【文献】
DOW CORNING,CONTROL THE SHINE FOR MEN−FACIAL CREAM: CREAMY FEEL,INTERNET CITATION [ONLINE],2007年 9月12日,URL,http://www.dowcorning.com/content/publishedlit/FORMUL_01140.pdf
【文献】
DOW CORNING,DOW CORNING(R) VM−2270 AEROGEL FINE PARTICLES,INTERNET CITATION [ONLINE],2007年 7月12日,information.pdf&usg=AFQjCNFMObXYhH−IBLq6h3hR16yXrtqEfA&cad=rja,URL,https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=6&ved=0CEQQFjAFahUKEwjXv−GDnqrIAhVCLaYKHU2qAMI&url=http%3A%2F%2Fwww.cabotcorp.com%2F ̄%2Fmedia%2Ffiles%2Finfosheets%2Faerogel%2Finfosheet−dow−corning−vm2270−product−information.pdf&usg=AFQjCNFMObXYhH−IBLq6h3hR16yXrtqEfA&cad=rja
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シリカエアロゲル粒子とは異なるシリカ粒子が、多孔性シリカ微小球、ポリジメチルシロキサンで被覆された非晶質シリカ微小球、沈降シリカ微小球から選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の組成物の構成物について、以下に、更に詳細に説明する。
【0019】
疎水性エアロゲル
エアロゲルは、超軽量の多孔質材料である。最初のエアロゲルは、1932年にKristlerによって作製された。これらは一般に、液状媒体中でゾル-ゲル法を介して合成され、次いで通常は超臨界流体(最もよく用いられるのは超臨界CO
2である)で抽出することによって乾燥される。このタイプの乾燥は、孔の収縮及び材料の収縮を回避させることを可能にする。他のタイプの乾燥、即ち、低温でゲルを固化する工程と次いで溶媒を昇華させる工程とから成る低温乾燥、及び蒸発による乾燥もまた、ゲルから出発して多孔質材料を得ることを可能にする。こうして得られた材料は、それぞれクリオゲル及びキセロゲルと称される。ゾル-ゲル法及び種々の乾燥操作は、Brinker C.J.及びScherer G.W.、Sol-Gel Science、ニューヨーク、Academic Press、1990年に詳細に記載されている。
【0020】
本発明のエアロゲル粒子は、疎水性エアロゲル粒子である。
【0021】
用語「疎水性エアロゲル粒子」は、湿潤点での吸水能が0.1ml/g未満、即ち粒子100g当たり水10g未満である、任意のエアロゲルタイプの粒子を意味する。
【0022】
湿潤点は、均質なペーストを得るために粒子1gに加えられる必要がある水の量に相当する。この方法は、NF T 30-022規格に記載されている、粉末の油取込み量を求める方法から直接誘導される。この測定は、それぞれ以下の定義を有する湿潤点及び流動点を用いて、同様にしてなされる:
湿潤点:溶媒を粉末へ加える間に均質なペーストが生成される点に相当する、生成物100g当たりのグラムで表される質量。
【0023】
湿潤点は、以下のプロトコルに従って測定される:
使用する道具:
ガラス板(25×25mm)
へら(木製の柄及び金属パーツ、15×2.7mm)
絹の剛毛ブラシ
秤
【0024】
ガラス板を秤の上に置き、エアロゲル1gを秤量する。溶媒及び液体試料採取ピペットを容れたビーカーを秤に乗せる。溶媒を粉末へ徐々に加え、全体を、へらで定期的にブレンドする(3滴から4滴ごとに)。湿潤点に到達するのに必要な溶媒の質量を書き留める。3回の試験の平均を求める。
【0025】
本発明により使用される疎水性エアロゲルは、有機の、無機の、又は有機-無機ハイブリッドのエアロゲルとすることができる。
【0026】
有機エアロゲルは、以下の中からの樹脂をベースとすることができる:ポリウレタン、レゾルシノール-ホルムアルデヒド、ポリフルフラノール、クレゾール-ホルムアフデヒド、フェノール-フルフラノール、ポリブタジエン、メラミン-ホルムアルデヒド、フェノール-フルフラール、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフェン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、フェノール-ホルムアルデヒド、ポリビニルアルコール、ジアルデヒド、ポリシアニド、エポキシ、セルロース、セルロース誘導体、キトサン、寒天、アガロース、アルギネート、デンプン、及びそれらの混合物。
【0027】
有機-無機ハイブリッドをベースとするエアロゲル、例えば、シリカ-PMMA、シリカ-キトサン及びシリカ-ポリエーテルもまた想定される。特許出願US2005/0192366及びWO2007/126410に、こうした有機-無機ハイブリッド材料が記載されている。
【0028】
本発明で使用される疎水性エアロゲル粒子は、単位質量当たりの比表面積(S
M)が200〜1500m
2/g、好ましくは600〜1200m
2/g、より一層良好には600〜800m
2/gの範囲であり、好ましくは、体積平均直径(D[0.5])で表されるサイズが1500μm未満であり、好ましくは1〜30μm、より好ましくは5〜25μm、より一層良好には5〜20μm、まだより一層良好には5〜15μmの範囲である。
【0029】
単位質量当たりの比表面積は、窒素吸収法によって測定することができ、これはBET(Brunauer-Emmett-Teller)法として知られ、The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月に記載されており、国際規格ISO 5794/1(付属文書D)に対応している。BET比表面積は、検討中の粒子の総比表面積に相当する。
【0030】
本発明のエアロゲル粒子のサイズは、市販の粒径分析器、例えばMalvern社製のMasterSizer 2000機を用いた静的光散乱によって測定することができる。データは、ミー散乱理論に基づいて処理される。この理論は、等方性粒子について厳密であり、非球形粒子の事例において「有効な」粒径を求めることを可能にする。この理論は、特に、Van de Hulst, H.C.による刊行物「Light Scattering by Small Particles」第9章及び第10章、Wiley、ニューヨーク、1957年に記載されている。
【0031】
有利な一実施形態によれば、本発明で使用される疎水性エアロゲル粒子は、単位質量当たりの比表面積(S
M)が600〜800m
2/gの範囲であり、体積平均直径(D[0.5])で表されるサイズが5〜20μm、より一層良好には5〜15μmの範囲である。
【0032】
本発明で使用される疎水性エアロゲル粒子は、有利には、充填密度ρが0.02g/cm
3〜0.10g/cm
3、好ましくは0.02g/cm
3〜0.08g/cm
3の範囲であってよい。
【0033】
本発明の関連において、この密度は、充填密度プロトコルとして知られる以下のプロトコルによって評価することができる:
粉末40gをメスシリンダーに注ぎ入れ、次いでそのメスシリンダーをStampf Volumeter社製のStav 2003機の上に置き、メスシリンダーを2500回の連続充填動作にかけ(この操作は連続した2つの試験間の体積差が2%未満になるまで繰り返す)、次いで充填した粉末の最終体積Vfを直接メスシリンダー上で測定する。充填密度は、比m/Vf(Vfはcm
3で表され、mはgで表される)によって求められ、この場合、40/Vfである。
【0034】
一実施形態によれば、本発明で使用される疎水性エアロゲル粒子は、1単位体積当たりの比表面積S
Vが5〜60m
2/cm
3、好ましくは10〜50m
2/cm
3、より一層良好には15〜40m
2/cm
3の範囲である。
【0035】
単位体積当たりの比表面積は、関係式S
V=S
Mxρ(式中、上に定義したように、ρはg/cm
3で表される充填密度であり、S
Mはm
2/gで表される単位質量当たりの比表面積である)によって得られる。
【0036】
好ましくは、本発明の疎水性エアロゲル粒子は、湿潤点で測定される吸油能が5〜18ml/g、好ましくは6〜15ml/g、より一層良好には8〜12ml/gの範囲である。
【0037】
W
Pで示される、湿潤点で測定される吸油能は、均質なペーストを得るために粒子100gに添加する必要がある油の量に相当する。
【0038】
それは、「湿潤点」法、又はNF T 30-022規格に記載されている、粉末の油取込み量を求める方法に従って測定される。これは、粉末の空いている表面上に吸着される油の量及び/又は粉末により吸収される油の量に相当し、以下に説明する湿潤点の測定による:
m=2gの量の粉末をガラス板上に置き、次いで油(イソノナン酸イソノニル)を滴下で加える。4滴から5滴の油を粉末へ加えた後、へらを用いて混合し、油と粉末との集成体が形成されるまで油の添加を続ける。この形成の瞬間から、油を1回に1滴添加し、次いで、混合物をへらで磨りつぶす。堅くて滑らかなペーストが得られたら、油の添加を中止する。このペーストは、ひび割れることなく又は塊を形成することなくガラス板上に広がることができなければならない。次いで、使用した油の体積Vs(mlで表す)を書き留める。
【0039】
油の取込み量は、比Vs/mに相当する。
【0040】
特定の実施形態によれば、使用されるエアロゲル粒子は、無機であり、とりわけ先に述べた性質を有する疎水性シリカエアロゲル粒子である。
【0041】
シリカエアロゲルは、シリカゲルの液体成分を空気で置き換えることによって(特に乾燥することによって)得られる多孔質材料である。
【0042】
これらは一般に、液状媒体中でゾル-ゲル法を介して合成され、次いで、通常は超臨界流体(最もよく用いられるのは超臨界CO
2である)で抽出することによって乾燥される。このタイプの乾燥は、孔の収縮及び材料の収縮を回避させることが可能である。ゾル-ゲル法及び種々の乾燥操作は、Brinker C.J.及びScherer G.W.、Sol-Gel Science、ニューヨーク、Academic Press、1990年に詳細に記載されている。
【0043】
本発明に従って使用される疎水性シリカエアロゲルは、好ましくはシリル化されたシリカのエアロゲル(INCI名:シリル化シリカ)である。
【0044】
用語「疎水性シリカ」は、OH基を、シリルSi-Rn基、例えばトリメチルシリル基で官能化させるために、その表面がシリル化剤で処理された任意のシリカ、例えばアルキルクロロシラン等のハロゲン化シラン、シロキサン、特にヘキサメチルジシロキサン等のジメチルシロキサン、又はシラザンを意味する。
【0045】
シリル化によって表面修飾されている疎水性シリカエアロゲル粒子の調製に関しては、US7470725を参照することができる。
【0046】
特に、トリメチルシリル基によって表面改質された疎水性シリカエアロゲル粒子が使用されることになる。
【0047】
本発明で使用できる疎水性シリカエアロゲル粒子として挙げることができる例には、Dow Corning社により名称VM-2260(INCI名:シリル化シリカ)で販売されているエアロゲルが含まれ、その粒子は、平均サイズが約1000ミクロンであり、単位質量当たりの比表面積が600〜800m
2/gの範囲である。
【0048】
Cabot社により参照名Aerogel TLD 201、Aerogel OGD 201及びAerogel TLD 203、Enova(登録商標)Aerogel MT 1100及びEnova Aerogel MT 1200で販売されているエアロゲルもまた挙げることができる。
【0049】
より詳細には、Dow Corning社により名称VM-2270(INCI名:シリル化シリカ)で販売されているエアロゲルを使用することができ、その粒子は、平均サイズが5〜15ミクロンであり、単位質量当たりの比表面積が600〜800m
2/gである。
【0050】
Cabot社により名称Enova(登録商標)Aerogel MT 1100(INCI名:シリル化シリカ)で販売されているエアロゲルもまた使用することができ、その粒子は、平均サイズが2〜25ミクロンであり、単位質量当たりの比表面積が600〜800m
2/gである。
【0051】
疎水性エアロゲル粒子は、組成物の総質量に対して、0.1質量%〜30質量%、好ましくは0.5質量%〜20質量%、より一層良好には1質量%〜10質量%、より好ましくは1.5質量%〜5質量%を占める。
【0052】
シリカ粒子
これらのシリカ粒子は、疎水性シリカエアロゲル粒子とは異なる。
【0053】
使用できるシリカは、天然で未処理のものであってよい。したがって、Hoffmann Mineral社により名称Sillitin N85、Sillitin N87、Sillitin N82、Sillitin V85及びSillitin V88で提供されているシリカを挙げることができる。
【0054】
それらは、ヒュームドシリカであってもよい。
【0055】
ヒュームドシリカは、酸水素炎中で揮発性ケイ素化合物を高温加水分解し、微粉砕シリカを生成することによって得ることができる。この方法は、それらの表面に多数のシラノール基を有する親水性のシリカを得ることを特に可能にする。シラノール基の数の低減をもたらす化学反応を介して、前記シリカの表面を化学的に修飾することが可能である。シラノール基を疎水性基で置換することが特に可能であり、こうして疎水性シリカが得られる。
【0056】
疎水性基は、以下のものとすることができる:
(a)特に、ヘキサメチルジシラザンの存在下でヒュームドシリカを処理することによって得られるトリメチルシロキシル基。こうして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995年)に従って「シリル化シリカ」として知られる。
(b)特に、ポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下でヒュームドシリカを処理することによって得られるジメチルシリルオキシル基又はポリジメチルシロキサン基。こうして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995年)に従って「シリカジメチルシリレート」として知られる。
【0057】
より具体的に挙げることができるシリカ粉末には、以下が含まれる:
- 三好化成株式会社により名称Silica Beads SB-700で、旭硝子株式会社により名称Sunsphere(登録商標)H51、Sunsphere(登録商標)H33で販売されている多孔性シリカ微小球
- 旭硝子株式会社により名称SA Sunsphere(登録商標)H33及びSA Sunsphere(登録商標)H53で販売されている、ポリジメチルシロキサンで被覆された非晶質シリカ微小球
- 例えばポリエチレン等の無機ワックスで被覆され、特にEvonik Degussa社により名称Acematt OK 412で販売されている沈降シリカ微小球。
【0058】
疎水性シリカエアロゲル粒子とは異なるシリカ粒子は、本発明の組成物中に、組成物の総質量に対して0.01質量%〜30質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは0.20質量%〜10質量%を範囲とする含量で存在する。
【0059】
皮脂を吸収する粒子
本発明の組成物は、特に2つのタイプの粒子a)及びb)と皮脂取込み量が異なる、皮脂を吸収する粒子を含む。
【0060】
有利には、皮脂を吸収する粒子は、皮脂取込み量が10ml/100g以上、特に20ml/100g以上、とりわけ30ml/100g以上である。
【0061】
用語「皮脂を吸収する粒子」は、皮脂を吸収し且つ/又は吸着することが可能な粉末を意味する。一般に、このタイプの粒子は、皮脂を取り込む粒子の粉末の形態にある。
【0062】
皮脂取込み量は、粒子によって吸収され且つ/又は吸着される皮脂の量に相当する。それは、以下に記載する湿潤法に従って測定される。
【0063】
有利には、皮脂を吸収する粒子は、BET比表面積が200m
2/g以上、好ましくは350m
2/g超、優先的には500m
2/g超であってもよく、特に2000m
2/g未満であってもよい。
【0064】
BET比表面積は、The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月に記載されていて国際標準ISO 5794/1(付属文書D)に対応しているBET(Brunauer-Emmett-Teller)法に従って求められる。BET比表面積は、粒子の、特に粉末の、総比表面積に相当する(したがって微細孔を含む)。
【0065】
皮脂を吸収する粒子は、無機粉末であっても有機粉末であってもよい。化粧用組成物中で使用される1種又は複数の無機化合物の粒子は、異なる形を有していてもよく、例えば、球形、中実又は中空、光沢のあるもの、針状又は小平板状であり、好ましくはそれらは、ほぼ球状である。
【0066】
より精密には、皮脂を吸収する粒子は、以下から選択することができる:
- ポリアミド[Nylon(登録商標)]粉末
- アクリル性ポリマーの粉末、特に、ポリメタクリル酸メチル、ポリ(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸エチレングリコール)、ポリ(メタクリル酸アリル/ジメタクリル酸エチレングリコール)、ジメタクリル酸エチレングリコール/メタクリル酸ラウリルのコポリマーの粉末
- シリコーンエラストマーの粉末、特に、それぞれがケイ素原子に結合している少なくとも2個の水素原子を含有するオルガノポリシロキサンと、少なくとも2つのエチレン性不飽和基(特に2つのビニル基)を含むオルガノポリシロキサンとの、白金触媒の存在下での重合によって得られるもの
- タルク
- 窒化ホウ素
- クレイ
- それらの混合物。
【0067】
皮脂を吸収する粒子は、疎水性処理剤で被覆された粉末であってもよい。
【0068】
疎水性処理剤は、脂肪酸、例えば、ステアリン酸;金属石鹸、例えばジミリスチン酸アルミニウム、グルタミン酸水素化獣脂のアルミニウム塩;アミノ酸;N-アシルアミノ酸又はそれらの塩;レシチン、チタン酸イソプロピルトリイソステアリル、ワックス、及びそれらの混合物から選択することができる。N-アシルアミノ酸は、8〜22個の炭素原子を有するアシル基、例えば、2-エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル又はココイル基を含むことができる。これらの化合物の塩は、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩、ナトリウム塩又はカリウム塩とすることができる。アミノ酸は、例えば、リジン、グルタミン酸又はアラニンとすることができる。
【0069】
上述した化合物において挙げられた用語「アルキル」は、1〜30個の炭素原子、好ましくは5〜16個の炭素原子を有するアルキル基を特に示す。
【0070】
本発明の皮脂を吸収する粒子の非限定的な例示として、最も特定すると以下の粒子を挙げることができる。
【0071】
挙げることができるナイロン粉末は、Atochem社により名称Orgasol(登録商標)4000で販売されているナイロン粉末である。
【0072】
挙げることができるアクリル性ポリマー粉末には、以下が含まれる:
- Wackherr社により名称Covabead(登録商標)LH85で販売されているメタクリル酸ポリメチル粉末
- Dow Corning社により名称Dow Corning 5640 Microsponge(登録商標)Skin Oil Adsorberで、又はGanz Chemical社により名称Ganzpearl(登録商標)GMP-0820で販売されているポリ(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸エチレングリコール)粉末
- Amcol Health and Beauty Solutions Inc.社により名称Poly-Pore(登録商標)L200又はPoly-Pore(登録商標)E200で販売されているポリ(メタクリル酸アリル/ジメタクリル酸エチレングリコール)粉末
- Dow Corning社から名称Polytrap(登録商標)6603で販売されているジメタクリル酸エチレングリコール/メタクリル酸ラウリルのコポリマー粉末。
【0073】
シリコーンエラストマーは、特に、エラストマー性の、部分的に又は完全に架橋されたオルガノポリシロキサンであり、3次元構造を有し、例えば信越化学工業株式会社により名称KSG6(登録商標)、KSG16(登録商標)及びKSG18(登録商標)で、DOW-CORNING社により名称Trefil E-505C(登録商標)及びTrefil E-506C(登録商標)で、GRANT INDUSTRIES社により名称Gransil SR-CYC(登録商標)、SR DMF10(登録商標)、SR-DC556(登録商標)、SR 5CYC gel(登録商標)、SR DMF 10 gel(登録商標)及びSR DC 556 gel(登録商標)で、GENERAL ELECTRIC社により名称SF 1204(登録商標)及びJK 113(登録商標)で販売されているものである。
【0074】
挙げることができるシリコーンエラストマー粉末には、Dow Corning社により名称「Trefil(登録商標)Powder E-505C」及び「Trefil(登録商標)Powder E-506C」で販売されているものが含まれる。
【0075】
シリコーン粉末として、特に信越化学工業株式会社により名称KSP100で販売されている、シルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋ポリジメチルシロキサンのガムビーズ、特に竹本油脂株式会社により名称NLK-602で販売されているもののようなラグビーボールの形態にあるシリコーン樹脂粉末を挙げることができる。
【0076】
パーライトは、火山起源の、光る薄灰色又は黒色の天然のガラスであり、これは、溶岩の急速冷却から生じ、真珠に似た小粒子の形でもたらされる。
【0077】
本発明により使用されるパーライト粒子は、具体的にはWorld Minerals Europe社から商品名Perlite P1430、Perlite P2550又はPerlite P2040で市販されている。これらの粒子は、塗料用つや消し剤として販売されている。これらは、結晶シリカの含量が0.1質量%未満である、白色粉末の形態で提供されている。
【0078】
好ましくは、本発明のパーライト粒子の粒径分布は、粒子の少なくとも50質量%が25μm未満、好ましくは20μm未満のサイズである。加えて、それらの粒径分布は、好ましくは、粒子の90質量%が55μm未満、好ましくは40μm未満のサイズである。更に、粒子の90質量%が5μm超のサイズであることが好ましい。
【0079】
窒化ホウ素粒子を挙げることができ、例えばSaint Gobain Ceramics社によるPUHP1030L、Carborundum社によるUHP-1010、Merck社によるRonaflair Extender、Sensient社によるCovalumine Atlas White AS、ESK社によるBoroneige 601、Saint Gobain Ceramics社によるPUHP3008がある。
【0080】
クレイは、それ自体すでに周知の生成物であり、これは例えば、刊行物Mineralogie des argiles(Mineralogy of Clays)、S. Caillere、S. Henin、M. Rautureau、第2版、1982年、Massonに記載されており、その教示は、参照により本明細書に含まれる。
【0081】
クレイは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カリウム及びリチウムのカチオン、並びにそれらの混合物から選ぶことができるカチオンを含有するケイ酸塩である。
【0082】
挙げることができるこうした生成物の例には、スメクタイト族のクレイ、例えばモンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、バイデライト及びサポナイト、並びにバーミキュライト、ステベンス石及びクロライトの族のクレイが含まれる。
【0083】
クレイは、天然又は合成起源のものとすることができる。好ましくは、毛髪等のケラチン繊維に対して、化粧品として適合性があって許容されるクレイが使用される。
【0084】
クレイは、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルガイト、セピオライト及びそれらの混合物から選択することができる。好ましくは、クレイは、ベントナイト又はヘクトライトである。
【0085】
クレイは、有機親和性クレイから選択することができる。
【0086】
有機親和性クレイは、第四級アミン、第三級アミン、酢酸アミン、イミダゾリン、アミン石鹸、脂肪硫酸塩、スルホン酸アルキルアリール及びアミン酸化物、並びにそれらの混合物から選択される化学的な化合物で改質されたクレイである。
【0087】
好ましくは、本発明の有機親和性クレイは、第四級アミンから選択される化学的な化合物で改質されたクレイである。
【0088】
挙げることができる有機親和性クレイには、クオンタニウム-18ベントナイト、例えばElementis社により名称Bentone 3、Bentone 38及びBentone 38Vで、United Catalyst社により名称Tixogel VPで、Southern Clay社により名称Claytone 34、Claytone 40及びClaytone XLで販売されているもの;ステアラルコニウムベントナイト、例えばElementis社により名称Bentone 27Vで、United Catalyst社により名称Tixogel LGで、及びSouthern Clay社により名称Claytone AF及びClaytone APAで販売されているもの;並びにクオンタニウム-18/ベンザルコニウムベントナイト、例えばSouthern Clay社により名称Claytone HT及びClaytone PSで販売されているものが含まれる。
【0089】
有機親和性クレイは、改質されたヘクトライト、例えばC
10〜C
12脂肪酸塩化アンモニウムで改質されたヘクトライト、詳細には塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及び塩化ステアリルベンジルジメチルアンモニウムから特に選択される。
【0090】
クレイは、特にモンモリロナイト及びカオリンから選択される。
【0091】
特に好ましい皮脂を吸収する粒子は、シリカ粉末、とりわけ、特に沈降シリカ粉末、より特定するとワックスで被覆されている沈降シリカ、窒化ホウ素、アクリル性ポリマー粉末である。
【0092】
好ましくは、粒子は、数平均サイズが50nmから350ミクロンの間、より一層良好には100nmから100ミクロンの間、より一層優先的には0.5から100ミクロンの間である。
【0093】
皮脂を吸収する粒子は、本発明の組成物中に、組成物の総質量に対して0.01質量%〜30質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%、最も優先的には0.5質量%〜10質量%を範囲とする含量で存在することができる。
【0094】
粉末の皮脂取込み量を測定する方法
粉末の皮脂取込み量は、NF T 30-022規格に記載されている、粉末の油取込み量を求める方法に従って測定される。これは、湿潤点を測定することによる、粉末の空いている表面上に吸着される皮脂の量に相当する。
【0095】
約0.5gから5gの間の粉末量m(グラム単位)(この量は粉末の密度に依る)を、ガラス板上に置き、次いで、以下の組成物を有する人工皮脂を滴下で加える:
- トリオレイン 29%
- オレイン酸 28.5%
- オレイン酸オレイル 18.5%
- スクワレン 14%
- コレステロール 7%
- パルミチン酸コレステリル 3%
【0096】
人工皮脂を4〜5滴加えた後、人工皮脂を、へらを用いて粉末中へ組み入れ、人工皮脂と粉末との集合体が形成されるまで人工皮脂の添加を続ける。この形成の瞬間から、人工皮脂を1回に1滴加え、次いで、混合物をへらで磨りつぶす。硬くて滑らかなペーストが得られたら、人工皮脂の添加を中止する。このペーストは、ひび割れることなく又は塊を形成することなくガラス板上に広がることができなければならない。次いで、使用した人工皮脂の体積Vs(mlで表す)を書き留める。
【0097】
皮脂取込み量は、比Vs/mに相当する。
【0098】
本発明の組成物は、化粧用及び/又は皮膚科用、好ましくは化粧用とすることができる。
【0099】
本発明の組成物は、皮膚への局所適用に一般に好適であり、そのため、生理的に許容される媒体、即ち皮膚及び/又はその外皮に適合性のある媒体を一般に含む。それは、好ましくは、化粧品として許容される媒体、即ち、心地よい色、香り及び感覚を有して、消費者がこの組成物の使用を避けたくなるような任意の受け入れられない不快感(刺すような痛み、つっぱり感、発赤)を生じさせることのない媒体である。
【0100】
本発明の組成物は、局所適用として従来使用されてきた任意の医薬の形態とすることができ、具体的にはゲル又はローションタイプのディスパーション、水相中に油相を分散させることによって(O/W)若しくは油相に水相を分散させることによって(W/O)得られる乳液タイプの液体若しくは半液体の粘稠度であるエマルション、又はクリーム若しくはゲルタイプの軟質、半固体若しくは固体の粘稠度であるサスペンション若しくはエマルション、或いは複合エマルション(W/O/W又はO/W/O)、マイクロエマルション、イオン性及び/又は非イオン性タイプの小胞性ディスパーション、又はワックス/水相ディスパーションの形態とすることができる。これらの組成物は、定法に従って調製される。
【0101】
加えて、本発明により使用される組成物は、程度の差はあれ、流体とすることができ、白色又は有色クリーム、軟膏、乳液、ローション、セラム、ペースト又は泡の外観とすることができる。それらは、任意選択で、エアロゾルの形態で皮膚へ適用してもよい。それらはまた、固体形態、例えば、スティックの形態とすることもできる。
【0103】
本発明により使用される組成物が油相を含むとき、それは好ましくは少なくとも1種の油を含有する。それはまた、他の脂肪物質も含有することができる。
【0104】
本発明の組成物中で使用できる油として、例えば以下を挙げることができる:
- 動物起源の炭化水素油、例えば、ペルヒドロスクアレン
- 植物起源の炭化水素油、例えば4〜10個の炭素原子を有する脂肪酸の液体トリグリセリド、例えばヘプタン酸若しくはオクタン酸トリグリセリド、或いは、例えばヒマワリ油、コーン油、ダイズ油、マロー油、ぶどう種子油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの、又はDynamit Nobel社により名称Miglyol 810、812及び818で販売されているもの、ホホバ油及びシアバター油
- 特に脂肪酸の、合成エステル及びエーテル、例えば式R
1COOR
2及びR
1OR
2(式中、R
1は8〜29個の炭素原子を有する脂肪酸残基を表し、R
2は3〜30個の炭素原子を有する分枝状又は非分枝状の炭化水素系鎖を表す)の油、例えばパーセリン油、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル又はイソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル又はクエン酸トリイソセチル;ヘプタン酸、オクタン酸又はデカン酸の脂肪アルコール;ポリオールエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール及びジイソノナン酸ジエチレングリコール;並びにペンタエリスリトールエステル、例えばテトライソステアリン酸ペンタエリスリチル
- 無機又は合成起源の、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば揮発性又は不揮発性の流動パラフィン、及びそれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン、並びにパーリーム油等の水素化ポリイソブテン
- 8〜26個の炭素原子を有する脂肪アルコール、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物(セテアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルドデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレイルアルコール
- 部分的に炭化水素系及び/又はシリコーン系のフルオロ油、例えば文献、特開平2-295912号公報に記載のもの
- シリコーンオイル、例えば、室温で液体又はペースト状である、直鎖状若しくは環状のシリコーン鎖を有する揮発性又は不揮発性のポリメチルシロキサン(PDMS)、特にシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコン)、例えばシクロヘキサシロキサン;ペンダントである若しくはシリコーン鎖の末端にある、アルキル、アルコキシ又はフェニル基(これらの基は2〜24個の炭素原子を有する)を有するポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン又は2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート及びポリメチルフェニルシロキサン
- それらの混合物。
【0105】
上述の油の列挙において、用語「炭化水素油」は、主に炭素及び水素原子を有し、任意選択でエステル、エーテル、フルオロ、カルボン酸及び/又はアルコール基を有する任意の油を意味すると解される。
【0106】
油相中に存在できる他の脂肪物質は、例えば、8〜30個の炭素原子を有する脂肪酸、例えばステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸;ワックス、例えばラノリンワックス、みつろう、カルナウバワックス又はカンデリラワックス、パラフィンワックス、亜炭ワックス又は微結晶ワックス、セレシン又はオゾケライト、並びに合成ワックス、例えばポリエチレンワックス及びフィッシャートロプシュワックス;シリコーン樹脂、例えばトリフルオロメチル-C
1〜4-アルキルジメチコン及びトリフルオロプロピルジメチコン;並びにシリコーンエラストマー、例えば信越化学工業株式会社により名称KSGで、Dow Corning社により名称Trefil、BY29若しくはEPSXで、又はGrant Industries社により名称Gransilで販売されている製品である。
【0107】
これらの脂肪物質は、例えば粘稠度又は質感といった、所望の特性を有する組成物を調製するために、当業者によって様々な方法で選択されうる。
【0108】
本発明の特定の一実施形態によれば、本発明の組成物は、油中水型(W/O)又は水中油型(O/W)エマルション、好ましくは水中油型(O/W)エマルションである。
【0109】
O/Wエマルションはまた、乳化ゲルも含む。用語「乳化ゲル」は、水性ゲル中の油のディスパーションを意味する。界面活性剤の添加は、この医薬の形態については任意選択である。
【0110】
エマルションの油相の割合は、組成物の総質量に対して2質量%〜80質量%、好ましくは5質量%〜50質量%を範囲とすることができる。
【0111】
エマルションは、単独で又は混合物として使用される、両性、アニオン性、カチオン性又は非イオン性の乳化剤から選択される少なくとも1種の乳化剤を一般に含有し、共乳化剤を任意選択で含有する。乳化剤は、得ようとするエマルション(W/O又はO/W)に応じて適当に選択される。乳化剤及び共乳化剤は、組成物中に、組成物の総質量に対して0.3質量%〜30質量%、好ましくは0.5質量%〜20質量%を範囲とする割合で一般に存在する。
【0112】
W/Oエマルションでは、挙げることができる乳化剤の例には、ジメチコンコポリオール、例えばDow Corning社により名称DC 5225 Cで販売されているシクロメチコンとジメチコンコポリオールとの混合物、並びにアルキルジメチコンコポリオール、例えばDow Corning社により名称Dow Corning 5200 Formulation Aidで販売されているラウリルメチコンコポリオール、並びにGoldschmidt社により名称Abil EM 90(登録商標)で販売されているセチルジメチコンコポリオールが含まれる。少なくとも1つのオキシアルキレン化された基を有する架橋エラストマー性固体オルガノポリシロキサン、例えばUS-A-5412004の実施例3、4及び8、並びにUS-A-5811487の実施例の手順に従って得られるもの、とりわけUS-A-5412004の実施例3(合成の実施例)の生成物、例えば信越化学工業株式会社により参照名KSG 21で販売されている製品もまた、W/Oエマルションのための界面活性剤として使用できる。
【0113】
O/Wエマルションでは、挙げることができる乳化剤の例には、非イオン性乳化剤、例えばグリセロールのオキシアルキレン化(とりわけポリオキシエチレン化)脂肪酸エステル;ソルビタンのオキシアルキレン化脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)脂肪アルコールエーテル;糖エステル、例えばステアリン酸スクロース;並びにそれらの混合物、例えばステアリン酸グリセリルとステアリン酸PEG-40との混合物が含まれる。
【0114】
組成物は、水性ゲルであってもよく、特に通常の水性ゲル化剤を含んでいてもよい。
【0115】
有利には、組成物は、少なくとも1種の水相を含む組成物である。水相は、組成物の総質量の5質量%超、好ましくは20質量%超を一般に占める。
【0116】
本発明の組成物は、水を含み、且つ任意選択でグリコール、エタノール、及び/又は室温で水溶性であることができる親水性アジュバントを含んだ、水相を含む。組成物は、30〜95%の水を一般に含む。
【0117】
有利には、本発明の組成物のpHは、3〜8を範囲とする。好ましくは、組成物のpHは、4〜6を範囲とする。
【0118】
本発明の組成物は、体の又は顔の皮膚を、ケアする、クレンジングする又はメイクアップするための組成物、特にケア組成物とすることができる。
【0119】
スキンケア組成物は、例えばフェイス用の、クリーム、ゲル又は流体とすることができる。
【0120】
スキンメイクアップ組成物は、例えば、ファンデーション、アイシャドー、フェイスパウダー、コンシーラー製品、フェイス及びボディパウダー、又はボディメイクアップ製品とすることができる。
【0121】
添加剤
本発明の組成物はまた、化粧品中に通常使用される種々のアジュバント、例えば、乳化剤;フィラー;保存剤;捕捉剤;染料;香料;増粘剤及びゲル化剤、特にアクリルアミドのホモポリマー又はコポリマー、アクリル性ホモポリマー又はコポリマー、並びにアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸[AMPS(登録商標)]のホモポリマー又はコポリマー;UVスクリーニング剤も含むことができる。
【0122】
有利には、本発明の組成物のマット効果を強化するために、該組成物はまた、少なくとも1種の、油性肌をケアするための活性剤も含むことができる。この活性剤は、優先的には、落屑剤、抗菌剤、抗炎症剤、皮脂調節剤及び抗酸化剤から選択される。
【0123】
該組成物はまた、脂性肌をケアするためのもの以外の化粧用活性剤、例えば保湿剤及びビタミンも含むことができる。
【0124】
当然ながら、当業者であれば、本発明の組成物の有利な特性が、想定される添加によって全く又は実質的に悪影響を受けないように、これらの任意選択の追加の化合物及び/又はそれらの量を慎重に選択することになる。
【0125】
脂性肌をケアするための活性剤
本発明の関連において、表現「脂性肌をケアするための活性剤」は、具体的には以下のものである、生物的活性を内因的に有する(即ちそれを活性化するために外的作用剤の介入を必要としない)化合物を意味すると解される:
- 落屑活性(面皰が開くことを可能にする)、及び/又は
- 抗菌活性(特にP. acnesに対して)、及び/又は
- 抗炎症活性、及び/又は
- 皮脂調節活性、及び/又は
- 抗酸化活性(スクアレンが酸化して面皰が形成するのを妨げる)。
【0126】
したがって、脂性肌をケアするための活性剤は、落屑剤、及び/又は抗菌剤、及び/又は抗炎症剤、及び/又は皮脂調節剤、及び/又は抗酸化剤から選択することができる。
【0127】
1.落屑剤
用語「落屑剤」は、
- 剥離を促進させることによって、直接的に落屑に作用することができる任意の化合物、例えばβ-ヒドロキシ酸、とりわけサリチル酸及びその誘導体(5-n-オクタノイルサリチル酸を含む);α-ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸若しくはマンデル酸;尿素;ゲンチシン酸;オリゴフコース;ケイ皮酸;Saphora japonicaの抽出物;レスベラトロール及び特定のジャスモン酸誘導体か、或いは、
- 落屑に関与する酵素に、又はコルネオデスモソーム、例えばグリコシダーゼ、角質層キモトリプシン酵素(SCCE)、若しくは実際に他のプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン様のもの)の分解に作用することができる任意の化合物か、
のいずれかを意味する。
【0128】
アミノスルホン酸化合物、特にN-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N-2-エタンスルホン酸(HEPES);2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸(プロシステイン)誘導体;グリシン型のα-アミノ酸の誘導体(EP0852949号に記載されているもの、及び更にBASF社により商品名Trilon Mで販売されているメチルグリシン二酢酸ナトリウム);蜂蜜; O-オクタノイル-6-D-マルトース及びN-アセチルグルコサミン等の糖誘導体を挙げることができる。
【0129】
5-n-オクタノイルサリチル酸が、本発明中での使用に好ましい。
【0130】
2.抗菌剤
本発明の組成物中で使用できる抗菌剤は、特に、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(又はトリクロサン)、3,4,4'-トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、イセチオン酸ヘキサミジン、メトロニダゾール及びその塩、ミコナゾール及びその塩、イトラコナゾール、テルコナゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、サペルコナゾール、フルコナゾール、クロトリマゾール、ブトコナゾール、オキシコナゾール、スルファコナゾール、スルコナゾール、テルビナフィン、シクロピロクス、シクロピロクソールアミン、ウンデシレン酸及びその塩、過酸化ベンゾイル、3-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、フィチン酸、N-アセチル-L-システイン酸、リポ酸、アゼライン酸及びそれらの塩、アラキドン酸、レゾルシノール、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4'-トリクロロカルバニリド、オクトピロクス、オクトキシグリセリン、オクタノイルグリシン、カプリリルグリコール、10-ヒドロキシ-2-デカン酸、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン及びそれらの誘導体(特許WO93/18743に記載されている)、ピドロ酸銅、サリチル酸、サリチル酸亜鉛、ブチルカルバミン酸ヨードプロピニル、ファルネソール及びフィトスフィンゴシン、並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0131】
好ましい抗菌剤は、オクトキシグリセリン、ピドロ酸銅、サリチル酸亜鉛、サリチル酸及びブチルカルバミン酸ヨードプロピニルである。
【0132】
3.抗炎症剤
本発明の組成物中で使用できる抗炎症剤又は無痛化剤として、以下を挙げることができる:五員環トリテルペン及びそれを含有する植物抽出物(例えばGlycyrrhiza glabra)、例えばβ-グリチルレチン酸並びにその塩及び/又はその誘導体(グリチルレチン酸モノグルクロニド、グリチルレチン酸ステアリル、3-ステアロイルオキシグリシルレチン酸)、ウルソール酸及びその塩、オレアノール酸及びその塩、ベツリン酸及びその塩、ビサボロール、Paeonia suffruticosa及び/又はPaeonia lactifloraの抽出物、サリチル酸塩、とりわけサリチル酸亜鉛、Codif社からのフィコサッカリド、Laminaria saccharinaの抽出物、キャノーラ油、ビサボロール及びカモミール抽出物、アラントイン、Seppic社からのSepivital EPC(ビタミンE及びCのリン酸ジエステル)、オメガ-3不飽和油、例えばジャコウバラ油、クロフサスグリ油、エキウム油、魚油、プランクトン抽出物、カプリロイルグリシン、Seppic社からのSeppicalm VG(パルミトイルプロリンナトリウム及びNymphaea alba)、Pygeumの抽出物、Boswellia serrataの抽出物、Centipeda cunninghamiの抽出物、Helianthus annuusの抽出物、Linum usitatissimumの抽出物、トコトリエノール、Cola nitidaの抽出物、Centella asiaticaの抽出物、ピペロナール、クローブの抽出物、Epilobium angustifoliumの抽出物、アロエベラ、Bacopa monieriの抽出物、フィトステロール、ナイアシンアミド、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、インドメタシン及びベタメタゾン。
【0133】
本発明中の使用にとって好ましい抗炎症剤は、Centella asiaticaの抽出物、β-グリチルレチン酸及びその塩、α-ビサボロール及びナイアシンアミドである。
【0134】
4.皮脂調節剤
本発明の組成物が5α-レダクターゼ阻害剤等の皮脂調節剤を含むとき、この作用剤は、特に以下から選択されうる:
- レチノイド、詳細にはレチノール
- 硫黄又は硫黄誘導体
- 亜鉛塩、例えば乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、ピドル酸亜鉛、カルボン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛及び/又はシステイン酸亜鉛
- 塩化セレン
- ビタミンB6又はピリドキシン
- 特にSeppic社により商品名Sepicontrol A5(登録商標)で販売されている、カプリロイルグリシン、サルコシン及びCinnamomum zeylanicum抽出物の混合物
- 特にSecma社により商品名Phlorogine(登録商標)で販売されているLaminaria saccharinaの抽出物
- 特にSilab社により商品名Sebonormine(登録商標)で販売されているSpiraea ulmariaの抽出物
- 例えばMaruzen社によりその全てが販売されている、Arnica montana、Cinchona succirubra、Eugenia caryophyllata、Humulus lupulus、Hypericum perforatum、Mentha piperita、Rosmarinus officinalis、Salvia officinalis及びThymus vulgarisの種の植物の抽出物
- 特にEuromed社により販売されているSerenoa repensの抽出物
- Silybum属の植物の抽出物
- サポゲニンを含有する植物抽出物、詳細にはジオスゲニンが豊富なDioscorea植物の抽出物、及び
- ユーゲノール及びユーゲニルグリコシドを含有するEugenia caryophyllataの抽出物。
【0135】
亜鉛塩が、本発明中での使用に好ましい。
【0136】
5.抗酸化剤
本発明での使用に好ましい抗酸化剤は、トコフェノール及びそのエステル、例えば酢酸トコフェリル、BHT及びBHAから選択することができる。
【0137】
本発明の組成物中で使用される活性剤は、組成物の総質量の0.01質量%〜50質量%、好ましくは0.1質量%〜25質量%、より一層良好には0.5質量%〜10質量%を占めることができる。
【0138】
本発明はまた、皮膚をケアし且つ/又はメイクアップする化粧方法にも関し、該方法は、皮膚へ本発明の組成物を局所適用する工程を含む。
【0139】
より精密には、それは、皮膚をマットにするための且つ/又は皮膚のてかりを減じるための方法である。
【0140】
用語「マット感付与」は、皮膚を更にマットにすること及びそのてかりを減じること、したがって、その魅力的でない反射を減じることを意味する。
【0141】
本発明はまた、混合肌及び/又は油性肌をケアするための、本発明の組成物の化粧用での使用にも関する。
【0142】
本発明について、以下の非限定的な実施例を介して下記に例証する。これらの実施例において、量は、質量パーセントとして示す。事例に応じて、化合物は、化学物質名を用いて、又はCTFA名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)を用いて述べる。
【実施例】
【0143】
(実施例1)
以下の組成を有する油/水エマルションの形態にあるフェイシャルケアクリームを調製した:
【0144】
【表1】
【0145】
このベース中で、本発明と同じ組合せのフィラーを以下のように使用した。
【0146】
この組成物は、混合肌及び油性肌をマットにするために、朝及び/又は夜に、顔へ適用することができる。
【0147】
(実施例2)
マット感/てかり度の測定
ベース配合物
【0148】
【表2】
【0149】
このベース中で、3種のフィラーの含量は、0から1%の間で様々である。フィラーの総含量は、一定のままである(0.5%から1%の間)。
【0150】
次いで、適用後の配合物のマット感を測定する(直後に及び長期に)。
【0151】
(フィラーの総含量が0.5%である実施例)
【0152】
【表3】
【0153】
【表4】
【0154】
(フィラーの総含量が1%である実施例)
【0155】
【表5】
【0156】
【表6】
【0157】
インビトロ評価によるマット感の測定
本発明の組成物Aで得られたマット感、及び比較例として付与した組成物Bで得られたマット感を、Erichsen社により販売されているコントラストカード(Prufkarteタイプ、24/5〜250cm
2)を用いて測定する。組成物を、フィルム延展機を用いて2mg/cm
2で広げた。混合物を10回噴霧し(水/皮脂 80/20)、次いで室温で6分間待ち、次いで反射率をゴニオ反射メータを用いて測定した。得られた結果は、正反射と拡散反射の間の比Rである。R値は、マット効果が大きいほど、比例して小さい。
-:てかる
0:効果がない
+:マット感がある
++:マット感が+である
+++:マット感がきわめて高い
【0158】
これらの結果は、本発明の組成物は、同じ総濃度で単独で採用された各粒子を含有する組成物によって得られたものよりも、皮膚にもたらすてかりが少ないことを示している。