特許第6812915号(P6812915)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6812915-画像形成装置 図000002
  • 特許6812915-画像形成装置 図000003
  • 特許6812915-画像形成装置 図000004
  • 特許6812915-画像形成装置 図000005
  • 特許6812915-画像形成装置 図000006
  • 特許6812915-画像形成装置 図000007
  • 特許6812915-画像形成装置 図000008
  • 特許6812915-画像形成装置 図000009
  • 特許6812915-画像形成装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6812915
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/00 20060101AFI20201228BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20201228BHJP
   B41J 29/02 20060101ALI20201228BHJP
   B65H 31/22 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   B65H3/00 310E
   G03G21/16 195
   B41J29/02
   B65H31/22
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-128094(P2017-128094)
(22)【出願日】2017年6月29日
(65)【公開番号】特開2019-11163(P2019-11163A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2019年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100097386
【弁理士】
【氏名又は名称】室之園 和人
(72)【発明者】
【氏名】外丸 昭知
【審査官】 國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−160081(JP,A)
【文献】 特開昭52−027303(JP,A)
【文献】 特開2002−156804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 − 3/68
31/00 − 31/40
B41J 29/00 − 29/70
G03G 21/16
H05K 5/00 − 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、当該画像形成装置本体の被装着面に連結機構を介して着脱可能に装着される外付け装置とを備え、該外付け装置が給紙装置又は後処理装置により構成された画像形成装置であって、
上記画像形成装置本体の被装着面の幅方向の両端部から突出して上記外付け装置の装着面を押圧可能な一対の押圧部材と、
上記一対の押圧部材それぞれの上記被装着面からの突出量を調整可能な調整機構と、を備え
上記調整機構は、
上記一対の押圧部材をそれぞれ駆動する駆動部と、
上記画像形成装置本体の被装着面の幅方向の一端側と他端側とにおける、上記外付け装置の装着面との距離の差を検出するための距離検出部と、
上記距離検出部により検出された距離差を無くすように上記駆動部により一対の押圧部材のうちの少なくとも一方を駆動する駆動制御部とを備えた画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置本体と、当該画像形成装置本体の被装着面に連結機構を介して着脱可能に装着される外付け装置とを備え、該外付け装置が給紙装置又は後処理装置により構成された画像形成装置であって、
上記外付け装置の装着面の幅方向の両端部から突出して上記画像形成装置本体の被装着面を押圧可能な一対の押圧部材と、
上記一対の押圧部材それぞれの上記装着面からの突出量を調整可能な調整機構と、を備え
上記調整機構は、
上記一対の押圧部材をそれぞれ駆動する駆動部と、
上記画像形成装置本体の被装着面の幅方向の一端側と他端側とにおける、上記外付け装置の装着面との距離の差を検出するための距離検出部と、
上記距離検出部により検出された距離差を無くすように上記駆動部により一対の押圧部材のうちの少なくとも一方を駆動する駆動制御部とを備えた画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記画像形成装置本体の被装着面に対して上記外付け装置を引き寄せる磁石をさらに備えている、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置本体には、給紙装置や後処理装置等の外付け装置がオプションとして外付けされる場合がある(例えば、特許文献1参照)。給紙装置は、大容量の用紙を収容して画像形成装置本体に給紙する。後処理装置は、画像形成装置本体から排出された印刷済みの用紙に後処理(パチング、孔空け等)を施す。
【0003】
上記外付け装置は、一般に、画像形成装置本体の側面に連結機構を介して着脱可能に連結される。連結機構としては、例えばフックを孔に係合させる機構等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−261798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した外付け装置を備えた画像形成装置では、連結機構の遊び等に起因して、外付け装置の装着面と、画像形成装置の被装着面(外付け装置の装着面に対向する面)との距離が該被装着面の幅方向の一端側と他端側とで異なってしまう場合がある。この結果、外付け装置と画像形成装置間との間で紙詰まりが発生するという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外付け装置の装着面と、画像形成装置本体の被装着面との距離を、該被装着面の幅方向の一端側と他端側と同じになるよう調整可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、画像形成装置本体と、当該画像形成装置本体の被装着面に連結機構を介して着脱可能に装着される外付け装置とを備え、該外付け装置が給紙装置又は後処理装置により構成されている。
【0008】
そして、上記画像形成装置本体の被装着面の幅方向の両端部から突出して上記外付け装置の装着面に当接可能な一対の押圧部材と、上記一対の押圧部材それぞれの上記被装着面からの突出量を調整可能な調整機構と、を備えている。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、画像形成装置本体と、当該画像形成装置本体の被装着面に連結機構を介して着脱可能に装着される外付け装置とを備え、該外付け装置が給紙装置又は後処理装置により構成されている。
【0010】
そして、上記外付け装置の装着面の幅方向の両端部から突出して上記画像形成装置本体の被装着面に当接可能な一対の押圧部材と、上記一対の押圧部材それぞれの上記装着面からの突出量を調整可能な調整機構と、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外付け装置の装着面と、画像形成装置本体の被装着面との距離を、該被装着面の幅方向の一端側と他端側とで同じになるように調整することができる。延いては、画像形成装置本体と外付け装置との間で紙詰まりが生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態における給紙装置(外付け装置)を画像形成装置に装着した状態を示す概略図である。
図2図2は、給紙装置及びその周辺部分を拡大して示す拡大図である。
図3図3は、給紙装置を装着面側から見た図である。
図4図4は、画像形成装置本体を被装着面側から見た図である。
図5図5は、画像形成装置本体に給紙装置を装着した状態の一例を示す平面図である。
図6図6は、前側押圧部材の駆動部及びその周辺を示す概略図である。
図7図7は、制御部により実行される距離調整制御の内容を示すフローチャートである。
図8図7は、距離調整制御の一例を説明するための説明図である。
図9図9は、他の実施形態を示す図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0014】
《実施形態1》
図1は、実施形態1における画像形成装置1を示している。この画像形成装置1は、本実施形態では複写機とされている。画像形成装置1は、画像形成装置本体2、画像読取装置3、原稿自動送り装置4、及び給紙装置5を有している。画像読取装置3は、コンタクトガラス上に載置された原稿又は原稿自動送り装置4により連続的に搬送される原稿の画像データを読取る。画像形成装置本体2は、画像読取装置3にて読取った原稿画像データに基づいて用紙に画像を印刷する。画像形成装置本体2における画像形成方式は、例えば電子写真方式やインクジェット方式を採用することができる。尚、図中の符号2aは、画像形成装置本体2を移動可能に支持するキャスターである。
【0015】
上記給紙装置5は、大容量の用紙Pを収容して画像形成装置本体2に給紙する。給紙装置5は、画像形成装置本体2の右側面(以下、被装着面という)2bに着脱可能に装着される外付け装置である。
【0016】
図2に示すように、給紙装置5は、用紙載置板6、昇降機構7及び複数の給紙ローラー8を有している。用紙載置板6には束状の用紙Pがセットされる。昇降機構7は、ワイヤーとモーターとによって用紙載置板6を昇降可能になっている。昇降機構7は、給紙時には最上位の用紙Pを所定の給紙高さに位置させる。複数の給紙ローラー8は、所定の給紙高さに位置する用紙Pを用紙排出口5dから排出して画像形成装置本体2に供給する。
【0017】
図3に示すように、用紙排出口5dは、前後方向に延びる矩形状の開口部であって、給紙装置5の左側面(以下、装着面という)5cの上端部に形成されている。画像形成装置本体2の被装着面2bにおける用紙排出口5dに対向する箇所には、前後方向に延びる矩形状の給紙口2c(図4参照)が形成されている。給紙装置5の用紙排出口から排出された用紙Pはこの給紙口2cを通って画像形成装置本体2内に供給される。
【0018】
図2に戻って、給紙装置5の下面の右側端部には、前後方向に間隔を空けて並ぶ一対のキャスター5a(図2参照)が取付けられている。給紙装置5の下面の左側端部には、給紙装置5を下方から支持する板金製の台座部5bが設けられている。台座部5bには、画像形成装置本体2側に突出する突出板部5tが設けられている。この突出板部5tは、給紙装置5を画像形成装置本体2に装着した状態で画像形成装置本体2の下面に下方から当接する。これにより、給紙装置5がキャスター5aを支点に左右に傾くのを防止している。
【0019】
給紙装置5の左側面(以下、装着面という)5cからは一対のフック部材9が突出している。一対のフック部材9は装着面5cの前後方向(幅方向)の両端部に位置している(図3参照)。一対のフック部材9は、給紙装置5を画像形成装置本体2の被装着面2bに装着する際に、画像形成装置本体2の係合孔2dに挿入されて係合する。一対のフック部材9の基端部は、給紙装置5内に設けられた支持ピン10(図6参照)に回動可能に支持されている。これによれば、給紙装置5の装着過程で、フック部材9の先端部が係合孔2dの下端縁に当接すると、フック部材9が支持ピン10を支点に上側にわずかに回動する。したがって、フック部材9の先端部を係合孔2dにスムーズに係合させることができる。そうしてフック部材9の先端部と係合孔2dとが係合することで、給紙装置5が画像形成装置本体2に連結される。すなわちフック部材9及び係合孔2dは連結機構を構成している。
【0020】
ここで、給紙装置5を画像形成装置本体2に装着した状態で、給紙装置5の装着面5cと画像形成装置本体2の被装着面2bとの距離が、前後方向の一端側と他端側とで異なっていると(図5参照)、給紙装置5と画像形成装置本体2との間で紙詰まりが生じる虞がある。そこで、本実施形態では、被装着面2bと装着面5cとの距離が前後方向の一端側と他端側とで異ならないように距離調整部Kを設けるようにしている。
【0021】
図6に示すように、距離調整部Kは、前側押圧部材20f及び後側押圧部材20rと、前側距離センサー11f及び後側距離センサー11rとを有している。
【0022】
前側押圧部材20f及び後側押圧部材20rは、画像形成装置本体2の被装着面2bから出没可能に突出する。被装着面2bの前後方向の両端部には、各押圧部材20f,20r貫通する貫通孔2eが形成されている。
【0023】
各押圧部材20f,20rは、先端部が球面状をなすシャフト部材からなる。各押圧部材20f,20rの基端部はそれぞれ、駆動部21に連結されている。両駆動部21の構成は同じであるため、以下では、図6を参照して、前側押圧部材20fを駆動するための駆動部21についてのみ説明を行う。
【0024】
駆動部21は、前側押圧部材20fの基端部に固定された移動ブロック22と、移動ブロック22にボール螺子機構を介して連結された駆動シャフト23と、駆動シャフト23を回転駆動するモーター25とを有している。モーター25により駆動シャフト23を回転させると、移動ブロック22が前側押圧部材20fと共に左右方向に直線移動する。これにより、押圧部材20fの被装着面2bからの突出量が変化するようになっている。モーター25は後述する制御部100により制御される。
【0025】
上記前側距離センサー11f及び後側距離センサー11rは、画像形成装置本体2の被装着面2bと自身との距離を測定する。各距離センサー11f,11rは、給紙装置5の装着面5cの前後方向の両端部に取付けられている(図3参照)。本実施形態では、各距離センサー11f,11rは、用紙排出口5dの前後両側であって該用紙排出口5dと同じ高さ位置に設けられている。各距離センサー11f,11rは、給紙装置5の装着面5cに形成された凹部に埋め込まれていて、距離センサー11f,11rが装着面5cよりも画像形成装置本体2側に突出しないようになっている(図6参照)。各距離センサー11f,11rは、検出した距離情報を制御部100に送信する。
【0026】
制御部100は、CPU、ROM及びRAMを有するマイクロコンピューターからなる。制御部100は、各距離センサー11f,11rより受信した距離情報を基に、距離調整制御を実行する。
【0027】
図7は、制御部100にて実行される距離調整制御の内容を示すフローチャートである。ステップS1では、モーター25を制御することにより前側押圧部材20f及び後側押圧部材20rの突出量を0にする。
【0028】
ステップS2では、給紙装置5との通信が成立するか否かを判定することで給紙装置5が画像形成装置本体2に装着されたか否かを判定する。そして、この判定がNOである場合にはリターンする一方、YESである場合にはステップS3に進む。
【0029】
ステップS3では、前側距離センサー11f及び後側距離センサー11rにより検出された距離を読み込む。
【0030】
ステップS4では、前側距離センサー11f及び後側距離センサー11rにより検出された距離の差が無くなるように、モーター25により前側押圧部材20f又は後側押圧部材20fの突出量を調整し、しかる後にリターンする。
【0031】
図8は、上記ステップS4の処理の具体例を示す模式図である。図の上段は、画像形成装置本体2の被装着面2bと給紙装置5の装着面5cとの距離が、被装着面2bの後端側において前端側よりも大きい場合を示している。この場合は、前側距離センサー11fによる検出距離が、後側距離センサー11rによる検出よりも小さくなる。したがって、この距離差をなくすべく、距離が小さい側の押圧部材(前側押圧部材20f)をモーター25によって被装着面2bから所定量だけ突出させる。そうすることにより、給紙装置5の装着面5cの前端部が前側押圧部材20fにより押圧されて右側に変位し、被装着面2bと装着面5cとが平行になる。よって、画像形成装置本体2と給紙装置5との間で紙詰まりが生じるのを防止することができる。
【0032】
《実施形態2》
図9は、実施形態2を示している。この実施形態では、給紙装置5の装着面5cに磁石12が設けられている。この点を除く構成については、上記実施形態1と同様であるため説明を省略する。
【0033】
磁石12は、給紙装置5の装着面5cの高さ方向の中央部で且つ前後方向の両端部にそれぞれ取付けられている。本実施形態では、磁石12は、装着面5c側から見て、給紙装置5の重心位置を通り且つ前後方向に延びるラインL上に配置されている。
【0034】
この構成によれば、磁石12の磁気吸引力によって、給紙装置5全体が常時、画像形成装置本体2側に引き寄せられるので、連結機構の遊び等に起因する給紙装置5のがたつきを抑制することができる。よって、各押圧部材20f,20rによる距離調整(上記ステップS4の処理)が終了した後に画像形成装置本体2と給紙装置5との位置関係が変わってしまうのを防止することができる。
【0035】
また、前側押圧部材20f及び後側押圧部材20rを突出側に移動させる場合だけでなく、画像形成装置本体2側に移動させた場合(突出量が減る側に移動させた場合)でも、給紙装置5が追従して変位するので、上記距離調整をより一層細かく行うことができる。
【0036】
《他の実施形態》
上記各実施形態では、前側押圧部材20f及び後側押圧部材20rを画像形成装置本体2に設けるようにしているが、これに限ったものではなく、給紙装置5に設けるようにしてもよい。
【0037】
上記各実施形態では、前側距離センサー11f及び後側距離センサー11rを給紙装置5に設けるようにしているが、これに限ったものではなく、画像形成装置本体2に設けるようにしてもよい。
【0038】
上記各実施形態では、画像形成装置本体2に装着される外付け装置が給紙装置5である例について説明したが、これに限ったものではなく、外付け装置は、画像形成後の用紙Pにパンチングや孔空け等の後処理を施す後処理装置であってもよい。
【0039】
上記各実施形態の距離調整制御において、前側押圧部材20f及び後側押圧部材20rの双方を駆動するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上説明したように、本発明は、画像形成装置について有用であり、特に、プリンター、複写機又は複合機(MFP)等に有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 :画像形成装置
2 :画像形成装置本体
2b :被装着面
5 :給紙装置(外付け装置)
5c :装着面
9 :フック部材(連結機構)
10 :支持ピン(連結機構)
11f :前側距離センサー(距離検出部)
11r :後側距離センサー(距離検出部)
12 :磁石
20f :前側押圧部材
20r :後側押圧部材
21 :駆動部
22 :移動ブロック
23 :駆動シャフト
25 :モーター(駆動部)
100 :制御部
K :距離調整部(調整機構)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9