(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得手段は、前記計測装置により計測される前記タグ情報を取得した時刻を記憶し、前記時刻から所定の期間が経過した場合、対応する前記タグ情報を、前記商品の残数に含めない請求項1〜請求項5の何れかに記載の在庫管理システム。
前記提案手段は、前記在庫管理情報に含まれる前記食材の残数が、前記レシピ情報に含まれる食材の必要数より少ない場合、及び、前記在庫管理情報に登録されていない食材が、前記レシピ情報の食材に含まれる場合の少なくとも何れか一方の場合、不足する食材に関する情報を出力する請求項9に記載の在庫管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の在庫管理システムは、重量計測マットを用いた構成とすることで、商品の重量により残量を計測し、在庫管理に使用されるものである。一方、上述の在庫管理システムでは、重量計測マットと、重量計測マットに載置される商品と、の位置関係を予め記憶する必要があり、商品の種類を判別することはできなかった。また、商品の種類が判別されないため、例えば、商品別の期限などの付加的な情報を活用した商品の在庫管理はできなかった。
【0007】
また、特許文献2に記載の冷蔵庫は、カメラにより撮影された画像データの解析や、商品に付された電子タグを読み取ることにより、商品を特定し、更に、貯蔵庫内に配置された重量センサにより、商品の残量を重量および個数によって測定することが開示されている。一方、上記のように複数のデバイスを備えることにより、コストが高くなるという問題があった。また、より簡便な商品の在庫管理および発注という観点において、改善の余地があった。
【0008】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであって、電子タグを読み取ることによって特定される商品の残数に基づいて、商品を発注する在庫管理システム、在庫管理方法および、在庫管理プログラムを提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、商品を特定するためのタグ情報を格納し、前記商品に付される電子タグと、前記電子タグの計測範囲内に設置され、前記タグ情報を計測する計測装置と、サーバ装置と、を備える在庫管理システムであって、前記サーバ装置は、1以上の前記商品の数量により設定される消費単位と、前記消費単位に基づいて設定される適正在庫数と、を前記商品に関する在庫管理情報として記憶部に記憶する登録手段と、前記計測装置により計測される前記タグ情報により特定される前記商品の残数を取得する取得手段と、前記在庫管理情報を参照し、前記商品の残数が前記適正在庫数未満であると判定される場合、前記商品の発注データを出力する発注手段と、を備える。
【0010】
このような構成とすることで、ユーザ別の商品の消費単位に応じて適切に商品の残数を計測することができるため、電子タグの計測のみによって、ユーザの在庫を正確に把握することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に対して、前記計測装置を識別するための計測装置識別情報を紐づけて記憶し、前記計測装置識別情報に対して、前記計測装置識別情報を有する前記計測装置において計測される前記タグ情報を紐づけて記憶し、前記タグ情報により特定される前記商品に関する情報を含む商品在庫テーブルを有し、前記商品在庫テーブルに含まれる前記商品に関する情報に対して、それぞれ前記在庫管理情報を紐づけて記憶し、前記発注手段は、前記在庫管理情報に含まれる前記消費単位と、前記商品の前記適正在庫数および前記残数の差分と、に基づいて前記商品の発注データを出力する。
このような構成とすることで、計測装置により計測されるタグ情報により特定される商品について、予め登録された在庫管理情報が紐づけられるため、効率的な商品の在庫管理ができる。また、在庫管理情報に含まれる消費単位と、商品の適正在庫数と残数の差分と、に基づいて商品の発注データが出力されることで、ユーザは適正在庫数を維持することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記商品に関する情報は、前記消費単位を含み、前記登録手段は、前記商品に関する情報に、前記適正在庫数を紐づけて在庫管理情報として記憶部に記憶する。
このような構成とすることで、タグ情報に予め消費単位数量が紐づけられるため、ユーザはタグ情報に基づいて商品を選択することで、任意の商品および数量を含む商品を一括で発注することができるようになる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記電子タグは、前記消費単位の数量の商品を包含する包装に付される。
このような構成とすることで、商品は、ユーザ別に登録された消費単位の数量を包含する包装毎に消費されるため、包装の残量を在庫数として把握することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記取得手段は、前記計測装置により計測される前記タグ情報を取得した時刻を記憶し、前記時刻から所定の期間が経過した場合、対応する前記タグ情報を、前記商品の残数に含めない。
このような構成とすることで、電子タグは、計測装置による計測後、所定の期間経過した場合に無効化され、計測装置が消費済みの商品に付される電子タグを在庫数として誤って計測することを防止することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記電子タグは、前記包装の開封部に付され、前記開封部が開封されることにより破壊又は破損される。
このような構成とすることで、電子タグは、商品の消費時(包装の開封時)に物理的に無効化されるため、計測装置が消費済みの商品に付される電子タグを在庫数として誤って計測することを防止することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記登録手段は、前記タグ情報により特定される前記商品に関する情報に、前記商品の消費期限を含む期限情報を紐づけて前記記憶部に記憶し、前記取得手段は、前記期限情報に基づいて所定の期限を過ぎたと判定される商品を、前記商品の残数として含まず、前記発注手段は、前記商品の適正在庫数及び、所定の日時における前記商品の残量の差分を発注数として前記発注データを出力する。
このような構成とすることで、期限切れの商品について残数に含まずに適切な在庫数を維持するように発注データを出力することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記登録手段は、前記商品が食材の場合、前記タグ情報により特定される前記商品に関する情報に、前記食材の食べ頃期間を紐づけて前記記憶部に記憶し、前記食べ頃期間に到達した場合、前記食材が食べ頃であることを通知するアラートを出力するアラート手段を備える。
このような構成とすることで、ユーザは、食材が食べ頃のタイミングで通知を受け取ることができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記取得手段は、前記ユーザの健康状態を示す健康情報を取得し、前記健康情報と、前記在庫管理情報に含まれる前記食材と、に基づいて、前記食材を少なくとも含む料理のレシピ情報を出力する提案手段を備える。
このような構成とすることで、ユーザは、在庫として有する食材を用いた健康状態を改善するようなレシピの提案を受けることができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記提案手段は、前記在庫管理情報に含まれる前記食材の残数が、前記レシピ情報に含まれる食材の必要数より少ない場合、及び、前記在庫管理情報に登録されない食材が、前記レシピ情報の食材に含まれる場合の少なくとも何れか一方の場合、不足する食材に関する情報を出力する。
このような構成とすることで、ユーザは、レシピの食材が不足する場合に、不足する食材に関する情報を受け取ることができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記登録手段は、前記タグ情報により特定される前記商品の発注時期を、更に前記在庫管理情報として前記記憶部に格納し、前記発注手段は、前記発注時期に基づいて前記発注データを出力する。
このような構成とすることで、商品別に商品の発注時期を設定することができる。
【0021】
本発明は、商品の在庫を管理するための在庫管理方法であって、計測装置が、計測範囲内に設置され、前記商品に付される電子タグにおいて格納されるタグ情報であって、前記商品を特定するためのタグ情報を計測するステップと、サーバ装置が、1以上の前記商品の数量により設定される消費単位と、前記消費単位に基づいて設定される適正在庫数と、を前記商品に関する在庫管理情報として記憶部に記憶する登録ステップと、前記計測装置により計測される前記タグ情報により特定される前記商品の残数を取得する取得ステップと、前記在庫管理情報を参照し、前記商品の残数が前記適正在庫数未満であると判定される場合、前記商品の発注データを出力する発注ステップと、を実行する。
【0022】
本発明は、計測範囲内に設置され、商品に付される電子タグにおいて格納されるタグ情報であって、前記商品を特定するためのタグ情報を計測する計測装置を用いて、前記商品の在庫を管理するための在庫管理プログラムであって、サーバ装置を、1以上の前記商品の数量により設定される消費単位と、前記消費単位に基づいて設定される適正在庫数と、を前記商品に関する在庫管理情報として記憶部に記憶する登録手段と、前記計測装置により計測される前記タグ情報により特定される前記商品の残数を取得する取得手段と、前記在庫管理情報を参照し、前記商品の残数が前記適正在庫数未満であると判定される場合、前記商品の発注データを出力する発注手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電子タグを読み取ることによって特定される商品の残数に基づいて、商品を発注する在庫管理システム、在庫管理方法および、在庫管理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する在庫管理システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0026】
本実施形態では、電子タグ、計測装置、在庫管理サーバ(サーバ装置)、ユーザ端末を含む在庫管理システムの構成、動作などについて説明するが、同様の構成の在庫管理プログラム、在庫管理プログラム記録媒体なども、同様の作用効果を奏する。このプログラム記録媒体を用いれば、例えばコンピュータに当該プログラムをインストールすることができる。以下で説明する本実施形態にかかる一連の処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD−ROMやフレキシブルディスクなどの非一過性コンピュータ可読記録媒体、更には通信回線を経て提供可能である。
【0027】
在庫管理システムの各手段と、在庫管理方法の各ステップと、は同様の作用効果を実現する。在庫管理システム、在庫管理プログラムおよび在庫管理プログラム記録媒体のそれぞれにおける各手段は、CPUなどの演算装置により実現される。また、在庫管理方法の各ステップも演算装置により実現される。
【0028】
図1は、本実施形態にかかる在庫管理システム1の機能ブロック図を示す。在庫管理システム1は、商品を識別するためのタグ情報を格納し、商品に付される電子タグ2、電子タグの計測範囲内に設置され、電子タグが格納するタグ情報を計測する計測装置3、在庫管理サーバ4および、ユーザが所有するユーザ端末5を備える。計測装置3、在庫管理サーバ4および、ユーザ端末5は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成される。通信ネットワークNWは、インターネットなどのIP(Internet Protocol)網や専用回線などとから構成される。なお、以下の説明では、不明確にならない限り通信ネットワークNWの介在を省略する。
図1において、電子タグ2、計測装置3、ユーザ端末5は、それぞれ1つのみ示したが、これらは複数存在する。
【0029】
電子タグ2は、商品を識別するためのタグ情報を格納し、商品Pに付されてユーザに提供される。電子タグ2は、ハードウェア構成要素として、アンテナ部21、ICチップ22を少なくとも備える。
【0030】
計測装置3は、電子タグ2の計測範囲内に設置され、電子タグ2が格納するタグ情報を計測する。計測装置3は、ハードウェア構成要素として、アンテナ部31、通信処理部32、制御部33、記憶部34などとを備える。計測装置3は、在庫となる商品Pを保管する計測対象空間の周辺に設置される。計測対象空間は、例えば、キャビネット、パントリー、貯蔵庫などの閉鎖空間または、棚や机上などの開放空間であってもよい。また、計測装置3は、1ユーザにより複数設置されてもよい。
【0031】
本実施形態において、商品Pに付され計測対象空間内に位置する電子タグ2は、パッシブタグであり、計測装置3のアンテナ部31から発せられる電磁波をエネルギー源として恒久的に動作し、電池を内蔵する必要はない。電子タグ2のアンテナ部21は、アンテナ部31からの電磁波の一部を反射し、タグ情報を反射波にのせてアンテナ部31に返す。計測装置3の通信処理部32または制御部33は、アンテナ部31により受信される反射波に基づいて、受信した信号強度を計測可能に構成される。
【0032】
パッシブタグが対応する電磁波の周波数として、HF帯、UHF帯およびマイクロ波帯などが一般に知られている。本実施形態において、電磁波の周波数帯は、特に制限されないが、UHF帯の920MHz帯とすることが好ましい。理由としては次の通りである。HF帯電波の利用では、電磁誘導結合方式による読み取りのため、金属により磁界が遮られることを免れない。また、マイクロ波帯(2.45GHz)の電波の利用では、電波の直進性が高いため、物品の陰になるような物品配置ができない制約が発生する。
【0033】
なお、本実施形態において、計測装置3は、温度センサ、湿度センサなどを搭載し、商品Pの保存状態を管理するためのデータ(温度、湿度など)を計測する構成としてもよい。また、計測装置3は、重量センサ、カメラなどの撮像装置、光学スキャナなどを搭載し、商品Pの在庫状態を管理するためのデータ(数量、残量、サイズ、位置など)を計測する構成としてもよい。なお、以下の説明では、計測装置3における「計測」とは、電子タグ/タグ情報を検出すること、および、センサ等の構成により保存状態や在庫状態を管理するためのデータを計測すること、の何れも含み、特に不明確とならない限りは単に「計測」と記載する。
【0034】
計測装置3は、計測されたタグ情報を含む情報に、計測装置に固有の計測装置識別情報を紐づけて在庫管理サーバ4に送信する。
【0035】
在庫管理サーバ4は、計測装置3より受信した情報に基づいて、商品Pの在庫管理のための各種処理などを行う。在庫管理サーバ4は、後に詳述する機能構成要素として、登録手段401、取得手段402、発注手段403、アラート手段404、提案手段405および、記憶部DBを備える。記憶部DBは、各種情報を記憶し、在庫管理サーバ4の内部または外部に備えられる。
【0036】
図2(a)は、電子タグ2が付された商品Pの一実施例を示す。本実施形態において、在庫管理の対象となる商品Pは、包装P1の内部に1以上の商品の最小単位P2を包含し、ユーザに提供される。包装P1は、ユーザが1回当たりに消費する商品を包含する。商品の最小単位P2は、例えば、商品として米を提供する場合は、1合分または100グラム分を個装したものとする等、在庫管理システム1を提供するサービス事業者により任意に設定される。商品Pは、1以上の商品の最小単位P2を包含する包装P1としてユーザに提供される。
【0037】
包装P1は、開封部P3を備える構成とすることが好ましい。
図2(b)は、開封部P3に付される電子タグ2の拡大図を示す。開封部P3は、ミシン線などによりユーザが容易に開封できるように形成される。本実施形態において、電子タグ2の形状は、特に制限されず、カード型、箱型、円筒型、円盤型、スティック型、ラベル型などの中から任意のものが選定されてよいが、商品Pへの付与の簡便さからラベル型とすることが好ましい。電子タグ2は、例えば、シールやテープなどのラベルの片面に貼付または印刷され、開封部P3に重なるように貼り付けられる。電子タグ2は、開封部P3が開封されると同時に破壊または破損される。電子タグ2は、完全に破壊(破断)されなくても、例えばアンテナ部21の一部が破損されることで、電磁波を反射できなくなる。なお、例えば、電子タグ2のラベルにもミシン線を形成することで、開封部P3の開封と同時に電子タグ2の破断による破壊が容易となる。また、電子タグ2は、開封部P3の開封方向(ミシン線)と、電子タグ2の長軸が交差するように貼り付けられる構成とすることが好ましい。これにより、商品が消費されると同時に、電子タグ2が無効化され、計測装置3は、電子タグ2による情報を計測できなくなる。
【0038】
本実施形態において、商品Pは、消耗品である。消耗品は、食材や日用品など定期的に消耗されるものであれば特に種類に制限はない。例えば、食材は、米、青果や肉、魚などの生鮮食品、加工食品、飲料、菓子類、調味料などを含み、日用品は、ティッシュやトイレットペーパー、乾電池、蛍光管、スプレー缶およびガス缶、文具、洗剤、化粧品、医薬品および医薬部外品などを含むが、これらに限定されない。
【0039】
本実施形態において、包装P1は、紙袋やビニール袋などの袋類、缶類、段ボールや紙箱、発泡スチロール箱などの箱類により梱包されたものを含む。電子タグ2は、例えば、缶類や箱類による梱包において、梱包の蓋部と、商品Pを格納する本体部と、の境界となる部分(開封部P3)に付される。
【0040】
図3は、在庫管理サーバ4におけるハードウェア構成図を示す。在庫管理サーバ4は、ハードウェア構成要素として、演算装置(CPU)41と、作業用メモリとしての主記憶装置(RAM)42と、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置43と、外部の装置と通信するための通信装置44と、各構成部をそれぞれ接続するバス45などとを備える。また、補助記憶装置43は、オペレーティングシステム(OS)46と、OS46と協働してその機能を発揮する在庫管理プログラム47と、各種情報(データを含む)などとを記憶している。
【0041】
図4は、ユーザ端末5におけるハードウェア構成図を示す。ユーザ端末5は、通信機能を備えた端末装置であり、ハードウェア構成要素として、演算装置(CPU)51と、作業用メモリとしての主記憶装置(RAM)52と、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置53と、外部の装置と通信するための通信装置54と、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置55と、ディスプレイやスピーカ等の出力装置56と、各構成部を接続するバス57と、を備えた一般的なコンピュータ装置を利用することができ、コンピュータ装置としてスマートフォンやタブレット端末、PC(Personal Computer)等を用いることができる。また、補助記憶装置53は、OS58と、OS58と協働してその機能を発揮するアプリケーションプログラム59と、各種情報等とを記憶している。また、ユーザ端末5は、機能構成要素として、入力手段、表示手段、通信手段などを備える。なお、通信機能には、近距離無線通信による通信も含まれる。
【0042】
在庫管理サーバ4の記憶部DBは、在庫管理のための各種情報を記憶する。記憶部DBは、ユーザ情報と、発注管理情報と、タグ管理情報と、商品管理情報と、商品情報と、製造管理情報と、商品在庫情報などを記憶する。
図5は、本実施形態において記憶部DBに記憶されるデータの一例を示す。
【0043】
ユーザ情報は、ユーザに関する情報である。ユーザ情報は、ユーザを特定するために用いられるユーザ識別情報であり、ユーザに固有のユーザIDと、ユーザ名と、ユーザの個人情報と、ユーザが設置する計測装置3に固有の計測装置IDと、商品の発注管理のためのデータ(発注管理情報)を参照するための発注管理IDと、定期配送または即時配送を示す配送条件と、定期配送において設定される配送日と、を含む。ユーザの個人情報は、住所、年齢、生年月日、性別、世帯人数、支払手段などを含む。計測装置IDは、ユーザ端末5が計測装置3と近距離無線通信することで取得され、ユーザIDに紐づけて記憶される。
【0044】
発注管理情報は、各商品の発注管理に用いられる情報であり、ユーザが管理対象とする商品Pに関する情報を示す。発注管理情報は、ユーザIDと、発注管理IDと、ユーザが在庫として保管する商品に関する情報(商品ID)と、当該商品の在庫を管理するための在庫管理情報と、を含む。商品および在庫管理情報は、ユーザ端末5を介して予め入力を受け付けることで設定される。
【0045】
タグ管理情報は、電子タグID(タグ情報)の一覧を含む。タグ管理情報は、商品IDと、当該商品IDに対応する電子タグIDと、を含む。
【0046】
商品情報は、商品に関する情報である。商品情報は、商品IDと、商品名と、包装P1の種類(袋、缶、ボトルなど)を示す商品荷姿と、商品重量と、包装P1に包含される商品の最小単位P2の数量である商品数量と、生産者または製造業者に関する情報を参照するための生産者/製造者IDと、生産または製造に関する情報(製造管理情報)を参照するための生産/製造管理IDと、を含む。
【0047】
生産/製造管理情報は、商品の生産または製造に関する情報である。製造管理情報は、生産/製造管理IDと、製造年月日と、商品の期限に関する期限情報と、を含む。期限情報は、賞味期限、消費期限、食べ頃期限を含む。生産/製造管理情報は、商品の製造や生産を行った生産者(製造者)が所有する生産者端末を介して入力を受け付ける。なお、賞味期限、消費期限および、食べ頃期限などは、後にユーザ端末5を介して入力を受け付けることで、変更されてもよい。
【0048】
商品在庫情報は、ユーザが在庫として保管している商品に関する情報を示す。商品在庫情報は、ユーザIDと、ユーザが設置する計測装置3の計測装置IDと、当該計測装置3が計測したタグ情報により特定される商品の商品IDと、を含む。計測装置IDは、複数含まれてもよく、それぞれの計測装置IDにより計測されたタグ情報により特定される商品IDと識別される。なお、商品在庫情報に含まれる商品IDと、発注管理情報に含まれる商品IDは対応関係にある。
【0049】
記憶部DBは、商品管理情報に含まれる商品に関する情報を、商品在庫テーブルとして記憶する。ここで、商品在庫テーブルは、異なる計測装置3により計測された複数の商品に関する情報を、結合して記憶してもよい。商品在庫テーブルに含まれる商品に関する情報は、発注管理情報に含まれる在庫管理情報を紐づけられて記憶される。なお、商品に関する情報は、在庫管理情報のうち消費単位を含む構成としてもよい。すなわち、本実施形態において、消費単位が1に設定される商品における商品IDと、消費単位が2に設定される商品における商品IDは、それぞれ異なる商品IDを有する構成とすることができる。これによって、ユーザは、タグ情報より商品および商品の消費単位(数量)を一括で指定し、効率的に発注することができるようになる。
【0050】
図6は、本実施形態における、在庫管理情報が紐づけられた商品在庫テーブルの一例を示す。在庫管理情報は、ユーザ別に設定される商品の消費単位と、適正在庫数と、期限情報と、発注時期と、を備える。期限情報は、商品情報を参照することで特定される賞味期限、消費期限、食べ頃期限を示す。発注時期は、発注管理情報を参照することで特定される発注条件を示す。
【0051】
消費単位は、包装P1が包含する商品の最小単位P2の数量に対応する。消費単位は、商品の1回当たりの消費量等に基づいてユーザにより決定され、ユーザ端末5を介して入力される任意の数量により設定される。また、消費単位は、ユーザ情報の世帯人数により自動的に数量を設定され、その後、ユーザ端末5を介して数量を変更可能な構成としてもよい。
【0052】
適正在庫数は、ユーザにおける包装P1の適正な在庫の数量を示し、ユーザ端末5を介して入力される任意の数量により設定される。ここで、包装P1が包含する商品の最小単位P2の数量は、上述した消費単位により決定される。すなわち、「米」の商品在庫テーブルにおいて、実際に適正な在庫として保管される米の量は、「消費単位:3合」×「適正在庫数:10」=「30合」となる。
【0053】
発注時期は、商品Pの在庫数(残数)が適正在庫数未満であると判定される場合、判定された時点からどれだけ期間が空いてから発注するかを示すデータであり、ユーザ端末5を介して入力される任意の期間により設定される。ユーザ情報の配送条件が、定期配送に設定され、定期配送の期間が、例えば1週間に設定される場合、1週間単位で発注時期が設定される。発注時期が設定されない場合、定期配送の期間として設定される1週間が適用される。なお、配送条件が即時配送に設定される場合、発注時期は、任意の日数や週数により設定され、発注時期が設定されない場合、商品Pの在庫数が適正在庫数未満であると判定された時点において発注される。
【0054】
続いて、在庫管理システム1による商品の在庫管理に関する情報の設定から商品の発注までの処理の流れについて、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0055】
はじめに、ユーザは、予め在庫管理システム1を利用するためにユーザ情報を登録する。登録手段401は、例えば、ユーザ端末5においてアプリケーションプログラム59を起動することにより表示される登録画面を介してユーザ情報の入力を受け付け、記憶部DBに記憶する。なお、登録手段401は、ユーザ端末5によりアクセス可能なウェブサイトを介してユーザ情報の入力を受け付ける構成であってもよい。サービス事業者は、ユーザ情報が登録されたユーザ宛に、計測装置3を郵送する。計測装置3は、ユーザにより在庫管理の対象とする商品Pを保管する空間(例えば、棚など)の周辺に設置される。
【0056】
続いて、登録手段401は、在庫管理の対象となる商品Pに関する情報の入力を受け付け、記憶部DBに記憶する。ステップS101において、ユーザ端末5は、ユーザが在庫管理の対象とする商品Pに関する情報と、当該商品Pの消費単位、適正在庫数を少なくとも含む在庫管理情報と、の入力を受け付ける。ユーザ端末5は、在庫管理の対象となる商品Pに関する情報および、入力された商品Pの在庫管理情報を在庫管理サーバ4に送信する。
【0057】
ステップS102において、登録手段401は、ユーザ端末5より商品Pに関する情報および、当該商品Pについての在庫管理情報を受信し、記憶部DBに記憶する。
【0058】
本実施形態において、在庫管理の対象となる商品Pは、電子タグ2を付された状態で郵送などによりユーザに配送される。なお、電子タグ2が付された商品Pは、店舗などにおいて販売され、ユーザに購入されてもよい。商品Pは、計測装置3の計測対象空間に置かれる。
【0059】
ステップS103において、計測装置3は、計測対象空間内に位置する電子タグ2のタグ情報および信号強度を計測し、信号強度が所定のしきい値以上のタグ情報を、計測結果として記憶部34に格納する。計測装置3は、信号強度が低いまたは不安定なタグ情報を、計測装置3における計測対象空間に位置しないものとして判定し、在庫管理の対象から除外することで、消費済みの商品Pの電子タグ2が誤って計測されることを防止することができる。計測装置3は、一定期間(例えば、1時間)おきにタグ情報および信号強度を計測し、新たな計測結果と、記憶部34に格納された前回の計測結果と、に差分が生じる場合、新たな計測結果により記憶部34の計測結果を更新する。
【0060】
タグ情報は、電子タグ2に固有の電子タグIDを含み、同一の商品IDを有する商品Pが計測対象空間に複数位置する場合であっても、それぞれの商品Pが識別される。なお、タグ情報は、商品に関する情報を更に含んでもよい。
【0061】
ステップS104において、計測装置3は、記憶部34に格納される計測結果が更新されると、計測結果に含まれるタグ情報に、当該計測装置が有する計測装置IDを紐づけて、在庫管理サーバ4に送信する。なお、計測装置3は、タグ情報と信号強度に、計測装置IDを紐づけて在庫管理サーバ4に送信し、在庫管理サーバ4は、信号強度が小さい場合、対応するタグ情報により判定される商品Pを在庫管理の対象から除外する構成としてもよい。
【0062】
在庫管理サーバ4は、計測装置3よりタグ情報および計測装置IDを受信する。在庫管理サーバ4は、記憶部DBに記憶されるデータを参照し、計測装置IDに基づいてユーザに関する情報を特定する。在庫管理サーバ4は、受信したタグ情報に基づいて商品IDを特定し、特定された商品IDを、商品在庫情報に紐づけて記憶する。
【0063】
ステップS105において、取得手段402は、タグ情報により特定される商品Pの数量を、商品Pの残数として取得し、残数情報として記憶部DBに記憶する。残数情報は、商品在庫テーブルに紐づけて記憶されてもよい。取得手段402は、新たに商品Pの残数を取得することで、残数情報を更新し記憶する。
【0064】
取得手段402は、タグ情報により特定される商品Pの残数を取得した時刻をタグ情報に紐づけて記憶し、当該時刻から所定の期間が経過した場合、対応するタグ情報により特定される商品Pを残数として含めない。所定の期間は、少なくともタグ情報により特定される商品Pの消費期限以上の期間に設定される。これにより、電子タグ2は、所定の期間の経過により無効化され、例えば、消費済みの商品Pに付された電子タグ2が残数として誤って計測されることを防止できる。
【0065】
取得手段402は、商品Pの期限情報に基づいて所定の期限を過ぎたと判定される商品Pを残数に含めない。所定の期限は、賞味期限または消費期限の何れかであり、ユーザ端末5を介して設定される。なお、消費期限を過ぎたと判定される商品Pを残数に含めるように設定可能な構成としてもよい。また、アラート手段404は、賞味期限または消費期限が過ぎたと判定される商品Pに関する情報について、期限切れであることを通知するアラートをユーザ端末5に出力する。
【0066】
ユーザ端末5は、データ取得要求を在庫管理サーバ4に送信することで、商品Pの残数情報および商品在庫テーブルを取得し、出力装置56において表示する。また、ユーザ端末5は、取得した最新のデータを補助記憶装置53に記憶してもよい。
【0067】
ステップS106において、在庫管理サーバ4は、現在時刻が、発注日を過ぎたか否かを判定する。配送日は、配送条件が定期発注の場合において設定される配送日、または、商品別に設定される発注時期により決定される。なお、配送条件が随時発注の場合、発注日を過ぎたと判定される。在庫管理サーバ4は、現在時刻が、発注日を過ぎたと判定されるまでステップS105から処理を繰り返す(ステップS106においてN)。
【0068】
在庫管理サーバ4は、現在時刻が、発注日を過ぎたと判定する場合(ステップS106においてY)、続くステップS107において、発注手段403は、在庫管理情報を参照し、ステップS105において取得した商品の残数が、適正在庫数未満であるか否かを判定する。発注手段403は、商品の残数が適正在庫数未満でないと判定する場合(ステップS107においてN)、発注データを出力せず、例えば、ステップS105から処理を繰り返す。
【0069】
発注手段403は、商品の残数が適正在庫数未満であると判定する場合(ステップS107においてY)、続くステップS108において、商品Pの適正在庫数と残数の差分を、商品Pの発注数として算出する。なお、発注手段403は、商品Pの適正在庫数以上となる任意の発注数の入力をユーザ端末5を介して受け付け、記憶部DBに記憶する構成としてもよい。
【0070】
ステップS109において、発注手段403は、商品Pの発注数に基づいて発注データを出力する。発注データは、発注する商品Pと、商品Pの発注数と、配送先となるユーザの住所などを含む。発注手段403は、発注データを、商品Pの受注を受け付ける受注サーバに送信することで発注を完了する。発注が完了した発注データは、発注フラグが付与される。なお、在庫管理サーバ4が受注サーバとしても機能し、商品Pの受注を受け付ける構成としてもよい。
【0071】
アラート手段404は、計測装置3により計測されたタグ情報により特定される商品Pが期限情報として食べ頃期間を有し、その食べ頃期間に到達したと判定した場合、当該商品P(食材)が食べ頃であることを通知するアラートを出力する。なお、計測装置3は、温度センサを備える構成としてもよく、温度センサが検出した温度と、商品Pのタグ情報が最初に計測装置3により計測された時刻から現在時刻までの期間と、に基づいて期限情報に含まれる食べ頃期間を再算出し、更新してもよい。
【0072】
本実施形態において、ユーザ端末5は、レシピ情報出力要求を在庫管理サーバ4に送信する。提案手段405は、レシピ情報出力要求に応じて、ユーザの在庫管理情報における商品Pに含まれる食材の残数情報に基づいて、ユーザ端末5に料理のレシピ情報を出力する。ユーザ端末5は、出力装置56においてレシピ情報を表示する。
【0073】
提案手段405は、食材の残数情報に基づいて残数が1以上の食材をすべて特定する。更に、提案手段405は、特定された食材の期限情報に基づいて、賞味期限または消費期限がもっとも近い食材を少なくとも含む料理のレシピ情報を取得し、ユーザ端末5に対して出力する。ユーザ端末5は、提案手段405により出力されたレシピ情報に基づいて出力装置56においてレシピ情報を表示する。なお、ユーザ端末5は、提案手段405の機能を備えてもよく、例えば、ユーザ端末5は、補助記憶装置53に記憶した商品在庫テーブルを参照し、食材の残数情報および期限情報に基づいて、賞味期限または消費期限がもっとも近い食材を含む料理のレシピ情報を取得し、出力装置56においてレシピ情報を表示する。
【0074】
本実施形態において、レシピ情報は、通信ネットワークNWを介して接続される外部サーバから取得される。なお、レシピ情報は、在庫管理サーバ4またはユーザ端末5において記憶されてもよい。
【0075】
また、提案手段405は、ユーザの健康状態を示す健康情報と、残数情報に含まれる食材と、に基づいて、当該食材を少なくとも含む料理のレシピ情報を出力する。健康情報は、心拍数、血圧、呼吸数、体温などのバイタルデータ、健康診断、血液検査、遺伝子検査などにより得られた検査データなどを含み、ユーザ情報に紐づけて記憶部DBに記憶される。提案手段405は、例えば、健康情報において基準値より高い血圧が記憶される場合、塩分の少ない食材やカリウムを多く含む食材を含むレシピ情報を出力する。ここでレシピ情報は、在庫管理サーバ4やユーザ端末5に記憶される健康情報と食材の対応関係を示すデータに基づいて取得されるか、健康情報と食材の組み合わせによる検索により取得されてもよい。
【0076】
バイタルデータは、例えば、ユーザ端末5がスマートフォン端末の場合、インストールされたヘルスケア関連アプリケーション等により取得される。バイタルデータは、ユーザ端末5と連携するウェアラブル端末により計測され、ユーザ端末5に取得されてもよい。ユーザ端末5は、レシピ情報出力要求とともに取得したバイタルデータを在庫管理サーバ4に送信する。
【0077】
検査データは、例えば、ユーザ端末5より検査項目の入力を受け付けることで取得される。検査項目の入力は、数値等を直接入力するか、OCR(Optical character recognition)により取り込まれてもよい。また、検査データは、電子医療記録情報や個人健康記録情報として外部システムにおいて記録され、ユーザ端末5または在庫管理サーバ4は、アクセス許可されたものを取得してもよいし、その他ヘルスケア関連アプリケーションとの連携により取得されてもよい。
【0078】
取得手段402は、バイタルデータおよび検査データを含む健康情報を、ユーザ端末5またはウェアラブル端末を介して取得する。
【0079】
また、提案手段405は、在庫管理情報に含まれる食材の残数が、レシピ情報に含まれる食材の必要数より少ない場合、および、在庫管理情報に登録されない食材が、レシピ情報の食材に含まれる場合の少なくとも何れか一方の場合、不足する食材に関する情報(食材、不足数など)を出力する。
商品を特定するためのタグ情報を格納し、前記商品に付される電子タグと、前記電子タグの計測範囲内に設置され、前記タグ情報を計測する計測装置と、サーバ装置と、を備える在庫管理システムであって、前記サーバ装置は、1以上の前記商品の数量により設定される消費単位と、前記消費単位に基づいて設定される適正在庫数と、を前記商品に関する在庫管理情報として記憶部に記憶する登録手段と、前記計測装置により計測される前記タグ情報により特定される前記商品の残数を取得する取得手段と、前記在庫管理情報を参照し、前記商品の残数が前記適正在庫数未満であると判定される場合、前記商品の発注データを出力する発注手段と、を備える。