特許第6812422号(P6812422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6812422
(24)【登録日】2020年12月18日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】カテーテルの回路
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/005 20060101AFI20201228BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   A61B1/005 511
   A61B1/00 715
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-514943(P2018-514943)
(86)(22)【出願日】2016年5月31日
(65)【公表番号】特表2018-524130(P2018-524130A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】US2016035106
(87)【国際公開番号】WO2016196519
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2019年5月30日
(31)【優先権主張番号】62/168,525
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517416374
【氏名又は名称】マイクロベンション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROVENTION, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】ボウマン,ヒース
【審査官】 福田 千尋
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−533530(JP,A)
【文献】 特表2002−537885(JP,A)
【文献】 米国特許第5591142(US,A)
【文献】 特表2011−509119(JP,A)
【文献】 特開平9−140802(JP,A)
【文献】 特表2008−526360(JP,A)
【文献】 特表2011−507636(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0163780(US,A1)
【文献】 米国特許第6210339(US,B1)
【文献】 特開2000−116786(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/074032(WO,A1)
【文献】 特表2007−516746(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/050385(WO,A2)
【文献】 特表2008−514308(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0074318(US,A1)
【文献】 特表2002−503509(JP,A)
【文献】 特表2010−527702(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0039513(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0022950(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
A61M 25/00−25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間にまたがる内腔を有する細長い管状部分と、
前記近位端と前記遠位端との間で延伸する複数のワイヤと、
前記細長い管状部分の前記遠位端に配置されたハイポチューブであって、前記複数のワイヤと該ハイポチューブとの間でぴったりフィットする接続を作成するために、前記複数のワイヤの1つ以上の遠位端に接合された複数の切り欠きエリアであって前記ハイポチューブの近位端を貫通する切り抜き部分によって形成された該切り欠きエリアを含む近位端を有するハイポチューブと、
前記ハイポチューブに接続され、複数の電気経路の1つ以上と電気通信している1つ以上の電動コンポーネントと、
前記複数のワイヤの少なくとも2つを介して前記ハイポチューブに電力を供給するように前記細長い管状部分の前記近位端に接続可能なインターフェースと
を具備するカテーテル。
【請求項2】
前記ハイポチューブは、金めっきポリイミドで構成される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記ハイポチューブ上の前記電気経路は、前記ハイポチューブをレーザーカットすることによって形づくられる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記ハイポチューブはさらに、プラス端子バンク領域およびマイナス端子バンク領域を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記1つ以上の電動コンポーネントは、各々が前記プラス端子バンク領域および前記マイナス端子バンク領域に接続された複数の電動コンポーネントである、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記1つ以上の電動コンポーネントは、撮像センサ、圧力センサ、温度センサ、および酸素センサから選択される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記1つ以上の電動コンポーネントは、ヒーターまたは機械ラッチシステムから選択される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記ハイポチューブはさらに、回路を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記回路は、ホイートストンブリッジである、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記回路は増幅器である、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記ハイポチューブは、前記ハイポチューブの内部に沿って配置された複数の電気接点を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間にまたがる内腔を有する細長い管状部分であって、前記近位端と前記遠位端との間で延伸する複数の編組ワイヤを含む細長い管状部分と、
前記細長い管状部分の前記遠位端に配置され、1つ以上の電気経路を形成するハイポチューブであって、該ハイポチューブの近位端を貫通する切り抜き部分によって形成された複数の切り欠きエリアを有するハイポチューブと、
前記ハイポチューブに接続され、前記電気経路の1つ以上と電気通信している1つ以上の電動コンポーネントと、
前記複数の編組ワイヤの少なくとも2つを介して前記ハイポチューブに電力を供給するように前記細長い管状部分の前記近位端に接続可能なインターフェースであって、前記細長い管状部分にまたがる前記複数の編組ワイヤの少なくとも2つの遠位端は、前記ハイポチューブの近位端で前記切り欠きエリアのうちの1つにそれぞれ接続されるインターフェースと
を具備するカテーテル。
【請求項13】
前記1つ以上の電動コンポーネントは、撮像センサ、圧力センサ、温度センサ、および酸素センサから選択される、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記1つ以上の電動コンポーネントは、ヒーターまたは機械ラッチシステムから選択される、請求項12に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2015年5月29日に出願された、「カテーテルのためのハイポチューブ回路」と題する、米国仮出願番号第62/168,525号の優先権を主張し、それは、これによりその全内容が引用によってここに組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明の一態様は、編組のような構造補強材を備え、カテーテルにおいて電流および/または信号を伝達するために構造補強エレメントを利用するカテーテルに関する。
本発明の別の態様は、カテーテルのような介入デバイスにおいて使用され得る回路システムに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的な回路は、陽極および陰極を利用し、かくして、典型的には電流のための供給路および帰還路のための2セットのワイヤを必要とする。カテーテルによって使用される回路システムもまたそのような配列を利用するか、または接地として患者自身を利用する。典型的な配列は、カテーテルの遠位端の近位から走るワイヤのセットを利用する。
【0004】
ここで開示される実施形態は、電力供給および帰還バンク(すなわち、プラスおよびマイナス)を提供する接続の第1のセットとセンサの近傍に配置された電力供給および帰還バンクを利用するセンサとで構成された回路を説明する。回路システムは、ハイポチューブを利用することができ、カテーテルを含む多数のデバイスにおいて使用されることができる。ハイポチューブ自体が、回路化されることができ、1つ以上のセンサを含むことができる。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態において、回路システムは、端子バンクと、端子バンクを利用する1つ以上のセンサとを利用する。
【0006】
別の実施形態において、回路システムは、電圧源、端子バンク、および端子バンクに接続する1つ以上のセンサを利用する。
【0007】
別の実施形態において、回路システムは、ハイポチューブを利用し、ここで、ハイポチューブは、端子バンクおよび1つ以上のセンサを含む。
【0008】
別の実施形態において、編組カテーテルは、回路において電流を伝達するために、編組を備えるワイヤのいくつかを利用する。
【0009】
別の実施形態において、編組カテーテルは、回路において信号を伝達するために、編組を備えるワイヤのいくつかを利用する。
【0010】
別の実施形態において、編組カテーテルは、端子バンクに電流を伝達するために、編組を備える構成ワイヤのいくつかを利用する。
【0011】
別の実施形態において、編組カテーテルは、端子バンクに電流を伝達するために、編組を備える構成ワイヤのいつかを利用し、ここで、1つ以上のセンサが端子バンクに接続される。
【0012】
別の実施形態において、編組カテーテルは、複数のワイヤを備え、ここで、編組を備える構成ワイヤのいくつかは、端子バンクに連結するために使用される。
【0013】
別の実施形態において、編組カテーテルは、複数のワイヤを備え、ここで、ワイヤのいくつかは、回路のための供給路および帰還路として使用され、ワイヤのいくつかは、信号を伝達する。
【0014】
別の実施形態において、編組カテーテルは、複数のワイヤを備え、ここで、ワイヤのいくつかは、回路のための供給路および帰還路として使用され、ワイヤのいくつかは、1つ以上のセンサとユーザインターフェースとの間で信号を伝達する。
【0015】
別の実施形態において、編組カテーテルは、ハイポチューブを備える。
【0016】
別の実施形態において、編組カテーテルは、ハイポチューブを備え、ここで、ハイポチューブは、端子バンクを含む。
【0017】
別の実施形態において、編組カテーテルは、ハイポチューブを備え、ここで、ハイポチューブは、端子バンクおよび1つ以上のセンサを含む。
【0018】
別の実施形態において、電力供給型カテーテルは、ハイポチューブを含む。
【0019】
別の実施形態において、回路は、ハイポチューブを含み、ここで、ハイポチューブは、端子バンクおよび1つ以上のセンサを含む。
【0020】
別の実施形態において、電力供給型カテーテルは、ハイポチューブを含み、ここで、ハイポチューブは、端子バンクおよび1つ以上のセンサを含む。
【0021】
別の実施形態において、電力供給型カテーテルは、可変コイル離脱システムを含む。
【0022】
別の実施形態において、電力供給型カテーテルは、カテーテル遠位先端離脱システムを含む。
【0023】
別の実施形態において、電力供給型カテーテルは、操縦可能なガイドワイヤシステムを含む。
【0024】
発明の実施形態が実現可能なこれらのおよび他の態様、特徴、および利点が、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態の以下の説明から明らかにされ、解明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係るカテーテルおよびカテーテルインターフェースを示す図である。
図2】本発明に係る、カテーテルの遠位端の間で電気信号を送達するように構成された複数の編組構造ワイヤを有するカテーテルの細長い管の破断図である。
図3A】本発明に係る電気信号を送達する構造ワイヤの例示的な横断面を示す図である。
図3B】本発明に係る電気信号を送達する構造ワイヤの例示的な横断面を示す図である。
図4】カテーテルの遠位端に配置されたいくつかのセンサに電力供給するインターフェースの平面図である。
図5】2つの電力ワイヤのみを介していくつかのセンサに電力供給し、複数のデータワイヤを介してデータ信号を送信するインターフェースを示す図である。
図6】複数のセンサ、接続点、および回路の経路を有するハイポチューブの例を示す図である。
図7】カテーテルの通路内に配置されたプッシャーまたはインプラントの部分に接触するように配列された複数の電気接点を有するハイポチューブの代替の実施形態を示す図である。
図8】カテーテルの通路内に配置されたプッシャーまたはインプラントの部分に接触するように配列された複数の電気接点を有するハイポチューブの代替の実施形態を示す図である。
図9A】電力を供給する複数の構造ワイヤに接続され、インプラントの部分に接触するように構成された電気接点を有するハイポチューブを有するカテーテルを示す図である。
図9B】電力を供給する複数の構造ワイヤに接続され、インプラントの部分に接触するように構成された電気接点を有するハイポチューブを有するカテーテルを示す図である。
図10】離脱場所を有する塞栓コイルを示す図である。
図11】離脱場所を有する塞栓コイルを示す図である。
図12】カテーテルの遠位部分の選択的な離脱を可能にするように電力を供給する複数の構造ワイヤに接続されたハイポチューブを有するカテーテルを示す図である。
図13】カテーテルの遠位部分の選択的な離脱を可能にするように電力を供給する複数の構造ワイヤに接続されたハイポチューブを有するカテーテルを示す図である。
図14】複数のヒーターコイルを有するハイポチューブを示す図である。
図15】複数のヒーターコイルを有するハイポチューブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の特定の実施形態が、添付図面を参照してここで説明される。しかしながら本発明は、多くの異なる形態で具現化されることができ、ここで述べられる実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本開示が徹底的および完全であるように、かつ当業者に発明の範囲を十分に伝えるように、提供される。添付図面に示される実施形態の詳細な説明において使用される専門用語は、発明の限定を意図するものではない。図面において、同様の番号は同様のエレメントを指す。
【0027】
コンポーネントについてのさまざまな異なる実施形態および/または変形例がここで説明される、ということが理解されるべきである。これらの実施形態およびコンポーネントの各々は、互いとともに使用されることができ、および/または互いに入れ替えられることができる、ということが本願の意図である。したがって、特定の実施形態は、ここで説明される別の実施形態の特徴を特定しないかもしれない一方で、そのような組み合わせが意図され、本発明に含まれる。
【0028】
図1は、カテーテル10の細長い管状部分11を構成する構造ワイヤによって電力およびデータを送達するカテーテル10(またはあるいはマイクロカテーテル)を示す。カテーテル10は、ケーブル15を介してカテーテルにおよびカテーテルから電力および/またはデータを提供するインターフェース16に接続される。構造ワイヤが電力/データのために使用されることを可能にすることにより、カテーテルのサイズまたは直径が最小化されることができる。加えて、複数の電動コンポーネント(たとえば、センサ)およびさらには回路が、カテーテル10における遠位端11A(または他の場所)において使用されることができる。
【0029】
本発明の実施形態のいくつかが、電力供給し、センサのような電気コンポーネントからデータを得るという観点で説明され得る一方で、さまざまな異なる電力供給型エレメントが可能であることが理解され得るべきである。たとえば、ヒーターコイル、機械ラッチ、および同様の電力供給型インプラント離脱メカニズムが、本発明にしたがって電力供給され得る。他の例において、他の電力供給型エレメントは、撮像システム、圧力センシング、温度センシング、および酸素センシングを含み得る。
【0030】
図2は、遠位に配置されたレセプタクル12によって終結し、同レセプタクル12に接続する、カテーテル10の細長い管状部分11の一部である複数の編組構造ワイヤ18を示す。これらのワイヤ18は、細長い管状部分11に構造的支持を提供し、また、カテーテル10の近位端に電気電力および/またはデータを送達するために使用され得る。図1の編組は、管状の形状に編み組まれた8つのワイヤ(18A〜18F)で構成される。編組ワイヤ18は、1)細長い管状部分11の管の外表面上、2)管状部分11の2つ以上の層の間に「サンドイッチ状にはさまれる」(すなわち、管の内部または外部に露出されない)、3)管状部分11の内部通路に露出されるように、管状部分11の内表面に沿って配置される、といった具合に、細長い管状部分11の一部としていくつかの異なる位置に配置され得る。
【0031】
図3Aに示す一実施形態において、編組構造ワイヤ18は、構造的にカテーテルに適した金属材料25(たとえば、ニチノールまたはステンレス鋼)であり得、高伝導層23(たとえば、金)によってコーティングされ、続いて、電気的絶縁体21(たとえば、ポリアミド)でコーティングされる。
【0032】
図3Bに示す別の実施形態において、管状編組を備える編組構造ワイヤ18は、電流/信号を効率的に伝達するために完全な伝導材料23(たとえば、金)で作られ、電流/信号が伝達されている間にそれの放電を防止する電気的絶縁コーティング23をさらに含む。ワイヤ18が図3Aおよび図3Bにおいて丸いまたは円形の横断面を有するものとして描かれている一方で、相対的に平らな、楕円の、長方形の、および正方形の、といった他の形状もまた可能である。
【0033】
図4は、4つの電気コンポーネント(26A〜26D)および複数の構造ワイヤ18を有する例示的な回路システムの抽象的な模式図を示す。各々の電気コンポーネント26A〜26Dは、インターフェース16における電力源のプラスおよびマイナス端子に接続された2つのワイヤに接続され、インターフェース16は、それによって電気コンポーネントに電力を供給する。この点において、図2に示す8つのワイヤの例は、電気コンポーネントのすべてに電力供給し、インターフェース16にデータを通信し返すために使用され得る。同様に、各々の電気コンポーネントは回路を完成させるために2つのワイヤ18を必要とするであろうから、10個のワイヤ編組は、5つの電気コンポーネントを可能にするであろうし、16個のワイヤ編組は、8つの電気コンポーネントを可能にするであろう。この点について、2、4、6、8、10、12、14、16、および18といった任意の数のワイヤが使用され得る。
【0034】
図5は、ワイヤ18のうち2つだけがインターフェース16のプラスおよびマイナスの電圧源(たとえば、バッテリー)を介して電力を提供する回路構成の別の実施形態を示す。ワイヤは、カテーテル10の遠位端11Aにまたは遠位端11Aの近傍に配置された分離された電気端子20および22に接続する。電気コンポーネント26A〜26Dは各々、電力がインターフェース16から電気コンポーネントの各々に供給されることを可能にするワイヤ17(または任意の他の電気経路)を介してこれらの端子20、22に接続される。
【0035】
そして、電気コンポーネント26A〜26Dの各々からのデータまたは信号は、カテーテル10の編組ワイヤ18の1つを介して電気コンポーネントからユーザインターフェースに伝達される。このように、たとえば、8つのワイヤ編組は、4つの電気コンポーネントではなく、最大6つの電気コンポーネントを利用することができる。同様に、10個のワイヤ編組は、最大8つの電気コンポーネント(プラスおよびマイナス端子接続のために使用される2つのワイヤおよび各々の電気コンポーネントに接続するために使用される残りのワイヤ)を利用し得、12個のワイヤ編組は、最大10個の電気コンポーネントを利用し得る、といった具合である。
【0036】
(センサのような)いくつかの電気コンポーネントが(たとえば、ワイヤ上の抵抗の変化が測定されるサーミスタのように)、動作し、データを送り返すために2つの電力ワイヤのみを必要とする一方で、他の電気コンポーネントまたはセンサは、データを伝達するために1つ以上の追加のワイヤ(たとえば、全部で3つのワイヤ)を必要とする、ということが理解されるべきである。そのようなものとして、これらの実施形態の各々において使用されるワイヤの数はまた、使用される電気コンポーネントのタイプに依存する。
【0037】
ユーザインターフェース16は、好ましくは、ユーザがシステムの他端で結果をもたらす(たとえば、インプラントまたはカテーテル10の遠位部分11Aを離脱させる)ための制御の(たとえば、ボタン16Aを押す)ポイントとして働く。電気コンポーネントが血管の生理的状態(たとえば、圧力または温度)を感知するために使用される場合、ユーザインターフェースは、観察される特定の生理的状態を示すディスプレイ16B(ならびに基礎をなすCPU/マイクロプロセッサと、メモリと、データを処理し、ディスプレイをドライブするためのソフトウェア)を有し得る。ユーザインターフェース16はまた、好ましくは、一例ではプラスおよびマイナス端子を有するバッテリーを介した、回路のための電圧源を含む。
【0038】
一実施形態において、図5の端子バンクおよび電気コンポーネントの構成は、図2のレセプタクル12と同様の、カテーテル10の遠位端の近傍に配置されたハイポチューブによって形成され得る。これは、図5の回路の遠位部(すなわち、端子バンク20、22および電気コンポーネント26A〜26Dを備える、図の左側)の回路の概念を採用し、それを円筒状または環状に構成することによって想像され得る。図6は、そのような回路のハイポチューブの表現30を示す。ハイポチューブ30は、編組ワイヤ18の遠位端が接続する、および/またはそうでなければその中に嵌め合う、複数の切り欠きまたは切り抜きエリア24を含む。編組のワイヤ18は、ハイポチューブ30とのぴったりフィットする接続を作成するために、切り抜きセクション24に溶接されるかまたはそうでなければ電気機械的に接合され得る。
【0039】
ハイポチューブ30はまた、埋め込まれた回路25を含み得る。この回路25は、追加の機能および/または電気コンポーネント信号の処理を提供するために、電気コンポーネント26A〜26Dに接続し得る。この回路25はまた、回路25のための電力を得るために、図5におけるエレメント26によって示されているように、プラスおよびマイナスの電圧端子バンク20、22に接続され得る。
【0040】
ハイポチューブ30は、切り抜きセクション24を含むパターンにカット(たとえば、レーザーカット)され得る。ハイポチューブ30は好ましくは、高伝導であり、高い機械的強度を有し、かつ他のワイヤおよび材料の容易な終結/接続を可能にする材料で作られる。一例において、ハイポチューブは、金めっきポリイミドで構成され、追加のレーザーカットが、異なる電気経路/回路の経路を形づくるのを助けるために行われ得る。第1の一連のカットが作成されると、ハイポチューブは、パリレンのような電気的分離材料によってコーティングされ、それはまた、レーザーカットがなされた回路の経路を接着する働きをする。パリレンは、コンフォーマルコーティング特性と高抗張力との間の釣り合いをとるが、同様の特徴を示す他の材料もまた使用され得る。追加のレーザーカットが、任意の必要な電気/回路経路を完成させるためにさらになされ得る。パリレン絶縁体はまた、ハイポチューブを一緒に把持するのを助けることができ、かくして、回路カットは、絶縁体が予備的な回路カットに追加された後に完成させられる。回路ルートが完成させられた後、パリレンコーティングがもう一度、コンポーネントを十分にカプセル化するために着手される。最後のレーザーカッティング工程が着手され、ここで、コーティングが、回路経路内のレジスタとしての追加のワイヤの追加を可能にするために重要な場所で取り除かれるかまたは除去される。この形態におけるハイポチューブ30は、従来のプリント回路基板と同様に機能する。
【0041】
ハイポチューブ回路は、多数の目的のために使用され得る。たとえば、コンポーネントが、ユーザインターフェースではなく電気コンポーネントの箇所での信号のコンディショニングまたは処理を可能にするためにハイポチューブ30自体に追加され得る。一例において、さまざまな抵抗特性の、小さいワイヤが、センサの精度を増大させるためにホイートストンブリッジを作成するために追加され得る。演算増幅器もまた、センサ値を改善するためにハイポチューブ回路25上に統合され得る。
【0042】
ワイヤ(たとえば、カテーテルの構造編組ワイヤ18)は、信号をリレーするために近位のユーザインターフェースにセンサを接続する。信号処理または信号コンディショニングの多くは、議論される方法によってハイポチューブ回路自体の上でなされ得る。あるいはまたは加えて、信号処理はまた、ユーザインターフェース上でもなされ得る。
【0043】
ハイポチューブ30はまた、回路25の一部として、演算増幅器、信号フィルタリング、等といった多数の信号処理エレメントを含み得る。ユーザインターフェース16ではなくハイポチューブ30自体において信号処理をすることの1つの利点は、ユーザインターフェースのリソースが他の目的のために解放され得るということである。加えて、信号はある距離にわたって伝達される場合に劣化し得るので、信号がユーザインターフェース16に送り返される前にシステムの遠位部でクリーンにされることができ、かくして、システム動作への信号の劣化の影響を減じる。
【0044】
回路の概念の1つの利点は、先に説明されたように、電気コンポーネント26の各々がインターフェース16に接続されたそれ独自のワイヤ18を有することを可能にするのではなく、回路25と電気コンポーネント26の1つ以上へのその接続とがカテーテル10の遠位部分11Aで完成させられることである。それゆえに、カテーテル管11は、相対的により小さい外径を有するように形成されることができる。
【0045】
電気コンポーネント26は、撮像システム、圧力センシング、温度センシング、酸素センシング、または電力供給型カテーテル/マイクロカテーテルによって使用される任意の数の追加のシステムといった、多数の機能のために使用され得る。電気コンポーネントはまた、塞栓コイル離脱システム、および/または離脱可能なカテーテル先端システム、および/または操縦可能なガイドワイヤシステムの一部として使用され得る。
【0046】
図7および図8は、ハイポチューブ30の構造と同様の、ハイポチューブ32のための代替の構造を示す。この点において、ハイポチューブ32は、1つ以上の切り欠き32Aと、各々がハイポチューブ32の内方へ歪曲または湾曲させられた複数の細長い指状接点32Bとを含む。この点において、電力は接点32Bに供給され得、それは、内部のカテーテルまたはプッシャー上の電気接点との接触時に、カテーテルまたはプッシャーにヒーターまたは機械メカニズムを介してインプラントを離脱させるといった機能を行わせ得る。
【0047】
図9Aおよび図9Bは、引用によってここに組み込まれる米国出願番号第14/578,106号において開示されたものと同様の塞栓コイル42を離脱させるために使用される接点32Bを有するハイポチューブ32の1つの例示的な使用を示す。ハイポチューブ32は、1つ以上の遠位または近位の接点32Bにそれぞれが接続された、遠位の電力端子20と近位の端子22とを含む。塞栓コイル42は、コイル42に沿った選択場所に、1つ以上の離脱ポイント44を有する。電気接点32Bが塞栓コイル42および離脱ポイント44とアラインメントする際、インターフェース16は、アラインメントを示すかまたは表示し得る。ユーザがアラインメント信号を受信すると、プッシャー40からの離脱ゾーン44でのコイル42の離脱を開始するためにボタンを押すといった所望のアクションがアクチュエートされ得る。ハイポチューブ32は複数の電動コンポーネントを支持し得るので、離脱検出、温度センシング、または撮像といった機能を提供するセンサ32Cもまた、ハイポチューブ32上に含まれることができる。
【0048】
図10および図11は、塞栓コイルの離脱ポイント44のより具体的な例を示す。2つの伝導シリンダまたはスリーブ54および55が、粘着剤または糊着剤によって絶縁スリーブ56の近位および遠位端に嵌め合わせられる。伝導スリーブ54および55は、92/8の比のプラチナ/タングステン材料のような伝導材料で構成される。
【0049】
ワイヤのコイルであり得るヒーター60は、近位および遠位の伝導スリーブ54および55の間のエリアにわたり、その端をスリーブの各々に接続し、電流がコンポーネントの各々を通過することを可能にする。それゆえに、ハイポチューブ32の近位および遠位の接点32Bと適切にアラインメントさせられ、電流が印加された場合、ヒーターコイル60は、温度が上昇し、絶縁スリーブの粘着剤を溶解し、塞栓コイル42の遠位部分を離脱させる。ばね57および58は、塞栓コイルの伸張を防止するのを助けるためにモノフィラメントまたは紐の取り付けを可能にする。代替の実施形態では、紐が、塞栓コイル42の2つのセグメントを一緒に把持するように2つのばね57、58の間を接続し得、したがって、離脱を引き起こすためにヒーター60によって解体され得る。
【0050】
第14/578,106号に開示された例と同様の別の一例において、操縦可能なガイドワイヤシステムは、血管系の中のバイメタルガイドワイヤの走行を可能にするためにガイドワイヤの遠位端を歪曲させるためにガイドワイヤと電気的にインタラクトする、図9Aおよび図9Bにおいて説明されたものと同様の、ハイポチューブ上の間隔をあけられたプラスとマイナスの電気接点を利用する。
【0051】
先に議論されたように、ハイポチューブ30およびその回路は、カテーテル10におけるヒーターコイルに電力供給するために使用され得る。一例において、図12および図13は、米国出願番号第14/578,020号において開示され、引用によってここに組み込まれる実施形態と同様の離脱可能な遠位端の先端11Aを有するカテーテル10を開示する。ハイポチューブ30が、細長い管状部分11の遠位部分に配置され、粘着剤48が、細長い管状部分11に対し遠位端の先端11Aを維持する。ユーザは、離脱シーケンスを開始(たとえば、インターフェース16上のボタンを押下)してヒーター49をアクティブにすることができ、さまざまな理由のために(たとえば、カテーテルの遠位の先端11Aが血管系の中に糊着される危険が存在する液体塞栓のデリバリー中に)、マイクロカテーテル10の遠位端の先端11Aの離脱をもたらすために粘着剤48を溶解する。前出の例と同様に、ハイポチューブ30は、編組構造ワイヤ18に接続し、ヒーター49に電気経路を提供する。この例において、ヒーター49は、ハイポチューブ30の内表面に隣接して配置されることも、またはハイポチューブ30の内表面に接続されることさえもできる。
【0052】
図14は、図13のハイポチューブ30の代替の実施形態を示すが、単一のヒーター49に接続するのではなく、ハイポチューブ30は、近位のヒーターコイル49A、中央のヒーターコイル49B、および遠位のヒーターコイル49Cに接続する。ハイポチューブ30は、ワイヤ18の3つの離散ペアおよびハイポチューブ30上の電気経路に接続され得、ヒーターコイルの各々が個々にアクティブされることを可能にする。
【0053】
図15は、コイルが互いにパラレルにかつ隣接して配置される点を除き図14のハイポチューブと同様の、複数のヒーターコイル49を有するハイポチューブ30を示す。この点において、ハイポチューブ30は、カテーテルの中に、またはカテーテル内の移動のためのサイズにされたプッシャー内に、のいずれかで配置され得る。
【0054】
あるいは、ユーザインターフェースは、複数のバッテリーを含み得、複数のバッテリーに接続されたハイポチューブ上の複数の端子バンクを可能にする。別の代替例では、複数のバッテリーが使用され、1つのバッテリーに端子バンクの提供を可能にさせ、他のバッテリーは、特定のシステムのために選択的に使用される(すなわち、可変コイル離脱システムのための端子に電力供給するためにだけ使用される1つのバッテリー、および/または、離脱可能な先端カテーテルシステムのための端子に電力供給するためにだけ使用される1つのバッテリー)。かくして、たとえば、異なるシステムとインタラクトするために異なる間隔で間隔をあけられた1つのプラス接点および2つのマイナス接点が存在し得る。同様に、異なるシステムとインタラクトするために異なる間隔で間隔をあけられた1つのマイナス接点および2つのプラス接点が存在し得る。一例において、電気コンポーネントは、先に議論されているように、ハイポチューブ上の集積回路と、ワイヤ編組を介してユーザインターフェースに送られる信号とによって、使用中の精密なシステム(すなわち、可変離脱具、離脱可能な先端、操縦可能なガイドワイヤ、または別のシステム)の動作を制御し得る。別の例において、編組ワイヤが電気コンポーネントからの信号と反対にバッテリーからの電流を伝達するためにだけ使用される場合、遠位のハイポチューブの電気コンポーネントは不要であろう。この例では、ユーザインターフェース自体がさまざまなシステムのための回路を有するであろうし、カテーテルの近位端と遠位端との間で電流を伝達するために使用されるワイヤはまた、ユーザインターフェースからの信号を伝達する(すなわち、塞栓コイルを離脱させるために、またはカテーテルの先端を離脱させるために、またはガイドワイヤの先端をそらせるために入力された信号を伝達する)ためにも使用される。
【0055】
ここで説明された実施形態およびシステムは、電力供給型カテーテルシステムを作成することにおける多くの利点を提供する。以下は、網羅的ではない一覧である。システムの主な利点の1つは、電流を伝達するためにカテーテル編組自体を使用すること、かくして、カテーテルの構造的補強に加えて、カテーテル編組に、有用な二次的な恩典を提供することである。システムの別の利点は、カテーテルの遠位端のハイポチューブ上の端子バンクに電力供給するためにカテーテル編組ワイヤの2つを使用すること、電気コンポーネントをハイポチューブ自体の上で端子バンクに直接接続させること、かくして、電気コンポーネントがハイポチューブ自体の上で電力供給されるがゆえにユーザインターフェースに電気コンポーネントを接続するために1つのワイヤしか必要としないことである。システムの別の利点は、遠位のハイポチューブを回路システムとして利用すること、および、信号処理がシステムの近位端ではなく集積回路を介してハイポチューブ自体の上でなされることを可能にする能力である。信号は長距離にわたって劣化し得るので、信号源での信号処理を提供することは、それ自体におけるおよびそれ自体のいくつかの利点を提供する。別の利点は、すべての信号を伝達するために多数のワイヤを必要とせずにいくつかの電力供給型カテーテル機能を組み合わせる能力である。
【0056】
他の実施形態において、ここで説明されたシステムは、別個のマイナス端子源を必要としないであろうし、患者自身が、回路を完成させるために接地として使用され得るだろう。かくして、一例において、システムの近位部は、単にプラスの荷電源を含むだけであろうし、ワイヤがシステムの遠位端に電流を走らせるであろうし、患者自身が接地を備えるであろう。システムの遠位端はさらに、電気コンポーネントとともにすべての回路を利用するであろうが、これは、患者が接地を提供するがゆえに1つのワイヤだけが電流を伝達するために必要とされるであろうから、追加の電気コンポーネントを可能にするであろう。
【0057】
他の実施形態において、代替の電流電圧源が、直流電圧源の代わりに使用され得る。
【0058】
他の実施形態では、カテーテルシステムのための配線は、カテーテル編組を利用しないであろうが(すなわち、カテーテルが何ら編組を利用しない場合)、カテーテルの表面の外部または内部であるかまたはカテーテル管の層の間に統合されたワイヤからなる。他の実施形態では、補強コイル(単数または複数)またはリボン(単数または複数)が編組の代わりに使用され得る。
【0059】
他の実施形態において、端子バンクは、コンデンサと置き換えられ得る。そして、コンデンサは、電圧源からの荷電を貯蔵し得る。
【0060】
説明された実施形態は、回路システムを含む。回路システムは、カテーテル、またはマイクロカテーテル、または他のデリバリーデバイスを含む、介入デバイスを含む多数のデバイス上で使用され得る。
【0061】
説明された実施形態は、カテーテルの二端の間で電流を伝導するためにカテーテルの構造補強層(編組として一般的に説明される)を利用する。編組という用語が使用されるが、用語は任意の構造層を説明するように広く解釈されるべきであり、かくして、編組という用語は、コイル、リボン、およびカテーテルにおいて一般に使用される他の構造コンポーネントを含み得る。
【0062】
発明は特定の実施形態および応用例の観点で説明されているが、当業者は、この教示に鑑みて、特許請求される発明の精神から逸脱もせず、特許請求される発明の範囲を超えることもなく、追加の実施形態および変更例を生み出し得る。したがって、ここでの図面および説明は、発明の理解を容易にするために例として提供されたものであり、その範囲を限定するように解釈されるべきではない、ということが理解されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15