(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1面及び前記第1内側リードの間と、前記第2面及び前記第2内側リードの間とのうち少なくともいずれか一つには、前記パウチケースと前記内側リードとを結合するパウチ接着層が形成され、
前記内側リードは、
前記パウチ接着層によって前記パウチケースと結合された部分と結合されていない部分との間に、他の部分より脆性が高い軟弱部が形成されている請求項1に記載のバッテリーセル。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ、携帯用電話、携帯用PCなどの携帯用電気製品の使用が活性化されるのに伴い、その駆動電源として主に用いられる二次電池に対する重要性が増加している。
【0003】
通常、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な二次電池は、デジタルカメラ、携帯電話、ノートパソコン、パワーツール、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車、大容量電力貯蔵装置などの先端分野の開発で活発な研究が進められている。
【0004】
特に、リチウム二次電池は、従来の鉛蓄電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-水素電池、ニッケル-亜鉛電池などの他の二次電池に比べて単位重量当りのエネルギー密度が高く、急速充電が可能なため、使用の増加が活発に進められている。
【0005】
リチウム二次電池は作動電圧が3.6V以上で、携帯用電子機器の電源として使われるか、多数の電池を直列又は並列に連結して高出力の電気自動車、ハイブリッド自動車、パワーツール、電気自転車、電力貯蔵装置、UPSなどに用いられる。
【0006】
リチウム二次電池は、ニッケル-カドミウム電池やニッケル-メタルハイドライド電池に比べて作動電圧が3倍高く、単位重量当たりのエネルギー密度の特性にも優れるので、使用が急増している傾向である。
【0007】
液体電解質を用いるリチウムイオン電池の場合、殆ど、円筒や角形の金属缶を容器にして溶接密封した形態で用いられる。このような金属缶を容器として用いる缶型二次電池は、形態が固定されるため、これを電源として用いる電気製品のデザインを制約する短所があり、体積を減らし難い。よって、電極組立体と電解質をフィルムで作ったパウチ包装材に入れて、密封して用いるパウチ型二次電池が開発され用いられている。
【0008】
ところで、リチウム二次電池は過熱された場合、爆発の危険性があるため、安全性を確保することが重要である。
【0009】
リチウム二次電池の過熱は、様々な原因から発生するが、そのうちの一つがリチウム二次電池を介して限界以上の過電流が流れる場合を挙げることができる。過電流が流れると、リチウム二次電池がジュール熱によって発熱するため、電池の内部温度が急上昇する。また、温度の急上昇は、電解液の分解反応を引き起こして熱暴走現象(thermal runaway)を起こすことで、結局は電池の爆発にまで繋がるようになる。過電流は尖った金属物体がリチウム二次電池を貫通するか、正極と負極との間に介在された分離膜の収縮によって正極と負極との間の絶縁が破壊されるか、外部に連結された充電回路や負荷の異常によって突入電流(rush current)が電池に印加されるなどの場合に発生する。
【0010】
したがって、リチウム二次電池は、過電流の発生のような異常状況から電池を保護するために保護回路と結合されて使用され、前記保護回路には、過電流が発生したとき、充電または放電電流が流れる線路を非可逆的に断線させるヒューズ素子が含まれることが一般的である。しかし、ヒューズ素子が誤動作を起こす場合、バッテリーモジュール及び/またはバッテリーパックをなすリチウム二次電池、すなわちバッテリーセルの内部圧力は増加し続けることがあり得るので、発火、爆発などの危険がある。
【0011】
したがって、バッテリーセルの内部圧力の増加時、より確実に電流の流れを遮断して安全性を確保する必要がある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、図面とともに詳細に後述されている実施形態等を参照すると明確となるであろう。
【0031】
しかし、本発明は以下で開示される実施形態等に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現されてよく、ただ本実施形態等は本発明の開示が完全となるようにし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は、同一構成要素を指称する。
【0032】
以下、本発明の実施形態等によりバッテリーセルを説明するための図等を参考にしながら、本発明に対して説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリーセルの平面図である。
【0034】
図1に示す通り、バッテリーセル10は電極組立体11、一対の電極リード100、200、300、パウチ接着層170、270、370、パウチケース14を含む。
【0035】
電極組立体11は、正極板、負極板、分離膜及び電極タブ(T)を含む。電極組立体11は、積層された正極板及び負極板の間に分離膜を介在して形成された積層型電極組立体であり得る。
【0036】
また電極組立体11は、ゼリー・ロール(jelly-roll)型に形成されることも可能である。
【0037】
正極板は、アルミニウム(Al)材質の集電板に正極活物質が塗布されて形成され得る。また、負極板は、銅(Cu)材質の集電板に負極活物質が塗布されて形成され得る。
【0038】
電極タブ(T)は、電極板、すなわち正極板または負極板と一体に形成されるものであって、電極板11a、11bのうち電極活物質が塗布されていない無地部領域に該当する。すなわち、電極タブ(T)は、正極板のうち正極活物質が塗布されていない領域に該当する正極タブ、及び負極板のうち負極活物質が塗布されていない領域に該当する負極タブを含む。
【0039】
電極リード100、200、300は薄い板状の金属であって、電極タブ(T)に付着され電極組立体11の外側方向に延長される。電極リード100、200、300は、正極タブに付着される正極リード、及び負極タブに付着される負極リードを含む。正極リード及び負極リードは、正極タブ及び負極タブの形成位置によって互いに同一な方向に延長されてもよく、互いに反対方向に延長されてもよい。
【0040】
パウチ接着層170、270、370は、電極リード100、200、300の幅方向周囲に付着され電極リード100、200、300とパウチケース14の内側面との間に介在されるものであって、絶縁性及び熱融着性を有するフィルムからなる。パウチ接着層170、270、370は、例えば、ポリイミド(PI:polyimide)、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリエチレン(PE:polyethylene)及びポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)などから選択されるいずれか一つ以上の物質層(単一膜又は多重膜)からなり得る。
【0041】
パウチ接着層170、270、370は、電極リード100、200、300とパウチケース14の金属層との間で短絡が発生することを防止するだけでなく、パウチ接着層170、270、370は電極リード100、200、300が引き出される領域でパウチケース14の密封力を向上させる役割を担う。
【0042】
すなわち、金属プレートからなる電極リード100、200、300とパウチケース14の内側面との間は接着がよく成されないので、パウチケース14の枠領域(B)を熱融着してシーリングしたとしても、電極リード100、200、300が引き出された領域での密封性が落ちることがある。また、このような密封性の低下現象は、電極リード100、200、300の表面にニッケル(Ni)がコーティングされた場合、さらに著しく表れる。
【0043】
したがって、パウチ接着層170、270、370を電極リード100、200、300及びパウチケース14の内側面の間に介在させることでバッテリーセル10の密封性を向上させることができるのである。
【0044】
パウチケース14は、電極リード100、200、300が外部に引き出されるように電極組立体11を収容したまま、第1面14aと第2面14bが当接する枠領域(B)が熱融着されることで密封される。
【0045】
このようなパウチケース14は、優れた熱融着性、形状を維持して電極組立体11を保護するための剛性及び絶縁性の確保のために多層構造を有することができる。例えばパウチケース14は、最内側に位置して電極組立体11と対面する第1層、最外側に位置して外部環境に直接露出する第2層、及び第1層と第2層との間に介在される第3層を含む多層構造を有することができる。
【0046】
この場合、例えば、第1層は、ポリプロピレン(PP)のように電解液に対する耐腐食性、絶縁性及び熱融着性を有する材質からなってよく、第2層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のように形態維持のための剛性及び絶縁性を有する材質からなってよく、第3層は、アルミニウム(Al)のような金属材質からなってよい。
【0047】
バッテリーセル10に短絡が発生するか、過充電などの異常状況で、セル内部にガスが発生することがある。パウチケース14は、ガスにより膨張し、異常状況が解消されなければ、パウチケース14は爆発することがある。
【0048】
図2は、本発明の一実施形態に係る電極リード100の組立前の平面図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る電極リード100の組立前の背面図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る電極リード100とパウチケース14が結合された状態の平面図である。
【0049】
図2から
図4に示す通り、本発明の一実施形態に係るバッテリーセル10は、電極組立体11;電極組立体11を収容するパウチケース14;及びパウチケース14の外部に突出された外側リード110と、外側リード110と電極組立体11との間に配置され、パウチケース14の内側に収容されてパウチケース14の膨張力によって互いに反対方向に移動して切断される内側リード120とを形成する電極リード100を含む。
【0050】
本発明の一実施形態に係るバッテリーセル10は、電極組立体11;電極組立体11を収容するパウチケース14;及びパウチケース14の外部に突出された外側リード110と、外側リード110と電極組立体11との間に配置され、パウチケース14の内側に収容されてノッチが形成され、ノッチを境界に一側はパウチケース14と結合され、他側はパウチケース14と分離された内側リード120とを形成する電極リード100を含む。
【0051】
パウチケース14は互いに向い合う第1面14a及び第2面14bで形成され、内側リード120は、外側リード110と連結されて第1面14aと結合された第1内側リード121;及び、第1内側リード121と連結されて第2面14bと結合され、電極組立体11と連結された第2内側リード122を含む。
【0052】
第1面14a及び第1内側リード121の間と、第2面14b及び第2内側リード122の間とのうち少なくともいずれか一つには、パウチケース14と内側リード120とを結合するパウチ接着層170が形成され、内側リード120は、パウチ接着層170によってパウチケース14と結合された部分と結合されない部分との間に他の部分より脆性が高い軟弱部130が形成される。
【0053】
軟弱部130にはノッチが形成される。ノッチは溝(groove)形状であってもよく、一定間隔にホールを形成したものであってもよい。ノッチは、電極リード100の破断を促進する。
【0054】
第1内側リード121と第2内側リード122は重畳して配置され、第1内側リード121と第2内側リード122との間には絶縁及び接着成分のリード接着層140が形成される。
【0055】
第1内側リード121と第2内側リード122との間には、接着力がなく、第1内側リード121と第2内側リード122とを絶縁する絶縁体150が配置され、軟弱部130を境界に一側にはリード接着層140が配置され、他側には絶縁体150が配置される。
【0056】
絶縁体150を基準に一側にはリード接着層140が配置され、他側にはパウチケース14の膨張時、ベンディングが発生する折曲部160が形成される。折曲部160にはノッチが形成される。
【0057】
第1内側リード121と第2内側リード122は一体に形成され、折曲部160は第1内側リード121と第2内側リード122とを連結する部分に形成される。パウチ接着層170は、軟弱部130を境界に一側にだけ配置される。軟弱部130を境界にパウチ接着層170が形成された部分の端部には、パウチケース14の膨張時、ベンディングが発生する折曲部160が形成される。
【0058】
第1内側リード121と第2内側リード122は一体に形成され、折曲部160は第1内側リード121と第2内側リード122とを連結する部分に形成される。第1内側リード121と第2内側リード122は、軟弱部130から折曲部160まで圧搾され、伝導可能になるように接合される。第1内側リード121と第2内側リード122のうち少なくともいずれか一つは、パウチケース14の膨張によって塑性変形が発生する可塑性材質で形成される。
【0059】
図5aはバッテリーセル10が正常な状態である時の
図4のA-A断面図であり、
図5bはバッテリーセル10が膨張して電極リード100が切断された状態である時の
図4のA-A断面図であり、
図5cはバッテリーセル10が膨張後収縮された状態である時の
図4のA-A断面図である。
【0060】
図5に示す通り、バッテリーセル10が正常に作動する際は内部にガスがないため、第1内側リード121と第2内側リード122は重畳された状態を維持する。過充電が発生してバッテリーセル10内部にガスが満ち始めると、パウチケース14は膨張する。パウチケース14が膨張すると、第1内側リード121と第2内側リード122には互いに遠ざかる方向の張力が発生する。
【0061】
一方、接着力がない絶縁体150が配置された部分で第1内側リード121と第2内側リード122は広がる。パウチ接着層170によって第1内側リード121と第2内側リード122とは互いに遠ざかる方向に力が作用するので、軟弱部130で破断が発生する。したがって、第1内側リード121と第2内側リード122は、導線としての機能を喪失して電流は遮断される。以後、パウチケース14が収縮されても、電極リード100は可塑性材質で形成されるので広がった形状をそのまま維持する。したがって、非正常状態が終わっても電極組立体11に再び過電流が流れず、バッテリーセル10の使用上の安全性を確保することができる。
【0062】
図2から
図5には、軟弱部130と折曲部160が別途形成されたことだけ示したが、折曲部160に軟弱部130を形成することもでき、その場合、パウチ接着層170の端部はヒンジ軸の機能を行うこともできる。
【0063】
一方、図に別に示してはいないが、絶縁体を削除して圧搾方式で第1内側リード121と第2内側リード122とを接合することもできる。すなわち、軟弱部130を通る電流は、折曲部160へ向かわずに直ぐ第2内側リード122に向かう。この場合、絶縁体の不在で導線の長さが短縮される効果がある。すなわち、電流経路が短縮されるので抵抗が減少される。
【0064】
図6は、本発明の他の実施形態に係る電極リード200の組立前の平面図である。
図7は、本発明の他の実施形態に係る電極リード200の組立前の背面図である。
図8は、本発明の他の実施形態に係る電極リード200とパウチケース14が結合された状態の平面図である。
【0065】
図6から
図8に示す通り、本発明の一実施形態に係るバッテリーセル10は、電極組立体11;電極組立体11を収容するパウチケース14;及びパウチケース14の外部に突出された外側リード210と、外側リード210と電極組立体11との間に配置されてパウチケース14の内側に収容され、パウチケース14の膨張方向に沿って両方へ分離される内側リード220とを形成する電極リード200を含む。
【0066】
本発明の一実施形態に係るバッテリーセル10は、電極組立体11;電極組立体11を収容するパウチケース14;及びパウチケース14の外部に突出された外側リード210と、外側リード210と電極組立体11との間に配置されてパウチケース14内側に収容された内側リード220とで形成された電極リード200を含み、内側リード220は、パウチケース14とそれぞれ結合されて重畳された第1内側リード221と第2内側リード222とを含む。
【0067】
パウチケース14は、互いに向い合う第1面14a及び第2面14bで形成され、内側リード220は、外側リード210と連結されて第1面14aと結合された第1内側リード221;及び第1内側リード221と連結されて第2面14bと結合され、電極組立体11と連結された第2内側リード222を含む。第1面14a及び第1内側リード221の間と第2面14b及び第2内側リード222との間には、パウチケース14と内側リード220とを結合するパウチ接着層270が形成され、内側リード220は、パウチ接着層270より脆性が高い軟弱部230が形成される。
【0068】
軟弱部230にはノッチが形成される。ノッチは溝(groove)形状であってもよく、一定間隔にホールを形成したものであってもよい。ノッチは、電極リード200の破断を促進する。第1内側リード221と第2内側リード222は一体に形成され、軟弱部230は、第1内側リード221と第2内側リード222とを連結する部分に形成される。第1内側リード221と第2内側リード222は重畳して配置され、第1内側リード221と第2内側リード222との間には絶縁及び接着成分のリード接着層240が形成される。
【0069】
第1内側リード221と第2内側リード222との間には、接着力がなく、第1内側リード221と第2内側リード222とを絶縁する絶縁体250が配置される。パウチ接着層270の端部には、パウチケース14の膨張時、ベンディングが発生する折曲部260が形成される。絶縁体250の一側には折曲部260が形成され、絶縁体250の他側には軟弱部230が形成される。リード接着層240の端部には軟弱部230が形成される。
【0070】
パウチ接着層270の端部には、パウチケース14の膨張時、ベンディングが発生する折曲部260が形成される。折曲部260にはノッチが形成される。ノッチは溝(groove)形状であってもよく、一定間隔にホールを形成したものであってもよい。ノッチは、電極リード200の破断を促進する。第1内側リード221と第2内側リード222とは、軟弱部230から折曲部260まで圧搾されて伝導可能になるように接合される。第1内側リード221と第2内側リード222のうち少なくともいずれか一つは、パウチケース14の膨張によって塑性変形が発生する可塑性材質で形成される。
【0071】
図9aは、バッテリーセル10が正常な状態である時の
図8のA-A断面図であり、
図9bは、バッテリーセル10が膨張して電極リード200が切断された状態である時の
図8のA-A断面図であり、
図9cは、バッテリーセル10が膨張後収縮された状態である時の
図8のA-A断面図である。
【0072】
図9に示す通り、バッテリーセル10が正常に作動する際は内部にガスがないため、第1内側リード221と第2内側リード222は重畳された状態を維持する。過充電が発生してバッテリーセル10の内部にガスが満ち始めると、パウチケース14は膨張する。パウチケース14が膨張すると、第1内側リード221と第2内側リード222には互いに遠ざかる方向の張力が発生する。一方、接着力がない絶縁体250が配置された部分で、第1内側リード221と第2内側リード222は広がる。
【0073】
パウチ接着層270によって、第1内側リード221と第2内側リード222は互いに遠ざかる方向に力が作用するので、軟弱部230で破断が発生する。したがって、第1内側リード221と第2内側リード222は導線としての機能を喪失して電流は遮断される。以後、パウチケース14が収縮されても、電極リード200は可塑性材質で形成されるので、広がった形状をそのまま維持する。したがって、非正常状態が終わっても電極組立体11に再度過電流が流れず、バッテリーセル10の使用上の安全性を確保することができる。
【0074】
一方、本発明の一実施形態によると、軟弱部230は、第1内側リード221と第2内側リード222との連結地点に形成される。したがって、別途の絶縁体が不要である。この場合、絶縁体の不在で導線の長さが短縮される効果がある。すなわち、電流経路が短縮されるので抵抗が減少される。
【0075】
図10aは、本発明のさらに他の実施形態に係る電極リード300a、300b、300cの組立前の平面図であり、
図10bは、
図10aと異なる電極リード300a、300b、300cの組立前の平面図であり、
図10cは、
図10bと異なる電極リード300a、300b、300cの組立前の平面図である。
【0076】
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係る電極リード300a、300b、300cとパウチケース14とが結合された状態の平面図である。
【0077】
図10から
図11に示す通り、本発明の一実施形態に係るバッテリーセル10は、電極組立体11;電極組立体11を収容するパウチケース14;及びパウチケース14の外部に突出された外側リード310a、310b、310cと、外側リード310a、310b、310cと電極組立体11との間に配置され、パウチケース14の内側に収容されて長手方向が電極組立体11と外側リード310a、310b、310cとを最短距離で連結する直線と平行であり、パウチケース14の膨張力によって互いに反対方向に移動して切断される内側リード320a、320b、320cとを形成する電極リード300a、300b、300cを含む。
【0078】
本発明の一実施形態に係るバッテリーセル10は、電極組立体11;電極組立体11を収容するパウチケース14;及びパウチケース14の外部に突出された外側リード310a、310b、310cと、外側リード310a、310b、310cと電極組立体11との間に配置され、パウチケース14の内側に収容された内側リード320a、320b、320cとで形成された電極リード300a、300b、300cを含み、内側リード320a、320b、320cは、パウチケース14と2つの面が結合されて「S」状に折り曲げられる。
【0079】
パウチケース14は、互いに向い合う第1面14a及び第2面14bで形成され、内側リード320a、320b、320cは、外側リード310a、310b、310cと連結されて第1面14aと結合された第1内側リード321a、321b、321c;及び第2面14bと結合されて電極組立体11と連結された第2内側リード322a、322b、322cを含む。第1面14a及び第1内側リード321a、321b、321cの間と、第2面14b及び第2内側リード322a、322b、322cの間とには、パウチケース14と内側リード320a、320b、320cを結合するパウチ接着層370a、370b、370cが形成され、内側リード320a、320b、320cは、パウチ接着層370a、370b、370cより脆性が高い軟弱部330a、330b、330cが形成される。
【0080】
パウチ接着層370a、370b、370cを基準に、一側には軟弱部330a、330b、330cが形成され、他側にはパウチケース14の膨張時にベンディングが発生する折曲部360a、360b、360cが形成される。軟弱部330a、330b、330cにはノッチが形成される。ノッチは溝(groove)形状であってもよく、一定間隔にホールを形成したものであってもよい。ノッチは、電極リード300a、300b、300cの破断を促進する。
【0081】
第1内側リード321a、321b、321cと第2内側リード322a、322b、322cを連結する中間リード323a、323bをさらに含み、中間リード323a、323bは、第1内側リード321a、321b、321cと第2内側リード322a、322b、322cとの間で重畳して配置される。第1内側リード321a、321b、321cと中間リード323a、323bとの間、及び第2内側リード322a、322b、322cと中間リード323a、323bとの間のうちのいずれか一つには絶縁及び接着成分のリード接着層340a、340bが形成される。
【0082】
第1内側リード321a、321b、321cと中間リード323a、323bとの間、及び第2内側リード322a、322b、322cと中間リード323a、323bとの間のうちのいずれか一つにはリード接着層340a、340bが配置され、他の一つには接着力がなく絶縁性がある絶縁体350a、350b、350cが配置される。
【0083】
第1内側リード321a、321b、321cと中間リード323a、323b、及び中間リード323a、323bと第2内側リード322a、322b、322cの間には折り曲げられた折曲部360a、360b、360cを形成し、折曲部360a、360b、360cには軟弱部330a、330b、330cが形成される。軟弱部330a、330b、330cが形成された内側リード320a、320b、320cの重畳された部分には、絶縁体350a、350b、350cが配置される。絶縁体350a、350b、350cの一側には軟弱部330a、330b、330cが配置され、反対側の他側にはリード接着層340a、340bが配置される。
【0084】
第1内側リード321a、321b、321cと中間リード323a、323bと第2内側リード322a、322b、322cは、「S」状に折り曲げられて一体に形成される。第1内側リード321a、321b、321cと第2内側リード322a、322b、322cと中間リード323a、323bのうち少なくともいずれか一つは、パウチケース14の膨張によって塑性変形が発生する可塑性材質で形成される。
【0085】
図12aは、バッテリーセル10が正常な状態で、電極リード300a、300b、300cが
図10aに該当する時の
図11のC-C断面図であり、
図12bは、バッテリーセル10が膨張して電極リード300a、300b、300cが切断された状態を示した図であり、
図12cは、バッテリーセル10が膨張後収縮された状態である時を示した図である。
図13aは、バッテリーセル10が正常な状態で、電極リード300a、300b、300cが
図10bに該当する時の
図11のC-C断面図であり、
図13bは、バッテリーセル10が膨張して電極リード300a、300b、300cが切断された状態を示した図であり、
図13cは、バッテリーセル10が膨張後収縮された状態である時を示した図である。
【0086】
図12から
図13に示す通り、バッテリーセル10が正常に作動する際は内部にガスがないため、第1内側リード321a、321b、321cと第2内側リード322a、322b、322cと中間リード323a、323bは、重畳された状態を維持する。過充電が発生してバッテリーセル10の内部にガスが満ち始めると、パウチケース14は膨張する。パウチケース14が膨張すると、第1内側リード321a、321b、321cと第2内側リード322a、322b、322cには、互いに遠ざかる方向の張力が発生する。一方、接着力がない絶縁体350a、350b、350cが配置された部分で、第1内側リード321a、321b、321cまたは第2内側リード322a、322b、322cは中間リード323a、323bと広がる。パウチ接着層370a、370b、370cによって第1内側リード321a、321b、321cと第2内側リード322a、322b、322cは互いに遠ざかる方向に力が作用するので、軟弱部330a、330b、330cで破断が発生する。したがって、電極リード300a、300b、300cは、導線としての機能を喪失して電流は遮断される。以後、パウチケース14が収縮されても、電極リード300a、300b、300cは可塑性材質で形成されるので、広がった形状をそのまま維持する。したがって、非正常状態が終わっても、電極組立体11に再度過電流が流れず、バッテリーセル10の使用上の安全性を確保することができる。
【0087】
一方、本発明の一実施形態によると、第1内側リード321a、321b、321cと中間リード323a、323bと第2内側リード322a、322b、322cは、一直線に形成される。したがって、必要時、電流を遮断しつつ、電流経路が短縮されるので抵抗が減少する。
【0088】
図14aは、バッテリーセル10が正常な状態で、電極リード300a、300b、300cが
図10cに該当する時の
図11のC-C断面図であり、
図14bは、バッテリーセル10が膨張して電極リード300a、300b、300cが切断された状態を示した図であり、
図14cは、バッテリーセル10が膨張後収縮された状態である時を示した図である。
【0089】
図14に示す通り、本発明の一実施形態に係るバッテリーセル10において、軟弱部330cには、内側リード320cの厚さまたは幅を減少させるようにノッチが形成される。ノッチの厚さ及び幅は、内側リード320cの破断時点を調節する。例えば、内側リード320cの破断は、バッテリーセル10の電圧が5V〜6Vである時に発生し得る。5Vである時に軟弱部330cの破断が発生する内側リード320cは、6Vである時に破断が発生するように形成された内側リード320cに比べてノッチの程度が深い。
【0090】
第2面と第2内側リード322cとの間には、電極組立体11と第2内側リード322cを電気的に連結する電極タブ(T)を含み、第2内側リード322cの両面のうちいずれか一面は電極タブ(T)と結合され、絶縁性があって接着性がない絶縁体350cが配置され、第2内側リード322cの両面のうち電極タブ(T)と結合されていない他の一面は、絶縁性と接着性があるパウチ接着層370cによってパウチケース14と結合される。
【0091】
第2内側リード322cの一面と同一平面に位置する第1内側リード321cの一面は、パウチ接着層370cによってパウチケース14と結合され、第2内側リード322cの他の一面と同一平面に位置する第1内側リード321cの他の一面は絶縁体350cが配置される。
【0092】
軟弱部330cを基準に、パウチ接着層370cと絶縁体350cは互いに対角方向に形成される。一方、電極タブ(T)の配置によって、内側リード320cとパウチケース14との間の空間は、内側リード320cを基準に互いに異なってくる。すなわち、電極タブ(T)が配置された箇所はパウチケース14と内側リード320cとの間の空間が狭いため、電極リード300cの変形に抵抗として作用し得る。したがって、電極リード300cが電極タブ(T)から遠ざかるようにパウチ接着層370cと絶縁体350cを適宜配置する。
【0093】
一方、パウチ接着層370cと絶縁体350cの配置面積、またはパウチ接着層370cの接着力の程度は、バッテリーセル10の耐久性と電極リード300cの破断容易性の側面で決定される。
図14では、軟弱部330cを基準に絶縁体350cの面積がパウチ接着層370cの面積より大きく形成した実施形態であり、この場合、電極リード300cの破断性が向上する。
【0094】
一方、
図12及び
図13の実施形態との違いは、内側リード320a、320b、320cが重畳されずに一直線を維持したまま、パウチケース14の内部に配置され得るとの点である。この場合、
図12から
図13の実施形態に比べて電流経路がさらに短縮されるので抵抗がさらに減少する。
【0095】
その他、
図14の実施形態に係る説明は、
図12から
図13に関する説明から理解することができるので詳しい説明を略する。
図12及び
図13の実施形態との違いは、内側リード320a、320b、320cが重畳されずに一直線を維持したまま、パウチケース14の内部に配置され得るとの点である。この場合、
図12から
図13の実施形態に比べて電流経路がさらに短縮されるので抵抗がさらに減少する。
【0096】
図15aは、本発明のさらに他の実施形態に係る電極リード400とパウチケース14とが結合された状態の平面図であり、
図15bは、
図15aの実施形態を一方向に複数の電極リード400が形成されたバッテリーセル10に適用した図である。
【0097】
図15による実施形態は、以前の実施形態等と類似しており、以下で相違点を中心に説明する。
図15aに示す通り、本発明のさらに他の実施形態に係るバッテリーセル10は、内側リード420が左右方向に長く形成され得る。すなわち、外側リード410は前後方向に長く形成され、内側リード420は左右方向に形成される。内側リード420は、重畳されるか折り曲げられなくとも形成可能である。内側リード420の一端は外側リード410と連結され、内側リード420の他端は電極タブと連結される。
図15による実施形態は、平面形状は
図2及び
図6の実施形態と類似しており、断面形状及びパウチケース14との結合関係は、
図14の実施形態と類似している。
【0098】
さらに、
図15bに示す通り、ノッチが形成された内側リード420と、ノッチが形成されていない他の内側リード420との配置を適宜調節して同一の方向に複数個の電極リード400が配置されるようにバッテリーセル10を設計することもできる。
【0099】
図16aは、バッテリーセル10が正常な状態である時の
図15aのD-D断面図であり、
図16bは、バッテリーセル10が膨張して電極リード400が切断された状態である時の
図15aのD-D断面図であり、
図16cは、バッテリーセル10が膨張後収縮された状態である時の
図15aのD-D断面図である。
【0100】
図15で説明する内側リード420の破断は、
図14の実施形態の作動と類似する。すなわち、パウチケース14が膨張すれば、第1面14aと第2面14bが互いに遠ざかる。その後、第1面14aと接着された内側リード420と、第2面14bと接着された内側リード420とは引っ張られて、軟弱部430で破断が発生する。破断が発生すると、その後パウチケース14が収縮しても内側リード420は変形された形態をそのまま維持する。したがって、バッテリーセル10は再度電流が流れて過充電される現象は発生しない。
【0101】
以上では、本発明の好ましい実施形態に対して図示して説明したが、本発明は前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能なことはもちろんであり、このような変形実施等は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。