特許第6811972号(P6811972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6811972情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6811972
(24)【登録日】2020年12月18日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20201228BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20201228BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20201228BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
   G06Q50/16 300
   G06Q50/08
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-212875(P2019-212875)
(22)【出願日】2019年11月26日
【審査請求日】2019年11月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503133025
【氏名又は名称】株式会社創建
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】上田 明浩
(72)【発明者】
【氏名】吉村 卓也
【審査官】 田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−004285(JP,A)
【文献】 特開2018−106394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1建築物と、当該第1建築物が建替えられた場合における当該建替え後の第2建築物との夫々における判定対象箇所の点検のときに得られた撮像画像のデータを、点検画像情報として夫々取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記点検画像情報に基づいて、前記判定対象箇所の不具合の有無の判定と、前記不具合を有すると判定した場合におけるその不具合の内容についての判定とを行う判定手段と、
前記第1建築物を取得する第1ユーザと、前記第1建築物又は前記第2建築物を取得する第2ユーザとの夫々に対して、前記判定手段の判定結果に基づく所定の提案を、所定タイミングで提供する提供手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記点検を行う点検者を支援するための情報として、前記判定対象箇所に関する情報を前記点検者に提示する提示手段
をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段の前記判定結果を含む情報を、住宅関連サービスに資する情報として活用されるように管理する管理手段
をさらに備える、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
第1建築物と、当該第1建築物が建替えられた場合における当該建替え後の第2建築物との夫々における判定対象箇所の点検のときに得られた撮像画像のデータを、点検画像情報として夫々取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記点検画像情報に基づいて、前記判定対象箇所の不具合の有無の判定と、前記不具合を有すると判定した場合におけるその不具合の内容についての判定とを行う判定ステップと、
前記第1建築物を取得する第1ユーザと、前記第1建築物又は前記第2建築物を取得する第2ユーザとの夫々に対して、前記判定ステップにおける判定結果に基づく所定の提案を、所定タイミングで提供する提供ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
第1建築物と、当該第1建築物が建替えられた場合における当該建替え後の第2建築物との夫々における判定対象箇所の点検のときに得られた撮像画像のデータを、点検画像情報として夫々取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記点検画像情報に基づいて、前記判定対象箇所の不具合の有無の判定と、前記不具合を有すると判定した場合におけるその不具合の内容についての判定とを行う判定ステップと、
前記第1建築物を取得する第1ユーザと、前記第1建築物又は前記第2建築物を取得する第2ユーザとの夫々に対して、前記判定ステップにおける判定結果に基づく所定の提案を、所定タイミングで提供する提供ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、構造物の点検を支援するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再表2017−051554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術よりも、点検者の知識や技量に頼ることなく、質の高い点検業務を誰でも効率よく行うことができる手法の開発が望まれている状況にある。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、点検者の知識や技量に頼ることなく、質の高い点検業務を誰でも効率よく行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
建築物における判定対象箇所の点検のときに得られた撮像画像のデータを、点検画像情報として取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記点検画像情報に基づいて、前記判定対象箇所の不具合の有無の判定と、前記不具合を有すると判定した場合におけるその不具合の内容についての判定とを行う判定手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、点検者の知識や技量に頼ることなく、質の高い点検業務を誰でも効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本サービスの適用対象となる「家ドック」の概要を示すイメージ図である。
図2】本サービスの適用対象となる「家ドック」を提供可能とするシステムの概要を示すイメージ図である。
図3】「家ドック」のスキームの一例として、ユーザの住宅の定期点検業務を行う者がサービス提供者である場合を示す図である。
図4】「家ドック」のスキームの一例として、ユーザの住宅の定期点検業務を行う者がサービス提供者ではなく点検事業者である場合の例を示す図である。
図5】「家ドック」のスキームの一例として、ユーザの住宅の定期点検業務を行う者がサービス提供者ではない場合の例を示す図である。
図6】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図7図6に示す情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8図7のサーバを含む情報処理システムの機能的構成のうち、不具合判定処理を実行するための機能的構成の一例を示すブロック図である。
図9】本サービスの適用対象となる「家ドック」の活用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、図1乃至図5を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システム(後述する図5参照)の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0012】
図1は、本サービスの適用対象となる「家ドック」の概要を示すイメージ図である。
【0013】
本サービスは、サービス提供者Gから、一戸建て住宅Hの保有者であるユーザU等の各種ユーザに提供されるサービスであり、「家ドック」と呼ばれている。なお、必要に応じて、ユーザUに対して、サービス提供者Gと提携関係にある加盟工務店、直営店、委託事業者等(以下、「加盟工務店等」と呼ぶ)からも各種サービス(実際のリフォームや修理の作業等)も提供される。
「家ドック」とは、サービス提供者G(及び必要に応じて加盟工務店等K)が、一戸建て住宅Hの維持管理を行うことで、ユーザUが抱える一戸建て住宅特有の悩みや心配を解消させることを目的としたサービスである。「家ドック」によれば、ユーザUは、安心感のある住居環境を手に入れることができるとともに、住宅Hの品質や価値を維持することができる。
「家ドック」では、後述の情報処理システムにより、住宅Hの点検業務を含むインスペクション(住宅診断)が実行される。
このため、「家ドック」には以下のサービスが含まれる。即ち、インスペクション(住宅診断)、インスペクションアプリケーションソフトウェア(以下、「インスペクションアプリ」と呼ぶ)の提供、点検報告書・修繕計画書の作成、会員(ユーザU)の管理、見積りの依頼、定期点検を除くインスペクション(住宅診断)の依頼、修繕履歴の蓄積、住宅Hに関する情報(以下、「住宅情報」と呼ぶ)の蓄積・保管・更新、業務支援ツールの提供、会員向けのコンテンツサービスの提供等が「家ドック」のサービスに含まれる。
【0014】
「家ドック」のうち、例えば、「インスペクション(住宅診断)」では、第三者性のみが徹底された従来のインスペクションとは異なる。このため、ユーザUは、住宅Hの点検結果を通じて、例えば外壁塗装、防蟻、防水、設備交換等、住宅に関わるあらゆる相談が可能となる。
これにより、検査のみが実施されていた従来のインスペクションでは実現させることができない、住宅関係のワンストップ相談窓口として「家ドック」を機能させることができる。
また、インスペクション(住宅診断)によれば、ユーザUとしては、住宅Hを購入する前の段階で住宅Hに関する詳細な情報を取得することができるので、納得をしたうえで住宅Hを購入することができる。また、ユーザUは、必要に応じて不具合箇所を購入前に修繕してもらうこともできる。また、ユーザUは、住宅Hの購入後も安心して生活することができるとともに、信頼できる事業者(サービス提供者Gや加盟工務店等K)に相談することができる。
即ち、「家ドック」によれば、ユーザUに対して住宅Hの不具合が正確に指摘されるとともに、指摘された不具合のうち、不要不急なもの等がしっかりと考慮された修繕計画が提案される。
これにより、ユーザUは、納得したうえでメンテナンスリフォーム工事を発注することができる。その結果、サービス提供者Gや加盟工務店等Kとしては、高確率でメンテナンスリフォーム工事の発注に繋げることもできる。
【0015】
また例えば、加盟することでサービス提供者Gと提携関係に立つ加盟工務店等Kは、「家ドック」のサービスを通じて、結果的に以下のようなメリットを享受することができる。
即ち、上述のサービスのうち「会員(ユーザU)の管理」では、加盟工務店等Kが「家ドック」のサービスの会員としてのユーザUからの問合せの内容や、アンケート結果、住宅情報等を閲覧することができる。
また例えば、上述のサービスのうち「見積りの依頼」では、ユーザUはWebサイトを介して見積りの依頼を行うことができるので、加盟工務店等Kとしては全ての見積依頼の履歴を管理することができる。これにより、加盟工務店等Kの管理者による管理が容易になるので、加盟工務店等Kの各担当者が対応を失念するようなミスを防ぐことができる。
また例えば、上述のサービスのうち「修繕履歴の蓄積」では、蓄積された情報に基づいて修繕時期や保証期間を把握することができるので、加盟工務店等Kとしては適切な時期に適切な提案が可能となる。
また例えば、上述のサービスのうち「住宅情報の蓄積・保管・更新」では、詳細な情報がデータベース化されるので、加盟工務店等Kは各住宅Hの細かな情報を登録して管理することができる。
また例えば、上述のサービスのうち「業務支援ツール」では、加盟工務店等Kが、サービス提供者G又は加盟工務店等Kにより作成された宣伝ツール等のデザインデータを自由にアップロードしたり、ダウンロードしたりして利用することができる。
また例えば、上述のサービスのうち「会員向けのコンテンツサービスの提供」では、加盟工務店等Kが、住宅や生活に関連する記事の定期配信、後述する提携企業による特典としての抽選会(ポイントプログラム)への参加の招待等を行うことができる。これにより、加盟工務店等Kは、Webサイト上で会員参加型の住宅維持管理サービスを提供することが可能となる。
【0016】
具体的には、図1に示すように、「家ドック」は、サービス提供者Gと加盟工務店等Kとの間の連携により実現できるサービスである。加盟工務店等には後述する点検者Cとして住宅Hの定期点検業務を請負う者や、後述する施工者Bとして住宅Hのメンテナンスリフォーム工事を請負う者等が含まれる。
【0017】
サービス提供者Gは、有料会員のユーザUから会費を徴収し、サービスの充実化を図るために、ユーザUに関する情報を収集して蓄積させる。
また、サービス提供者Gは、サービスの充実化を図るために、加盟工務店等Kに対する審査、管理、及び指導を行う。具体的には、サービス提供者Gは、ユーザU向けのサービスの他に、加盟工務店等K向けのサービスとして、以下のサービスを提供する。
即ち、サービス提供者Gは、加盟工務店等K向けのサービスとして、点検業務や営業のサポートを実施する。イベント等の応援も行われる。
【0018】
点検業務のサポートには、本サービスが適用される。つまり、「家ドック」のサービスのうち、定期点検は、リフォームメンテナンス工事の必要性の判断、及びリフォームメンテナンス工事の費用の見積りを行う際に必要となる情報(以下、「判定根拠情報」と呼ぶ)を取得するための重要なステップとなる。
このため、本サービスでは、定期点検時に質の高い判定根拠情報を誰でも効率よく取得できるようにすることを支援する情報(以下、「点検支援情報」と呼ぶ)が加盟工務店等Kに提供される。
【0019】
点検支援情報には、例えば住宅Hに不具合が生じているかどうかについての判定と、不具合が生じていると判定した場合に、その不具合の内容の判定とを容易に行うことができる資料等が含まれる。ここで、「不具合」には、例えばクラックの大きさや深さ、あるいは塗装の劣化といった視覚的に判断可能な内容が含まれる。
具体的には例えば、点検支援情報には、上述の判定を行うときに確認すべき箇所(以下、「判定対象箇所」と呼ぶ)の位置を示す情報等が含まれる。
【0020】
なお、点検支援情報を提示するときの具体的手法は特に限定されない。例えば点検者Cが点検時に使用する端末3(以下、「点検者端末3」と呼ぶ)に、判定対象箇所を含む点検支援情報を表示させてもよい。また例えば、点検者端末3に、判定対象箇所の不具合を自動判定することでインスペクション(住宅診断)を行うことができるインスペクションアプリをインストールできるようにしてもよい。
【0021】
ここで、インスペクションアプリによる「自動判定」が行われる場合の具体的な手法は特に限定されない。例えば自動判定を行うための手法の1つとして、画像認識の技術を利用してもよい。この場合、インスペクションアプリは、撮影された写真や動画像のデータを認識することで、判定対象箇所の不具合箇所を検知する。
これにより、例えば住宅Hの外壁の撮影画像のデータから、クラックが検知されると、「クラックあり」というメッセージが点検者端末3に表示されるようにすることもできる。また、インスペクションアプリは、クラックの存在を検知するとともに、その幅や程度についても判定することができる。
さらに、各種機能を有するカメラ(例えば赤外線カメラ)等の撮像機器を利用して、クラックの深さを検知したり、温度を検知することで住宅Hの雨漏りの有無を判定したりすることもできる。またさらに、透視撮影で配筋の入り方等を確認することで、判定対象箇所の不具合の有無等を判定することもできる。
【0022】
インスペクションアプリは、所定の点検基準に対応させることができる。また、点検の要望が多い部位は、判定対象箇所として随時追加される。
点検者Cは、インスペクションアプリを用いることで、点検者端末3を見ながらオフラインで点検作業を行うことができる。例えば住宅Hの定期点検のときに得られた判定対象箇所の写真等の撮像画像のデータと、過去に実施された点検結果とを照合したり比較したりすることで、判定対象箇所の不具合の有無を点検者Cが自ら判定することもできる。また、インスペクションアプリに不具合の有無をオフラインで自動判定してもらうこともできる。
また、点検者Cは、詳細な文章の編集等を行う必要がある場合には、パーソナルコンピュータを用いて編集等を行うこともできる。
これにより、点検者Cは、インスペクションアプリによる自動判定の結果を参考にして、判定対象箇所の不具合の有無と、不具合を有する場合におけるその不具合の内容とを容易に把握することができる。
その結果、点検者Cの知識や技量に頼ることなく、質の高い点検業務を誰でも効率よく行うことができる。
【0023】
また、サービス提供者Gは、上述の加盟工務店等K向けのサービスとして、住宅Hのリフォームを行う顧客の集客方法にWebサイトを利用した場合の集客方法の紹介及び構築を行うサービスを提供することができる。
また、サービス提供者Gは、加盟工務店等K向けのサービスとして、住宅Hのリフォームを行う顧客に提案を行うときに活用できるカタログや、販売促進用のポスターやチラシ等のデザインを提供することができる。
また、サービス提供者Gは、加盟工務店等K向けのサービス、又はユーザU向けのサービスとして、不動産仲介に関するノウハウを提供することもできる。
【0024】
「家ドック」のユーザUは、低廉な会費(例えば月定額1000円)を支払うことで、サービス提供者Gが提供する24時間受付のコールセンタを利用したり、住宅Hについて相談したりすることができる。
24時間受付のコールセンタには、緊急時の駆け付けサービスも含まれる。具体的には例えば、施工を担当した工務店の営業時間外に住宅Hにトラブルが発生した場合には、24時間受付のコールセンタを介して、サービス提供者Gの提携先である所定の警備会社が駆け付けて対応することもできる。
これにより、ユーザUは、住宅Hに水漏れ、鍵の紛失、窓ガラスの破損等が発生した場合であっても、緊急で対応してもらうことができる。
【0025】
また、サービス提供者Gは、所定の提携企業Lと提携することができる。なお、提携企業Lの業種は特に限定されず、例えば警備会社、語学教室、クレジットカード会社、家事代行会社、引越業者、家電販売店等を提携企業Lとして採用することができる。これにより、ユーザUは提携企業Lから各種サービスの優待特典(キャッシュバック等)を受けることができる。
【0026】
図2は、本サービスの適用対象となる「家ドック」を提供可能とするシステムの概要を示すイメージ図である。
【0027】
図2に示すように、ユーザUが「家ドック」を利用しようとする場合には、まず、本サービスの提供を受けることができる専用のWebサイトにアクセスして、所定の登録情報を入力することで会員登録をする。ここで、ユーザUの登録情報に含まれる情報の種類は特に限定されない。例えば決済手段等の情報が「登録情報」含まれる。ユーザUの登録情報が「家ドック」に登録されると、ユーザUの登録情報は所定のデータベースに記憶されて管理される。
【0028】
ユーザUが「家ドック」のサービスの会員登録する場合、有料会員の場合には、サーバ1による会費の管理の下で、決済代行システムを介して会費が請求される。
ユーザUは、「家ドック」のサービスの会員になると、例えば、後述するマイページの利用、相談のヒアリング、インスペクション、報告書・計算書の作成、リフォームの受付け、履歴情報の蓄積等のサービスを利用することができる。
【0029】
以上をまとめると、「家ドック」に登録したユーザUは、上述したサービスを含め、例えば以下のようなサービスを受けることができる。即ち、(1)住生活関連情報の配信、(2)住宅に関するQ&Aの閲覧や質問、(3)お得な企業特典サービスの利用、(4)インスペクション(住宅診断)の申し込み、(5)全国の工務店検索、(6)リフォームや修繕の依頼、(7)ポイントプログラムの参加、(8)追加オプション点検実施、(9)瑕疵保険対応インスペクション、(10)定期点検、(11)家カルテの作成・閲覧・更新、(12)24時間コールセンタ(駆け付けサービス有り)、(13)所定回数(例えば年間2回まで)の無料出張、(14)所定金額(例えば1万円)のリフォーム券(工事割引券)の発行(例えば登録後2年目以降毎年発行)、(15)プレミアムプラン用サービスといったサービスを受けることができる。
なお、「家ドック」には、会費の額に合わせて複数種類のプランが用意されている。これにより例えば、会費無料のフリー会員は、上述のサービスのうち(1)乃至(7)のサービスを利用することができ、会費1000円のスタンダード会員は、上述のサービスのうち(1)乃至(14)のサービスを利用することができ、会費5000円のプレミア会員は、上述のサービス全てを利用できるといったように差別化を図ることもできる。
【0030】
また、「家ドック」に登録したユーザUは、ユーザU専用のWebサイト(以下、「マイページ」と呼ぶ)が利用することができるようになる。ユーザUは、「マイページ」から上述のコールセンタに問い合わせを行うこともできる。
これにより、ユーザUは、例えば以下のようなメリットを享受することができる。即ち、ユーザU自身が住宅Hに関する情報を登録することができる。また、住宅に関連する各種のコンテンツ記事(例えばコラム等)の自動配信を受けることができる。また、各種のおしらせなどお得な情報を随時確認することができる。住宅Hのインスペクション(住宅診断)の結果である「家カルテ」をWebサイト上で確認することができる。
また、ユーザUは、マイページから、「家ドック」の利用内容に応じて取得できるポイントの数を確認することができる。ポイントが貯まると、例えば定期的に開催される抽選会で豪華賞品と交換することもできる。
【0031】
また、「家ドック」では、ユーザU毎に以下のようなカスタマイズも可能である。即ち、「家ドック」に入会するための窓口を、サービス提供者Gにより提供されるWebページにすることもできる。また、会費の決済手法を、サービス提供者Gにより提供されるインフラストラクチャー(決済代行システム)を使用することもできる。また、ユーザUは、サービス提供者Gにより提供されるデータベースを利用することで、サービス提供者Gにより提供されるプログラムのみ購入するだけで本サービスを利用することができる。また、ユーザUは、「家ドック」のコンテンツを自由に設定することができる。例えば住宅Hの点検の頻度を、1年に1回になるように設定したり、3年に1回になるように設定したりすることができる。また、出力フォーマットを自由に変更することもできる。
【0032】
また、「家ドック」は、金融機関(例えば地方銀行)との連携により、例えばリフォームを目的としたローンの商品を提供することもできる。この場合、「家ドック」により、ローンの担保管理も含めて、住宅Hの各種履歴に関する情報(以下、「履歴情報」と呼ぶ)の管理を行うことができる。
【0033】
また、「家ドック」の対象となる住宅Hは、新築であってもよいし、中古住宅であってもよい。新築・中古いずれの場合も、CS(Customer Service)の向上を主目的とした取組みや、諸法(例えば宅建業法)の改正に伴うインスペクション(住宅診断)への対応に活用することができる。
新築の住宅Hに「家ドック」のサービスを付帯させる場合、ユーザUが新築の住宅Hに引っ越したその日から住宅Hの履歴情報の集積と管理が開始される。これにより、確実に定期点検を実施させることができるので、確実な顧客管理を実現させることができる。
中古の住宅Hに「家ドック」のサービスを付帯させる場合、中古の住宅Hの引き渡しを受けたユーザUに対するアフターサービスとして活用することができる。これにより、将来の売却に備え、確実な情報の集積と管理とを実現させることができる。
【0034】
また、「家ドック」は、各種団体の取組みに活用することができる。例えば所定の地域を活性化させることを目的とした団体が推進する、循環型の街づくりのための取組みに「家ドック」を活用することができる。
具体的には例えば、(1)住宅の維持保全・性能向上を目的とした取組み、(2)住宅の資産価値の適正評価を目的とした取組み、(3)金融・流通商品の開発を目的とした取組み、(4)住宅ブランド・情報提供を目的とした取組み等に「家ドック」を活用することができる。
【0035】
また、サービス提供者Gは、加盟工務店等Kの自社サービスとして「家ドック」を活用するようにOEM(Original Equipment Manufacturer)共有を行うこともできる。OEMの要素としては、例えば会員を管理するサービス、インスペクションアプリ、マイページ等が含まれる。OEMによれば、加盟工務店等Kの既存の住宅検査技師の技術を有効活用することができる。
【0036】
図3は、「家ドック」のスキームの一例として、ユーザの住宅の定期点検業務を行う者がサービス提供者である場合を示す図である。
【0037】
「家ドック」の基本的なスキームは、(1)ユーザUの入会、(2)定期点検の実施(例えば年1回)、(3)メンテナンスリフォーム工事の依頼、(4)メンテナンスリフォーム工事の見積りの提出、(5)契約締結、(6)メンテナンスリフォーム工事の実施(施工)、(7)工事代金の支払い、(8)点検結果や施工内容を住宅の履歴情報として蓄積、を含むように構成される。
【0038】
図3(A)及び(B)には、「家ドック」を提供するサービス提供者Gと、「家ドック」を利用するユーザUと、サービス提供者Gの提携先であり、メンテナンスリフォーム工事を行う施工者Bとの関係が描画されている。
このうち図3(A)には、「家ドック」のスキームの一例として、サービス提供者Gが、契約当事者としてユーザUからメンテナンスリフォーム工事を直接受注する場合の例が示されている。
即ち、図3(A)に示すスキームでは、元請けとなるサービス提供者Gが、提携先となる施工者Bからメンテナンスリフォーム工事の見積りを取得して、その施工者Bに施工を行わせる。
具体的には、ユーザUは、会費を支払うことで「家ドック」の会員として入会すると(ステップSS1)、「家ドック」のサービスとして、住宅Hの定期点検を受けることができる(ステップSS2)。定期点検はサービス提供者Gにより行われる。定期点検の結果、住宅Hにメンテナンスリフォーム工事を必要とする程度の不具合が生じていると判定された場合には、ユーザUからサービス提供者Gに対し、メンテナンスリフォーム工事が依頼される(ステップSS3)。なお、ステップSS3におけるメンテナンスリフォーム工事の依頼は正式な発注を示すステップではなく、見積りの提出を求めるステップとなる。ユーザUからのメンテナンスリフォーム工事の依頼を受けると、サービス提供者Gは、施工者Bに見積りの作成を依頼し(ステップSS4)、見積りを依頼された施工者Bは、見積りを作成してサービス提供者Gに提出する(ステップSS5)。サービス提供者Gは、施工者Bから提出された見積りをユーザUに提出する(ステップSS6)。ユーザUは、見積りの内容について了承すると、サービス提供者Gに対し正式にメンテナンスリフォーム工事の発注を行う(ステップSS7)。サービス提供者Gは、ユーザUから正式な工事の発注を受けると、施工者Bに対し施工を依頼する(ステップSS8)。施工者Bは、サービス提供者Gからの施工の依頼に基づいて施工を実施し、施工が完了すると、その旨をサービス提供者Gに報告する(ステップSS9)。
【0039】
図3(B)には、「家ドック」のスキームの一例として、メンテナンスリフォーム工事の依頼はサービス提供者Gが受付けるが、メンテナンスリフォーム工事の営業及び契約については施工者Bが行う場合の例が示されている。
即ち、図3(B)に示すスキームでは、元請けとなる施工者Bが、サービス提供者Gからの依頼に基づいて営業を行い、ユーザUとの間で契約を締結して施工を実施する。施工者Bは、サービス提供者Gに対する受注報告、施工報告、及び紹介料の支払いを行う。
具体的には、会費を支払うことで「家ドック」の会員として入会すると(ステップSS11)、「家ドック」のサービスとして、住宅Hの定期点検を受けることができる(ステップSS12)。定期点検はサービス提供者Gにより行われる。定期点検の結果、住宅Hにメンテナンスリフォーム工事を必要とする程度の不具合が生じていると判定された場合には、ユーザUからサービス提供者Gに対し、メンテナンスリフォーム工事が依頼される(ステップSS13)。ユーザUからのメンテナンスリフォーム工事の依頼を受けると、サービス提供者Gは、施工者Bにメンテナンスリフォーム工事の施工を依頼する(ステップSS14)。メンテナンスリフォーム工事の施工を依頼された施工者Bは、ユーザUに対する営業、及び見積りの提出等を主体的に行うことで、ユーザUから正式に工事を受注する(ステップSS15)。施工者Bは、正式に工事を受注すると、その旨をサービス提供者Gに報告する(ステップSS16)。その後、施工者Bは、施工を実施すると、その旨をサービス提供者Gに報告して(ステップSS17)、ユーザUから工事代金を受領する(ステップSS18)。また、施工者Bは、サービス提供者に対して、所定の紹介料を支払う(ステップSS19)。
【0040】
図4及び図5は、「家ドック」のスキームの一例として、ユーザの住宅の定期点検業務を行う者がサービス提供者ではない場合の例を示す図である。
【0041】
図4には、「家ドック」を提供するサービス提供者Gと、「家ドック」を利用するユーザUと、サービス提供者Gの提携先としてメンテナンスリフォーム工事を行う施工者Bと、サービス提供者Gの提携先として定期点検業務を行う点検者Cとの関係が描画されている。
このうち、図4(A)には、「家ドック」のスキームの一例として、定期点検は点検者Cとしての点検事業者が行い、メンテナンスリフォーム工事の契約はサービス提供者Gが行い、施工は施工者Bが行う場合の例が示されている。
具体的には、ユーザUは、会費を支払うことで「家ドック」の会員になると(ステップSS21)、「家ドック」のサービスを受けることができる。
なお、図4及び図5に示すスキームでは、「家ドック」のサービスのうち、住宅Hの定期点検以外のサービスについては、サービス提供者Gにより直接ユーザUに提供される。
また、「家ドック」のサービスのうち、住宅Hの定期点検のサービスについては、上述したように点検者Cとしての点検事業者により行われる。
点検者C(点検事業者)による定期点検の結果、住宅Hにメンテナンスリフォーム工事を必要とする程度の不具合が生じていると判定された場合には、ユーザUからサービス提供者Gに対し、メンテナンスリフォーム工事が依頼される(ステップSS22)。なお、上述したように、メンテナンスリフォーム工事の依頼は正式な発注を示すステップではなく、見積りの提出を求めるステップとなる。ユーザUからメンテナンスリフォーム工事の依頼を受けると、サービス提供者Gは、施工者Bに見積りを依頼する(ステップSS23)。見積りを依頼された施工者Bは、見積りを作成してサービス提供者Gに提出する(ステップSS24)。サービス提供者Gは、施工者Bから提出された見積りをユーザUに提出し(ステップSS25)、その後、ユーザUから正式にメンテナンスリフォーム工事を受注する(ステップSS26)。サービス提供者Gは、ユーザUから正式にメンテナンスリフォーム工事を受注すると、施工者Bにメンテナンスリフォーム工事の施工を依頼する。施工者Bは、サービス提供者Gからの施工の依頼に基づいて施工を実施すると、その旨をサービス提供者Gに報告する(ステップSS27)。なお、メンテナンスリフォーム工事の代金は、ユーザUからサービス提供者Gに支払われる(ステップSS28)。
【0042】
図4(B)には、「家ドック」のスキームの一例として、定期点検は点検者Cとしての点検事業者が行い、メンテナンスリフォーム工事の契約及び施工は施工者Bが行う場合の例が示されている。
具体的には、ユーザUは、会費を支払うことで「家ドック」の会員になると(ステップSS31)、「家ドック」のサービスを受けることができる。
点検者C(点検事業者)による定期点検の結果、住宅Hにメンテナンスリフォーム工事を必要とする程度の不具合が生じていると判定された場合には、ユーザUからサービス提供者Gに対し、メンテナンスリフォーム工事が依頼される(ステップSS32)。ユーザUからメンテナンスリフォーム工事の依頼を受けると、サービス提供者Gは、施工者Bにメンテナンスリフォーム工事の施工を依頼する(ステップSS33)。
メンテナンスリフォーム工事の施工を依頼された施工者Bは、ユーザUに対する営業、及び見積りの提出等を主体的に行うことで、ユーザUから正式に工事を受注する(ステップSS34)。施工者Bは、正式に工事を受注すると、その旨をサービス提供者Gに報告する(ステップSS35)。その後、施工者Bは、施工を実施すると、その旨をサービス提供者Gに報告して(ステップSS36)、ユーザUから工事代金を受領する(ステップSS37)。また、施工者Bは、サービス提供者に対して、所定の紹介料を支払う(ステップSS38)。
【0043】
図5には、「家ドック」を提供するサービス提供者Gと、「家ドック」を利用するユーザUと点検事業者施工者との関係が描画されている。点検事業者施工者は、サービス提供者Gの提携先として点検者Cの立場で定期点検業務を行うとともに、施工者Bの立場でメンテナンスリフォーム工事を行う。即ち、図5には、点検事業者が、定期点検とメンテナンスリフォーム工事との両方を請負う場合の例が示されている。
具体的には、ユーザUは、会費を支払うことで「家ドック」の会員になると(ステップSS41)、「家ドック」のサービスを受けることができる。
点検者Cとしての点検事業者による定期点検の結果、住宅Hにメンテナンスリフォーム工事を必要とする程度の不具合が生じていると判定された場合には、ユーザUからサービス提供者Gに対し、メンテナンスリフォーム工事が依頼される(ステップSS42)。ユーザUからメンテナンスリフォーム工事の依頼を受けると、サービス提供者Gは、施工者Bとしての点検事業者にメンテナンスリフォーム工事の施工を依頼する(ステップSS43)。
メンテナンスリフォーム工事の施工を依頼された施工者Bとしての点検事業者は、ユーザUに対する営業、及び見積りの提出等を主体的に行うことで、ユーザUから正式に工事を受注する(ステップSS44)。施工者Bとしての点検事業者は、正式に工事を受注すると、その旨をサービス提供者Gに報告する(ステップSS45)。その後、施工者Bとしての点検事業者は、施工を実施すると、その旨をサービス提供者Gに報告して(ステップSS46)、ユーザUから工事代金を受領する(ステップSS47)。また、施工者Bとしての点検事業者は、サービス提供者に対して、所定の紹介料を支払う(ステップSS48)。
【0044】
次に、図6を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成について説明する。
図6は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0045】
図6に示す情報処理システムは、サーバ1と、ユーザ端末2と、点検者端末3とを含むように構成されている。
サーバ1、ユーザ端末2、及び点検者端末3の夫々は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0046】
サーバ1は、サービス提供者Gにより管理される情報処理装置であり、ユーザ端末2、及び点検者端末3の夫々と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0047】
ユーザ端末2、及び点検者端末3の夫々は、ユーザU、及び点検者Cの夫々により操作される情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
また、図示はしないが、点検者端末3として、ウェアラブル端末を採用することもできる。また、ドローン等の小型飛行体とそれを操縦するための送受信機とのセットを、点検者端末3として採用することもできる。
【0048】
ユーザ端末2、及び点検者端末3の夫々は、本サービスの利用者向けの専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)がインストールされたユーザ端末2、及び点検者端末3の夫々を用いて本サービスを利用することができる。例えば上述した「インスペクションアプリ」は、専用アプリの一例である。
また、ユーザ端末2、及び点検者端末3の夫々は、ユーザ端末2、及び点検者端末3の夫々のブラウザ機能により表示される、専用のWebサイト(以下、「専用サイト」と呼ぶ)から本サービスを利用することもできる。
なお、以下、断りのない限り、「ユーザUがユーザ端末2を操作する」と表現している場合、それは、次のいずれかを意味している。即ち、ユーザUが、ユーザ端末2にインストールされた専用アプリを起動して各種操作を行うこと、又はユーザ端末2のブラウザ機能により表示される専用サイトから本サービスを利用することを意味している。
また、「点検者Cが点検者端末3を操作する」と表現している場合、それは、次のいずれかを意味している。即ち、点検者Cが、点検者端末3にインストールされた専用アプリを起動して各種操作を行うこと、又は点検者端末3のブラウザ機能により表示される専用サイトから本サービスを利用することを意味している。
【0049】
図7は、図6に示す情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0050】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0051】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0052】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0053】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図6のユーザ端末2、及び点検者端末3等)との間で通信を行う。
【0054】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0055】
なお、図示はしないが、図6のユーザ端末2、及び点検者端末3も、図7に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、ユーザ端末2、及び点検者端末3のハードウェア構成の説明については省略する。
【0056】
このような図7のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1における不具合判定処理、及び情報生成処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者Gは、ユーザUに対し上述の本サービスを提供することができる。
「不具合判定処理」及び「情報生成処理」は、上述の本サービスを提供するために実行される各種処理のことをいう。
以下、図8を参照して、本実施形態に係るサーバ1において実行される、不具合判定処理、及び情報生成処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0057】
図8は、図7のサーバを含む情報処理システムの機能的構成のうち、不具合判定処理、及び情報生成処理を実行するための機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図8に示すように、サーバ1のCPU11においては、不具合判定処理の実行が制御される場合、取得部101と、判定部102と、提示部103とが機能する。また、情報生成処理の実行が制御される場合、管理部104が機能する。
【0059】
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、会員DB181と、住宅DB182とが設けられている。会員DB181には、「家ドック」の会員に関する情報(以下、「会員情報」と呼ぶ)が記憶されて管理されている。会員情報には、例えば会員毎の接客履歴、提案履歴、訪問(折衝)履歴等が含まれる。住宅DB182には、「家ドック」のサービスの対象としての1以上の住宅Hの夫々の住宅情報が記憶されて管理されている。住宅情報には、住宅H毎の修繕履歴、仕様や設備に関する情報、点検履歴等が含まれる。また、住宅DB182には、1以上の点検画像情報が記憶されている。「点検画像情報」とは、住宅Hにおける判定対象箇所の点検のときに得られた撮像画像のデータを少なくとも含む情報のことをいう。また、住宅DB182には、1以上の住宅関連サービスに資する情報が記憶されている。「住宅関連サービスに資する情報」とは、行政サービスを含む、住宅に関連する各種サービス(以下、「住宅関連サービス」と呼ぶ)を受けるための書類の作成等に利用される情報のことをいう。「住宅関連サービスに資する情報」には、後述する判定部102の判定結果が含まれ、具体的には例えば、被災した住家等の損害の程度を自治体が証明するための罹災証明書の作成、損害保険の損害査定レポートの作成や損害判定、住宅ローンの担保管理資料の作成等を行うために必要となる情報が含まれる。
【0060】
取得部101は、ユーザUが所有する一戸建て住宅Hの判定対象箇所の点検のときに得られた写真等の撮像画像のデータを、点検画像情報として取得する。取得部101により取得された点検画像情報は、住宅DB182に記憶されて管理される。
【0061】
判定部102は、取得部101により取得された点検画像情報に基づいて、判定対象箇所の不具合の有無と、不具合を有する場合におけるその不具合の内容とを判定する。ここで、「不具合」には、例えばクラックの大きさや深さ、あるいは塗装の劣化といった視覚的に判断可能な内容が含まれる。
【0062】
提示部103は、ユーザUが所有する一戸建て住宅Hの判定対象箇所の点検を行う点検者Cを支援する点検支援情報を点検者Cに提示する。なお、提示部103が点検支援情報を点検者Cに提示するときの具体的手法は特に限定されず、点検者Cが点検支援情報を有効活用することができる手法であればどのような手法が採用されてもよい。例えば点検者端末3に点検支援情報を表示させる手法が採用されてもよいし、紙媒体に点検支援情報を印字したものを点検者Cに手渡す手法が採用されてもよい。
【0063】
管理部104は、判定部102の判定結果を含む情報を、住宅関連サービスに資する情報として活用されるように管理する。
具体的には、管理部104は、会員DB181と住宅DB182との夫々に、上述した「住宅関連サービスに資する情報」を記憶させて管理する。これにより、罹災証明書の作成、損害保険の損害査定レポートの作成や損害判定、住宅ローンの担保管理資料の作成等を行うために必要となる情報を管理することができる。
【0064】
次に、図9を参照して、「家ドック」の活用例について説明する。
図9は、本サービスの適用対象となる「家ドック」の活用例を示す図である。
【0065】
図9には、「家ドック」のサービスの提供側であるサービス提供者G及び加盟工務店等Kと、注文住宅や分譲住宅の供給を行う新築・分譲事業者Dと、新築の住宅H1の旧オーナーとしてのユーザU1と、住宅H1の新オーナーとしてのユーザU2と、住宅H1の売買の仲介者である不動産事業者Rとが描画されている。
サービス提供者G及び加盟工務店等Kは、新築の住宅H1に「家ドック」のサービスを付帯させる(ステップSS51)。ユーザU1は、「家ドック」のサービスが付帯した新築の住宅H1を購入する(ステップSS52)。ユーザU1は、「家ドック」の会員として、住宅H1の維持管理を実施し、点検者(例えばサービス提供者や加盟工務店等K)からの提案に応じてメンテナンスリフォーム工事を依頼する(ステップSS53)。その後、ユーザU1は、住み替えのため、経年劣化した住宅H1をユーザU2に売却する(ステップSS54)。
ユーザU2は、新築・分譲事業者Dに対して、ユーザU1から購入した住宅H1の建替えを依頼する(ステップSS55)。サービス提供者G及び加盟工務店等Kは、新築の住宅H1に「家ドック」のサービスを付帯させる(ステップSS56)。ユーザU2は、「家ドック」の会員として、建替え後の住宅H1の維持管理を実施し、点検者(例えばサービス提供者や加盟工務店等K)からの提案に応じてメンテナンスリフォーム工事を依頼する(ステップSS57)。
このように、「家ドック」によれば、1軒の住宅H1の管理を継続して行っていくことで、住宅Hにまつわる仲介・リフォーム・建替え・保険その他のサービスを販売したり提供したりすることができる。
即ち、「家ドック」は、1軒の住宅H1の維持管理を継続して行うことで、その1軒の住宅Hを多世代に住み継いでいくことを可能にする手段の1つとなる。その趣旨からすると、図9に示す「建替え」は、同一の住宅H1ではないが、1軒の住宅Hを多世代に住み継いでいくうえで必要な選択肢となる。
【0066】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0067】
例えば、上述の実施形態では、住宅Hに不具合が生じているかどうかについて、点検者Cが視認可能な情報に基づいて判定が行われるが、判定の根拠となる点検画像情報には、例えばX線を利用した住宅Hの壁や柱の内部の状況を示す情報など、点検者Cが視認できない情報を含めることができる。
【0068】
また例えば、上述の実施形態において、点検画像情報は、写真(静止画像)を前提とした記載となっているが、写真(静止画像)に限定されず、動画像であってもよい。
【0069】
また例えば、図8の会員DB181と、住宅DB182との夫々において記憶されて管理されている各種情報は、上述の実施形態における活用先の他、集積して蓄積していくことでビッグデータとして活用することもできる。
【0070】
また例えば、判定対象箇所の不具合状況を示す撮像画像のデータを住宅DB182に記憶して管理することもできる。
【0071】
例えば、上述の実施形態では、情報処理システムは、「家ドック」に適用されたが、適用先は特にこれに限定されない。例えば、本発明が適用される情報処理システムは、一軒家に関わらずビルやマンション等の各種各様な建築物における判定対象箇所の点検を伴うサービス一般に適用可能である。
【0072】
また例えば、図6に示すシステム構成、図7に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0073】
また例えば、図8に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図8の例に限定されない。
【0074】
また例えば、機能ブロックの存在場所も、図8に限定されず、任意でよい。
例えば、図8の例において、上述の不具合判定処理や情報生成処理は、サーバ1側で行われる構成となっているが、これに限定されない。例えばインスペクションアプリがインストールされた点検者端末3側で不具合判定処理の少なくとも一部が行われてもよい。
即ち、不具合判定処理や情報生成処理の実行に必要となる機能ブロックは、図8ではサーバ1側が備える構成となっているが、これは例示に過ぎない。サーバ1側に配置された機能ブロックの少なくとも一部を、点検者端末3側又はユーザ端末2側が備える構成としてもよい。
【0075】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0076】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0077】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で広告主に提供される記録媒体等で構成される。
【0078】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0079】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図8のサーバ1)は、
建築物(例えば図1の一戸建て住宅H)における判定対象箇所の点検のときに得られた撮像画像のデータを、点検画像情報として取得する取得手段(例えば図8の取得部101)と、
前記取得手段により取得された前記点検画像情報に基づいて、前記判定対象箇所の不具合の有無の判定と、前記不具合を有すると判定した場合におけるその不具合の内容(例えばクラックの大きさや深さ、あるいは塗装の劣化といった視覚的に判断可能な内容)についての判定とを行う判定手段(例えば図8の判定部102)と、
を備える。
【0080】
これにより、建築物における判定対象箇所の点検のときに得られた撮像画像のデータに基づいて、判定対象箇所の不具合の有無の判定と、不具合を有すると判定された場合のその内容との判定とが行われる。
その結果、点検業務の少なくとも一部を自動化させることができる。
【0081】
また、前記点検を行う点検者(例えば図6の点検者C)を支援するための情報として、前記判定対象箇所に関する情報(例えば点検支援情報)を前記点検者に提示する提示手段(例えば図8の提示部103)
をさらに備えることができる。
【0082】
これにより、判定対象箇所に関する情報が点検者に提示されるので、点検者の知識や技量に頼ることなく、質の高い点検業務を誰でも効率よく行うことができる。
【0083】
また、前記判定手段の判定結果を含む情報を、住宅関連サービスに資する情報として活用されるように管理する管理手段(例えば図8の管理部104)
をさらに備えることができる。
【0084】
これにより、判定対象箇所の不具合の有無の判定結果を、住宅関連サービスに資する情報として活用することができる。
なお、管理手段による「管理」には、スマートフォン等の端末側からサーバ側に送られたデータをサーバ側で保持して管理することも含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、3・・・点検者端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、30・・・リムーバルメディア、101・・・取得部、102・・・判定部、103・・・提示部、104・・・管理部、181・・・会員DB、182・・・住宅DB、G・・・サービス提供者、U・・・ユーザ、K・・・加盟工務店等、C・・・点検者、B・・・施工者、H・・・住宅、D・・・新築・分譲事業者、R・・・不動産事業者、N・・・ネットワーク、SS・・・各ステップ
【要約】
【課題】点検者の知識や技量に頼ることなく、質の高い点検業務を誰でも効率よく行うことができる手法を提供すること。
【解決手段】サーバ1において、取得部101は、一戸建て住宅Hにおける判定対象箇所の点検のときに得られた撮像画像のデータを、点検画像情報として取得する。判定部102は、取得部101により取得された点検画像情報に基づいて、判定対象箇所の不具合の有無の判定と、不具合を有すると判定した場合におけるその不具合の内容についての判定とを行う。これにより、上記の課題を解決する。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9