特許第6813301号(P6813301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6813301
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】流体を調量するための弁
(51)【国際特許分類】
   F02M 51/06 20060101AFI20201228BHJP
【FI】
   F02M51/06 K
   F02M51/06 J
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-158620(P2016-158620)
(22)【出願日】2016年8月12日
(65)【公開番号】特開2017-40267(P2017-40267A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2019年8月1日
(31)【優先権主張番号】10 2015 215 533.1
(32)【優先日】2015年8月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】クローマー、ラルフ
【審査官】 楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−509139(JP,A)
【文献】 特開2013−050066(JP,A)
【文献】 特開2002−130080(JP,A)
【文献】 特開平03−210059(JP,A)
【文献】 特表2001−513165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 51/06
F02M 61/00〜61/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を調量するための弁(1)であって、
電磁アクチュエータ(2)と、
前記アクチュエータ(2)により操作可能な弁ニードル(9)であって、弁座面(8)と協働してシール座を成す弁閉鎖体(24)を操作するために役立つ前記弁ニードル(9)と、を備え、
ハウジング(19)に対して相対的に固定されたストッパ面(18)であって、操作された際にはアーマチャ(4)がそれに当たる前記ストッパ面(18)が設けられる、前記弁(1)において、
弁ニードルガイド部(25)が設けられ、前記弁ニードルガイド部(25)は、シール座が閉鎖される際には前記弁ニードル(9)が密に案内され、前記ハウジング(19)に対して相対的に固定された前記ストッパ面(18)に前記アーマチャ(4)が当たる際には、前記弁ニードル(9)が遊びを持って案内されるよう構成され
前記アーマチャ(4)は、前記ハウジング(19)に対して相対的に固定された前記ストッパ面(18)の方を向いた端面(11)を有し、前記密な案内は、当該案内の際に、前記弁座面(8)により決定される長手軸(7)が前記端面(11)に対して直交して方向付けられるように構成され、前記遊びを持たせた案内は、前記長手軸(7)に対して前記弁ニードル(9)が傾くことが可能となるように構成され、前記ストッパ面で前記アーマチャ(4)の前記端面(11)が平行に位置決めされた際に、前記傾きが生じる、ことを特徴とする、弁(1)。
【請求項2】
前記ハウジング(19)に対して相対的に固定された前記ストッパ面(18)に前記アーマチャ(4)が当たった際の前記遊びを持たせた案内は、当該ストッパ面(18)に対
して前記アーマチャ(4)が平行平面的に接触しうるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記弁ニードルガイド部(25)は、前記弁閉鎖体(24)を介して前記弁ニードル(9)を案内することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の弁。
【請求項4】
前記弁ニードルガイド部(25)、及び、前記弁座面(8)は、ノズル本体(22)に形成されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の弁。
【請求項5】
前記ハウジングに対して相対的に固定された前記ストッパ面(18)は、内部磁極(5)上に形成され、前記内部磁極(5)は、ハウジング部分(21)と接合されており、前記ノズル本体(22)は、少なくとも間接的に前記ハウジング部分(21)と接合されていることを特徴とする、請求項に記載の弁。
【請求項6】
前記アーマチャ(4)は、前記弁ニードル(9)上を移動可能に案内され、前記弁ニードル(9)には、当該弁ニードル(9)に対して固定されるストッパ要素(14)であって、開放方向(6)行われる開放に寄与する操作の際に前記アーマチャ(4)がそれに当たる前記ストッパ要素(14)が設けられ、前記アーマチャ(4)は、当該アーマチャ(4)が前記ハウジング(19)に対して相対的に固定された前記ストッパ面(18)に当たるまで、前記弁ニードル(9)を前記ストッパ要素(14)で前記開放方向(6)に一緒に運ぶことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の弁。
【請求項7】
前記弁ニードルガイド部(25)は、少なくとも1つのガイド面(28)を有し、前記ガイド面(28)と前記弁座面(8)により決定される長手軸(7)との間隔(50)は、開放方向(6)に少なくとも区間単位で増大することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の弁。
【請求項8】
前記ガイド部は、少なくとも1つのガイド面(28)を有し、前記ガイド面(28)は、前記弁座面(8)により決定される長手軸(7)に対して、少なくとも区間単位で円錐状に及び/又は少なくとも区間単位で少なくとも階段状に広がり、又は前記長手軸(7)から遠ざかることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の弁。
【請求項9】
前記弁ニードルガイド部(25)は、ガイドリブ(26、27)有し、及び/又は、前記シール座への前記流体の案内のために役立つ凹部(29)を有し、及び/又は、開放方向(6)へ操作される際に前記アーマチャ(4)がそれに当たる前記ストッパ要素(14)が設けられ、前記ストッパ要素(14)は、前記弁ニードル(9)のための回転軸(36)が実現されるように案内されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の弁。
【請求項10】
内燃機関のための燃料噴射弁であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を調量するための弁、特に、内燃機関のための燃料噴射弁に関する。特に、本発明は、好適に内燃機関の燃焼室へと燃料が直接的に噴射される、自動車の燃料噴射装置のためのインジェクタ分野に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第10360330号明細書には、内燃機関の燃料噴射装置のための燃料噴射弁が開示されている。この公知の燃料噴射弁は、弁座面と協働してシール座を成す弁ニードルと、弁ニードルと接合されたアーマチャであって、戻しばねにより閉鎖方向に付勢され磁気コイルと協働するアーマチャと、を備える。アーマチャは、磁気回路の外部磁極の凹設部の中に配置されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
請求項1の特徴を備える本発明に係る弁には、改良された構成及び機能形態が可能となるという利点がある。特に、弁ニードル及び/又は弁ニードルでのアーマチャの案内の改善が実現可能である。従属請求項で記載される措置によって、請求項1に示される弁の有利な発展形態が可能である。
【0004】
請求項7に係る構成に対応して、ソレノイドアーマチャとして機能するアーマチャは、有利に、弁ニードルと固定的は接合されず、ストッパ間に浮動状態で支承されている(fliegend gelagert)。そのようなストッパは、ストッパスリーブ及び/又はストッパリングによって実現されうる。少なくとも1つのばねを介して、アーマチャは、静止状態において、弁ニードルに対して固定されるストッパへと位置が調整され、従って、アーマチャはストッパに接触する。その後で、弁が駆動された際には、アーマチャ自由行路全体が加速区間として提供される。
【0005】
これにより、アーマチャと弁ニードルとの固定的な接合に対して、発生したアーマチャの推力(Impuls)によって、同じ磁力で開放された際に、弁ニードルがより高い圧力下でも確実に開放されうるという利点が得られる。更なる別の利点は、関与する質量の分離が起こり、従ってシール座で得られる停止力が2つの推力に分けられることである。
【0006】
弁ニードルの有利なガイド部によって、弁ニードルでのアーマチャの、遊びのない又は著しく遊びのない案内が実現されうる。ハウジング内の弁ニードルのガイド部によって、アーマチャがハウジングに対して相対的に固定的なアーマチャが当たった場合には、遊びをもたせた弁ニードルの案内が可能となる。即ち、アーマチャがストッパ面に当たった際に弁ニードルを傾かせることが可能であり、このことは、弁ニードルの、例えば弁閉鎖体がガイド部で挟まって動かなくなることなく可能である。
【0007】
さらに、請求項2に応じて、ハウジングに対して相対的に固定されたストッパ面へのアーマチャの完全な接触を可能とするために、十分な遊びが生じることは有利であり、その際に、このことは、弁ニードルが狭くて動かなくなることが起きない形で、可能である。このことによって、弁ニードルでのアーマチャの遊びのない案内が可能となる。
【0008】
請求項3に係る構成には、特に閉弁時に弁座面に鑑みたセンタリングが可能となる改良された案内が可能であるという利点がある。これにより、より良好な閉鎖挙動、及び、開弁時の有利な挙動が獲得される。
【0009】
請求項4に係る構成には、特に、弁閉鎖体が弁座面上に存在する場合には、密で正確な案内が実現可能であるという利点がある。
【0010】
請求項5に係る構成には、弁ニードルガイド部と弁座面とが高い精度で互いに位置決めされ、従って、弁ニードルが、特に弁閉鎖体を介して、弁座面により与えられる長手軸に沿って弁座面へと案内されるという利点がある。このことによって、アーマチャがハウジングに対して相対的に固定されたストッパ面に当たった場合に、最適化された閉鎖挙動と共に、遊びを持たせた案内を介した公差補正が可能となる。
【0011】
有利に、ハウジングに対して相対的に固定されたストッパ面は、請求項6で示されるように、ハウジング部分に接合された内部磁極上に形成されうる。弁座面により決定される長手軸に対するストッパ面の方向付けによって特に生じる内部磁極の公差は、部分的に密な案内と、部分的に遊びを持たせた案内と、を可能とする弁ニードルガイド部によって、有利に補正されうる。
【0012】
請求項8及び請求項9では、弁ニードルガイド部及び弁座面が形成されるノズル本体で特に実現されるガイド部の有利な構成が言及されている。その場合に、シール座への燃料の有利な案内は、請求項10に係る有利な構成に対応して実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の好適な実施例が、以下の明細書の記載において、対応する構成要素に統一的に符合が付された添付の図面を参照しながら詳細に解説される。
図1】閉鎖された状態での本発明の一実施例に対応する弁の概略的な断面図(抜粋)を示す。
図2】操作されたポジションにおける、同実施例に対応する図1で提示した弁を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、一実施例に対応する流体を調量するための弁1の概略的な断面図(抜粋)を示している。弁1は、特に燃料噴射弁1として構成されうる。好適な適用ケースは、このような燃料噴射弁1が高圧噴射弁1として構成されて内燃機関の対応付けられた燃焼室への燃料の直接噴射のために用いられる燃料噴射装置である。その際に燃料として、液体又は気体による燃料が使用されうる。
【0015】
弁1は、電磁コイル3とアーマチャ4を備えるアクチュエータ2を有する。電磁コイル3に通電された際には、磁気回路が内部磁極5を介して閉鎖され、これにより、開放方向6へのアーマチャ4の操作が行われる。
【0016】
長手軸7は、ここでは本発明を解説するために弁座面8によって決定される。アーマチャ4は、ここでは少なくとも近似的に長手軸7に沿って開放方向6に移動する弁ニードル9を操作するために役立つ。その際に、このように定められる長手軸7に対して、弁ニードル9が或る程度傾くことも可能である。
【0017】
アーマチャ4は、互いに反対側を向く端面10と更なる別の端面11とを有する。図1に示される初期ポジションでは、アーマチャ4の端面10が、ストッパ要素13の面12に接触している。さらに、面15を有する他のストッパ要素14が設けられている。アーマチャ4は、ストッパ要素13の面12とストッパ要素14の面15との間で、弁ニードル9上を移動可能に案内される。その際に、アーマチャ自由行路16が設定される。電磁コイル3に通電された際には、アーマチャ4は、最初にアーマチャ自由行路16を通過し、その際に、弁ニードル9は、戻しばね17によってその初期ポジションに保たれる。アーマチャ自由行路16に渡って、アーマチャ4は、ストッパ要素14の面15に当たった際に弁ニードル9を確実に開放する移動推力(Bewegungsimpuls)を構築する。その後で、アーマチャ4が内部磁極5のストッパ面18に当たるまで、アーマチャ4はさらに、弁ニードル9と共に開放方向6に移動する。その際に、ストッパ面18は、ハウジング19に対して相対的に固定されて配置されている。ハウジング19は、本例ではハウジング部分20、21を有する。弁座面8が形成されるノズル本体22が、ハウジング部分21と接合されている。
【0018】
アーマチャ4と、弁ニードル9と、が長手軸7上で位置決めされる場合に、ストッパ面18は、組立公差及び/又は部品公差により、アーマチャ4の端面11に対して必ずしも正確に平行ではなく、その際に、このことは、弁1が閉鎖されている状態に当てはまる。このような平行ではない状態が、図1では、ストッパ面18でのオフセット角23によって示されている。当然のことながら、部品公差は、追加的又は代替的にアーマチャ4でも生じうる。
【0019】
弁1の機能形態及び構成は、以下で図2も参照して詳細に解説される。即ち、図1は、弁閉鎖体24と弁座面8との間のシール座が閉鎖されている閉鎖状態での弁1のポジションを示している。この閉鎖状態では、弁座面8で弁閉鎖体24が位置決めされることになる。この位置決めに合わせて、ノズル本体22には、複数のガイドリブ26、27を有しうる弁ニードルガイド部25が設けられており、上記複数のガイドリブ26、27上に、対応して非連続的なガイド面28が形成されている。その際に、ガイド面28は、ガイドリブ26、27間の適切な凹部29によって途切れている。図1ではガイドリブ26、27のみ提示され符号が付されているが、ガイドリブ26、27の数は、各適用ケースに依存する。さらに、他の形態によるガイド部も構想されうる。ガイドリブ26、27の代わりに、例えば、部分的に環状のガイド要素を設けられてもよく、その場合には、当該ガイド要素の間に対応して凹部29が設けられる。凹部29は、シール座へと燃料を案内するために役立ち、従って、開弁時には燃料が環状の燃料室30から噴孔31、32へと案内されうる。噴孔31、32の数及び構成は、各適用ケースに対して調整されうる。これにより、燃料が燃焼室33へと噴射されうる。ここで、噴射という概念は一般的に理解され、気体燃料の噴射も含んでいる。さらに、弁1は基本的に、液体又は気体による他の流体を噴射するためにも適している。
【0020】
弁1が操作される際に、アーマチャ4が内部磁極5のストッパ面18に当たった場合には、内部磁極5でアーマチャが位置決めされることになる。その際に、この位置決めは、アーマチャ4の端面11が内部磁極5のストッパ面18に対して平行に方向付けられる最終ポジションに関して行われる。
【0021】
自社内の先行技術に対応する従来の構成では、弁ニードル9は長手軸7に沿って案内され、このことは、アーマチャ4が内部磁極5に当たった場合にも該当する。これにより、オフセット角23の分だけ傾いたストッパ面18でのアーマチャ4の端面11の位置決めが、構造により条件付けられて、長手軸7上での弁ニードル9の位置決めと対応していないという問題が生じる。弁閉鎖体24が長手軸7に沿って案内される際には、これに関して補正が必要である。この補正は、アーマチャ4と弁ニードル9との間の間隙によって達成され、その際に、オフセット角23に関する所与の公差に依存して、アーマチャ4と弁ニードル9との間の対応する公差設定も獲得され、ガイド部の対応する大きさの基本間隙となる。これに対して、アーマチャ4と弁ニードル9との間の基本間隙が小さく設定され過ぎた場合には、アーマチャ4がストッパ面18に当たった場合に、公差からの、対応するずれに応じて、弁ニードルが挟まって動かなくなる可能性がある。
【0022】
しかしながら、弁ニードル9でのアーマチャ4の狭い間隙は、弁1の機能形態に関して重要となりうる。このことは、例えば、アーマチャ4とハウジング部分21との間の環状間隙35の設計によって又は他の形態による設計によって液圧減衰を実現するために、場合により燃料室30から分離されている可能性がある流体で満たされた空間34にアーマチャ4が配置されている場合に、減衰挙動に関連しうる。さらに、弁ニードル9でのアーマチャ4の狭い間隙は、操作された際のストッパ要素13の面12に対する、アーマチャ4の端面10の平行な位置決めを保証するためにも必要となりうる。
【0023】
従って、シール座が閉鎖される際には弁ニードル9が密に案内され、ハウジング19に対して相対的に固定された、内部磁極5のストッパ面18にアーマチャ4が当たった際には弁ニードル9が遊びを持って案内されるよう構成された弁ニードルガイド部25が実現される。本実施例では、弁ニードルガイド部は、アーマチャ4が内部磁極5に到達した場合に弁閉鎖体24が半径方向にずれられるように、ノズル本体22に形成されている。このことによって、図2に示されるように、長手軸7に関する理想的な位置決めから弁ニードル9を傾けることが可能となる。
【0024】
図1及び図2は、(通常そうであるように)本実施例に係る弁1の実寸に忠実な図面ではない。これに関して、図1及び図2の弁1の図では、同じ実施例が関わっているにも関わらず、アーマチャ4でのオフセット角23に関して異なる図が選択されていることに注意されたい。図面でオフセット角23を明確にするために、オフセット角32は、図1ではより大きく描かれている。図2では、弁ニードル9の傾きとストッパ面18へのアーマチャ4の接触とが可能となるそれ自体は調和がとれた図に鑑みて、オフセット角23が提示されている。
【0025】
図2は、開放状態の弁1を示しており、この開放状態では、アーマチャ4は、内部磁極に接触しており、弁ニードル9でのアーマチャ4の密な案内により、回転軸36に対して、弁ニードル9の傾斜角37が生じている。これにより、ハウジング19とノズル本体22との間で弁ニードル9が曲がって歪むこと又は挟まって動かなくなることが防止される。ここでは、内部磁極5の内部に設けられた、ストッパ要素14を用いた弁ニードル9のガイド部51によって上記の傾きが可能となる。
【0026】
その際に、ガイド面28は、開放方向6に円錐状に広がり、及び/又は、ステップ部39を有する。その後に、引き続いて閉鎖された際には、弁ニードル9は、弁閉鎖体24を介して再び長手軸7上で位置決めされる。
【0027】
これにより、開放方向6に延在する弁ニードルガイド部25によって、弁ニードル9、ストッパ要素13、14、及びアーマチャ4を含むニードルアセンブリ9、13、14、4の傾きを許容するより大きな間隙が可能となる。この間隙が正しく選択されている場合には、上記傾きによって、ここでは内部磁極ストッパ面として構成されたストッパ面18に対して平行なアーマチャ4の斜めに傾いたポジションも可能となり、これにより、アーマチャ4にとっては、内部磁極5への完全な接触が可能となる。他方では、弁ニードル9でのアーマチャ4の遊びのない案内によって、弁ニードル9上でアーマチャ4が傾くことが防止される。これにより、弁ニードル9でのアーマチャ4の遊びのない案内にも関わらず、内部磁極5へのアーマチャ4の完全な接触が可能となる。
【0028】
自社内の先行技術に対応する従来の構成では、弁ニードルが挟まって動かなくなること、及び/又は、内部磁極へのアーマチャの不完全な接触が起こるが、本実施例に係る構成によって、アーマチャガイド部の狭い間隙にも関わらず、内部磁極5への完全な接触が達成されうる。
【0029】
これにより特に、弁座面8での密な案内により、アーマチャ4の端面11が、長手軸7に対して直交して方向付けられる構成が実現可能である一方で、図2で傾斜角37により示されるように、内部磁極5のストッパ面18でアーマチャ4の端面11が平行に位置決めされた際に生じる長手軸7に対する弁ニードル9の傾きが可能となる。
【0030】
ガイド面28は特に、ガイド面28と弁座面8により決定される長手軸7との間隔50が開放方向6に少なくとも部分的に増大するように構成され、このことは特に、ステップ部39で当てはまる。これにより、特に、区間単位で円錐状及び/又は少なくとも区間単位でステップ状の構成が実現され、本構成では、ガイド面28が、開放方向6に長手軸7に沿って広がり、又は長手軸7から遠ざかる。
【0031】
本発明は、記載された実施例及び言及された変形例には限定されない。
図1
図2