【実施例】
【0059】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、「%」及び「部」は、それぞれ、「質量%」及び「質量部」を意味することがある。
【0060】
1.製造原料
非変性ポリオレフィン樹脂、改質剤及び防曇剤を含有するマスターバッチの製造、並びに、これらを含有するフィルムの製造に用いた原料を示す。
1−1.非変性ポリオレフィン樹脂(A)
(A−1)エチレン・1−ブテン共重合体
1−ブテン単位の含有割合が10%の共重合体であり、密度は0.920g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは2.1g/10分である。
(A−2)エチレン・1−ヘキセン共重合体
1−ヘキセン単位の含有割合が5%の共重合体であり、密度は0.936g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは2.0g/10分である。
(A−3)エチレン・1−オクテン共重合体
1−オクテン単位の含有割合が10%の共重合体であり、密度は0.931g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは2.8g/10分である。
(A−4)エチレン・1−ヘキセン共重合体
1−ヘキセン単位の含有割合が10%の共重合体であり、密度は0.924g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは2.0g/10分)である。
(A−5)エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体
1−ブテン単位の含有割合が4%、プロピレン単位の含有割合が96%の共重合体であり、密度は0.90g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは7.0g/10分である。
【0061】
1−2.改質剤(B)又は比較例用の原料(b−1)
(B−1)エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル単位の含有割合が15%の共重合体であり、密度は0.936g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは2.0g/10分である。
(B−2)エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル単位の含有割合が6%の共重合体であり、密度は0.925g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは2.0g/10分である。
(B−3)エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル単位の含有割合が25%の共重合体であり、密度は0.950g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは2.0g/10分である。
(B−4)エチレン・メタクリル酸メチル共重合体
メタクリル酸メチル単位の含有割合が10%の共重合体であり、密度は0.930g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは2.0g/10分である。
(B−5)エチレン・アクリル酸エチル共重合体
アクリル酸エチル単位の含有割合が10%の共重合体であり、密度は0.926g/cm
3であり、温度190℃及び荷重2.16kgfにおけるMFRは3.0g/10分である。
(B−6)無水マレイン変性ポリプロピレン
理研ビタミン社製「REO−070−1」(商品名)を用いた。
(b−1)アイオノマー
三井・デュポン・ポリケミカル社製「ハイミラン1605」(商品名)を用いた。
【0062】
1−3.防曇剤(C)
1−3−1.アルキルスルホン酸アルカリ金属塩(C1)
C1−1:アルキル基の炭素原子数が13〜18のアルキルスルホン酸ナトリウムの混合物(6種の化合物の混合物、即ち、アルキル基の炭素原子数が13のトリデシルスルホン酸ナトリウム、アルキル基の炭素原子数が14のテトラデシルスルホン酸ナトリウム、アルキル基の炭素原子数が15のペンタデシルスルホン酸ナトリウム、アルキル基の炭素原子数が16のヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、アルキル基の炭素原子数が17のヘプタデシルスルホン酸ナトリウム、及び、アルキル基の炭素原子数が18のオクタデシルスルホン酸ナトリウムの混合物である。以下も同様である。)
C1−2:アルキル基の炭素原子数が10〜16のアルキルスルホン酸ナトリウムの混合物(7種の化合物の混合物)
1−3−2.アルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩(C2)
C2−1:アルキルアリール基の炭素原子数が15〜20のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合物(6種の化合物の混合物)
1−3−3.アルキル硫酸アルカリ金属塩(C3)
C3−1:アルキル基の炭素原子数が6〜18のアルキル硫酸ナトリウムの混合物(13種の化合物の混合物)
【0063】
1−4.防曇剤(D)
D−1:ジグリセリンとラウリン酸の部分エステル
D−2:ジグリセリンとカプリル酸の部分エステル
D−3:グリセリンとオレイン酸の部分エステル
D−4:グリセリンとベヘン酸の部分エステル
D−5:テトラグリセリンとラウリン酸の部分エステル
D−6:デカグリセリンとオレイン酸の部分エステル
D−7:ソルビタンとラウリン酸の部分エステル
【0064】
2.マスターバッチの製造
以下、改質剤及び防曇剤を含有するポリオレフィン系樹脂フィルムの作製に用いる原料であるマスターバッチ(非変性ポリオレフィン樹脂、改質剤及び防曇剤を含有するマスターバッチ等)の製造例を示す。
【0065】
実施例1−1
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、14.3部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)と、8.6部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、20部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(M−1)を得た。
【0066】
マスターバッチを製造する際に、マスターバッチの製造安定性(生産性)を目視で観察し、以下の基準で評価した。その評価結果を表1に併記した。
<マスターバッチ生産性の判定基準>
1:マスターバッチ製造時に、ベントアップ及びストランド暴れが発生しなかった(製造安定性に非常に優れる)
2:マスターバッチ製造時に、ストランドの走行に乱れが発生することがあったが、ベントアップは発生しなかった(製造安定性に優れる)
3:マスターバッチ製造時に、ストランド暴れ及びベントアップが発生した(製造安定性に劣る)
【0067】
実施例1−2
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、8部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−2)と、1.3部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、5部の防曇剤(D−2)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(M−2)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0068】
実施例1−3
100部のエチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)と、10部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−3)と、0.6部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、14.4部の防曇剤(D−3)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(M−3)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0069】
実施例1−4
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、14.3部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)と、6質量部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、4質量部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(M−4)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0070】
実施例1−5
100部のエチレン・1−オクテン共重合体(A−3)と、53部のエチレン・メタクリル酸メチル共重合体(B−4)と、12部の防曇剤(C1−1)と18部の防曇剤(D−4)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(M−5)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0071】
実施例1−6
100部のエチレン・1−ヘキセン共重合体(A−4)と、30部のエチレン・アクリル酸エチル共重合体(B−5)と、8.6部の防曇剤(C1−2)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、13部の防曇剤(D−5)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(M−6)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0072】
比較例1−1
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、4.2部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)と、16.2部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、37.8部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−1)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0073】
比較例1−2
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、14.3部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−2)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0074】
比較例1−3
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、14.3部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−2)と、0.2部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態したところへ、4.8部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−3)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0075】
比較例1−4
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、88.2部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−2)と、1.3部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、20部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−4)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0076】
比較例1−5
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、8.6部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、20部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−5)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0077】
比較例1−6
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、3.5部のエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−2)と、8.6部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、20部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−6)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0078】
比較例1−7
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、14.3部のアイオノマー(b−1)と、8.6部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、20部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−7)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0079】
比較例1−8
100部のエチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)と、15部の無水マレイン変性ポリプロピレン(B−6)と、2部の防曇剤(C2−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、18部の防曇剤(D−6)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−8)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0080】
比較例1−9
100部のエチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)と、18部の無水マレイン変性ポリプロピレン(B−6)と、2.9部の防曇剤(C3−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、25.7部の防曇剤(D−7)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表1に示す構成のマスターバッチ(m−9)を得た。そして、実施例1−1と同様にして、マスターバッチの製造安定性(生産性)を評価した。その結果を表1に併記した。
【0081】
【表1】
【0082】
3.ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造(1)
表1に示すマスターバッチと、非変性ポリオレフィン樹脂とを用いて、ポリオレフィン系樹脂フィルムを得た。
【0083】
実施例2−1
上記実施例1−1で得られたマスターバッチ(M−1)5部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂95部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(F−1)を製造した(表2参照)。
【0084】
ポリオレフィン系樹脂フィルムの製膜挙動の目視観察及び寸法測定を行い、製膜安定性(製膜性)を、以下の基準で評価した。その評価結果を表2に併記した。
<製膜性の判定基準>
1:フィルム製膜時に、押出変動が発生せず、膜厚むらが設定厚みに対して±5μmであった(製膜安定性に非常に優れる)
2:フィルム製膜時に、押出変動がわずかに発生したが、膜厚むらが設定厚みに対して±5μmであった(製膜安定性に優れる)
3:フィルム製膜時に、押出変動によるスジや膜厚むらが発生した(製膜安定性に劣る)
【0085】
また、得られたポリオレフィン系樹脂フィルムについて、下記方法により、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表2に併記した。
(1)防曇性
ポリオレフィン系樹脂フィルムを、温度20℃及び相対湿度65%の条件下に24時間載置して調湿した後、20℃の水を入れたビーカーの開口面に被せた。次いで、この状態で5℃の雰囲気下に24時間置いて、ビーカー被着面への水滴の付着程度を観察し、以下の基準で防曇性を評価した。
<防曇性の判定基準>
1:水滴の付着がなく、透明であった(防曇性が著しく優れる)
2:大きな水滴の付着があったが、透明であった(防曇性が優れる)
3:多数の小さい水滴の付着があり、不透明であった(防曇性が劣る)
(2)透明性
ポリオレフィン系樹脂フィルムを、温度20℃及び相対湿度65%の条件下に24時間載置して調湿した後、日本電色工業社製ヘイズメーター「NDH−5000」(型式名)を用いてヘイズを測定し、下記の基準で透明性を評価した。
<透明性の判定基準>
1:ヘイズが5%未満(透明性が優れる)
2:ヘイズが5%以上10%未満(透明性が良好である)
3:ヘイズが10%以上(透明性が劣る)
【0086】
実施例2−2
上記実施例1−2で得られたマスターバッチ(M−2)20部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなるからなる非変性ポリオレフィン樹脂80部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ30μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(F−2)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0087】
実施例2−3
上記実施例1−3で得られたマスターバッチ(M−3)15部と、エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)からなる非変性ポリオレフィン樹脂85部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ20μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(F−3)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0088】
実施例2−4
上記実施例1−4で得られたマスターバッチ(M−4)10部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂90部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(F−4)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0089】
実施例2−5
上記実施例1−5で得られたマスターバッチ(M−5)30部と、エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−3)からなる非変性ポリオレフィン樹脂70部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ10μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(F−5)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0090】
実施例2−6
上記実施例1−6で得られたマスターバッチ(M−6)3部と、エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−4)からなる非変性ポリオレフィン樹脂97部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ120μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(F−6)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0091】
比較例2−1
上記比較例1−1で得られたマスターバッチ(m−1)10部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂90部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−1)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0092】
比較例2−2
上記比較例1−2で得られたマスターバッチ(m−2)5部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂95部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−1)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0093】
比較例2−3
上記比較例1−3で得られたマスターバッチ(m−3)5部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂95部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−3)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0094】
比較例2−4
上記比較例1−4で得られたマスターバッチ(m−4)3部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂97部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−4)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0095】
比較例2−5
上記比較例1−5で得られたマスターバッチ(m−5)5部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂95部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−5)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0096】
比較例2−6
上記比較例1−6で得られたマスターバッチ(m−6)5部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂95部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−6)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0097】
比較例2−7
上記比較例1−7で得られたマスターバッチ(m−7)5部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂95部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−7)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0098】
比較例2−8
上記
比較例1−8で得られたマスターバッチ(m−8)7部と、エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)からなる非変性ポリオレフィン樹脂93部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−8)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0099】
比較例2−9
上記比較例1−9で得られたマスターバッチ(m−9)5部と、エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)からなる非変性ポリオレフィン樹脂95部とを、タンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(f−9)を製造した(表2参照)。
その後、実施例2−1と同様にしてフィルムの評価を行った。その結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】
4.防曇剤を含み、改質剤を含まないマスターバッチの製造
以下、改質剤及び防曇剤を含有するポリオレフィン系樹脂フィルムの作製に用いる原料であるマスターバッチ(改質剤を含まず、非変性ポリオレフィン樹脂及び防曇剤を含有するマスターバッチ等)の製造例を示す。
【0102】
調製例1
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、5.3部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、12.3部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表3に示す構成のマスターバッチ(M−9)を得た。
【0103】
調製例2
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、3.5部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、14.1部の防曇剤(D−2)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表3に示す構成のマスターバッチ(M−10)を得た。
【0104】
調製例3
100部のエチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)と、1.2部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、28.8部の防曇剤(D−3)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表3に示す構成のマスターバッチ(M−11)を得た。
【0105】
調製例4
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、5.5部の防曇剤(C1−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、5.5部の防曇剤(D−1)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表3に示す構成のマスターバッチ(M−12)を得た。
【0106】
調製例5
100部のエチレン・1−オクテン共重合体(A−3)と、14.4部の防曇剤(C1−1)と、21.6部の防曇剤(D−4)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表3に示す構成のマスターバッチ(M−13)を得た。
【0107】
調製例6
100部のエチレン・1−ヘキセン共重合体(A−4)と、4.4部の防曇剤(C1−2)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、6.7部の防曇剤(D−5)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表3に示す構成のマスターバッチ(M−14)を得た。
【0108】
調製例7
100部のエチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)と、1.1部の防曇剤(C2−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、10部の防曇剤(D−6)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表3に示す構成のマスターバッチ(M−15)を得た。
【0109】
調製例8
100部のエチレン・1−ブテン共重合体(A−1)と、1.1部の防曇剤(C3−1)とをタンブラーにて混合した後、二軸押出機により220℃で溶融状態としたところへ、10部の防曇剤(D−7)を液状注入により供給して、全ての原料を溶融混練した。次いで、造粒して、表3に示す構成のマスターバッチ(M−16)を得た。
【0110】
【表3】
【0111】
5.ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造(2)
表4に示すマスターバッチと、非変性ポリオレフィン樹脂と、改質剤とを用いて、ポリオレフィン系樹脂フィルムを得た。
【0112】
実施例3−1
上記調製例1で得られたマスターバッチ(M−9)6部と、エチレン・1−ブテン重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂90部と、改質剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)4部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で空冷しながら押し出して、表4に示す構成を有する、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(FF−1)を製造した。
【0113】
得られたポリオレフィン系樹脂フィルムについて、実施例2−1と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0114】
実施例3−2
上記調製例2で得られたマスターバッチ(M−10)6部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂79部と、改質剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−2)15部とをタンブラーで混合した。インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ30μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(FF−2)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0115】
実施例3−3
上記調製例3で得られたマスターバッチ(M−11)8部と、エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)からなる非変性ポリオレフィン樹脂62部と、改質剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−3)30部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ20μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(FF−3)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0116】
実施例3−4
上記調製例4で得られたマスターバッチ(M−12)15部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂65部と、改質剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)20部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(FF−4)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0117】
実施例3−5
上記調製例5で得られたマスターバッチ(M−13)35部と、エチレン・1−オクテン共重合体(A−3)からなる非変性ポリオレフィン樹脂55部と、改質剤であるエチレン・メタクリル酸メチル共重合体(B−4)10部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ10μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(FF−5)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0118】
実施例3−6
上記調製例6で得られたマスターバッチ(M−14)6部と、エチレン・ヘキセン共重合体(A−4)からなる非変性ポリオレフィン樹脂90部と、改質剤であるエチレン・アクリル酸エチル共重合体(B−5)4部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ120μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(FF−6)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0119】
比較例3−1
上記調製例1で得られたマスターバッチ(M−9)6部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂49部と、改質剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)45部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−1)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0120】
比較例3−2
上記調製例1で得られたマスターバッチ(M−9)6部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂94部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、改質剤を含有しない、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−2)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0121】
比較例3−3
上記調製例1で得られたマスターバッチ(M−9)6部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂93.7部と、改質剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)0.3部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−3)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0122】
比較例3−4
上記調製例1で得られたマスターバッチ(M−9)6部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂90部と、改質剤であるアイオノマー(b−1)を4部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−4)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0123】
比較例3−5
上記調製例5で得られたマスターバッチ(M−13)50部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂46部と、改質剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)4部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−5)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0124】
比較例3−6
エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂96部と、改質剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B−2)4部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−6)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0125】
比較例3−7
上記調製例1で得られたマスターバッチ(M−9)0.5部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)からなる非変性ポリオレフィン樹脂95.5部と、改質剤であるアイオノマー(b−1)4部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−7)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0126】
比較例3−8
上記調製例7で得られたマスターバッチ(M−15)6部と、エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)からなる非変性ポリオレフィン樹脂90部と、改質剤である無水マレイン酸変性ポリプロピレン(B−6)4部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−8)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0127】
比較例3−9
上記調製例8で得られたマスターバッチ(M−16)6部と、エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)からなる非変性ポリオレフィン樹脂90部と、改質剤である無水マレイン酸変性ポリプロピレン(B−6)4部とをタンブラーで混合した。次いで、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で押し出して、厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(ff−9)を製造した(表4参照)。
その後、上記と同様にして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表4に併記した。
【0128】
【表4】
【0129】
表4から明らかなように、本発明に係る改質剤及び防曇剤が非変性ポリオレフィン樹脂に対して特定の含有割合で含む実施例3−1〜3−
6のポリオレフィン系樹脂フィルム(FF−1)〜(FF−
6)は、防曇性及び透明性に優れることが分かる。
【0130】
6.積層フィルムの製造
表3に示すマスターバッチ、非変性ポリオレフィン樹脂及び改質剤を用いて、防曇剤及び改質剤を含有する第1樹脂層と、防曇剤及び改質剤を含有する場合がある第2樹脂層(中間層)と、第3樹脂層とをこの順に備える3層構造の積層フィルムを得た。
【0131】
実施例4−1
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−9)20部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)76部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)4部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用いた。第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた(表5参照)。
これらの成形材料を用いて、インフレーション成形機により混合物を190℃で溶融し、20℃の環境下で共押出して、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層が表6に示される構成を有し、各樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、合計厚さ40μmの積層フィルム(G−1)を製造した。
【0132】
製造した積層フィルムについて、実施例2−1と同様にして、製膜性を評価した。また、下記方法により、防曇性及び透明性の評価を行った。評価結果を表6に併記した。
【0133】
(1)防曇性
積層フィルムを、温度20℃及び相対湿度65%の条件下に24時間載置して調湿した後、第1樹脂層の面を20℃の水を入れたビーカー上面に被せた。次いで、この状態で5℃の雰囲気下に24時間置いて、ビーカー被着面(第1樹脂層の表面)への水滴の付着程度を観察し、以下の基準で防曇性を評価した。
<防曇性の判定基準>
1:水滴の付着がなく、透明であった(防曇性が著しく優れる)
2:大きな水滴の付着があったが、透明であった(防曇性が優れる)
3:多数の小さい水滴の付着があり、不透明であった(防曇性が劣る)
【0134】
(2)透明性
積層フィルムを、温度20℃及び相対湿度65%の条件下に24時間載置して調湿した後、日本電色工業社製ヘイズメーター「NDH−5000」(型式名)を用いてヘイズを測定し、下記の基準で透明性を評価した。
<透明性の基準>
1:ヘイズが10%未満(透明性が優れる)
2:ヘイズが10%以上15%未満(透明性が良好である)
3:ヘイズが15%以上(透明性が劣る)
【0135】
実施例4−2
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−10)20部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)65部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−2)15部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、積層フィルム(G−2)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0136】
実施例4−3
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−11)10部と、エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)60部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−3)30部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)の成形材料として、マスターバッチ(M−11)10部と、エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)80部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)10部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第3樹脂層の成形材料として、エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、20μm、20μm及び20μmである、積層フィルム(G−3)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0137】
実施例4−4
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−12)25部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)70部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)5部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、20μm、20μm及び20μmである、積層フィルム(G−4)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0138】
実施例4−5
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−13)8部と、エチレン・1−オクテン共重合体(A−3)82部と、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体(B−4)10部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−オクテン共重合体(A−3)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、20μm、20μm及び20μmである、積層フィルム(G−5)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0139】
実施例4−6
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−14)20部と、エチレン・ヘキセン共重合体(A−4)76部と、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(B−5)4部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)の成形材料として、マスターバッチ(M−14)5部と、エチレン・ヘキセン共重合体(A−4)71部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)24部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第3樹脂層の成形材料として、エチレン・ヘキセン共重合体(A−4)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、20μm、70μm及び30μmである、積層フィルム(G−6)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0140】
比較例4−1
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−9)20部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)35部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)45部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、積層フィルム(g−1)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0141】
比較例4−2
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−9)20部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)80部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、積層フィルム(g−2)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0142】
比較例4−3
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−9)20部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)79.7部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)0.3部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、積層フィルム(g−3)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0143】
比較例4−4
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−9)20部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)76部と、アイオノマー(b−1)4部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、積層フィルム(g−4)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0144】
比較例4−5
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−13)50部と、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)46部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)4部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、積層フィルム(g−5)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0145】
比較例4−6
第1樹脂層の成形材料として、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)96部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)4部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、積層フィルム(g−6)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0146】
比較例4−7
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−15)30部と、エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)66部と、無水マレイン変性ポリプロピレン(B−6)4部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)の成形材料として、マスターバッチ(M−15)15部と、エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)75部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1)10部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第3樹脂層の成形材料として、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び30μmである、積層フィルム(g−7)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0147】
比較例4−8
第1樹脂層の成形材料として、マスターバッチ(M−16)30部と、エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体(A−5)66部と、無水マレイン変性ポリプロピレン(B−6)4部とをタンブラーを用いて混合した混合物を用い、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の成形材料として、いずれも、エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)のみを用いた以外は、実施例4−1と同様の操作を行い、第1樹脂層、第2樹脂層(中間層)及び第3樹脂層の厚さが、それぞれ、10μm、20μm及び10μmである、積層フィルム(g−8)を得た(表5及び表6参照)。そして、製膜性、防曇性及び透明性の評価を行った。その結果を表6に併記した。
【0148】
【表5】
【0149】
【表6】
【0150】
表6から明らかなように、防曇性及び透明性に優れる本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムからなる第1樹脂層を備える積層フィルム(G−1)〜(G−
6)は、防曇性及び透明性に優れることが分かる。