(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
メータの目盛盤を撮像した撮像画像を含み、該撮像画像上で前記メータの目盛盤の基準位置の選択操作を受け付ける第1画面と、前記撮像画像上で前記目盛盤の複数の主目盛の位置の選択操作を、対応する数値と対応付けて受け付ける第2画面とを含む設定画面の画面情報を送信する送信部を備え、
前記第1受付部は、前記設定画面にて情報を受け付ける
請求項1に記載のメータ読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示のメータ読取装置及びこれを用いた検針システムについてその実施形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態におけるメータ検針システム100の概要を示す説明図である。メータ検針システム100は、複数のカメラデバイス1、ゲートウェイ装置2、サーバ装置3、及びクライアント装置4を含む。
【0021】
カメラデバイス1は、工場内の設備に設けられている複数のメータMに対して設けられている。ゲートウェイ装置2は工場内に設置されており、複数のカメラデバイス1と通信接続が可能である。カメラデバイス1とゲートウェイ装置2との間の通信接続は、例えば近距離無線通信により実現される。カメラデバイス1とゲートウェイ装置2との間は、有線によって通信接続が可能な構成としてもよい。
【0022】
カメラデバイス1は、メータMの目盛盤を撮像した撮像画像をゲートウェイ装置2へ通信により送信する。ゲートウェイ装置2は、複数のカメラデバイス1夫々から送信される撮像画像を、ネットワークNを介してサーバ装置3へ送信する。
【0023】
サーバ装置3は、ゲートウェイ装置2から送信された撮像画像に対して後述する処理を実行し、撮像画像に写っている1又は複数のメータMの指針の位置が示す状態を特定する。サーバ装置3はこれに加え、状態を特定するための設定情報をWebベースで受け付ける機能を発揮すると共に、特定した状態に基づいてメータMが設けられている工場の管理者へ警報を発報する機能を発揮する。なおサーバ装置3について本実施の形態では、説明を容易にするために1台のサーバコンピュータとして説明するが、1台のサーバコンピュータにて論理的に複数のインスタンスにより動作する仮想サーバにより実現される。また、複数のサーバコンピュータで機能又は処理を分散させるか、重畳させてもよい。
【0024】
ネットワークNは、公衆網N1、及びキャリアネットワークN2を含む。公衆網N1は所謂インターネットである。キャリアネットワークN2は、次世代又は次々世代高速携帯通信規格等の規格に基づく無線通信を実現する通信キャリアが提供するネットワークである。公衆網N1はアクセスポイントAPを含む。キャリアネットワークN2は基地局BSを含む。ゲートウェイ装置2は、アクセスポイントAP又は基地局BSにより、公衆網N1に接続されるサーバ装置3との間で情報の送受信が可能である。
【0025】
工場内の設備に取り付けられている多様なメータの内、デジタル出力機能を有するメータからは、例えば工場内のセンターコンソール等の制御装置に向けて測定結果を出力させ、制御装置で測定対象の状態の異常の有無等を判断することが容易である。これに対し、デジタル出力機能を有していないメータMについては従来、工場管理担当者が目視で異常の有無を確認するか、担当者が立ち入ることができない場所についてはカメラでメータの目盛盤を撮像してこれを担当者が遠隔から確認し、異常の有無を判断してきた。例えば、ダイヤフラム式の圧力計であるメータMについては、異常に高圧力となっていないか否かを担当者が1日に数回目視して確認するなどして、工場内設備の異常の有無を判断してきた。
【0026】
本実施の形態では、デジタル出力機能を有していないメータMに対してカメラデバイス1を取り付け、カメラデバイス1で撮像された撮像画像に基づくサーバ装置3のメータ読取装置としての機能によって、メータMで測定している状態を特定するメータ検針システム100を実現する。以下に示す処理内容により、サーバ装置3は高精度にメータMの指針が差す状態を特定することができる。これにより、既存のアナログ式のメータMにカメラデバイス1を設けてゲートウェイ装置2を工場内に設置する容易な手順で、担当者の1日に数回の目視の作業を省略することを実現する。
【0027】
図2A及び
図2Bは、カメラデバイス1の模式図である。
図2Aは模式斜視図、
図2Bは模式断面図である。カメラデバイス1は、基板10から延出された短冊状の延出基板10fの一面に撮像部11及び光源12を設け、基板10に通信部13及び制御部14を実装し、電池ボックス16を接続して構成される。なお光源12は、設置場所によっては不要な場合があるので着脱可能であることが好ましい。カメラデバイス1は、延出基板10fの撮像部11が実装されている面をメータMの目盛盤の視認用の窓に向けるようにして取り付けられる。カメラデバイス1は、アダプタ17によってメータMに対して位置決めされる。アダプタ17は、メータMの外径より大きい円形状の透明樹脂製カバー15及び該カバー15の一端に固定されたアダプタ17の本体を有している。アダプタ17の本体に電池ボックス16と共に基板10を固定し、カバー15をメータMの窓に被せ、図示しない取付ネジ又は取付金具で固定することで、カメラデバイス1がメータMに対して、
図2Bに示すように位置決めされる。カバー15は透明樹脂製であり、メータMの目盛盤に対向する撮像部11が実装された延出基板10fは短冊状であって撮像部11の大きさに対応する幅を有する程度の大きさでよいので、カメラデバイス1が取り付けられた状態でのメータMも視認が可能である。なおカメラデバイス1及びアダプタ17の構成はこれに限らないことは勿論である。
【0028】
撮像部11は、可視光又は赤外光の撮像素子及びメモリ等を含み、制御部14の制御信号に応じて撮像を実行する。光源12は例えばLED(Light Emitting Diode)を含み、制御部14の制御信号に応じて、撮像時に白色光又は赤外光を照射する。光源12については照度センサを用い、環境光によって十分に明るい場合には点灯しない等、環境光に応じた点灯とするようにしてもよい。通信部13はゲートウェイ装置2との通信接続を実現する。通信部13は例えばBluetooth(登録商標)、特に2.4GHzのBLE(Bluetooth Low Energy)等の近距離無線通信モジュールを含む。
【0029】
制御部14はプロセッサ及びメモリを含み、メモリに記憶されているプログラム及び設定情報に基づいて撮像部11による撮像実行、光源12の点灯及び消灯、並びに通信部13による送受信を制御する。メモリに記憶されている設定情報には、カメラデバイス1を他と識別するための識別情報が予め記憶されており、制御部14は、通信部13から撮像画像を送信する際に、メモリに記憶されている識別情報を対応付けて送信する。制御部14は、設定情報に含まれる周期に基づいて、又はゲートウェイ装置2からの指示に応じて撮像部11で撮像を実行し、撮像部11の内蔵メモリに一時保存される撮像画像を読み出し、通信部13に与えてゲートウェイ装置2へ送信させる。
【0030】
カメラデバイス1は撮像部11以外に他のセンサを備えてもよい。カメラデバイス1は例えば、温度センサ、湿度センサを備えてもよい。カメラデバイス1は例えば、自身の電池電圧、照度センサ等、撮像環境に関する情報を取得するセンサを備えてもよい。制御部14は撮像画像のメタデータ記述部分にこれらのセンサで測定された情報を含めて通信部13から撮像画像と共に送信することができる。
【0031】
図3は、メータ検針システム100の構成を示すブロック図である。ゲートウェイ装置2は、プロトコルが異なる第1通信部22及び第2通信部23を備えた所謂IoTゲートウェイと呼ばれる装置を用いる。ゲートウェイ装置2は、制御部20及び記憶部21を備える。制御部20はCPU及びクロック等を用いて予め記憶されたプログラム及び設定情報に基づいてカメラデバイス1から送信される撮像画像のサーバ装置3への送信処理を行なう。第1通信部22は、カメラデバイス1との通信用のBLE等の近距離無線通信モジュールを含む。第2通信部23は、ネットワークNに含まれるキャリアネットワークN2経由での通信を実現する次世代移動通信規格用の通信モジュールを含む。ゲートウェイ装置2はその他、イーサネット(登録商標)用のデバイス、無線LAN用の通信モジュールを備えてもよい。
【0032】
サーバ装置3は、サーバコンピュータを用いる。サーバ装置3は、制御部30、記憶部31、及び通信部32を備える。制御部30はCPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphical Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵する揮発性メモリ、クロック等を含む。制御部30は後述するように画像処理を実行するためGPU又は別途グラフィックカードを用いることが好ましい。制御部30は、記憶部31に記憶されているサーバプログラム30Pに基づいた各処理を実行し、汎用サーバコンピュータを後述するメータMの撮像画像に関する情報処理を行なう特定のメータ読取装置として機能させる。
【0033】
記憶部31は、ハードディスクを用いてサーバプログラム30Pのほか、制御部30が参照する情報を記憶する。記憶部31は、後述の撮像画像に対する処理の際に制御部30が参照するメータM毎の設定情報を、メータMの識別情報と対応付けて記憶する。記憶部31に記憶してあるサーバプログラム30Pは、通信部32により外部から取得して記憶したものであってよい。
【0034】
通信部32は、ネットワークカードを含む。制御部30は通信部32により、ネットワークNを介したクライアント装置4との間の情報の送受信が可能である。
【0035】
クライアント装置4は、制御部40、記憶部41、表示部42、操作部43、音声入出力部44、及び通信部45を備える。制御部40は、CPU、又はGPU等のプロセッサと、メモリ等を含む。制御部40は、プロセッサ、メモリ、記憶部41、及び通信部45を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部40は、記憶部41に記憶されているアプリプログラム40Pに基づき、汎用的なコンピュータを本実施の形態のメータ検針システム100のユーザ用のクライアント装置4として機能させる。
【0036】
記憶部41は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。記憶部41は、アプリプログラム40Pを記憶する。アプリプログラム40PはWebブラウザ機能を含むとよい。記憶部41に記憶してある汎用のWebブラウザプログラムが用いられてもよい。記憶部41は、制御部40が参照するデータを記憶する。アプリプログラム40Pは、記憶媒体49に記憶されたアプリプログラム49Pを、制御部40が図示しない読取部によって読み出して記憶部41にインストールしたものであってもよい。アプリプログラム40Pは、任意のサーバ装置がネットワークNを介して配信するアプリプログラム(図示せず)を制御部40が通信部45により受信して記憶部41にインストールしたものであってもよい。
【0037】
表示部42は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を含む。操作部43は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイスを含む。操作部43は、物理ボタンまたはタッチパネルにて表示部42で表示している画面上における操作を受け付けることが可能である。
【0038】
音声入出力部44は、スピーカ及びマイクロフォン等を含む。音声入出力部44は、音声認識部を備えて、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識して操作を受け付けることが可能である。
【0039】
通信部45は、ネットワークNを介してサーバ装置3との間の情報の送受信を実現する無線通信モジュールである。通信部45は、ネットワークカードを用いて有線によりネットワークNを介した通信を行なってもよい。
【0040】
このように構成されるメータ検針システム100におけるメータMの検針方法を説明する。本実施の形態においてゲートウェイ装置2は、記憶部21に予め、通信接続可能なカメラデバイス1のデバイス識別情報を記憶しておく。デバイス識別情報は例えばMACアドレスであってよいし、予めカメラデバイス1に付与して記憶されている情報であってもよい。記憶部21には、ゲートウェイ装置2自身のゲートウェイ識別情報が加えて記憶されてもよい。ゲートウェイ装置2は、カメラデバイス1用の第1通信部22によって複数のカメラデバイス1に対してペアリングを確立させることで通信接続してもよい。ゲートウェイ装置2の制御部20は、複数のカメラデバイス1に対し、記憶部21に記憶してあるデバイス識別情報と対応付けて順に、撮像の実行及び撮像画像の送信を指示する。
【0041】
カメラデバイス1は夫々、ゲートウェイ装置2から指示を受けると、光源12を点灯させ、撮像部11による撮像を実行し、光源12を消灯させ、撮像画像を通信部13からゲートウェイ装置2へ送信する。制御部14は、内蔵メモリにデバイス識別情報が予め記憶してある場合、これを撮像画像と共に送信してもよい。
【0042】
ゲートウェイ装置2の制御部20は、カメラデバイス1から第1通信部22により撮像画像を受信する都度、対応するデバイス識別情報と対応付けて、第2通信部23から撮像画像をサーバ装置3宛てに送信する。制御部20は内蔵メモリを用いて、撮像画像を蓄積してもよい。第2通信部23からの送信が困難な場合には蓄積しておき、通信可能となった時点で送信すればよい。
【0043】
ゲートウェイ装置2の制御部20は、以上の撮像指示、撮像画像の受信及び送信の処理を、通信接続可能な1又は複数のカメラデバイス1に対して巡回的に繰り返す。ゲートウェイ装置2は例えば、最大20台のカメラデバイス1と通信接続することができる。1回の撮像指示からサーバ装置3への送信に10秒−20秒要する場合、各カメラデバイス1では4分−6分に一度撮像が実行される。
【0044】
サーバ装置3では、ゲートウェイ装置2から撮像画像が送信される都度、デバイス識別情報と対応付けてメータM毎に、後述する処理によってメータMの目盛盤から指針の位置を特定し、指針が指し示す目盛に対応する数値を特定する。制御部30は、指針の位置の特定、及び数値の特定に使用する設定情報をメータM毎、デバイス識別情報に対応付けて受け付ける。また、撮像画像と共に気温、湿度、電池電圧等、撮像環境に関する情報が付加されている場合は、これらを特定された数値と対応付けておき、後述する処理(
図16又は
図17)にて用いてもよい。設定情報の受け付けは、クライアント装置4のアプリプログラム40P又はWebブラウザプログラムに基づいて実行される。
【0045】
図4は、設定情報の受付処理手順の一例を示すフローチャートである。サーバ装置3の制御部30は、工場管理担当者がクライアント装置4のWebブラウザ機能により、アカウント情報を用いてメータ検針システム100のサービスにログインすると、サーバ装置3が提供するWebサービス内で以下の処理が開始される。
【0046】
制御部30は、設定対象のメータMに対応するカメラデバイス1のデバイス識別情報の選択又は入力を受け付ける(ステップS101)。制御部30は、受け付けたデバイス識別情報をログイン中のアカウント情報に対応付けて記憶する(ステップS102)。制御部30は、受け付けたデバイス識別情報が対応付けられて記憶部31に記憶している撮像画像を読み出す(ステップS103)。
【0047】
なおステップS103において、受け付けたデバイス識別情報に対応付けられた撮像画像が記憶部31に未だ記憶されていない場合には、サーバ装置3からゲートウェイ装置2へデバイス識別情報が対応するカメラデバイス1へテスト用の撮像指示を送信するようにしてもよい。
【0048】
制御部30は、読み出した撮像画像を含む設定情報受付画面を含む画面情報をクライアント装置4へ送信する(ステップS104)。制御部30は、設定情報受付画面にて、該画面に含まれる撮像画像上での指針支点位置、複数の主目盛の位置、並びに、指針の形状及び針色のクライアント装置4の操作部43による入力又は選択を、メータM毎に受け付ける(ステップS105)。ステップS105にて制御部30は、設定情報受付画面で、撮像画像をプレビュー枠に含みながらカメラ画角設定、歪み補正設定を受け付けるようにしてもよい。
【0049】
制御部30は、ステップS105で受け付けた指針支点位置、主目盛の位置の撮像画像上の座標を、デバイス識別情報及びメータMのメータ識別情報と対応付けて記憶部31に記憶する(ステップS106)。メータ識別情報は、メータMの名称、メータMの設置場所を示す情報、番号、又は記号等であってよい。メータ識別情報は、デバイス識別情報との組み合わせで他のメータMのメータ識別情報と区別できればよく、例えばデバイス識別情報がMACアドレスであれば、MACアドレスと通し番号との組で識別できる。なおメータ識別情報は、1つの撮像画像に監視の対象となる複数のメータMが撮像されている場合は必須であるが、1つの撮像画像に対象のメータMが1つ撮像されている場合には使用せずともよい。
【0050】
制御部30は、メータM毎に、指針支点位置座標を中心として複数の主目盛の位置までの距離を半径とした円弧の角度を、隣り合う主目盛間毎に算出してデバイス識別情報及びメータ識別情報別に記憶部31に記憶する(ステップS107)。ステップS107の詳細は後述する。
【0051】
制御部30はメータM毎に、撮像画像上で、ステップS106で受け受けた指針支点位置を基準とする針の先端位置までの距離、先端部の太さ、根元の太さをデバイス識別情報及びメータMのメータ識別情報と対応付けて記憶部31に記憶する(ステップS108)。ステップS108の詳細についても後述する。制御部30は、受け付けた指針の針色をデバイス識別情報及びメータMのメータ識別情報と対応付けて記憶部31に記憶し(ステップS109)、設定処理手順を終了する。
【0052】
図5−
図7は、設定情報受付画面の一例を示す図である。
図5A及び
図5Bは、クライアント装置4の表示部42に表示される設定情報受付画面420の内、指針支点位置を受け付ける第1画面421を示す。
図5Aは、指針支点位置を受け付け中の第1画面421を示し、
図5Bは、指針支点位置が受け付けられた後の第1画面421を示している。
【0053】
第1画面421には、
図5A及び
図5Bに示すように、メータMの目盛盤を撮像した撮像画像を含むプレビュー画面422が含まれている。
図5Aに示すように、第1画面421には、担当者がクライアント装置4の操作部43によって操作するポインタ431が表示されている。担当者は、プレビュー画面422中に含まれる撮像画像中の指針支点位置を目視で確認し、ポインタ431を重ねて選択操作する。これにより、
図5Bに示すように、選択操作がされたときのポインタ431が重ねられた位置に、支点マーク423が描画される。また第1画面421には、指針支点位置の選択操作がされたときのポインタ431の撮像画像上の位置を示す座標(X,Y)が表示される。
【0054】
図5A及び
図5Bに示すように、第1画面421には次の第2画面へ進むためのボタンインタフェース432が含まれている。
図5Aでは指針支点位置が受け付け未完了であるために、ボタンインタフェース432は無効化されており、選択不可の状態である。
図5Bでは選択操作によって第1画面421での受け付けが完了しているので、ボタンインタフェース432は有効化されて選択可能な状態である。担当者は、自身が目視で特定した指針支点位置に支点マーク423が描画されていることを確認すると、ボタンインタフェース432にポインタ431を重ねて選択操作する。これにより、指針支点位置が受け付けられる。
【0055】
図6は、設定情報受付画面420の内、複数の主目盛の位置を受け付ける第2画面424を示す。
図6には、主目盛の位置の選択操作中の第2画面424が示されている。
図5Bのボタンインタフェース432が選択されると、設定情報受付画面420に第2画面424が表示される。
【0056】
図6に示すように第2画面424には、メータMの目盛盤を撮像した撮像画像を含むプレビュー画面422が含まれている。
図6に示すように、主目盛の位置の受け付け中の第2画面424にもポインタ431が表示される。担当者は、プレビュー画面422中に含まれる撮像画像中、主目盛に対応する位置を目視で確認し、ポインタ431を重ねて選択操作する。選択操作の都度、選択操作がされたときのポインタ431が重ねられた位置と、支点マーク423との間に、補助線425が描画される。
図6中で補助線425は、破線で示されている。選択操作は、設定された間隔(
図6では「2」)で0(ゼロ)目盛から昇順に受け付けられる。選択操作の都度、設定された間隔で増大する目盛と、その目盛に対して選択操作がされたときのポインタ431の撮像画像上の位置を示す座標(X,Y)との組が、主目盛の位置として受け付けられる。受け付けられた主目盛の位置の情報は、第2画面424中の表426として表示される。
【0057】
第2画面424にも、受け付けが完了した場合に選択されるボタンインタフェース433が含まれている。担当者は、自身が目視で特定した複数の主目盛の位置に対して支点マーク423から補助線425が正しく描画されていることを確認すると、ボタンインタフェース433にポインタ431を重ねて選択操作する。これにより、複数の主目盛の位置が受け付けられる。
【0058】
図7は、設定情報受付画面420の内、指針の形状及び大きさ、更に針色を受け付ける第3画面427を示す。
図7には、指針の形状の選択操作中の第3画面427が示されている。
図5Bのボタンインタフェース433が選択されると、設定情報受付画面420に第3画面427が表示される。
【0059】
図7に示すように第3画面427には、メータMの目盛盤を撮像した撮像画像を含むプレビュー画面422が含まれている。
図7に示すように、指針の形状の受け付け中の第3画面427にもポインタ431が表示される。サーバ装置3では、記憶部31に予め指針の形状として一般的な輪郭を示す情報を記憶している。第3画面427に対して担当者は、プレビュー画面422中に含まれる撮像画像中、指針を目視で確認し、指針の先端の選択を促すメッセージに従って指針の先端位置にポインタ431を重ねて選択操作する。第3画面427では、先端位置が選択操作された場合、その先端位置の撮像画像上での位置を示す座標を特定し、既に受け付けている指針支点位置との間の距離、及び回転角度を特定する。第3画面427では、記憶部31に記憶してある指針の一般的な輪郭情報に基づき、特定した距離と回転角度とを用いて指針の形状及び大きさに対応する輪郭428が描画される。輪郭428は、ポインタ431を重ねた位置での選択及びドラッグ操作によって、先端、支点及び終端の太さの調整が可能である。第3画面427では、調整後の輪郭428の輪郭情報によって指針の形状が受け付けられる。
【0060】
図7に示す第3画面427には、異なる色の色見本を選択可能に示して針色として受け付けるパレットコントロール429が含まれている。担当者は、プレビュー画面422中に含まれる撮像画像中、指針を目視で確認し、針色の選択を促すメッセージに従ってパレットコントロール429のいずれかの適切な色の色見本にポインタ431を重ねて選択操作する。これにより、針色が受け付けられる。
【0061】
なお第3画面427では、目盛盤のベース色の選択を受け付けるパレットコントロールを更に含んでもよい。
【0062】
第3画面427にも、受け付けが完了した場合に選択されるボタンインタフェース434が含まれている。担当者は、自身が目視で特定した指針と、輪郭428が適切に重なっていることを確認すると、ボタンインタフェース434にポインタ431を重ねて選択操作する。これにより、設定情報受付画面420による各種情報の設定の受け付けが完了する。
【0063】
第1画面421の設定を受け付ける前に、撮像画像の歪み補正を設定するとよい。歪み補正では例えば、カメラデバイス1の撮像部11とメータMとの間の距離が近いため、撮像部11がメータMの目盛盤とが厳密には垂直でなく即ち正対していない場合に歪みが大きくなる。その他レンズの特性による歪みがある。
図8A及び
図8Bは、撮像画像における歪みの補正の概要を示す図である。
図8A及び
図8Bでは、撮像画像の歪みを格子で表している。
図8A及び
図8Bに示すように、本来は相互に垂直に交わっている格子が、撮像方向の角度、レンズ特性等によって
図8Aに示すように歪んで撮像される。サーバ装置3の制御部30にて、画像解析機能を用いて自動的に歪みを特定して補正してもよいし、第1画面421の前に、撮像画像をプレビューさせる画面を表示し、担当者が補正後の撮像画像を確認しながら、歪みを補正してもよい。
図8Bは、補正後の格子を示している。撮像画像が補正できたと担当者が確認した場合、サーバ装置3の制御部30がこれを受け付け、補正時に使用したパラメータ群を記憶部31に設定情報として記憶する。設定情報に基づいて制御部30は、同一のカメラデバイス1で撮像した撮像画像に対して、後述の読取処理の前段階で補正を行なうことができる。
【0064】
次に、
図4のフローチャート及び
図5−
図7の画面例で示すように受け付けられた設定情報に基づく読取処理について説明する。読取処理は、クライアント装置4を介して受け付けられた設定情報に基づき、カメラデバイス1から送信される撮像画像に対してサーバ装置3にて実行される。
【0065】
図9は、サーバ装置3による読取処理手順の一例を示すフローチャートである。サーバ装置3は、撮像画像をゲートウェイ装置2から受信する都度、以下の処理を実行する。
【0066】
サーバ装置3の制御部30は、受信した撮像画像に対応するデバイス識別情報を特定し(ステップS201)、デバイス識別情報に対応付けられている設定情報を記憶部31から読み出す(ステップS202)。
【0067】
制御部30は、読み出した設定情報に基づき、受信した撮像画像に対して第1に歪み補正処理を実行する(ステップS203)。ステップS203において制御部30は例えば、上述したように設定情報受付画面420内の撮像画像を含むプレビュー画面422にて、担当者の操作による補正のパラメータ群を読み出して適用する。制御部30は、歪み補正のパラメータを予め自動的に特定しておき、記憶部31に記憶しておいて使用してもよい。
【0068】
制御部30は、撮像画像に対して第2にイコライゼーション処理を実行する(ステップS204)。ステップS204におけるイコライゼーション処理は、画像の階調補正によって、影や反射等のノイズ要素の影響を低減する画像処理である。
【0069】
制御部30は次に、ステップS203及びS204の処理後の撮像画像に写っているメータMを1つ選択し(ステップS205)、選択したメータMについて記憶してある設定情報に基づいて以下のステップS206からステップS214の処理を実行する。
【0070】
制御部30は、撮像画像に対し、指針支点位置を基準として、指針の長さ方向に沿う指針の長さ分に対応する範囲の画素を走査する処理を、複数の目盛位置の内の0(ゼロ)目盛位置から最大の目盛位置まで、目盛に直交する方向(又は指針が進行する方向)に順次進める(ステップS206)。参照処理の都度、参照した画素の画素値を用いて目盛盤の走査画像を作成する(ステップS207)。
【0071】
制御部30は、読み出した設定情報に含まれる指針の形状の輪郭の情報及び針色に基づいて、指針の画像を作成する(ステップS208)。ステップS208において制御部30は例えば、指針の長さ及び幅よりもいずれも十分に大きい背景画像を設定情報に含まれる目盛盤の色で描画し、この背景画像の中央に、輪郭の情報に基づいて長さ及び幅に対応させた指針の輪郭を描画し、輪郭内を設定情報の針色で描画する。目盛に直交する方向に、指針の長さに対応する幅分の画素を走査し(ステップS209)、走査した画素の画素値を用いて指針の走査画像を作成する(ステップS210)。
【0072】
制御部30は、ステップS207で作成した目盛盤の走査画像における目盛に直交する方向に沿って、ステップS210で作成した指針の走査画像を用い、指針が写っている可能性の高さの分布(尤度分布)を算出する(ステップS211)。
【0073】
ステップS211において制御部30は、目盛盤の走査画像(矩形画像)における目盛に直交する方向に沿って、ステップS210で作成した指針の走査画像を指針の方向に合わせて重畳させ、対応する画素同士の差分を算出して得られる数値に基づいて尤度を算出する。制御部30は、対応する画素同士の差分を、指針の走査画像の大きさの範囲全て合算したものを用いてもよいし、和の平均値を算出してもよい。制御部30は差分の合算値、又は平均値が小さい程に、指針の走査画像が位置する目盛盤の走査画像内の箇所に指針が写っている可能性が高いとして尤度を算出する。好ましくは、指針の走査画像における指針の中心線及び中心線から所定幅分の画素については、その差分が小さい程尤度が大きくなるように、差分に重み付けを与えて尤度を算出するとよい。
【0074】
制御部30は、ステップS211で算出した目盛に直交する方向、即ち目盛位置に対する尤度分布の微分値を用いて尤度分布を補正する(ステップS212)。ステップS212において制御部30は、尤度分布におけるピークの内、尤度が同程度のピークについてはより急峻なピークを採用するためである。
【0075】
制御部30は、ステップS212の補正後の尤度分布に基づき、尤度が最大となる目盛盤の走査画像上の位置を特定し(ステップS213)、特定した位置に対応する指針が示す数値を算出して記憶部31にデバイス識別情報及びメータ識別情報と対応付けて記憶する(ステップS214)。ステップS214における記憶は、撮像画像を取得した時間を示す時間情報と対応付けてログとして蓄積記憶してもよいし、最新の数値情報のみを記憶するようにしてもよい。
【0076】
制御部30は、受信した撮像画像について写っている監視対象のメータM全ての処理を実行したか否かを判断し(ステップS215)、全ての処理を実行していないと判断された場合(S215:NO)、処理をステップS205へ戻し、次のメータMを選択して(S205)、処理を続行する。
【0077】
ステップSにて全ての処理を実行したと判断された場合(S215:YES)、制御部30は処理を終了する。
【0078】
ステップS206における走査に際し、指針が目盛範囲の上下限(ゼロ及び最大の目盛位置)を超えて振れることが予想される場合には、その上下限を超える部分を「読取範囲外領域」として設定された範囲を含めて実行してもよい。制御部30はステップS206で、「読取範囲外領域」を走査画像の対象とするか否かの設定に基づいて走査を進めてもよい。「読取範囲外領域」を対象としない場合、制御部30はS206で示したように、ゼロ目盛位置から最大目盛位置までに限定して走査を行ない、走査画像を作成する。「読取範囲外領域」を対象とする場合制御部30は、「読取範囲外領域」も含めて走査を進め、走査画像を作成し、S211以降の処理で指針が「読取範囲外領域」に存在していることが推定できる状態では、S213の特定処理を回避するといった処理を行なってもよい。
【0079】
撮像画像の内容例を用い、
図9のフローチャートに示した処理手順について具体的に説明する。
図10は、撮像画像の内容例を示す模式図である。
図10では
図5で示したように圧力計であるメータMを撮像した例を示している。
図11は、撮像画像に対する走査方法の概要を示す図である。
図11では、
図10に示した撮像画像に対し、
図4−
図8を参照して説明した処理によって設定された指針支点位置を符号O、複数の主目盛の位置を符号P0,P1,P2,P3,P4,P5で示している。
図11では、目盛盤の走査画像を作成するための走査の進行方向を白抜きの矢符を示し、1回の走査(主走査)で参照する指針の長さ分に対応する範囲を破線の矩形Lにて示している。矩形Lは、指針の基準位置である指針の支点位置の画素を通り、指針の長さ分の1画素から2画素、画素が参照できる程度の幅の範囲である。制御部30はステップS207(ステップS210でも同様)において、矩形Lを指針支点位置Oで少しずつ回転させながら画素値を参照して走査画像を作成する。
【0080】
図12A及び
図12Bは、メータMの目盛盤の走査画像の一例を示す模式図である。
図12Bは、
図12Aに示す異なる手法で得られた走査画像の他の一例である。
図12Bの例では、
図12Aと比して、走査対象が指針の針尾部分側の空白に及んでいる。
図12A及び
図12Bでは、走査画像を線図で示し、走査画像中の
図11中で示した符号O,P0,P1,P2,P3,P4,P5で識別される主目盛の位置を符号で示している。
図12A及び
図12Bに示す一例では、矩形画像の
図12A及び
図12中の線分Qが、指針支点位置に対応している。
図12A及び
図12Bに示すように走査画像は矩形画像として作成される。長辺方向は走査時の矩形Lの回転角度に対応する。なお
図12A及び
図12Bに示すように、撮像画像におけるメータMの歪みによって、主目盛間の区間毎に長さが異なる。したがって後に指針が示す数値を読み取る際には区間毎に異なる主目盛間の目盛の配分に基づいて特定する。なお区間の長さを均一化するために区間毎に異なる係数で走査画像を伸長又は短縮させるようにしてもよい。
【0081】
図13A及び
図13Bは、指針の走査画像の一例を示す模式図である。
図11に示した方法で目盛盤の走査画像と同様の走査画像を作成するため、指針の下部が拡がった画像として作成される。
図13Bは、
図13Aに比して、走査の対象を指針の針尾部分側の空白にまで及ばせた場合の例を示している。
【0082】
図14A及び
図14Bは、尤度分布を示す図である。横軸は目盛盤の走査画像の走査の進行方向、縦軸は尤度を示している。
図14Aは、尤度分布を
図12Aの目盛盤の走査画像に重畳させるようにして示している。
図12Aの目盛盤の走査画像に対して
図13Aの指針の走査画像が合致、即ち指針が写っている可能性の高さの分布を示している。
図14Aの例では、目盛盤の走査画像における左側に尤度のピークがある。制御部30はピークの位置と、走査画像上における主目盛の位置とに基づき、指針は3.4付近を示していると特定することができる。
図14Bは、尤度分布を
図12Bの目盛盤の走査画像に重畳させるようにして示している。
【0083】
上述の処理は、回転する指針を持つメータMを例に説明したが、これに限らず上下する指針又は左右に動く指針(針に限らない指示部)を持つメータMに対しても同様の処理によって読取が可能である。このとき走査を進める方向は、目盛に直交する方向(指針が上下する方向)で変わらない。ただしこのようなメータMに対しては、設定情報として指針支点位置ではなく指針の基準位置(例えば中心)を受け付けて記憶しておき、読取処理においては基準位置を用いて走査画像を作成する。
図15は、撮像画像に対する走査方法の他の例の概要を示す図である。
図15に示す例では、垂直方向に指針が上下する水位計の撮像画像を用いている。このような水位計であっても目盛に直交する方向(指針又は水面、境界面等が進行する方向)に順次、指針を含む範囲Lの画素値を参照して走査画像を作成することで同様の処理を適用することができる。
【0084】
読み取られた数値は夫々、メータMの測定対象の状態の異常検知に利用される。以下の処理では、読み取られた数値が予め設定された範囲内にあるか否かをサーバ装置3にて判断し、範囲外であると判断された場合のみにメータ検針システム100のクライアント装置4を用いる担当者へ向けて通知を行ない、安全監視サービスを実現する。
【0085】
図16は、サーバ装置3の制御部30による異常検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。制御部30は、
図9のフローチャートに示した読取処理を実行する都度、又は、数分に1度、数時間に1度等の所定の周期で以下に示す処理手順を実行する。
【0086】
制御部30は、デバイス識別情報を選択し(ステップS301)、選択したデバイス識別情報に対応付けて記憶したメータM毎の指針が示す数値を読み出す(ステップS302)。制御部30は、選択したデバイス識別情報に対応するメータM毎の所定安全範囲を読み出し(ステップS303)、ステップS302で読み出した数値が、ステップS303読み出した所定の安全範囲内であるか否かを判断する(ステップS304)。
【0087】
ステップS304で安全範囲内であると判断された場合(S304:YES)、制御部30は、監視対象のメータMに対応するデバイス識別情報を全て選択したか否かを判断する(ステップS305)。全て選択したと判断された場合(S305:YES)、制御部30は処理を終了する。
【0088】
ステップS304で安全範囲外であると判断された場合(S304:NO)、制御部330は、ステップS301で選択したデバイス識別情報に対応付けられているアカウント情報に基づいて担当者へ向けて発報し(ステップS306)、処理をステップS305へ進める。
【0089】
ステップS305で全て選択していないと判断された場合(S305:NO)、制御部30は処理をステップS301へ戻す。
【0090】
従来は担当者が工場を巡回して、アナログメータであるメータMを目視により確認して異常の有無を判断してきた。しかしながら本開示のサーバ装置3の機能によって高精度な自動読取が可能になる。カメラデバイス1をメータMに位置決めして取り付け、ゲートウェイ装置2を設定、設置し、クライアント装置4にて各カメラデバイス1について
図5−
図7に示したような初期的な設定操作を行なうのみで以後、異常検知の業務を自動化することができる。例えば高温、危険ガス取扱い等、担当者の立ち入りが困難な場所に設置されているメータについても、高温対応のアダプタ17を用いてカメラデバイス1を使用することで、検針を自動化させることが可能である。
【0091】
本開示のメータ検針システム100では更に、サーバ装置3により、読み取られた数値単体のみならず履歴をメータ毎に記憶しておき、工場の状況又はメータMそのものについての長期的な異常検知、異常予測サービスを提供することができる。サーバ装置3は、記憶部31にデバイス識別情報又はメータ識別情報と対応付けて、読み取った数値を時間情報と共に記憶し、メータ毎の測定履歴のデータベースを作成する。サーバ装置3はこの測定値履歴を用いて以下の処理を実行する。
【0092】
図17は、サーバ装置3による第2の異常検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。制御部30は、測定履歴のデータベースに対し、1週間に1度、1ヶ月に1度等の所定の周期で、以下の処理を実行する。
【0093】
制御部30は、制御部30は、デバイス識別情報を選択し(ステップS401)、選択したデバイス識別情報に対応付けて測定履歴データベースとして記憶してある数値群を、対応付けられている時間情報と共に読み出す(ステップS402)。
【0094】
制御部30は、読み取られた数値の時間経過に対する変化を算出する(ステップS403)。制御部30はステップS403において例えば、数値の変動の周波数を算出してもよい。制御部30は、長期的な変動のトレンド及び直近所定期間におけるトレンドの両方又は一方を算出してもよい。制御部30は近似曲線及び近似曲線のパラメータ等を算出してもよい。
【0095】
制御部30は、ステップS403で算出した変化に基づいて、メータM自体又はメータMの測定対象に関する危険の有無を判断する(ステップS404)。ステップS404において制御部30は、危険の到来の有無を判断し、到来時期と共に予測してもよい。
【0096】
ステップS404の判断は、記憶部31にメータ毎(メータ識別情報又はデバイス識別情報)に条件を記憶しておき、条件との比較に基づき行なわれるとよい。例えばメータMの測定対象の種別(圧力、水位、流量等)毎に、ステップS403で算出する変化についての1又は複数の条件を記憶部31に記憶してある。周波数を算出する場合には、周波数範囲が記憶してあってもよい。トレンドを算出する場合には、危険であると判断するトレンド数値が記憶してあるとよい。近似曲線のパラメータが記憶されていてもよい。
【0097】
危険有と判断された場合(S404:YES)、制御部30は、危険をステップS401で選択したデバイス識別情報に対応付けられているアカウント情報に基づいて担当者へ向けて発報する(ステップS405)。
【0098】
制御部30は、監視対象のメータMに対応するデバイス識別情報を全て選択したか否かを判断する(ステップS406)。全て選択したと判断された場合(S406:YES)、制御部30は処理を終了する。
【0099】
ステップS404で危険無と判断された場合(S404:NO)、制御部30は、ステップS405の処理を行なうことなく、ステップS406へ処理を進める。
【0100】
ステップS406で全て選択していないと判断された場合(S406:NO)、制御部30は処理をステップS401へ戻す。
【0101】
このように、本開示のメータ検針システム100では、数値の読取り及び読み取られた数値に基づく異常の検知についてはサーバ装置3側で実施し、異常が検知された場合のみ発報し、担当者における作業負担を削減するサービスを実現することができる。勿論、読取処理によって読み取られた数値は、サーバ装置3から逐次クライアント装置4へ通知するようにし、クライアント装置4で所定の数値又は範囲との比較に基づき異常の有無を判断してもよい。また異常検知はサーバ装置3で実行し、定期的に、数値の履歴をまとめたログレポートをクライアント装置4へ送信するようにしてもよい。
【0102】
上述のように開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。