【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本絶縁型高所作業車は、車体アセンブリ、回転台、ブームブラケットアセンブリ、絶縁
性の作業床及び作業床
の回転台に対する相対位置を制限する位置制限装置を含む。
前記回転台は、旋回支持及び旋回駆動を介して車体アセンブリに取り付けられる。
【0008】
前記ブームブラケットアセンブリは下部ブームと上部ブームを含み、下部ブームはベースブームとベース伸縮ブームを含み、上部ブームは二段ブームと二段伸縮ブームを含む。ベースブームの
基端は回転台とヒンジ接続され、ベースブームに補助絶縁セクションが設置される。ベース伸縮ブームは少なくとも一つ設置され、ベースブーム内に伸縮可能に設置される。二段ブームの一端はベース伸縮ブームの末端の端部にヒンジ接続される。二段伸縮ブームは少なくとも一つ設置され、二段ブーム内に伸縮可能に設置される。二段伸縮ブームの末端はメイン絶縁
ブームであり、メイン絶縁
ブームは自動レベリング装置を介し
て作業床と接続される。
【0009】
前記位置制限装置は、下部ブーム傾斜角検出センサー、下部ブーム長さ検出センサー、上部ブーム
長さ変化検出センサー、上部ブーム長さ検出センサー及び電気制御ユニットを含む。
下部ブーム傾斜角検出センサーは、補助絶縁セクション
よりもベースブーム
の基端寄りに設けられた金属セクションに設置される。
【0010】
下部ブーム長さ検出センサー、上部ブーム
長さ変化検出センサー及び上部ブーム長さ検出センサーはそれぞれ絶縁
性の距離測定ワイヤ
と距離測定ワイヤリール
の測定ユニットを含む。
各距離測定ワイヤの基端は、
それぞれに対応する
測定リールユニットに固定され且つ巻き
付けられている。各測定
リールユニットは、それぞ
れ金属セクションに設置され
る。上部ブーム
長さ変化検出センサーと上部ブーム長さ検出センサーは、
距離測定ワイヤをガイドする絶縁性のガイドローラーをさらに含み、2つ
のガイドローラーは、ベース伸縮ブームの
先端のヒンジ接続箇所
に取り付けられる。下部ブーム長さ検出センサー
の距離測定ワイヤの
先端はベース伸縮ブームの
先端に接続される。上部ブーム
長さ変化検出センサーの絶縁距離測定ワイヤの
先端は
、対応す
るガイドローラーを
介して二段ブームの
基端に接続
される。上部ブーム長さ検出センサー
の距離測定ワイヤの
先端は
、対応す
るガイドローラー
を介して、メイン絶縁
ブームの
基端に接続される。
【0011】
電気制御ユニットは、
作業床位置計算回路、および、
位置制限制御回路を含
む。作業床位置計算回路は、下部ブーム傾斜角検出センサーの検出した
下部ブームの傾斜角と、下部ブーム長さ検出センサー、上部ブーム
長さ変化検出センサー及び上部ブーム長さ検出センサーの
各測定リールユニットが測定した距離測定ワイヤの長さとを用いて、作業床の回転台に対する実際の位置を算出する。位置制限制御回路は、実際の位置が予め設定された範囲以上である場合、運転者の操作を制限する。
【0012】
本発明のさらなる改善案として、前記の下部ブーム傾斜角検出センサー、下部ブーム長さ検出センサー、上部ブーム
長さ変化検出センサー及び上部ブーム長さ検出センサーはベースブームの内部に
取り付けられ、前記上部ブーム
長さ変化検出センサーと上部ブーム長さ検出センサー
の距離測定ワイヤの他端はそれぞれ上部ブームの内部に設置される。
【0013】
本発明のさらなる改善案として、前記下部ブーム長さ検出センサー
の距離測定ワイヤ、前記上部ブーム
長さ変化検出センサーの下部ブーム内部に位置す
る距離測定ワイヤ、前記上部ブーム長さ検出センサーの下部ブーム内部に位置す
る距離測定ワイヤは、それぞれ下部ブームの中心軸線に対して平行に設置される。前記上部ブーム長さ検出センサーの上部ブーム内部に位置す
る距離測定ワイヤは上部ブームの中心軸線に対して平行に設置される。
【0014】
本発明のさらなる改善案として、前記上部ブーム
長さ変化検出センサー
のガイドローラーと上部ブーム長さ検出センサー
のガイドローラーは同心に取り付けられる。
【0015】
本発明のさらなる改善案として、前記上部ブーム
長さ変化検出センサー
のガイドローラーと上部ブーム長さ検出センサー
のガイドローラーは、寸法が同じであり且つ同軸に取り付けられる。
【0016】
本発明のさらなる改善案として、前記上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁距離測定ワイヤの他端は、二段ブームの終端部のヒンジ部から離れた内側面箇所に接続される。
絶縁型高所作業車の作業床の自動幅制限方法であって、
【0017】
a.データの取得:データ取得フィードバック回路を作動させ、電気制御ユニットのセントラルプロセッサーが下部ブーム傾斜角検出センサーを介して下部ブームの俯角・仰角をリアルタイムに取得するとともに、下部ブーム長さ検出センサー、上部ブーム幅変化検出センサー、上部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤリール測定ユニットを介して各絶縁距離測定ワイヤの伸び量をリアルタイムに検出するステップと、
【0018】
b.データの計算:絶縁型作業床幅計算出力回路を作動させ、電気制御ユニットのセントラルプロセッサーがフィードバックされたデータ及び設定されたプログラムに基づき絶縁型作業床の実際の作業幅を計算するステップと、
【0019】
c.データ比較及び出力:データ比較回路と幅制限制御回路を作動させ、電気制御ユニットのセントラルプロセッサーが絶縁型作業床の実際の作業幅及び設定された絶縁型作業床の最大作業幅を比較してその結果を出力するステップと、
【0020】
d.幅制限制御:実際の作業幅が設定された最大作業幅より小さい場合、電気制御ユニットのセントラルプロセッサーはコントローラーに信号を出力して、運転者が作業幅を増加させる操作を許可し、実際の作業幅が設定された最大作業幅以上である場合、電気制御ユニットのセントラルプロセッサーはコントローラーに信号を出力して、運転者が作業幅を増加させるすべての操作を制限するステップと、を含む。
本発明の絶縁型作業床の実際の作業幅を決める手段として、以下のステップを含む。
【0021】
ベース伸縮ブームと二段伸縮ブームが完全に収縮した初期状態における下部ブームの初期長さをL
0下とし、上部ブームの初期長さをL
0上とし、下部ブームと水平面との初期角度をA
1とする場合、下部ブーム傾斜角検出センサーの角度表示値はA
1になる。
【0022】
上部ブームと下部ブームとの初期角度をA
2とし、下部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤが引き出された初期長さをL
1とし、上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁距離測定ワイヤが引き出された初期長さをL
2とし、上部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤが引き出された初期長さをL
3とする。
下部ブームが持ち上げられた場合、下部ブームと水平面との角度をA
1’とする。
【0023】
上部ブームが下部ブームよりも持ち上げられた場合、上部ブームと下部ブームとの角度をA
2’とし、上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁距離測定ワイヤの長さをL
2’とし、上部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤの長さをL
3’とする。
下部ブームのベース伸縮ブームの第nブームが一定の距離伸び出した後、下部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤの長さをL
1’とする。
【0024】
下部ブーム全体の長さ、上部ブームと下部ブームとの角度が初期状態に保持され、上部ブームの二段伸縮ブームの第mブームが一定の距離伸び出した後、上部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤの長さをL
3’’とする。
【0025】
上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁距離測定ワイヤリール測定ユニットにおける絶縁距離測定ワイヤの出口箇所から、絶縁距離測定ワイヤと上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーの接点cまでの距離をL
31とし、上部ブーム幅変化検出センサーの二段ブームの終端部と接続する絶縁距離測定ワイヤの末端から、絶縁距離測定ワイヤと上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーの接点dまでの距離をL
33とする場合、上部ブームと下部ブームが初期状態にある時、上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁距離測定ワイヤが上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーに巻き付けられた長さL
32は、
L
32=L
3−L
31−L
33であり、
【0026】
上部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤリール測定ユニットにおける絶縁距離測定ワイヤの出口箇所から、絶縁距離測定ワイヤと上部ブーム長さ検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーの接点aまでの距離をL
21とし、上部ブーム長さ検出センサーのメイン絶縁端の終端部と接続する絶縁距離測定ワイヤの末端から、絶縁距離測定ワイヤと上部ブーム長さ検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーの接点bまでの距離をL
23とする場合、上部ブームと下部ブームが初期状態にある時、上部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤが上部ブーム長さ検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーに巻き付けられた長さL
22は、
L
22=L
2−L
21−L
23であり、
【0027】
上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーのワイヤ溝におけるピッチ直径をR
1とし、上部ブーム長さ検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーのワイヤ溝におけるピッチ直径をR
2とし、
【0028】
上部ブームと下部ブームが初期状態から他の位置まで移動した場合、下部ブームと水平面との角度をA
1’とし、この時、上部ブーム幅変化検出センサーの絶縁距離測定ワイヤが上部ブーム長さ検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーに巻き付けられた長さL
32’は
L
32’=L
32−(R
2/R
1)・(L
22’−L
22)であり、
この時、上部ブーム長さ検出センサーの絶縁距離測定ワイヤが上部ブーム長さ検出センサーの絶縁ワイヤガイドローラーに巻き付けられた長さL
22’は、
L
22’=L2’−[L
21+(L
1’−L
1)]−L
23であり、
この時、上部ブームの下部ブームに対する角度の変化は、
A
2’−A
2=((L
22’−L
22)×180)/(π・R
1)であり、
この時、下部ブームの長さはL
下=L
0下+(L
1’−L
1)であり、
上部ブームの長さは
L
上=L
0上+[L
2’−L
2−(L
1’−L
1)−L
32’]であり、
但し、絶縁型高所作業床の実際の作業幅Rが、
0°≦A
1’≦90°、A
1’<A
2’であれば、
R=|L
下・cosA
1’−L
上・cos(A
1’−A
2’)|であり、
0°≦A
1’≦90°,A
1’>A
2’であれば、
R=|L
下・cosA
1’−L
上・cos(A
2’−A
1’)|であり、
90°<A
1’<180°、A
1’<A
2’であれば、
R=L
下・cosA
1’+L
上・cos(180°−A
1’−A
2’)であり、
90°<A
1’<180°、A
1’>A
2’であれば、
R=L
下・cosA
1’+L
上・cos(A
1’−A
2’)である。
【0029】
従来技術に比較すると、本絶縁型高所作業車の作業床幅制限装置は下部ブーム傾斜角検出センサー、下部ブーム長さ検出センサー、上部ブーム幅変化検出センサー及び上部ブーム長さ検出センサーを含み、且つ下部ブーム長さ検出センサー、上部ブーム幅変化検出センサー及び上部ブーム長さ検出センサーはそれぞれ絶縁距離測定ワイヤと絶縁距離測定ワイヤリール測定ユニットを含み、下部ブーム傾斜角検出センサーと各絶縁距離測定ワイヤリール測定ユニットはそれぞれ補助絶縁セクションの後方且つ回転台のヒンジ接続箇所の近くに位置するベースブームの根元の金属セクションに設置され、各絶縁距離測定ワイヤの引き出し長さをリアルタイムに測定することにより、絶縁型作業床の実際の作業幅に換算して算出し、実際の作業幅が設定された最大作業幅より小さい場合、電気制御ユニットのセントラルプロセッサーはコントローラーに信号を出力して、運転者が作業幅を増加させる操作を許可して、実際の作業幅が設定された最大作業幅以上である場合、電気制御ユニットのセントラルプロセッサーは、コントローラーに信号を出力して、運転者が作業幅を増加させるすべての操作を制限する。したがって、本発明は、上部絶縁折り畳みブームブラケットに幅制限電気ユニットを取り付けることなく折り畳みブームブラケットの自動幅制限を実現し、作業車全体の安定性を保証し、絶縁型作業床が作業幅の制限を超過することによる作業車の転覆やブームブラケットの破損を防止するため、絶縁型高所作業車に最適である。