(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロック装置は、前記ロックレバーが第1位置にあるときに前記第1操作レバー及び前記第2操作レバーの揺動動作を拘束し、前記ロックレバーが第2位置にあるときに前記第1操作レバー及び前記第2操作レバーの揺動動作を許容する中央ロック機構を有する請求項6に記載の作業機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図18は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。
図19は、作業機1の上部の概略側面図である。
図20は、作業機1の上部の概略平面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図18に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2上には、運転者(オペレータ)が着座する運転席6が搭載されている。
【0011】
本発明の実施形態においては、作業機1の運転席6に着座した運転者の前側(
図18の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(
図18の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(
図20の矢印B1方向)を左方、運転者の右側(
図20の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2(
図20参照)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方(機体幅方向の外方)として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方(機体幅方向の内方)として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
【0012】
図18に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持する装置である。この走行装置3は、走行フレーム3Aと、走行フレーム3Aの左側に設けられた第1走行装置3Lと、走行フレーム3Aの右側に設けられた第2走行装置3Rとを有する。第1走行装置3L及び第2走行装置3Rは、クローラ式の走行装置である。第1走行装置3Lは、第1走行モータ(走行モータ)M1によって駆動される。第2走行装置3Rは、第2走行モータ(走行モータ)M2によって駆動される。第1走行モータM1及び第2走行モータM2は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
【0013】
走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、ドーザシリンダC1(油圧アクチュエータ)を伸縮することにより昇降(ブレードを上げ下げ)させることができる。
機体2は、走行フレーム3A上に旋回ベアリング8を介して縦軸(上下の方向に延伸する軸心)回りに旋回可能に支持されている。機体2は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)である旋回モータM3によって旋回方向に駆動される。機体2は、縦軸回りに旋回する基板(以下、旋回基板という)9と、ウエイト10とを有している。旋回基板9は、鋼板等から形成されており、旋回ベアリング8に連結されている。ウエイト10は、機体2の後部に設けられている。
【0014】
機体2の後部には、原動機E1が搭載されている。原動機E1は、ディーゼルエンジンである。なお、原動機E1は、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
図18に示すように、原動機E1は、ボンネット5によって覆われている。このボンネット5上に運転席6が設けられている。
【0015】
図20に示すように、運転席6の機体幅方向K2の中心とボンネット5の機体幅方向K2の中心とは略一致している。また、ボンネット5の機体幅方向K2の両側(左側及び右側)は、運転席6から機体外方にはみ出している。
図18に示すように、機体2は、機体幅方向K2の中央のやや右寄りの前部に支持ブラケット13を有している。支持ブラケット13には、スイングブラケット14が、縦軸回りに揺動可能に取り付けられている。スイングブラケット14には、作業装置4が取り付けられている。
【0016】
作業装置4は、ブーム15と、アーム16と、バケット(作業具)17とを有している。ブーム15の基部は、スイングブラケット14に横軸(機体幅方向K2に延伸する軸心)回りに回動可能に枢着されている。これによって、ブーム15が上下に揺動可能とされている。アーム16は、ブーム15の先端側に横軸回りに回動可能に枢着されている。これによって、アーム16が前後或いは上下に揺動可能とされている。バケット17は、アーム16の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧アクチュエータにより駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
【0017】
スイングブラケット14は、機体2内に備えられたスイングシリンダC2の伸縮によって揺動可能とされている。ブーム15は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動可能とされている。アーム16は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動可能とされている。バケット17は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C5の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作可能とされている。ドーザシリンダC1、スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。また、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、作業装置4を駆動する作業用の油圧アクチュエータである。
【0018】
図18〜
図20に示すように、作業機1は、該作業機1を操縦する操縦装置21を有する。操縦装置21は、運転席6及びボンネット5の前方で且つ機体2上に設けられている。また、操縦装置21は、運転席6及びボンネット5の前方に、運転者Dが通ることのできる間隔をあけて配置されている。したがって、運転者Dは、操縦装置21とボンネット5との間を介して作業機1に対して乗車及び降車が可能である。即ち、操縦装置21とボンネット5とによって(操縦装置21とボンネット5との間の床部24上方に)、運転者Dが乗り降りするための乗降用通路22が形成されている。この乗降用通路22は、左及び右に開放状であり、機体幅方向K2に通り抜け(ウォークスルー)可能である。運転者Dは、乗降用通路22の左側及び右側から乗り降り可能である。
【0019】
図1に示すように、操縦装置21は、操縦台23を有する。操縦台23は、骨格となる支持フレーム25と、この支持フレーム25を覆うフレームカバー26とを有する。
図2、
図3に示すように、支持フレーム25は、左部を構成する第1縦板27と、右部を構成する第2縦板28とを有する。第1縦板27と第2縦板28とは、機体幅方向K2に間隔をあけて対向配置されている。第1縦板27及び第2縦板28は、機体2上に立設されている。
【0020】
支持フレーム25は、第1縦板27と第2縦板28とを連結する連結体29を有する。連結体29は、第1縦板27と第2縦板28との上部間に設けられている。連結体29は、第1連結材30、第2連結材31及び第3連結材32を有する。第1連結材30は、第1縦板27の上部に固定され、第2連結材31は、第2縦板28の上部に固定されている。第1連結材30と第2連結材31とは、機体幅方向K2で間隔をあけて設けられていて、第3連結材32によって連結されている。
【0021】
図4に示すように、第1連結材30は、第1縦板27に固定された第1壁30aと、第1壁30aに対して機体内方に間隔をあけて対向配置された第2壁30bと、第1壁30aと第2壁30bの前部同士を連結する第3壁30cとを有する。第1壁30aの下部には、後方に向けて開放状の切欠き30dが形成されている。この切欠き30dには、第1縦板27に貫通状に設けられた第1軸受筒69Lが挿通されている。第3壁30cには、前後方向K1に延伸する軸心を有する筒状の第1支持筒68Lが貫通状に設けられている。
【0022】
第2連結材31は、第2縦板28に固定された第1壁31aと、第1壁31aに対して機体内方に間隔をあけて対向配置された第2壁31bと、第1壁31aと第2壁31bの前部同士を連結する第3壁31cとを有する。第2壁31b及び第3壁31cの下部は、第1壁31aの下端より下方に延出されている。言い換えると、第2連結材31には、第1壁31aの下部から第3壁31cの右部の下部にわたって切り欠かれた切欠き部31dが形成されている。第1壁31aの下方には、第2縦板28を貫通する第2軸受筒69Rが設けられている。第3壁31cには、前後方向K1に延伸する軸心を有する筒状の第2支持筒68Rが貫通状に設けられている。
【0023】
第3連結材32は、平板によって形成され、第3壁30cの前面と第3壁31cの前面とを連結している。
図2、
図4に示すように、支持フレーム25の上部には、レバー支軸34が設けられている。このレバー支軸34は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有し、支持フレーム25に、軸心回りに回転可能に支持されている。
【0024】
レバー支軸34は、第1軸34Aと、第2軸34Bとを有する。第1軸34Aは、第1軸受筒69Lを挿通し、且つ第2壁30b及び第2壁31bの下部を貫通している。第1軸34Aは、第1軸受筒69L、第2壁30b及び第2壁31bに軸心回りに回転可能に支持されている。
第2軸34Bは、第1軸34Aの右方に同芯状に配置されている。第2軸34Bは、第2軸受筒69Rを挿通している。第2軸34Bは、第2軸受筒69Rの軸心回りに回転可能に支持されている。
【0025】
第1軸34Aと第2軸34Bとは、機体幅方向K2に間隔をあけて配置されている。第1軸34Aと第2軸34Bとの間には、接続部材40が設けられている。この接続部材40によって第1軸34Aと第2軸34Bとが一体回転可能に接続されている。なお、レバー支軸34は、1本のシャフトによって構成されていてもよい。
接続部材40は、第1軸34Aに接続された第1側壁40Aと、第2軸34Bに接続された第2側壁40Bと、これら第1側壁40Aと第2側壁40Bとを連結する湾曲壁40Cと、第2側壁40Bから上方側に延出する延出部40Dとを有する。第1側壁40Aと第2側壁40Bとは、機体幅方向K2で間隔をあけて配置され、湾曲壁40Cは、第1側壁40Aと第2側壁40Bの後端部同士を連結している。
【0026】
第1側壁40Aには、接続筒64が設けられている。第1軸34Aには、この接続筒64に挿入される挿入部65が設けられている。挿入部65は、第1軸34Aの軸心方向に平行で且つ互いに平行な2面の平坦面65aを有する断面小判型形状に形成されている。即ち、挿入部65における軸心方向に垂直な断面の断面形状は、2つの平坦面の両側を円弧で結んだ小判型形状(円の一部を平坦状に切り欠いた形状)である。
【0027】
接続筒64の内周面は、挿入部65の平坦面65aに当接する当接面を有する。平坦面65aが、接続筒64の当接面に当接することによって、第1軸34Aと第1側壁40Aとが一体回転可能とされている。第2側壁40Bには、第2軸34Bが溶接等によって固定されている。延出部40Dには、当板40Eと、ピンからなる第1バネ掛け部70とが設けられている。
【0028】
図3、
図4に示すように、第2連結材31の前面には、切欠き部31dを覆うカバー部材73が設けられている。カバー部材73の下部には、ピンからなる第2バネ掛け部72が設けられている。
図2、
図4に示すように、第1軸34A上の左部(第1縦板27と第2壁30bとの間)には、筒体39Lが嵌められている。筒体39Lは、ピン等によって第1軸34Aに固定されていて、第1軸34Aと一体回転可能である。第1軸34A上の右部(第2壁31bと接続部材40との間)には、筒状のスペーサ39Rが嵌められている。スペーサ39Rは、ピン等によって第1軸34Aに固定されている。
【0029】
図1〜
図3に示すように、操縦装置21には、コントロールバルブ35が設けられている。このコントロールバルブ35は、作業機1に装備された油圧アクチュエータを制御する複数の制御弁V1〜V10の集合体であり、第1縦板27と第2縦板28との下部間に設けられている。
各制御弁V1〜V10は、直動スプール形の方向切替弁である。各制御弁V1〜V10のスプールは、バルブボディ内に収容された付勢バネの付勢力によって中立位置に保持され、付勢バネの付勢力に抗して中立位置から上下に操作される。複数の制御弁は、第1制御弁V1〜第10制御弁V10である。第1制御弁V1〜第10制御弁V10は、手動でスプールが切り替えられる機械操作式の方向切替弁である。
【0030】
第1制御弁V1は、第1走行モータM1及び第2走行モータM2の斜板の傾転角を変更する斜板角シリンダ(図示省略)を制御する変速用制御弁である。第2制御弁V2は、旋回モータM3を制御する旋回用制御弁である。第3制御弁V3は、アームシリンダC4を制御するアーム用制御弁である。第4制御弁V4は、第1走行モータM1を制御する第1走行用制御弁(走行用制御弁)である。第5制御弁V5は、ドーザシリンダC1を制御するドーザ用制御弁である。第6制御弁V6は、油圧アタッチメントを制御する予備用制御弁である。第7制御弁V7は、第2走行モータM2を制御する第2走行用制御弁(走行用制御弁)である。第8制御弁V8は、スイングシリンダC2を制御するスイング用制御弁である。第9制御弁V9は、バケットシリンダC5を制御するバケット用制御弁である。第10制御弁V10は、ブームシリンダC3を制御するブーム用制御弁である。また、第3制御弁V3、第9制御弁V9及び第10制御弁V10は、作業装置4を駆動する油圧アクチュエータを制御する作業用制御弁である。
【0031】
図1〜
図3に示すように、操縦装置21には、操作軸33が設けられている。操作軸33は、連結体29の下方で且つコントロールバルブ35の上方に設けられている。操作軸33は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有し、第1縦板27と第2縦板28とにわたって設けられている。また、操作軸33は、第1縦板27及び第2縦板28に、軸心回りに回転可能に支持されている。操作軸33の右部は、第2縦板28から機体外方に突出しており、該右部にドーザレバー66の基部が固定されている(
図1参照)。ドーザレバー66は、ドーザ装置7を操作するレバーである。
【0032】
操作軸33上には、第1回動筒38A〜第5回動筒38Eが嵌められている。第3回動筒38Cは、操作軸33と一体回転し、その他の回動筒38A、38B、38D、38Eは、操作軸33に対して相対回転する。
図2に示すように、第1回動筒38Aの後部には、第1中継片91Aが後方突出状に設けられている。第2回動筒38Bの後部には、第2中継片91Bが後方突出状に設けられている。第4回動筒38Dの後部には、第3中継片91Cが後方突出状に設けられている。第5回動筒38Eの後部には、第4中継片91Dが後方突出状に設けられている。
【0033】
図3に示すように、第1回動筒38Aは、アーム39A及びリンク40Aを介して第2制御弁V2のスプールS2に連動連結されている。第2回動筒38Bは、アーム39B及びリンク40Bを介して第3制御弁V3のスプールS3に連動連結されている。第3回動筒38Cは、アーム39C及びリンク40Cを介して第5制御弁V5のスプールS5に連動連結されている。第4回動筒38Dは、アーム39D及びリンク40Dを介して第9制御弁V9のスプールS9に連動連結されている。第5回動筒38Eは、アーム39E及びリンク40Eを介して第10制御弁V109のスプールS10に連動連結されている。
【0034】
ドーザレバー66を前後に揺動操作することにより、操作軸33及び第3回動筒38Cが回転し、アーム39C及びリンク40Cを介して第5制御弁V5のスプールS5が押し引きされる。これによって、ドーザシリンダC1が制御されてドーザ装置7が駆動する。
図1に示すように、操縦台23の左方には、原動機E1の回転数を操作するアクセルレバー67が設けられている。
【0035】
図1〜
図3に示すように、第1縦板27の下部には、第1制御弁V1を操作する変速ペダルを支持する第1ペダル支持部74と、第6制御弁V6を操作するSPペダルを支持する第2ペダル支持部75とが設けられている。第2縦板28の下部には、第8制御弁V8を操作するスイングペダルを支持する第3ペダル支持部76が設けられている。
図1に示すように、操縦装置21には、走行装置3(走行用制御弁)を操作する操作部材41が設けられている。操作部材41は、操縦台23の上部で且つ機体幅方向K2の中央部に配置されている。操作部材41は、左の第1走行レバー(第1操作レバー)41Lと、右の第2走行レバー(第2操作レバー)41Rとを含む。第1走行レバー41Lと第2走行レバー41Rとは、機体幅方向K2で並べて配置されている。第1走行レバー41Lで第1走行装置3Lが操作され、第2走行レバー41Rで第2走行装置3Rが操作される。また、第1走行レバー41Lは、後述の第1操縦レバー71Lの機体内方に位置する。第2走行レバー41Rは、後述の第2操縦レバー71Rの機体内方に位置する。
【0036】
図1に示すように、第1走行レバー41Lは、先端部(上部)にグリップ42Lを有するレバー本体43Lと、レバー本体43Lの基部(下部)に設けられた筒状の第1基部44Lとを有する。第1基部44Lは、第1連結材30と第2連結材31との間において、レバー支軸34上にレバー支軸34と略同一の軸心回りにレバー支軸34に対して相対回転可能に嵌められている。これによって、第1走行レバー41Lが前後に揺動操作可能とされている。
【0037】
図3に示すように、第1基部44Lには、板材からなる第1係合部(係合部)45Lが前方に突出状に設けられている。この第1係合部45Lは第1走行レバー41Lと一体回転する。
図1に示すように、第1係合部45Lの前後中途部には、連結ロッド48Lの一端部(上部)が球継ぎ手49Lを介して連結されている。連結ロッド48Lの他端部(下部)は、第4制御弁V4のスプールS4に連結されている。第1走行レバー41Lを前後に揺動操作すると、第1係合部45Lが上下に揺動して、連結ロッド48Lを介して第4制御弁V4のスプールS4が押し引きされる。これによって、第1走行モータM1が制御されて第1走行装置3Lが駆動する。
【0038】
図1に示すように、第2走行レバー41Rは、先端部(上部)にグリップ42Rを有するレバー本体43Rと、レバー本体43Rの基部(下部)に設けられた筒状の第2基部44Rとを有する。第2基部44Rは、第1連結材30と第2連結材31との間において、レバー支軸34上にレバー支軸34と略同一の軸心回りにレバー支軸34に対して相対回転可能に嵌められている。これによって、第2走行レバー41Rが前後に揺動操作可能とされている。
【0039】
図3に示すように、第2基部44Rには、板材からなる第2係合部(係合部)45Rが前方に突出状に設けられている。この第2係合部45Rは、第1係合部45Lとレバー支軸34の軸心方向に平行な方向で並べて配置されている。また、第2係合部45Rは第2走行レバー41Rと一体回転する。
図1に示すように、第2係合部45Rの前後中途部には、連結ロッド48Rの一端側(上部)が球継ぎ手49Rを介して連結されている。連結ロッド48Rの他端側(下部)は、第7制御弁V7のスプールS7に連結されている。第2走行レバー41Rを前後に揺動操作すると、第2係合部45Rが上下に揺動して、連結ロッド48Rを介して第7制御弁V7のスプールS7が押し引きされる。これによって、第2走行モータM2が制御されて第2走行装置3Rが駆動する。
【0040】
図1に示すように、操縦装置21は、作業装置4及び機体2を操作する操縦部材71を有する。操縦部材71は、機体幅方向K2の一側部に設けられた(左の)第1操縦レバー71Lと、機体幅方向K2の他側部に設けられた(右の)第2操縦レバー71Rとを含む。第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71Rは、操縦台23の上部で且つ操作部材41の機体外方に配置されている。詳しくは、第1操縦レバー71Lは、第1走行レバー41Lの機体外方側(左側)に配置されている。また、第2操縦レバー71Rは、第2走行レバー41Rの機体外方側(右側)に配置されている。第1操縦レバー71Lで、例えば、アーム16及び機体2が操作される。第2操縦レバー71Rで、例えば、ブーム15及びバケット17が操作される。
【0041】
第1操縦レバー71Lは、先端部(上部)にグリップ78Lを有し、基部(下部)は、第1支持体77Lを介して支持フレーム25に任意の揺動方向に揺動可能に支持されている。第2操縦レバー71Rは、先端部(上部)にグリップ78Rを有し、基部(下部)は、第2支持体77Rを介して支持フレーム25に任意の揺動方向に揺動可能に支持されている。
【0042】
第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71Rの揺動方向は、前後方向K1及び機体幅方向K2並びに前後方向K1と機体幅方向K2との間の斜め方向である。
図5〜
図7に示すように、第1支持体77Lは、第1ブラケット81Lと、第1レバー固定部82Lとを有する。第1ブラケット81Lは、第1連結材30(支持フレーム25)に第1枢軸79Lを介して回転可能に支持されている。第1レバー固定部82Lは、第1ブラケット81Lに第2枢軸80Lを介して回転可能に支持されている。
【0043】
図5に示すように、第1ブラケット81Lは、板材によって形成され、第1連結材30の第1壁30aと第2壁30bとの間に配置されている。第1ブラケット81Lは、第1片83L〜第5片87Lを有する。第1片83Lと第2片84Lとは、機体幅方向K2で対向配置されている。第3片85Lは、第1片83Lと第2片84Lの前部同士を連結している。第4片86Lは、第1片83Lの後部に、左方突出状に固定されている。第5片87Lは、第2片84Lの後部に右方突出状に固定されている。
【0044】
第1枢軸79Lは、前後方向K1に延伸する軸心Y1を有し、第1ブラケット81Lの第3片85Lに前方突出状に固定されている。また、第1枢軸79Lは、第1支持筒68Lの内周側にベアリングを介して軸心回りに回転可能に支持されている。これによって、第1ブラケット81Lは、第1枢軸79Lの軸心Y1回りに回転可能である。
第1レバー固定部82Lは、矩形のブロック体によって構成され、第1片83Lと第2片85Lとの間に配置されている。第1レバー固定部82Lの上面に第1操縦レバー71Lの基部が固定されている。第1レバー固定部82Lの後面には、第1連結部88Lが後方に突出状に設けられている。
【0045】
図5に示すように、第2枢軸80Lは、機体幅方向K2に延伸する軸心Y2を有し、第2片84L、第1レバー固定部82L及び第1片83Lを貫通している。第1レバー固定部82Lは、第2枢軸80Lの軸心Y2回りに回転可能である。
以上によって、第1操縦レバー71Lは、軸心Y1回りに機体幅方向K2に揺動可能であり、軸心Y2回りに前後方向K1に揺動可能であり、且つ前後方向K1と機体幅方向K2との間の斜め方向に揺動可能である。
【0046】
図1に示すように、第4片86Lは、第1連動部材89Aを介して第1中継片91Aに連動連結されている。したがって、第1操縦レバー71Lを機体幅方向K2に揺動操作すると、第1連動部材89A、第1回動筒38A、リンク40A等を介して第2制御弁V2のスプールS2が押し引きされる。これによって、旋回モータM3が制御されて機体2が駆動(旋回)する。
【0047】
また、第1連結部88Lは、第2連動部材89Bを介して第2中継片91Bに連動連結されている。したがって、第1操縦レバー71Lを前後方向K1に揺動操作すると、第2連動部材89B、第2回動筒38B、リンク40B等を介して第3制御弁V3のスプールS3が押し引きされる。これによって、アームシリンダC4が制御されてアーム16が駆動(揺動)する。
【0048】
なお、第1連結部88Lを第2制御弁V2に連動連結し、第5片87Lを第3制御弁V3に連動連結することにより、第1操縦レバー71Lの機体幅方向K2の操作でアーム16が操作され、第1操縦レバー71Lの前後方向K1の操作で機体2が操作可能である。
図5〜
図7に示すように、第2支持体77Rは、第2ブラケット81Rと、第2レバー固定部82Rとを有する。第2ブラケット81Rは、第2連結材30(支持フレーム25)に第3枢軸79Rを介して回転可能に支持されている。第2レバー固定部82Rは、第2ブラケット81Rに第4枢軸80Rを介して回転可能に支持されている。
【0049】
図5に示すように、第2ブラケット81Rは、板材によって形成され、第2連結材31の第1壁31aと第2壁31bとの間に配置されている。第2ブラケット81Rは、第1片83R〜第4片86Rを有する。第1片83Rと第2片84Rとは、機体幅方向K2で対向配置されている。第3片85Rは、第1片83Rと第2片84Rの前部同士を連結している。第4片86Rは、第1片83Rの後部に、左方突出状に固定されている。
【0050】
第3枢軸79Rは、前後方向K1に延伸する軸心Y3を有し、第2ブラケット81Rの第3片85Rに前方突出状に固定されている。また、第3枢軸79Rは、第2支持筒68Rの内周側にベアリングを介して軸心回りに回転可能に支持されている。これによって、第2ブラケット81Rは、第3枢軸79Rの軸心Y3回りに回転可能である。
第2レバー固定部82Rは、矩形のブロック体によって構成され、第1片83Rと第2片85Rとの間に配置されている。第2レバー固定部82Rの上面に第2操縦レバー71Rの基部が固定されている。第2レバー固定部82Rの後面には、第2連結部88Rが後方に突出状に設けられている。
【0051】
図5に示すように、第4枢軸80Rは、機体幅方向K2に延伸する軸心Y4を有し、第1片83R、第2レバー固定部82R及び第2片84Rを貫通している。第2レバー固定部82Rは、第4枢軸80Rの軸心Y4回りに回転可能である。
以上によって、第2操縦レバー71Rは、軸心Y3回りに機体幅方向K2に揺動可能であり、軸心Y4回りに前後方向K1に揺動可能であり、且つ前後方向K1と機体幅方向K2との間の斜め方向に揺動可能である。
【0052】
図1に示すように、第4片86Rは、第3連動部材89Cを介して第3中継片91Cに連動連結されている。したがって、第2操縦レバー71Rを機体幅方向K2に揺動操作すると、第3連動部材89C、第4回動筒38D、リンク40D等を介して第9制御弁V9のスプールS9が押し引きされる。これによって、バケットシリンダC5が制御されてバケット17が駆動(揺動)する。
【0053】
また、第2連結部88Rは、第4連動部材89Dを介して第4中継片91Dに連動連結されている。したがって、第2操縦レバー71Rを前後方向K1に揺動操作すると、第4連動部材89D、第5回動筒38E、リンク40E等を介して第10制御弁V10のスプールS10が押し引きされる。これによって、ブームシリンダC3が制御されてブーム15が駆動(揺動)する。
【0054】
図1に示すように、操縦装置21には、ロックレバー50が設けられている。このロックレバー50は、操縦装置21に設けられたレバーをロック(動かないように機械的に拘束すること)する操作(ロック操作)を行う部材である。本実施形態では、ロックレバー50は、操縦部材71及び操作部材41のロック操作を行うレバーである。なお、ロックレバー50は、操縦部材71のみのロック操作を行うレバーであってもよいし、操作部材41のみのロック操作を行うレバーであってもよい。ロックレバー50は、操縦台23の左側に位置する第1レバー50Lと、操縦台23の右側に位置する第2レバー50Rとを含む。第1レバー50Lは、第1操縦レバー71Lの機体外方に配置されている。第2レバー50Rは、第2操縦レバー71Rの機体外方に配置されている。
【0055】
図1に示すように、第1レバー50Lは、先端部(上部)にグリップ51Lを有するレバー本体52Lと、レバー本体52Lの基部(下部)に固定された第1基部プレート(基部プレート)53Lとを有する。第2レバー50Rは、先端部(上部)にグリップ51Rを有するレバー本体52Rと、レバー本体52Rの基部(下部)に固定された第2基部プレート(基部プレート)53Rとを有する。
【0056】
図1、
図5〜
図7に示すように、第1基部プレート53L(第1レバー50L)は、レバー支軸34(第1軸34A)の左部に固定されている。第2基部プレート53R(第2レバー50R)は、レバー支軸34(第2軸34B)の右部に固定されている。
図8に示すように、レバー支軸34(第1軸34A)の左部(一端部)は、第1縦板27から機体外方に突出しており、第1レバー50Lを取り付ける第1取付部34Lとされている。レバー支軸34(第2軸34B)の右部(他端部)は、第2縦板28から機体外方に突出しており、第2レバー50Rを取り付ける第2取付部34Rとされている。
【0057】
第1取付部34Lは、雄ネジである第1ネジ部(ネジ部)57Lを有する。第1ネジ部57Lの外面には、レバー支軸34の軸心方向に平行で且つ互いに平行な2面の第1平坦面(平坦面)54A、54Bが形成されている。したがって、この第1平坦面54A、54Bが形成された部位(第1被嵌部56L)は、断面小判型形状である。(
図9参照)。第1平坦面54A、54Bは、第1ネジ部57Lの中途部から機体外方側の端部にかけて形成されている。
【0058】
第1ネジ部57Lの第1平坦面54A、54Bが形成されていない部分には、第1ナット59Lが螺合される。第1被嵌部56Lには、第2ナット60Lが螺合される。
第2取付部34Rは、雄ネジである第2ネジ部(ネジ部)57Rを有する。第2ネジ部57Rの外面には、レバー支軸34の軸心方向に平行で且つ互いに平行な2面の第2平坦面(平坦面)55A、55Bが形成されている。したがって、この第2平坦面55A、55Bが形成された部位(第2被嵌部56R)は、断面小判型形状である(
図9参照)。第2平坦面55A、55Bは、第2ネジ部57Rの中途部から機体外方側の端部にかけて形成されている。
【0059】
第2ネジ部57Rの第2平坦面55A、55Bが形成されていない部分には、第3ナット59Rが螺合される。第2被嵌部56Rには、第4ナット60Rが螺合される。
なお、第1取付部34L及び第2取付部34Rは、少なくとも1つの平坦面を有していればよく、平坦面を有する部位で切断した断面形状は、半円形状や切欠き円形状、又は、3つ以上の平坦面を有する多角形状(三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等)であってもよい。
【0060】
図9に示すように、第1基部プレート53Lは、一端部にレバー本体52Lの基部が固定され、該一端部の反対側である他端部に第1取付穴(取付穴)61Lを有する。第2基部プレート53Rは、一端部にレバー本体52Rの基部が固定され、該一端部の反対側である他端部に第2取付穴(取付穴)61Rを有する。第1取付穴61L及び第2取付穴61Rは、第1基部プレート53Lを貫通する環状の縁部で形成されている。
【0061】
第1取付穴61Lは、第1被嵌部56Lの断面形状に合致する形状に形成されている。即ち、第1取付穴61Lは、互いに平行な2面の第1当接面(当接面)62A、62Bを有する小判型形状に形成されている。第1取付穴61Lは、第1被嵌部56Lに嵌められ、第1当接面62A、62Bの一方が第1平坦面54A、54Bの一方に対応し、第1当接面62A、62Bの他方が第1平坦面54A、54Bの他方に対応する。第1取付穴61Lを第1取付穴61Lに嵌めた状態で第1当接面62A、62Bは、対応する第1平坦面54A、54Bに当接可能である。
【0062】
第2取付穴61Rは、第2被嵌部56Rの断面形状に合致する形状に形成されている。即ち、第2取付穴61Rは、互いに平行な2面の第2当接面(当接面)63A、63Bを有する小判型形状に形成されている。第2取付穴61Rは、第2被嵌部56Rに嵌められ、第2当接面63A、63Bの一方が第2平坦面55A、55Bの一方に対応し、第2当接面63A、63Bの他方が第2平坦面55A、55Bの他方に対応する。第2取付穴61Rを第2取付穴61Rに嵌めた状態で第2当接面63A、63Bは、対応する第2平坦面55A、55Bに当接可能である。
【0063】
以上の構成により、ロックレバー50(第1レバー50L及び第2レバー50R)は、レバー支軸34と一体回転可能とされている。
なお、当接面(第1取付穴61L及び第2取付穴61Rの形状)は、平坦面の数(取付部の断面形状)に対応して形成される。即ち、第1取付穴61L及び第2取付穴61Rは、第1取付部34L及び第2取付部34Rの平坦面に対応して少なくとも1つの当接面を有していればよい。
【0064】
図5〜
図7に示すように、第1基部プレート53Lは、第1ナット59Lと第2ナット60Lとで挟持される(第1基部プレート53Lに対して第1ナット59Lと第2ナット60Lとを締め付ける)ことにより、レバー支軸34に対して軸心方向に位置決め固定される。
第2基部プレート53Rは、第3ナット59Rと第4ナット60Rとで挟持される(第2基部プレート53Rに対して第3ナット59Rと第4ナット60Rとを締め付ける)ことにより、レバー支軸34に対して軸心方向に位置決め固定される。
【0065】
図19に示すように、ロックレバー50(第1レバー50L及び第2レバー50R)は、レバー支軸34と一体回転することにより上下に揺動操作可能である。ロックレバー50は、上下に揺動操作されることにより、第1位置X1と、第2位置X2とに位置変更可能である。
第1位置X1は、ロックレバー50を上げた位置(ロックレバー50が基部から先端部に向けて上方側に向かう状態)であって、運転者Dが乗降用通路22を介して乗り降りするのを妨げない位置(乗降することを許容する位置)である。また、言い換えれば、第1位置X1は、操縦台23の側方の位置であって、乗降用通路22を開放する位置である。
【0066】
第2位置X2は、ロックレバー50を下げた位置(ロックレバー50が基部から先端部に向けて後方側に向かう状態)であって、運転者Dが乗降用通路22を介して乗り降りするのを妨げる位置(乗降することを妨げる位置)である。また、言い換えれば、第2位置X2は、操縦台23から機体後方に向けて延びる位置であって、乗降用通路22を遮断する位置である。
【0067】
第1位置X1では、操縦部材71及び操作部材41がロックされ、操縦部材71及び操作部材41が操作できない。第2位置X2では、操縦部材71及び操作部材41のロックが解除され、操縦部材71及び操作部材41が操作可能である。
以上のように、操縦部材71及び操作部材41がロックされているときには、第1レバー50L及び第2レバー50Rが運転者Dの乗り降りを妨げず、操縦部材71及び操作部材41がロックされていないときには、第1レバー50L及び第2レバー50Rが運転者Dの乗り降りを妨げるので、操縦部材71及び操作部材41をロックしているか否かが、わかりやすい。
【0068】
図2、
図10に示すように、操縦装置21は、ロックレバー50を第1位置X1と第2位置X2とに位置決めする位置決め機構96が設けられている。位置決め機構96は、第1縦板27の上部の右方に設けられている。位置決め機構96は、当接部材97と、第1ストッパ98と、保持プレート101と、第2ストッパ99とを有する。当接部材97は、筒体39Lに径方向に突出状に設けられていて、筒体39L(レバー支軸34)と一体回転する。本実施形態では、第1ストッパ98は、ボルトである。また、第1ストッパ98は、第1連結材30の第3壁30cに貫通状に形成されたネジ穴からなる第1ネジ穴100に螺合されている。ネジ穴とは、内周に雌ネジが切られた穴である。第1ストッパ98には、第1ストッパ98の位置を固定する第1ロックナット102が螺合されている。ロックレバー50が第1位置X1にあるときに、第1ストッパ98に当接部材97が当接可能である。
【0069】
ロックレバー50を回転操作して当接部材97が第1ストッパ98に当接すると、ロックレバー50の第2位置X2から第1位置X1へ向かう方向(ロック方向F1)の回転が規制される。これによって、ロックレバー50が第1位置X1に位置決めされる。
保持プレート101は、第1縦板27の機体内方側の面に固定されている。保持プレート101は、第1縦板27から機体内方に突出状に設けられている。保持プレート101は、保持プレート101を貫通するネジ穴からなる第2ネジ穴103を有する。本実施形態では、第2ストッパ99は、ボルトであり、第2ネジ穴103に螺合されている。第2ストッパ99は、当接部材97が当接可能な位置に設けられている。第2ストッパ99には、第2ストッパ99の位置を固定する第2ロックナット104が螺合されている。ロックレバー50が第2位置X2にあるときに、第2ストッパ99に当接部材97が当接可能である。
【0070】
ロックレバー50を回転操作して当接部材97が第2ストッパ99に当接すると、ロックレバー50の第1位置X1から第2位置X2へ向かう方向(解除方向F2)の回転が規制される。これによって、ロックレバー50が第2位置X2に位置決めされる。
第1ストッパ98を螺進又は螺退させると、当接部材97と第1ストッパ98との当接位置を変更することができる。これにより、ロックレバー50の第1位置X1におけるレバー支軸34回りの位置(ロックレバー50の角度)を調整することができる。また、第2ストッパ99を螺進及び螺退させると、当接部材97と第2ストッパ99との当接位置を変更することができる。これにより、ロックレバー50の第2位置X2におけるレバー支軸34回りの位置(ロックレバー50の角度)を調整することができる。
【0071】
ロックレバー50に加えられた操作力は、当接部材97が第1ストッパ98又は第2ストッパ99に当接した際に、当接面を介して平坦面で受けられる。これによって、ロックレバー50がレバー支軸34に対して軸心回りに位置ずれすることはない。
また、レバー支軸34に対するロックレバー50の取り付けは、レバー支軸34に形成した断面小判型形状の部分にロックレバー50の基部に形成した小判型形状の穴を嵌める構造であるので、ロックレバー50の組み付けが容易である。
【0072】
また、ロックレバー50の基部は、ナットによって両側から挟み込んで組み付けられるので、取付強度の確保、緩み防止を図ることができると共に、平坦面に作用する荷重を軽減することができる
図11に示すように、操縦装置21には、ロックレバー50を第1位置X1及び第2位置X2に保持する付勢部材106が設けられている。付勢部材106は、引張りコイルスプリングである。付勢部材106の一端は、接続部材40に設けられた第1バネ掛け部70に引っ掛けられている。付勢部材106の他端は、カバー部材73に設けられた第2バネ掛け部72に引っ掛けられている。
【0073】
この付勢部材106の付勢力は、ロックレバー50を第1位置X1に位置させたときと、第2位置X2に位置させたときとで、ロックレバー50に対する作用方向が切り替わるようになっている。
即ち、ロックレバー50が第1位置X1にあるときには、付勢部材106の軸心H1は、レバー支軸34の軸心よりも上方(第1位置X1側)に位置している。したがって、ロックレバー50が第1位置X1にあるときには、付勢部材106の付勢力は、ロックレバー50をロック方向F1に回転させるように作用する。この付勢力により、ロックレバー50が第1位置X1に保持される。
【0074】
また、ロックレバー50が第2位置X2にあるときには、付勢部材106の軸心H1は、レバー支軸34の軸心よりも下方(第2位置X2側)に位置している。したがって、ロックレバー50が第2位置X2にあるときには、付勢部材106の付勢力は、ロックレバー50を解除方向F2に回転させるように作用する。この付勢力により、ロックレバー50が第2位置X2に保持される。
【0075】
図11に示すように、操縦装置21には、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに、当板40Eが当接する第3ストッパ105が設けられている。第3ストッパ105は、ボルトによって構成され、第2連結材31の第3壁31cに貫通状に形成されたネジ穴からなる第3ネジ穴107に螺合されている。第3ストッパ105には、該第3ストッパ105の位置を固定する第3ロックナット108が螺合されている。
【0076】
したがって、当板40Eが第3ストッパ105に当接することによっても、ロックレバー50のロック方向F1の回転が規制される。また、第1ストッパ98を螺進及び螺退させて、ロックレバー50の第1位置X1におけるレバー支軸34回りの位置を調整する際には、第3ストッパ105も同様に螺進及び螺退させる。
図1に示すように、操縦装置21には、操縦部材71及び操作部材41をロックするロック装置111が設けられている。ロック装置111は、第1操縦レバー71Lをロックする第1側部ロック機構112と、第2操縦レバー71Lをロックする第2側部ロック機構113と、操作部材41をロックする中央ロック機構114とを有する。
【0077】
先ず、第1側部ロック機構112及び第2側部ロック機構113について、
図6、
図7、
図12及び
図13を参照して説明する。
第1側部ロック機構112は、第1支持体77Lに固定された第1係止部(係止部)90Lと、筒体39L(レバー支軸34)に設けられた第1ロック部材115Lとを有する。第2側部ロック機構113は、第2支持体77Rに固定された第2係止部(係止部)90Rと、第2筒体39L(レバー支軸34)に設けられた第2ロック部材115Rとを有する。
【0078】
第1係止部90Lは、第1レバー固定部82Lの下面に下方に突出状に設けられている。第2係止部90Rは、第2レバー固定部82Rの下面に下方に突出状に設けられている。第1係止部90L及び第2係止部90Rは、棒材によって形成され、下部は、下方に向かうに従って漸次径小となるテーパ形状に形成されている。
第1ロック部材115Lは、筒体39Lに設けられた第1ステー116Lと、第1ステー116Lに固定された第1係合板117Lとを有する。第1ステー116Lは、板材によって形成され、筒体39L(レバー支軸34)の径方向外方に突出状に設けられている。第1ステー116Lは、筒体39Lに固定された第1部位118Lと、第1部位118Lの機体幅方向K2の一端部から延出する第2部位119Lと、第1部位118Lの機体幅方向K2の他端部から延出する第3部位120Lとを有する。第2部位119L及び第3部位120Lには、板厚方向に貫通するネジ穴121Lが形成されている。
【0079】
第1係合板117Lは、矩形の平板によって形成され、第2部位119Lと第3部位120Lとにわたって重ねられている。第1係合板117Lには、第2部位119L及び第3部位120の各ネジ穴121Lに対応する挿通穴122Lが貫通状に形成されている。第1係合板117Lは、挿通穴122Lを挿通してネジ穴121Lに螺合される取付ボルト123Lによって、第1ステー116Lに取り付けられている。第1係合板117Lは、第1係止部90Lに挿通される第1ロック穴(ロック穴)124Lを有する。第1ロック穴124Lは、挿通穴122L間で板厚方向に貫通状に形成されている。
【0080】
第2ロック部材115Rは、第2筒体39Rに設けられた第2ステー116Rと、第2ステー116Rに固定された第2係合板117Rとを有する。第2ステー116Rは、板材によって形成され、第2筒体39R(レバー支軸34)の径方向外方に突出状に設けられている。第2ステー116Rは、第2筒体39Rに固定された第2部位118Rと、第2部位118Rの機体幅方向K2の一端部から延出する第2部位119Rと、第2部位118Rの機体幅方向K2の他端部から延出する第3部位120Rとを有する。第2部位119R及び第3部位120Rには、板厚方向に貫通するネジ穴121Rが形成されている。
【0081】
第2係合板117Rは、矩形の平板によって形成され、第2部位119Rと第3部位120Rとにわたって重ねられている。第2係合板117Rには、第2部位119R及び第3部位120の各ネジ穴121Rに対応する挿通穴122Rが貫通状に形成されている。第2係合板117Rは、挿通穴122Rを挿通してネジ穴121Rに螺合される取付ボルト123Rによって、第2ステー116Rに取り付けられている。第2係合板117Rは、第2係止部90Rに挿通される第2ロック穴(ロック穴)124Rを有する。第2ロック穴124Rは、挿通穴122R間で板厚方向に貫通状に形成されている。
【0082】
図12に示すように、ロックレバー50が第1位置X1にあるときには、第1ロック穴124Lを第1係止部90Lが挿通し且つ第2ロック穴124Rを第2係止部90Rが挿通している。これによって、第1係止部90L及び第2係止部90Rの動きが拘束されると共に、第1レバー固定部82L(第1支持体77L)及び第2レバー固定部82R(第2支持体77R)の動きが拘束される。延いては、操縦部材71(第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71R)の揺動動作(動き)が拘束される。即ち、ロックレバー50が第1位置X1にあるときには、第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71Rの操作ができない。
【0083】
この状態からロックレバー50を第2位置X2に操作すると、第1ロック部材115L及び第2ロック部材115Rが、筒体39L、第2筒体39Rと共に回転して、下方に移動する。これによって、第1ロック部材115Lが第1係止部90Lから外れると共に第2ロック部材115Rが第1係止部90Lから外れる。これによって、第1係止部90L及び第2係止部90Rの拘束が解除され、操縦部材71(第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71R)の揺動動作(動き)が許容される。即ち、ロックレバー50が第2位置X2にあるときには、第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71Rの操作が可能である。
【0084】
図12に示すように、第1ロック穴124L及び第2ロック穴124Rは、上部(第1係止部90L、第2係止部90Rが挿入する側)が上方に向かうに従って漸次径大となるテーパ形状に形成され、下部が円柱状に形成されている。言い換えれば、ロック穴の縁部であって、ロックレバー50が第2位置X2にあるときに係止部側となる側の縁部は、係止部側に向かって漸次径大したテーパ形状である。これによって、第1ロック穴124Lに対する第1係止部90Lの挿入及び第2ロック穴124Rに対する第2係止部90Rの挿入が容易である。また、第1ストッパ98と当接部材97との当接位置を調整することにより、第1ロック穴124Lに対する第1係止部90Lの挿入位置及び第2ロック穴124Rに対する第2係止部90Rの挿入位置の調整が可能である。
【0085】
図13に示すように、挿通穴122L,122Rの大きさは、ネジ穴121L,121Rの直径よりも機体幅方向K2及び前後方向K1に大きい。これによって、第1係止部90Lに対する第1ロック穴124Lの位置調整及び第2係止部90Rに対する第2ロック穴124Rの位置調整が可能である。
次に、
図14〜
図17を参照して中央ロック機構114について説明する。
【0086】
中央ロック機構114は、係合部(第1係合部45L、第2係合部45R)と、取付ブラケット129と、ロック支軸128と、ロック体126と、連動機構127とを有する。
第1係合部45Lの前部には、第1係合溝46Lが形成されている。第2係合部45Rの前部には、第2係合溝46Rが形成されている。第1係合溝46L及び第2係合溝46Rは、前方から後方に向けて凹設されている。言い換えると、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rは、前方側に開放状の溝である。また、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rの前部の上及び下には、前方に向かうに従って互いの間隔が拡開するテーパを形成する傾斜面47が設けられている。
【0087】
取付ブラケット129は、ロック支軸128が取り付けられるブラケットである。取付ブラケット129は、取付板129Aと、第1支持片129Bと、第2支持片129Cとを有する。
取付板129Aは、第3連結材32の前面にボルトによって取り付けられる。取付板129Aには、該取付板129Aを取り付けるボルトを挿通するボルト挿通穴131が形成されている。ボルト挿通穴131は、上下に長い長孔に形成されていて、取付板129Aの上下方向の取付位置が調整可能とされている。取付板129Aの上部の機体幅方向K2の中央部には、後述する第2連動アーム133との干渉を防止するための切欠き125が設けられている。
【0088】
第1支持片129Bと第2支持片129Cとは、取付板129Aに前方突出状に固定され、且つ機体幅方向K2に互いに間隔をあけて設けられている。
ロック支軸128は、第1支持片129Bと第2支持片129Cとにわたって挿通されていて、機体幅方向K2に延伸する軸心を有する。
ロック体126は、係合部(第1係合部45L、第2係合部45R)に係合することで操作部材41(第1走行レバー41L、第2走行レバー41R)の動きを拘束し且つ係合部から離脱することで操作部材41の動きを許容する部材である。ロック体126は、基部筒126Aと、アーム部126Bと、ロックピン126Cとを有する。
【0089】
基部筒126Aは、ロック支軸128上に軸心回りに回転可能に嵌められている。したがって、ロック体126は、ロック支軸128上に回転可能に支持されている。アーム部126Bは、基部筒126Aに径方向外方で且つ下方側に突出状に設けられている。アーム部126Bは、第1係合部45Lと第2係合部45Rとの間に対応する位置に設けられている。ロックピン126Cは、機体幅方向K2に延伸する軸心を有し、中途部がアーム部126Bの下部に固定されている。ロックピン126Cは、アーム部126Bから左及び右に突出しており、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに対して挿脱自在に挿入可能である。即ち、ロック体126は、係合部に対して係脱自在に係合可能である。
【0090】
図16に示すように、ロック体126が第1係合部45L、第2係合部45Rに係合すること、即ち、ロックピン126Cが第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに挿入されることで、第1係合部45L、第2係合部45Rの上下方向の動きが拘束される。これにより、第1走行レバー41L及び第2走行レバー41Rの動きが拘束され、操作部材41の操作が不能となる。
【0091】
図17に示すように、ロック体126が第1係合部45L、第2係合部45Rから外れること、即ち、ロックピン126Cが第1係合溝46L及び第2係合溝46Rから離脱することで、第1係合部45L、第2係合部45Rの上下方向の動きが許容される。これにより、第1走行レバー41L及び第2走行レバー41Rの動きが許容され、操作部材41の操作が可能となる。
【0092】
取付板129Aの上下方向の取付位置を調整することにより、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに対するロックピン126Cの上下方向の位置を調整することができる。また、第1ストッパ98と当接部材97との当接位置を調整することにより、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに対するロックピン126Cの挿入方向の位置を調整することができる。
【0093】
連動機構127は、レバー支軸34の回転(ロックレバー50の操作)によってロック体126を係合部(第1係合部45L、第2係合部45R)に対して係脱すべくレバー支軸34とロック体126とを連動する機構である。
連動機構127は、レバー支軸34と一体回転する連動ボス(連動部)127Aと、連動ボス127Aの回転をロック体126に伝達する連結機構127Bとを有する。
【0094】
連動ボス127Aは、レバー支軸34上に設けられ且つ第1基部44Lと第2基部44Rとの間に挟まれている。
連結機構127Bは、第1連動アーム132と、第2連動アーム133と、連動リンク134とを有する。
第1連動アーム132は、一端が連動ボス127Aに固定されていて、該連動ボス127Aから径方向外方に突出している。第2連動アーム133は、一端が基部筒126A(ロック体126)に固定されていて、該基部筒126Aから延出されている。連動リンク134は、一端が第1連動アーム132にピン135を介して連結され、他端が第2連動アーム133にピン136を介して連結されていて、第1連動アーム132と第2連動アーム133とを連動している。
【0095】
図16に示すように、ロックレバー50が第1位置X1にあるときには、ロックピン126Cは、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに挿入されていて、操作部材41の動きを拘束している。この状態からロックレバー50を第2位置に操作すると、
図17に示すように、第1連動アーム132がレバー支軸34と共に後方側に回転して連動リンク134を介して第2連動アーム133が後方側に引かれる。すると、アーム部126Bがロック支軸128回りに前方側に回転してロックピン126Cが第1係合溝46L及び第2係合溝46Rから離脱する。ロックレバー50を第2位置X2から第1位置X1に操作すると、前述した動作とは逆の動作によって、ロックピン126Cが第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに挿入される。
【0096】
本実施形態の作業機1は、以下の効果を奏する。
作業機1は、機体2と、機体2に搭載された運転席6と、機体2上の運転席6の前方に設けられた操縦台23と、操縦台23における機体幅方向K2の一端側に設けられた第1操縦レバー71L、および他端側に設けられた第2操縦レバー71Rと、操縦台23に設けられ、且つ、運転席6と操縦台23との間の乗降用通路22を介して運転者Dが乗降することを許容する第1位置X1と乗降用通路22を介して運転者Dが乗降することを妨げる第2位置X2とに位置変更可能なロックレバー50と、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rの揺動動作を拘束し、ロックレバー50が第2位置X2にあるときに第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rの揺動動作を許容するロック装置111と、を備えている。
【0097】
この構成によれば、機体幅方向K2の一端側に設けられた第1操縦レバー71L、および他端側に設けられた第2操縦レバー71Rの揺動動作を、簡単かつ安価な構成で確実に拘束することができる。
また、ロック装置111は、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに第1操縦レバー71Lの揺動動作を拘束し、且つロックレバー50が第2位置X2にあるときに第1操縦レバー71Lの揺動動作を許容する第1側部ロック機構112と、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに第2操縦レバー71Rの揺動動作を拘束し、且つロックレバー50が第2位置X2にあるときに第2操縦レバー71Rの揺動動作を許容する第2側部ロック機構113とを備えていてもよい。
【0098】
上記の構成によれば、ロック装置111の構造を簡素化するとともに、第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rの揺動動作を確実に拘束することができる。
また、第1操縦レバー71Lまたは第1操縦レバー71Lに固定されている部材は、第1側部ロック機構112に係止される第1係止部90Lを備え、第1側部ロック機構112は、第1係止部90Lが挿入される第1ロック穴124Lを有する第1ロック部材115Lを備え、第2操縦レバー71Rまたは第2操縦レバー71Rに固定されている部材は、第2側部ロック機構113に係止される第2係止部90Rを備えており、第2側部ロック機構113は、第2係止部90Rが挿入される第2ロック穴124Rを有する第2ロック部材115Rを備えており、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに、第1係止部90Lが第1ロック穴124Lに挿入され、且つ第2係止部90Rが第2ロック穴124Rに挿入されることで第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rの揺動動作が拘束され、ロックレバー50が第2位置X2にあるときに、第1係止部90Lが第1ロック穴124Lから外れ、且つ第2係止部90Rが第2ロック穴124Rから外れて第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rの揺動動作が許容される構成としてもよい。
【0099】
上記の構成によれば、ロック装置111の構造をより簡素化することができる。また、第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rが前後のみならず任意の方向に揺動可能な構成であっても、第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rの揺動動作を確実に拘束することができる。
また、第1係止部90Lおよび第2係止部90Rは、先端が先細りになったテーパ形状を有しており、第1ロック穴124Lにおけるロックレバー50が第2位置X2にあるときに第1係止部90L側となる側の縁部は、第1係止部90L側に向かって漸次径大したテーパ形状であり、第2ロック穴124Rにおけるロックレバー50が第2位置X2にあるときに第2係止部90R側となる側の縁部は、第2係止部90R側に向かって漸次径大したテーパ形状である構成としてもよい。
【0100】
上記の構成によれば、第1係止部90Lの第1ロック穴124Lへの挿入、および第2係止部90Rの第2ロック穴124Rへの挿入をスムーズに行わせることができる。
また、ロックレバー50は、機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回転可能に設けられたレバー支軸34の一端側に固定された第1レバー50Lと、レバー支軸34の他端側に固定された第2レバー50Rとを含み、第1レバー50Lおよび第2レバー50Rがレバー支軸34と一体的に回転することにより、第1レバー50Lおよび第2レバー50Rの位置が前記第1位置と前記第2位置とに位置変更可能であり、レバー支軸34は、軸心方向の両端に軸心方向に平行な平坦面54A,54B,55A,55Bを有し、第1レバー50Lおよび第2レバー50Rは、基部に設けられた基部プレート53L,53Rを有し、各基部プレート53L,53Rは、レバー支軸50が挿通される取付穴61L,61Rを有し、取付穴61L,61Rは平坦面54A,54B,55A,55Bに面当りで当接する当接面62A,62B,63A,63Bを有する構成としてもよい。
【0101】
上記の構成によれば、ロックレバー50からレバー支軸34に作用する荷重は、当接面を介して平坦面で受けられる。これによって、ロックレバー50がレバー支軸34に対して軸心回りに位置ずれするのを防止することができる。また、ロックレバー50をレバー支軸34に組み付ける際の位置決め(取付角度決め)を容易に行うことができる。
また、操縦台23における機体幅方向K2の中央部に、機体幅方向K2に並べて配置された第1操作レバー41Lおよび第2操作レバー41Rを備え、第1操作レバー41L及び第2操作レバー41Rは、第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71Rよりも高さが低い構成としてもよい。
【0102】
上記の構成によれば、機体幅方向K2の中央部に配置された第1操作レバー41L及び第2操作レバー41Rよりも、機体幅方向K2の両側に配置された第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rの方が高さが高いので、第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rによって第1操作レバー41Lおよび第2操作レバー41Rを保護し、誤操作を防止することができる。
【0103】
ロック装置111は、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに第1操作レバー71Lおよび第2操作レバー71Rの揺動動作を拘束し、ロックレバー50が第2位置X2にあるときに第1操作レバー71Lおよび第2操作レバー71Rの揺動動作を許容する中央ロック機構を有する構成としてもよい。
上記の構成によれば、ロックレバー50の操作によって、第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rだけでなく、第1操作レバー41Lおよび第2操作レバー41Rの揺動動作も拘束することができる。
【0104】
また、作業機1は、機体2に設けられた作業装置4であって、該作業装置4を駆動する作業用の油圧アクチュエータを有する作業装置4と、機体2を走行可能に支持する走行装置3であって、第1走行モータM1によって駆動される第1走行装置3Lと第2走行モータM2によって駆動される第2走行装置3Rとを有する走行装置3と、作業用の油圧アクチュエータを制御する作業用制御弁V3,V9,V10と、第1走行モータを制御する第1走行用制御弁V4と、第2走行モータM2を制御する第2走行用制御弁V7と、を備え、第1操縦レバー71Lおよび第2操縦レバー71Rは作業用制御弁V3,V9,V10を操作するレバーであり、第1操作レバー41Lは第1走行用制御弁V4を操作するレバーであり、第2操作レバー41Rは第2走行用制御弁V7を操作するレバーであってもよい。
【0105】
上記の構成によれば、機体2に設けられた作業装置4を操作する操縦部材71の揺動動作を拘束することができると共に、走行装置3を操作する第1操作レバー41L及び第2操作レバー41Rの揺動動作を拘束することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に搭載された運転席6と、機体2上の運転席6の前方に設けられた操縦台23と、操縦台23に前後方向K1および機体幅方向K2を含む複数方向に揺動可能に設けられた操縦レバー71L,71Rと、運転席6と操縦台23との間の乗降用通路22を介して運転者が乗降することを許容する第1位置X1と乗降用通路22を介して運転者が乗降することを妨げる第2位置X2とに位置変更可能なロックレバー50と、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに操縦レバー71L,71Rの揺動動作を拘束し、ロックレバー50が第2位置X2にあるときに操縦レバー41の揺動動作を許容するロック装置111とを備えていてもよい。
【0106】
上記の構成によれば、前後方向K1および機体幅方向K2を含む複数方向に揺動可能に設けられた操縦レバー71L,71Rの揺動動作を、簡単かつ安価な構成で拘束することができる。
作業機1は、運転席6と、運転席6の前方に設けられていて機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回転可能なレバー支軸34と、レバー支軸34と略同一の軸心回りに当該レバー支軸に対して当該レバー支軸34に対して相対回転可能に支持された操作部材41と、レバー支軸34に固定され、且つレバー支軸34と一体回転することにより乗降を許容する第1位置X1と乗降を妨げる第2位置X2とに位置変更可能なロックレバー50と、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに操作部材41の動きを拘束し、ロックレバー50が第2位置X2にあるときに操作部材41の動きを許容するロック機構114と、を備えている。
【0107】
この構成によれば、操作部材41とロックレバー50とを共通の軸心回りに回転可能な位置に設けることにより、操作部材41の動きを拘束するロック機構114をコンパクトに配置することができる。
また、ロック機構114は、操作部材41と一体回転する係合部(第1係合部45L,第2係合部45R)と、係合部に係合することで操作部材41の動きを拘束し且つ係合部から離脱することで操作部材41の動きを許容するロック体126と、レバー支軸34の回転によってロック体126を係合部に対して係脱させるべくレバー支軸34とロック体126とを連動させる連動機構127とを有していてもよい。
【0108】
この構成によれば、ロック機構114をコンパクトに構成することができる。
また、連動機構127は、レバー支軸34と一体回転可能に設けられた連動部127Aと、連動部127Aの回転をロック体126に伝達する連結機構127Bとを有していてもよい。
この構成によれば、連動機構127をコンパクトに構成することができる。
【0109】
また、操作部材41は、レバー支軸34に対して相対回転可能に設けられた第1基部44Lを有する第1操作レバー41Lと、レバー支軸34に対して相対回転可能に設けられた第2基部44Rを有する第2操作レバー41Rとを含み、連動部127Aは、第1基部44Lと第2基部44Rとの間に挟まれて設けられていてもよい。
この構成によれば、ロック機構114を第1操作レバー41Lと第2操作レバー41Rとの間にコンパクトに組み付けることができる。
【0110】
また、作業機1は、ロック体126を回転可能に支持するロック支軸128を備え、連結機構127Bは、連動部127Aに固定された第1連動アーム132と、ロック体126に固定された第2連動アーム133と、第1連動アーム132と第2連動アーム133とを連動する連動リンク134とを有していてもよい。
この構成によれば、ロック機構114を狭い配置スペースに組み込みことができる。
【0111】
また、係合部は、第1基部44Lに設けられると共に第1係合溝46Lを有する第1係合部45Lと、第2基部44Rに設けられると共に第2係合溝46Rを有し且つ第1係合部45Lとレバー支軸34の軸心方向に平行な方向で並べて配置された第2係合部45Rとを含み、ロック体126は、ロックレバー50が第1位置X1にあるときに第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに挿入されて第1操作レバー41L及び第2操作レバー41Rの動きを拘束するロックピン126Cを有していてもよい。
【0112】
この構成によれば、ロック機構114をコンパクトに構成することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2を走行可能に支持する走行装置3であって、該走行装置3を駆動する走行モータを有する走行装置3と、走行モータを制御する走行用制御弁と、を備え、操作部材41は、走行用制御弁を操作するレバーであってもよい。
この構成によれば、走行装置3を操作する操作部材41の動きを拘束するロック機構114をコンパクトに配置することができる。
【0113】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。