(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影(CT)またはコーンビームCT(CBCT)撮像装置は、移動可能または回転する撮像セット、または、例えば水平マウントを使用するガントリを支持することができる垂直柱を有することができる。ガントリは、互いに対向するX線源とセンサとを支持し、X線源とセンサとの間に位置する回転軸の回りを回転するように構成される。バイトブロックを有する患者位置決めユニット上に位置する対象または患者は、X線源とセンサとの間に位置することができる。
【0003】
CTまたはCBCT撮像装置は、患者または撮像領域の回り(例えば、撮像される患者に対して固定された回転軸)を回転するガントリで多数の2D画像を取得することにより、動作する。CT及びCBCT撮像は、患者の解剖学的構造の3Dまたはボリューム画像を再構築することを可能とする。結果として得られるボリューム画像は、診断及び治療を支援する有用な情報を取得するために特別な価値があることが認識されている。
【0004】
CBCTスキャン中、ガントリで支えられるX線源及びセンサは、X線源がX線ビームを発射する間に、少なくとも180°の角度範囲にわたって、固定された回転軸の回りを回転することができる。3次元的に再構築すべき範囲は、X線源の前に配置されたコリメータにより、X線ビームの正確な視準によるX線ビームで絶えず(例えば、パルスで)放射線を当てられる。X線ビームは、スキャン(または、CBCT露光)の全角度範囲中で放射することができる。患者位置決めユニット上に位置する患者、及び、X線源とセンサとを支持するガントリは、スキャン中に常に放射線を当てられる領域が、再構築される患者の関心領域と一致または対応するように、極めて正確な関係になければならない。
【0005】
公開された特許文献1の従来技術の開示には、ガントリはマウントに対して二次元で移動可能であり、したがって、回転軸はスキャンの開始前の患者の関心領域の垂直位置に位置する。スキャン中、回転軸は固定され、ガントリは回転軸の回りを回転する。光源の前部のコリメータは、ビームの中心が回転軸の垂直位置に交差するように、ビームを整形する。再構築された画像は、回転軸を中心とする垂直な円筒状である。このとき、患者に対する回転軸の正確な位置決めは、所要の関心領域のスキャン及び再構築を可能とするが、回転軸の方向に交差する二次元内で回転軸を移動するための少なくとも2つのモータを有する回転軸移動手段を、マウント内に組込むことを必要とする。したがって、公開された特許文献1は、複雑で嵩張りかつ高価な装置となる。
【0006】
公開された特許文献2の他の従来技術の開示では、CBCT装置のガントリは、例えば前後方向(すなわち、患者に対して前後方向)の単一方向にのみ移動可能であるか、または、全く移動できない。関心領域は、このとき、固定軸の垂直位置に全体的に配置されない。X線ビームは、光源の前部に位置するコリメータで動的に視準を合わせられ、したがって、ビームは、スキャン中、ガントリのそれぞれの角度位置で関心領域を通る。それにも関わらず、センサは、必然的に限られたサイズであり、これは、全体的にはCBCT装置の最も高価な部材である。例えば、第3大臼歯または顆である関心領域が、回転軸の垂直位置から離隔した位置に配置されたときは、ビームの中心は、回転軸の垂直位置に対して大きくずれる。センサが固定され、光源と回転軸とを結ぶ軸上に心出しされているため、ビームはセンサに当たらない。特許文献2の開示の欠点は、顆及び第3大臼歯をその後に3D画像にすることができないことである。
【0007】
公開された特許文献3の更に他の従来技術の開示では、X線ビームの視準とセンサの位置との双方はスキャン中に動的にモニタされ、したがって、ビームは関心領域を照射し、センサはスキャン中にガントリのそれぞれの角度位置でビームを捕捉する。回転軸から離隔した患者の顎の部材をその後撮像することができる。それにも関わらず、センサの移動を可能とするスライド機構は、複雑で高価であり、それぞれの角度位置でのセンサの移動は、モニタすることが困難なことがある。
【0008】
患者位置決めユニットに対して回転軸を移動できない、または、回転軸が単一の方向にのみ移動可能な撮像装置では、スキャン前に回転軸に対して患者の位置を変更することが適切なことがある。動力化した患者位置決め装置が、特許文献4に開示されている。2つのモータが、横(X)及び前後(Y)方向にバイトブロックの移動を可能とする。この場合も、動力化したバイトブロックの使用は、機械の製造コストを増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
CBCT装置の回転軸がこの回転軸の方向に交差する2つの方向に移動できないときに、第3大臼歯及び/または顆等の患者の顎の任意部分を撮像可能とするために、スキャンする前に患者の位置を変更する能力を備えたCTまたはCBCT装置がいまだに必要とされている。
【0011】
本願の態様は、特に歯科用の医療用デジタルX線撮影の技術を進歩することである。
【0012】
本願の他の態様は、関連技術における少なくとも上述及び他の不備の全体または一部に対処することである。
【0013】
本願の他の態様は、ここに記載の少なくとも利点の全体または一部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の1つの態様によると、少なくとも一部がデータ処理ハードウェアで実行される、歯科放射線透過撮像に対して被検者を位置決めする方法が提供され、これは、患者支持構造の対向面を有する咬合可能なバイトブロックを準備することを包含することができ、ここでは、所定の空間関係が、歯科撮像装置の前後平面と歯列弓装着装置の対称面とをオフセットさせる。
【0015】
本開示の1つの態様によると、放射線源とデジタル画像センサとの少なくとも1つを有する可動マウントと、撮像領域の回りをスキャンパターンで可動マウントを移動するために励磁可能なアクチュエータと、デジタル画像センサと通信しかつスキャンパターンのために放射線源に対して位置決めされるデジタル画像センサの1つまたは複数の二次元画像を取得するように構成されるコンピュータと、スキャンパターンに対する空間関係を提供する患者支持構造とを備え、空間関係は、前後平面と歯列弓の対称面とをオフセットさせる、対象物の放射線透過画像を取得する歯科撮像装置が提供される。
【0016】
これ等の目的は、例示的な実施例によってのみ与えられ、このような目的は、本発明の1つまたは複数の実施形態の典型例としてもよい。生得的に達成される他の望ましい目的及び利点は、当業者に明らかでありまたは明らかとなることがある。本発明は、添付の請求の範囲で画定される。
【発明の効果】
【0017】
本願の装置及び/または方法の実施形態で提供される利点は、従来の撮像方法を超える低コストで、歯、顎または頭の特徴面の改善された撮像に関する。
【0018】
本願の装置及び/または方法の実施形態で提供される利点は、歯科撮像装置の撮像領域における適正な位置決めに関する。
【0019】
本願の装置及び/または方法の実施形態で提供される利点は、歯科撮像装置の撮像領域内における、繰返し可能で、一貫し、及び/または、正確な位置決めに関する。
【0020】
本願の装置及び/または方法の実施形態で提供される利点は、簡略化され及び/または低コスト化した構成で、部分的CTまたはCBCT撮像を実行することに関する。
【0021】
本願の装置及び/または方法の実施形態で提供される利点は、歯科X線CTまたはCBCT撮像に対する正確な位置決めに関する。
【0022】
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点は、添付図面に示すように、本発明の実施形態の以下のより具体的な説明から明らかとなる。
【0023】
図の部材は、互いに一定の縮尺とする必要はない。基本的な構造関係または作動原理を強調するために、ある程度の誇張が必要なことがある。例えば、動力供給用、パッケージング用、及び、システムの光学系を装着及び保護するために使用される支持部材等の記載した実施形態の具体化に必要な従来の部材については、説明を簡略にするために図には示してない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】患者位置決めユニットを含む例示的な関連技術のCBCT歯科用撮像装置の機能図を示す図である。
【
図2】4つのブレードを有する例示的な関連技術のコリメータを示す図である。
【
図3】関連技術による回転軸の垂直位置から離隔した関心領域の例示的なCBCT撮像法を示す上面図を示す図である。
【
図4a】回転軸の垂直位置に心出しされた関心領域の例示的な関連技術のCBCT撮像のプロセスを示す図である。
【
図4b】回転軸の垂直位置に心出しされた関心領域の例示的な関連技術のCBCT撮像のプロセスを示す図である。
【
図5a】回転軸の垂直位置から遠くに離隔した関心領域を撮像するときに、関連技術のCBCT撮像プロセス及び/または患者位置決めユニットの制限を示す図である。
【
図5b】回転軸の垂直位置から遠くに離隔した関心領域を撮像するときに、関連技術のCBCT撮像プロセス及び/または患者位置決めユニットの制限を示す図である。
【
図5c】本願の特定の例示的実施形態による患者位置決めユニットと共に、回転軸の垂直位置から遠く離隔した関心領域の例示的なCBCT撮像プロセスを示す図である。
【
図6a】本願による例示的なバイトブロックの実施形態を示す図である。
【
図6b】本願による例示的なバイトブロックの実施形態を示す図である。
【
図6c】本願による例示的なバイトブロックの実施形態を示す図である。
【
図7】本願の例示的な実施形態による異なるサイズの側頭部コンタクトを装備した2つの側頭部ホルダ間の患者の頭の位置決めを示す図である。
【
図8】本願による例示的なオフセットバイトプレートの実施形態を有する例示的な患者位置決めユニットと、異なるサイズの側頭部コンタクトを装備した例示的な側頭部ホルダの実施形態を示す図である。
【
図9a】本願によるオフセット及び傾斜したバイトプレートを有する他の例示的なバイトブロックの実施形態を示す図である。
【
図9b】本願によるオフセット及び傾斜したバイトプレートを有する他の例示的なバイトブロックの実施形態を示す図である。
【
図9c】本願によるオフセット及び傾斜したバイトプレートを有する他の例示的なバイトブロックの実施形態を示す図である。
【
図10】
図9a〜9cの例示的なバイトブロックの実施形態、及び、本願による例示的な患者位置決めユニットにおける同じサイズで示す側頭部コンタクトを装備した側頭部ホルダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下は、例示的な実施形態の説明であり、参照する複数の図面のそれぞれにおいて同じ参照番号が同じ構造の部材を特定する。
【0026】
本開示の文脈中で使用される場合、「第1」、「第2」等は必ずしもどのような順序、順番または優先関係を示すものではなく、特に指定しない限り、単に、1つのステップ、部材または部材のセットを他からより明確に区別するために使用される。
【0027】
本明細書で使用されるように、用語「励磁可能」は、電力を受取ったとき、及び、選択的に、許可信号を受取ったときに、指定された機能を実行する装置または部材のセットに関する。用語「作動可能」は、例えば電気信号に応答する等の刺激に応答して動作を生じさせることができる装置または部材に関して、通常の意味を有する。
【0028】
本願の装置及び/または方法の実施形態は、繰返し可能で、正確及び/または制御可能に部分的CT撮像を容易とすることを目的とする。本願による装置及び/または方法の実施形態は、CTまたはコーンビーム型CT歯科撮像法を提供する。
【0029】
図1は、患者位置決めユニットを含む例示的な従来技術のCBCT歯科用撮像装置の簡略化した側面図を示す図である。
図1に示すように、CBCT撮像装置1は、垂直柱3で支えられる水平マウント2を有することができる。水平マウント2の垂直位置は、垂直柱3に対して調節可能とすることができ、したがって、水平マウント2は患者の高さに対して調節可能である。ガントリ4は、X線源6及び撮像センサ7を支持し、CBCT装置1の撮像領域の回りを回転することができる。ガントリ4は、水平マウント2に対して装着または連結することができる。1つの実施例では、ガントリ4は、軸5を介して水平マウント2に装着し、軸5の周りを回転することができる。他の構成では、回転移動ユニット10は、マウント2に包含し、患者に対して少なくとも前後方向(例えば、Y方向)に沿って軸5を移動するモータ15を有することができる。例示的な患者位置決めユニット30は、バイトブロック31と、側頭部コンタクト35a及び35bを設けた2つの側頭部ホルダ32a及び32bとを有することができる。例えば、患者位置決めユニット30は、マウント2で支持される。ブレードコリメータまたはシャッタコリメータとすることができるコリメータ20は、X線源6の前部に位置し、X線源6から生じたX線ビームを整形及び配向し、関心領域11をスキャンすることができる。関心領域11を通過した後、X線ビームは、センサ7に当たるのが好ましい。選択的に、第2コリメータ20aは、センサ7の近部または前部に配置することができる。
【0030】
CBCT装置1と一体または同一場所に配置してもよくまたはしなくてもよい制御論理プロセッサ40が、スキャンの前に、ガントリ4の動き(例えば、ガントリ4の回転)、コリメータ20の開口、及び/または、選択的に軸5の移動(例えば、軸5を位置決めするため)を制御できる。制御論理プロセッサ40と信号通信する1つまたは複数のセンサユニット44が、回転可能なガントリ4の回転位置を検出し、選択的に、Y方向における回転軸5の相対位置を更に検出することができる。制御論理プロセッサ4は、CBCT装置1と一体でもよくまたは一体でなくてもよい画面51に接続することができる。
【0031】
画面51は、患者の歯列弓のモデル52、及び、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)等を介して歯列弓のモデル52に対するサイズ及び位置を変更可能なターゲット53を表示することができる。ターゲット53は、再構築すべき領域(例えば、関心領域11)の仮想表現とすることができる。これに代え、ターゲット53は、仮想モデル、または、放射線を照射するように選択された身体の歯列弓の一部に対応する場面51に表示された歯列弓の表示(例えば、2D、3Dまたは簡略化されて)の一部の強調表示の形態とすることができる。歯列弓または顎の仮想モデルに対するターゲット53のサイズ及び/または位置に関する情報は、制御論理プロセッサ40に送信することができる。制御論理プロセッサ40は、この後、仮想ターゲットの位置(例えば、中心)に対応する患者に対して計算した位置に、ガントリ4の軸5を位置決めすることができ、ガントリ4の任意の角度位置で仮想ターゲットの位置に対応する身体の歯列弓の一部に照射するX線ビームを整形し、導くために、コリメータ20を駆動することができる。
【0032】
したがって、コリメータ20が動作し、X線源6及びセンサ7(または、ガントリ4)のそれぞれの角度位置でX線ビームを心出しすることができる。
図2は、例示的コリメータ20を形成及び/または制御することができる構成部材を示す図である。
図2に示すように、例示的なコリメータ20は、断面が矩形のビーム23を整形することができる。
図2では、コリメータ20は、ブレードコリメータであり、モータ25で適切に位置決めされる対のブレード21a,21bを設けられ、これは、制御論理プロセッサ40で制御することができる。従来の慣例では、ブレード21a,21bは、X線ビームの位置及び幅が仮想ターゲット53の位置及び/またはサイズに適合するように、位置決めされる。当業者に既知のように、他のタイプのコリメータを使用して、円形状、くさび状、及び、楕円状の開口等の他のX線ビーム整形形状としてもよい。他の形状では、コリメータは、ブレードを非対称に駆動し、または、非対称に整形したX線ビームを形成することができる。他の形状では、シャッタを駆動するカム機構を有するシャッタコリメータも使用することができる。
【0033】
それにしたがってコリメータ20が駆動されると、X線源6の焦点26から発するX線ビームは、歯列弓10の関心領域11を照射し、この後、
図3に示すように、センサ7に衝突する。CBCT撮像装置1の前後平面12は、患者が患者位置決めユニット30上に位置決めされたときに患者の前後方向に配向されかつ回転軸5を包含する垂直面として画定することができる。
図3に示すように、関心領域11は、CBCT装置1の平面12に対してオフセットしている。
図3の状況では、患者位置決めユニット30と、特に、バイトブロック31とは、CBCT装置1の前後平面12に対して心出しされる。患者がこのように位置決めされると、歯列弓10の対称面13は、CBCT装置1の平面12と一致する。したがって、
図3は、関連技術による回転軸5の垂直位置から離隔配置された関心領域11の例示的な従来技術のCBCT撮像法を示す上面図を示す図である。
【0034】
再構築可能な関心領域の最大サイズは、従来技術により、センサ7のサイズで制限される。センサ7の価格、したがってCBCT装置の価格は、センサ7のサイズにより大きく影響されるため、CBCT装置で全歯列弓をコスト効率よく撮像することができないことがある。
図4a及び4bは、患者の顎の照射がCBCT装置1の最大視野を有するケースを示す。
図4a及び4bは、患者の顎の照射がガントリの特定の角度位置にあり、X線の焦点を含む平面が前後平面12内にあるケースを示す。
図4a〜4bに示すように、センサ7の活性面には、完全にX線ビームが衝突する。更に、
図4a〜4bでは、歯列弓の一方または双方の端部52aが照射されず、したがって、再構築できない。端部52a(例えば、第3大臼歯及び/または顆)が
図4a〜4bで照射される場合、X線ビームの端部は、センサ7の活性面の外側及び/または越えて衝突することになる。
【0035】
図5a〜5bは、回転軸の垂直位置から遠くに離隔した関心領域を撮像するために、従来技術のCBCT撮像プロセス及び患者位置決めユニットの限界を示す図である。
図5aに示すように、
図4bのガントリ4の同じ角度位置に対してスケッチしたように、第3大臼歯または顆の上に心出しされた小さな視野53’の選択は、歯列弓の対称面13がCBCT装置1の前後平面12と一致する場合(
図5bを参照)に、X線ビームの焦点を少なくとも部分的にセンサ7の活性面の外側とすることになる。
【0036】
本願による装置及び/または方法の実施形態は、歯列弓の端部52aに対応する関心領域を照射しつつ、センサの活性領域にX線ビームの一部または全体の焦点を合わせることができる。本願の装置及び/または方法の実施形態により、歯列弓の端部52a(例えば、第3大臼歯または顆)に心出しした関心領域を照射する間、センサの活性領域にビームの全体の焦点を合わせるための1つの解決法は、
図5cに示すように、患者を側方にオフセットすることである。そのとき、歯列弓13の対称面は、CBCT装置の前後平面12と一致しない。関心領域11(例えば、歯列弓の端部に対応する)は、回転軸5に、より近接して位置決めすることができ、X線ビームは、関心領域11を照射し、更に、センサ7の活性面に衝突することができる。
【0037】
CBCT装置の前後平面12からオフセットした患者の特性の撮像は、
図6a〜6cに示す例示的なバイトブロックの使用により達成することができる。本願による例示的なバイトブロックの実施形態100は、平坦部材104を有し、この平坦部材104は両側に延設された2つの突起を設けられている。突起は孔を開けられ、先細状の孔101a,101bがそれぞれの突起の頂面から底面に延びる。1つの実施形態では、例示的なバイトブロック100は、単一部材から形成することができる。バイトブロック100は、この後、それぞれ患者位置決めユニット130(または、患者支持構造)に固定または連結された2つのシャフト33a及び33bをバイトブロック100の孔101a及び101bの内側に挿入することにより、CBCT装置1に対して位置決めすることができる。2つのシャフト33a及び33b(例えば、
図8を参照)は、CBCT撮像装置1の前後平面12に対して対称的に位置決めすることができる。平面12は、双方の孔101a及び101bの中心を結ぶライン112を直角に横断することができる。平面12は、バイトブロック100がシャフト33a及び33b上に位置決めされたときに、双方の孔101a及び101bの中心から等距離に位置することができる。2つのバイトプレート102及び103は、1つの実施形態の平坦部材104に、それぞれ対向する突起の双方の孔101a及び101bを連結するライン112に対して対向側(例えば、対称的に)で結ぶことができる。双方のバイトプレート102及び103の共通の対称面113は、CBCT撮像装置1の軸12に対して平行とすることができる。双方のバイトプレート102及び103の共通の対称面113は、平面12に対してオフセットさせることができる。
【0038】
特定の例示的な実施形態では、バイトプレートの対称面113と、CBCT撮像装置1の前後平面12との間の距離は、約10ミリメートルとすることができる。バイトプレートの対称面113とCBCT撮像装置1の前後平面12との間の距離は、より概略的には、3〜20ミリメートルの範囲とすることができる。距離は、8〜12ミリメートルの範囲であるのが好ましいが、この距離は、5〜10ミリメートルの範囲にすることも可能である。
図6a〜6cに示すように、双方のバイトプレートは、歯列弓に対応する形状(例えば、蹄鉄状形状、u字状形状)を有し、したがって、一方のバイトプレートの上側及び下側面に接触する双方の歯列弓の形状に好適に適合することができる。上側フランジ122a及び下側フランジ122bは、バイトプレート102の双方の側に位置決めし、バイトプレート102の歯列弓を正確に位置決めするための切歯の支台として作用することができる。上側フランジ123a及び下側フランジ123bは、バイトプレート123の双方の側に対称的に位置決めすることができる。物理的指標114及び115(例えば、可視の)が上側切歯間に挿入されるように上側フランジ123a及び122aにそれぞれ設けられ、更に、バイトプレート100上での歯の位置決めを改善することができる。単一の指標114及び115がそれぞれのバイトプレート102及び103に示してあるが、本願の実施形態により、追加の指標を用いることができる(例えば、位置決めのため)。
【0039】
図6a〜6cに示すように、例示的なバイトブロックの実施形態100は、種々の利点を提供し、右第3大臼歯または右顆を撮像する場合、バイトブロック100は、シャフト33aが孔101aを貫通するように、患者位置決めユニット30(
図1)のシャフト33a及び33b上に位置決めされる。この後、バイトブロック100は、関連するバイトプレート102が患者を向くように、位置決めされる。バイトプレート102の平面113は、CBCT撮像装置1の前後平面12の左側にオフセットする。バイトプレートを噛んでいる患者の右第3大臼歯または顆の位置は、その後、標準/通常のバイトブロックに比較して、前後平面12に向けて移動される。左第3大臼歯または顆を撮像する場合、バイトブロック100は、シャフト33aが孔101bを貫通し、関連するバイトプレート103が患者に向くように、シャフト33a及び33b上で逆転される。その結果、バイトプレート103の平面113は、CBCT撮像装置1の前後平面12の右側にオフセットする。バイトプレートを噛んでいる患者の左第3大臼歯または顆の位置は、その後、標準のバイトブロックに比較して、前後平面12に向けて移動される。双方のケースでは、関心領域は、オフセットしたバイトブロック102または103により、回転軸5に近接される。特定の例示的な実施形態では、ビームの中心とCBCT装置の前後平面12との間の角度を制限しつつ、右または左第3大臼歯または顆に照射することができ、したがって、ビームは全体として、センサ12の活性領域に衝突する。
【0040】
2つのオフセットしたバイトプレート102及び103が平坦部材104に連結されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、単一のバイトプレートを設けた実施形態も考慮することができる。その場合、ユーザは、左オフセットから右オフセットバイトブロックに、単に、バイトブロックの上下を逆転するだけで変更することができる。その場合、孔101a及び101bは、先細状ではなく、円筒状形状とする必要があり、したがって、シャフト32a及び32bを両方向に貫通することが可能である。2つのバイトブロックのセットも考慮することができ、最初の1つは、左オフセットバイトブロックが設けられ、他の1つは、右オフセットバイトプレートが設けられ、これらの双方には、先細状孔101a及び101bが設けられる。
【0041】
患者の頭を固定するため、患者位置決めユニットは、更に、側頭部ホルダ32a及び32bを有する(
図1及び7)。側頭部ホルダのそれぞれは、位置決めユニット30に位置決めするときに、患者の側頭部に接触する側頭部コンタクト35a及び35bを設けられる。側頭部ホルダ32a及び32bは、CBCT撮像システムの前後平面12に対して対称的に位置決めされる。標準のバイトブロックでは、患者の頭200も、前後平面12に対して対称的に位置決めされ、したがって、同じサイズのコンタクト35a及び35bが患者の頭にフィットする。オフセットバイトプレート102または103を有する本願の例示的なバイトブロック100では、患者の頭200の対称面213は、バイトプレート102または103の対称面でもあり、前後平面12に一致しない。そして、
図7に示すように、患者の対称面213と第1側頭部ホルダ32bとの間の距離d2は、患者の頭の対称面213と第2側頭部ホルダ32aとの間の距離d1よりも大きい。したがって、より大きな側頭部コンタクト36を側頭部コンタクト35bに交換し、
図7に示すように、オフセット(例えば、平面12と平面113との間)を補償しなければならない。コンタクト35a,35b及び36は、取外し可能であり、構成を容易に変更するために、例えば、側頭部コンタクト32a及び32bに取外し可能に(例えば、工具無しで取付け/取外しされるスナップ止め、)取付けられる点で有益である。標準のバイトブロックが使用される場合、そのときは、コンタクト35a及び35bが使用される。左第3大臼歯または顆を撮像する場合、本願によるバイトブロック100を使用し、バイトプレート103が患者に向くようにシャフト32a及び32bに装着され、小コンタクト35a及び大コンタクト36が使用される。右第3大臼歯または顆を撮像する場合、本願によるバイトブロック100が使用され、バイトプレート102が患者に向くようにシャフト32a及び32bに装着され、小コンタクト35b及び大コンタクト36が使用される。
【0042】
図8は、一対のシャフト33a及び33b上に位置決めされた例示的なバイトブロック100を設けた患者位置決めユニット130を示す。バイト102は、上側及び下側フランジ122a及び122bの位置を区別できるように、前後垂直平面12に対してオフセットしている。実際に、バイトプレート102の対称面113(これは、患者の歯列弓の対称面でもある)は、平面12からオフセットしている。この後、関心領域11は、CBCT機械の前後平面12、したがって回転軸5に、より近接される。X線ビームは、これで関心領域11を放射線照射することができ、これは、この場合には、顎10の端部であり、センサ7の活性面に衝突する。患者の頭が、側頭部ホルダ32a及び32b間の中央点に対してオフセットしているため、一方の側頭部ホルダ上に、他方の側頭部ホルダ上のコンタクト35bよりも大きなコンタクト36を位置決めする必要がある。
【0043】
他の実施形態(
図9a〜9c)では、例示的なバイトブロックの実施形態150のバイトプレートは、平坦部材104、及び、例示的なバイトブロック150の孔101a及び101bに垂直な平面に対して傾斜させることができる(例えば、調節可能に、取付けられ)。繰返すと、バイトプレート102’がオフセットし、例えば、フランジ122a及び122bの中間点115は、CBCT装置の前後平面12からオフセットする。患者が患者位置決め装置130上で位置決めされ、バイトプレート102’を噛むと、患者の頭は前後平面12に対して傾斜する。特に、頭のオフセット位置から最も離隔する側頭部ホルダに向けて、頭が傾斜する。
図9a〜9cに示す例示的なバイトブロックでは、第2のタイプの側頭部コンタクト36を使用する必要はない。頭の傾斜は、双方の側頭部ホルダ間の中間線に対して位置決めする顎のオフセットを補償する。この後、
図10に示すように、バイトプレートの傾斜により同じタイプの側頭部コンタクト35a及び35bを双方の側頭部ホルダ32a及び32bに使用しつつ、バイトプレート102’のオフセットにより、患者の顎の端部を撮像することが可能である。傾斜したオフセットバイトプレート102’の対称面113は、双方の側頭部コンタクト35a及び35b間の中間点で前後平面12を横断する。距離d3及びd4が等しいため、側頭部コンタクトの変更は、最早必要ない。バイトプレート102’の平坦部材104に対する傾斜角度は、3〜15°の範囲である。傾斜角度の値は、5〜10°の範囲にあるのが好ましいが、10〜15°の範囲の傾斜角度の値も考慮することができる。好ましい例示的な実施形態では、傾斜角度の値は、7°に等しい。
【0044】
1つの例示的な実施形態では、本願による例示的なバイトブロックの実施形態は、追加設置し、及び/または、CBCT装置1に使用することができる。
【0045】
1つの実施形態では、患者位置決め構造またはその咬合部(例えば、102,102’,103)は、衛生上の理由で、交換可能な保護シースを設けるのが好ましい。これに代えて、バイト部は、交換可能な咬合部の形態とすることができる。1つの実施形態では、患者位置決め構造は、咬翼または咬合可能な形状または歯列弓に対応する平坦形状または上側及び/または下側顎の咬合面を包含することができる(例えば、固体またはその間に間隙を有する細長いアーム)。患者位置決め構造は、硬質材料、特に、放射線透過性材料を有することが好ましい。1つの実施形態では、患者位置決め構造は、顎弓の角度範囲を占めるのが好ましく、これは、20°と40°との間であり、これは、患者の頭が少しでも側方に傾きまたは傾動するのを実質的に低減または防止することができる。1つの実施形態では、患者位置決め構造は、その上側面及びその下側面に咬合溝を有し、患者の上側及び下側の顎のそれぞれの歯列弓の部分を収容する。1つの実施形態では、患者位置決め構造は、バイトスティックが下顎及び上顎骨弓の咬合面間に強固に押圧される時を検出するセンサを包含することができる。可聴警報または可視指示が、選択された張力/力を識別することができる。
【0046】
本願の例示的実施形態にしたがい、コンピュータプログラムは、電子メモリからアクセスされ、画像データに作用する記憶された命令を利用する。画像処理分野における当業者に理解されるように、本願の例示的実施形態における撮像システムを操作するためのコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータまたはワークステーション等の適切な汎用コンピュータシステムで利用することができる。しかし、多くの他のタイプのコンピュータシステムが、例えば、ネットワーク接続したプロセッサの配置を含み、本願のコンピュータプログラムを実行するために使用することができる。本願の例示的方法/装置を実行するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納してもよい。この媒体は、例えば、ハードディスクドライブ若しくは着脱装置若しくは磁気テープ等の磁気ディスク等の磁気記憶媒体、光ディスク、光テープ若しくは機械可読の光コード化等の光記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)若しくはリードオンリイメモリ(ROM)等の固体電子記憶装置、または、コンピュータプログラムを格納するために採用される任意の他の物理的装置若しくは媒体を包含してもよい。本願の例示的方法/装置を実行するコンピュータプログラムは、インターネットまたは他のネットワークまたは通信媒体により、画像プロセッサに接続されるコンピュータ可読記憶媒体に格納してもよい。当業者は、更に、このようなコンピュータプログラム製品との等価物は、ハードウェアで構築してもよいことが容易に認められる。
【0047】
本開示の文脈において、「コンピュータアクセス可能メモリ」に相当する用語「メモリ」は、記憶し、画像データに作用するために使用され、例えばデータベースを含むコンピュータシステムにアクセス可能な任意のタイプの一時的または永続的なデータ記憶作業空間を参照することができる。メモリは、磁気または光学式記憶装置等の例えば長期記憶媒体を使用する非揮発性とすることができる。これに代え、メモリは、マイクロプロセッサまたは他の制御論理プロセッサ装置により、一時的バッファまたは作業空間として使用されるランダムアクセスメモリ(RAM)等の、電気回路を使用する更に揮発性の性質とすることができる。例えば、表示データは、典型的には、表示装置に直接関連し、表示データを提供するために必要に応じて周期的にリフレッシュされる一時的記憶バッファに記憶される。この一時的記憶バッファも、この用語が本開示に使用されているように、メモリの一種と見なされる。メモリは、更に、計算及び他の処理の中間及び最終結果を実行及び記憶するデータ作業空間としても使用される。コンピュータアクセス可能なメモリは、揮発性、非揮発性、または、揮発性と非揮発性とを組合わせたハイブリッドタイプとすることができる。
【0048】
本願のコンピュータプログラム製品は、種々の画像操作アルゴリズム及び周知のプロセスを使用してもよいことが理解される。更に、本願のコンピュータプログラム製品の実施形態は、ここには具体的に示しまたは説明してはないが、実行するために有益なアルゴリズム及びプロセスを具現化してもよいことが理解される。このようなアルゴリズム及びプロセスは、画像処理の分野における通常の技術の範囲に含まれる従来のユーティリティを包含してもよい。このようなアルゴリズム及びシステムの追加の態様、並びに、画像を生成及び他の処理を行い、または、本願のコンピュータプログラム製品と共に作用するハードウェア及び/またはソフトウェアは、ここには具体的に示しまたは説明しておらず、当該分野で既知のこのようなアルゴリズム、システム、ハードウェア、構成部材及び素子から選択してもよい。
【0049】
本発明を詳細に説明してきており、例示的または現在好ましい実施形態を参照して説明してきたが、変形及び変更が可能なことが理解される。例えば、例示的な可視指示器の実施形態は、引込み位置に移動することとは対照的に取外し可能とすることも可能である(例えば、整合後、及び、スキャンする前)。1つの実施形態では、引込み位置は、取外した位置である。更に、例示的な可視的指示器の実施形態は、ナジオン等の異なる位置に装着し、指示器でこれに視覚的に外耳道及び/またはイヤーロッドに対して整合させることができる。これに代え、例示的な可視指示器の実施形態は、この検査または検査間の再現性及び正確性のために、最初に歯科医が患者に対して位置決めし、この後、初期位置の確認または調節のために離隔したセンサ(例えば、トランシーバ)で検出可能で、表示される(例えば、現場の装置または離隔したコンソール)整合機構(例えば、イヤーロッド及び前頭部支持体の位置確認部)に、装着されるトランシーバのように電子的に検出可能とすることができる。1つの実施形態では、患者支持構造は、あご当てに摺動可能に接続することができ、ここで、あご当ては、可動マウントに対して上述の関係の歯科撮像装置に接続される。ここに開示した例示的な実施形態は、したがって、全ての点において説明的であり、制限的ではないと見なされる。本発明の範囲は、添付の請求の範囲で示されており、その意味及び等価な範囲となる全ての変更はここに包含されることを意図する。
【0050】
ここでの装置及び/または方法の実施形態の例示的な用途は、歯の撮像に関して記載されているが、しかし、本願の実施形態は、そのように制限することを意図するものではなく、例えば、説明した実施形態の追加の用途は、制限するものではないが、医療分野、NDT分野、及び/または、歯列矯正学、歯周病学、歯内治療学、歯科補綴学、口腔顎顔面外科、または、小児歯科を含む用途を包含することができる。本願による特定の例示的な装置及び/または方法の実施形態は、パノラマ式歯科撮像装置と、パノラマ式歯科撮像装置、コンピュータ断層撮影歯科撮像装置画像、頭部計測歯科撮像装置、超音波歯科撮像装置、または、ENT放射線透過撮像装置の少なくとも1つとを有する複合歯科撮像装置との少なくとも1つの歯科撮像装置に使用することができる。
【0051】
本願による例示的な実施形態は、ここに説明した種々の特徴を有する(個別にまたは組合わせて)ことができる。
例えば 、以下のように構成してもよい。
[1]
放射線源とデジタル画像センサとの少なくとも1つを有する可動マウントと、
前記可動マウントを撮像領域の回りにスキャンパターンで移動するために励磁可能であるアクチュエータと、
前記デジタル画像センサと信号通信し、前記放射線源に対して前記スキャンパターンのために位置決めされた前記デジタル画像センサの二次元画像の1つまたは複数を取得するように構成されるコンピュータと、
前記スキャンパターンに対する空間関係を与える患者支持構造とを備え、前記患者支持構造は、固定位置でそれに装着されるバイトブロックを有し、前記バイトブロックの固定位置は、前記スキャンパターンに対する空間関係を与え、前記空間関係は、前記前後平面及び歯列弓の対称面をオフセットし、
前記前後平面は、前記患者支持構造上で心出しされた垂直面であり、前記患者が前記患者位置決めユニット上に位置決めされたときに、前記患者の前後方向に配向される、対象物の放射線透過画像を取得する歯科撮像装置。
[2]
前記回転軸は、前後平面を横断する、[1]に記載の歯科撮像装置。
[3]
空間関係は、前記前後平面に対して患者の歯間に保持される患者支持構造の咬合をオフセットするように構成され、前記患者支持構造の咬合の対称面は、前記前後平面から離隔して間隔を設ける、[1]に記載の歯科撮像装置。
[4]
前記バイトブロックは、
少なくとも1つの締結具を有する平坦部材を備え、前記患者支持構造は、少なくとも1つの締結具で前記歯科撮像装置に取外し可能に取付けられ、更に、
前記平坦部材に、長手方向側部で連結することができる少なくとも1つのバイトプレートを備え、前記少なくとも1つのバイトプレートは、前記前後平面に対してオフセットする、[1]に記載の歯科撮像装置。
[5]
前記バイトブロックは、前記締結具を使用して前記歯科撮像装置に対して位置決め可能な1つの単一部材である、[4]に記載の歯科撮像装置。
[6]
前記少なくとも1つのバイトプレートは、前記平坦部材に対して傾斜し、これは、前記締結具で固定されたときに、実質的に水平である、[4]に記載の歯科撮像装置。
[7]
前記少なくとも1つのバイトプレートは、前記平坦部材に対して調節可能に傾斜する、[4]に記載の歯科撮像装置。
[8]
前記少なくとも1つのバイトプレートの対称面は、前後平面に対してオフセットし、または、前記患者支持構造の2つの側頭部ホルダに対してオフセットする、[4]に記載の歯科撮像装置。
[9]
前記患者支持構造の前記2つの側頭部ホルダに装着される側頭部コンタクトは、サイズが非対称である、[8]に記載の歯科撮像装置。
[10]
前記患者支持構造は、前記可動マウントに所定の関係で前記歯科撮像装置に接続されるバイトブロックを有し、前記バイトブロックは、前記撮像領域内の咬合面を決定する少なくとも1つの面を有する、[1]に記載の歯科撮像装置。
[11]
前記歯科撮像装置は、パノラマ式歯科撮像装置と、パノラマ式歯科撮像装置、コンピュータ断層撮影歯科撮像装置画像、頭部計測歯科撮像装置、超音波歯科撮像装置、または、ENT放射線透過撮像装置の少なくとも1つとを有する複合歯科撮像装置との少なくとも1つである、[1]に記載の歯科撮像装置。
[12]
前記患者支持構造は、あご当てに摺動可能に接続され、前記あご当ては、前記可動マウントに所定の関係で前記歯科撮像装置に接続される、[1]に記載の歯科撮像装置。
[13]
患者支持構造内で対向する面を有し、所定の空間関係を与える咬合可能なバイトブロックを準備し、前記所定の空間関係は、歯科撮像装置の前後平面と歯列弓の対称面をオフセットさせ、かつ、
前記バイトブロックを、少なくとも2つの静止位置で前記患者支持構造に装着し、前記2つの静止位置の少なくとも一方は、所定の空間関係を与える、歯科放射線透過撮像のために対象者を位置決めする方法。
[14]
更に、
前記患者支持構造を少なくとも1つの締結具で前記歯科撮像装置に取付け、前記患者支持構造は、非対称のバイトブロックを有する平坦部材を有し、かつ、
前記平坦部材の長手方向側部に沿って位置するバイトブロック内に少なくとも1つのバイトプレートを準備し、前記少なくとも1つのバイトプレートは、前記前後平面に対してオフセットし、または、前記患者支持構造の2つの側頭部ホルダに対してオフセットする、[13]に記載の方法。
[15]
前記少なくとも1つのバイトブロックは、前記患者支持構造が少なくとも1つの締結具で前記歯科撮像装置に取付けられたときに、水平に対して傾斜し、前記歯科放射線透過撮像は、歯科パノラマ撮像である、[13]に記載の方法。
【0052】
本発明は、1つまたは複数の実装について説明してきたが、添付の請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、図示の実施例を変更及び/または変形することが可能である。更に、本発明の特定の特徴が複数の実装の1つに関して説明してきたが、このような特徴は、どのような所与のまたは特定の機能に対して望ましくかつ有益であるような他の実装の1つまたは複数の特徴に組合せることができる。用語「少なくとも1つの」は、列挙した事項の1つまたは複数を選択できることを意味するために使用される。用語「約」は、列挙した値が、図示の実施形態のプロセスまたは構造にその変更が不適合な結果とならない限り、ある程度変更可能であることを示す。最後に、「例示的」は、観念的であることを強調するのではなく、説明が実施例として使用されることを示す。本発明の他の実施形態は、明細書の考察及びここに開示した発明の実行から、当業者にとって明らかである。明細書及び実施例は、例示のみとして考えられ、本発明の範囲は、以下の請求の範囲で示されており、その等価物の意味及び範囲内となるあらゆる変更は、その中に包含されることが意図される。