特許第6812983号(P6812983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6812983
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20201228BHJP
   H02K 3/52 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   H02K3/50
   H02K3/52 E
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-545201(P2017-545201)
(86)(22)【出願日】2016年10月12日
(86)【国際出願番号】JP2016080156
(87)【国際公開番号】WO2017065140
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2019年9月25日
(31)【優先権主張番号】特願2015-202692(P2015-202692)
(32)【優先日】2015年10月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小川 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】服部 隆志
【審査官】 津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−165587(JP,A)
【文献】 特開2014−138499(JP,A)
【文献】 特開2014−087087(JP,A)
【文献】 特開2010−011656(JP,A)
【文献】 特開2013−211945(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/188803(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
H02K 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる中心軸を中心とするシャフトを有するロータと、
前記ロータと対向して位置するステータと、
前記ステータの上側に位置し前記ステータを制御装置に接続させるバスバーユニットと
、を備え、
前記バスバーユニットは、バスバーおよび前記バスバーを支持するバスバーホルダを有し、
前記バスバーは、前記ステータから延びるコイル端に接続されたコイル接続部と、
上側に延びて前記制御装置と接続するための接続端子部と、
前記バスバーホルダに支持された支持部と、前記支持部と前記接続端子部との間に位置する腕部と、
を有し、
前記腕部が、平面視で径方向と交差する方向に延びており、
前記バスバーは、前記中心軸と直交する面内で前記支持部を中心として前記バスバーホルダに対し回動可能であり、
前記バスバーホルダは、前記支持部を中心とする前記バスバーの回動を制限する回動制限部を有し、
前記回動制限部は、前記支持部とは別に設けられ、前記バスバーと当接して前記バスバーの回動を制限する壁である、モータ。
【請求項2】
前記バスバーの前記コイル接続部が前記腕部と径方向に重なる、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記バスバーは、前記支持部が前記バスバーホルダに固定され、前記中心軸と直交する面内で前記支持部を中心として前記バスバーホルダに対し回動不可である、請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項4】
前記バスバーは、前記支持部を2つ有する請求項に記載のモータ。
【請求項5】
前記バスバーホルダは絶縁材料からなり、軸部と前記軸部の先端に位置する頭部とを有し、
前記バスバーの前記支持部には、前記軸部が挿入される孔が設けられ、前記孔の直径は前記軸部の直径より大きく頭部の直径より小さい、請求項1〜の何れか一項に記載のモータ。
【請求項6】
前記バスバーホルダには、上下方向に貫通し前記コイル端が通過する第1貫通孔が設けられ、
前記コイル接続部は、第1貫通孔の上側において前記コイル端と接続されている、請求項1〜の何れか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記バスバーは、厚さ方向に屈曲した金属板からなり、
展開した状態において、前記金属板は、基端部と、前記基端部からそれぞれ同方向に延びる第1直線部および第2直線部と、を有するU字形状をなし、
前記コイル接続部が、前記第1直線部に位置し、前記接続端子部が前記第2直線部に位置する、請求項1〜の何れか一項に記載のモータ。
【請求項8】
前記シャフトを支持するベアリングと、
前記ベアリングを保持するベアリングホルダと、をさらに備え、
前記ベアリングホルダは、前記バスバーユニットの上側または下側に位置し、前記シャフトが通過するベアリングホルダ貫通孔が設けられ、
前記バスバーホルダには、前記シャフトが通過する第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔の開口縁には前記ベアリングホルダ貫通孔に嵌る円筒部が設けられている、請求項1〜の何れか一項に記載のモータ。
【請求項9】
前記ステータを収容し上側に開口を有する筒状のハウジングをさらに備え、
前記ハウジングの前記開口には、前記制御装置の少なくとも一部を収容可能な制御装置収容領域が設けられ、制御装置収容領域の下側に前記バスバーユニットが位置する、請求項1〜の何れか一項に記載のモータ。
【請求項10】
前記バスバーユニットは、複数の前記バスバーを有し、
複数の前記バスバーのうち互いに最も近くに配置される一対の前記バスバーが、軸方向と直交する面内において、互いの前記腕部が直線的に並べてられる、請求項1〜の何れか一項に記載のモータ。
【請求項11】
前記バスバーユニットは、複数の前記バスバーを有し、
複数の前記バスバーのうち互いに最も近くに配置される一対の前記バスバーが、軸方向と直交する面内において、互いの前記腕部を平面師視でV字状に並べてられる、請求項1〜10の何れか一項に記載のモータ。
【請求項12】
前記バスバーの前記腕部が、平面視で径方向と直交する方向に対して、±45度の範囲内に延びる、請求項1〜11の何れか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータを収容するモータケースと制御装置を収容する収容部材を連結して一体化したモータが知られている(特許文献1参照)。このようなモータは、制御装置側に延びる接続端子部を有し、接続端子部を制御装置に設けられたソケットに挿入することで制御装置と接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0223604号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータの接続端子部と制御装置のソケットとは、互いに接続された状態で、熱膨張などの影響により相対的に位置ズレが生じる場合がある。モータに対して接続端子部が移動不能に固定されている場合には、接続端子部とソケットとの相対的な位置ズレにより、接続状態が不安定となる虞があった。
【0005】
本発明の一態様は、制御装置との安定した接続が可能なモータの提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるモータは、上下方向に延びる中心軸を中心とするシャフトを有するロータと、前記ロータと対向して位置するステータと、前記ステータの上側に位置し前記ステータを制御装置に接続させるバスバーユニットと、を備え、前記バスバーユニットは、バスバーおよび前記バスバーを支持するバスバーホルダを有し、前記バスバーは、前記ステータから延びるコイル端に接続されたコイル接続部と、上側に延びて前記制御装置と接続するための接続端子部と、前記バスバーホルダに支持された支持部と、前記支持部と前記接続端子部との間に位置する腕部と、を有し、前記腕部が、平面視で径方向と交差する方向に延びており、前記バスバーは、前記中心軸と直交する面内で前記支持部を中心として前記バスバーホルダに対し回動可能であり、前記バスバーホルダは、前記支持部を中心とする前記バスバーの回動を制限する回動制限部を有し、前記回動制限部は、前記支持部とは別に設けられ、前記バスバーと当接して前記バスバーの回動を制限する壁である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、制御装置との安定した接続が可能なモータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るモータを示す断面図。
図2図2は、一実施形態に係るモータであってハウジングを省略した斜視図である。
図3図3は、一実施形態に係るバスバーユニットの分解斜視図である。
図4図4は、一実施形態に係るバスバーユニットの平面図である。
図5図5は、一実施形態に係る第1のバスバーの展開した状態における平面模式図である。
図6図6は、一実施形態に係る第2のバスバーの展開した状態における平面模式図である。
図7図7は、変形例1に係るバスバーユニットの平面図である。
図8図8は、変形例2に係るバスバーユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
以下の説明においては、中心軸Jの延びる方向を上下方向とする。ただし、本明細書における上下方向は、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向(中心軸Jの軸周り)を単に「周方向」と呼ぶ。
【0010】
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45度未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45度未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0011】
図1は、本実施形態のモータ10を示す断面図である。図2は、ハウジング20を省略したモータ10の斜視図である。図3は、バスバーユニット60の分解図である。図4は、バスバーユニット60の平面図である。
【0012】
モータ10は、上側に開口を有する筒状のハウジング20と、ロータ30と、ステータ40と、ワイヤー支持部材70と、ベアリングホルダ55と、上側ベアリング51と、下側ベアリング52と、バスバーユニット60と、を備える。モータ10では、バスバーユニット60と、ベアリングホルダ55と、ワイヤー支持部材70と、ステータ40とが、上側から下側に向かって、この順に配置される。モータ10は、バスバーユニット60の上側に、制御装置100の少なくとも一部を収容可能な制御装置収容領域20Aを有する。すなわち、制御装置収容領域20Aの下側にバスバーユニット60が位置する。制御装置100は、バスバーユニット60から上側に延びる接続端子部61b、62bが挿入され接続されるソケット100aを有する。バスバーユニット60の上側に、制御装置収容領域20Aが設けられることで、ハウジング20の内周面により制御装置100を軸方向に案内して、接続端子部61b、62bとソケット100aとを円滑に接続できる。
【0013】
ハウジング20は、上下方向に延びる筒部21と、筒部21の下端に位置する底壁部23と、上側に開口する開口部20aと、を有する。ハウジング20の内面には、下側から順に、ステータ40と、ベアリングホルダ55とが収容され固定される。
【0014】
筒部21は、中心軸Jを中心とする円筒状である。筒部21は、ステータ40を保持する内周面20bと、ベアリングホルダ55を保持する内周面20cと、制御装置100の一部を収容する制御装置収容領域20Aの内周面20dとを有する。内周面20dの内径は、内周面20cの内径よりも大きい。内周面20cの内径は、内周面20bの内径よりも大きい。すなわち、ハウジング20は、開口部20aから奥側(底壁部23側)へ行くに従って内径が小さくなる内面形状を有する。
【0015】
ハウジング20は、内径の異なる内周面20cと、内周面20dとを接続する傾斜面20eと、を有する。傾斜面20eの表面形状は、軸方向下側へ行くに従って内径が小さくなる。すなわち、傾斜面20eの断面形状は、直線状または湾曲形状が望ましい。これにより、組み立て作業者等(組み立て作業者または組み立て装置等)は、開口部20aから挿入されたベアリングホルダ55を取り付け位置(内周面20c)へ円滑に配置することができる。
なお、ハウジング20は、必ずしも傾斜面20eを有さなくてもよい。例えば、ハウジング20は、内周面20cと内周面20dとが段差部を介して軸方向に接続される構成であってもよい。
【0016】
筒部21の形状は、円筒状に限られない。筒部21は、内周面にステータ40とベアリングホルダ55を保持可能な形状であれば、筒部21の外形を例えば箱形としてもよい。また、筒部21の外形は、円筒形と箱形を組み合わせた形状であってもよい。筒部21には、ステータ40またはベアリングホルダ55が、内面の周方向の一部で保持されてもよい。
【0017】
底壁部23は、ステータ40の下側に配置され、下側ベアリング52を保持するベアリング保持部23aと、底壁部23を軸方向に貫通する出力軸孔22と、を有する。
【0018】
ロータ30は、シャフト31を有する。シャフト31は、上下方向に延びる中心軸Jを中心とする。ロータ30は、シャフト31とともに中心軸J周りに回転する。シャフト31の下側の端部は、出力軸孔22を介してハウジング20の下側へ突出する。
【0019】
上側ベアリング51および下側ベアリング52は、シャフト31を、中心軸周りに回転可能に支持する。下側ベアリング52は、ステータ40の下側において、ベアリング保持部23aに保持される。上側ベアリング51は、ステータ40の上側において、ベアリングホルダ55に保持される。
【0020】
ステータ40は、ロータ30の径方向外側に位置し、ロータ30と対向する。ステータ40は、ステータコア41と、インシュレータ42と、コイル43と、を有する。インシュレータ42は、ステータコア41のティース41aに取り付けられる。コイル43は、インシュレータ42に巻き回される導線により構成され、各ティース41aに配置される。ステータ40の外周面は、ハウジング20の内周面20bに固定される。
【0021】
ワイヤー支持部材70は、図1に示すように、ステータ40上に配置される。ワイヤー支持部材70は、中央にシャフト31が通過する孔が設けられた円板状の本体部73と、本体部73から上方に突出する複数のワイヤー支持部75と、コイルの中性点が接続される中性点バスバー(図示略)と、を有する。図2に示すように、ワイヤー支持部75は、平面視で径方向内側に開口するU字形状であり、ステータ40から上側に延びて相用バスバー(以下、バスバー)61、62に接続されるコイル引出線を外周から囲んで支持する。
【0022】
ベアリングホルダ55は、略円板状であり、ステータ40の上側かつバスバーユニット60の下側に位置する。ベアリングホルダ55は、上側ベアリング51を保持する。ベアリングホルダ55は、図1に示すように、上側ベアリング51を保持する内側筒部55aと、内側筒部55aの上端から径方向内側に延びる上縁部55dと、ハウジング20の内周面20bに嵌合する外側筒部55bと、内側筒部55aと外側筒部55bとを連結する連結部55cとを有する。上縁部55dには、シャフト31が通るベアリングホルダ貫通孔55gが設けられている。すなわち、ベアリングホルダ55には、シャフト31が通るベアリングホルダ貫通孔55gが設けられる。
【0023】
ベアリングホルダ55を構成する材料の線膨張係数は、ハウジング20を構成する材料の線膨張係数と同等とすることが好ましい。この構成により、ハウジング20にベアリングホルダ55を組み付けた後の温度変化に対して、ハウジング20とベアリングホルダ55の膨張量および収縮量が同じになるため、ベアリングホルダ55の取り付けが弛みにくくなる。本実施形態の場合、ベアリングホルダ55およびハウジング20は、いずれもアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。なお、ベアリングホルダ55およびハウジング20は、上記以外の材料であってもよい。
【0024】
バスバーユニット60は、ステータ40の上側に位置し、ステータ40を制御装置100に接続させる。バスバーユニット60は、複数(本実施形態では6つ)のバスバー(第1のバスバー61および第2のバスバー62)並びに、絶縁材料としての樹脂材料からなりバスバー61、62を支持するバスバーホルダ65を有する。複数のバスバーは、互いに形状の異なる第1のバスバー61と第2のバスバー62とを含む。すなわち、バスバーユニット60は、3つの第1のバスバー61と、3つの第2のバスバー62と、を有する。また、第1のバスバー61および第2のバスバー62は、対となってバスバーホルダ65の上面に配置される。以下の説明では、第1のバスバー61と第2のバスバー62との対をバスバー対6と呼ぶ。本実施形態のバスバーユニット60は、3つのバスバー対6を有する。
【0025】
次に、第1のバスバー61および第2のバスバー62の各部について、図3を基に説明する。なお、第1のバスバー61および第2のバスバー62の各部について共通する構成については、第1のバスバー61の説明により第2のバスバー62の説明を代表させ、第2のバスバー62の説明を省略する。
【0026】
第1のバスバー61は、コイル接続部61fと、接続端子部61bと、支持部61eと、腕部61dと、を有する。同様に、第2のバスバー62は、コイル接続部62fと、接続端子部62bと、支持部62eと、腕部62dと、を有する。コイル接続部61f,62fは、端子61a,62aと連結部61g,62gとを含む。コイル接続部61f、62fは、端子61a,62aにおいて、ステータ40から延びるコイル端43aに接続される。連結部61g,62gは、支持部61e、62eと端子61a、62aとの間に位置する。接続端子部61b,62bは、上側に延びており、制御装置100と接続される。支持部61e,62eは、バスバーホルダ65に支持されている。腕部61d,62dは、支持部61e,62eと接続端子部61b,62bの間に位置する。
【0027】
第1のバスバー61および第2のバスバー62は、金属製の板状部材を折り曲げて成形されている。第1のバスバー61および第2のバスバー62の各部は、同一の板厚を有する板形状を有する。コイル接続部61f,62fおよび接続端子部61b,62bは、それぞれバスバー61,62の両端部に位置している。コイル接続部61f,62fの端子61a,62aおよび接続端子部62b,62bは、板厚方向と軸方向が直交する。これに対し、腕部61d,62d、支持部61e,62eおよびコイル接続部61f,62fの連結部61g,62gは、板厚方向が軸方向と一致する。
【0028】
コイル接続部61fは、支持部61eに対して径方向内側に位置している。コイル接続部61fの端子61aは、平面視で径方向外側に開口するU字形状を有する。端子61aは、開口においてコイル端43aを把持して、コイル端43aに電気的に接続される。端子61aは、コイル端43aと、例えば、抵抗溶接により接続される。
【0029】
コイル接続部61fは、図4に示すように、腕部61dと径方向に重なる。ここでコイル接続部61fは、腕部61dに対して径方向内側又は径方向外側に位置していればよく、コイル接続部61fの軸方向位置は腕部61dの軸方向の位置と互いにずれていてもよい。後段において説明するように、腕部61dは、平面視で径方向と交差する方向に延びている。したがって、腕部61dの径方向内側(又は径方向外側)には、スペースが設けられる。コイル接続部61fを腕部61dと径方向に重なる位置に配置することで、腕部61dの径方向内側(又は径方向外側)のスペースを有効に利用して、バスバーユニットの径方向の寸法を小さくすることができ、バスバーユニットをコンパクトにすることができる。なお、コイル接続部61fと腕部61dとの軸方向位置が一致している場合には、軸方向に一致しない場合と比較して、バスバーユニットの軸方向の寸法を小さくすることができ、バスバーユニット60を軸方向にコンパクトにすることができる。
【0030】
加えて、コイル接続部61fを腕部61dと径方向に重なる位置に配置することで、第1のバスバー61の形状を平面視においてU字形状とすることができる。このため、後段において図5を基に説明するように、第1のバスバー61を展開した状態の第1の金属板66も、U字形状とすることができる。そのため、打ち抜き加工で第1の金属板66を成形する場合に、素材である板材からの取り数を多く確保することができ、製造コストを削減することができる。
【0031】
図4に示すように、第1のバスバー61においては、コイル接続部61fの端子61aの一部のみが、腕部61dと径方向に重なる。一方で、第2のバスバー62においては、コイル接続部62fの連結部62gが、腕部62dと径方向に重なり、端子61aは重ならない。このように、コイル接続部61f,62fが、腕部61d,62dに対し径方向の重なり合う部分が一部でもあれば、上述の効果を奏することができる。
【0032】
接続端子部61bは、矩形状であり、腕部61dから上側に延びる。接続端子部61bは、制御装置100に設けられたソケット100aに挿入され、モータ10と制御装置100との接続部を構成する。接続端子部61bの幅(短手方向の寸法)は、少なくとも根元部において腕部61dの幅より大きい。接続端子部61bは、根元部において、バスバーホルダ65に設けられた接続端子収容部68に収容される。
【0033】
図3に示すように、接続端子収容部68は、中央凸部68aと、中央凸部68aの両側に第1、第2のバスバー61、62の板厚と略同じ距離だけ離れて設けられた側方凸部68bと、からなる。側方凸部68bには、切欠き68cが設けられる。中央凸部68aと側方凸部68bとにより、接続端子部61b、62bが収容される。切欠き68cには、腕部61d、62dの端部が挿通される。中央凸部68aと側方凸部68bとの間の間隙幅は、バスバー61、62の板厚よりも大きい。切欠き68cの切欠き幅は、腕部61d、62dの幅寸法よりも大きい。つまり、接続端子収容部68は、バスバー61、62を可動可能に収容する。これにより、接続端子収容部68は、接続端子部61b,62bを制御装置100のソケット100aに挿入する際の接続端子部61b、62bの倒れを、抑制する。
【0034】
支持部61eには、上下方向に貫通する孔61cが設けられる。孔61cには、バスバーホルダ65の上面から上側に延びる支持突起64が挿入される。これにより、バスバーホルダ65は、支持部61eにおいて第1のバスバー61を支持する。
【0035】
図2に示すように、バスバーホルダ65の支持突起64は、軸部64bと頭部64aとを有する。すなわち、バスバーホルダ65は、軸部64bと頭部64aとを有する。軸部64bは、バスバーホルダ65の上面から上側に延びる。頭部64aは、軸部64bの上側の先端に位置する。頭部64aの直径は、軸部64bの直径より大きい。頭部64aは、軸部64bの先端を熱溶着することで成形される。組立作業者等は、頭部64aが成形される前の状態で、軸部64bを第1のバスバー61の支持部61eに設けられた孔61cに挿入して、軸部64bの先端を熱溶着して頭部64aを成形する。孔61cの直径は、軸部64bの直径より大きく、頭部64aの直径より小さい。したがって、支持部61eは、支持突起64により支持され、上方に離脱することが防止される。また、支持突起64は、軸部64bを孔61cに挿入した後に軸部64bの先端に熱溶着により頭部64aを成形することで容易に第1のバスバー61を支持することができる。これにより、組み立て工程を簡素化することができる。
【0036】
第1のバスバー61は、支持部61eを1つ有する。支持部61eには、支持突起64の軸部64bが挿入される1つの孔61cが設けられる。このため、第1のバスバー61は、中心軸Jと直交する面内で、支持部61e(より具体的には、孔61c)を中心として、バスバーホルダ65に対し回動可能である。より具体的には、第1のバスバー61は、中心軸Jと直交する面内で、孔61cを中心として、バスバーホルダ65に対し回動可能である。第1のバスバー61を、支持部61eを中心としてバスバーホルダ65に対して回動可能にすることにより、接続端子部61bを制御装置100のソケット100aに挿入して接続する際に、ソケット100aと接続端子部とが相対的に位置ズレした場合であっても、第1のバスバー61がズレに応じて回動し、接続端子部61bを円滑に挿入できる。また、前述のように、接続端子部61bが挿入されるため、第1のバスバー61が、支持部61eのみでバスバーホルダ65に支持され、腕部61dは弾性変形可能である。
【0037】
第1のバスバー61は、バスバーホルダ65の上面に配置される凹部63に収容される。凹部63は、第1のバスバー61の外周面と対向する内壁63dを有する。凹部63には、後述する第1貫通孔65Aの開口縁に沿って、突出壁63eが設けられる。内壁63dおよび突出壁63eは、第1のバスバー61の回動を制限する。すなわち、バスバーホルダ65は、支持部61eを中心とする第1のバスバー61の回動を制限する回動制限部(すなわち、内壁63dおよび突出壁63e)を有する。また、接続端子収容部68の切欠き68cに面する壁も、同時に、第1のバスバー61の回動を制限する回動制限部として作用する。回動制限部により、第1のバスバー61の回動は、所定の角度範囲に制限されるため、第1のバスバー61が過度に回動することがなく、回動による組み立て性の悪化を防止できる。また、第1のバスバー61の側面を、それら回動制限部の少なくとも一部に当接させながら、バスバーホルダ65に支持することにより、第1のバスバー61のバスバーホルダ65に対する位置決めができる。
なお、回動制限部は、本実施形態の構成に限らず、例えば、第1のバスバー61の周囲に配置され、バスバーホルダ65の上面から軸方向上側に突出する突起であってもよい。
【0038】
図4に示すように、腕部61dは、平面視で径方向と直交する方向に延びる。つまり、腕部61dは、平面視で径方向と交差する方向に延びる。しかしながら、腕部61dが延びる方向は、平面視で径方向と直交する方向に限定されるものではなく、所定の角度範囲Rにおいて変更可能である。この所定の角度範囲Rは、次のように定義される。図4において、平面視で接続端子部61bと接続端子部62bとの中間に位置する中間点CPと、中心軸Jとを結ぶ第1の基準線L1を想定する。次に、平面視で、第1の基準線L1と直交し、接続端子部61bを通過する第2の基準線L2を想定する。本実施形態では、腕部61dは、第2の基準線L2に沿って延びる。この所定の角度範囲Rは、中間点CPを起点に、第2の基準線L2を時計回りに所定の角度範囲r1、および反時計回りに所定の角度範囲r2からなる。例えば、所定の角度範囲r1は、+45度、所定の角度範囲r2は−45度である(つまり、所定の角度範囲Rは、第2の基準線L2から±45度である)。より具体的には、変形例1として後述する。
なお、腕部61dの向きを角度範囲Rにおいて変更する場合、必要に応じて、図4の構成において、バスバーホルダ65の外径を大きくする、第1バスバーを径方向内側に移動する、または、第1貫通孔65A及びコイル端43aを径方向内側に移動させる、等の変更が可能である。
【0039】
腕部61dを、平面視で径方向と交差する方向に延びるように配置する構成とすることにより、腕部が径方向に延びる構造と比較して、バスバーユニット60の径方向寸法を大きくすることなく、腕部61dを長くすることができる。腕部61dは、長手方向の長さに比例して、一方の端部に対する他方の端部の撓みによる変形量が大きくなる。したがって、第1のバスバー61では、腕部61dを長手方向に長くすることにより、支持部61eを支点とする腕部61dの変形が容易となり、腕部61dが上下方向に撓み変形しやすくなる。これにより、接続端子部61bは、上方向に容易に移動すること可能となる。また、腕部61dを長手方向に長くすることにより、腕部61dの長手方向に対する捻り変形が容易となる。これにより、接続端子部61bの先端側は、根元側を起点として倒れ方向に移動することが容易となる。
【0040】
また、接続端子部61bが、制御装置100のソケット100aに接続された状態で、熱膨張によってソケット100aと接続端子部61bとの相対的な位置関係が変わる場合(例えば、接続端子部61bがソケット100aによって上方向に引っ張られる。)がある。このような場合であっても、腕部61dの変形によって接続端子部61bが可動して、相対的な位置関係の変化を吸収し、接続が不安定となることを抑制できる。また、接続端子部61bが、根元部を起点として、例えば、径方向に先端が倒れるように可動可能である。そのため、仮に、接続端子部61bの位置がソケット100aに対して正確に一致していなくても、接続端子部61bを制御装置100のソケット100aに円滑に挿入することができる。したがって、モータ10と制御装置100との組み立て作業の容易性を高める
ことができる。
【0041】
図4に示すように、バスバー対6の第1のバスバー61と第2のバスバー62は、軸方向と直交する面内で互いの腕部61d、62dを直線的に並べて配置される。そして、3組のバスバー対6が周方向に互いにほぼ等間隔に隣り合って配置される。これにより、3組のバスバー対6をコンパクトに配置しやすく、バスバーユニット60の軸方向と直交する面内におけるスペースを有効に利用できる。
【0042】
バスバーホルダ65は、円板形状であり、ベアリングホルダ55の上面に固定される。バスバーホルダ65の上面には、3つの凹部63が設けられる。凹部63は、それぞれバスバー対6を収容する。バスバーホルダ65は、凹部63の内側に位置する支持突起64、接続端子収容部68、および突出壁63eを有し、凹部63の内側でバスバー61、62を支持する。
【0043】
図5および図6は、それぞれ第1のバスバー61および第2のバスバー62を展開した状態(又は曲げ加工前の状態)を示す平面模式図である。
第1のバスバー61は、厚さ方向に屈曲した第1の金属板66からなる。同様に第2のバスバー62は、厚さ方向に屈曲した第2の金属板67からなる。
【0044】
図5に示すように、第1のバスバー61は、展開した状態(すなわち、第1の金属板66)において、基端部66cと、基端部66cからそれぞれ同方向に延びる第1直線部66aおよび第2直線部66bと、を有する。これにより、第1の金属板66は、U字形状をなす。
【0045】
第1直線部66aには、コイル接続部61fが位置する。すなわち、コイル接続部61fは、第1直線部66aに位置する。第1直線部66aには、2つの折曲部66gが設けられる。折曲部66gは、第1直線部66aの幅方向に直線状に延びる。第1直線部66aは、折曲部66gに沿って折り曲げられることにより、端子61aとなる。
【0046】
基端部66cには、第1のバスバー61の支持部61eが位置する。基端部66cには、折曲部66fが設けられる。基端部66cが折曲部66fに沿って折り曲げられことにより、第1直線部66aを支持部61eの面に対して直交する方向に立ち上げることができる。
【0047】
第2直線部66bには、腕部61dと接続端子部61bとが位置する。すなわち、接続端子部61bは、第2直線部に位置する。第2直線部66bには、折曲部66eが設けられる。折曲部66eは、第2直線部66bの幅方向に直線状に延びる。第2直線部66bは、折曲部66eに沿って折り曲げられる。第2直線部66bにおいて、折曲部66fより先端側が接続端子部61bを構成して、折曲部66fより根元側に腕部61dを構成する。
【0048】
なお、本実施形態において、支持部61eは、第1の金属板66の基端部66cに位置するが、支持部61eは、その他の部位に位置してもよい。例えば、支持部61eが第1直線部66aに位置してもよい。
【0049】
以上、第1の金属板66の各部について説明したが、第2の金属板67の各部についても類似の構成を有する。図6に示すように、第2のバスバー62は、展開した状態(第2の金属板67)において、基端部67cと、基端部67cからそれぞれ同方向に延びる第1直線部67aおよび第2直線部67bと、を有する。第1直線部67aの一端には、第1直線部67aに直交する方向に延びる第3直線部67dを有する。これにより、第2の金属板67は、U字形状をなす。第2の金属板67では、コイル接続部62fが、第1直線部67aに位置し、接続端子部62bが第2直線部67bに位置する。つまり、第3直線部67dは、第1直線部67aと第3直線部67dとの間の折曲部67fに沿って折り曲げ、かつ折曲部67gに沿ってU字形状に折り曲げることによって、端子62aを構成する。接続端子部62bは、折曲部67eに沿って折り曲げられ形成される。
【0050】
第1の金属板66および第2の金属板67は、それぞれU字形状を有するため、第1の金属板66を打ち抜くために必要な母材の面積を小さくすることができる。第1の金属板66および第2の金属板67は、打ち抜き加工により成形される。第1の金属板66および第2の金属板67は、U字形状であるため、縦横寸法が小さくなる。その結果として、1枚の板材からの取り数を増加させることができる。換言すると、母材から第1および第2の金属板66、67を打ち抜き後に残る残材を少なくできる。したがって、本実施形態によれば、モータの製造にかかるコストを削減することができる。
【0051】
バスバーホルダ65には、上下方向に貫通する3つの第1貫通孔65Aおよび3つの第2貫通孔69が設けられる。
【0052】
第1貫通孔65Aは、それぞれ異なる凹部63の内側に位置する。平面視において、第1貫通孔65Aは、コイル接続部61f,62fの端子61a,62aと重なる。コイル端43aは、第1貫通孔65A内を通過し、コイル接続部61f、62fに接続される。第1貫通孔65Aは、コイル接続部61f,62fの大きさに対して、十分に大きく開口する。そのため、コイル端43aとコイル接続部61f,62fとの多少の位置ズレがあっても、第1貫通孔65Aにコイル接続部61f,62fを接続することができる。
【0053】
第2貫通孔69は、バスバーホルダ65の中央に位置する。第2貫通孔69には、シャフト31が通る。図1に示すように、第2貫通孔69の開口縁には、下側に延びる円筒部69aが配置される。円筒部69aは、ベアリングホルダ貫通孔55gに嵌まる。これにより、バスバーユニット60を、ベアリングホルダ55に対して、軸方向に対し直交する面内の位置合わせをすることができる。また、バスバーホルダ65は、ベアリングホルダ55に対して周方向に位置決めする部位(図示略)によって、周方向の位置決めがされる。これにより、バスバーユニット60の接続端子部61b、62bの位置合わせの精度を高めることができ、接続端子部61b、62bを円滑に制御装置100のソケット100aに挿入することが可能となる。バスバーユニット60は、前述のように位置決めされた状態で、各コイル端43aがコイル接続部61fにそれぞれ接続され、かつコイル自体に剛性があるため、バスバーユニット60は、ベアリングホルダ55の上面で動かない。
また、バスバーホルダ65とベアリングホルダ55とは、熱溶着により締結するようにしてもよい。即ち、バスバーホルダ65に突起を設け、当該突起をベアリングホルダ55に設けた貫通孔に挿入し、その突起の先端を熱溶着するものである。
【0054】
<変形例1>
次に、変形例1のバスバーユニット160について、図7を基に説明する。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図7は、バスバーユニット160の平面図である。上述の実施形態と比較して、バスバーユニット160は、バスバーホルダ165に対する第1のバスバー61および第2のバスバー62の配置が主に異なる。
【0055】
バスバーユニット160は、3つの第1のバスバー61と、3つの第2のバスバー62と、バスバーホルダ165を有する。第1のバスバー61および第2のバスバー62の形状は、上述の実施形態と同様である。また、上述の実施形態と同様に、第1のバスバー61と第2のバスバー62は、対となってバスバーホルダ165に配置される。以下の説明では、バスバーユニット160において、第1のバスバー61と第2のバスバー62との対をバスバー対106と呼ぶ。バスバーユニット160は、6つのバスバー対106を有する。
【0056】
上述の実施形態と同様に、第1のバスバー61および第2のバスバー62の腕部61dは、平面視で径方向と交差する方向に延びる。より具体的には、腕部61dは、平面視で径方向と直交する方向に対し、中間点CPを起点として、±45度の範囲内に延びる。
【0057】
バスバー対106の第1のバスバー61と第2のバスバー62は、軸方向と直交する面内で、互いの腕部61d、62dを平面視でV字状に並べて配置される。すなわち、最も近くに配置されバスバー対106を構成する一対のバスバー61、62において、一方の腕部61dの長さ方向D61と、他方の腕部62dの長さ方向D62とが、互いに平行ではない。図7では、腕部61d、62dの長さ方向D61、D62と第2の基準線L2となす角度θは、約30度である。これにより、第1のバスバー61および第2のバスバー62の腕部61d、62dを長く設定しつつ、コンパクトなバスバーユニット160を構成できる。
上述したように、腕部61d、62dを長くすることにより、接続端子部61bの可動性を高めることができ、熱膨張等が生じた場合であっても接続状態を安定して維持することができる。また、接続端子部61bと制御装置100とを、ソケット100aに対して円滑に挿入することができる。バスバーユニット160の径方向寸法に制限がある場合、腕部61d、62dを最も長くするためには、長さ方向をそれぞれ径方向と直交して配置することが好ましい。より具体的には、腕部61d、62dの長さ方向中央を起点として、前記腕部61d、62dの長さ方向を径方向に直交させることが好ましい。本変形例に示すように、バスバー対106の腕部61d、62dをV字状に並べて第1のバスバー61と第2のバスバー62を配置することにより、それぞれの腕部61d、62dを長く設定しやすい方向に独立に配置できる。したがって、腕部61d、62dを長く設定して、コンパクトなバスバーユニット160を構成できる。
【0058】
<変形例2>
次に、変形例2のバスバーユニット260について、図8を基に説明する。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図8は、バスバーユニット260の斜視図である。上述の実施形態と比較して、バスバーユニット260は、第1のバスバー261および第2のバスバー262の支持部の構成が主に異なる。
【0059】
第1のバスバー261は、支持部を2つ有する。すなわち、上述の実施形態における支持部61eに加えて、連結部61gに支持部261eが設けられる。支持部261eは、支持部61eと同様に、上下方向に貫通する孔261cが設けられる。孔261cには、バスバーホルダ65の上面から上側に延びる支持突起264が挿入される。支持突起264の先端は、熱溶着される。なお、図8においては、支持突起264の熱溶着前の状態を示す。
【0060】
第1のバスバー261が、2つの支持部61e,261eによってバスバーホルダ65に支持されることによって、上述の実施形態の第1のバスバー61が支持部61eを起点に回動可能であるのに対して、第1のバスバー261がバスバーホルダ65に対して回動しない。そのため、第1のバスバー261は、2つの支持部61e,261eによってバスバーホルダ65に対して位置決めすることができる。これにより、上述の実施形態の回動制限部を構成する突出壁63eおよび側方凸部68bを省略することができる。
【0061】
また、第1のバスバー261が、2つの支持部61e,261eによってバスバーホルダ65に支持されることにより、第1のバスバー261はバスバーホルダ65に対して固定される。接続端子部61bが、支持部61e,261eを起点に腕部61dを介して支持されるため、支持部61e,261eを起点に腕部61dが弾性変形可能である。これにより、上述の実施形態と同様に、接続端子部61bを制御装置100のソケット100aに対して円滑に挿入できる。
第2のバスバー262についても、第1のバスバー261と同様に、2つの支持部62e,262eを有する。支持部262eは、孔262cを有する。孔262cには、支持突起265が挿入され、先端が熱溶着される。その他の構成および作用効果は、第1のバスバー261と同様である。
また、第1のバスバー261および第2のバスバー262では、2つの支持部を有しているが、支持部によってバスバーホルダに対して位置決めがされるのであれば、支持部の数は限定されるものではない。
【0062】
以上に、本発明の様々な実施形態および変形例を説明したが、実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0063】
例えば、ベアリングホルダ55は、バスバーユニット60の下側だけでなく、上側に位置してもよい。また、第1のバスバー61および第2のバスバー62では、コイル接続部61f、62fが腕部61d、62dの径方向内側に位置するが、径方向外側に位置してもよい。
【符号の説明】
【0064】
6、106…バスバー対、10…モータ、20…ハウジング、20A…制御装置収容領域、20a…開口部、30…ロータ、31…シャフト、40…ステータ、43…コイル、43a…コイル端、55、165、265…ベアリングホルダ、55g…ベアリングホルダ貫通孔、60、160、260…バスバーユニット、61、62、261、262…バスバー、61a、62a…端子、61b、62b…接続端子部、61c、62c、261c、262c…孔、61d、62d…腕部、61e、62e、261e、262e…支持部、61f、62f…コイル接続部、61g、62g…連結部、63…凹部、63d…内壁
(回動制限部)、64…支持突起、64a…頭部、64b…軸部、65、165…バスバーホルダ、65A…第1貫通孔、66、67…金属板、66a、67a…第1直線部、66b、67b…第2直線部、66c、67c…基端部、69…第2貫通孔、69a…円筒部、100…制御装置、100a…ソケット、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8