(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サブ画面データの一つは、前記機械データとして、複数のプログラム、複数の工具、複数のコマンド、又は、複数のマクロである複数の情報源を表示対象とし、前記複数の情報源の中の一つの情報源を一つの画面に表示するための単一画面データであり、
前記制御部は、前記表示部に前記単一画面データが表示されている場合に、スライド操作により現在表示されている前記一つの情報源から異なる前記一つの情報源に切り替える、請求項1−3の何れか一項に記載の工作機械用操作盤。
前記制御部は、前記工作機械の異常時に異常時画面データが表示される場合に、収集した異常診断データを、ネットワーク経由で外部サーバー又は解析システムへ送信する、請求項1−6の何れか一項に記載の工作機械用操作盤。
前記常時表示領域の前記メイン画面対応ボタンと、前記可変表示領域の前記第二メイン画面対応ボタンとは、同種の操作ボタンである、請求項1−8の何れか一項に記載の工作機械用操作盤。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(1.工作機械1の構成)
工作機械用操作盤6を備える工作機械1について、
図1を参照して説明する。工作機械1は、数値制御装置(NC装置)2、NC装置2に制御される複数の機器3、PLC4、PLC4に制御される複数の機器5、工作機械用操作盤6(以下、「操作盤」と称する)を備える。NC装置2は、各種の機械データを記憶する記憶部2a、記憶部2aに記憶される機械データを用いて複数の機器3を制御するNC制御部2bを備える。PLC4は、各種の機械データを記憶する記憶部4a、記憶部4aに記憶される機械データを用いて複数の機器5を制御するNC制御部4bを備える。
【0016】
操作盤6は、表示装置11、制御部12、画面データ記憶部13、稼働実績記憶部14、異常診断データ記憶部15を備える。表示装置11は、表示画面に各種データを表示する表示部11aと、表示部11aに表示された画面データの操作ボタンに対する入力(選択を含む)を受け付ける入力部11bとを備える。
【0017】
本実施形態においては、表示装置11は、タッチパネルを例に挙げており、入力部11bは、操作者によりタッチ入力を受け付けることになる。また、表示装置11は、液晶及びプラズマなどのディスプレイや、曲面画面を有する表示装置、三次元表示可能な表示装置などでもよい。なお、表示装置11は、タッチパネルに限定されることなく、種々の表示装置とすることもできる。さらに、入力部11bは、表示装置11とは別の装置として、例えば、ポインティングデバイス(画面にはポインタ表示)や、ウエアラブル入力操作装置などの種々の入力装置とすることもできる。ウエアラブル入力操作装置には、例えば、指などに装着する装置、眼鏡のように装着する装置などが適用できる。
【0018】
制御部12は、表示部11aに表示された操作ボタンに対する入力に基づいて、表示部11aに表示する画面データを変更する。制御部12は、表示部11aに表示する際に、NC装置2及びPLC4からデータを取得する。また、制御部12は、入力部11bに入力された情報を、NC装置2及びPLC4に出力する。
【0019】
画面データ記憶部13は、工作機械1の機械データを表示部11aに表示するための複数の画面データを記憶する。画面データは、各種パラメータを表示するためのフレーム及び操作ボタンを含み、フレームには、表示する各種パラメータのリンク先のアドレスが含まれる。
【0020】
稼働実績記憶部14は、工作機械1の稼働実績データを記憶する。稼働実績データには、当該工作機械の操作者の勤務シフトに応じて記憶されている。異常診断データ記憶部15は、工作機械1の異常時に自動収集される異常診断データを記憶する。
【0021】
(2.画面データの種類)
画面データ記憶部13に記憶される画面データの種類について、
図2及び
図3を参照して説明する。画面データ記憶部13に記憶される画面データは、
図2に示すように、1つのメニュー画面データ21、複数のメイン画面データ22、複数のサブ画面データ23及び複数のリスト表示データ24である。
【0022】
メニュー画面データ21、メイン画面データ22及びサブ画面データ23は、表示部11aにおける全画面領域を対象とするデータである。つまり、メニュー画面データ21、メイン画面データ22及びサブ画面データ23の外形は、表示部11aの表示領域に一致する。メニュー画面データ21は、メイン画面データ22及びサブ画面データ23に移動しやすくするための画面である。
【0023】
メイン画面データ22及びサブ画面データ23は、
図3に示すように、グループG1−G10に分類される。さらに、グループG1−G10の各々は、1つのメイン画面データ22を含んでいる。さらに、グループG1,G2,G3,G5,G7は、1又は複数のサブ画面データ23を含んでいる。また、メイン画面データ22の各々には、
図3に示すメイン画面対応ボタンが対応付けられている。
【0024】
本実施形態では、メイン画面対応ボタンは、アイコン付きボタンを適用する。このアイコンには、図形及びテキストが含まれており、それぞれ異なる色が付されている。なお、メイン画面対応ボタンは、図形のみのアイコン付きボタンを適用してもよく、テキストのみのボタンを適用してもよい。
【0025】
リスト表示データ24は、表示部11aにおける一部領域のみを対象とするデータである。リスト表示データ24は、グループG1,G2,G3,G5,G7において、サブ画面データ23をリスト表示したデータである。リスト表示データ24は、対応するグループのアイコンと、対応するサブ画面データの名称とが含まれる。さらに、リスト表示データ24は、それ自身のみが表示部11aに表示されるデータではなく、他の画面データ21,22,23が表示部11aに表示されている状態において手前側に重ね合わせて表示されるデータである。
【0026】
グループG1には、メイン画面データとして運転状態画面データが含まれ、サブ画面データとして手動ハンドル割込み画面データが含まれる。グループG2には、メイン画面データとしてプログラム一覧画面データが含まれ、サブ画面データとして、マクロ画面データとワーク座標画面データが含まれる。グループG3には、メイン画面データとして工具一覧画面データが含まれ、サブ画面データとして、工具補正画面データとマクロ画面データが含まれる。また、マクロ画面では、加工用プログラムや工具用データの定数や変数を閲覧、参照、変更可能になっている。
【0027】
グループG4には、メイン画面データとして定期点検画面データが含まれる。グループG5には、メイン画面データとしてモニタ画面データが含まれ、サブ画面データとして、信号状態画面データ、稼働実績画面データ、加工実績画面データ、エネルギー監視画面データリアルタイム熱変位画面データ、寿命管理画面データが含まれる。グループG6には、メイン画面データとして保持画面データが含まれる。
【0028】
グループG7には、メイン画面データとしてシステム画面データが含まれ、サブ画面データとして、システム管理画面データ、バックアップ管理画面データ、リアルタイム熱変位設定画面データが含まれる。グループG8−G10のそれぞれには、メイン画面データとして、ヘルプ画面データ、アラーム画面データ、伝言板画面データが含まれる。
【0029】
このように、工作機械の機能ごとに複数の分類分けをして(メイングループ)、そして、サブグループ(大分類グループのそれぞれのグループを複数分けしたもの)の分類分けをしており、操作者が容易に把握できるようになっている。また、サブグループの複数段の分類分けもすることができる。本実施形態では、工作機械の機能として、機械の運転状態、機械の加工プログラム、加工の工具情報、点検(定期的に一つ一つの機械の検査項目を検査すること)、モニタ(正常な状態などに保たれるように機械の状態を監視すること)、保守(機械の正常の状態などを維持すること)と複数の分類分けをして、操作者が容易に把握できるようになっている。特に、機械の異常状態を通知する機能など直ちに動作必要な機能は、上記分類と異なる分類にして、操作者が容易に把握でき、容易に操作可能となっている。
【0030】
(3.メニュー画面データ、メイン画面データ及びサブ画面データの概要)
メニュー画面データ21、メイン画面データ22及びサブ画面データ23の概要について、
図4を参照して説明する。ただし、
図4は、メニュー画面データ21を表示している。上述したように、画面データ21,22,23は、表示部11aにおける全画面領域を対象とするデータである。
【0031】
画面データ21,22,23は、下段にて常時表示される常時表示領域31と、中央の大部分の領域であって表示内容に応じたデータが表示される可変表示領域32と、上段にて主として常時表示される第二常時表示領域33とを含む構成となっている。
【0032】
常時表示領域31は、画面データ21,22,23の全てに、同一の内容を表示する領域である。つまり、画面データ21,22,23全ては、共通する常時表示領域31の情報を有する。常時表示領域31は、左端に、現在、可変表示領域32に表示されているグループに対応する現在アイコン31aが含まれ、その右に、操作ボタンとして、メニュー画面データ21に対応するメニュー画面対応ボタン31bが含まれる。常時表示領域31は、メニュー画面対応ボタン31bの右側に、操作ボタンとして、グループG1−G8のメイン画面データ22に対応するメイン画面対応ボタン31c−31jも含まれている。
【0033】
可変表示領域32は、画面データ21,22,23に応じて異なる内容を表示する領域である。つまり、画面データ21,22,23は、それぞれ異なる可変表示領域32の情報を有する。第二常時表示領域33は、ほとんどの画面データ21,22,23に、同一の内容を表示する領域である。つまり、ほとんどの画面データ21,22,23は、共通する常時表示領域31の情報を有する。第二常時表示領域33には、右端に、操作ボタンとして、伝言板画面データ33a及びアラーム画面データ33bが含まれている。
【0034】
さらに、上記における画面データの種類で説明したように、画面データ21,22,23のそれぞれ、他の画面データ21,22,23、及び、リスト表示データ24に関連付けられている。
【0035】
(4.メニュー画面データの詳細)
メニュー画面データ21の詳細について、
図4を参照して説明する。メニュー画面データ21には、常時表示領域31と、可変表示領域32と、第二常時表示領域33とが含まれる。常時表示領域31及び第二常時表示領域33は、上述した画面データの概要にて説明した内容が表示されている。
【0036】
メニュー画面データ21の可変表示領域32には、操作ボタンとして、グループG1−G8のメイン画面データ22に対応する第二メイン画面対応ボタン21a−21hが含まれている構成となっている。つまり、本実施形態においては、メニュー画面データ21の可変表示領域32には、常時表示領域33に表示されるメイン画面対応ボタン31c−31jと同種の操作ボタンが表示されている。ただし、メニュー画面データ21の可変表示領域32に表示される第二メイン画面対応ボタン21a−21hは、常時表示領域33に表示されるメイン画面対応ボタン31c−31jと異なる操作ボタンを表示するようにしてもよい。
【0037】
(5.常時表示領域に対する制御部の処理)
次に、画面データ21,22,23の全てに含まれる常時表示領域31に対する制御部12の処理について、
図5を参照して説明する。常時表示領域31は、画面データ21,22,23の全てに含まれるため、以下に説明する処理は、表示部11aにメニュー画面データ21が表示されている場合のみならず、どの画面データ21,22,23が表示されているときにも実行され得る。
【0038】
制御部12は、入力部11bにより、メニュー画面対応ボタン31bに対して入力を受け付けたか否かを判定する(ステップ1(以下、ステップはSと示す。))。制御部12は、入力を受け付けた場合には(S1:Yes)、メニュー画面データ21を表示部11aに表示させる(S2)。一方、制御部12は、当該入力を受け付けない場合には(S1:No)、処理をせずに次の処理を行う。
【0039】
続いて、制御部12は、メイン画面対応ボタン31c−31jの何れかに対する入力を受け付けたか否かを判定する(S3)。制御部12は、当該入力を受け付けない場合には(S3:No)、リターン処理をする。制御部12は、当該入力を受け付けた場合には(S3:Yes)、当該入力が短押し入力(第一入力:例えば、短時間のタッチ操作)であるか、長押し入力(第二入力:例えば、長時間のタッチ操作)であるかを判定する(S4)。
【0040】
制御部12は、メイン画面対応ボタン31c−31jの何れかに対して短押し入力(第一入力)を受け付けた場合には(S4:No)、対応するメイン画面データ22を表示部11aに表示する(S5)。この場合、表示部11aの可変表示領域32に表示されている内容が、対応するメイン画面データ22の可変表示領域32の情報に変更される。一方、制御部12は、メイン画面対応ボタン31c−31jの何れかに対して長押し入力(第二入力)を受け付けた場合には(S4:Yes)、対応するメイン画面データ22に関連するサブ画面データ23のリスト表示データ24を表示部11aに追加表示する(S6)。つまり、表示部11aには、画面データ21,22,23の表示が継続されつつ、対応するリスト表示データ24が手前側に重ね合わせて表示される。
【0041】
続いて、制御部12は、表示されたリスト表示データ24に対する入力(選択)(例えば短押し入力)を受け付けたか否かを判定し(S7)、入力を受け付けた場合には(S7:Yes)、対応するサブ画面データ23を表示部11aに表示する(S8)。この場合、表示部11aの可変表示領域32に表示されている内容が、対応するサブ画面データ23の可変表示領域32の情報に変更される。一方、制御部12は、当該入力を受け付けない場合、すなわち他の入力などを受け付けた場合には(S7:No)、リターン処理をする。
【0042】
(6.メニュー画面データ21の可変表示領域32の処理)
次に、
図4に示すメニュー画面データ21が表示部11aに表示されている場合に、入力部11bによる可変表示領域32に対する入力を受け付けた場合における制御部12の処理について、
図6を参照して説明する。メニュー画面データ21の可変表示領域32には、操作ボタンとして、グループG1−G8のメイン画面データ22に対応する第二メイン画面対応ボタン21a−21hが含まれている構成となっている。
【0043】
制御部12は、第二メイン画面対応ボタン21a−21hの何れかに対して短押し入力(第一入力)を受け付けたか否かを判定する(S11)。制御部12は、当該入力を受け付けた場合には(S11:Yes)、対応するメイン画面データ22を表示部11aに表示する(S12)。この場合、表示部11aの可変表示領域32に表示されている内容が、対応するメイン画面データ22の可変表示領域32の情報に変更される。一方、制御部12は、当該入力を受け付けない場合には(S11:No)、リターン処理をする。
【0044】
(7.プログラム情報画面(グループG2))
次に、画面データ21,22,23の常時表示領域31のメイン画面対応ボタン31c−31jのうち、制御部12がグループG2のプログラム一覧に関連するメイン画面対応ボタン31dに対する入力を受け付けた場合における表示部11aの表示画面について、
図7A−
図7C,
図8を参照して説明する。
【0045】
表示部11aに画面データ21,22,23,(24)の何れかが表示されている場合に、常時表示領域31におけるプログラム一覧画面データ40(22)に対応するメイン画面対応ボタン31dが短押し入力された場合には(
図5のS5)、表示部11aには、
図7Aに示す表示画面が表示される。また、
図4に示すメニュー画面データ21が表示部11aに表示されている場合に、プログラム一覧画面データ40(22)に対応する第二メイン画面対応ボタン21bが短押し入力された場合にも(
図6のS12)、同様に、
図7Aに示す表示画面が表示される。
【0046】
プログラム一覧画面データ40(22)は、下段の常時表示領域31と、中央の大部分の領域の可変表示領域32と、上段の第二常時表示領域33とを含む構成となっている。常時表示領域31及び第二常時表示領域33には、上述した画面データの概要にて説明した内容が表示されている。
【0047】
プログラム一覧画面データ40(22)の可変表示領域32は、左側にリスト領域40aを備え、右側に詳細情報領域40bを備える。さらに、プログラム一覧画面データ40は、詳細情報領域40bの上に、詳細情報選択ボタン40cを備える。
【0048】
リスト領域40aは、NC装置2又はPLC4などに記憶されているプログラム(情報源)を表示対象とし、プログラムの名称リストが表示される。詳細情報領域40bは、リスト領域40aに表示される名称リストの中から選択された選択対象に関連する詳細情報を表示する。
図7Aの詳細情報領域40bには、選択対象のプログラムそのものであるプレビュー画面が表示される。
【0049】
図7Aにおいて、詳細情報選択ボタン40cのうち「プログラム構成」ボタンに対して入力操作が行われると、
図7Bに示す表示画面が表示部11aに表示される。
図7Bの詳細情報領域40bには、選択対象のプログラムの構成図が表示される。また、
図7A、
図7Bにおいて、詳細情報選択ボタン40cのうち「使用工具一覧」ボタンに対して入力操作が行われると、
図7Cに示す表示画面が表示部11aに表示される。
図7Cの詳細情報領域40bには、選択対象のプログラムに使用される工具一覧が表示される。
【0050】
一方、表示部11aに画面データ21,22,23,(24)の何れかが表示されている場合に、常時表示領域31におけるプログラム一覧画面データ40(22)に対応するメイン画面対応ボタン31dが長押し入力された場合には(
図5のS6)、表示部11aの可変表示領域32には、グループG2のリスト表示データ41(24)が手前側に重ね合わせて表示される。
図8には、メニュー画面データ21が表示部11aに表示されている状態において、上記操作を行った場合の表示画面を表示している。詳細には、表示部11aにおいて、プログラム一覧画面データ40(22)に対応するメイン画面対応ボタン31dの近傍に、グループG2のリスト表示データ41(24)が手前側に重ね合わせて表示される。このリスト表示データ41(24)には、マクロとワーク座標が含まれている。そこで、操作者が何れかに対して入力操作(選択操作)を行うと、入力操作(選択操作)された方に対応するサブ画面データ23(詳細は図示せず)が表示部11aに表示される。
【0051】
(8.工具情報画面(グループG3))
次に、画面データ21,22,23の常時表示領域31のメイン画面対応ボタン31c−31jのうち、制御部12がグループG3の工具一覧に関連するメイン画面対応ボタン31eに対する入力を受け付けた場合における表示部11aの表示画面について、
図9−
図11を参照して説明する。
【0052】
表示部11aに画面データ21,22,23,(24)の何れかが表示されている場合に、常時表示領域31における工具一覧画面データ50(22)に対応するメイン画面対応ボタン31eが短押し入力された場合には(
図5のS5)、表示部11aには、
図9に示す表示画面が表示される。また、
図4に示すメニュー画面データ21が表示部11aに表示されている場合に、工具一覧画面データ50(22)に対応する第二メイン画面対応ボタン21cが短押し入力された場合にも(
図6のS12)、同様に、
図9に示す表示画面が表示される。
【0053】
工具一覧画面データ50(22)は、下段の常時表示領域31と、中央の大部分の領域の可変表示領域32と、上段の第二常時表示領域33とを含む構成となっている。常時表示領域31及び第二常時表示領域33には、上述した画面データの概要にて説明した内容が表示されている。
【0054】
工具一覧画面データ50(22)の可変表示領域32は、左側にリスト領域50aを備え、右側に詳細情報領域50bを備える。リスト領域50aは、NC装置2又はPLC4などに記憶されている工具(情報源)を表示対象とし、工具の名称リストが表示される。詳細情報領域50bは、リスト領域50aに表示される名称リストの中から選択された選択対象に関連する詳細情報を表示する。
【0055】
一方、表示部11aに画面データ21,22,23,(24)の何れかが表示されている場合に、常時表示領域31における工具一覧画面データ50(22)に対応するメイン画面対応ボタン31eが長押し入力された場合には(
図5のS6)、表示部11aの可変表示領域32には、グループG3のリスト表示データ51(24)が手前側に重ね合わせて表示される。
図10には、メニュー画面データ21が表示部11aに表示されている状態において、上記操作を行った場合の表示画面を表示している。詳細には、表示部11aにおいて、工具一覧画面データ50(22)に対応するメイン画面対応ボタン31eの近傍に、グループG3のリスト表示データ51(24)が手前側に重ね合わせて表示される。このリスト表示データ51(24)には、工具補正とマクロとが含まれている。
【0056】
そして、操作者が、工具補正に対して入力操作(選択操作)を行うと、
図11に示す1個の工具補正に関する詳細情報を含むサブ画面データ52(23)が表示部11aに表示される。このサブ画面データ52(23)は、複数の情報源の中の1個の情報源に関する詳細情報を表示するための画面データであることから、単一画面データと称する。つまり、表示部11aに表示される単一画面データには、複数の工具補正に関する詳細情報(複数の情報源)の中の一つの工具補正に関する詳細情報(一つの情報源)が含まれる。
【0057】
図11に示す工具補正に関する詳細情報を含むサブ画面データ(単一画面データ)52(23)は、
図9に示す工具一覧画面データ50(22)の詳細情報領域50bに対して入力操作(タッチ入力)されることによっても、表示される。つまり、表示部11aの表示画面は、工具一覧画面データ50(22)から、工具補正に関する詳細情報を含むサブ画面データ(単一画面データ)52(23)に移動する。
【0058】
また、
図11に示す工具補正に関する詳細情報を含むサブ画面データ(単一画面データ)52(23)が表示部11aに表示されている場合に、制御部12は、操作者によるスライド操作により、現在表示されている工具に関する詳細情報から、異なる工具(次に登録されている工具)に関する詳細情報に切り替える。
【0059】
ここで、表示装置11がタッチパネルである場合には、スライド操作とは、操作者が画面に触れ、その指先を横や縦などにスライドさせるスワイプ操作に相当する。この他のスライド操作として、他のパーソナルコンピュータのマウスでのスライド操作やウエアラブル入力操作装置によるスライド操作でもよい。ウエアラブル入力操作装置には、例えば、指などに装着する装置、眼鏡のように装着する装置などが適用できる。
【0060】
(9.モニタ画面(グループG5))
次に、画面データ21,22,23の常時表示領域31のメイン画面対応ボタン31c−31jのうち、制御部12がグループG5のモニタに関連するメイン画面対応ボタン31gに対する入力を受け付けた場合における表示部11aの表示画面について、
図12及び
図13を参照して説明する。
【0061】
表示部11aに画面データ21,22,23,(24)の何れかが表示されている場合に、常時表示領域31におけるモニタ画面データ60(22)に対応するメイン画面対応ボタン31gが短押し入力された場合には(
図5のS5)、表示部11aには、監視頻度の高い情報の一部を含む表示画面(図示せず)が表示される。また、
図4に示すメニュー画面データ21が表示部11aに表示されている場合に、モニタ画面データ60(22)に対応する第二メイン画面対応ボタン21eが短押し入力された場合にも(
図6のS12)、同様に、上記表示画面(図示せず)が表示される。
【0062】
一方、表示部11aに画面データ21,22,23,(24)の何れかが表示されている場合に、常時表示領域31におけるモニタ画面データ60(22)に対応するメイン画面対応ボタン31gが長押し入力された場合には(
図5のS6)、表示部11aの可変表示領域32には、グループG5のリスト表示データ61(24)が手前側に重ね合わせて表示される。
図12には、メニュー画面データ21が表示部11aに表示されている状態において、上記操作を行った場合の表示画面を表示している。詳細には、表示部11aにおいて、モニタ画面データ60(22)に対応するメイン画面対応ボタン31gの近傍に、グループG5のリスト表示データ61(24)が手前側に重ね合わせて表示される。このリスト表示データ61(24)には、信号状態、稼働実績、加工実績、エネルギー監視、リアルタイム熱変位、寿命管理が含まれている。そして、操作者が、稼働実績に対して入力操作(選択操作)を行うと(
図12の(1)を長押し入力して(2)を短押し入力)、
図13に示す稼働実績に関するサブ画面データ62(23)が表示される。
【0063】
稼働実績に関するサブ画面データ(稼働実績画面データ)62(23)の可変表示領域32には、稼働実績データを表示する稼働実績表示領域62a、及び、複数の勤務シフト種別ボタン62bが含まれる。稼働実績表示領域62aには、稼働状態割合に関するグラフ表示領域62a1及び数値表示領域62a2、稼働率に関するグラフ表示領域62a3及び数値表示領域62a4、稼働状態別時間に関するグラフ表示領域62a5及び数値表示領域62a6が含まれる。勤務シフト種別ボタン62bは、勤務シフト全てを含むボタン、昼勤シフトのボタン、夜勤シフトのボタンなどである。
【0064】
ここで、稼働状態割合とは、運転中状態の累積時間の割合、各個加工中状態の累積時間の割合、運転準備ON状態の累積時間の割合、異常状態の累積時間の割合などである。稼働率とは、記録日毎の稼働率(%)である。稼働状態別時間とは、記録日毎における運転中状態の時間、各個加工中状態の時間、運転準備ON状態の時間、異常状態の時間どのである。
【0065】
そして、制御部12は、表示部11aに稼働実績画面データ62(23)が表示されている場合であって、複数の勤務シフト種別ボタン62bに対する入力(選択)を受け付けた場合には、稼働実績表示領域62aの表示内容を、入力を受け付けた(選択された)勤務シフト種別に対応する勤務シフトに関連する稼働実績データに切替表示する。
【0066】
(10.異常画面)
工作機械1の異常時には、
図14に示す異常時画面データ72(22)が表示部11aに表示される。異常時画面データ72(22)には、右下にサービスコールボタン72aが含まれる。
図3のメイン画面データ22には記載していないが、他のメイン画面データ22と同様なデータとなっている。そして、異常時画面データ72(22)が表示部11aに表示されると、前に表示されていた画面と重ね合わされて表示される(
図14に記載のように手前側に重ね合わされる)。表示部11aに異常時画面データ72(22)が表示されている場合の制御部12の処理について、
図14及び
図15を参照しながら説明する。
【0067】
異常時画面データ72(22)が表示部11aに表示されている場合に、操作者がサービスコールボタン72aに対する入力を行うと(S21:Yes)、
図14の中央に示す画面を含む連絡先情報に関する画面が表示される(S22)。連絡先情報の画面には、サービスコールのための連絡先情報が記載されており、異常診断データ収集ボタン、及び、遠隔診断ボタンが含まれる。
【0068】
操作者によって異常診断データ収集ボタンに対する入力操作が行われた場合には(S23:Yes)、制御部12は、異常診断データの自動収集を行う(S24)。そして、制御部12は、異常診断データ記憶部15に、自動収集を行った異常診断データを記憶する。操作者は、自動収集された異常診断データを外部メディアに記録して、サービスコールに送付する。また、異常診断データを操作盤6などに接続されているネットワーク(LAN)経由で、外部サーバーや解析システムへ送信してもよい。
【0069】
また、第一入力、第二入力として、短押し入力、長押し入力としたが、いわゆるスマートフォンなどで行うタップ、ロングタップの操作としてもよく、ダブルタップ、フリック、スワイプ、ピンチ、マルチタップ、又は、パーソナルコンピュータで使用されるポインティングデバイス(画面にはポインタ表示)でも入力可能である。また、スマートフォンで、無線又は有線通信での遠隔操作を行ってもよいし、ウエアラブル入力操作装置によっても短押し入力、長押し入力などを行うようにしてもよい。もちろん、他の動作による入力も可能である。また、入力部11bがタッチパネルとしての表示装置11に含まれるものとしたが、タッチパネル以外の位置に設けることもできる。
【0070】
(11.実施形態の効果)
上記実施形態の工作機械用操作盤6は、操作ボタンを含み工作機械1の機械データを表示するための複数の画面データ21,22,23,(24)を記憶する画面データ記憶部13と、複数の画面データ21,22,23,(24)のうち少なくとも一つを表示する表示部11aと、表示部11aに表示された画面データ21,22,23,(24)の操作ボタンに対する入力を受け付ける入力部11bと、表示部11aに表示された操作ボタンに対する入力に基づいて、表示部11aに表示する画面データ21,22,23,(24)を変更する制御部12とを備える。
【0071】
そして、複数の画面データ21,22,23,(24)は、複数のグループG1−G10に分類され、各グループG1−G10においてメイン画面データ22とメイン画面データ22に関連付けられたサブ画面データ23とに分類される。画面データ記憶部13は、各グループG1−G10におけるサブ画面データ23をリスト表示したリスト表示データ24をさらに記憶する。複数の画面データ21,22,23の全ては、常時表示領域31に、操作ボタンとして、メイン画面データ22のそれぞれに対応付けられた複数のメイン画面対応ボタン31c−31jを含む。
【0072】
さらに、制御部12は、複数のメイン画面対応ボタン31c−31jの一つに対して短押し入力(第一入力)を受け付けた場合には、対応するメイン画面データ22を表示部11aに表示する。一方、制御部12は、複数のメイン画面対応ボタン31c−31jの一つに対して長押し入力(第二入力)を受け付けた場合には、対応するメイン画面データ22に関連するサブ画面データ23のリスト表示データ24を表示部11aに表示する。さらに、制御部12は、リスト表示データ24に対する入力(選択)を受け付けた場合には、対応するサブ画面データ23を表示部11aに表示する。
【0073】
つまり、複数の画面データ21,22,23をグループ分けすると共に、各グループG1−G10の中で、1つのメイン画面データ22と1又は複数のサブ画面データ23に分ける。さらに、全ての画面データ21,22,23に、常時表示領域31を設定し、この常時表示領域31に、各グループG1−G10に対応するメイン画面対応ボタン31c−31jが表示される。従って、操作者は、常時表示領域31から、目的のグループに含まれる情報を表示することを容易に把握できる。
【0074】
さらに、常時表示領域31におけるメイン画面対応ボタン31c−31jに対する操作方法に応じて、メイン画面データ22を表示する場合と、サブ画面データ23のリスト表示する場合とを区別している。具体的には、操作者がメイン画面対応ボタン31c−31jに対して短押し入力(第一入力)を行うと、対応するメイン画面データ22が表示される。一方、操作者がメイン画面対応ボタン31c−31jに対して長押し入力(第二入力)を行うと、サブ画面データ23のリスト表示データ24が表示される。リスト表示データ24が表示された後に、操作者が、リストのうちの何れかに対する入力操作(選択操作)を行えば、対応するサブ画面データ23が表示される。このように、操作者にとって、どの画面データが表示されている状態であっても、目的の画面データを表示するための操作が非常に容易に把握しやすい。
【0075】
特に、グループ分けされた中でメイン画面データ22とサブ画面データ23に分類することで、メイン画面対応ボタン31c−31jに対する短押し入力(第一入力)を行うだけで、容易にメイン画面データ22を表示することができる。このように、グループの中で閲覧頻度の高い画面データをメイン画面データ22に設定することで、少ない操作によって、目的の画面データを表示することができる。
【0076】
以上のように、本実施形態に係る工作機械用操作盤6は、操作性の良好にすることで、熟練者でなくても目的の画面に移動させる手順を容易に把握できる。
【0077】
また、本実施形態の工作機械用操作盤6においては、画面データ記憶部13は、常時表示領域31に複数のメイン画面対応ボタン31c−31jを含むと共に、可変表示領域32に操作ボタンとしてメイン画面データ22のそれぞれに対応づけられた複数の第二メイン画面対応ボタン21a−21hを含むメニュー画面データ21をさらに記憶する。
【0078】
制御部12は、メニュー画面データ21が表示部11aに表示されている場合であって、複数の第二メイン画面対応ボタン21a−21hの一つに対して短押し入力(第一入力)を受け付けた場合には、対応するメイン画面データ22を表示部11aに表示する。
【0079】
つまり、メニュー画面データ21が表示部11aに表示されている場合には、表示部11aには、常時表示領域31にメイン画面対応ボタン31c−31jが表示され、可変表示領域32に第二メイン画面対応ボタン21a−21hが表示される。表示部11aに、メイン画面データ22及びサブ画面データ23が表示される場合であっても、メニュー画面データ21が表示される場合であっても、常時表示領域31にはメイン画面対応ボタン31c−31jを表示している。このように、メニュー画面データ21においても、常時表示領域31に、メイン画面データ22及びサブ画面データ23と同様に、メイン画面対応ボタン31c−31jを表示することで、作業者は一貫した操作を行うことができる。従って、作業者に対する操作性が良好となる。
【0080】
さらに、メニュー画面データ21の可変表示領域32には、メイン画面対応ボタン31c−31jに対応するように、第二メイン画面対応ボタン21a−21hが表示されている。従って、表示内容の統一感があり、操作者にとってメニュー画面データの操作性が良好となる。
【0081】
また、メイン画面データ22の一つは、機械データとして、プログラム、工具、コマンド、又は、マクロである情報源を表示対象とし、情報源の名称リストが表示されるリスト領域40a,50aと、リスト領域40a,50aに表示される名称リストの中から選択された選択対象に関連する詳細情報を表示する詳細情報領域40b,50bとを備える複数種画面データ40,50である。
【0082】
複数種画面データ40,50は、1画面で複数の情報を表示することができる。特に、複数種画面データ40,50は、閲覧頻度の高い画面データとなるため、メイン画面データ22の一つとして、複数種画面データ40,50を設定することにより、操作者にとって操作性が良好となる。なお、本実施形態においては、複数種画面データの例として、プログラム一覧画面データ40及び工具一覧画面データ50について説明したが、他に、コマンド一覧画面データ、マクロ一覧画面データなどを含むようにすることもできる。
【0083】
また、詳細情報領域40b,50bは、名称リストの中から選択された選択対象に関連する複数種の詳細情報を切替表示可能である。これにより、メイン画面データ22としての複数種画面データ40,50において、名称リストとその詳細情報について、操作者は容易に把握できる。
【0084】
また、サブ画面データ23の一つは、機械データとして、複数のプログラム、複数の工具、複数のコマンド、又は、複数のマクロである複数の情報源を表示対象とし、複数の情報源の中の一つの情報源を一つの画面に表示するための単一画面データ52である。このとき、制御部12は、表示部11aに単一画面データ52が表示されている場合に、スライド操作により現在表示されている一つの情報源から異なる一つの情報源に切り替える。これにより、操作者にとって容易に理解しやすいスライド操作によって、単一画面データ52に表示される情報源を切り替えることができる。
【0085】
また、複数の画面データ22,23の一つは、工作機械1の稼働実績データを表示する稼働実績表示領域62aと、複数の勤務シフト種別ボタン62bを備える稼働実績画面データ62である。このとき、制御部12は、表示部11aに稼働実績画面データが表示されている場合であって、複数の勤務シフト種別ボタン62bに対する入力を受け付けた場合には、入力を受け付けた(選択された)勤務シフト種別に対応する勤務シフトに関連する稼働実績データに切替表示する。これにより、操作者は、勤務シフト種別に応じた稼働実績を容易に把握できる。
【0086】
また、複数の画面データ22,23の一つは、工作機械1の異常時に表示され、異常診断データ収集ボタンを備える異常時画面データ72である。このとき、制御部12は、工作機械1の異常時に異常時画面データ72が表示されている場合であって、異常診断データ収集ボタンに対する入力を受け付けた場合には、異常診断データの自動収集を行う。これにより、操作者は、容易に異常診断データを取得できる。