特許第6813061号(P6813061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6813061
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】ギャップ調整用工具
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/46 20060101AFI20201228BHJP
   F16D 65/00 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   F16D65/46 S
   F16D65/00 E
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-128776(P2019-128776)
(22)【出願日】2019年7月10日
【審査請求日】2020年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】石坂 貴博
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−317574(JP,A)
【文献】 特開平5−338938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平たい棒状の複数のリンクと、
第1厚みを有する第1ゲージ、第2ゲージ、及び第3ゲージと、
を備え、
前記複数のリンクのそれぞれは、前記複数のリンクが一直線状となる伸長状態及び前記複数のリンクの全てが重なり合う折り畳み状態に配置可能となるように、隣接するリンクに回転可能に設けられ、
前記複数のリンクは、
前記伸長状態で一方の端に配置され、第1表面が形成され、前記折り畳み状態で隣接する第1隣接リンクの第2表面に前記第1表面が対向する第1リンクと、
前記伸長状態でもう一方の端に配置され、第3表面が形成され、前記折り畳み状態で隣接する第2隣接リンクの第4表面に前記第3表面が対向する第2リンクと、
を備え、
前記第1ゲージは、前記第1リンクに回転可能に設けられ、前記折り畳み状態で前記第1表面と前記第2表面との間に配置され、
前記第2ゲージは、前記第2リンクに回転可能に設けられ、前記折り畳み状態で前記第3表面と前記第4表面との間に配置されるギャップ調整用工具。
【請求項2】
前記第1ゲージの幅は、前記第1リンクの幅より小さく、
前記第2ゲージの幅は、前記第2リンクの幅より小さい請求項1に記載のギャップ調整用工具。
【請求項3】
前記複数のリンクは、
第5表面が形成された第3リンクと、
第1軸を介して前記第3リンクに回転可能に設けられ、第6表面が形成され、前記折り畳み状態で前記第5表面に前記第6表面が対向する第4リンクと、
を更に備え、
前記第3ゲージは、前記第1軸を介して前記第3リンク及び前記第4リンクに対して回転可能に設けられ、前記折り畳み状態で前記第5表面と前記第6表面との間に配置される請求項1又は請求項2に記載のギャップ調整用工具。
【請求項4】
前記第1厚みより薄い第2厚みを有する第4ゲージ、第5ゲージ、及び第6ゲージを更に備え、
前記第4ゲージは、前記第1隣接リンクに回転可能に設けられ、
前記第5ゲージは、前記第2隣接リンクに回転可能に設けられた請求項1又は請求項2に記載のギャップ調整用工具。
【請求項5】
前記第1厚みより薄い第2厚みを有する第4ゲージ、第5ゲージ、及び第6ゲージを更に備え、
前記第1リンクは、第2軸を介して前記第1隣接リンクに回転可能に設けられ、
前記第4ゲージは、前記第2軸を介して前記第1リンク及び前記第1隣接リンクに対して回転可能に設けられ、前記折り畳み状態で前記第1表面と前記第2表面との間に配置され、
前記第2リンクは、第3軸を介して前記第2隣接リンクに回転可能に設けられ、
前記第5ゲージは、前記第3軸を介して前記第2リンク及び前記第2隣接リンクに対して回転可能に設けられ、前記折り畳み状態で前記第3表面と前記第4表面との間に配置される請求項1又は請求項2に記載のギャップ調整用工具。
【請求項6】
前記複数のリンクは、
第5表面が形成された第3リンクと、
第1軸を介して前記第3リンクに回転可能に設けられ、第6表面が形成され、前記折り畳み状態で前記第5表面に前記第6表面が対向する第4リンクと、
を更に備え、
前記第3ゲージ及び前記第6ゲージのそれぞれは、前記第1軸を介して前記第3リンク及び前記第4リンクに対して回転可能に設けられ、前記折り畳み状態で前記第5表面と前記第6表面との間に配置される請求項4又は請求項5に記載のギャップ調整用工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスクブレーキに形成されたギャップを調整する際に用いられる工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ディスクブレーキに形成されたギャップを調整する際に用いられる工具が記載されている。特許文献1に記載された工具は、複数のリンクと3つのゲージとを備える。当該工具は、特許文献1の図2に示すように、折り畳むことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−317574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された工具は、折り畳まれてもリンクが2段にしかならない(特許文献1の図2参照)。また、リンクが折り畳まれた状態で、ゲージが3つとも露出する。このため、持ち運びに不便であり、折り畳んだ状態でゲージが折れ易いといった問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、携帯性に優れ、ゲージの損傷を防止できるギャップ調整用工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るギャップ調整用工具は、平たい棒状の複数のリンクと、第1厚みを有する第1ゲージ、第2ゲージ、及び第3ゲージと、を備える。複数のリンクのそれぞれは、複数のリンクが一直線状となる伸長状態及び複数のリンクの全てが重なり合う折り畳み状態に配置可能となるように、隣接するリンクに回転可能に設けられる。複数のリンクは、伸長状態で一方の端に配置され、第1表面が形成され、折り畳み状態で隣接する第1隣接リンクの第2表面に第1表面が対向する第1リンクと、伸長状態でもう一方の端に配置され、第3表面が形成され、折り畳み状態で隣接する第2隣接リンクの第4表面に第3表面が対向する第2リンクと、を備える。第1ゲージは、第1リンクに回転可能に設けられ、折り畳み状態で第1表面と第2表面との間に配置される。第2ゲージは、第2リンクに回転可能に設けられ、折り畳み状態で第3表面と第4表面との間に配置される。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るギャップ調整用工具であれば、携帯性に優れ、且つゲージの損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ギャップ調整が行われるディスクブレーキの例を示す図である。
図2図1のA−A断面を示す図である。
図3】実施の形態1におけるギャップのための調整用工具の例を示す図である。
図4】リンクが一直線状に配置された例を示す図である。
図5】リンクの全てが重なり合うように配置された例を示す図である。
図6図5に示す調整用工具をB方向から見た図である。
図7】調整用工具を用いてギャップGを調整する例を示す図である。
図8】調整用工具の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0010】
実施の形態1.
図1は、ギャップ調整が行われるディスクブレーキ1の例を示す図である。図2は、図1のA−A断面を示す図である。図1に示すディスクブレーキ1は、例えばエスカレーターにおいて使用される。ディスクブレーキ1は、軸2とともに回転するインナーディスク3を備える。インナーディスク3にライニング4が押し付けられることにより、軸2の回転が阻止される。
【0011】
ライニング4は、アーマチュア5に設けられる。アーマチュア5は、ばね6により、ライニング4がインナーディスク3に接近する方向に力を受ける。ばね6は、コア7に形成された凹部7aに配置される。
【0012】
コア7にコイル8が設けられる。コイル8に電流が流れることにより、アーマチュア5は、ライニング4がインナーディスク3から離隔する方向に力を受ける。コイル8に電流が流れていれば、ライニング4はインナーディスク3に接触しない。コイル8に電流が流れていなければ、アーマチュア5がコア7から離れるように移動し、ライニング4がインナーディスク3に押し付けられる。コイル8に電流が流れていなければ、コア7とアーマチュア5との間にギャップGが形成される。
【0013】
ディスクブレーキ1が所望の機能を有するためには、ギャップGを適切に管理する必要がある。例えば、エスカレーターの保守員は、定期点検においてギャップGの調整を行う。ギャップGの調整用として、ディスクブレーキ1にスタッドボルト9が備えられる。スタッドボルト9は、コア7から突出し、アウターディスク10を貫通する。アウターディスク10は、ナット11及び12に挟まれることによってスタッドボルト9に固定される。
【0014】
保守員がギャップGの調整を行う場合は、ギャップGにすきまゲージを挿入し、コア7とアーマチュア5との間隔がすきまゲージの厚みと一致するようにナット11及び12を締め直す。以下に、保守員が定期点検等において使用する、ギャップGの調整を行うための調整用工具13(図1及び図2では図示せず)について説明する。
【0015】
図3は、実施の形態1におけるギャップGのための調整用工具13の例を示す図である。調整用工具13は、複数のリンクと複数のすきまゲージとを備える。図3に示す例では、調整用工具13は、平たい棒状の6本のリンク14〜19を備える。リンク14〜19のそれぞれには、互いに反対の方向を向く表面が形成される。更に、調整用工具13は、特定の厚みを有する3枚のすきまゲージ20〜22を備える。
【0016】
リンク14〜19は、一直線状に配置可能である。図4は、リンク14〜19が一直線状に配置された例を示す図である。以下においては、リンク14〜19が一直線状に配置された状態を伸長状態という。また、リンク14〜19は、リンク14〜19の全てが重なり合うように配置可能である。図5は、リンク14〜19の全てが重なり合うように配置された例を示す図である。図6は、図5に示す調整用工具13をB方向から見た図である。以下においては、リンク14〜19の全てが重なり合うように配置された状態を折り畳み状態という。リンク14〜19のそれぞれは、伸長状態及び折り畳み状態に配置可能となるように、隣接するリンクに回転可能に設けられる。
【0017】
例えば、調整用工具13は、軸23〜29を更に備える。リンク14は、図4に示すように、伸長状態において一方の端に配置される。リンク15は、リンク14に隣接する。リンク15は、軸24を介してリンク14に対して回転可能に設けられる。例えば、軸24は、リンク14及びリンク15を貫通するように設けられる。折り畳み状態では、リンク14の表面14aがリンク15の表面15aに対向する。
【0018】
リンク16は、リンク15に隣接する。リンク16は、軸25を介してリンク15に対して回転可能に設けられる。例えば、軸25は、リンク15及びリンク16を貫通するように設けられる。折り畳み状態では、リンク15の表面15bがリンク16の表面16aに対向する。表面15bは、リンク15に形成された面のうち、表面15aが向く方向とは反対の方向を向く面である。表面15bは、表面14aが向く方向と同じ方向を向く。また、表面16aは、表面15aが向く方向と同じ方向を向く。
【0019】
リンク17は、リンク16に隣接する。リンク17は、軸26を介してリンク16に対して回転可能に設けられる。例えば、軸26は、リンク16及びリンク17を貫通するように設けられる。折り畳み状態では、リンク16の表面16bがリンク17の表面17aに対向する。表面16bは、リンク16に形成された面のうち、表面16aが向く方向とは反対の方向を向く面である。表面16bは、表面15bが向く方向と同じ方向を向く。また、表面17aは、表面16aが向く方向と同じ方向を向く。
【0020】
リンク18は、リンク17に隣接する。リンク18は、軸27を介してリンク17に対して回転可能に設けられる。例えば、軸27は、リンク17及びリンク18を貫通するように設けられる。折り畳み状態では、リンク17の表面17bがリンク18の表面18aに対向する。表面17bは、リンク17に形成された面のうち、表面17aが向く方向とは反対の方向を向く面である。表面17bは、表面16bが向く方向と同じ方向を向く。また、表面18aは、表面17aが向く方向と同じ方向を向く。
【0021】
リンク19は、リンク18に隣接する。リンク19は、図4に示すように、伸長状態においてもう一方の端に配置される。リンク19は、軸28を介してリンク18に対して回転可能に設けられる。例えば、軸28は、リンク18及びリンク19を貫通するように設けられる。折り畳み状態では、リンク18の表面18bがリンク19の表面19aに対向する。表面18bは、リンク18に形成された面のうち、表面18aが向く方向とは反対の方向を向く面である。表面18bは、表面17bが向く方向と同じ方向を向く。また、表面19aは、表面18aが向く方向と同じ方向を向く。
【0022】
すきまゲージ20は、軸23を介してリンク14に回転可能に設けられる。すきまゲージ20は、リンク14の表面14a側に配置される。すきまゲージ20は、表面14aに沿うようにリンク14に対して回転する。折り畳み状態では、すきまゲージ20は、リンク14とリンク15との間に配置される。具体的に、すきまゲージ20は、リンク14の表面14aとリンク15の表面15aとの間に配置される。
【0023】
すきまゲージ20の幅w1は、リンク14の幅w2より小さいことが好ましい。図4では、リンク14に重ねて配置したすきまゲージ20を二点差線で示している。図4に示す例では、すきまゲージ20は、リンク14の縁からはみ出ることがないように全体を表面14a内に配置することが可能である。
【0024】
すきまゲージ21は、軸29を介してリンク19に回転可能に設けられる。すきまゲージ21は、リンク19の表面19a側に配置される。すきまゲージ21は、表面19aに沿うようにリンク19に対して回転する。折り畳み状態では、すきまゲージ21は、リンク18とリンク19との間に配置される。具体的に、すきまゲージ21は、リンク18の表面18bとリンク19の表面19aとの間に配置される。
【0025】
すきまゲージ21の幅w3は、リンク19の幅w4より小さいことが好ましい。図4では、リンク19に重ねて配置したすきまゲージ21を二点差線で示している。図4に示す例では、すきまゲージ21は、リンク19の縁からはみ出ることがないように全体を表面19a内に配置することが可能である。
【0026】
すきまゲージ22は、軸26を介してリンク16及びリンク17に対して回転可能に設けられる。すきまゲージ22は、リンク16の表面16b側及びリンク17の表面17a側に配置される。すきまゲージ22は、表面16bに沿うようにリンク16に対して回転する。また、すきまゲージ22は、表面17aに沿うようにリンク17に対して回転する。折り畳み状態では、すきまゲージ22は、リンク16とリンク17との間に配置される。具体的に、すきまゲージ22は、リンク16の表面16bとリンク17の表面17aとの間に配置される。
【0027】
すきまゲージ22の幅は、リンク16の幅より小さいことが好ましい。また、すきまゲージ22は、リンク16の縁からはみ出ることがないように全体を表面16b内に配置できることが好ましい。
【0028】
図7は、調整用工具13を用いてギャップGを調整する例を示す図である。エスカレーターの保守員は、定期点検においてギャップGの調整を行う。例えば、保守員は、スタッドボルト9の位置に合わせてギャップGにすきまゲージ20〜22を挿入する。保守員は、コア7とアーマチュア5との間隔がすきまゲージ20〜22の厚みと一致するようにナット11及び12を締め直す。
【0029】
図7に示す状態でナット11及び12が締め直されると、すきまゲージ20〜22のうちコア7とアーマチュア5とに挟まれた先端部分は、同一平面上に配置される。例えば、すきまゲージ20〜22のそれぞれは、ブレーキディスク1の外側に配置される根元部分の長さが一定値以上となるように、全体の長さが設定される。この例であれば、上記根元部分が湾曲することにより、すきまゲージ20〜22の各先端部分を同一平面上に配置することができる。
【0030】
他の例として、リンク14〜19の各連結部分に所謂遊びが設けられる。例えば、リンク14には、軸24が貫通する孔として、軸24の径より一定値以上大きな径の孔が形成される。これにより、リンク14を軸24に対して直角だけでなく斜めにも配置できるようにする。同様に、リンク19には、軸28が貫通する孔として、軸28の径より一定値以上大きな径の孔が形成される。これにより、リンク19を軸28に対して直角だけでなく斜めにも配置できるようにする。他のリンクに、軸が貫通する孔として、その軸の径より一定値以上大きな径の孔が形成されても良い。この例であれば、リンク14〜19の一部或いは全部を斜めに配置することにより、すきまゲージ20〜22の各先端部分を同一平面上に配置することができる。
【0031】
保守員は、調整用工具13を他の現場でも使用する。このため、保守員は、ギャップGの調整が完了すると、調整用工具13を図5及び図6に示すように折り畳む。保守員は、折り畳んだ調整用工具13をバンド等で留めても良い。折り畳み状態では、すきまゲージ20の外側にリンク14が配置される。すきまゲージ21の外側にリンク19が配置される。すきまゲージ22は、リンク16とリンク17との間に配置される。本実施の形態に示す調整用工具13は、全てのリンク14〜19を一列に配置することができるため、携帯性に優れる。また、本実施の形態に示す調整用工具13であれば、ゲージの損傷を防止できる。
【0032】
図8は、調整用工具13の他の例を示す図である。図8に示す例では、調整用工具13は、リンク14〜19に加え、リンク31及び32を更に備える。リンク31及び32は、リンク14〜19と同様に平たい棒状である。リンク31及び32のそれぞれには、互いに反対の方向を向く表面が形成される。
【0033】
調整用工具13は、軸23〜29に加え、軸36及び37を更に備える。リンク31は、リンク15とリンク16との間に設けられる。例えば、リンク31は、軸25を介してリンク15に回転可能に設けられる。リンク31は、軸36を介してリンク16に回転可能に設けられる。また、リンク32は、リンク17とリンク18との間に設けられる。例えば、リンク32は、軸37を介してリンク17に回転可能に設けられる。リンク32は、軸27を介してリンク18に回転可能に設けられる。図8に示す調整用工具13は、伸長状態及び折り畳み状態に配置可能である。
【0034】
調整用工具13は、すきまゲージ20〜22に加え、特定の厚みを有する3枚のすきまゲージ33〜35を更に備える。すきまゲージ33〜35の厚みは、すきまゲージ20〜22の厚みより薄い。即ち、すきまゲージ20〜22は、大型のディスクブレーキ1のためのゲージである。すきまゲージ33〜35は、小型のディスクブレーキ1のためのゲージである。
【0035】
すきまゲージ33は、軸24を介してリンク14及びリンク15に対して回転可能に設けられる。すきまゲージ33は、リンク14の表面14a側及びリンク15の表面15a側に配置される。すきまゲージ33は、表面14aに沿うようにリンク14に対して回転する。また、すきまゲージ33は、表面15aに沿うようにリンク15に対して回転する。折り畳み状態では、すきまゲージ33は、リンク14とリンク15との間に配置される。具体的に、すきまゲージ33は、リンク14の表面14aとリンク15の表面15aとの間に配置される。
【0036】
すきまゲージ33は、リンク14の幅より小さいことが好ましい。また、すきまゲージ33は、リンク14の縁からはみ出ることがないように全体を表面14a内に配置できることが好ましい。
【0037】
他の例として、すきまゲージ33は、すきまゲージ20のように、専用の軸を介してリンク15に回転可能に設けられても良い。
【0038】
すきまゲージ34は、軸28を介してリンク18及びリンク19に対して回転可能に設けられる。すきまゲージ34は、リンク18の表面18b側及びリンク19の表面19a側に配置される。すきまゲージ34は、表面18bに沿うようにリンク18に対して回転する。また、すきまゲージ34は、表面19aに沿うようにリンク19に対して回転する。折り畳み状態では、すきまゲージ34は、リンク18とリンク19との間に配置される。具体的に、すきまゲージ34は、リンク18の表面18bとリンク19の表面19aとの間に配置される。
【0039】
すきまゲージ34は、リンク19の幅より小さいことが好ましい。また、すきまゲージ34は、リンク19の縁からはみ出ることがないように全体を表面19a内に配置できることが好ましい。
【0040】
他の例として、すきまゲージ34は、すきまゲージ21のように、専用の軸を介してリンク18に回転可能に設けられても良い。
【0041】
すきまゲージ35は、すきまゲージ22とともに、軸26を介してリンク16及びリンク17に対して回転可能に設けられる。すきまゲージ35は、リンク16の表面16b側及びリンク17の表面17a側に配置される。すきまゲージ35は、表面16bに沿うようにリンク16に対して回転する。また、すきまゲージ35は、表面17aに沿うようにリンク17に対して回転する。折り畳み状態では、すきまゲージ35は、リンク16とリンク17との間に配置される。具体的に、すきまゲージ35は、リンク16の表面16bとリンク17の表面17aとの間に配置される。
【0042】
すきまゲージ35は、リンク16の幅より小さいことが好ましい。また、すきまゲージ35は、リンク16の縁からはみ出ることがないように全体を表面16b内に配置できることが好ましい。
【0043】
図8に示す調整用工具13を使用すれば、径及びギャップGの異なる2種類のディスクブレーキ1において、ギャップGの調整を行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ディスクブレーキ、 2 軸、 3 インナーディスク、 4 ライニング、 5 アーマチュア、 6 ばね、 7 コア、 7a 凹部、 8 コイル、 9 スタッドボルト、 10 アウターディスク、 11〜12 ナット、 13 調整用工具、 14〜19 リンク、 20〜22 すきまゲージ、 23〜29 軸、 31〜32 リンク、 33〜35 すきまゲージ、 36〜37 軸
【要約】
【課題】携帯性に優れ、ゲージの損傷を防止できるギャップ調整用工具を提供する。
【解決手段】ギャップ調整用工具は、リンク14〜19と、すきまゲージ20〜22とを備える。リンク14〜19のそれぞれは、伸長状態及び折り畳み状態に配置可能となるように、隣接するリンクに回転可能に設けられる。すきまゲージ20は、リンク14に回転可能に設けられる。すきまゲージ20は、折り畳み状態で表面14aと表面15aとの間に配置される。すきまゲージ21は、リンク19に回転可能に設けられる。すきまゲージ21は、折り畳み状態で表面18bと表面19aとの間に配置される。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8