(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の切断装置では、専用のクランプ機構や送り機構を搭載しているため、装置全体が大型化してしまうとともに重量も大きくなり、また価格も高くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう棒状部材を切断する際に、作業者に負担をかけることなくコンパクトな構成で安価かつ安定的に棒状部材を切断することができる切断用治具、切断ユニットおよび切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の切断用治具は、棒状部材を切断する際に用いられる切断用治具であって、前記棒状部材の一部分を把持するための把持部と、前記把持部に設けられ、前記棒状部材を切断するための切断装置が載置される
平板形状の載置部と、を備え、前記載置部は、前記棒状部材の一部分が前記把持部により把持されたときに当該棒状部材の長手方向に対して直交する平面である載置面を有して
おり、前記把持部は、前記棒状部材が当接可能となっている当接部分と、前記当接部分に対して前記棒状部材の一部分を押圧する押圧部分と、前記押圧部分を回転させるためのハンドルとを有しており、前記当接部分に対して前記押圧部分により前記棒状部材の一部分が押圧されることにより当該棒状部材の一部分が把持されるようになっており、前記ハンドルによって前記押圧部分を回転させると前記押圧部分が前記当接部分に向かって直線的に進退可能となるよう構成されており、前記押圧部分および前記ハンドルは、前記載置部から離間しており、前記押圧部分が進退する方向に沿った当該押圧部材の長さが前記載置部の長さよりも短いことを特徴とする。
【0008】
このような切断用治具によれば、棒状部材の一部分を把持するための把持部および棒状部材を切断するための切断装置が載置される載置部がそれぞれ設けられているため、把持部により棒状部材の一部分を把持した後に切断装置を載置部に載置させることにより、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう棒状部材を切断する際に、作業者に負担をかけることなくコンパクトな構成で安価かつ安定的に棒状部材を切断することができる。
【0010】
この場合、前記把持部の前記当接部分は、前記棒状部材の長手方向に沿って見たときにV字形状または凹形状となっていてもよい。
【0011】
あるいは、前記把持部の前記当接部分は、互いに離間して設けられた一対の円柱部材を有しており、前記棒状部材は各前記円柱部材の外周面に当接可能となっていてもよい。
【0012】
本発明の切断ユニットは、
棒状部材を切断する際に用いられる切断用治具であって、前記棒状部材の一部分を把持するための把持部と、前記把持部に設けられ、前記棒状部材を切断するための切断装置が載置される載置部と、を備え、前記載置部は、前記棒状部材の一部分が前記把持部により把持されたときに当該棒状部材の長手方向に対して直交する平面である載置面を有している切断用治具と、本体部および当該本体部に設けられ前記棒状部材を切断するための切断部を有する切断装置と、を備え、前記切断装置には、前記本体部が前記切断用治具の前記載置部に載置されたときに前記本体部を前記載置部に沿って案内するためのガイド部が設けられて
おり、前記ガイド部は、前記本体部の底面から下方に突出し、前記本体部を前記載置部に沿って案内することが可能となるガイド位置と、前記本体部の底面から下方に突出しない退避位置との間で、前記本体部に対して移動可能となっていることを特徴とする。
【0013】
このような切断ユニットによれば、棒状部材の一部分を把持部により把持している切断用治具の載置部に本体部が載置されたときにガイド部によって本体部を切断用治具の載置部に沿って案内することにより、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう棒状部材を切断する際に、作業者に負担をかけることなくコンパクトな構成で安価かつ安定的に棒状部材を切断することができる。
【0014】
本発明の切断ユニットにおいては、前記ガイド部は、前記本体部が前記切断用治具の前記載置部に載置されたときに当該載置部を前記本体部との間で挟むような構成となっていてもよい。
【0017】
本発明の切断装置は、棒状部材を切断するための切断装置であって、本体部と、前記本体部に設けられた、前記棒状部材を切断するための切断部と、前記本体部に設けられ、前記棒状部材の一部分を把持部により把持している切断用治具の載置部に前記本体部が載置されたときに前記本体部を前記載置部に沿って案内するためのガイド部と、を備え
、前記ガイド部は、前記本体部の底面から下方に突出し、前記本体部を前記載置部に沿って案内することが可能となるガイド位置と、前記本体部の底面から下方に突出しない退避位置との間で、前記本体部に対して移動可能となっていることを特徴とする。
【0018】
このような切断装置によれば、棒状部材の一部分を把持部により把持している切断用治具の載置部に本体部が載置されたときにガイド部によって本体部を切断用治具の載置部に沿って案内することにより、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう棒状部材を切断する際に、作業者に負担をかけることなくコンパクトな構成で安価かつ安定的に棒状部材を切断することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の切断用治具、切断ユニットおよび切断装置によれば、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう棒状部材を切断する際に、作業者に負担をかけることなくコンパクトな構成で安価かつ安定的に棒状部材を切断することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図9は、本実施の形態による切断ユニットを示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態による切断ユニットにおける切断装置の構成を示す斜視図であり、
図2乃至
図4は、それぞれ、
図1に示す切断装置の側面図、正面図および上面図である。また、
図5は、本実施の形態による切断ユニットにおける切断用治具の構成を示す斜視図であり、
図6および
図7は、それぞれ、
図5に示す切断用治具の側面図および上面図である。また、
図8は、
図1等に示す切断装置の本体部を
図5等に示す切断用治具の載置部に載置して当該切断装置により棒状部材を切断するときの状態を示す側面図であり、
図9は、
図8に示す切断装置および切断用治具を下方から上側に向かって見たときの構成を示す下面図である。なお、
図6乃至
図9において、切断装置により切断されるべき鉄筋等の棒状部材を参照符合Wで示している。
【0022】
まず、本実施の形態による切断装置10の構成について
図1乃至
図4を用いて説明する。本実施の形態による切断装置10は、円盤形状のチップソー型のカッター14により、鉛直方向に延びる鉄筋等の棒状部材を、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう切断するものである。このような切断装置10は、本体部12と、本体部12の内部に収容されている円盤形状のカッター14と、カッター14を回転駆動させる駆動モータ16と、駆動モータ16に電力を供給するバッテリー17と、作業者により把持されるハンドル18とを備えており、本体部12には、カッター14の一部を露出させるための切り欠き12b(
図4参照)が形成されている。ここで、本体部12は、カッター14を収容することにより当該カッター14を保護するカバーとして機能するようになっている。このような切断装置10では、鉄筋等の棒状部材を切断するにあたり、作業者が片手でハンドル18を握りながら駆動モータ16のスイッチをオンとして当該駆動モータ16によりカッター14を回転駆動させることにより、本体部12の切り欠き12bで露出しているカッター14により鉄筋等の棒状部材を切断することができるようになる。
【0023】
また、
図1乃至
図3に示すように、本実施の形態による切断装置10では、本体部12の底面12a側にガイド部20が設けられている。このようなガイド部20は、切断装置10の本体部12が後述する切断用治具30の載置部32に載置されたときに本体部12を載置部32に沿って案内する機能を有している。より詳細には、ガイド部20は、
図3に示すように切断装置10を正面側から見たときに凹形状となるような2箇所で折れ曲がった板金等から構成されている。このようなガイド部20の形状により、当該ガイド部20は、切断装置10の本体部12が切断用治具30の載置部32に載置されたときに当該載置部32を本体部12の底面12aとの間で挟むようになっている(
図8参照)。また、
図2に示すように、ガイド部20の基端には軸22が設けられており、当該ガイド部20は本体部12に対して軸22を中心として回転可能となっている。より詳細には、ガイド部20は、本体部12の底面12aから下方に突出し、本体部12を載置部32に沿って案内することが可能となるガイド位置(
図2において実線で表示)と、本体部12の底面12aから下方に突出しない退避位置(
図2において二点鎖線で表示)との間で、軸22を中心として回転可能となっている。また、ガイド部20の側面には、当該ガイド部20の位置を固定するための位置決め部材24が取り付けられており、この位置決め部材24により本体部12に対するガイド部20の位置を固定することができるようになっている。
【0024】
次に、本実施の形態による切断用治具30の構成について
図5乃至
図7を用いて説明する。本実施の形態による切断用治具30は、上述した切断装置10により切断されるべき、鉛直方向に延びる鉄筋等の棒状部材に取付可能となっており、当該切断装置10により棒状部材を切断する作業を補助するものである。より詳細には、鉄筋等の棒状部材に切断用治具30を取り付けた後、当該切断用治具30に切断装置10を載置することにより、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう切断装置10のカッター14により棒状部材を切断することができ、しかも切断用治具30に切断装置10を載置することによって作業者に負担をかけることなくコンパクトな構成で安価に棒状部材を切断することができるようになる。
【0025】
図5乃至
図7に示すように、切断用治具30は、切断装置10が載置される平板形状の載置部32と、鉄筋等の棒状部材を把持するための把持部33とを備えており、載置部32の下面に把持部33が取り付けられている。また、載置部32は、
図6および
図7に示すように鉄筋等の棒状部材(
図6および
図7において参照符合Wで表示)が把持部33により把持されたときに当該棒状部材の長手方向(すなわち、
図6における上下方向)に対して直交する平面である載置面32aを有しており、この載置面32aに切断装置10の本体部12が載置されるようになっている。このような切断用治具30の各構成部材の詳細について以下に説明する。
【0026】
鉄筋等の棒状部材を把持するための把持部33は、棒状部材が内部に収容される収容部分38と、収容部分38の内周面に設けられ、収容部分38に収容された状態の棒状部材が当接可能となっている当接部分35と、当接部分35に対して収容部分38に収容された状態の棒状部材の一部を押圧する円柱形状の押圧部分34とを有している。そして、
図6および
図7に示すように、収容部分38に収容された状態の棒状部材の一部分が押圧部分34により当接部分35に対して押圧されることにより、棒状部材の一部分が把持部33により把持されるようになっている。ここで、
図5および
図6に示すように、収容部分38は略円筒形状となっているが、鉄筋等の棒状部材を出し入れするための切り欠き部分が当該収容部分38に設けられており、この切り欠き部分により収容部分38の内部に棒状部材を入れることができるようになっている。また、収容部分38の上面は載置部32の下面に取り付けられている。また、
図7に示すように、棒状部材の長手方向に沿って見たときに当接部分35はV字形状となっており、このV字形状の谷間の部分の近傍に棒状部材が入れられるようになっている。このように、当接部分35がV字形状となっている場合には、押圧部分34により棒状部材の一部分が当接部分35に向かって押圧されたときに、把持部33に対して棒状部材の位置がずれてしまうことを防止することができるようになる。また、当接部分35がV字形状となっている場合には、様々な太さの棒状部材に対応することができるようになる。なお、後述するように、当接部分35はV字形状のものに限定されることはなく、把持部33に対して棒状部材の位置がずれてしまうことを防止することができるのであれば当接部分35の形状を様々なものとすることができる。
【0027】
収容部分38における当接部分35に対向する側には円柱形状の押圧部分34が設けられており、この押圧部分34は当接部分35に対して進退可能となっている。より詳細には、円柱形状の押圧部分34は、把持部33により把持されたときの鉄筋等の棒状部材の長手方向に対して直交する方向(すなわち、
図6における左右方向)に延びるようになっている。また、押圧部分34は収容部分38を貫通するようになっている。具体的に説明すると、押圧部分34の外周面の一部には雄ネジ部分34aが形成されており、また、収容部分38における押圧部分34の貫通穴には雄ネジ部分34aに対応する雌ネジ部分が形成されている。また、押圧部分34の基端側には軸37を介してハンドル36が接続されており、当該ハンドル36は軸37を介して押圧部分34に対して回転可能となっている。そして、作業者がハンドル36を握って押圧部分34を回転させると、当接部分35に対して押圧部分34が接近したり当接部分35から押圧部分34が遠ざかったりするようになっている。このように、作業者は収容部分38の内部に鉄筋等の棒状部材を入れた後、ハンドル36を握って押圧部分34を回転させることにより、当該棒状部材を把持部33により把持させることができるようになっている。
【0028】
本実施の形態では、上述した切断装置10および切断用治具30により、鉄筋等の棒状部材を切断するための切断ユニットが構成されている。
【0029】
次に、このような切断装置10および切断用治具30を用いて鉄筋等の棒状部材を切断する動作について
図8および
図9を用いて説明する。
【0030】
切断装置10により鉄筋等の棒状部材を切断するにあたり、作業者はまず棒状部材における切断されるべき箇所の近傍に切断用治具30を取り付ける。具体的には、切断用治具30における把持部33の収容部分38の内部に鉄筋等の棒状部材を入れた後、ハンドル36を握って押圧部分34を回転させることにより、当該棒状部材を把持部33により把持させる。次に、作業者は切断用治具30の載置部32に切断装置10の本体部12を載置する。この際に、切断装置10のガイド部20を
図2において実線で示すようなガイド位置に位置させておき、位置決め部材24により本体部12に対するガイド部20の位置をこのガイド位置で固定させておく。そして、切断用治具30の載置部32に切断装置10の本体部12を載置する際に、切断装置10における本体部12の底面12aとガイド部20との間の空間(
図3において参照符合Hで表示)に、切断用治具30の載置部32を入れるようにする。このことにより、
図8および
図9に示すように、切断装置10の本体部12が切断用治具30の載置部32から離間しないよう、当該載置部32の載置面32aに沿って切断装置10の本体部12を
図8や
図9における左右方向に案内することができるようになる。
【0031】
その後、作業者は片手でハンドル18を握りながら駆動モータ16のスイッチをオンとして当該駆動モータ16によりカッター14を回転駆動させる。そして、載置部32の載置面32a上で切断装置10のハンドル18を握りながら本体部12を鉄筋等の棒状部材に接近させる。このことにより、切断用治具30の把持部33により把持されている鉄筋等の棒状部材を、本体部12の切り欠き12bで露出しているカッター14により切断することができるようになる。
【0032】
なお、本実施の形態では、切断装置10における本体部12の底面12aとガイド部20との間の空間(
図3において参照符合Hで表示)に切断用治具30の載置部32を入れたときに、この空間の左右方向に隙間ができるようになっている。このことにより、ガイド部20により切断装置10の本体部12を載置部32の載置面32aに沿って案内する際に、当該本体部12をガイド部20の幅方向(すなわち、
図9における上下方向)にも移動させることができるようになり、このことにより様々な太さの棒状部材を切断装置10により切断することができるようになる。
【0033】
以上のような構成からなる本実施の形態の切断用治具30によれば、棒状部材を切断するための切断装置10が載置される載置部32および鉄筋等の棒状部材の一部分を把持するための把持部33がそれぞれ設けられており、載置部32は、棒状部材の一部分が把持部33により把持されたときに当該棒状部材の長手方向に対して直交する平面である載置面32aを有している。このような切断用治具30を用いた場合には、鉄筋等の棒状部材の一部分を切断用治具30の把持部33により把持させることによって切断用治具30を棒状部材に取り付けた後、当該切断用治具30の載置部32の載置面32aに切断装置10を載置することにより、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう切断装置10により棒状部材を切断する際に、作業者に負担をかけることなくコンパクトな構成で安価かつ安定的に棒状部材を切断することができるようになる。
【0034】
より詳細に説明すると、従来の切断装置では、鉄筋等の棒状部材の一部を把持するクランプ機構と、スライドレバーを使用して円盤形状のチップソー型のカッターを棒状部材側に押し出すことにより簡単に棒状部材を切断できる送り機構とがそれぞれ設けられており、棒状部材を切断する際に、クランプ機構により棒状部材の一部を把持した状態で、送り機構によりカッターを棒状部材側に押し出すことにより棒状部材の切断面を平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面に仕上げることができるようになっていた。しかしながら、このような切断装置では、送り機構にクランプ機構を取り付けているため、装置全体が大型化してしまうとともに重量も大きくなり、また価格も高くなってしまうという問題があった。これに対し、本実施の形態では、上述した切断用治具30を用いることにより、従来の切断装置における上記の問題を解消することができるようになる。
【0035】
また、本実施の形態による切断用治具30は、切断装置10の重量の一部を支えるという機能もある。このような切断用治具30の機能により作業者は切断装置10の全重量を支える必要がなくなり作業者の負担を軽減することができるようになり、これにより作業者は切断装置10による鉄筋等の棒状部材の切断作業に一段と専念することができるようになるため、棒状部材の切断作業の正確さを向上させることができるようになる。
【0036】
また、本実施の形態による切断用治具30を、鉛直方向に延びる鉄筋等の棒状部材に対してだけではなく、鉛直方向以外の方向(例えば、水平方向)に延びる鉄筋等の棒状部材に取り付けてもよい。この場合にも、棒状部材に切断用治具30を取り付けた後、切断装置10の本体部12の底面12aと切断用治具30の載置部32の載置面32aとが接触するように切断装置10を切断用治具30に取り付ける。この際に、切断装置10のガイド部20を
図2において実線で示すようなガイド位置に位置させておき、位置決め部材24により本体部12に対するガイド部20の位置をこのガイド位置で固定させておく。そして、切断用治具30に切断装置10を取り付ける際に、切断装置10における本体部12の底面12aとガイド部20との間の空間(
図3において参照符合Hで表示)に、切断用治具30の載置部32を入れるようにする。このことにより、切断装置10の本体部12が切断用治具30の載置部32から離間しないよう、当該載置部32の載置面32aに沿って切断装置10の本体部12を案内することができるようになる。ここで、鉛直方向以外の方向(例えば、水平方向)に延びる鉄筋等の棒状部材を切断装置10により切断する場合でも、ガイド部20によって切断装置10の本体部12を案内することにより、鉛直方向以外の方向に延びる棒状部材についても安全かつ安定的に切断することができるようになる。
【0037】
また、本実施の形態による切断用治具30においては、上述したように、把持部33は、鉄筋等の棒状部材が当接可能となっている当接部分35と、当接部分35に対して棒状部材の一部分を押圧する押圧部分34とを有しており、当接部分35に対して押圧部分34により棒状部材の一部分が押圧されることにより当該棒状部材の一部分が把持されるようになっている。このような切断用治具30によれば、押圧部分34により棒状部材の一部分を当接部分35に対して押圧することにより、棒状部材に切断用治具30を簡易かつ確実に取り付けることができるようになる。また、把持部33の当接部分35は、棒状部材の長手方向に沿って見たときにV字形状となっている。この場合には、当接部分35のV字形状の谷間の部分の近傍に棒状部材を入れることにより、押圧部分34により棒状部材の一部分が当接部分35に向かって押圧されたときに、把持部33に対して棒状部材の位置がずれてしまうことを防止することができるようになる。
【0038】
また、本実施の形態の切断装置10によれば、本体部12と、鉄筋等の棒状部材を切断するためのカッター14(切断部)と、棒状部材の一部分を把持部33により把持している切断用治具30の載置部32に本体部12が載置されたときに本体部12を切断用治具30の載置部32に沿って案内するためのガイド部20とがそれぞれ設けられている。このような切断装置10によれば、棒状部材の一部分を把持部33により把持している切断用治具30の載置部32に本体部12が載置されたときにガイド部20によって本体部12を切断用治具30の載置部32に沿って案内することにより、切断面が平面かつ棒状部材の長手方向に直交する面となるよう切断装置10により棒状部材を切断する際に、作業者に負担をかけることなくコンパクトな構成で安価かつ安定的に棒状部材を切断することができるようになる。
【0039】
また、本実施の形態による切断装置10においては、上述したように、ガイド部20は、本体部12が切断用治具30の載置部32に載置されたときに当該載置部32を本体部12との間で挟むような構成となっている。この場合には、切断装置10の本体部12が切断用治具30の載置部32から離間しないよう、当該載置部32の載置面32aに沿って切断装置10の本体部12を案内することができるようになる。また、ガイド部20は、本体部12の底面12aから下方に突出し、本体部12を切断用治具30の載置部32に沿って案内することが可能となるガイド位置(
図2において実線で表示)と、本体部12の底面12aから下方に突出しない退避位置(
図2において二点鎖線で表示)との間で、本体部12に対して移動可能となっている。このような切断装置10によれば、切断用治具30を用いて鉄筋等の棒状部材の切断を行う場合にはガイド部20をガイド位置に位置させることにより載置部32の載置面32aに沿って切断装置10の本体部12を案内することができるようになる。一方、例えばコンクリート面から突出している鉄筋等の棒状部材を当該コンクリート面に沿って切断する場合には、ガイド部20が邪魔になるためガイド部20を退避位置に退避させるようにする。この場合には切断用治具30を用いずに切断装置10の本体部12をコンクリート面に沿って移動させるようにする。
【0040】
なお、本実施の形態による切断装置や切断用治具は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0041】
例えば、切断用治具の把持部における当接部分は、
図7に示すような鉄筋等の棒状部材の長手方向に沿って見たときにV字形状となるような当接部分35に限定されることはない。切断用治具の把持部における当接部分として、
図10や
図11に示すような構成のものが用いられてもよい。なお、
図10および
図11に示すような変形例に係る切断用治具を説明するにあたり、
図1乃至
図9に示す切断用治具と同じ構成部材については同じ参照符合を付けてその説明を省略する。
【0042】
図10に示すような変形例に係る切断用治具30aでは、鉄筋等の棒状部材の長手方向に沿って見たときに凹字形状となるような当接部分35aを有する把持部33aが用いられるようになっている。このような変形例に係る切断用治具30aでも、収容部分38に収容された状態の鉄筋等の棒状部材の一部分が凹字形状の当接部分35aの内部に入れられた状態で押圧部分34により当接部分35aに対して押圧されることにより、棒状部材の一部分が把持部33aにより把持されるようになる。また、
図10に示すような切断用治具30aでは、鉄筋等の棒状部材の一部分が凹字形状の当接部分35aの内部に入れられることにより、把持部33aに対して棒状部材の位置がずれてしまうことを防止することができるようになる。
【0043】
また、
図11に示すような別の変形例に係る切断用治具30bでは、互いに離間して設けられた一対の円柱部材から構成される当接部分35bを有する把持部33bが用いられるようになっており、把持部33bにより把持される棒状部材は当接部分35bにおける各円柱部材の外周面に当接するようになっている。このような別の変形例に係る切断用治具30bでも、当接部分35bにおける一対の円柱部材の外周面に鉄筋等の棒状部材を接触させながら押圧部分34により当該棒状部材を当接部分35bに対して押圧することにより、把持部33bに対して棒状部材の位置がずれてしまうことを防止することができるようになる。また、当接部分35bが一対の円柱部材から構成される場合には、様々な太さの棒状部材に対応することができるようになる。
【0044】
また、切断装置のガイド部は、
図1乃至
図3に示すような構成のガイド部20に限定されることはない。切断装置におけるガイド部として、
図12乃至
図15に示すような構成のものが用いられてもよい。なお、
図12乃至
図15に示すような変形例に係る切断装置を説明するにあたり、
図1乃至
図9に示す切断装置と同じ構成部材については同じ参照符合を付けてその説明を省略する。
【0045】
図12および
図13に示すような変形例に係る切断装置10aでは、本体部12の底面12aにガイド部20aが位置固定で設けられており、当該ガイド部20aは本体部12に対して移動しないようになっている。このようなガイド部20aが設けられている切断装置10aを切断用治具30に載置する際に、切断装置10aにおける本体部12の底面12aとガイド部20aとの間の空間に、切断用治具30の載置部32を入れるようにする。このことにより、切断装置10aの本体部12が切断用治具30の載置部32から離間しないよう、当該載置部32の載置面32aに沿って切断装置10aの本体部12を
図12や
図13における左右方向に案内することができるようになる。
【0046】
また、
図14に示すような別の変形例に係る切断装置10bでは、互いに離間して設けられた一対のガイド部20bが本体部12の底面12aに位置固定で設けられている。ここで、
図14に示すように、各ガイド部20bは互いに向き合うようなL字形状となっており、それぞれのガイド部20bにおける折れ曲がった箇所と本体部12の底面12aとの間の空間に切断用治具30の載置部32を入れることができるようになっている。このような一対のガイド部20bが設けられている切断装置10bを切断用治具30に載置する際に、それぞれのガイド部20bにおける折れ曲がった箇所と本体部12の底面12aとの間の空間に切断用治具30の載置部32を入れることにより、切断装置10bの本体部12が切断用治具30の載置部32から離間しないよう、当該載置部32の載置面32aに沿って切断装置10bの本体部12を案内することができるようになる。
【0047】
また、
図15に示すような更に別の変形例に係る切断装置10cでは、互いに離間して設けられた一対のガイド部20cが本体部12の底面12aに位置固定で設けられている。ここで、
図15に示すように、各ガイド部20cは本体部12の底面12aから下方に延びるようになっている。このような一対のガイド部20cが設けられている切断装置10cでは、当該切断装置10cを切断用治具30に載置したときに切断装置10cの本体部12が切断用治具30の載置部32から離間しないようにすることはできないが、切断用治具30の載置部32に対して切断装置10cの本体部12が左右にずれてしまうことを防止することができ、よって切断用治具30が取り付けられている鉄筋等の棒状部材を切断装置10cのカッター14により確実に切断することができるようになる。