(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の表面プロファイルの複数の部分が抽出され、該複数の部分のそれぞれについて空間周波数スペクトルが決定され、該空間周波数スペクトルのそれぞれのスペクトル成分が合計される、請求項1に記載の方法。
前記複数の基準についてのサンプリング距離を前記複数の基準の既知の分離と比較することによって、前記装置を横方向に較正する工程をさらに備える請求項18に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
機器伝達関数(instrument transfer function : ITF)は、その空間周波数応答によって特徴付けられる、表面特徴に対するエリアル表面高さ測定機器(areal surface topography instrument)の応答を記述することができる。エリアル表面トポグラフィ測定システムは、レーザ・フィゾー干渉計、干渉顕微鏡、共焦点顕微鏡、焦点変動機器、および他の光学系を含む。ITFは、入力外乱の周波数内容に関する入力システムの応答を記述する。ITFは一般に線形システムに適用され、線形システムは、最終システム応答が単に入力外乱を構成する入力周波数のそれぞれからの別々の応答の合計であるシステムである。撮像干渉計のITFは、小さい表面偏差の限度(<<λ/4)での、その撮像光伝達関数(imaging optical transfer function : OTF)である。ただしλは、撮像干渉計内で使用される光の波長である。
【0013】
ITFの測定、またはより一般には、システムの光学的性能は、機器を選択し、能力を決定し、結果を解釈する際に重要であり得る。指定されるITFは通常、いくつかの理想化された測定条件を仮定する。例えば、1つの仮定は、機器の光分解能を最適化するように、測定すべき物体上に機器の焦点が完璧に合っていることである。ITFは、横方向分解能の範囲にわたる性能情報を提供する、機器忠実度の定量的尺度として意図される。
【0014】
いくつかの実施形態では、特別なテスト・オプティック(test optic)(例えば、アーチファクト)の表面上に取り込まれる既知の表面特徴のセットの測定値から、干渉型光プロファイラの機器伝達関数が決定される。アーチファクト(artifact)の表面上の特徴の構成は、その表面プロファイルに影響を及ぼす。表面プロファイルは、表面上の特徴の3次元形状についての情報を提供する。表面プロファイルという用語は、本開示では表面トポグラフィという用語と互換的に使用される。その表面が既知の(空間)周波数内容を含む特徴を有する物体(例えば、アーチファクト)を測定すること、およびこれらの測定した表面特徴の周波数内容を抽出することによって、干渉型プロファイラのITFを求めることができる。その後で、様々な周波数で見つかった、測定された振幅を、それらの周波数での既知の振幅で割ることができる。
【0015】
アーチファクトは、容易に製造可能かつ測定可能である表面特徴を含むことができる。そのような特徴は、理想的には、大部分の(例えば、すべての)注目の空間周波数を包含する。シャープなステップ(sharp step)はそのような特徴の1例である。無限の数の空間周波数を含む完璧なステップの標準リソグラフィック方法およびフーリエ変換(本明細書では、例えば、離散フーリエ変換(DFT)、高速フーリエ変換(FFT)、ならびに空間的に周期的な特徴を空間周波数に、およびその逆に変換する他の周波数変換を含むものとして広く定義される)と共に、シャープなステップを定期的に生成することができる。アーチファクトのステップ高さは、線形システム・レジーム(linear systems regime)内にとどまるために、λ/4と比較して小さくてよい。ただしλは、アーチファクトを調査するために使用される光の波長である。
【0016】
ITF測定値の精度は、測定される表面ステップ・プロファイルまたは真の表面ステップ・プロファイルのどちらかを乱す要素によって影響を受けることがある。測定されるステップ・プロファイルに対する外乱は、測定中の振動や大気乱流などの環境効果から生じることがある。真の表面ステップ・プロファイルを乱す要素は、例えば、ステップ・エッジ(step edge)の未知の変動、または表面汚染、欠陥もしくは構造による、アーチファクトの既知の周波数内容の不確定性を含むことがある。機器のオペレータによって選択された不完全な焦点による焦点はずれ誤差もあることがある。ITF測定値の精度は、内部機器開口および/または構成要素によって課される光学的限界によっても影響を受けることがある。この最後のタイプの外乱は、理想的にはITFが測定するものである(すなわち、機器光学的限界によって引き起こされる外乱)。
【0017】
分離および遮蔽で、および干渉計空洞長を可能な限り削減することによって、環境効果を最小限に抑えることができる。外乱からの誤差が十分にランダムである場合、平均化も利用することができる。アーチファクト構造によって、およびアーチファクトをクリーンに保つことによって、アーチファクト周波数内容の不確定性が最小限に抑えられる。不完全なオペレータ焦点はずれは、市販のプロファイラのITF測定値変動性の大きな源であることがある。特定の空間周波数に対する機器またはツールの応答を測定するために、アーチファクトは、その空間周波数内に測定可能な出力を含むべきである。一般には、ステップ・エッジ遷移がシャープになるほど、そのエッジの空間周波数内容が高くなる。したがって、アーチファクトを構築するとき、通常は、最も広い範囲の空間周波数を十分な信号対雑音比(S/N)で測定することができるように、エッジ・シャープネスを最大にすることが有利である。一般には、アーチファクトによってカバーされる場にわたってITFを確実かつ正確に測定することができるように、エッジ品質は、空間位置にも依存すべきではない。
【0018】
本明細書で説明する方法およびシステムは、この誤差源を最小限に抑え、品質と再現性の両方でITF測定値を最適化し、機器応答を評価するための信頼性の高いメトリックを生み出すことができる。
【0019】
図1は、フィゾー干渉計100を含む1実施形態を示す。本明細書で開示される方法およびシステムを使用して、他の光学系のITFも測定することができる。フィゾー干渉計100は光源102を含む。光源102は、633nmの波長λを有する光を放射するヘリウム−ネオン(HeNe)レーザなどのレーザ源でよい。概略的にレンズとして示される光学素子102(
図1には単一の素子だけを示す)を使用して、光源102から放射された光をコリメートすることができる。光の一部は、半透明裏基準表面115を有する半透明基準光学素子114に到達する前に、ビームスプリッタ108を透過する。半透明基準表面115は、光を基準ビームおよび測定ビームに分割する。測定ビームは裏基準表面115を透過し、注目の物体まで伝播し、注目の物体はテスト・アーチファクト104でよく、その前面が平面106内に位置する。アーチファクト104の前面は、既知の特性を有する1つまたは複数の表面特徴(
図1には図示せず)を含む。これらの特性は、特徴の高さ、特徴の線幅、および/または特徴間の間隔を含むことができる。
図1では、アーチファクト104は平面要素として示されているが、アーチファクト104は他の形(例えば、球面、非球面、曲面)を有することができる。
【0020】
測定ビームおよび基準ビームは、ビームスプリッタ108によって反射され、(
図1では単一の素子として示される)光学素子112によって検出器110上に撮像される。アーチファクト104の前面から反射された光は、検出器110で、基準光学素子114の裏面115から反射された基準光と組み合わされ、検出器110は、得られる干渉縞を電子的に撮像する。検出器110は、ピクセルの2次元アレイを有するCCDカメラなどの2次元検出器でよい。キャリア・フリンジ干渉計は、本明細書で説明する方法および装置を使用することのできる機器の1タイプである。例えば、キャリア・フリンジ干渉計では、反射された測定ビームおよび基準ビームは、検出器110で密な干渉縞があるような角度である。場にわたる縞の数は搬送周波数と呼ばれ、搬送周波数は非常に高いことがあり、機器の視野(field of view : FOV)にわたって数百程の縞の次数(order)であることがある。FOVは、機器によって測定可能な空間範囲であり、光学的構成に依存することがある。通常は、例えば機器「ズーム」を調節することによって、FOVを修正することができる。キャリア・フリンジ方法では、位相情報の空間符号化がある。ズームを高めると、観測可能な空間範囲が縮小するが、サンプリング密度が増大し、通常はより細かい詳細を分解する。
【0021】
位相シフト技法を使用するシステムなどの他の干渉計機器を使用することができる。位相シフト技法では、位相情報が時間的に変更され、インターフェログラム・フレームのシーケンスが生成される。アーチファクト表面のトポグラフィ表現を生成する任意の干渉計で、本明細書で説明する方法および装置を使用することができる。
【0022】
検出器110によって記録された測定データ118が電子プロセッサ114に送られる。送られた測定データ118は、物体(例えば、アーチファクト104)の電子像平面ホログラムである、検出された干渉縞を含むことができ、検出された干渉縞から、フーリエ処理を使用して、反射した物体波面のデジタル・イメージを計算することができる。フーリエ処理は、概して、DFT、FFT、ならびに空間的に周期的な特徴を空間周波数に、およびその逆に変換する他の周波数変換を含む。電子プロセッサ114は、これらのホログラムの処理が波面の位相を直接的に測定し、物体表面の電子3Dイメージを生成することを可能にするソフトウェアを含む。電子プロセッサ114はまた、テスト・アーチファクト104の少なくともz位置をレポートする位置決めデバイスから情報116を受信することができる。
【0023】
ITF評価のために多くのタイプの表面特徴を使用することができるが、
図2は、平坦な表面を測定するときの干渉計のITFを求めるための例示的アーチファクト200を示す。表面は、ITF測定に関する様々な目的で有利に使用することのできる特徴を含む。これらの特徴は、位相的(すなわち、照明伝播方向、または
図1に示すz方向に沿って距離が変動する)、または強度的(すなわち、照明伝播方向に垂直な反射率が変動する)なものでよい。位相特徴は、IUTで使用される公称波長と比較して小さい、トポグラフィ高度差hを有することができる(すなわち、h<<λ/4)。ITFの測定のために位相特徴を使用することができると共に、他の測定のために位相特徴または強度特徴のどちらかを使用することができる。アーチファクトは、アーチファクトを使用することのできる波長の範囲を拡張するように、相異なる高さを有する様々な位相特徴を有することができる。
図2に示すアーチファクトは単なる1例であり、相異なる特徴を有する多くの他の表面を考慮することができる。
【0024】
ITF測定のために使用されるアーチファクト200の主な位相特徴は、中心201から出る垂直ステップ204および水平ステップ202であり、それらステップは、ステップ202および204によって分離される2つの異なる表面平面内に位置する4つの象限203、205、206、および208を生成する(1つの表面平面内の象限205および206と、第2の表面平面内の象限203および208)。主な交差パターンは、ITFを測定するために使用されるステップ・エッジでよい。2つの表面平面が完全に平坦であり、特徴のエッジが完全にシャープであるとき、特徴の周波数内容が完全に判別されることになる。しかしながら、実際の製造考慮は、これらの理想からの小さい偏差を許容する。
図2にグレーで示される表面特徴は、白いものよりも高い。隣接する象限の境界を定めるステップ・エッジは、IUTのサンプリング周期(すなわち、横方向サンプリング幅)と比較してシャープでよい。理想的には、ステップの高さの10%を有する地点と、ステップの高さの90%を有する地点との間の距離(すなわち、10%−90%エッジ遷移)は、IUTサンプリング周期の10分の1未満である。1例として、
図2に示されるアーチファクト200は、1ミクロン未満の10%−90%エッジ遷移仕様を有する。
【0025】
平滑で平坦な表面は、周波数コンタミネーション(frequency contamination)を制限することができる。例えば、形状偏差は低周波数端でコンタミネーションを生成し、スクラッチ、ピット(pit)、および塵は中周波数から高周波数端でコンタミネーションを生成することがある。「高」周波数および「低」周波数は機器およびユーザに依存する。100mm開口を有する機器(「100mm開口ツール」の状況では、「低」の端は10サイクル/開口以下の周波数によって記述されることがあり、「高」は100サイクル/開口以上であることがあり、「中」はその間の領域である。
【0026】
1例として、
図2に示されるアーチファクト200は、開口の中心90%にわたるλ/40PVの表面形状仕様を有する(すなわち、アーチファクトの直径)。言い換えれば、表面形状は、山から谷で、アーチファクトにわたって光の波長の40分の1未満の偏差である。一般には、表面形状は、その表面にわたるアーチファクトの形状の低次変動を取り込むことができる。アーチファクト200は、10ミクロン分解能で測定した任意の0.5mm場にわたる<1nmの表面rmsで20−10の表面品質仕様を有する。
【0027】
ステップの使用は、製造性に加えて他の実際的な利点を有することができる。ヘヴィサイド関数(Heaviside function)H(x)によって記述される、高さhの無限にシャープなステップを考慮する。
【0028】
【数1】
ヘヴィサイド関数の導関数はディラックのデルタ関数である。
【0029】
【数2】
ステップの導関数のフーリエ変換は単に、
【0031】
この特性に基づくステップ導関数からITFを効率的に計算することができる。具体的には、ステップの導関数は、表面傾斜の影響を最小限に抑えることができ、単にステップの導関数のフーリエ変換を、既知のステップ高さまたは測定されたステップ高さのどちらかによって割ること(dividing)によって、DC項を効果的に処理することができる。DC項の不十分な処理は、正規化されたITF曲線を上または下にシフトする(すなわち、値を増加させ、または値を低下させる)ことがあり、各ビン内の(すなわち、各空間周波数についての)ITF値を実質的に変更する。ITFは通常、DCでの値1から、ナイキストでのゼロに低下する。時には、ITFは1を超えることがあり、機器の不備または擬似出力の存在を示すことがある。
【0032】
向き識別、焦点を助けるため、またはIUTの横方向分解能(すなわち、横方向較正)を測定するための基準を提供するために、他の特徴を表面上に配置することができる。これらは、位相特徴または強度特徴のどちらかでよく、一般には「焦点特徴」と呼ばれる。アーチファクト200は、位相焦点特徴210、212、および214を含む。これらの特徴は、4つの象限内の変動する厚さの線の対である。線の対の位置は、厳密に知られており、したがって横方向サンプリング(例えば、検出器110の距離/ピクセル)をそれから推定することのできる基準を提供する。さらに線の対のシャープネスおよび測定された深度が、いくつかの特定の空間周波数での焦点および機器応答の両方の定性的および定量的情報を提供する。線の対は、特定の空間周波数でのITFの単純な検証を実現することができる。
【0033】
アーチファクト200は、ITF測定工程の特定の詳細を示すための代表例として使用される。詳細の大部分はこのアーチファクトに特有のものではないが、以下で詳述する手順は、主なITF特徴がステップ・エッジであることを仮定する。
【0034】
図3にフローチャートとして示される方法300は、ITFをどのように求めるかを簡潔に記述する。方法300は、ステップ302で、試験中の機器(instrument under test : IUT)を使用してアーチファクトの表面を測定することから始まる。利用される測定方法は、位相シフト干渉法などの、当技術分野で周知の任意の数の干渉方法でよい。
図1に示されるフィゾー干渉計100がIUTでよい。アーチファクト104の表面が表面(このケースでは平面)106に配置される。測定の結果は、物理単位の表面のトポグラフィ表現である「高さマップ」をそれから導出することのできる複素表面場(すなわち、複素電磁場)である。
【0035】
1例として、位相シフト干渉法(phase shifting interferometry : PSI)では、PSI取得中に取得された、位相シフトされたフレームのセットから複素表面場を求めることができる。NフレームPSIアルゴリズムについての複素係数は、j=0...N−1であるとしてC
jでよい。ピクセルxについてのN個の測定された強度が、I
x,jによって表される。次いで、「複素表面場」U
xが、U
x=Σ
jC
jI
x,j=A
xexp[iφ
x]によって表される。ただしピクセルxについての位相φ
xは、
【0036】
【数4】
を介して求められ、振幅A
xは以下で求められる。
【0037】
【数5】
相対強度は|U
x|
2=|A
x|
2である。以下で詳述するように、新しいZ’平面に伝播されるのはU
xであり、
【0038】
【数6】
となり、それから、新しい位相マップを
【0039】
【数7】
で抽出することができる。位相に測定で使用される光の波長を掛けることによって、(ラジアン単位の)位相マップを(ナノメートル単位の)高さマップに変換することができる。
【0040】
次いで、高さマップが解析され、ITFが抽出される。
図4は、100mm開口HeNeレーザ干渉計を使用して、
図2に示されるアーチファクト200と同様の表面を有する平坦なアーチファクトを測定することによって生成される高さマップのグレー・スケール・イメージを示す。メイン・ステップ・エッジ402および404と、線の対406などの焦点特徴とがはっきりと見える。ステップ402および404の高さは、名目上は26nmであり、グレー・スケール・エクスカーションは約50nm PVである。
【0041】
アーチファクト表面測定は一般に、精密干渉測定のために使用される最良の原理および慣習に準拠する。焦点を最適化すること、逸脱を最小限に抑えること、コントラストおよび検出器ダイナミック・レンジを最大にすることなどは、そのような最良の原理および慣習の例である。この状況では、逸脱は、光軸に垂直な平面からの表面の偏差を表すことがある。例えば、表面が形状偏差(平坦を測定する場合は平坦からの偏差、または球面を測定する場合は球面からの偏差)を有する場合、または部品が光波面に不完全に位置合せされる場合(これは傾斜縞を生み出すことがある)である。
【0042】
高さマップに悪影響を与えることがある効果を最小限に抑えることができる。これらは、振動や大気乱流などの環境外乱を含むことがある。さらに、ステップ・エッジは、名目上は画像装置の行軸および列軸(the imager row and column axes)に位置合せされるべきであるが、これはあまり精密である必要はない。処理中に電子プロセッサによって完璧な位置合せからの偏差を処理することができるからである。例えば、アーチファクト内のウェッジ(wedge)および/またはアーチファクトの裏面上の反射防止被覆を導入することによって、アーチファクトからの裏面反射の影響も最小限に抑えることができる。
【0043】
次いで、ステップ302で測定されたデータから高さマップが導出された後、高さマップ内の特定の表面特徴が識別される。
図2に示されるアーチファクト200について、これらの特徴は、ITF評価で使用されるメイン・ステップ・エッジ202および204、または焦点決定のために使用される210、212、および204などの特徴、または機器の横方向分解能を求めるための特徴を含むことができる。
【0044】
物理アーチファクト200の表面トポグラフィが最初に知られている(すなわち、アーチファクト200自体は、アプリオリに知られる明確な表面トポグラフィを有する)ので、干渉計によって測定されるように、これらの特徴の多くを、実験的に導出される高さマップの、所望の特徴を模倣する関数との数学的畳み込みを通じて識別することができる。所望の特徴はメイン・ステップ・エッジ202および204でよい。言い換えれば、アーチファクト200の表面トポグラフィが知られているとしても、干渉計内のこのアーチファクトの実際の位置(例えば、干渉計の視野内の位置)と、所望の特徴に対応する検出器上のピクセルによって記録されるデータとが、(測定されたデータのどのピクセルが所望の特徴を含むかを識別するために)高さマップの数学的畳み込みを使用して求められる。例えば、理論垂直ステップの、高さマップとの畳み込みは、メイン垂直ステップ・エッジならびに焦点特徴の垂直エッジを容易に識別することができる。水平ステップについても同じである。例えば、以下で詳述するように、畳み込みは、畳み込みカーネル(例えば、9×9行列)を高さマップと畳み込むことを含む。畳み込みカーネルは、特定の特徴(例えば、コーナまたはエッジ)を生み出すように選ばれる。
【0045】
名目上、ステップ・エッジを画像装置の行軸および列軸に平行に位置合せすることによって、畳み込み方法を支援することができる。畳み込み関数は、単一次元に沿って高さマップに作用する1次元畳み込み関数でよく、または畳み込み関数は2次元表面でよい。あるいは、畳み込み関数は、全アーチファクト形状を再現することができる。そのような畳み込み関数は、高さマップに対する最良のフィットを実現することができ、それを通じて表面特徴を識別することができる。畳み込みは非常に効果的であることがあるが、基準線が特徴と交差するまで高さマップ上に基準線を単に配置することなどの他の方法を使用して、高さマップ内の様々な特徴を識別することができる。
図5Aおよび
図5Bは、
図4に示される高さマップ400に対して、3つの9×9畳み込みカーネル(すなわち、2次元関数)を適用した結果を示す。
図5Cは、
図5Bの左下コーナにズームインし、特徴マスク510を拡大する。
【0046】
イメージ処理では、カーネル(または畳み込み行列)は、ブラーリング、シャープニング、エンボシング、エッジ検出などのために有用な小さい行列である。これは、カーネルとイメージとの間の畳み込みによって達成される。カーネルは、イメージ畳み込みのために使用される正方行列でよい。
図5Aは、名目上は水平なエッジのための畳み込みカーネルを使用して、メイン・ステップ・エッジの特徴線504を生成し、名目上は垂直なエッジのための畳み込みカーネルを使用して、メイン・ステップ・エッジの特徴線506を生成した結果を示す。
図5Bは、コーナのための畳み込みカーネルを使用した結果を示し、右上象限および左下象限内の焦点特徴のいくつかのコーナを特定する。焦点特徴のコーナの特徴マーク508および510だけが
図5Bに示されており、他のすべてのコーナ特徴マークが抑制されている。
【0047】
特徴識別で使用される畳み込み手順を使用して、物理サンプリング周期を求めることによって機器を横方向に較正することもできる。横方向較正では、様々なメイン・ステップおよび/または焦点特徴エッジもしくはコーナからのサンプリング距離が求められ、その既知の分離と比較され、物理単位(例えば、ピクセル/mm)のサンプリングが求められる。例えば、第1のコーナ特徴がピクセル4に位置し、第2のコーナ特徴がピクセル39に位置する、簡略化した1次元の例示を考慮する。このケースでは、サンプリング距離は35ピクセルとなる。アーチファクトが70mmだけ分離される2つのコーナを有することがアプリオリ(a priori)に知られていると仮定する。このケースでは、物理単位のサンプリングは0.5ピクセル/mmとなる。アーチファクト200を参照すると、
図5Bに示される焦点特徴コーナ508および510までの既知の距離、およびピクセル単位の、対応する測定された距離から、横方向分解能が101.6ミクロン/ピクセルであると求められた。畳み込み方法は、ここでは、特定の特徴のサブピクセル分解能を提供するためにも効果的であることがある。畳み込み方法は、ピクセル内のデータのアナログ・フィッティングがサブピクセル・レベルでの最高の一致のピークを求めることを可能にする。
【0048】
上記で略述した畳み込み方法を使用して、特徴(アーチファクト200のケースでは、そのステップ・エッジ202および/または204)が識別されると、トレースと呼ばれる、エッジに垂直な固定長プロファイルが抽出される。例えば、メイン・ステップがピクセル40−41の間に位置すると畳み込み方法が識別すると仮定すると(サブピクセル精度を仮定する)、ピクセル8から71(包含的)または9から72を使用して64ピクセル長トレースが抽出される。トレース長は2のべき乗である必要はないことに留意されたい。水平ステップでは、トレースを得ることは、ステップ・エッジを横切る連続する列(行)ピクセルを抽出することを含むことができる。垂直ステップでは、トレースは、垂直ステップを横切るピクセルの連続する行を抽出することを含むことができる。連続するピクセルを取る代わりに、トレースは、1つおきのピクセルを抽出し、かつ/またはいくつかのピクセルの平均を抽出することもできる。
【0049】
図6は、メイン・ステップ・エッジ402および404にまたがる垂直トレースと水平トレースの両方を含む1800超の高品質トレースのセットから選択された典型的なトレース602からの位相プロファイルを示す。焦点改善で使用されるフーリエ変換とITF計算の両方の処理速度を最大にし、所望の空間周波数分解能を実現するために、トレース602のトレース長が64ピクセル(2のべき乗)となるように選択された。トレースの小さい変動は、主に表面不完全性のためである。0.52ラジアンの公称位相ステップは、既知のHeNe波長(633nm)を使用して物理単位に変換した後の26.2nmに対応する。633nmの0.52ラジアンは52.4nmであるが、光は裏基準表面115とアーチファクト104の前面との間のギャップを2回通過し、したがって表面特徴の実際の高さを求めるために因子2が使用される。
【0050】
ここで、トレース602は、トレースを構成するピクセルのセットによって表され、必ずしもそれらのピクセルの高さ値ではない。この区別は、焦点改善手順の間に個々のピクセルに関連する高さが変化することがあるので行われる。エッジが名目上はトレースの中心にあるようにトレースが選択される。スクラッチ/ピットまたは塵粒子によるひずみなどの明らかな問題を含むトレースを廃棄するために、トレース品質についてのテストを行うことができる。選ばれるトレース長は、所望の周波数サンプリング分解能、公称表面形状偏差、他の特徴の近接度、残留焦点はずれの量などのいくつかの要素に依存する。
【0051】
図7Aは、1800超のトレースのセットから導出される、測定されたステップ高さを示す。ステップ高さは、
図6に示されるように、ステップ高さ608だけ偏位する2つの平行線604および606のフィットから導出される。
図7Aのトレースの最初の4分の1は、アーチファクト200の上端ステップ・エッジから得られる。トレースの2番目の4分の1は、左側ステップ・エッジから得られ、トレースの3番目の4分の1は、下端ステップ・エッジから得られる。トレースの最後の4分の1は、右側ステップ・エッジから得られる。
図7Bは、1800超のトレースのそれぞれについての2乗平均(RMS)偏差のプロットを示し、トレース品質を保証するために使用される。導出されたステップ高さに関する追加のチェックが実施され、公称ステップ高さの4nm以内のトレースだけが合格した。すべての品質チェックに合格したトレースのセットが、焦点とITFの決定の両方のために使用された。
【0052】
ほとんどの表面プロファイリング干渉計では、焦点はオペレータによって手動で調節され、オペレータは、干渉計視野内の特徴の視覚的「シャープネス(sharpness)」を最大にすることによって焦点を調節する。これは、焦点合せハードウェアの不備、画像装置ピクセレーション(imager pixilation)、フリンジ干渉、または単にオペレータの誤りなどの多くの要素のために、最適に行うことが難しいことがある。残留焦点はずれは、しばしば、不十分なITF測定性能の最大の要因であり、変動性の原因である。
【0053】
オペレータが誘発した残留焦点はずれを除去するために、測定された複素表面場を、デジタルに求められた最良の焦点位置にデジタルに変換し、または(例えば、フレネル伝播によって)伝播する数学的手順を通じて焦点が改善される。
【0054】
図3に戻ると、焦点最適化工程はステップ304から始まり、アーチファクト上の特定の表面特徴について、アーチファクトが位置する第1の焦点表面でのフォーカス・メトリックを求める。フォーカス・メトリックは、特定の特徴にどれほど焦点合せされるかを特徴付けるために使用することのできる任意の良度指数である。フォーカス・メトリックの1例は、光イメージ形成の品質の尺度であるストレール比である。ステップ306は、第1の焦点表面で測定された複素表面場を新しい表面にデジタルに伝播することを含む。次いで、ステップ308では、新しい表面での新しいフォーカス・メトリックが求められる。次いで、表面場が2つ以上の位置に伝播される。最後に、最適なフォーカス・メトリックが得られる場所に複素表面場が伝播される。メトリックに応じて、最適な値は最大値または最小値でよい。これは、最適な焦点の表面である。次いで、最適な焦点の表面でITFが求められる。
【0055】
焦点改善
例示的な焦点改善は、新しい焦点面への、測定された表面場のz方向(
図1に示される)に沿ったフレネル伝播を含むことができる。名目上は平面の波面についてのフレネル近似での光伝播に従って、z
1で複素波面U(x,y,z
1)を有する複素表面場をz
2に伝播することは、まず複素波面U(x,y,z
1)から角スペクトル
【0056】
【数8】
を得ることを含むことができる。ただしα、βはx軸およびy軸に沿った方向余弦である。例えば、DFT、FFT、ウェーブレット変換などのフーリエ変換によって角スペクトルを得ることができる。この複素表面場U(x,y,z
1)は、先にPSIの状況で論じたU
xと同等である。
【0059】
【数10】
を有する関数(例えば、伝播カーネル)が掛けられる。ただし(z
2−z
1)は、初期波面の平面と伝播後の波面の平面との間の距離を表す。その後で、α
2+β
2>1である周波数をゼロに設定することによってエバネッセント周波数が除去される。その後で、逆フーリエ変換が実施され、新しい平面z
2での複素波面
【0061】
球面波面では(例えば、球面アーチファクトが使用されるとき)、上記の数式が、伝播中の倍率の変化を反映するように、座標変換を使用して修正される。例えば、すべてのz値をビーム・ウエスト位置に対して測定することができる。z
1からz
2への球面波面の伝播のために、3つの座標が
【0063】
【数13】
のように変換される。座標変換が実施されると(すなわち、複素表面場の角スペクトルを得ること、伝播カーネルを掛けること、エバネッセント周波数を除去すること、および新しい表面での複素表面場に逆変換すること)、球面波の伝播は、平面波面について上記で略述したのと同様に進む。上記で略述したデジタル変換/伝播方法は、様々な焦点面を探索するとき、機械的手段を通じてアーチファクトの物理位置を変更する必要をなくす。
【0064】
上記で略述した焦点改善ステップの代わりに、またはそれに加えて、機器オペレータからの入力と共に、焦点面または焦点表面を対話的に選択することができる。いくつかの実施形態では、焦点面または焦点表面が、機器オペレータによる介入なしに自動的に選択される。いくつかの実施形態では、焦点面または焦点表面が、例えば上記で略述したようなフォーカス・メトリックを使用して選択される。フォーカス・メトリックを使用して、トレースのセットから導出された空間周波数スペクトルからの平均振幅の合計を最大にする最良の焦点面を定義することができる。そのようなフォーカス・メトリックはストレール比と同等である。
【0065】
ITFおよび/またはフォーカス・メトリックの決定
図8Aは、ITFを求めるための方法900を示す。新しい表面z
2での新しく計算/伝播された各複素表面場U(x,y,z
2)について、ステップ902では、新しい高さマップを抽出することができ、ステップ904では、選択された表面特徴を識別することができる。複素表面場U(x,y,z
2)は、先にPSIの状況で論じた
【0067】
ステップ906では、新しい高さマップから新しいトレース位相プロファイルを得ることができる。それぞれの新しいトレースについて、トレース位相プロファイルが抽出される。特徴がステップ・エッジであると仮定して、ステップ908では、位相プロファイルが(
図6に示されるような)ステップにフィットされ、ステップ高さおよび位相傾斜が求められる。エッジの横方向シフトは、フーリエ領域での位相傾斜と同等であるので、位相傾斜を除去することにより、各トレースでのエッジ位置合せ不良が解消される。次いで、ステップ910では、位相傾斜を除去し、求められたステップ高さをフィット(fit)で割ることによってトレースが正規化される。
【0068】
その後で、ステップ912では、正規化されたトレースが微分され、フーリエ・ウィンドウを適用して、DC成分の変動による誤差を最小限に抑えることができる。トレースをその中心の周りに円形シフト(circular shift)することができる。円形シフトは、トレースの右端のデータ点をトレースの左端のデータ点と接続し(「リング」を形成する)、データの「リング」をシフトして、ステップを再配置/横方向シフトすることを含む。エッジの横方向シフトは、空間周波数領域での位相傾斜と同等である。
【0069】
次いで、ステップ914では、空間周波数スペクトルが、例えばフーリエ変換によってトレースから抽出される。次いで、各周波数成分の位相および振幅が計算される。不十分に求められる可能性のある位相成分に低い重みを与えるように、特定の周波数での位相をその周波数でのスペクトル・パワーで重み付けすることによって位相傾きが計算される。次いで、位相傾きが除去され、残留位相が得られる。その後で、トレースが、その中心の周りに2回目に円形シフトされ、第1の円形シフトの効果が除去される。各周波数での振幅および位相残差を使用して、複素空間周波数スペクトルが再構築される。
【0070】
上記で略述したシーケンスは、単に1つの可能なシーケンスである。結果がステップの位相トレンド除去されたスペクトルである限り、
図8Bに示されるシーケンスなどの他のシーケンスも使用することができる。位相トレンド除去とは、位相傾きの除去を指す。
【0071】
ステップ916では、すべてのトレースについての複素トレース・スペクトルの平均が取られ、特定の表面でのITFが得られる(アーチファクト・ステップが理想的であると仮定する)。理想的なステップは、オーバーシュートのない無限の傾きを有するステップ・エッジを有することができ、エッジの両側の表面は平坦で平滑でよい。複素スペクトルの平均を取ることは、確率的雑音を低減する傾向もある。
【0072】
フォーカス・メトリックの1例は、測定された複素表面場が様々な表面のそれぞれにフレネル伝播された後、光軸(例えば、
図1のz軸)に沿ってそれらの表面で得られたトレースの平均周波数内容を追跡するパラメータである。平均スペクトルについてのスペクトル成分が合計されるとき、結果はストレール比であり、ストレール比はフォーカス・メトリックとして働くことができる。例えば、
図9は、名目上は焦点の合った、測定された複素場についての、光軸に沿った距離に対してプロットされた、上記で略述した品質チェックに合格したトレースのフォーカス・メトリックを示す。
図9では、フォーカス・メトリックはストレール比であり、プロットは、ゼロ伝播距離付近で、非常にシャープで対称なピーク802を示す。最高のフォーカス・メトリックが得られる距離(
図8Aの804)が、最良の焦点を定義する伝播長として選択される。フォーカス・メトリックの他の例は、フーリエ空間ではなく実空間に基づく良度関数(merit function)を含むことができる。ステップ・フィット良度関数の値をフォーカス・メトリックとして使用することができる。最良の焦点は、フィット残差の平方の合計が最小であるときに生じるように取られた。
【0073】
次いで、測定された表面場が別のz位置に伝播され、ITFおよび/またはフォーカス・メトリックの決定のセクションで説明した手順が反復され、フォーカス・メトリックが最大であるz位置が求められる。「最良の焦点」位置(例えば、
図9の804)が求められた後、測定された複素表面場が、その位置にフレネル伝播され、その位置に伝播された複素表面場についての表面プロファイルまたは高さマップが導出される。選択された表面特徴が高さマップから識別され、それらの選択された特徴を横切るデータ・トレースが高さマップから抽出される。空間周波数スペクトルがデータ・トレースのそれぞれから抽出され、それらの複素平均が取られ、平均空間周波数スペクトルが得られる。次いで、平均スペクトルが既知のステップ・エッジ・スペクトルで割られてITFが得られ、または
図6に示されるように、トレース・データをフィットすることによって得られるステップ高さで割られる。ITFが空間周波数の関数として
図10に示される。ゼロ周波数での値1へのITFの平滑な接近は、DC項(高さ正規化)がうまく処理されていることを示す。
【0074】
上記で略述したこの手順は、ステップ高さが各トレースで測定されるので、ステップ高さがアプリオリに知られていることを必要としない。
図11A〜11Eは、焦点をステップスルーする(step through)間の、焦点特徴の領域の計算された強度イメージを示す。連続する図の間には約80mmの変位増分がある。
図11Cは、フォーカス・メトリックによって求められる最良の焦点に対応し、そこでは線が視覚的に最もシャープである。焦点の両側では、
図11A、11B、11D、および11Eに示されるように、線がぼやけ、または2つに別れている。
【0075】
ITFは、IUTの性能をベンチマークする信頼性の高い方式でよい。機器が顧客に配送される前に、機器が仕様に準拠することを保証するためにIUTの製造業者によってITFを1回測定することができる。顧客への機器の配送時に、顧客が機器を受け取る前に、顧客によってITFを測定することができる。次いで、顧客は、システムの性能を追跡し、経時的な機器の性能の劣化があればそれを監視するために、機器のITFを周期的に測定することもできる。
【0076】
相異なる波長で動作する機器と共に、相異なる高さのステップを有するアーチファクトを使用することができる。一般には、ステップ高さが大き過ぎず(光の波長の≦5%)、小さ過ぎない(約5nmより大きい)限り、実際のステップ高さについての公差は比較的広い。波長の5%以下のステップ高さは、光伝達が線形である(すなわち、機器が表面のすべてのスペクトル成分を等しい忠実度で測定する)ことを保証することができ、機器の垂直高さ分解能が有限であるので、5nmを超える高さは、測定S/Nを改善することができる。短い波長範囲(約400nm以下)では、ステップ高さが増大するにつれて、測定値の非線形性が大きくなる。長い波長範囲(3〜5ミクロン以上)では、ステップ高さが表面上の様々な雑音と同程度となることがあり、測定値の信頼性が低下する。これらの公差はハード・ストップではなく、それらを超過するとき、性能はゆっくりと低下することがある。これらの範囲内で、機器は、実際のステップを確実に測定することができ、したがって、必要とされる正規化を行うことができる。633nmのHeNe波長で動作する機器についてうまく動作することのできる数値範囲は、10nmから45nmの範囲のステップ高さを含む。
【0077】
デジタル電子回路、またはコンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組合せでデータ処理要素の特徴を実装することができる。プログラム可能プロセッサによる実行のために、情報キャリア、例えば機械可読記憶デバイスで有形に実施されたコンピュータ・プログラム製品で特徴を実装することができ、入力データに対して動作し、出力を生成することによって記載の実装の機能を実施するために、命令のプログラムを実行するプログラム可能プロセッサによって特徴を実施することができる。データ記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受け取り、それらにデータおよび命令を送るように結合された少なくとも1つのプログラマブル・プロセッサを含むプログラマブル・システム上で実行可能な1つまたは複数のコンピュータ・プログラムで記載の特徴を実装することができる。コンピュータ・プログラムは、一定の活動を実施し、または一定の結果をもたらすためにコンピュータで直接的または間接的に使用することのできる命令のセットを含む。コンパイル型言語または解釈型言語を含む任意の形態のプログラミング言語でコンピュータ・プログラムを書くことができ、スタンド・アロン・プログラムとしての形態、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしての形態を含む任意の形態でコンピュータ・プログラムを配置することができる。
【0078】
命令のプログラムの実行のための適切なプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のコンピュータの複数のプロセッサのうちの1つを含む。一般には、プロセッサは、読取り専用メモリまたはランダム・アクセス・メモリあるいはその両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータは、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリとを含む。一般に、コンピュータはまた、データ・ファイルを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイスを含み、またはそれと通信するように動作可能に結合され、そのようなデバイスは、内部ハード・ディスクや取外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、および光ディスクを含む。コンピュータ・プログラム命令およびデータを有形に実施するのに適した記憶デバイスは、例として、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ・デバイスなどの半導体メモリ・デバイス、内部ハード・ディスクや取外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含む、すべての形態の不揮発性メモリを含む。プロセッサおよびメモリをASIC(特定用途向け集積回路)によって補足し、またはASIC内に組み込むことができる。
【0079】
ユーザとの対話を実現するために、CRT(陰極線管)、LCD(液晶ディスプレイ)モニタ、e−Inkディスプレイ、またはユーザに情報を表示するための別のタイプのディスプレイなどのディスプレイ・デバイスと、ユーザがそれによってコンピュータに入力を与えることのできるキーボードおよびマウスやトラックボールなどのポインティング・デバイスとを有するコンピュータ上で特徴を実装することができる。
【0080】
本明細書は多くの特定の実装詳細を含むが、これらを、何らかの発明の範囲または特許請求することのできる範囲に関する限定と解釈すべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に特有の特徴の説明と解釈すべきである。
【0081】
別々の実施形態の状況で本明細書で説明されるいくつかの特徴を、単一の実施形態で組み合わせて実装することもできる。逆に単一の実施形態の状況で説明される様々な特徴を、複数の実施形態で別々に実装し、または任意の適切な部分組合せで実装することもできる。
【0082】
さらに、特徴がいくつかの組合せで動作するものとして上記で説明され、さらにはそのように最初に特許請求されることがあるが、いくつかのケースでは、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴を組合せから削除することができ、特許請求される組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形を対象とすることができる。
【0083】
同様に、図面では動作が特定の順序で示されているが、望ましい結果を達成するために、そのような動作を図示される特定の順序で、または順次的に実施すること、またはすべての図示される動作が実施されることを必要とすると理解すべきではない。いくつかの環境では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であることがある。さらに、前述の実施形態での様々なシステム構成要素の分離が、すべての実施形態でそのような分離を必要とすると理解すべきではなく、一般には、記載のプログラム構成要素およびシステムを、単一のソフトウェア製品として共に一体化し、または複数のソフトウェア製品としてパッケージ化することができることを理解されたい。
【0084】
したがって、主題の特定の実施形態を説明した。他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。いくつかのケースでは、請求項に記載の動作を異なる順序で実施して、それでもなお望ましい結果を達成することができる。さらに、添付の図に記載の工程は、望ましい結果を達成するために、図示される特定の順序、または順次的順序を必ずしも必要としない。いくつかの実装では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であることがある。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明した。それでも、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正を行えることを理解されよう。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。