特許第6812912号(P6812912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6812912
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】FET駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/04 20060101AFI20201228BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20201228BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   H03K17/04 E
   H02M1/08 A
   H02M1/08 C
   H03K17/687 A
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-124338(P2017-124338)
(22)【出願日】2017年6月26日
(65)【公開番号】特開2019-9645(P2019-9645A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2020年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】林 旻
(72)【発明者】
【氏名】松浦 研
【審査官】 角張 亜希子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−224966(JP,A)
【文献】 特表2009−535986(JP,A)
【文献】 特開2011−166271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M1/00−3/44
7/42−7/98
H03F1/00−3/45
3/50−3/52
3/62−3/64
3/68−3/72
H03K17/00−17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧が入力される正負2つの直流入力端子と、
駆動対象のFETのゲート端子およびソース端子に接続される2つの出力端子と、
スイッチング素子と、
前記スイッチング素子の両端間に接続された共振キャパシタンスと、
前記直流入力端子間に前記スイッチング素子と共に直列に接続されたLC共振回路とを備え、前記スイッチング素子のスイッチング動作時に前記両端間に発生する電圧を前記FET用の駆動電圧として前記2つの出力端子間に出力するFET駆動回路であって、
前記LC共振回路は、
前記2つの直流入力端子のうちの一方の直流入力端子に接続される第1接続部および前記スイッチング素子に接続される第2接続部を有すると共に、インダクタンスを含んで構成される電流経路、およびインダクタンスとキャパシタンスとの直列回路を含んで構成される電流経路が当該第1接続部および当該第2接続部間に形成された1端子対回路網として構成され、かつ当該第1接続部および当該第2接続部間のインピーダンスの周波数特性において2つの共振周波数を有して、当該2つの共振周波数のうちの低域の第1の共振周波数が前記スイッチング素子のスイッチング周波数より高くなると共に当該第1の共振周波数での前記インピーダンスが極大となり、当該2つの共振周波数のうちの高域の第2の共振周波数が前記スイッチング周波数の略2倍となると共に当該第2の共振周波数での前記インピーダンスが極小となるように構成されているFET駆動回路。
【請求項2】
前記LC共振回路は、
前記インピーダンスの周波数特性において前記第2の共振周波数よりも高い周波数帯域にさらに2つの共振周波数を有して、当該2つの共振周波数のうちの低域の第3の共振周波数での前記インピーダンスが極大となり、当該2つの共振周波数のうちの高域の第4の共振周波数が前記スイッチング周波数の略4倍となると共に当該第4の共振周波数での前記インピーダンスが極小となるように構成されている請求項1記載のFET駆動回路。
【請求項3】
前記LC共振回路は、
第1のインダクタンス、第2のインダクタンスおよび第1のキャパシタンスを内部に含み、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第1のインダクタンスが接続されると共に、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第2のインダクタンスと前記第1のキャパシタンスとが直列に接続されている請求項1記載のFET駆動回路。
【請求項4】
前記LC共振回路は、
第3のインダクタンス、第4のインダクタンスおよび第2のキャパシタンスを内部に含み、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第3のインダクタンスと前記第4のインダクタンスとが直列に接続されると共に、
前記第4のインダクタンスに前記第2のキャパシタンスが並列に接続されている請求項1記載のFET駆動回路。
【請求項5】
前記LC共振回路は、
第5のインダクタンス、第6のインダクタンス、第7のインダクタンス、第3のキャパシタンスおよび第4のキャパシタンスを内部に含み、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第5のインダクタンスが接続され、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第6のインダクタンスと前記第3のキャパシタンスとが直列に接続され、
かつ前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第7のインダクタンスと前記第4のキャパシタンスとが直列に接続されている請求項2記載のFET駆動回路。
【請求項6】
前記LC共振回路は、
第8のインダクタンス、第9のインダクタンス、第10のインダクタンス、第5のキャパシタンスおよび第6のキャパシタンスを内部に含み、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第8のインダクタンスと前記第9のインダクタンスと前記第10のインダクタンスとが直列に接続され、
前記第9のインダクタンスに前記第5のキャパシタンスが並列に接続され、
かつ前記第10のインダクタンスに前記第6のキャパシタンスが並列に接続されている請求項2記載のFET駆動回路。
【請求項7】
前記LC共振回路は、
第11のインダクタンス、第12のインダクタンス、第13のインダクタンス、第7のキャパシタンスおよび第8のキャパシタンスを内部に含み、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第11のインダクタンスと前記第12のインダクタンスと前記第13のインダクタンスとがこの順に直列に接続され、
前記第12のインダクタンスおよび前記第13のインダクタンスの直列回路に前記第7のキャパシタンスが並列に接続され、
かつ前記第13のインダクタンスに前記第8のキャパシタンスが並列に接続されている請求項2記載のFET駆動回路。
【請求項8】
前記LC共振回路は、
第14のインダクタンス、第15のインダクタンス、第16のインダクタンス、第9のキャパシタンスおよび第10のキャパシタンスを内部に含み、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第14のインダクタンスが接続され、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第9のキャパシタンスと前記第10のキャパシタンスと前記第16のインダクタンスとがこの順に直列に接続され、
かつ前記第10のキャパシタンスおよび前記第16のインダクタンスの直列回路に前記第15のインダクタンスが並列に接続されている請求項2記載のFET駆動回路。
【請求項9】
前記LC共振回路は、
第17のインダクタンス、第18のインダクタンス、第19のインダクタンス、第11のキャパシタンスおよび第12のキャパシタンスを内部に含み、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第17のインダクタンスと前記第11のキャパシタンスと前記第18のインダクタンスとがこの順に直列に接続され、
前記第11のキャパシタンスおよび前記第18のインダクタンスの直列回路に前記第19のインダクタンスが並列に接続され、
かつ前記第18のインダクタンスに前記第12のキャパシタンスが並列に接続されている請求項2記載のFET駆動回路。
【請求項10】
前記LC共振回路は、
第20のインダクタンス、第21のインダクタンス、第22のインダクタンス、第13のキャパシタンスおよび第14のキャパシタンスを内部に含み、
前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第20のインダクタンスと前記第13のキャパシタンスと前記第21のインダクタンスとがこの順に直列に接続され、
かつ前記第13のキャパシタンスおよび前記第21のインダクタンスの直列回路に前記第22のインダクタンスと前記第14のキャパシタンスとがそれぞれ並列に接続されている請求項2記載のFET駆動回路。
【請求項11】
前記LC共振回路は、
内部に磁気結合されているインダクタンスを含んでいる請求項1から10のいずれかに記載のFET駆動回路。
【請求項12】
前記スイッチング素子は、E級スイッチング動作をする請求項1から11のいずれかに記載のFET駆動回路。
【請求項13】
前記スイッチング素子の一端と前記2つの出力端子のうちの一方の出力端子とを接続する経路、および前記スイッチング素子の他端と当該2つの出力端子のうちの他方の出力端子とを接続する経路のうちの少なくとも一方に直流カット用キャパシタンスが接続されている請求項1から12のいずれかに記載のFET駆動回路。
【請求項14】
前記スイッチング素子の一端と前記2つの出力端子のうちの一方の出力端子とを接続する経路、および前記スイッチング素子の他端と当該2つの出力端子のうちの他方の出力端子とを接続する経路の双方に前記直流カット用キャパシタンスが接続されている請求項13記載のFET駆動回路。
【請求項15】
前記駆動電圧に直流バイアスを付与するバイアス付与回路が前記2つの出力端子間に接続されている請求項13または14記載のFET駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバータ、インバータおよびスイッチング電源などにスイッチング素子として使用されるFET(電界効果型トランジスタ)を駆動するFET駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高スイッチング周波数でFET(例えば、MOSFET)を動作させるためのFET駆動回路として、共振型のFET駆動回路がよく知られている(下記の非特許文献1および特許文献1参照)。
【0003】
非特許文献1には、この文献中の図5において、駆動対象としてのFETのゲート端子とソース端子との間に接続されたスイッチ素子(MOSFET)と、駆動対象のFETのゲート端子に接続されてこのスイッチ素子の負荷ネットワークとして機能するLC共振回路とを備えて構成されて、台形の共振ゲート駆動電圧をFETに出力し得る自励型のFET駆動回路が開示されている。
【0004】
また、特許文献1には、一端が駆動対象としてのFETのゲート端子に接続されたインダクタと、電源電圧が出力される電源の一端とインダクタの他端との間に接続された第1のスイッチと、電源のこの一端とインダクタの一端との間に接続された第3のスイッチと、接地された電源の他端とインダクタの他端との間に接続された第2のスイッチと、電源のこの他端とインダクタの一端との間に接続された第4のスイッチとを備えたFET駆動回路が開示されている。このFET駆動回路では、この4つのスイッチがこの文献中の図3に示されるタイミングで駆動されることにより、インダクタにプリチャージングを生じさせ、これによって駆動対象のFETのゲート容量を高速に充放電すること(つまり、ゲート−ソース間電圧の電圧勾配をより急勾配にすること、言い換えれば、立ち上がりおよび立ち下がりの各時間をより短くすること)が可能となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Very-High-Frequency Resonant Boost Converters、IEEE TRANSACTIONS ON POWER ELECTRONICS, VOL.24, NO. 6, JUNE 2009, PP 1654-1665.
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2007−501544号公報(第6−8頁、第1,3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の非特許文献1のFET駆動回路には、自励型のため、設計が複雑になるという課題と共にスイッチング周波数が変動することがあるという課題がある。また、2次高調波成分を抑えるLC共振回路が、駆動回路内の各部に独立して分散しているため、高周波でスイッチング駆動動作する際に実装パターンの引き回しの影響が大きくなるという課題と共に、この影響によって共振駆動動作を最適化、安定化させることが難しい等の課題もある。加えて、部品実装コストダウン(生産コスト低減)、部品実装面積縮小(装置の小型化)、および装置全体としての動作を最適化させるための調整が難しい等の課題もある。一方、上記の特許文献1のFET駆動回路には、他励型であることから上記した非特許文献1のFET駆動回路での課題(設計が複雑となる、スイッチング周波数が変動するという課題)は生じないものの、4つのスイッチが必要となるため、回路のコストが上昇すると共に、クロス導通を防ぐためのデッドタイム設定が必要なことから、更なる高周波動作が困難になるという課題が生じる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、駆動対象のFETのゲート端子に供給する駆動波形の立ち上がりおよび立ち下がりの電圧勾配をより大きくし得る(つまり、この駆動波形の立ち上がりおよび立ち下がりの各時間をより短くし得る)と共に、スイッチング周波数の変動を回避しつつ、スイッチの数を低減することで部品実装コストダウン(生産コスト低減)、部品実装面積縮小(装置の小型化)の点で有利で、且つより低損失で、高周波動作が可能とするFET駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、本発明に係るFET駆動回路では、直流電圧が入力される正負2つの直流入力端子と、駆動対象のFETのゲート端子およびソース端子に接続される2つの出力端子と、スイッチング素子と、前記スイッチング素子の両端間に接続された共振キャパシタンスと、前記直流入力端子間に前記スイッチング素子と共に直列に接続されたLC共振回路とを備え、前記スイッチング素子のスイッチング動作時に前記両端間に発生する電圧を前記FET用の駆動電圧として前記2つの出力端子間に出力するFET駆動回路であって、前記LC共振回路は、前記2つの直流入力端子のうちの一方の直流入力端子に接続される第1接続部および前記スイッチング素子に接続される第2接続部を有すると共に、インダクタンスを含んで構成される電流経路、およびインダクタンスとキャパシタンスとの直列回路を含んで構成される電流経路が当該第1接続部および当該第2接続部間に形成された1端子対回路網として構成され、かつ当該第1接続部および当該第2接続部間のインピーダンスの周波数特性において2つの共振周波数を有して、当該2つの共振周波数のうちの低域の第1の共振周波数が前記スイッチング素子のスイッチング周波数より高くなると共に当該第1の共振周波数での前記インピーダンスが極大となり、当該2つの共振周波数のうちの高域の第2の共振周波数が前記スイッチング周波数の略2倍となると共に当該第2の共振周波数での前記インピーダンスが極小となるように構成されている。
【0010】
この場合、前記LC共振回路は、第1のインダクタンス、第2のインダクタンスおよび第1のキャパシタンスを内部に含み、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第1のインダクタンスが接続されると共に、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第2のインダクタンスと前記第1のキャパシタンスとが直列に接続されている。
【0011】
あるいは、前記LC共振回路は、第3のインダクタンス、第4のインダクタンスおよび第2のキャパシタンスを内部に含み、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第3のインダクタンスと前記第4のインダクタンスとが直列に接続されると共に、前記第4のインダクタンスに前記第2のキャパシタンスが並列に接続されている。
【0012】
本発明に係るFET駆動回路では、前記LC共振回路は、前記インピーダンスの周波数特性において前記第2の共振周波数よりも高い周波数帯域にさらに2つの共振周波数を有して、当該2つの共振周波数のうちの低域の第3の共振周波数での前記インピーダンスが極大となり、当該2つの共振周波数のうちの高域の第4の共振周波数が前記スイッチング周波数の略4倍となると共に当該第4の共振周波数での前記インピーダンスが極小となるように構成されている。
【0013】
この場合、前記LC共振回路は、第5のインダクタンス、第6のインダクタンス、第7のインダクタンス、第3のキャパシタンスおよび第4のキャパシタンスを内部に含み、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第5のインダクタンスが接続され、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第6のインダクタンスと前記第3のキャパシタンスとが直列に接続され、かつ前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第7のインダクタンスと前記第4のキャパシタンスとが直列に接続されている。
【0014】
あるいは、前記LC共振回路は、第8のインダクタンス、第9のインダクタンス、第10のインダクタンス、第5のキャパシタンスおよび第6のキャパシタンスを内部に含み、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第8のインダクタンスと前記第9のインダクタンスと前記第10のインダクタンスとが直列に接続され、前記第9のインダクタンスに前記第5のキャパシタンスが並列に接続され、かつ前記第10のインダクタンスに前記第6のキャパシタンスが並列に接続されている。
【0015】
あるいは、前記LC共振回路は、第11のインダクタンス、第12のインダクタンス、第13のインダクタンス、第7のキャパシタンスおよび第8のキャパシタンスを内部に含み、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第11のインダクタンスと前記第12のインダクタンスと前記第13のインダクタンスとがこの順に直列に接続され、前記第12のインダクタンスおよび前記第13のインダクタンスの直列回路に前記第7のキャパシタンスが並列に接続され、かつ前記第13のインダクタンスに前記第8のキャパシタンスが並列に接続されている。
【0016】
あるいは、前記LC共振回路は、第14のインダクタンス、第15のインダクタンス、第16のインダクタンス、第9のキャパシタンスおよび第10のキャパシタンスを内部に含み、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第14のインダクタンスが接続され、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第9のキャパシタンスと前記第10のキャパシタンスと前記第16のインダクタンスとがこの順に直列に接続され、かつ前記第10のキャパシタンスおよび前記第16のインダクタンスの直列回路に前記第15のインダクタンスが並列に接続されている。
【0017】
あるいは、前記LC共振回路は、第17のインダクタンス、第18のインダクタンス、第19のインダクタンス、第11のキャパシタンスおよび第12のキャパシタンスを内部に含み、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第17のインダクタンスと前記第11のキャパシタンスと前記第18のインダクタンスとがこの順に直列に接続され、前記第11のキャパシタンスおよび前記第18のインダクタンスの直列回路に前記第19のインダクタンスが並列に接続され、かつ前記第18のインダクタンスに前記第12のキャパシタンスが並列に接続されている。
【0018】
あるいは、前記LC共振回路は、第20のインダクタンス、第21のインダクタンス、第22のインダクタンス、第13のキャパシタンスおよび第14のキャパシタンスを内部に含み、前記第1接続部および前記第2接続部間に前記第20のインダクタンスと前記第13のキャパシタンスと前記第21のインダクタンスとがこの順に直列に接続され、かつ前記第13のキャパシタンスおよび前記第21のインダクタンスの直列回路に前記第22のインダクタンスと前記第14のキャパシタンスとがそれぞれ並列に接続されている。
【0019】
本発明に係るFET駆動回路では、前記LC共振回路は、内部に磁気結合されているインダクタンスを含んでいる。
【0020】
本発明に係るFET駆動回路では、前記スイッチング素子は、E級スイッチング動作をする構成としている。
【0021】
本発明に係るFET駆動回路では、前記スイッチング素子の一端と前記2つの出力端子のうちの一方の出力端子とを接続する経路、および前記スイッチング素子の他端と当該2つの出力端子のうちの他方の出力端子とを接続する経路のうちの少なくとも一方に直流カット用キャパシタンスが接続されている。
【0022】
この場合、前記スイッチング素子の一端と前記2つの出力端子のうちの一方の出力端子とを接続する経路、および前記スイッチング素子の他端と当該2つの出力端子のうちの他方の出力端子とを接続する経路の双方に前記直流カット用キャパシタンスが接続されていてもよい。
【0023】
本発明に係るFET駆動回路では、前記駆動電圧に直流バイアスを付与するバイアス付与回路が前記2つの出力端子間に接続されている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、2つの共振周波数(第1の共振周波数と第2の共振周波数)を有するインピーダンス特性のLC共振回路、または4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有するインピーダンス特性のLC共振回路を備えたFET駆動回路では、スイッチング素子にON/OFFを繰り返させることで、駆動対象のFETを駆動するための駆動電圧を出力端子間から出力することが可能となる。ここで、このインピーダンス特性を有するLC共振回路を用いることで、スイッチング素子のOFF時にその両端間に印加される電圧について、スイッチング周波数の2次高調波成分(または2次高調波成分および4次高調波成分)を減衰させることができ、これにより、矩形により近い波形にすることができる。このことから、このFET駆動回路によれば、スイッチング素子の両端間に印加される電圧を低くできるため、低耐圧の低ON抵抗値のスイッチング素子を使うことが可能となり、駆動回路自体の損失(導通損失)の低減が可能となる。同時に駆動対象のFETのゲート駆動電圧のピーク値を低くできるため、駆動対象のFETのゲート電圧についてのディレーティングを低く保つことも可能となり、このFETの信頼度を向上させることができる。また、このFET駆動回路によれば、スイッチング素子の両端間に印加される電圧の立ち上がりおよび立ち下がりの各時間を一層短くすること(立ち上がりおよび立ち下がりの各電圧勾配を一層急勾配にすること)ができるため、駆動回路自体のスイッチング損失の一層の低減が可能となる。同時に駆動対象のFETのゲート駆動電圧の立ち上がりおよび立ち下がりの各時間についても一層短くすること(立ち上がりおよび立ち下がりの各電圧勾配を一層急勾配にすること)ができ、これにより、FETでのゲート駆動損失を一層低減すること(FETを一層低損失で駆動すること)ができるため、FETでのスイッチング損失及び導通損失を一層低減することができる。また、このFET駆動回路によれば、FETのゲート−ソース間の特性にある入力インダクタンスと入力キャパシタンスとの電流共振により駆動損失の低減が可能となる。また、このFET駆動回路によれば、スイッチング素子は1個でよいため、より多くのスイッチング素子を使用する構成と比較して部品コストの上昇、部品実装コストの上昇、および部品実装面積拡大を回避でき、回路のシンプル化を達成できる。また、クロス導通を防ぐためのデッドタイム設定がないため、更なる高周波での駆動が可能となる。また、他励型であることからスイッチング周波数の変動を回避することもできる。また、このFET駆動回路によれば、FETの駆動振幅電圧が直流入力電圧に依存するため、直流入力電圧を調整することにより、駆動振幅電圧を自由に調整することができる。また、特に高周波でスイッチング動作をさせる場合、高周波のスイッチング電流が流れるパターンの引き回しが長いと、様々な弊害を生じるが、上記のインピーダンス特性のLC共振回路を有するFET駆動回路によれば、パターンの引き回しを極力短くすること、その結果としてノイズによる影響を受ける、逆にノイズを放出する等のノイズの影響を抑えることが容易となる。また、部品を集約することで、素子特性の変動差を小さく抑えることが可能となり、動作の安定性に寄与することができる。さらに、生産コストの低減、装置の小型化、装置の動作の最適化も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】FET駆動回路1の回路構成を模式的に示した構成図である。
図2】最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4の2つの共振周波数を有する場合および4つの共振周波数を有する場合の各周波数特性を説明するための説明図である。
図3】2つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性Zを備えた第1実施例のLC共振回路4についての回路図である。
図4】2つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性Zを備えた第2実施例のLC共振回路4についての回路図である。
図5】4つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性Zを備えた第3実施例のLC共振回路4についての回路図である。
図6】4つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性Zを備えた第4実施例のLC共振回路4についての回路図である。
図7】4つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性Zを備えた第5実施例のLC共振回路4についての回路図である。
図8】4つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性Zを備えた第6実施例のLC共振回路4についての回路図である。
図9】4つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性Zを備えた第7実施例のLC共振回路4についての回路図である。
図10】4つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性Zを備えた第8実施例のLC共振回路4についての回路図である。
図11図3図4のいずれかのLC共振回路4を備えたFET駆動回路1の動作を説明するための波形図である。
図12図5図10のいずれかのLC共振回路4を備えたFET駆動回路1の動作を説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、本発明の対象は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれると共に、その構成要素は、適宜組み合わせることが可能である。
【0027】
図面を参照して、発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
まず、図1を参照して、FET駆動回路の一例としてのFET駆動回路1の構成について説明する。
【0029】
FET駆動回路1は、一対の直流入力端子2a,2b(以下、特に区別しないときには「直流入力端子2」ともいう)、一対の出力端子3a,3b(以下、特に区別しないときには「出力端子3」ともいう)、LC共振回路4、スイッチング素子5、共振キャパシタンス6、直流カット用キャパシタンス7(以下、単に「キャパシタンス7」ともいう)、およびバイアス付与回路8を備え、駆動対象としてのFET(一例としてMOSFET)11への駆動電圧V4を出力端子3a,3b間から出力可能に構成されている。
【0030】
具体的には、一対の直流入力端子2a,2bの間には、基準電位(本例では共通グランドG)に接続された直流入力端子2bを低電位側として、直流入力電圧V1が入力される。一対の出力端子3a,3bの間には、基準電位に接続された出力端子3bを基準とするパルス状の駆動電圧V4が出力される。
【0031】
スイッチング素子5は、MOSFETやバイポートランジスタなどで構成されている。FET駆動回路1は、スイッチング素子5が不図示の制御回路から出力される駆動信号電圧Vpに同期してON/OFF動作(スイッチング動作)することにより(他励型に構成されて)、直流入力端子2から入力される直流入力電圧V1を駆動電圧V4に変換して出力端子3から出力する。
【0032】
LC共振回路4は、最適化インピーダンス特性Zを有して、共振キャパシタンス6および駆動対象のFET11のゲート−ソース間の入力特性(ゲート−ソース間に直列状態で入力インダクタンスと入力キャパシタンス(いずれも図示せず)とが等価的に存在するとの入力特性)と共に、スイッチング素子5のON/OFFに対する応答負荷となる。
【0033】
LC共振回路4は、2つの外部接続端子(第1接続部4aおよび第2接続部4b)を有する1端子対回路網(2端子回路網)で構成されている。なお、LC共振回路4は、内部に含むインダクタンスとキャパシタンスを集約化して構成された2端子素子の1つの電子部品としての複合共振インピーダンス素子としてもよい。
【0034】
また、LC共振回路4は、2つの接続部4a,4b間に、等価的にインダクタンスのみで構成される電流経路(インダクタンスを含んで構成される電流経路の一例)と、等価的にインダクタンスおよびキャパシタンスの直列回路のみで構成される電流経路(インダクタンスおよびキャパシタンスの直列回路を含んで構成される電流経路の一例)とを並列に有していて、各接続部4a,4b間から見たインピーダンスの周波数特性として図2に示すような最適化インピーダンス特性Zを有するように形成されている。
【0035】
また、LC共振回路4の各接続部4a,4bのうちの一方(本例では接続部4a)は直流入力端子2aに接続され、各接続部4a,4bのうちの他方(本例では接続部4b)はスイッチング素子5の一端に接続されている。スイッチング素子5の他端は、直流入力端子2bに接続されている。よって、スイッチング素子5がONの時、直流入力端子2a→LC共振回路4→スイッチング素子5→直流入力端子2bの直流電流ループが形成される。図1では、LC共振回路4が、直流入力端子2a,2bのうちの正側の直流入力端子2aに接続されているので、上記の電流ループとなるが、LC共振回路4が負側の直流入力端子2bに接続される構成でもよく、この構成の場合の直流電流ループは、直流入力端子2a→スイッチング素子5→LC共振回路4→直流入力端子2bとなる。
【0036】
具体的に、LC共振回路4のこのインピーダンスの周波数特性(最適化インピーダンス特性Z)について説明すると、LC共振回路4は、その回路構成により、図2において破線で示すように、低域側から高域側に向けて順に、第1の共振周波数および第2の共振周波数(2つの共振周波数)を有する最適化インピーダンス特性Zに形成されることもできるし、図2において実線で示すように、低域側から高域側に向けて順に、第1の共振周波数、第2の共振周波数、第3の共振周波数および第4の共振周波数(4つの共振周波数)を有する最適化インピーダンス特性Zに形成されることもできる。このいずれの最適化インピーダンス特性Zにおいても、第1の共振周波数は、スイッチング素子5のスイッチング周波数より高くなり、第2の共振周波数がスイッチング周波数の略2倍の周波数となる。また、第3の共振周波数および第4の共振周波数は、上記したように第2の共振周波数よりも高い周波数帯域に存在しており、第3の共振周波数および第4の共振周波数のうちの高域の第4の共振周波数がスイッチング周波数の略4倍の周波数となっている。また、インピーダンスは、第1の共振周波数および第3の共振周波数で極大となり、かつ第2の共振周波数および第4の共振周波数で極小となっている。
【0037】
スイッチング素子5の両端間には、OFF期間において、スイッチング周波数と同じ周波数で電圧V2が発生するが、LC共振回路4が上記したようにスイッチング周波数の偶数倍(上記の例では、2倍、または2倍および4倍)でインピーダンスが極小となり、この結果、スイッチング素子5の両端間に発生する電圧V2の波形を構成する高調波成分のうちの偶数成分(上記の例では、2次高調波成分、または2次高調波成分および4次高調波成分)がLC共振回路4によって減衰させられる。一方、LC共振回路4は、上記したように第1の共振周波数で極大、または第1の共振周波数および第3の共振周波数で極大となることから、これに起因して、電圧V2の波形を構成する高調波成分のうちの奇数成分(主として3次高調波成分)は基本波成分(1次高調波成分)と共に減衰させられずに残る。この結果、2次高調波成分(または2次高調波成分および4次高調波成分)が含まれているときの電圧V2の不図示の波形と比較して、2次高調波成分が減衰させられた電圧V2については図11に示すように矩形に近い波形となり、また2次高調波成分および4次高調波成分が減衰させられた電圧V2については図12に示すように矩形により近い波形となることから、電圧ピーク値を低く(直流入力電圧V1の略2倍にまで)抑えることと、立ち上がりおよび立ち下がりの双方の時間を短くすること(立ち上がりおよび立ち下がりの双方の電圧勾配を急勾配にすること)が可能になる。この結果、スイッチング素子5の両端に印加される電圧V2、さらに出力端子3から出力されるパルス状の駆動電圧V4についても、図11,12に示すように、ピーク値を低く且つ立ち上がりおよび立ち下がりがより急峻(立ち上がりおよび立ち下がりの各電圧勾配がより急勾配)とすることができる。そのことから、スイッチング素子5には低耐圧の低ON抵抗値の素子を使うことが可能となり、その結果、導通損失を低減することが可能となる。また、スイッチング損失も低減され、駆動回路全体の低損失効果を高めることが可能となる。一方、駆動対象のFET11はゲート電圧のディレーティングを低く保つことが可能となり、その結果、FET11の信頼度を向上させることが可能となる。また、FET11のスイッチング損失と導通損失とを低減することが可能となる。
【0038】
次に、この最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4の具体的な回路構成の実施例について、図3から図10までを用いて説明する。
【0039】
図3はLC共振回路4の第1実施例であり、上記の2つの共振周波数(第1の共振周波数と第2の共振周波数)を有している。このLC共振回路4は、第1のインダクタンス401と、第2のインダクタンス402と、第1のキャパシタンス431とを備え、第1接続部4aおよび第2接続部4b間に第1のインダクタンス401が接続されると共に、両接続部4a,4b間に第2のインダクタンス402および第1のキャパシタンス431が直列に接続されて構成されている。
【0040】
また、図4はLC共振回路4の第2実施例であり、上記の2つの共振周波数(第1の共振周波数と第2の共振周波数)を有している。このLC共振回路4は、第3のインダクタンス403と、第4のインダクタンス404と、第2のキャパシタンス432とを備え、第1接続部4aおよび第2接続部4b間に第3のインダクタンス403および第4のインダクタンス404が直列に接続されると共に、第4のインダクタンス404に第2のキャパシタンス432が並列に接続されて構成されている。
【0041】
また、図5はLC共振回路4の第3実施例であり、上記の4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有している。このLC共振回路4は、第5のインダクタンス405と、第6のインダクタンス406と、第7のインダクタンス407と、第3のキャパシタンス433と、第4のキャパシタンス434とを備え、第1接続部4aおよび第2接続部4b間に第5のインダクタンス405が接続され、両接続部4a,4b間に第6のインダクタンス406および第3のキャパシタンス433が直列に接続され、かつ両接続部4a,4b間に第7のインダクタンス407および第4のキャパシタンス434が直列に接続されて構成されている。
【0042】
また、図6はLC共振回路4の第4実施例であり、上記の4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有している。このLC共振回路4は、第8のインダクタンス408と、第9のインダクタンス409と、第10のインダクタンス410と、第5のキャパシタンス435と、第6のキャパシタンス436とを備え、第1接続部4aおよび第2接続部4b間に第8のインダクタンス408と第9のインダクタンス409と第10のインダクタンス410が直列に接続され、第9のインダクタンス409に第5のキャパシタンス435が並列に接続され、かつ第10のインダクタンス410に第6のキャパシタンス436が並列に接続されて構成されている。
【0043】
また、図7はLC共振回路4の第5実施例であり、上記の4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有している。このLC共振回路4は、第11のインダクタンス411と、第12のインダクタンス412と、第13のインダクタンス413と、第7のキャパシタンス437と、第8のキャパシタンス438とを備え、第1接続部4aおよび第2接続部4b間に第11のインダクタンス411と第12のインダクタンス412と第13のインダクタンス413とがこの順に直列に接続され、第12のインダクタンス412および第13のインダクタンス413の直列回路に第7のキャパシタンス437が並列に接続され、かつ第13のインダクタンス413に第8のキャパシタンス438が並列に接続されて構成されている。
【0044】
また、図8はLC共振回路4の第6実施例であり、上記の4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有している。このLC共振回路4は、第14のインダクタンス414と、第15のインダクタンス415と、第16のインダクタンス416と、第9のキャパシタンス439と、第10のキャパシタンス440とを備え、第1接続部4aおよび第2接続部4b間に第14のインダクタンス414が接続され、両接続部4a,4b間に第9のキャパシタンス439と第10のキャパシタンス440と第16のインダクタンス416とがこの順に直列に接続され、かつ第10のキャパシタンス440および第16のインダクタンス416の直列回路に第15のインダクタンス415が並列に接続されて構成されている。
【0045】
また、図9はLC共振回路4の第7実施例であり、上記の4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有している。このLC共振回路4は、第17のインダクタンス417と、第18のインダクタンス418と、第19のインダクタンス419と、第11のキャパシタンス441と、第12のキャパシタンス442とを備え、第1接続部4aおよび第2接続部4b間に第17のインダクタンス417と第11のキャパシタンス441と第18のインダクタンス418とがこの順に直列に接続され、第11のキャパシタンス441および第18のインダクタンス418の直列回路に第19のインダクタンス419が並列に接続され、かつ第18のインダクタンス418に第12のキャパシタンス442が並列に接続されて構成されている。
【0046】
また、図10はLC共振回路4の第8実施例であり、上記の4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有している。このLC共振回路4は、第20のインダクタンス420と、第21のインダクタンス421と、第22のインダクタンス422と、第13のキャパシタンス443と、第14のキャパシタンス444とを備え、第1接続部4aおよび第2接続部4b間に第20のインダクタンス420と第13のキャパシタンス443と第21のインダクタンス421とがこの順に直列に接続され、かつ第13のキャパシタンス443および第21のインダクタンス421の直列回路に第22のインダクタンス422と第14のキャパシタンス444とがそれぞれ並列に接続されて構成されている。
【0047】
また、LC共振回路4は、その内部の複数のインダクタにおいて磁気結合されているインダクタを含んでいてもよい。一例として図5の回路を例に挙げて説明すると、第5のインダクタンス405、第6のインダクタンス406および第7のインダクタンス407のうちの少なくとも2つが、互いに磁気結合されたインダクタで構成されていてもよい。これにより、簡単な回路構成で4つの共振周波数(第1共振周波数〜第4共振周波数)を有するLC共振回路を実現すると同時に磁気コアの個数を減らして、低コストと最適化が容易となる。また、インダクタのコアのコア特性が変動した時に、個々のインダクタとしての素子特性の変動差を小さく抑える事が可能となり動作の安定性に寄与する。
【0048】
共振キャパシタンス6は、スイッチング素子5の両端に接続された共振スイッチングのための共振キャパシタンスであるが、スイッチング素子5が半導体素子の場合には、スイッチング素子5が持つ接合部のキャパシタンス(スイッチング素子5の出力容量)を含めても良いし、接合部のキャパシタンスのみで構成しても良い。
【0049】
キャパシタンス7は、スイッチング素子5の両端間と出力端子間3a,3bを相互に接続する経路内に接続されている。図1のFET駆動回路1では、一例として、キャパシタンス7は、その一端がスイッチング素子5の一端に接続され、かつその他端が出力端子3aに接続されることにより、スイッチング素子5の一端と出力端子3aを接続する経路内に接続されているが、この構成に代えて、その一端がスイッチング素子5の他端に接続され、かつその他端が出力端子3bに接続されることにより、スイッチング素子5の他端と出力端子3bを接続する経路内に接続される構成でも良い。また、双方にキャパシタンス7が接続されていてもよい。また、キャパシタンス7は、スイッチング素子5のOFF期間において、スイッチング素子5の他端(共通グランドG)を基準としてその一端に発生する電圧V2に含まれる直流成分を除去して出力する機能(直流カット機能)を有している。
【0050】
バイアス付与回路8は、上記のようにキャパシタンス7において直流成分が除去された電圧V2に対して、直流電圧(直流バイアス)V3を付与することで、駆動電圧V4を生成する。これにより、駆動電圧V4は、図11図12に示すように、直流成分が除去された電圧V2の零電位が直流電圧V3分だけシフトした電圧として生成される。また、バイアス付与回路8は、例えば、図1に示すように、直流電圧V3を出力する直流電源8aと、キャパシタンス7の他端にこの直流電圧V3を供給するダイオード8bとで構成することができるが、この構成に限定されるものではない。この場合、直流電圧V3は、ダイオード8bの順方向電圧分だけ減ぜられた状態でキャパシタンス7の他端に供給されるが、理解の容易のため、本例ではこの順方向電圧は無視するもの(順方向電圧はゼロボルト)とする。
【0051】
次に、図1に示したFET駆動回路1の基本動作について、最初に、図11の定常動作波形図を参照して、LC共振回路4が図2に示す2つの共振周波数(第1の共振周波数と第2の共振周波数)を有する最適化インピーダンス特性Zのときの各期間における動作波形について詳細に説明する。
【0052】
各期間における動作波形について、まずは、時間t0から時間t1までの期間での動作について説明する。時間t(=t0)の時、スイッチング素子5のON/OFFを制御する制御回路から出力される駆動信号電圧Vpは、スイッチング素子5をONとするためハイレベルになり、時間t(=t1)までにハイレベルを維持する。よって、時間t0から時間t1までの期間は、スイッチング素子5がONし、スイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2は零であり、共振キャパシタンス6に流れる電流icは零である。スイッチング素子5に流れる電流isは、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4のインピーダンス特性と駆動対象のFET11のゲート−ソース間の特性によって、零から負値へジャンプし、その後、負の共振ピーク(極小値)を経て、緩やかに上昇する。また、入力電流として、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4に流れる電流i1は共振電流となるため、この期間内に負と正の最大値(ピーク値)を有する。一方、この期間にFET11のゲート端子へ流れる電流i4は、負のピーク値から上昇し、その後、零値にクリップされ、時間t(=t1)まで零値を維持する。
【0053】
次に、図11の時間t1から時間t2までの期間の動作について説明する。時間t(=t1)でスイッチング素子5への駆動信号電圧Vpは、スイッチング素子5をOFFとするためローレベルになり、時間t(=t2)までローレベルを維持する。したがって、時間t1から時間t2までの間にスイッチング素子5がOFFし、このOFFになった直後からスイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2は、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4のインピーダンス特性とFET11のゲート−ソース間の特性によって、共振して零から直流入力電圧V1の略2倍の振幅電圧まで急勾配で上昇し(短時間に立ち上がり)、3つの共振ピーク(極大となる1回目の共振ピーク、極小となる2回目の共振ピーク、および極大となる3回目の共振ピーク)を経た後に急勾配で降下して(短時間に立ち下がり)、時間t(=t2)で零に戻ると共に、時間に対する導関数(時間に対する電圧変化率)も零となる。つまり、スイッチング素子5は、E級スイッチングで高効率でのスイッチング動作を行う。
【0054】
また、この期間内にスイッチング素子5をOFFとさせることで、それまでスイッチング素子5に流れていた電流isは零となり、共振キャパシタンス6に流れる電流icに切り替わる。この場合、LC共振回路4に入力電流として流れる電流i1は時間t(=t1)で最大値で、そのあと、1つの負の共振ピーク(極小となる共振ピーク)と1つの正の共振ピーク(極大となる共振ピーク)とを経て、時間t(=t2)で最小値となる。一方、FET11のゲート端子へ流れる電流i4は、時間t(=t1)で零値となった直後から上昇して共振し、3つの共振ピーク(極大となる1回目の共振ピーク、極小となる2回目の共振ピーク、および極大となる3回目の共振ピーク)を経て、時間t(=t2)で最小値となる。したがって、共振キャパシタンス6には、電流i1と電流i4の差分の電流が電流icとして流れる。
【0055】
また、時間t0から時間t2までの期間において、上記した電圧波形でスイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2は、キャパシタンス7において直流成分が除去されると共に、バイアス付与回路8から直流電圧V3が付与されて、駆動電圧V4として出力端子3a,3bを介してFET11のゲート−ソース間に出力される。
【0056】
その後の図11中の時間t2から時間t3までの期間は、前述した時間t0から時間t1までの期間の動作と同様であり、さらにその後の時間t3から時間t4までの期間は、前述した時間t1から時間t2までの期間の動作と同様である。つまり、時間t0から時間t2までの期間の動作が、それ以降の期間のおいても繰り返される。なお、スイッチング素子5をON/OFF制御する駆動信号電圧VpのON時間およびOFF時間が同じ場合の動作例を挙げて説明したが、スイッチング素子5のON時間とOFF時間とが異なる場合は各部の動作電圧と動作電流ピーク時間が異なる場合もある。
【0057】
このように、2つの共振周波数(第1の共振周波数と第2の共振周波数)を有する最適化インピーダンス特性ZのLC共振回路4を備えたFET駆動回路1では、スイッチング素子5への駆動信号電圧Vpの出力によってスイッチング素子5のON/OFFを繰り返させることで、駆動対象のFET11のソース端子の電位を基準としてFET11のゲート端子に駆動電圧V4を出力することが可能となっている。ここで、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4を用いることで、スイッチング素子5のOFF時にその両端間に印加される電圧V2について、スイッチング周波数の2次高調波成分を減衰させることができ、これにより、矩形に近い波形にすることができる。このことから、このFET駆動回路1によれば、スイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2のピーク値を低くできるため、低耐圧の低ON抵抗値のスイッチング素子を使うことが可能となり、導通損失を一層低減し、低損失効果を高めることが可能となる。また、電圧V2、ひいては駆動電圧V4のピーク値を低くできるため、駆動対象のFET11のゲート電圧についてのディレーティングを低く保つことが可能となり、FET11の信頼度を向上させることができる。また、このFET駆動回路1によれば、電圧V2の立ち上がりおよび立ち下がりの各時間、ひいては駆動電圧V4の立ち上がりおよび立ち下がりの各時間についても短くすること(立ち上がりおよび立ち下がりの各電圧勾配を急勾配にすること)ができる。これにより、スイッチング素子5ではスイッチング損失の一層の低減、駆動対象のFET11ではスイッチング損失と導通損失とを低減すること(駆動対象のFET11を低損失で動作させること)ができる。また、このFET駆動回路1によれば、スイッチング素子はスイッチング素子5の1個でよいため、より多くのスイッチング素子を使用する構成と比較して部品コストの上昇、部品実装コストの上昇、および部品実装面積の拡大を回避できると共に、回路のシンプル化を達成できる。また、クロス導通を防ぐためのデッドタイム設定がないため、更なる高周波での駆動が可能となる。また、他励型であることからスイッチング周波数の変動を回避することもできる。
【0058】
続いて、図1に示したFET駆動回路1の基本動作について、図12の定常動作波形図を参照して、LC共振回路4が図2に示す4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有する最適化インピーダンス特性Zのときの各期間における動作波形について詳細に説明する。
【0059】
各期間における動作波形について、まずは、時間t0から時間t1までの期間での動作について説明する。時間t(=t0)の時、スイッチング素子5のON/OFFを制御する制御回路から出力される駆動信号電圧Vpは、スイッチング素子5をONとするためハイレベルになり、時間t(=t1)までにハイレベルを維持する。よって、時間t0から時間t1までの期間は、スイッチング素子5がONし、スイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2は零であり、共振キャパシタンス6に流れる電流icは零である。スイッチング素子5に流れる電流isは、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4のインピーダンス特性と駆動対象のFET11のゲート−ソース間の特性によって、零から負値へジャンプし、その後、負の共振ピーク(極小値)を経て、緩やかに上昇する。また、入力電流として、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4に流れる電流i1は共振電流となるため、この期間内に負と正の最大値(ピーク値)を有する。一方、この期間にFET11のゲート端子へ流れる電流i4は、負のピーク値から上昇し、その後、零値にクリップされ、時間t(=t1)まで零値を維持する。
【0060】
次に、図12の時間t1から時間t2までの期間の動作について説明する。時間t(=t1)でスイッチング素子5への駆動信号電圧Vpは、スイッチング素子5をOFFとするためローレベルになり、時間t(=t2)までローレベルを維持する。したがって、時間t1から時間t2までの間にスイッチング素子5がOFFし、このOFFになった直後からスイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2は、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4のインピーダンス特性とFET11のゲート−ソース間の特性によって、共振して零から直流入力電圧V1の略2倍の振幅電圧まで急勾配で上昇し(短時間に立ち上がり)、5つの共振ピーク(極大となる1回目の共振ピーク、極小となる2回目の共振ピーク、極大となる3回目の共振ピーク、極小となる4回目の共振ピーク、および極大となる5回目の共振ピーク)を経た後に急勾配で降下して(短時間に立ち下がり)、時間t(=t2)で零に戻ると共に、時間に対する導関数(時間に対する電圧変化率)も零となる。つまり、スイッチング素子5は、E級スイッチング動作をする。
【0061】
また、この期間内にスイッチング素子5をOFFとさせることで、それまでスイッチング素子5に流れていた電流isは零となり、共振キャパシタンス6に流れる電流icに切り替わる。この場合、LC共振回路4に入力電流として流れる電流i1は時間t(=t1)で最大値で、そのあと、4つの共振ピーク(極小となる1回目の負の共振ピーク、極大となる2回目の正の共振ピーク、極小となる3回目の負の共振ピーク、および極大となる4回目の正の共振ピーク)を経て、時間t(=t2)で最小値となる。一方、FET11のゲート端子へ流れる電流i4は、時間t(=t1)で零値となった直後から上昇して共振し、3つの共振ピーク(極大となる1回目の共振ピーク、極小となる2回目の共振ピーク、および極大となる3回目の共振ピーク)を経て、時間t(=t2)で最小値となる。したがって、共振キャパシタンス6には、電流i1と電流i4の差分の電流が電流icとして流れる。
【0062】
また、時間t0から時間t2までの期間において、上記した電圧波形でスイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2は、キャパシタンス7において直流成分が除去されると共に、バイアス付与回路8から直流電圧V3が付与されて、駆動電圧V4として出力端子3a,3bを介してFET11のゲート−ソース間に出力される。
【0063】
その後の図12中の時間t2から時間t3までの期間は、前述した時間t0から時間t1までの期間の動作と同様であり、さらにその後の時間t3から時間t4までの期間は、前述した時間t1から時間t2までの期間の動作と同様である。つまり、時間t0から時間t2までの期間の動作が、それ以降の期間のおいても繰り返される。なお、スイッチング素子5をON/OFF制御する駆動信号電圧VpのON時間およびOFF時間が同じ場合の動作例を挙げて説明したが、スイッチング素子5のON時間とOFF時間とが異なる場合は各部の動作電圧と動作電流ピーク時間が異なる場合もある。
【0064】
このように、4つの共振周波数(第1の共振周波数〜第4の共振周波数)を有する最適化インピーダンス特性ZのLC共振回路4を備えたFET駆動回路1では、スイッチング素子5への駆動信号電圧Vpの出力によってスイッチング素子5のON/OFFを繰り返させることで、駆動対象のFET11のソース端子の電位を基準としてFET11のゲート端子に駆動電圧V4を出力することが可能となっている。ここで、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4を用いることで、スイッチング素子5のOFF時にその両端間に印加される電圧V2について、スイッチング周波数の2次高調波成分および4次高調波成分を減衰させることができ、これにより、矩形により近い波形にすることができる。このことから、このFET駆動回路1によれば、スイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2のピーク値を低くできるため、低耐圧の低ON抵抗値の素子を使うことが可能となり、導通損失を一層低減し、低損失効果を高めることが可能となる。また、電圧V2、ひいては駆動電圧V4のピーク値を低くできるため、駆動対象のFET11のゲート電圧についてのディレーティングを低く保つことが可能となり、FET11の信頼度を向上させることができる。また、このFET駆動回路1によれば、電圧V2の立ち上がりおよび立ち下がりの各時間、ひいては駆動電圧V4の立ち上がりおよび立ち下がりの各時間についても一層短くすること(立ち上がりおよび立ち下がりの各電圧勾配を一層急勾配にすること)ができる。これにより、スイッチング素子5ではスイッチング損失の一層の低減、駆動対象のFET11ではスイッチング損失と導通損失とを一層低減すること(駆動対象のFET11を一層低損失で動作させること)ができる。また、このFET駆動回路1によれば、スイッチング素子はスイッチング素子5の1個でよいため、より多くのスイッチング素子を使用する構成と比較して部品コストの上昇、部品実装コストの上昇、および部品実装面積の拡大を回避できると共に、回路のシンプル化を達成できる。また、クロス導通を防ぐためのデッドタイム設定がないため、更なる高周波での駆動が可能となる。また、他励型であることからスイッチング周波数の変動を回避することもできる。
【0065】
また、上記した2つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性ZのLC共振回路4を備えたFET駆動回路1、および上記した4つの共振周波数を有する最適化インピーダンス特性ZのLC共振回路4を備えたFET駆動回路1(以下では、この2つのFET駆動回路1について「各FET駆動回路1」ともいう)によれば、このLC共振回路4により、スイッチング素子5の両端間に印加される電圧V2の振幅を直流入力電圧V1の略2倍にできることから、直流入力電圧V1を変更することで、駆動電圧V4の振幅についても駆動対象のFET11に適合した振幅に容易に調整することができる。また、電圧V2の振幅を直流入力電圧V1の略2倍に抑制できることに起因して、スイッチング素子5の耐圧を下げることができ、これに付随して低ON抵抗のスイッチング素子をスイッチング素子5に選定することができる。その結果、スイッチング素子5における導通損失(ON損失)を減らすことを達成でき、低損失効果をさらに高めることが可能となる。また、最適化インピーダンス特性Zを有するLC共振回路4を用いることで高周波のスイッチング動作において最適化が容易となる。
【0066】
また、上記した各FET駆動回路1によれば、キャパシタンス7で電圧V2の直流成分を除去し、この直流成分の除去された電圧V2に基づいて駆動電圧V4を生成する構成を採用したことにより、FET11のソース端子の電位を基準として負電圧となる駆動電圧V4をFET11のゲート端子に印加(出力)して、FET11をより確実に、かつ速やかにOFF状態に移行させることができる。なお、キャパシタンス7およびバイアス付与回路8を用いずに、電圧V2をそのまま駆動電圧V4としてFET11に出力する構成を採用してもよいのは勿論である。
【0067】
また、上記した各FET駆動回路1によれば、バイアス付与回路8を備え、キャパシタンス7において直流成分の除去された電圧V2に対してこのバイアス付与回路8から直流電圧V3を付与して駆動電圧V4として生成する構成を採用したことにより、駆動電圧V4をFET11のゲートに正方向(ON時)、負方向(OFF時)の正負に分割して印加することが可能となる。また、直流電圧V3の電圧値(直流バイアス値)により、その分割電圧レベルを任意に調整することができる。
【0068】
なお、上記した各FET駆動回路1では、キャパシタンス7を、スイッチング素子5の一端と出力端子3aとの間に接続したり、またはスイッチング素子5の他端と出力端子3bとの間に接続したりすることで、電圧V2の直流成分を除去する構成としているが、スイッチング素子5の一端と出力端子3aとの間、およびスイッチング素子5の他端と出力端子3bとの間の双方に接続する構成を採用することもできる。この構成によれば、スイッチング素子5側の電位と、出力端子3a,3b側の電位とを直流的に分離することが可能となることから、例えば、図示はしないが、互いに直列に接続された2つのFET(高電位側のFETのソース端子が、低電位側のFETのドレイン端子に接続されて直列接続された2つのFET)における高電位側のFETについても、直流的に分離された駆動電圧V4を生成して出力することで駆動することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 FET駆動回路
2a,2b 直流入力端子
3a,3b 出力端子
4 LC共振回路
4a 第1接続部
4b 第2接続部
5 スイッチング素子
6 共振キャパシタンス
7 キャパシタンス7
8 バイアス付与回路
8a 直流電源
8b ダイオード
11 FET
V1 直流電圧
V2 スイッチング素子5の両端間に印加される電圧
V3 直流電圧(直流バイアス)
V4 駆動電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図12