特許第6812329号(P6812329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6812329
(24)【登録日】2020年12月18日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】スパークプラグの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01T 13/08 20060101AFI20201228BHJP
   H01T 21/02 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   H01T13/08
   H01T21/02
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-226469(P2017-226469)
(22)【出願日】2017年11月27日
(65)【公開番号】特開2019-96536(P2019-96536A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2018年12月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】真木 駿介
【審査官】 北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−103276(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/084904(WO,A1)
【文献】 特開2001−118659(JP,A)
【文献】 特開2002−013734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 13/00−13/60
H01T 21/02−21/04
F02P 1/00− 3/12
F02P 7/00−17/12
F16B 23/00−43/02
B21K 1/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の外周面の一部に形成されたおねじと、前記おねじよりも径方向の外側に張り出し前記おねじよりも自身の後端側に設けられるテーパ部と、を備える筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端側の中心に絶縁保持される中心電極と、
前記主体金具に接続され前記中心電極との間に火花ギャップを形成する接地電極と、を備え、
前記テーパ部は、エンジンに形成されたプラグホールのねじ穴に前記おねじが締め付けられたときに、前記プラグホールの内面に接触する接触部を有するスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具を製造する金具製造工程において、
前記主体金具の前記接触部と前記おねじとの間の少なくとも一部を加工し、前記接触部と前記おねじとの間の少なくとも一部のビッカース硬度を前記接触部のビッカース硬度よりも低くすることで、前記接触部のビッカース硬度前記接触部と前記おねじとの間の少なくとも一部のビッカース硬度よりも高くする軟化工程を備え、
前記軟化工程は、前記接触部と前記おねじとの間の少なくとも一部を焼鈍する工程を含むスパークプラグの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスパークプラグの製造方法に関し、特にテーパ部によって気密を確保するスパークプラグの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自身の外周面におねじ及びテーパ部が形成された主体金具に接地電極が接続されたスパークプラグは、主体金具に絶縁保持された中心電極と接地電極との間に火花ギャップが形成される。この種のスパークプラグは、エンジンに形成されたプラグホールのねじ穴に主体金具のおねじが締め付けられたときに、テーパ部のうち接触部がプラグホールの内面に接触して、軸まわり及び軸方向における接地電極の位置が決まる。
【0003】
特許文献1には、冷間鍛造によって、主体金具のおねじからテーパ部に亘って加工されたスパークプラグが開示されている。特許文献1に開示される技術では、冷間鍛造により加工硬化した接触部は変形し難いので、適正な締め付けトルクによって、混合気の流れを阻害しない軸まわりの位置に接地電極を位置決めし易くできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−121240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の技術では、冷間鍛造によって主体金具のおねじからテーパ部に亘って加工硬化が生じるので、おねじの締め付けトルクによって、おねじと接触部との間の部分に亀裂が生じ破断に至る可能性がある。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、接触部の硬度は高くしつつ、おねじと接触部との間の部分に亀裂を生じ難くできるスパークプラグの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明のスパークプラグの製造方法は、自身の外周面の一部に形成されたおねじと、おねじよりも径方向の外側に張り出しおねじよりも自身の後端側に設けられるテーパ部と、を備える筒状の主体金具を製造する金具製造工程において、主体金具の接触部とおねじとの間の少なくとも一部のビッカース硬度を接触部のビッカース硬度よりも低くする軟化工程を備えている。テーパ部は、エンジンに形成されたプラグホールのねじ穴におねじが締め付けられたときに、プラグホールの内面に接触する接触部を有する。主体金具は、接触部のビッカース硬度が、接触部とおねじとの間の部分の少なくとも一部のビッカース硬度よりも高い。
【0008】
【0009】
【発明の効果】
【0010】
【0011】
請求項記載のスパークプラグの製造方法によれば、軟化工程により、主体金具の接触部とおねじとの間の少なくとも一部のビッカース硬度が接触部のビッカース硬度よりも低くされる。よって、接触部とおねじとの間の部分の少なくとも一部を変形し易くできる。その結果、接触部の硬度は高くしつつ、おねじと接触部との間の部分に亀裂を生じ難くできる。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。
図2】エンジンに取り付けられたスパークプラグの一部の片側断面図である。
図3】主体金具の片側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態におけるスパークプラグ10の片側断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という(図2及び図3においても同じ)。スパークプラグ10は、絶縁体11及び主体金具20を備えている。
【0015】
絶縁体11は、機械的特性や高温下の絶縁性に優れるアルミナ等により形成された部材であり、軸線Oに沿って貫通する軸孔12が形成されている。軸孔12の先端側に中心電極13が配置される。
【0016】
中心電極13は、軸線Oに沿って延びる棒状の部材であり、銅または銅を主成分とする芯材がニッケル又はニッケル基合金からなる母材で覆われている。中心電極13は絶縁体11に保持され、先端が軸孔12から露出する。
【0017】
端子金具14は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。端子金具14は、先端側が軸孔12に挿入された状態で、絶縁体11の後端に固定されている。端子金具14は、軸孔12の内部で、中心電極13と電気的に接続されている。
【0018】
絶縁体11の後端から軸線O方向に所定の距離だけ離れた絶縁体11の外周の先端側に、端子金具14と絶縁距離を確保して、主体金具20が固定されている。主体金具20は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。
【0019】
主体金具20は、軸線Oに沿って先端側から後端側へ順に、先端部21、円筒部23、テーパ部24、座部27が連接されている。先端部21の外周面におねじ22が形成されている。円筒部23の外径はおねじ22の谷の径よりも小さく、座部27の外径はおねじ22の外径よりも大きい。テーパ部24は、座部27と円筒部23とを連絡する円錐状の部分であり、後端側へ向かうにつれて外径が拡大する。
【0020】
本実施の形態では、テーパ部24は円筒部23に連接された第1部25と、第1部25の後端側に連接され座部27に隣接する第2部26と、を備えている。第1部25の外周面の軸線Oに対するテーパ角度は第2部26の外周面の軸線Oに対するテーパ角度よりも大きい。
【0021】
主体金具20は、座部27の後端側に、軸線Oに沿って先端側から順に、屈曲部28、工具係合部29、後端部30が連接されている。後端部30は、組み付け時に内側へ屈曲することにより、主体金具20に組み付けられた絶縁体11の後端側への移動を規制する部位である。工具係合部29は、エンジン40(後述する)のプラグホール41にスパークプラグ10を取り付けるときに、レンチ等の工具を係合させる部位である。屈曲部28は、主体金具20を絶縁体11に組み付けるときに、塑性変形(屈曲)させて加締め固定するための部位である。
【0022】
接地電極31は、主体金具20に接合される金属製(例えばニッケル基合金製)の部材である。本実施の形態では、接地電極31は棒状に形成されており、先端側が屈曲し中心電極13と対向する。接地電極31は、中心電極13との間に火花ギャップを形成する。
【0023】
スパークプラグ10は、例えば、以下のような方法によって製造される。まず、中心電極13を絶縁体11の軸孔12に挿入し、中心電極13の先端が軸孔12から外部に露出するように配置する。軸孔12に端子金具14を挿入しつつ、端子金具14と中心電極13とを電気的に接続した後、予め接地電極31が接合された主体金具20に絶縁体11を挿入する。主体金具20のテーパ部24を治具(図示せず)に押し付けながら屈曲部28及び後端部30を塑性変形して、主体金具20を絶縁体11の外周に組み付ける。次いで、中心電極13と対向するように接地電極31を屈曲して、スパークプラグ10を得る。
【0024】
図2はエンジン40に取り付けられたスパークプラグ10の一部(テーパ部24付近)の片側断面図である。図2に示すようにエンジン40には、燃焼室(図示せず)に連通するプラグホール41が形成されている。プラグホール41の内面42は、エンジン40の燃焼室へ向かって縮径する円錐面である。プラグホール41の内面42のうち内径が最も小さい部分に、めねじ44が形成されたねじ穴43が連接されている。
【0025】
本実施の形態では、スパークプラグ10の主体金具20に形成されたおねじ22がねじ穴43に締め付けられたときに、テーパ部24のうちの第2部26(接触部)がプラグホール41の内面42に接触し、内面42及びねじ穴43と第1部25との間には空間が形成される。プラグホール41の内面42に第2部26が接触することにより、軸線O方向および軸線O回りにおける接地電極31の位置が決まる。
【0026】
主体金具20は、第2部26のビッカース硬度が、第1部25及び円筒部23のビッカース硬度よりも高くなるように製造されている。これにより、第1部25及び円筒部23に比べて第2部26を変形し難くできるので、適正な締め付けトルクによって、プラグホール41の内面42に接触した第2部26の変形量をばらつき難くできる。よって、エンジン40内の混合気の流れを阻害しない軸線O回りの位置に、接地電極31を位置決めし易くできる。
【0027】
さらに、第2部26に比べて第1部25及び円筒部23を変形し易くできるので、おねじ22の締め付けトルクによって、第1部25及び円筒部23に亀裂を生じ難くすることができる。その結果、第1部25や円筒部23(特に肉厚が薄い円筒部23)が破断しないようにできる。なお、ビッカース硬度はJIS Z2244:2009に基づいて測定される値である。
【0028】
スパークプラグ10は、テーパ部24のうち第2部26がプラグホール41の内面42に接触する。その結果、テーパ部24の全体がプラグホール41の内面42に接触する場合に比べて、おねじ22に同じ軸力が作用する場合に、プラグホール41の内面42に第2部26が与える荷重を大きくできる。その結果、テーパ部24による気密性を向上できる。
【0029】
必ずしも、第2部26の全体がプラグホール41の内面42に接触する必要はなく、第2部26のうち座部27と第2部26との境界近傍や第1部25と第2部26との境界近傍(いずれも第2部26の一部)が、プラグホール41の内面42に接触するように第2部26の外形を設定することは当然可能である。プラグホール41の内面42に第2部26の一部(接触部)が接触する場合も、第2部26の全周が、プラグホール41の内面42に連続して接触すれば気密性を確保できる。さらに、第2部26とおねじ22との間に、第2部26よりもビッカース硬度の低い第1部25及び円筒部23が存在するので、おねじ22の締め付けトルクによって、第1部25及び円筒部23に亀裂を生じ難くすることができる。
【0030】
なお、スパークプラグ10の製造工程において、主体金具20を絶縁体11の外周に組み付けるときは、第2部26を治具(図示せず)に押し付けながら屈曲部28及び後端部30を塑性変形させ、加締め固定する。第2部26の硬度が高いので、主体金具20を絶縁体11の外周に組み付けるときの第2部26の陥没(変形)を防ぐことができる。
【0031】
次に図3を参照して主体金具20の製造方法について説明する。図3は、絶縁体11に組み付けられる前、且つ、接地電極31が接合される前の主体金具20の片側断面図である。図3ではおねじ22の山の図示が省略されている。
【0032】
図3に示すように主体金具20は、軸線Oに沿って先端側から後端側へ順に、第1穴32、第2穴33、第3穴34及び第4穴35が連接されている。第1穴32及び第2穴33は先端部21の内側に位置し、第2穴33の内径は、第1穴32の内径よりも小さい。第3穴34及び第4穴35は先端部21の後端側から後端部30までの内側に位置し、第4穴35の内径は、第3穴34の内径よりも大きい。
【0033】
主体金具20は中間加工品(図示せず)の加工により製造される。中間加工品は、低炭素鋼やステンレス鋼等の金属材料に冷間鍛造加工等を施すことによって形成される略円柱状の部材である。主体金具20を製造する金具製造工程では、まず、冷間鍛造加工により中間加工品(図示せず)の外周に工具係合部29を形成する。次いで、旋盤等による切削加工により、中間加工品(図示せず)の外周に先端部21、円筒部23、テーパ部24、座部27及び屈曲部28を形成する。次いで、直径の異なるドリル(図示せず)によって、第1穴32、第2穴33、第3穴34及び第4穴35を形成する。これらの部分が切削加工によって形成されるので、外形や穴の形状や寸法などの精度を高くできる。
【0034】
次に硬化工程において、軸線O回りに回転する中間加工品の第2部26に硬いローラ(図示せず)を押し当てるローラ・バニシング加工により、第2部26の表面層を塑性変形する。これにより、第2部26の表面粗さを小さくすると同時に第2部26の表面を加工硬化させ、第2部26のビッカース硬度を円筒部23及び第1部25のビッカース硬度よりも高くする。次いで、先端部21にねじを転造しておねじ22を加工硬化させる。
【0035】
この方法によれば、ローラ・バニシング加工により第2部26を硬化させるので、第2部26の表面粗さを小さくできると共に第2部26の寸法精度を高くできる。第2部26の表面粗さを小さくすることにより気密性を向上できる。また、ローラ・バニシング加工によれば第2部26だけを短時間で硬化させることができる。
【0036】
なお、硬化工程において第2部26を硬化させる手段は、ローラ・バニシング加工に限られない。第2部26を硬化させる他の手段としては、例えばレーザ焼入れ等の焼入れ、放電硬化、ショットピーニング等が挙げられる。
【0037】
上記実施の形態では、主体金具20の第2部26を円筒部23に比べて硬化させる場合について説明したが、これに限られるものではない。以下、図3を参照して、第2部26を円筒部23に比べて硬化させる(第2部26に比べて円筒部23を軟化させる)主体金具20の他の製造方法について説明する。
【0038】
主体金具20を製造する金具製造工程では、プレスによる押し出し加工、打ち抜き等の冷間鍛造により主体金具20の外形や穴を成形する。冷間鍛造加工により主体金具20の第2部26は加工硬化する。
【0039】
次に軟化工程において、切削により第1部25及び円筒部23の表面層を除去する。これにより、第2部26のビッカース硬度が、第1部25及び円筒部23のビッカース硬度よりも高くなるようにする。また、切削により第1部25と第2部26との境界が形成されるので、鍛造により第1部25及び第2部26の全体を成形する場合に比べて、第1部25と第2部26との境界の寸法精度を向上できる。
【0040】
第2部26のビッカース硬度を、第1部25及び円筒部23のビッカース硬度よりも高くすることにより、第1部25及び円筒部23に比べて第2部26を変形し難くできる。その結果、適正な締め付けトルクによって、プラグホール41の内面42に接触した第2部26の変形量をばらつき難くできる。さらに、第2部26に比べて第1部25及び円筒部23を変形し易くできるので、おねじ22の締め付けトルクによって、第1部25及び円筒部23に亀裂を生じ難くすることができる。
【0041】
なお、軟化工程において第1部25及び円筒部23を軟化させる手段は、切削加工に限られない。第1部25及び円筒部23を軟化させる他の手段としては、例えば焼鈍などが挙げられる。
【0042】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0043】
実施の形態では、第2部26のビッカース硬度が、円筒部23及び第1部25のビッカース硬度よりも高い場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円筒部23及び第1部25のいずれか一方のビッカース硬度よりも第2部26のビッカース硬度が高ければ、適正な締め付けトルクによって、プラグホール41の内面42に接触した第2部26の変形量をばらつき難くできる。さらに、第2部26に比べて第1部25及び円筒部23のいずれかを変形し易くできるので、おねじ22の締め付けトルクによって、おねじ22と第2部26(接触部)との間に亀裂を生じ難くできる。
【0044】
実施の形態では、主体金具20のテーパ部24が、テーパ角度の異なる第1部25及び第2部26を備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。テーパ角度の異なる第1部25及び第2部26を設けないで、テーパ部24として、円筒部23とから座部27までを円錐面で繋ぐことは当然可能である。この場合、テーパ部24のうちプラグホール41の内面42に接触する部分(テーパ部24の少なくとも一部)が接触部である。
【0045】
実施の形態では、外周面が円錐面のテーパ部24の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。外周面が球帯状のテーパ部24を設けることは当然可能である。この場合も、テーパ部24のうちプラグホール41の内面42に接触する部分(テーパ部24の少なくとも一部)が接触部である。
【0046】
実施の形態では、主体金具20の円筒部23の外径がおねじ22の谷の径よりも小さい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。主体金具20の円筒部23の外径とおねじ22の谷の径とを同一の寸法にすることは当然可能である。また、主体金具20の屈曲部28の外径が座部27の外径よりも小さい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。主体金具20の屈曲部28の外径と座部27の外径とを同一の寸法にすることは当然可能である。これらは、冷間鍛造加工によって主体金具20を成形する場合に有利である。
【0047】
実施の形態では説明を省略したが、主体金具20に亜鉛めっきやニッケルめっき等のめっき層を形成することは当然可能である。さらに、めっき層の表面にクロメート処理を施すことは当然可能である。
【0048】
実施の形態では、主体金具20に接合された接地電極31を屈曲させる場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではない。屈曲した接地電極31を用いる代わりに、直線状の接地電極を用いることは当然可能である。この場合には、主体金具20の先端側を軸線O方向に延ばし、直線状の接地電極を主体金具20に接合して、接地電極を中心電極13と対向させる。
【符号の説明】
【0049】
10 スパークプラグ
13 中心電極
20 主体金具
22 おねじ
24 テーパ部
26 第2部(接触部)
31 接地電極
40 エンジン
41 プラグホール
42 内面
43 ねじ穴
図1
図2
図3