エアロゾル生成源(エアロゾル源22、香味源33)を加熱する負荷へ放電可能な電源(電源12)と、エアロゾルの生成要求を示す信号を出力する第一センサ(吸気センサ15)と、前記第一センサから前記信号を取得可能な処理装置(MCU50)と、を有するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記処理装置は、最大電力消費量が第一電力消費量となる第一モード(起動モード)と、最大電力消費量が前記第一電力消費量よりも少ない第二モード(スリープモード)とによって前記電源ユニットを動作させることが可能であり、前記第一モードにおいて前記信号の取得されない期間(非吸引時間)が所定時間(スリープ移行時間)を超える場合には前記第二モードにて前記電源ユニットを動作させ、更に、前記所定時間を可変制御する電源ユニット。
【0191】
(17)によれば、第二モードに移行するタイミングが固定ではなくなる。このため、電源ユニットの状態に応じて適切なタイミングにて第二モードに移行することが可能になる。この結果、電力消費を低減することができ、エアロゾルの生成要求がなされた場合にはより多くの電力を負荷へ放電することができる。したがって、十分な量のエアロゾルをユーザに提供可能となり、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
【0192】
(18)
エアロゾル生成源(エアロゾル源22、香味源33)を加熱する負荷へ放電可能な電源(電源12)と、エアロゾルの生成要求を示す信号を出力する第一センサ(吸気センサ15)と、前記第一センサから前記信号を取得可能な処理装置(MCU50)と、を有するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記処理装置は、前記信号の取得されない期間の長さに応じて、最大消費電力量を低下させる電源ユニット。
【0193】
(18)によれば、信号の取得されない期間に応じて最大消費電力量が低下する。このため、消費電力を削減することができる。この結果、エアロゾルの生成要求がなされた場合にはより多くの電力を負荷へ放電することができる。したがって、十分な量のエアロゾルをユーザに提供可能となり、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
【0194】
(19)
エアロゾル源(エアロゾル源22)を霧化させることが可能な負荷へ放電可能な電源(電源12)と、エアロゾルの生成要求を示す信号を出力する第一センサ(吸気センサ15)と、前記第一センサから前記信号を取得可能な処理装置(MCU50)と、を有するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記処理装置は、最大電力消費量が第一電力消費量となる第一モード(起動モード)と、最大電力消費量が前記第一電力消費量よりも少ない第二モード(スリープモード)とによって前記電源ユニットを動作させることが可能であり、前記第一モードにおいて前記信号の取得されない期間(非吸引時間)が所定時間(スリープ移行時間)を超える場合には前記第二モードにて前記電源ユニットを動作させ、更に、前記所定時間を可変制御する電源ユニット。
【0195】
(19)によれば、第二モードに移行するタイミングが固定ではなくなる。このため、電源ユニットの状態に応じて適切なタイミングにて第二モードに移行することが可能になる。この結果、電力消費を低減することができ、エアロゾルの生成要求がなされた場合にはより多くの電力を負荷へ放電することができる。したがって、十分な量のエアロゾルをユーザに提供可能となり、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
【0196】
(20)
エアロゾル源(エアロゾル源22)を霧化させることが可能な負荷へ放電可能な電源(電源12)と、エアロゾルの生成要求を示す信号を出力する第一センサ(吸気センサ15)と、前記第一センサから前記信号を取得可能な処理装置(MCU50)と、を有するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記処理装置は、前記信号の取得されない期間の長さに応じて、最大消費電力量を低下させる電源ユニット。
【0197】
(20)によれば、信号の取得されない期間に応じて最大消費電力量が低下する。このため、消費電力を削減することができる。この結果、エアロゾルの生成要求がなされた場合にはより多くの電力を負荷へ放電することができる。したがって、十分な量のエアロゾルをユーザに提供可能となり、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
【0198】
(21)
(1)から(18)のいずれか1つに記載の電源ユニットと、
前記エアロゾル生成源と、
前記負荷と、を備えるエアロゾル吸引器。
【解決手段】電源ユニット10は、電源12と、エアロゾルの生成要求を示す信号を出力する吸気センサ15と、上記信号を取得可能なMCU50と、を有する。MCU50は、起動モードとスリープモードによって電源ユニット10を動作させることが可能であり、起動モードにおいて上記信号の取得されない期間が所定時間を超える場合にはスリープモードにて電源ユニット10を動作させ、上記所定時間を可変制御する。