(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施するための形態について、以下に説明する。
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
【0009】
〔1〕 本開示の一態様に係るモールド部材付き電線は、複数本の差動伝送用電線と、前記複数本の差動伝送用電線の端部に設けられ、前記複数本の差動伝送用電線を束ねるモールド部材と、を有し、前記モールド部材は前記複数本の差動伝送用電線と交わる第1の面及び第2の面を有し、前記第2の面は前記第1の面に対して0度より大きく90度より小さく傾斜している。
【0010】
モールド部材により、複数本の差動伝送用電線が束ねられる。また、モールド部材の第2の面が第1の面に対して0度より大きく90度より小さく傾斜しているため、複数本の差動伝送用電線が直角に屈曲される場合と比較して、複数本の差動伝送用電線間の線長差を小さくすることができる。従って、複数本の差動伝送用電線が接続される中継基板内の、線長差を小さくするための領域を低減することができる。
【0011】
〔2〕 前記複数本の差動伝送用電線を覆うケーブル外被と、前記ケーブル外被に覆われた絶縁電線と、を有し、前記絶縁電線は前記第2の面にて前記モールド部材と交わる。絶縁電線のばらつきを抑制することができる。
【0012】
〔3〕 前記絶縁電線の前記第2の面と交わる部分より先端側の部分が前記第1の面とは異なる第3の面にて前記モールド部材と交わる。絶縁電線を中継基板のパッドに接合する際等に、絶縁電線の位置を調整しやすくできる。
【0013】
〔4〕 前記複数本の差動伝送用電線を覆うケーブル外被と、前記ケーブル外被に覆われた絶縁電線と、を有し、前記絶縁電線は前記モールド部材の外部に設けられている。絶縁電線を中継基板のパッドに接合する際等に、絶縁電線の位置をより調整しやすくできる。
【0014】
〔5〕 前記第2の面は前記第1の面に対して30度以上60度以下傾斜している。複数本の差動伝送用電線間の線長差が調整しやすくなる。
【0015】
〔6〕 前記複数本の差動伝送用電線は、前記モールド部材内で、1段又は2段にわたって形成されている。複数本の差動伝送用電線が接続される中継基板の形態に応じて、複数本の差動伝送用電線を中継基板に接続しやすい形態で配列させることができる。
【0016】
〔7〕 前記複数本の差動伝送用電線の前記端部に設けられた中継基板を有し、前記中継基板は、第1の方向に並列され、前記複数本の差動伝送用電線が接続された複数の第1のパッドと、第2の方向に並列された複数の第2のパッドと、前記複数の第1のパッドと前記複数の第2のパッドとをそれぞれ接続する配線と、を有し、前記第2の方向は前記第1の方向に対して0度より大きく90度より小さく傾斜している。複数本の差動伝送用電線の長手方向と中継基板の複数の第2のパッドが並列する第2の方向との関係を任意に調整することができる。
【0017】
〔8〕 前記第2の方向は前記第1の方向に対して30度以上60度以下傾斜している。複数本の差動伝送用電線の長手方向と中継基板の複数の第2のパッドが並列する第2の方向との関係を、ライトアングル型のコネクタやストレート型のコネクタに適した関係に調整しやすくなる。
【0018】
〔9〕 前記中継基板上に搭載された電子部品を有する。中継基板に生じるスペースを有効活用することができる。
【0019】
〔10〕 本開示の他の一態様に係るモールド部材付き電線は、複数本の差動伝送用電線と、前記複数本の差動伝送用電線の端部に設けられ、前記複数本の差動伝送用電線を束ねるモールド部材と、前記端部に設けられた中継基板と、を有し、前記モールド部材は前記複数本の差動伝送用電線と交わる第1の面及び第2の面を有し、前記第1の面は前記第2の面よりも前記端部の先端側に位置し、前記第2の面は前記第1の面に対して30度以上60度以下傾斜し、前記中継基板は、前記第1の面に平行な第1の方向に並列され、前記複数本の差動伝送用電線が接続された複数の第1のパッドと、前記第2の面に垂直な第2の方向に並列された複数の第2のパッドと、前記複数の第1のパッドと前記複数の第2のパッドとをそれぞれ接続する配線と、を有する。
【0020】
〔11〕 本開示の他の一態様に係るコネクタ付きケーブルは、上記の中継基板を備えたモールド部材付き電線と、前記中継基板を収容するハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、前記第2の方向に並列された複数のコネクタ端子と、を有する。
【0021】
〔12〕 本開示の他の一態様に係るコネクタ付きケーブルでは、前記中継基板が信号補正用のリドライバICチップと温度上昇防止用部品を有し、前記第1のパッドと前記第2のパッドとの間において、前記温度上昇防止用部品は前記信号補正用のリドライバICチップに接続されている。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。各図に示すU、D、F、B、R、Lはケーブルにおける方向を示し、Uは上方、Dは下方、Fは前方、Bは後方、Rは右方、Lは左方である。
【0023】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係るコネクタ付きケーブルの外観を示す模式図である。
【0024】
図1に示すように、第1の実施形態に係るコネクタ付きケーブル1は、ケーブル2と、ケーブル2の一方の端部に接続されたコネクタ100と、ケーブル2の他方の端部に接続されたコネクタ200とを備える。
【0025】
ケーブル2は、例えば、複数本の電線がケーブル外被で覆われた構成の多芯ケーブルである。コネクタ100は、ケーブル2との接続側とは反対側で側方へ突出する接続部151を有するライトアングル型のコネクタである。コネクタ200は、ケーブル2との接続側とは反対側でケーブル2の長手方向へ突出する接続部251を有するストレート型のコネクタである。
【0026】
ケーブル1は、例えば、ファクトリーオートメーション(factory automation:FA)の機器同士を接続するためのケーブルとして使用することができる。ケーブル1は、例えば、電子機器、モバイル端末等を他の機器と接続するためのケーブルとして使用することもできる。
【0027】
次に、コネクタ100の内部構造について説明する。
図2は、第1の実施形態におけるコネクタ100の内部構造を示す図である。
図2には、コネクタ100の内部を上方(U側)から見たときの構成を示してある。
【0028】
図2に示すように、ケーブル2は、複数本(本例では6本)の同軸電線20a〜20fと、電力を供給するための複数本(本例では2本)の絶縁電線21a〜21bと、これらの電線を覆うケーブル外被22とを備える。例えば、同軸電線20aと同軸電線20bとが一対の差動伝送路として用いられ、同軸電線20cと同軸電線20dとが一対の差動伝送路として用いられ、同軸電線20eと同軸電線20fとが一対の差動伝送路として用いられる。同軸電線20a〜20fには、例えば、AWG(American Wire Gauge)28番〜40番の同軸電線が用いられている。同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bは、ケーブル2の前方(F側)の端部においてケーブル外被22から露出した状態とされ、例えば、結束部123により束ねられている。ケーブル外被22から露出した同軸電線20a〜20fは、先端から中心導体24、絶縁体25及び外部導体26が段階的に所定長(予め定められた長さ)ずつ露出した状態とされている。また、ケーブル外被22から露出した絶縁電線21a〜21bは、先端部の外被が剥がされて導体27が露出した状態とされている。同軸電線20a〜20fは差動伝送用電線の一例である。
【0029】
コネクタ100は、ハウジング150を有しており、結束部123と、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分とがハウジング150に収納されている。結束部123は、ケーブル2をハウジング150に固定する機能も有している。ハウジング150には、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bに接続される中継基板130も収納されている。接続部151はハウジング150の一部を構成するように設けられている。接続部151の内部には、複数のコネクタ端子152が設けられている(
図1参照)。ケーブル2と、コネクタ端子152とは、ハウジング150内でそれぞれ中継基板130に接続されている。
【0030】
コネクタ100は、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分を束ねるモールド部材160を有する。モールド部材160により、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分の配列が整えられる。同軸電線20a〜20fの、中心導体24、絶縁体25及び外部導体26が露出した部分と、絶縁電線21a〜21bの、外被が剥がされて導体27が露出した部分とがモールド部材160から露出している。モールド部材は、例えばポリアミドレジン等の樹脂製である。
【0031】
モールド部材160は、例えば、ケーブル2の長手方向に沿って2つの面160A及び面160Bを有し、面160Aは面160Bよりも前方(F側)に位置する。面160Aにおいて、同軸電線20a〜20fは面160Aに平行な方向(本例では矢印A1で示される方向)に並列配置されている。また、面160Bにおいて、同軸電線20a〜20fは面160Bに平行な方向(本例では矢印B1で示される方向)に並列配置されている。面160Bは面160Aに対して0度より大きく90度より小さい角度θ
11で傾斜している。このため、矢印B1で示す面160B上での同軸電線20a〜20fの並列方向は、矢印A1で示す面160A上での同軸電線20a〜20fの並列方向に対して0度より大きく90度より小さい角度θ
11で傾斜している。同軸電線20a〜20fはモールド部材160内で湾曲している。角度θ
11は、30度以上60度以下であることが好ましい。具体的に、角度θ
11は、例えば、30度、45度、60度等に設定される。本例では、45度に設定されている。面160Aは第1の面の一例であり、面160Bは第2の面の一例である。
【0032】
モールド部材160は、更に、面160Bよりも前方(F側)に位置する面160Cと、面160Cと面160Bとを繋ぐ面160Dとを有する。面160Cにおいて、絶縁電線21a〜21bが面160Cに平行な方向に並列配置されている。例えば、面160Cは面160Bに平行である。面160Cは第3の面の一例である。例えば、ケーブル2及びモールド部材160がモールド部材付き電線11に含まれる。
【0033】
ここで、中継基板130について説明する。
図3は、中継基板130の構成を示す図である。
図3には、中継基板130を上方(U側)から見たときの構成を示す。
【0034】
図3に示すように、中継基板130の表面130aには、複数(本例では6個)のワイヤーパッド131a〜131fと、複数(本例では6個)のコネクタパッド132a〜132fと、電源パッド133とが形成されている。ワイヤーパッド131a〜131fは、ケーブル2の同軸電線20a〜20fがそれぞれ接続されるパッドである。コネクタパッド132a〜132fは、接続部151のコネクタ端子152(
図1参照)がそれぞれ接続されるパッドである。電源パッド133は、ケーブル2の絶縁電線21a〜21bが接続されるパッドである。ワイヤーパッド131a〜131fは第1のパッドの一例であり、コネクタパッド132a〜132fは第2のパッドの一例である。
【0035】
中継基板130の表面には、ワイヤーパッド131a〜131fとコネクタパッド132a〜132fとをそれぞれ接続する配線135a〜135fの回路パターンが形成されている。配線135a〜135fには、同軸電線20aと同軸電線20bとの同軸電線対、同軸電線20cと同軸電線20dとの同軸電線対、及び同軸電線20eと同軸電線20fとの同軸電線対の配線を等長にするためのミアンダ配線が施されている。本例では、同軸電線20aと同軸電線20bとの同軸電線対の配線長を等しくするために、配線135aにミアンダ配線が施されている。同様に、同軸電線20cと同軸電線20dとの同軸電線対の配線長を等しくするために、配線135cにミアンダ配線が施され、同軸電線20eと同軸電線20fとの同軸電線対の配線長を等しくするために、配線135eにミアンダ配線が施されている。
【0036】
ワイヤーパッド131a〜131fは、中継基板130の表面上において一定の方向(本例では矢印C1で示される方向)に並列配置されている。同様に、コネクタパッド132a〜132fは、矢印D1で示される方向に並列配置されている。矢印D1で示すコネクタパッド132a〜132fの並列方向は、矢印C1で示すワイヤーパッド131a〜131fの並列方向に対して0度より大きく90度より小さい角度θ
12で傾斜している。角度θ
12は、30度以上60度以下であることが好ましい。具体的に、角度θ
12は、例えば、30度、45度、60度等に設定される。例えば、角度θ
11と角度θ
12との和は、ハウジング150から見てケーブル2が延びる方向(B側)と、接続部151が突出する方向(L側)とのなす角度、例えば90度に等しい。ワイヤーパッド131a〜131fの並列方向は第1の方向の一例である。コネクタパッド132a〜132fの並列方向は第2の方向の一例である。
【0037】
電源パッド133は、スルーホールを介して中継基板130の裏面につながり、裏面に形成されている電源の回路パターンに接続されている。電源配線と配線135a〜135fの回路パターンとが中継基板130の厚さ方向に離間して配置されるため、配線135a〜135fで伝送される高速信号へのノイズの影響が抑制されるとともに、中継基板130の小型化が可能となる。
【0038】
図2及び
図3に示すように、ハウジング150内で、各同軸電線20a〜20fの露出された中心導体24は中継基板130のワイヤーパッド131a〜131fに半田により接続され、露出された外部導体26は中継基板130のグランドパッド134に半田により接続されている。モールド部材160の面160Aとワイヤーパッド131a〜131fが並ぶ方向とが互いに平行になっている。すなわち、同軸電線20a〜20fの面160Aから突出する部分が並ぶ方向(矢印A1で示す方向)とワイヤーパッド131a〜131fが並ぶ方向(矢印C1で示す方向)とが互いに平行になっている。また、コネクタパッド132a〜132fが並ぶ方向がモールド部材160の面160Bに垂直になっている。すなわち、同軸電線20a〜20fの面160Bから導出される部分が並ぶ方向(矢印B1で示す方向)とコネクタパッド132a〜132fが並ぶ方向(矢印D1で示す方向)とが互いに直交している。また、ハウジング150内で、各絶縁電線21a〜21bの露出された導体27は中継基板130の電源パッド133に半田により接続されている。
【0039】
結束部123は、コネクタパッド132a〜132fが並ぶ方向と接続部151においてコネクタ端子152が並ぶ方向とが同一になるように、ハウジング150に固定されている。また、中継基板130は、ケーブル2がハウジング150から導出される方向とコネクタパッド132a〜132fが並ぶ方向とが同一になるように、ハウジング150に固定されている。従って、矢印A1で示す方向と矢印C1で示す方向とが互いに平行となり、矢印B1で示す方向と矢印D1で示す方向とが互いに直交する。
【0040】
次に、コネクタ200の内部構造について説明する。
図4は、第1の実施形態におけるコネクタ200の内部構造を示す図である。
図4には、コネクタ200の内部を上方(U側)から見たときの構成を示す。
【0041】
図4に示すように、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bは、ケーブル2の後方(B側)の端部においてもケーブル外被22から露出した状態とされ、例えば、結束部223により束ねられている。ケーブル外被22から露出した同軸電線20a〜20fは、先端から中心導体24、絶縁体25及び外部導体26が段階的に所定長(予め定められた長さ)ずつ露出した状態とされている。また、ケーブル外被22から露出した絶縁電線21a〜21bは、先端部の外被が剥がされて導体27が露出した状態とされている。
【0042】
コネクタ200は、ハウジング250を有しており、結束部223と、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部223より後方(B側)の部分とがハウジング250に収納されている。結束部223は、ケーブル2をハウジング250に固定する機能も有している。ハウジング250には、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bに接続される中継基板230も収納されている。接続部251はハウジング150の一部を構成するように設けられている。接続部251の内部には、複数のコネクタ端子252が設けられている(
図1参照)。ケーブル2と、コネクタ端子252とは、ハウジング250内でそれぞれ中継基板230に接続されている。
【0043】
コネクタ200は、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部223より後方(B側)の部分を束ねるモールド部材260を有する。モールド部材260により、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部223より後方(B側)の部分の配列が整えられる。同軸電線20a〜20fの、中心導体24、絶縁体25及び外部導体26が露出した部分と、絶縁電線21a〜21bの、外被が剥がされて導体27が露出した部分とがモールド部材260から露出している。
【0044】
モールド部材260は、ケーブル2の長手方向に沿って2つの面260A及び面260Bを有し、面260Aは面260Bよりも後方(B側)に位置する。面260Aにおいて、同軸電線20a〜20fは面260Aに平行な方向(本例では矢印A2で示される方向)に並列配置されている。また、面260Bにおいて、同軸電線20a〜20fは面260Bに平行な方向(本例では矢印B2で示される方向)に並列配置されている。面260Bは面260Aに対して0度より大きく90度より小さい角度θ
21で傾斜している。このため、矢印B2で示す面260B上での同軸電線20a〜20fの並列方向は、矢印A2で示す面260A上での同軸電線20a〜20fの並列方向に対して0度より大きく90度より小さい角度θ
21で傾斜している。同軸電線20a〜20fはモールド部材260内で湾曲している。角度θ
21は、30度以上60度以下であることが好ましい。具体的に、角度θ
21は、例えば、30度、45度、60度等に設定される。本例では、45度に設定されている。面260Aは第1の面の一例であり、面260Bは第2の面の一例である。
【0045】
モールド部材260は、更に、面260Bよりも後方(B側)に位置する面260Cと、面260Cと面260Bとを繋ぐ面260Dとを有する。面260Cにおいて、絶縁電線21a〜21bは面260Cに平行な方向に並列配置されている。例えば、面260Cは面260Bに平行である。面260Cは第3の面の一例である。例えば、ケーブル2及びモールド部材260がモールド部材付き電線11に含まれる。
【0046】
ここで、中継基板230について説明する。
図5は、中継基板230の構成を示す図である。
図5には、中継基板230を上方(U側)から見たときの構成を示してある。
【0047】
中継基板230は中継基板130と同様の構成を有する。すなわち、
図5に示すように、中継基板230の表面230aには、複数(本例では6個)のワイヤーパッド231a〜231fと、複数(本例では6個)のコネクタパッド232a〜232fと、電源パッド233とが形成されている。ワイヤーパッド231a〜231fは、ケーブル2の同軸電線20a〜20fがそれぞれ接続されるパッドである。コネクタパッド232a〜232fは、接続部251のコネクタ端子252(
図1参照)がそれぞれ接続されるパッドである。電源パッド233は、ケーブル2の絶縁電線21a〜21bが接続されるパッドである。ワイヤーパッド231a〜231fは第1のパッドの一例であり、コネクタパッド232a〜232fは第2のパッドの一例である。
【0048】
中継基板230の表面には、ワイヤーパッド231a〜231fとコネクタパッド232a〜232fとをそれぞれ接続する配線235a〜235fの回路パターンが形成されている。配線235a〜235fには、同軸電線20aと同軸電線20bとの同軸電線対、同軸電線20cと同軸電線20dとの同軸電線対、及び同軸電線20eと同軸電線20fとの同軸電線対の配線を等長にするためのミアンダ配線が施されている。本例では、同軸電線20aと同軸電線20bとの同軸電線対の配線長を等しくするために、配線235aにミアンダ配線が施されている。同様に、同軸電線20cと同軸電線20dとの同軸電線対の配線長を等しくするために、配線235cにミアンダ配線が施され、同軸電線20eと同軸電線20fとの同軸電線対の配線長を等しくするために、配線235eにミアンダ配線が施されている。
【0049】
ワイヤーパッド231a〜231fは、中継基板230の表面上において一定の方向(本例では矢印C2で示される方向)に並列配置されている。同様に、コネクタパッド232a〜232fは、矢印D2で示される方向に並列配置されている。矢印D2で示すコネクタパッド232a〜232fの並列方向は、矢印C2で示すワイヤーパッド231a〜231fの並列方向に対して0度より大きく90度より小さい角度θ
22で傾斜している。角度θ
22は、30度以上60度以下であることが好ましい。具体的に、角度θ
22は、例えば、30度、45度、60度等に設定される。例えば、角度θ
21と角度θ2
22とは互いに等しい。ワイヤーパッド231a〜231fの並列方向は第1の方向の一例である。コネクタパッド232a〜232fの並列方向は第2の方向の一例である。
【0050】
電源パッド233は、スルーホールを介して中継基板230の裏面につながり、裏面に形成されている電源の回路パターンに接続されている。電源配線と配線235a〜235fの回路パターンとが中継基板230の厚さ方向に離間して配置されるため、配線235a〜235fで伝送される高速信号へのノイズの影響が抑制されるとともに、中継基板230の小型化が可能となる。
【0051】
図4及び
図5に示すように、ハウジング250内で、各同軸電線20a〜20fの露出された中心導体24は中継基板230のワイヤーパッド231a〜231fに半田により接続され、露出された外部導体26は中継基板230のグランドパッド234に半田により接続されている。モールド部材260の面260Aとワイヤーパッド231a〜231fが並ぶ方向とが互いに平行になっている。すなわち、同軸電線20a〜20fの面260Aから突出する部分が並ぶ方向(矢印A2で示す方向)とワイヤーパッド231a〜231fが並ぶ方向(矢印C2で示す方向)とが互いに平行になっている。また、モールド部材260の面260Bとコネクタパッド232a〜232fが並ぶ方向とが互いに平行になっている。すなわち、同軸電線20a〜20fの面260Bから導出される部分が並ぶ方向(矢印B2で示す方向)とコネクタパッド232a〜232fが並ぶ方向(矢印D2で示す方向)とが互いに平行になっている。また、ハウジング250内で、各絶縁電線21a〜21bの露出された導体27は中継基板230の電源パッド233に半田により接続されている。
【0052】
結束部223は、コネクタパッド232a〜232fが並ぶ方向と接続部251においてコネクタ端子252が並ぶ方向とが同一になるように、ハウジング250に固定されている。また、中継基板230は、ケーブル2がハウジング250から導出される方向とコネクタパッド232a〜232fが並ぶ方向とが直交するように、ハウジング250に固定されている。従って、矢印A2で示す方向と矢印C2で示す方向とが互いに平行となり、矢印B2で示す方向と矢印D2で示す方向とが互いに平行となる。
【0053】
第1の実施形態では、ライトアングル型のコネクタ100内において、同軸電線20a〜20fがモールド部材160により封止されているため、同軸電線20a〜20fをコネクタ100から抜けにくくすることができる。また、モールド部材160の面160Bが面160Aに対して0度より大きく90度より小さい角度θ
11で傾斜している。そして、同軸電線20a〜20fは、モールド部材160内で湾曲し、面160Aにおいて面160Aに平行な方向に並列に配置され、面160Bにおいて面160Bに平行な方向に並列に配置されている。このため、同軸電線20a〜20fが直角に屈曲される場合と比較して、同軸電線20aと同軸電線20bとの間の線長差を小さくし、同軸電線20cと同軸電線20dとの間の線長差を小さくし、同軸電線20eと同軸電線20fとの間の線長差を小さくすることができる。従って、中継基板130に設けられる、線長差を吸収するためのミアンダ配線のための領域を低減することができる。
【0054】
また、同軸電線20a〜20fは最小曲げ半径の制約を受けるため、角度θ
11が大きいほどコネクタ内の同軸電線20a〜20fのための空間が大きくなる。第1の実施形態では、角度θ
11が0度より大きく90度より小さい角度であるため、湾曲に伴うコネクタ100内の同軸電線20a〜20fのための空間の増加を抑制することができる。
【0055】
更に、モールド部材160により同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分が束ねられているため、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bを安定してワイヤーパッド131a〜131fに接続することができる。同軸電線20a〜20fには、高精度の線長差の制御が要求されることがあるため、安定した接続が可能となることは極めて好ましい効果である。同軸電線20a〜20fは、互いに同時に半田付けすることができる。絶縁電線21a〜21bは、互いに同時に半田付けすることができる。同軸電線20a〜20fと絶縁電線21a〜21bとを同時に半田付けしてもよいが、中心導体24の線径と導体27の線径とが同一でない場合は、一方を先に、他方を後に半田付けすることが好ましい。
【0056】
中継基板130に関し、ワイヤーパッド131a〜131fの並列方向がコネクタパッド132a〜132fの並列方向に対して0度より大きく90度よりも小さく傾いている。このため、モールド部材160に固定された同軸電線20a〜20fを容易にワイヤーパッド131a〜131fに接続することができる。また、上記のように、中継基板130に設けられる、線長差を吸収するためのミアンダ配線のための領域を低減することができる。従って、コネクタ100を小型化することができる。更に、配線135a〜135fを短縮することで高速信号の伝送品質を高く維持することができる。
【0057】
また、第1の実施形態によれば、ハウジング150内の空間を有効活用できるため、
図6に示すように、中継基板130に、電子部品10が搭載されてもよい。電子部品10としては、例えば、信号補正用のリドライバ集積回路(integrated circuit:IC)チップ、リタイマICチップ、ID認識用ICチップ(例えば、eMarker)、過電流防止用電子部品、突入電流防止用部品、温度上昇防止用部品等が挙げられる。
【0058】
温度上昇防止用部品は、信号補正用のリドライバICチップの温度上昇に応じて電流を遮断する素子であり、ブレーカ、ヒューズ等が挙げられる。中継基板130に信号補正用のリドライバICチップ及び温度上昇防止用部品が搭載されることが好ましい。ワイヤーパッド131a〜131fとコネクタ端子152との間において、温度上昇防止用部品は信号補正用のリドライバICチップに接続されており、信号補正用のリドライバICチップが高温になることにより中継基板130が高温になることを防ぐことができる。温度上昇防止用部品が接続される配線は、コネクタのCC(Configuration Channel,ケーブル接続確認用)もしくはVconn(ICへの電源供給用)に用いられるパッドに接続されていることが望ましい。特にケーブルの片側(ソース側またはホスト側)からのみ電源供給される用途においては、電源が供給されない側(シンク側またはデバイス側)は、温度上昇防止用部品をワイヤーパッド131a〜131fと信号補正用のリドライバICチップ間に搭載することが望ましい。
【0059】
第1の実施形態では、ストレート型のコネクタ200内において、同軸電線20a〜20fがモールド部材260により封止されているため、同軸電線20a〜20fをコネクタ200から抜けにくくすることができる。また、モールド部材260の面260Bが面260Aに対して0度より大きく90度より小さい角度θ
21で傾斜している。そして、同軸電線20a〜20fは、モールド部材260内で湾曲し、面260Aにおいて面260Aに平行な方向に並列に配置され、面260Bにおいて面260Bに平行な方向に並列に配置されている。
【0060】
また、中継基板230に関し、ワイヤーパッド231a〜231fの並列方向がコネクタパッド232a〜232fの並列方向に対して0度より大きく90度よりも小さく傾いている。このため、モールド部材260に固定された同軸電線20a〜20fを容易にワイヤーパッド231a〜231fに接続することができる。
【0061】
更に、モールド部材260により同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部223より後方(B側)の部分が束ねられているため、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bを安定してワイヤーパッド231a〜231fに接続することができる。同軸電線20a〜20fには、高精度の線長差の制御が要求されることがあるため、安定した接続が可能となることは極めて好ましい効果である。
【0062】
配線235a〜235fにミアンダ配線が施されるが、同軸電線20a〜20fの湾曲とミアンダ配線との組み合わせにより、ハウジング250内の空間を有効活用できる。このため、
図7に示すように、中継基板230に、電子部品10が搭載されてもよい。
【0063】
ケーブル2は、更に低速信号伝送用の絶縁電線を含んでもよい。
図8は、中継基板130の構成を示す図であり、
図9は、中継基板230の構成を示す図である。
図8には、中継基板130を下方(D側)から見たときの構成を示し、
図9には、中継基板230を下方(D側)から見たときの構成を示す。
図8に示すように、ケーブル2が低速信号伝送用の絶縁電線40及び電力供給用の絶縁電線41を含み、コネクタ100内で絶縁電線40及び41が中継基板130の裏面130bに接続されていてもよい。また、
図9に示すように、コネクタ200内で絶縁電線40及び41が中継基板230の裏面230bに接続されていてもよい。
【0064】
本実施形態では、
図2及び
図8に示すように、中継基板130の表面130aに差動伝送用の複数の同軸電線20a〜20fが接続され、中継基板130の裏面130bに低速信号伝送用の複数の絶縁電線40が接続される。この構成では、高速信号を伝送する差動伝送用の配線と低速信号伝送用の配線とが、中継基板130の同じ面に混在していない。従って、低速信号用の配線と高速信号用の配線との間のクロストーク等の電気的な干渉やノイズの混入を抑制することができる。
【0065】
本実施形態では、
図4及び
図9に示すように、中継基板230の表面230aに差動伝送用の複数の同軸電線20a〜20fが接続され、中継基板230の裏面230bに低速信号伝送用の複数の絶縁電線40が接続される。この構成では、高速信号を伝送する差動伝送用の配線と低速信号伝送用の配線とが、中継基板230の同じ面に混在していない。従って、低速信号用の配線と高速信号用の配線との間のクロストーク等の電気的な干渉やノイズの混入を抑制することができる。
【0066】
これに対して、高速信号用の配線と低速信号伝送用の配線とが混在する場合は、両者の配線間の距離を大きく離さなければ、上記のような電気的な干渉が顕著になり得る。本実施形態によれば、配線間の距離を短くしても電気的な干渉等を抑制できるため、中継基板130及び230の小型化が可能である。
【0067】
また、中継基板130及び230を多層基板にした場合は、電源の回路パターンを基板内層に形成するようにしてもよい。この場合、電源の回路パターンの面積を広くすることができる。これにより、電源のインピーダンスが下がる等の効果によりノイズの影響をさらに抑制できる。また、中継基板130及び230の表面の電源の回路パターンの面積が小さくても済むので、中継基板130及び230のさらなる小型化が可能になる。
【0068】
また、例えば、低速信号伝送用の電線を使用しない場合などは、差動伝送用の同軸電線を中継基板130及び230の表面及び裏面にそれぞれ接続する構成としてもよい。
【0069】
また、差動伝送用の電線として2本1組の同軸電線対を用いているが、この例に限定されない。例えば、差動伝送用の電線として、2本の絶縁電線を撚り合わせて対にしてその周囲をシールド層でシールドしたツイストペア電線等を用いるようにしてもよい。
【0070】
なお、モールド部材160及び260内での電線の配置は限定されない。例えば、電線の配列が1段構成となっていてもよく、2段構成となっていてもよい。例えば、
図10Aに示すように、モールド部材160内に2つ配列段が設けられ、一方の配列段S1に同軸電線920が配置され、他方の配列段S2に絶縁電線940が配置されてもよい。例えば、
図10Bに示すように、モールド部材160内に2つ配列段が設けられ、一方の配列段S3に一部の同軸電線920と一部の絶縁電線940とが配置され、他方の配列段S4に残りの同軸電線920と残りの絶縁電線940とが配置されていてもよい。例えば、
図10Cに示すように、モールド部材160内で同軸電線920及び絶縁電線940が同一の配列段S5に配置されてもよい。中継基板130、230の形態に応じて、同軸配線620を中継基板130、230に接続しやすい形態で配列させることができる。なお、
図10A〜
図10Cには、同軸電線920及び絶縁電線940を4本ずつ図示しているが、同軸電線920及び絶縁電線940の本数も限定されない。例えば、同軸電線20a〜20fは同軸電線920の一例であり、絶縁電線21a〜21bは絶縁電線940の一例である。
【0071】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、モールド部材160と絶縁電線21a〜21bとの関係の点で第1の実施形態と相違する。
図11は、第2の実施形態におけるコネクタ100の内部構造を示す図である。
【0072】
図11に示すように、第2の実施形態でも、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分を束ねるモールド部材160が設けられている。モールド部材160により、同軸電線20a〜20f及び絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分の配列が整えられる。ただし、第1の実施形態とは異なり、絶縁電線21a〜21bが面160Dから導出されている。面160Dは第3の面の一例である。例えば、ケーブル2及びモールド部材160がモールド部材付き電線12に含まれる。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0073】
第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、第2の実施形態では、絶縁電線21a〜21bの前方(F側)でモールド部材160から導出されている部分が、第1の実施形態よりも長い。このため、導体27を電源パッド133に半田付けする際に、絶縁電線21a〜21bの位置を調整しやすい。つまり、第2の実施形態によれば、コネクタ100内での絶縁電線21a〜21bの位置の自由度を高めることができる。
【0074】
なお、コネクタ200側において、絶縁電線21a〜21bが面260Dから導出されていてもよい。この場合、面260Dは第3の面の一例であり、コネクタ200内での絶縁電線21a〜21bの位置の自由度を高めることができる。
【0075】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、モールド部材160と絶縁電線21a〜21bとの関係の点で第1の実施形態と相違する。
図12は、第3の実施形態におけるコネクタ100の内部構造を示す図である。
【0076】
図12に示すように、第3の実施形態では、モールド部材160が同軸電線20a〜20fの結束部123より前方(F側)の部分を束ねる一方で、絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分はモールド部材160の外部に設けられている。つまり、絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分はモールド部材160から独立している。モールド部材160により、同軸電線20a〜20fの結束部123より前方(F側)の部分の配列が整えられる。例えば、ケーブル2及びモールド部材160がモールド部材付き電線13に含まれる。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0077】
第3の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、第3の実施形態では、絶縁電線21a〜21bの結束部123より前方(F側)の部分がモールド部材160の拘束を受けない。このため、導体27を電源パッド133に半田付けする際に、絶縁電線21a〜21bの位置を更に調整しやすい。つまり、第3の実施形態によれば、コネクタ100内での絶縁電線21a〜21bの位置の自由度を更に高めることができる。
【0078】
なお、コネクタ200側において、絶縁電線21a〜21bの結束部223より後方(B側)の部分がモールド部材260の外部に設けられていてもよい。この場合、コネクタ200内での絶縁電線21a〜21bの位置の自由度を更に高めることができる。
【0079】
中継基板130における各種パッドのパターンは限定されない。特に、絶縁電線が接続されるパッドのパターンの自由度は高い。
【0080】
例えば、
図13Aに示すように、中継基板130の表面130aにおいて、矢印D1で示す方向と平行に、絶縁電線21の導体27が半田付けされるように電源パッド133が設けられていてもよい。また、複数の電源パッド133がグランドパッド134を間に挟むようにして設けられていてもよい。
【0081】
例えば、
図13Bに示すように、中継基板130の表面130aにおいて、矢印D1で示す方向と平行に、絶縁電線21の導体27が半田付けされる複数の電源パッド133が、矢印D1で示す方向と直交する方向に並んで設けられていてもよい。
【0082】
例えば、
図13Cに示すように、中継基板130の表面130aにおいて、矢印D1で示す方向と平行に、絶縁電線21の導体27が半田付けされる電源パッド133Aと、矢印D1で示す方向と直交するように導体27が半田付けされる電源パッド133Bとが混在していてもよい。本例では、2つの電源パッド133Aが矢印D1で示す方向と直交する方向に並び、2つの電源パッド133Bが矢印D1で示す方向と平行に並ぶ。
【0083】
中継基板230についても同様である。
【0084】
なお、コネクタ付きケーブル1に含まれる一対のコネクタは、ライトアングル型のコネクタとストレート型コネクタとの組み合わせに限定されない。例えば、
図14Aに示すように、ケーブル2の両方の端部にライトアングル型のコネクタ100が接続されていてもよく、
図14Bに示すように、ケーブル2の両方の端部にストレート型のコネクタ200が接続されていてもよい。
【0085】
温度上昇防止用部品及び信号補正用のリドライバICチップは、上記一対のコネクタの両方の中継基板にそれぞれ設置されていると、電流を送る側と受ける側との両方のコネクタの温度上昇を確実に防止できる。
【0086】
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
モールド部材付き電線(11、12、13)は、複数本の差動伝送用電線(20a〜20f)と、前記複数本の差動伝送用電線の端部に設けられ、前記複数本の差動伝送用電線を束ねるモールド部材(160、260)と、を有する。前記モールド部材は前記複数本の差動伝送用電線と交わる第1の面(160A、260A)及び第2の面(160B、260B)を有し、前記第2の面は前記第1の面に対して0度より大きく90度より小さく傾斜している。