特許第6812412号(P6812412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6812412
(24)【登録日】2020年12月18日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】壁システム
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/70 20060101AFI20201228BHJP
   E04B 1/61 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   E04B2/70
   E04B1/61 507Z
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-507483(P2018-507483)
(86)(22)【出願日】2016年4月21日
(65)【公表番号】特表2018-515704(P2018-515704A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】SE2016050349
(87)【国際公開番号】WO2016171611
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2019年2月21日
(31)【優先権主張番号】1500204-1
(32)【優先日】2015年4月24日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】517370696
【氏名又は名称】イソティムバー・ホールディング・エービー
【氏名又は名称原語表記】Isotimber Holding AB
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】エーストリング、ミカエル
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−144891(JP,A)
【文献】 実開平06−047468(JP,U)
【文献】 特表2007−522417(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/090418(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/078205(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/70
E04B 1/10
E04B 1/61
E04F 13/08
E04C 2/30 − 2/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの連結装置(3)、そして好ましくは幾つかの連結装置(3)、により互いに連結される複数の構造要素(2)を備える建物構造のための壁システム(1)であって、
前記構造要素(2)が重複される様式で互いに連結されるとともに、前記連結装置が少なくとも1つの第1のタイプである第1の連結要素(4)及び少なくとも1つの第2のタイプである第2の連結要素(5)を備えており、ここにおいて、第1及び第2の連結要素の形状が、それらが互いに連結することができ、そしてそれらが互いから連結解除することができるよう整合されている、ことを特徴とする壁システム(1)。
【請求項2】
前記構造要素(2)が少なくとも1つの第1側面(6),少なくとも1つの第2側面(7),そして少なくとも1つの第1縁部(8),少なくとも1つの第1反対縁部(9),そして少なくとも1つの第2縁部(10)及び少なくとも1つの第2反対縁部(11)を有している、請求項1に記載の壁システム(1)。
【請求項3】
前記連結要素(4,5)の少なくとも1つが凹所において壁要素(2)に連結されている、請求項1乃至2の何れか1項に記載の壁システム(1)。
【請求項4】
前記壁システムが、構造要素の少なくとも1つの第1層及び構造要素の少なくとも1つの第2層を備え、一つの層の構造要素は他の層の構造要素の間の接合を覆うことを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の壁システム(1)。
【請求項5】
前記複数の構造要素が、2つ又はそれ以上の異なった寸法及び/又は形状の構造要素を備えている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の壁システム(1)。
【請求項6】
前記複数の連結要素が、前記構造要素の重複した設置を許容するよう構造要素の夫々の側面の上に分配されている、請求項1乃至5の何れか1項に記載の壁システム(1)。
【請求項7】
前記第1の連結要素(4)が雌構成要素を備えているともに前記第2の連結要素(5)が雄構成要素を備えているか、その逆である、請求項1乃至6の何れか1項に記載の壁システム(1)。
【請求項8】
前記第1の連結要素(4)が少なくとも1つの第1V字形状要素を備え、そして前記第2の連結要素(5)が少なくとも1つの第2V字形状要素を備えている、請求項1乃至7の何れか1項に記載の壁システム(1)。
【請求項9】
前記構造要素が壁要素である、請求項1乃至8の何れか1項に記載の壁システム(1)。
【請求項10】
個々の構造要素が複数の核要素を備えていて、ここにおいて、側面の少なくとも1つは、介在している第1の複数のフランジを伴った複数の第1溝が設けられている、請求項1乃至9の何れか1項に記載の壁システム(1)。
【請求項11】
前記構造要素が、少なくとも第2の複数の溝及び少なくとも第2の複数のフランジを備えている、請求項10に記載の壁システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特許請求の範囲に従った壁システムの変形に関する。
【背景技術】
【0002】
長年にわたり、建物構造は多数の異なった変形及び実施形態が開発されてきた。建物の構造に関係した1つの問題は、これらの構造を建て、そして完成するのに時間を要することである。建築作業に費やす時間を減少させるために、異なったタイプの予め組み立てられている壁及び他の構造部位のような予め組み立てられている構成要素からなる建物が開発されてきている。予め組み立てられている構造は、建築現場において使用される時間を減少させる標準化されている構成要素から成る。しかしながら、これらの構造は主に全体の壁区域に関係しているが部分的な区域には関係していない。
【0003】
より小さな建物においてより速やかに壁を建てるための変形は、例えば、建物の建築の間に壁を形成するために互いに寄せられる複数の壁ブロックから成るような壁である。互いに連結される多数の壁ブロックを備えている複数の壁を建てるのに伴う問題は、垂直及び水平方向の両方において複数の壁を真っ直ぐにするという問題である。現在では、これを効率的なやり方で達成することが困難である。
【0004】
迅速にそして信頼性のあるやり方で複数の壁を建てると同時に前述した問題を減少又は解消する改良されたシステムの必要性がある。
[従来技術]
壁構造の変形は、特許明細書WO 2011090418号に記載されている。この構造は、少なくとも複数の中間フランジを伴っている溝の第1セットから成る部位を備える。
【0005】
この構造は、それが対応している連結要素を含まないことがこの特許出願中におけるのと同じである審査された構造からは異なっている。例えば、この特許明細書に従っている構造は、この特許出願に従っている連結構造により互いに連結されている壁ブロックのシステムではない。
【0006】
モジュールによる壁構造のための連結要素の変形は、特許明細書NO 323784号に記載されている。この壁構造は、この特許出願に従っている構造から大きく異なっている。例えば、この特許明細書に従っている構造は、この特許出願に対応している方法における連結要素により互いに連結されている壁ブロックのシステムを備えていない。
【発明の概要】
【0007】
この特許出願の目的は、上記で明らかにされた又は以下の記載中で明らかになるモジュール化されている壁構造の現在のタイプの問題の1つを無くす、又は実質的に減少させることである。公知の構造に関して、この発明は、壁を真っ直ぐにするのと同時に壁の部位を迅速に寄せ集めることを可能にするための解法を提供することを意図している。この目的は、特許請求の範囲に従ったシステムによって達成される。
【0008】
この発明の1つの概念に従えば、少なくとも1つの連結装置、そして好ましくは幾つかの連結装置、により互いに連結される複数の構造要素を備えていて、可能な限りより早くそしてより真っ直ぐな壁構造を作成するために、複数の構造要素が重複される様式で互いに連結されていることを特徴としている、建物構造のための壁システムが提供される。連結装置が少なくとも1つの第1のタイプの連結要素及び少なくとも1つの第2のタイプの連結要素を備えており、ここにおいて、第1及び第2の連結要素の形状が、それらが互いに連結することができ、そしてそれらが互いから連結解除することができる結果となるよう整合されている。一実施形態に従えば、第1の連結要素が雌構成要素を備えているともに第2の連結要素が雄構成要素を備えているか、その逆である。一実施形態に従えば、第1の連結要素が少なくとも1つの第1V字形状要素を備え、そして第2の連結要素が少なくとも1つの第2V字形状要素を備えている。
【0009】
壁システムの一実施形態に従えば、システムが、複数の構造要素の少なくとも1つの第1層及び複数の構造要素の少なくとも1つの第2層を備えていることを特徴としている。
【0010】
壁システムの一実施形態に従えば、システムが、2つ又はそれ以上の異なった寸法及び/又は形状の複数の構造要素を備えていることを特徴としている。
【0011】
壁システムの一実施形態に従えば、複数の連結要素が、複数の構造要素の重複している設置を許容するよう構造要素の複数の側面の夫々の上に分配されていることを特徴としている。
【0012】
壁システムの一実施形態に従えば、構造要素が少なくとも1つの第1側面,少なくとも1つの第2側面,そして少なくとも1つの第1縁部,少なくとも1つの第1反対縁部,そして少なくとも1つの第2縁部及び少なくとも1つの第2反対縁部を有している。
【0013】
壁システムの一実施形態に従えば、連結要素の少なくとも1つが凹所において壁要素に連結されている。
【0014】
壁システムの一実施形態に従えば、構造要素が、少なくとも第2の複数の溝及び少なくとも第2の複数のフランジを備えている。
【0015】
壁システムの一実施形態に従えば、それは壁ブロックの少なくとも1つの第1層及び壁ブロックの少なくとも1つの第2層を備えている。
【0016】
建物構造のための壁システムの一実施形態に従えば、それは、少なくとも1つの連結装置、そして好ましくは幾つかの連結装置、により互いに連結されることが意図されている、壁要素のような複数の構造要素を備えており、ここにおいて、個々の壁要素が複数の核要素を備えていて、ここにおいて、側面の少なくとも1つに、介在する第1の複数のフランジを伴っている複数の第1溝が設けられている。構造要素は、より早くそしてより真っ直ぐな壁構造を許容するよう重複した様式で互いに連結されている。連結装置が少なくとも1つの第1のタイプの連結要素及び少なくとも1つの第2のタイプの連結要素を備えており、第1の連結要素が第1V字形状要素を備えており、そして第2の連結要素が第2V字形状要素を備えており、それらの形状が、それらが互いに連結することができ、そしてそれらが互いから連結解除することができるよう整合されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
この発明は、この発明の現在の好ましい実施形態を一例として示している添付の概略図を参照して以下により詳細に記載される。
図1図1は、この発明に従った、連結されている複数の構成要素を伴った壁システムの一実施形態の一例を示している。
図2A図2Aは、この発明の一実施形態に従った、本質的に長方形状の壁要素、構造要素の一例の側面図を示している。
図2B図2Bは、この発明の一実施形態に従った、本質的に長方形状の壁要素、構造要素の一例の前からの図を示している。
図2C図2Cは、この発明の一実施形態に従った、本質的に長方形状の壁要素、構造要素の一例の側面図を示している。
図3図3は、この発明の一実施形態に従った、壁要素の断面の複数の部位を示している。
図4図4は、共に接合されている複数の連結要素を伴った連結装置の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図を参照して、この特許出願に従った壁システム1がより詳細に記載される。この特許出願においては、壁システムを使用する方法もまた記載される。
【0019】
この発明の一実施形態に従った壁システム1の上からの断面図を示している図1を参照すると、壁システム1は、壁ブロック又は同等のもののような複数の構造要素2を備えている。構造要素2は、図1中には示されていないが図2及び図4を参照して、以下により詳細に記載されている少なくとも1つの連結装置3、そして好ましくは幾つかの連結装置3、により互いに接合されている。壁システムの一実施形態に従えば、共に連結された時に複数の構造要素2は、構造要素の第1層22及び構造要素の第2層23を形成する。個々の層22,23は、図2Bを参照して、隣接した構造要素の横縁部10,11,8,9、の間の継ぎ目30において共に接合されている複数の隣接している構造要素を備えている。個々の層22及び23中の構造要素2は、図2A−2Cに示される、互いに対面し、そして好ましくは互いに隣接している異なった層の部位を形成している異なる層22,23の部分を形成する構造要素の側面6,7が、個々の層22及び23の構造要素が好ましくは重複した様式、すなわち互いに重なった接合、で配置されることを達成するように、垂直及び/又は水平方向への互いの位置ずれを伴い連結されているよう、順番に共に連結されている。連結装置3は、少なくとも1つの第1の連結要素4及び少なくとも1つの第2の連結要素5を備えている。例示的な実施形態においては、第1の連結要素4が雌構成要素を備えているとともに第2の連結要素5が雄構成要素を備えており、又はこの逆である。
【0020】
壁要素のような、構造要素2の寸法及び形状は、この発明の概念の枠組み内で変更することができる。壁システム1は使用において、1つの寸法の構造要素2を備えることができる。壁システムの別の実施形態においては、それは2つ又はそれ以上の異なった寸法の構造要素2を備え、これらは最も普通の実施形態である。
【0021】
構造要素2の例示的な実施形態は、前からの図である図2B及び側面からの図である2A及び2Cにおいて、より詳細に示されている。この例示的な実施形態においては、構造要素2は、互いに連結されて壁を形成している壁要素を形成している。他の実施形態においては、それはしかしながら、壁以外の建物の部位において使用される構造要素として想定できる。
【0022】
壁要素に基づく建物要素2の例示的な実施形態においては、それは第1側面6及び第2側面7を備えている本質的に矩形状又は正四角形状を有する。この構造要素は横縁部、すなわち少なくとも第1縁部8と第1反対縁部9及び第3縁部10と反対縁部11、を有する。図2中の構造要素2は、隣接した構造要素への連結のための横縁部10、11上及び第1側面7上に配置されている複数の連結要素3を有する。構造要素3は、建設工事のモジュール化された方法を支援するために構造要素の側面及び横縁部上に分配されていて、ここにおいて、それ自身の側面及び横縁部上の対応している位置に配置されている補完的な連結要素を伴っている第2の構造要素が、構造要素2に対し有利にそして簡単に連結することができる。
【0023】
水平及び垂直方向において位置ずれしているもう1つの構造要素のための連結地点を提供するよう連結要素3が、側面7上に分配されており、そこには、個々の連結要素3が、側面7の個々の仮想四半分K1〜K4(図2B中の破線)の隅点に置かれている。連結要素3のこの配置は、四半分K1,K2,K3又はK4を重複させている、K1+K2,K1+K3,K3+K4又はK2+K4を重複させている、補完的な連結要素3を伴っているもう1つの構造要素の側面6の重複した搭載を許容する。例示的な実施形態において、連結要素は、上に記載されたような重複様式で、側面対側面(2つの構造要素の対応する側面6及び7)、層を構成するための縁部対縁部(2つの構造要素の対応している縁部10及び11)、そして、表面に対し直角に壁システム/層を組み立てるための縁部対側面(例えば2つの構造要素の側面7に直角に搭載される縁部10)、で構造要素2へ他の構造要素の取り付けを支持するよう分散されている。
【0024】
壁システムの1つの実施形態に従えば、図3に示されているように、構造要素2は1つ又はそれ以上の核要素12を備えている。図に示されている実施形態においては、この構造は複数の核要素12を備えている。
【0025】
例示的な実施形態においては、核要素は本質的に四辺形の形状を有しているが、代わりの実施形態において、それは適用のために適している異なった形状とすることができる。核要素は、特許明細書 WO 2011090418号(「核要素」第3〜8頁,図1〜6)に記載されている変形として形作ることができる。
【0026】
例示的な実施形態に従っている核要素12は、したがって、介在している第1の複数のフランジ14を伴う第1の複数の溝12である少なくとも1つの側面を備えており、そして好適な実施形態においては、また中間の第2の複数のフランジ16を伴う溝15のもう1セットである少なくとも1つの他の側面を備えている。他の複数の実施形態においては、核要素12の更なる側面が少なくとも1つの溝を備えることができ、そして更に他の実施形態においては、第4番目の側面は、また少なくとも1つの溝(この溝は図に示されていない)を備える。例示的な実施形態においては、この構造は、個々の縁部に少なくとも1つの縁部区域24を、そして個々の側面6及び7上に少なくとも1つの材料層25を、備えている。
【0027】
図において、構造要素2は、個々がそれ自身の側面区域18を伴った少なくとも1つの中間区域17をその横断方向において有している。中間区域は、少なくとも1つの核要素12を備えている。例示的な実施形態においては、個々の側面区域18は11の核要素(図において11の核要素が一方向に示されているが、他の方向にはより少ない数である)を有する。中間区域17の核要素12の数及び側面区域18の個々の核要素は、この発明の概念の範囲内で変更できる。中間区域の核要素の数は、したがって、1つ以上であることができ、そして、側面区域における核要素の数は11以上又は11よりも少なくできる。
【0028】
使用される時に核要素が垂直に、すなわち本質的に垂直に、位置されるように、壁要素は好ましくは使用される。
【0029】
壁システムの1つの実施形態に従えば、連結要素4及び5の少なくとも1つが、凹所(示されていない),空洞,又は同様なもので壁要素2(構造要素)に対し連結される。この構造は、壁要素の縁部又は壁要素の層が互いに対し位置することができることを意味している。この壁要素は、壁要素の縁部及び側面に凹所を有することができる。
【0030】
図4を参照すると、第1の連結要素4の実施形態がより詳細に示されている。第1の連結要素4はV字形状要素20又は同様なもの又は本質的なV字形状要素,部位又は同等物を備えている。図4において、第2の連結要素5がV字形状要素21,部位又は同様な物又は本質的なV字形状部位又は要素を備えていることが、また示されている。例示的な実施形態においては、V字形状要素20は雌構成要素を備え、そしてV字形状要素21は雄構成要素を備えている。
【0031】
第1V字形状要素20及び第1連結要素4そして第2V字形状要素21及び第2連結要素5は整合された形状を有しており、これらは互いに連結することができると共に互いから連結解除することができるものである。V字形状要素20及び21の形状は、これらが共に連結された時に互いに規制されることを意図している。これは、それに対し連結されている壁要素が自動的に互いに調節されることを意図している。この構造はまた、組立を迅速に行うことができるという利点を有する。
【0032】
図1を参照すると、それは、壁ブロックのような第1の構造要素2及び第2の壁ブロックのような第2の構造要素が連結要素(図1には示されていない)の補助によりどのようにして共に接合されるかを示している。このシステムの使用を通して、第1層22及び少なくとも1つの第2層23が例えば形成される。他の実施形態においては、壁ブロックのような構造要素2の少なくとも1つの第3層が使用されることができる。図には、壁ブロックの第1層22及び壁ブロックの第2層23が少なくとも1つの方向においてどのように互いに位置ずれされているかが示されている。好適には、(これらが壁を形成するために組み立てられる時に)壁ブロックのような構造要素2の第1層22及び第2層23は、壁ブロックのような構造要素2の水平方向に位置ずれされている。他の実施形態においては、壁ブロックのような構造要素2は、また、垂直、すなわち本質的に垂直な方向にも位置ずれしている。さらなる他の実施形態においては、壁ブロックのような構造要素2は、垂直、すなわち本質的に垂直な方向にのみ位置ずれしている。
【0033】
この発明の詳細な記載において、当該技術分野において当業者に対し明らかである構造の詳細は省略される。このような明らかな構造の詳細は、達成されるべきこの発明の満足のいく機能のために要求されている程度まで含まれている。例えば、構成要素は、達成されるべきこの発明の出願に従っている構造の満足のいく機能のために要求されている程度まで含まれる。
【0034】
ある好適な複数の実施形態が詳細に記載されているが、この発明の枠組内の変形及び変更は、この発明が関係している分野において当業者に対し明らかになり、そして全てのこれらは続く特許請求の範囲の枠組内になると考えられる。したがって、この出願内に明らかにされているもの以外の目的及び適用のために、この発明が使用されるようになることが想定できる。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 少なくとも1つの連結装置(3)、そして好ましくは幾つかの連結装置(3)、により互いに連結される複数の構造要素(2)を備える建物構造のための壁システム(1)であって、
前記構造要素(2)が重複される様式で互いに連結されるとともに、前記連結装置が少なくとも1つの第1のタイプの連結要素(4)及び少なくとも1つの第2のタイプの連結要素(5)を備えており、ここにおいて、第1及び第2の連結要素の形状が、それらが互いに連結することができ、そしてそれらが互いから連結解除することができるよう整合されている、ことを特徴とする壁システム(1)。
[2] 前記構造要素(2)が少なくとも1つの第1側面(6),少なくとも1つの第2側面(7),そして少なくとも1つの第1縁部(8),少なくとも1つの第1反対縁部(9),そして少なくとも1つの第2縁部(10)及び少なくとも1つの第2反対縁部(11)を有している、[1]に記載の壁システム(1)。
[3] 前記連結要素(4,5)の少なくとも1つが凹所において壁要素(2)に連結されている、[1]乃至[2]の何れか1項に記載の壁システム(1)。
[4] 前記壁システムが、構造要素の少なくとも1つの第1層及び構造要素の少なくとも1つの第2層を備えていることを特徴とする、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の壁システム(1)。
[5] 前記複数の構造要素が、2つ又はそれ以上の異なった寸法及び/又は形状の構造要素を備えている、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の壁システム(1)。
[6] 前記複数の連結要素が、前記構造要素の重複した設置を許容するよう構造要素の夫々の側面の上に分配されている、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の壁システム(1)。
[7] 前記第1の連結要素(4)が雌構成要素を備えているともに前記第2の連結要素(5)が雄構成要素を備えているか、その逆である、[1]乃至[6]の何れか1項に記載の壁システム(1)。
[8] 前記第1の連結要素(4)が少なくとも1つの第1V字形状要素を備え、そして前記第2の連結要素(5)が少なくとも1つの第2V字形状要素を備えている、[1]乃至[7]の何れか1項に記載の壁システム(1)。
[9] 前記構造要素が壁要素である、[1]乃至[8]の何れか1項に記載の壁システム(1)。
[10] 個々の壁要素が複数の核要素を備えていて、ここにおいて、側面の少なくとも1つは、介在している第1の複数のフランジを伴った複数の第1溝が設けられている、[1]乃至[9]の何れか1項に記載の壁システム(1)。
[11] 前記構造要素が、少なくとも第2の複数の溝及び少なくとも第2の複数のフランジを備えている、[10]に記載の壁システム(1)。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4