(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1導電路に印加された電圧を昇圧又は降圧して第2導電路に印加する動作を行う電圧変換部と、前記電圧変換部に一端側が電気的に接続されるとともに第1基準電位とされる第1基準導電路に他端側が電気的に接続される第1抵抗部と、を備えた車載用電源装置を判定対象とし、
前記第1抵抗部を流れる電流の状態を判定する車載用判定回路であって、
前記第1基準導電路の前記第1基準電位よりも高い第2基準電位とされる第2基準導電路に一端側が電気的に接続された第2抵抗部を備え、前記第1抵抗部を流れる電流に応じた電流を前記第2基準導電路側から前記第2抵抗部に流す電流生成回路と、
前記第2抵抗部の他端の電位が、前記第2基準電位を基準として生成される閾値電位よりも小さい場合に第1信号を出力し、前記閾値電位よりも大きい場合に第2信号を出力する比較回路と、
を有する車載用判定回路。
前記電流生成回路は、前記第1基準導電路に電気的に接続された第3抵抗部を備え、前記第1抵抗部の抵抗値と前記第3抵抗部の抵抗値との比率に応じた増幅度で前記第1抵抗部を流れる電流を増加又は減少させた電流を前記第2抵抗部に流す請求項1に記載の車載用判定回路。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、発明の望ましい例を示す。
電流生成回路は、第1基準導電路に電気的に接続された第3抵抗部を備えていてもよい。そして、電流生成回路は、第1抵抗部の抵抗値と第3抵抗部の抵抗値との比率に応じた増幅度で第1抵抗部を流れる電流を増加又は減少させた電流を第2抵抗部に流すように構成されていてもよい。
この構成によれば、第1抵抗部の電流を所望の増幅度で増加又は減少させた電流を第2抵抗部に流し得る回路を構成することができる。
【0012】
なお、第1抵抗部の抵抗値と第3抵抗部の抵抗値との比率に応じた増幅度で第1抵抗部を流れる電流を増加又は減少させる場合、負帰還を用いずに増幅を行うようにすると高速な電源変動に対するロバスト性が高くなる。
【0013】
電流生成回路は、一端側が第2基準導電路に電気的に接続されたセンス抵抗部と、一端側が第2基準導電路に電気的に接続されたミラー抵抗部と、センス抵抗部の他端側及びミラー抵抗部の他端側にそれぞれ接続され、センス抵抗部を流れるセンス電流を所定のミラー比で反映したミラー電流をミラー抵抗部に流すとともに、センス抵抗部及びミラー抵抗部のそれぞれの電流に対応した電流をセンス電流路及びミラー電流路にそれぞれ流すカレントミラー回路と、を備えていてもよい。更に、電流生成回路は、センス電流路及びミラー電流路のそれぞれに電流が流れることに応じて、ミラー電流路と第3抵抗部の一端との間を、ミラー電流路と第1抵抗部の一端との間の電位差に対応させた電位差とし、第1抵抗部を流れる電流に応じた電流を第3抵抗部に流す電圧電流変換回路を備えていてもよい。更に、電流生成回路が、第3抵抗部を流れる電流に応じた電流をセンス抵抗部に流すように構成され、センス抵抗部又はミラー抵抗部の少なくともいずれかが第2抵抗部として構成されていてもよい。
【0014】
この構成では、センス電流及びミラー電流を流すことで第3抵抗部の両端の電位差を第1抵抗部の両端の電位差に応じた値とし、第1抵抗部を流れる電流に応じた電流を第3抵抗部に流すとともに、第3抵抗部を流れる電流に応じた電流をセンス抵抗部に流すように動作させることができる。ミラー抵抗部を流れるミラー電流は、センス抵抗部を流れるセンス電流を所定のミラー比で反映した電流であるため、センス抵抗部又はミラー抵抗部のいずれかが第2抵抗部として構成されていれば、第1抵抗部を流れる電流に応じた電流が第2抵抗部に流れることになる。そして、このような動作を、電流値を低減しやすいセンス電流及びミラー電流に基づいて行うことができるため、消費電力を抑えやすくなる。
【0015】
第2基準導電路は、電圧生成部によって所定電圧が印加されることで第2基準電位に保たれるものであってもよい。
このように、電圧生成部によって所定電圧が印加されることで第2基準導電路が第2基準電位に保たれるようになっていれば、第1抵抗部を流れる電流を反映した検出電位(第2抵抗部の他端の電位)と比較対象となる閾値電位とがいずれも電圧生成部の出力電圧に基づいて生成されることになり、第1基準導電路の電位変動の影響がより排除されやすくなる。
【0016】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1には、車載用電源装置1(以下、単に電源装置1ともいう)と図示しない第1電源部及び第2電源部を備えた車載電源システム100を例示している。
【0017】
電源装置1は、例えば、車載用の昇降圧型DCDCコンバータとして構成されており、第1導電路11又は第2導電路12の一方の導電路に印加された直流電圧を昇圧又は降圧して他方の導電路に出力する構成をなすものである。電源装置1は、第1導電路11、第2導電路12、電圧変換部3、制御装置5、第1抵抗部Ra、車載用判定回路20(以下、判定回路20ともいう)、などを備える。
【0018】
第1導電路11は、例えば図示しない第1電源部の高電位側の端子に導通し得る構成をなし、第1電源部から所定の直流電圧が印加される構成をなす。第2導電路12は、例えば図示しない第2電源部の高電位側の端子に導通し得る構成をなし、第2電源部から所定の直流電圧が印加される構成をなす。これら第1電源部及び第2電源部は、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、その他の蓄電素子など、公知の蓄電手段によって構成されている。第1電源部及び第2電源
部の低電位側の端子はグラウンド電位(0V)に保たれている。第1導電路11及び第2導電路12のいずれか又は両方には、車載用の負荷が電気的に接続され、いずれか又は両方の導電路が負荷への電力供給路となっている。なお、第1電源部及び第2電源部のうち、一方の電源部が設けられていなくてもよい。
【0019】
第1導電路11と第2導電路12の間には、第1導電路11に印加された入力電圧を昇圧又は降圧して第2導電路12に印加する動作を行う電圧変換部3が設けられている。電圧変換部3は、第1導電路11と第2導電路12との間に設けられ、Hブリッジ構造で配置されたスイッチ素子S1,S2,S3,S4と、インダクタL1とを備える。スイッチ素子S1,S2,S3,S4は、半導体スイッチ素子として構成されており、
図1では、それぞれがNチャネル型のMOSFETとして構成された例を示す。第1導電路11には、コンデンサC1の一端が電気的に接続され、コンデンサC1の他端はグラウンドである第1基準導電路91に電気的に接続されている。第2導電路12には、コンデンサC2の一端が電気的に接続され、コンデンサC2の他端はグラウンドである第1基準導電路91に電気的に接続されている。
【0020】
第1基準導電路91は、例えば、図示しない基板に形成されたグラウンド層などによって構成され、図示しない接続部品を介して車両内のグラウンド部(例えば、ボディ)に電気的に接続されている。第1基準導電路91の電位は、原則として、所定のグラウンド電位(例えば、0V)に保たれる。
【0021】
電圧変換部3において、スイッチ素子S1のドレインには、第1導電路11が電気的に接続され、スイッチ素子S1のソースには、スイッチ素子S2のドレイン及びインダクタL1の一端が電気的に接続されている。スイッチ素子S3のドレインには、第2導電路12が電気的に接続され、スイッチ素子S3のソースには、スイッチ素子S4のドレイン及びインダクタL1の他端が電気的に接続されている。スイッチ素子S2,S4のそれぞれのソースとグラウンドの間には、第3導電路13が設けられている。第3導電路13には、第1抵抗部Raが介在しており、スイッチ素子S2,S4のそれぞれのソースと第1抵抗部Raの一端とが電気的に接続され、第1抵抗部Raの他端は、グラウンドである第1基準導電路91に電気的に接続されている。スイッチ素子S1,S2,S3,S4のそれぞれのゲートには、後述する制御装置5からの各信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0022】
図示はしていないが、電源装置1には、第1導電路11の電圧を検出する公知の電圧検出回路として構成された第1電圧検出回路が設けられ、第1電圧検出回路は、第1導電路11の電圧値を反映した値を検出値として制御回路に入力する。また、第1導電路11の電流を検出する公知の電流検出回路として構成された第1電流検出回路が設けられ、第1電流検出回路は、第1導電路11の電流値を反映した値を検出値として制御回路に入力する。更に、第2導電路12の電圧を検出する公知の電圧検出回路として構成された第2電圧検出回路が設けられ、第2電圧検出回路は第2導電路12の電圧値を反映した値を検出値として制御回路に入力する。また、第2導電路12の電流を検出する公知の電流検出回路として構成された第2電流検出回路が設けられ、第2電流検出回路は、第2導電路12の電流値を反映した値を検出値として制御回路に入力する。
【0023】
制御装置5は、制御回路6と駆動回路7とを備える。制御回路6は、例えばマイクロコンピュータなどの情報処理装置として構成され、ROM、RaMなどのメモリ、CPUなどの演算装置等を備える。制御回路6は、上述した第1電圧検出回路、第1電流検出回路、第2電圧検出回路、第2電流検出回路から入力される各検出値(各電圧値及び各電流値)と目標電圧値及び目標電流値に基づいて公知の方法でフィードバック制御を行い、PWM信号のデューティ比を設定する。そして、設定されたデューティ比のPWM信号を駆動回路7に出力する。
【0024】
駆動回路7は、スイッチ素子S1,S2,S3,S4をオンオフさせる制御信号を出力する回路である。この駆動回路7は、制御回路6で生成されたPWM信号を分配して出力する機能を有する。
【0025】
電源装置1は、双方向型の昇降圧DCDCコンバータとして機能してもよく、一方向型のDCDCコンバータとして機能してもよい。以下では、一方向型のDCDCコンバータとして機能する場合を例示する。
【0026】
電源装置1は、例えば、所定の降圧モードのときに、制御装置5からスイッチ素子S1のゲートに対してPWM信号が出力され、スイッチ素子S1,S2の各ゲートに対してデッドタイムを設定した形でPWM信号が相補的に出力される。この降圧モードのときには、制御装置5は、第2導電路12の電圧値と目標電圧値とに基づいて公知の方法で所定周期毎にフィードバック演算(第2導電路12の電圧値を目標電圧値に近づけるデューティの算出)を行い、スイッチ素子S1のゲートに与えるPWM信号のデューティを決定するようになっている。このモードでは、スイッチ素子S1のゲートに対してオン信号を出力する期間は、スイッチ素子S2のゲートに対してオフ信号を出力し、スイッチ素子S1のゲートに対してオフ信号を出力する期間は、デッドタイムを除き、スイッチ素子S2のゲートに対してオン信号を出力するように降圧動作がなされる。第2導電路12に印加される出力電圧は、スイッチ素子S1のゲートに与えるPWM信号のデューティに応じて定まる。この降圧モードでは、スイッチ素子S3のゲートにはオン信号が継続的に入力され、スイッチ素子S4のゲートにはオフ信号が継続的に入力されるため、スイッチ素子S3はオン状態で維持され、スイッチ素子S4はオフ状態で維持される。
【0027】
また、所定の昇圧モードでは、制御装置5からスイッチ素子S4のゲートに対してPWM信号が出力され、スイッチ素子S3,S4の各ゲートに対してデッドタイムを設定した形でPWM信号が相補的に出力される。この
昇圧モードのときには、制御装置5は、第2導電路12の電圧値と目標電圧値とに基づいて公知の方法で所定周期毎にフィードバック演算(第2導電路12の電圧値を目標電圧値に近づけるデューティの算出)を行い、スイッチ素子S4のゲートに与えるPWM信号のデューティを決定するようになっている。このモードでは、スイッチ素子S4のゲートに対してオン信号を出力する期間は、スイッチ素子S3のゲートに対してオフ信号を出力し、スイッチ素子S4のゲートに対してオフ信号を出力する期間は、デッドタイムを除き、スイッチ素子S
3のゲートに対してオン信号を出力するように昇圧動作がなされる。第2導電路12に印加される出力電圧は、スイッチ素子S4のゲートに与えるPWM信号のデューティに応じて定まる。この昇圧モードでは、スイッチ素子S1のゲートにはオン信号が継続的に入力され、スイッチ素子S2のゲートにはオフ信号が継続的に入力されるため、スイッチ素子S1はオン状態で維持され、スイッチ素子S2はオフ状態で維持される。
【0028】
次に、電圧変換部とグラウンドとの間の過電流を検出するための構成について説明する。
図1で示す判定回路20は、電源装置1を判定対象として、第1抵抗部Raを流れる電流の状態を判定する機能を有する。
【0029】
第1抵抗部Raは、電圧変換部3に一端側が電気的に接続されるとともに第1基準電位V1とされる第1基準導電路91に他端側が電気的に接続される。第1基準導電路91の電位(第1基準電位V1)は、原則として0Vである。
図1の構成では、第1抵抗部Raの他端の電位は第1基準電位V1となり、原則として0Vに保たれる。
【0030】
判定回路20は、主として、電流生成回路22と比較回路24とを備える。電流生成回路22は、電圧電流変換回路26と、カレントミラー回路28と、第2抵抗部Rbと、第4抵抗部Rdとを備える。比較回路24は、基準電位生成部40と、コンパレータ42とを備える。
【0031】
電流生成回路22は、第2抵抗部Rbの一端側が第2基準導電路92に電気的に接続され、第1抵抗部Raを流れる電流に応じた電流を第2基準導電路92側から第2抵抗部Rbに流すように構成される。
【0032】
第2基準導電路92は、電圧生成部80によって所定の電源電圧が印加される導電路である。第2基準導電路92の電位は、第1基準導電路91の第1基準電位V1よりも高い第2基準電位V2とされる。電圧生成部80は、例えば、リニアレギュレータやスイッチングレギュレータなどの公知の電圧レギュレータとして構成されており、第2基準導電路92に対して所定の電源電圧を印加し、第2基準導電路92の電位を第1基準電位V1よりも高い所定電位(第2基準電位V2)に保つ。一例としては、第1基準電位V1を0Vとし、第2基準電位V2を5Vとするような関係が挙げられるが、この関係に限定されるわけではない。
【0033】
電流生成回路22において、第2抵抗部Rbは、センス抵抗部の一例として機能する部品であり、例えば公知の抵抗体として構成され、一端側が第2基準導電路92に電気的に接続され、他端側がカレントミラー回路28の一方の電流入力側(トランジスタT3側)に電気的に接続されている。第4抵抗部Rdは、ミラー抵抗部の一例として機能する部品であり、例えば公知の抵抗体として構成され、一端側が第2基準導電路92に電気的に接続され、他端側がカレントミラー回路28の他方の電流入力側(トランジスタT4側)に電気的に接続されている。
【0034】
カレントミラー回路28は、第2抵抗部Rb(センス抵抗部)の他端側及び第4抵抗部Rd(ミラー抵抗部)の他端側にそれぞれ接続され、第2抵抗部Rb(センス抵抗部)を流れるセンス電流を所定のミラー比(例えば、ミラー比「1」)で反映したミラー電流を第4抵抗部Rd(ミラー抵抗部)に流すとともに、第2抵抗部Rb(センス抵抗部)及び第4抵抗部Rd(ミラー抵抗部)のそれぞれの電流に対応した電流をセンス電流路31及びミラー電流路32にそれぞれ流すように構成されている。
【0035】
カレントミラー回路28は、同一構成のトランジスタT3,T4を備え、これらトランジスタT3,T4は、いずれもPNP型のバイポーラトランジスタとして構成されている。トランジスタT3のエミッタは、第2抵抗部Rbの他端(第2基準導電路92側とは反対側の端部)に電気的に接続され、トランジスタT3のコレクタは、センス電流路31に電気的に接続されている。トランジスタT3のベースは、トランジスタT4のベース、トランジスタT3のコレクタ、及びセンス電流路31に電気的に接続されている。トランジスタT4のエミッタは、第4抵抗部Rdの他端(第2基準導電路92側とは反対側の端部)に電気的に接続され、トランジスタT4のコレクタは、ミラー電流路32に電気的に接続されている。トランジスタT4のベースは、トランジスタT3のベース、トランジスタT3のコレクタ、及びセンス電流路31に電気的に接続されている。
【0036】
カレントミラー回路28は、センス電流路31を流れる電流(トランジスタT3のコレクタ電流)の電流値をIinとし、ミラー電流路32を流れる電流(トランジスタT4のコレクタ電流)の電流値をIoutとした場合、トランジスタT3のベース電流及びトランジスタT4のベース電流がそれぞれのコレクタ電流及びエミッタ電流を比較して無視できる程度に十分小さいため、Iin=Ioutとみなすことができる。そして、第2抵抗部Rbを流れる電流(センス電流)の電流値Isは、Is=Iinとみなすことができる。
【0037】
電流生成回路22の一部をなす電圧電流変換回路26は、第1抵抗部Raの両端電圧(両端の電位差)を、この両端電圧に応じた電流に変換して第3抵抗部Rcに流す回路として構成されている。電圧電流変換回路26は、第1基準導電路91に電気的に接続された第3抵抗部Rcと、PNP型のバイポーラトランジスタとして構成されたトランジスタT1と、NPN型のバイポーラトランジスタとして構成されたトランジスタT2と、を備える。トランジスタT1とトランジスタT2はコンプリメンタリとなっている。トランジスタT1は、ベースが第1抵抗部Raの一端に電気的に接続され、エミッタがミラー電流路32及びトランジスタT2のベースに電気的に接続され、コレクタが第1基準導電路91に電気的に接続されている。トランジスタT2は、コレクタがセンス電流路31に電気的に接続され、エミッタが第3抵抗部Rcの一端に電気的に接続されている。そして、第3抵抗部Rcの他端は、第1基準導電路91に電気的に接続されている。
【0038】
このように構成された電圧電流変換回路26は、センス電流路31及びミラー電流路32のそれぞれに電流が流れることに応じて、ミラー電流路32と第3抵抗部Rcの一端との間を、ミラー電流路32と第1抵抗部Raの一端との間の電位差に対応させた電位差とする。具体的には、トランジスタT1のベースエミッタ間電圧VbeとトランジスタT2のベースエミッタ間電圧Vbeとが同一となり、第1抵抗部Ra(シャント抵抗)の両端の電位差と第3抵抗部Rcの両端の電位差は同一となる。このため、第3抵抗部Rcには、第1抵抗部Raを流れる電流に応じた電流(具体的には、第1抵抗部Raを流れる電流に比例した電流)が流れる。第1抵抗部Raの抵抗値をR1とし、第3抵抗部Rcの抵抗値をR3とし、第1抵抗部Raを流れる電流の電流値をI1とし、第3抵抗部Rcを流れる電流の電流値をI3とした場合、I3=I1×(R1/R3)となり、第1抵抗部Raの抵抗値R1と第3抵抗部Rcの抵抗値R3との比率に応じた増幅度で第1抵抗部Raを流れる電流を増幅した電流が第3抵抗部Rcに流れることになり、抵抗値R1に対して抵抗値R3が大きくなるほど、増幅度(増幅率)は小さくなり、第3抵抗部Rcを流れる電流が抑えられる。
【0039】
本構成では、センス電流路31を流れる電流がトランジスタT2のコレクタ電流となり、トランジスタT2のエミッタ電流が第3抵抗部Rcを流れる。この構成では、トランジスタT2のベース電流がコレクタ電流及びエミッタ電流と比較して無視できる程度に十分小さいため、第3抵抗部Rcを流れる電流の電流値I3は、センス電流路31を流れる電流の電流値Iin及び第2抵抗部Rbを流れる電流の電流値Isと実質的に同一とみなすことができ、I3=Iin=Isとみなすことができる。このように、電流生成回路22は、第3抵抗部Rcを流れる電流に応じた電流(具体的には、第3抵抗部Rcを流れる電流と実質的に同一の大きさの電流)を第2抵抗部Rb(センス抵抗部)に流すように構成されている。また、I3=I1×(R1/R3)であるため、Is=I1×(R1/R3)とみなすことができ、電流生成回路22は、第1抵抗部Raの抵抗値R1と第3抵抗部Rcの抵抗値R3との比率に応じた増幅度で第1抵抗部Raを流れる電流(電流値I1の電流)を増加又は減少させた電流(電流値Isの電流)を第2抵抗部Rbに流すように構成されている。
【0040】
第2抵抗部Rbの抵抗値をR2とした場合、第2抵抗部Rbで生じる電位差Vsは、Vs=Is×R2となり、Is=I3=I1×(R1/R3)とみなすことができるため、Vs=I1×(R1/R3)×R2となる。そして、第2基準導電路92の電位(第2基準電位)をV2とした場合、第2抵抗部Rbの他端の電位Vn(負側入力路45の電位)は、Vn=V2−Vs=V2−I1×(R1/R3)×R2とみなすことができ、第1抵抗部Raの電流値I1に応じた値(電流値I1をパラメータとする値)となる。
【0041】
比較回路24は、第2抵抗部Rbの他端の電位Vnが、第2基準電位V2を基準として生成される閾値電位Vpよりも小さい場合に第1信号を出力し、閾値電位Vpよりも大きい場合に第2信号を出力する回路である。比較回路24は、主として、基準電位生成部40と、コンパレータ42とを備える。
【0042】
基準電位生成部40は、第2基準導電路92に一端が電気的に接続され、第2基準導電路92の電位(第2基準電位V2)とコンパレータ42の正側入力路44の電位(閾値電位Vp)との電位差が一定値Vdとなるように維持する回路である。基準電位生成部40は、リニアレギュレータやスイッチングレギュレータなどの公知のレギュレータやその他の電圧生成回路によって構成され、例えば、第2基準導電路92の電位(第2基準電位V2)を基準とし、正側入力路44の電位が第2基準電位V2から一定値Vdを減じた値(Vp=V2−Vd)の閾値電位Vpとなるように正側入力路44に直流電圧を印加する。
【0043】
コンパレータ42は、公知のコンパレータとして構成され、負側入力路45の電位Vn(第2抵抗部Rbの他端側の電位)が、正側入力路44の電位Vp(閾値電位)よりも大きい場合、即ち、V2−I1×(R1/R3)×R2>V2−Vdであり、Vd>I1×(R1/R3)×R2の場合に、第2信号としてのLレベル信号を出力路46に出力する。そして、負側入力路45の電位Vnが、正側入力路44の電位Vpよりも小さい場合、即ち、Vd<I1×(R1/R3)×R2の場合に、第1信号としてのHレベル信号を出力路46に出力する。コンパレータ42から出力路46に出力されるHレベル信号(第1信号)は、第1抵抗部Raを流れる電流が過電流状態であることを示す過電流異常検知信号であり、コンパレータ42から出力路46に出力されるLレベル信号(第2信号)は、第1抵抗部Raを流れる電流が過電流状態でないことを示す正常状態検知信号である。
【0044】
このように構成された電源装置1では、制御装置5がPWM信号を出力することによって電圧変換部3が電圧変換動作を行っているときに、第1抵抗部Raを介して第1基準導電路91に流れ込む電流が一定値未満の場合(即ち、Vd>I1×(R1/R3)×R2の場合)、コンパレータ42からLレベル信号(第2信号)が出力されることになる。制御装置5は、コンパレータ42からLレベル信号が出力されていることを条件として電圧変換部3の駆動(電圧変換動作)を継続するように動作してもよい。
【0045】
一方、制御装置5がPWM信号を出力することによって電圧変換部3が電圧変換動作を行っているときに、第1抵抗部Raを介して一定値以上の電流が第1基準導電路91に流れ込む場合(Vd<I1×(R1/R3)×R2の場合)、コンパレータ42からHレベル信号(第1信号)が出力されることになる。このようにコンパレータ42からHレベル信号が出力されている場合には、所定の保護動作を行うようにすることができる。例えば、制御装置5は、コンパレータ42からHレベル信号が出力されている場合に、PWM信号の出力を停止し、電圧変換部3の駆動(電圧変換動作)を停止させてもよい。或いは、制御装置5以外の保護回路を設けてもよく、この保護回路は、例えば、コンパレータ42からLレベル信号が出力されていることを条件として制御装置5から各スイッチ素子S1,S2,S3,S4のゲートへ送信される信号を有効化し、コンパレータ42からHレベル信号が出力されている場合には制御装置5から各スイッチ素子S1,S2,S3,S4のゲートへ送信される信号を無効化して各スイッチ素子S1,S2,S3,S4を全てオフ動作させるように構成されていてもよい。
【0046】
以下において、本構成の効果を例示する。
本構成において、電流生成回路22は、第2基準導電路92に一端側が電気的に接続された第2抵抗部Rbを備えており、第2抵抗部Rbが接続された第2基準導電路92の電位は、第1基準導電路91の電位(第1基準電位)よりも高くなっている。更に、電流生成回路22は、第1抵抗部Raを流れる電流に応じた電流を第2基準導電路92側から第2抵抗部Rbに流すように構成されるため、第2抵抗部Rbの両端の電位差は、第1抵抗部Raを流れる電流に応じた値となる。そして、この電位差と第2基準導電路92の電位(第2基準電位V2)とに基づいて第2抵抗部Rbの他端の電位Vnが定まり、第1抵抗部Raを流れる電流が所定値を超える程度に大きくなると、第2抵抗部Rbの他端の電位Vnが閾値電位Vpよりも小さくなり、比較回路24のコンパレータ42から第1信号(Hレベル信号)が出力されるようになっている。このようにして、電圧変換部3と第1基準導電路91との間を流れる電流が所定値を超える過電流状態(第2抵抗部Rbの他端の電位Vnが閾値電位Vpよりも小さくなる状態)を検出することができる。
【0047】
しかも、本構成は、第1抵抗部Raを流れる電流を反映した検出電位(第2抵抗部Rbの他端の電位Vn)と比較対象となる閾値電位Vpとがいずれも第2基準導電路92の電位(第2基準電位V2)を基準として生成されるため、第1基準導電路91の電位に変動があっても判定精度の大きな低下を招きにくく、電圧変換部3と第1基準導電路91との間を流れる電流が所定値を超える過電流状態であるか否かを、より正確に判定することができる。
【0048】
電流生成回路22は、第1基準導電路91に電気的に接続された第3抵抗部Rcを備えており、第1抵抗部Raの抵抗値R1と第3抵抗部Rcの抵抗値R3との比率に応じた増幅度で第1抵抗部Raを流れる電流を増加又は減少させた電流を第2抵抗部Rbに流すように構成されている。この構成によれば、第1抵抗部Raの電流を所望の増幅度で増加又は減少させた電流を第2抵抗部Rbに流し得る回路を構成することができる。
【0049】
しかも、
図1の構成では、第1抵抗部Raの抵抗値R1と第3抵抗部Rcの抵抗値R3との比率に応じた増幅度で第1抵抗部Raを流れる電流を増加又は減少させる上で、負帰還を用いずに増幅を行うため、高速な電源変動に対するロバスト性が高くなる。
【0050】
電流生成回路22は、一端側が第2基準導電路92に電気的に接続されたセンス抵抗部(第2抵抗部Rb)と、一端側が第2基準導電路92に電気的に接続されたミラー抵抗部(第4抵抗部Rd)と、カレントミラー回路28と、電圧電流変換回路26と、を備える。カレントミラー回路28は、センス抵抗部の他端側及びミラー抵抗部の他端側にそれぞれ接続され、センス抵抗部を流れるセンス電流を所定のミラー比で反映したミラー電流をミラー抵抗部に流すとともに、センス抵抗部及びミラー抵抗部のそれぞれの電流に対応した電流をセンス電流路31及びミラー電流路32にそれぞれ流す構成をなす。電圧電流変換回路26は、センス電流路31及びミラー電流路32のそれぞれに電流が流れることに応じて、ミラー電流路32と第3抵抗部Rcの一端との間を、ミラー電流路32と第1抵抗部Raの一端との間の電位差に対応させた電位差とし、第1抵抗部Raを流れる電流に応じた電流を第3抵抗部Rcに流す構成をなす。更に、電流生成回路22は、第3抵抗部Rcを流れる電流に応じた電流をセンス抵抗部に流すように構成され、センス抵抗部又はミラー抵抗部の少なくともいずれか(
図1の例では、センス抵抗部)が第2抵抗部Rbとして構成されている。
【0051】
この構成では、センス電流及びミラー電流を流すことで第3抵抗部Rcの両端の電位差を第1抵抗部Raの両端の電位差に応じた値とし、第1抵抗部Raを流れる電流に応じた電流を第3抵抗部Rcに流すとともに、第3抵抗部Rcを流れる電流に応じた電流をセンス抵抗部(第2抵抗部Rb)に流すように動作させることができる。ミラー抵抗部(第4抵抗部Rd)を流れるミラー電流は、センス抵抗部を流れるセンス電流を所定のミラー比で反映した電流であるため、センス抵抗部又はミラー抵抗部のいずれかが第2抵抗部Rbとして構成されていれば、第1抵抗部Raを流れる電流に応じた電流が第2抵抗部Rbに流れることになる。そして、このような動作を、電流値を低減しやすいセンス電流及びミラー電流に基づいて行うことができるため、消費電力を抑えやすくなる。また、本構成では、カレントミラー回路28を用いることで、より広いレンジで検出を行うことを可能としている。
【0052】
第2基準導電路92は、電圧生成部80によって所定電圧が印加されることで第2基準電位に保たれるようになっている。このように、電圧生成部80によって所定電圧が印加されることで第2基準導電路92が第2基準電位に保たれるようになっていれば、第1抵抗部Raを流れる電流を反映した検出電位(第2抵抗部Rbの他端の電位Vn)と比較対象となる閾値電位Vpとがいずれも電圧生成部80の出力電圧に基づいて生成されることになり、第1基準導電路91の電位変動の影響がより排除されやすくなる。
【0053】
<実施例2>
次に、
図2を参照して実施例2について説明する。
図2で示す車載用電源装置201(以下、電源装置201ともいう)は、車載用判定回路20に代えて車載用判定回路220(以下、判定回路220ともいう)を用いた点が、実施例1の車載用電源装置1と異なる。判定回路220は、電流生成回路22に代えて電流生成回路222を設けた点のみが実施例1の車載用判定回路20と異なる。なお、
図2で示す車載電源システム200は、電流生成回路22に代えて電流生成回路222を設けた点以外は、
図1で示す車載電源システム100と同一である。
図2で示す電源装置201において、
図1で示す電源装置1と同様の構成をなす部分については電源装置1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0054】
図2で示す判定回路220において、電圧電流変換回路226は、上段側の接続対象が異なる点以外は
図1の電圧電流変換回路26と同様の構成をなす。電圧電流変換回路226は、第1抵抗部Raの両端電圧(両端の電位差)を、この両端電圧に応じた電流に変換して第3抵抗部Rcに流す回路として構成されている。電圧電流変換回路226は、第1基準導電路91に電気的に接続された第3抵抗部Rcと、PNP型のバイポーラトランジスタとして構成されたトランジスタT1と、NPN型のバイポーラトランジスタとして構成されたトランジスタT2と、を備える。トランジスタT1とトランジスタT2はコンプリメンタリとなっている。トランジスタT1は、ベースが第1抵抗部Raの一端に電気的に接続され、エミッタが第4抵抗部Rd2の他端及びトランジスタT2のベースに電気的に接続され、コレクタが第1基準導電路91に電気的に接続されている。トランジスタT2は、コレクタが第2抵抗部Rb2の他端に電気的に接続され、エミッタが第3抵抗部Rcの一端に電気的に接続されている。そして、第3抵抗部Rcの他端は、第1基準導電路91に電気的に接続されている。第2抵抗部Rb2の一端は、第2基準導電路92に電気的に接続され、第4抵抗部Rd2の一端も、第2基準導電路92に電気的に接続されている。第2基準導電路92は、実施例1と同様の構成で、電位が第2基準電位V2に保たれている。
この構成では、第2抵抗部Rb2及び第4抵抗部Rd2のそれぞれに電流が流れることに応じて、第4抵抗部Rd2の他端と第3抵抗部Rcの一端との間の電位差を、第4抵抗部Rd2の他端と第1抵抗部Raの一端との間の電位差に対応させた電位差とする。具体的には、トランジスタT1のベースエミッタ間電圧VbeとトランジスタT2のベースエミッタ間電圧Vbeとが同一となり、第1抵抗部Ra(シャント抵抗)の両端の電位差と第3抵抗部Rcの両端の電位差は同一となる。このため、第3抵抗部Rcには、第1抵抗部Raを流れる電流に応じた電流(具体的には、第1抵抗部Raを流れる電流に比例した電流)が流れる。第1抵抗部Raの抵抗値をR1とし、第3抵抗部Rcの抵抗値をR3とし、第1抵抗部Raを流れる電流の電流値をI1とし、第3抵抗部Rcを流れる電流の電流値をI3とした場合、I3=I1×(R1/R3)となり、第1抵抗部Raの抵抗値R1と第3抵抗部Rcの抵抗値R3との比率に応じた増幅度で第1抵抗部Raを流れる電流を増幅した電流が第3抵抗部Rcに流れることになり、抵抗値R1に対して抵抗値R3が大きくなるほど、増幅度(増幅率)は小さくなり、第3抵抗部Rcを流れる電流が抑えられる。
【0055】
図2の構成では、第2抵抗部Rb2を流れる電流がトランジスタT2のコレクタ電流となり、トランジスタT2のエミッタ電流が第3抵抗部Rcを流れる。この構成では、トランジスタT2のベース電流がコレクタ電流及びエミッタ電流と比較して無視できる程度に十分小さいため、第3抵抗部Rcを流れる電流の電流値I3は、第2抵抗部Rb2を流れる電流の電流値Isと実質的に同一とみなすことができ、I3=Isとみなすことができる。このように、電流生成回路222は、第3抵抗部Rcを流れる電流に応じた電流(具体的には、第3抵抗部Rcを流れる電流と実質的に同一の大きさの電流)を第2抵抗部Rb2に流すように構成されている。また、I3=I1×(R1/R3)であるため、Is=I1×(R1/R3)とみなすことができ、電流生成回路222は、第1抵抗部Raの抵抗値R1と第3抵抗部Rcの抵抗値R3との比率に応じた増幅度で第1抵抗部Raを流れる電流(電流値I1の電流)を増加又は減少させた電流(電流値Isの電流)を第2抵抗部Rbに流すように構成されている。
【0056】
この構成でも、第2抵抗部Rb2の抵抗値をR2とした場合、第2抵抗部Rb2で生じる電位差Vsは、Vs=Is×R2となり、Is=I3=I1×(R1/R3)とみなすことができ、Vs=I1×(R1/R3)×R2となる。そして、第2基準導電路92の電位(第2基準電位)をV2とした場合、第2抵抗部Rb2の他端の電位Vn(負側入力路45の電位)は、Vn=V2−Vs=V2−I1×(R1/R3)×R2とみなすことができ、第1抵抗部Raの電流値I1に応じた値(電流値I1をパラメータとする値)となる。
【0057】
コンパレータ42は、負側入力路45の電位Vn(第2抵抗部Rb2の他端側の電位)が、正側入力路44の電位Vp(閾値電位)よりも大きい場合、即ち、V2−I1×(R1/R3)×R2>V2−Vdであり、Vd>I1×(R1/R3)×R2の場合に、第2信号としてのLレベル信号を出力路46に出力する。そして、負側入力路45の電位Vnが、正側入力路44の電位Vpよりも小さい場合、即ち、Vd<I1×(R1/R3)×R2の場合に、第1信号としてのHレベル信号を出力路46に出力する。なお、コンパレータ42から第1信号が出力された場合の動作や、第2信号が出力された場合の動作は、実施例1と同様とすることができる。
【0058】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施例や後述する実施例は矛盾しない範囲で組み合わせることが可能である。
【0059】
上述した実施例では、昇降圧型のDCDCコンバータとして構成される
電源装置を例示したが昇圧型のDCDCコンバータに適用してもよく、降圧型のDCDCコンバータに適用してもよい。また、一方側から入力された電圧を変換して他方側に出力する一方向型のDCDCコンバータに適用してもよく、双方向型のDCDCコンバータに適用してもよい。いずれの場合でも、電圧変換部と第1基準導電路91(グラウンド)との間に第1抵抗部を設けることができ、この第1抵抗部に対して実施例1
、2と同様の構成で判定回路20又は判定回路220を接続することができる。例えば、
図3のような車載用電源装置301としてもよい。なお、
図3で示す車載電源システム300は、電圧変換部3に代えて電圧変換部303を設けた点以外は、
図1で示す車載電源システム100と同一である。
図3で示す電源装置301において、
図1で示す電源装置1と同様の構成をなす部分については電源装置1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。例えば、
図3で示す判定回路20は、実施例1の判定回路20と同一の構成をなし、同様に動作する。この例では、電圧変換部303は、例えば、第1導電路11に入力された電圧を降圧して第2導電路12に印加する降圧型コンバータとして構成されており、制御装置5からスイッチ素子S1、S2に相補的にPWM信号を出力することにより、降圧動作を行い得るようになっている。そして、ローサイド側のスイッチ素子S2と第1基準導電路91との間に第1抵抗部Raが設けられ、この第1抵抗部Raの他端の電位がトランジスタT1のベース電位となるように構成されている。
【0060】
上述した実施例では、単相式のDCDCコンバータを例示したが、多相式のDCDCコンバータに適用してもよい。
【0061】
上述した実施例では、第1導電路11や第2導電路12に電気的に接続される発電機や負荷などは省略して示したが、様々な装置や電子部品を第1導電路11や第2導電路12に対して電気的に接続することができる。
【0062】
上述した実施例では、第1抵抗部Raが抵抗体として構成される例を示したが、第1抵抗部は、抵抗成分を有する部品であればよい。例えば、FETなどのスイッチ素子を第1抵抗部Raの代わりに置き換え、このスイッチ素子がオン状態のときにスイッチ素子を流れる電流が過電流状態であるか否かを判定してもよい。
【0063】
上述した実施例
1では、バイポーラトランジスタによって構成されるカレントミラー回路28を例示したが、FETによって構成されるカレントミラー回路を用いてもよい。また、カレントミラー回路は、公知の様々なカレントミラー回路(例えば、カレントミラー回路28を高機能化した公知回路)に置き換えてもよい。
【0064】
上述した実施例
1では、センス抵抗部を第2抵抗部としたが、ミラー抵抗部を第2抵抗部としてもよい。例えば、
図1における負側入力路45を、センス抵抗部(第2抵抗部Rb)の他端ではなく、ミラー抵抗部(第4抵抗部Rd)の他端に電気的に接続し、ミラー抵抗部(第4抵抗部Rd)を第2抵抗部として機能させてもよい。