特許第6813418号(P6813418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6813418
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】監視システム、監視装置及び監視方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20201228BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311H
   H04M11/00 301
【請求項の数】15
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-80726(P2017-80726)
(22)【出願日】2017年4月14日
(65)【公開番号】特開2018-182567(P2018-182567A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 志保
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−122796(JP,A)
【文献】 特開平09−312646(JP,A)
【文献】 特開2014−098983(JP,A)
【文献】 特開平04−242396(JP,A)
【文献】 特開平07−162426(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0043969(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2004−0039097(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視局と、所定の時刻に自発的に観測した第1の観測データを前記監視局に対して送信する第1の観測局と、前記監視局からの観測データの取得要求に応じて観測した第2の観測データを送信する第2の観測局とを備え、通信回線を介して通信する監視システムにおいて、
前記監視局は
記第1の観測データを受信する第1データ取得部と、
前記第2の観測局に対して前記取得要求を送信して前記第2の観測データを取得する第2データ取得部と、
前記第1の観測局から前記第1の観測データを取得する第1の時刻と、前記第2の観測局に対して前記取得要求を送信して前記第2の観測データを取得する第2の時刻と設定され、少なくとも前記第2の時刻を変更可能であるスケジュール定するスケジュール制御部と
前記スケジュール制御部で設定された前記スケジュールを表示する表示装置と、
備える、
監視システム。
【請求項2】
前記スケジュール制御部は、前記第2の時刻が、前記第1の時刻の後の時刻となるように前記スケジュールを設定する、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記監視局は、前記第2の時刻が、前記第1の時刻と重なるか否かを判定する同時可動判定部を更に備え
前記スケジュール制御部は、前記第2の時刻が、前記第1の時刻と重なる場合には、前記スケジュール制御部によるスケジュールの設定を無効とする
請求項1に記載の監視システム。
【請求項4】
前記監視システムは、前記監視局と一部の観測局との間の通信を中継する中継局をさらに備え、
前記通信回線は、前記中継局の有無、または使用する中継局に応じて異なる通信チャネルを使用する通信回線であり、
前記スケジュール制御部は、観測データを取得する対象の観測局を現在の観測局から次の観測局に変更する際に通信チャネルの切り替えが必要な場合、前記次の観測局が観測データの送信を開始する時刻が、前記現在の観測局が観測データの送信を完了した後で前記通信チャネルの切り替えが完了する時刻以降となるように前記スケジュールを設定する、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項5】
前記スケジュール制御部は、観測局から中継局を介して観測データを受信する場合、前記中継局を起動させる時刻を設定し、当該観測局による前記観測データの送信開始時刻が前記中継局の起動時刻以降となるように前記スケジュールを設定するとともに、前記中継局の停止時刻が前記観測データの送信終了時刻以降となるように前記スケジュールを設定する、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項6】
前記スケジュール制御部は、所定の時間内に全ての観測局から観測データの収集が終了しない場合、前記第2の観測局の一部の観測局について、観測データの受信スケジュールを前記第1の時より前の時間に設定し、残りの第2の観測局について、観測データの受信スケジュール前記第1の時刻よりの時間に設定する、
請求項1記載の監視システム。
【請求項7】
前記監視局は、取得した前記第2の観測データに対してエラーの判定を行うエラー種別判定部をさらに備え、
前記エラー種別判定部で判定されたエラーに基づいて、再度の観測データの取得要求を送信する第2の観測局を決定する再呼出観測決定部と、
前記再呼出観測決定部で決定された前記第2の観測局に対して再度の前記取得要求を送信する時刻を、前記第2の観測局の第2の観測データの取得直後又は全ての一度目の観測終了後に設定する再呼出時刻設定部と、
をさらに備える、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項8】
監視局と、所定の時刻に自発的に観測した第1の観測データを前記監視局に対して送信する第1の観測局と、前記監視局からの観測データの取得要求に応じて観測した第2の観測データを送信する第2の観測局とを備え、通信回線を介して通信する監視システムにおける前記監視局として機能する監視装置であって、
記第1の観測データを受信する第1データ取得部と、
前記第2の観測局に対して前記取得要求を送信して前記第2の観測データを取得する第2データ取得部と、
前記第1の観測局から前記第1の観測データを取得する第1の時刻と、前記第2の観測局に対して前記取得要求を送信して前記第2の観測データを取得する第2の時刻と設定され、少なくとも前記第2の時刻を変更可能であるスケジュール定するスケジュール制御部と
前記スケジュール制御部で設定された前記スケジュールを表示する表示装置と、
備える、
監視装置。
【請求項9】
前記スケジュール制御部は、前記第1の観測局から前記第1の観測データを取得する前記第1の時刻の後に、前記第2の観測局に対して前記取得要求を送信して前記第2の観測データを取得する前記第2の時刻が設定されたスケジュールを表示する、
請求項8に記載の監視装置。
【請求項10】
前記第2の時刻が、前記第1の時刻と重なるか否かを判定する同時可動判定部を更に備え
前記スケジュール制御部は、前記第2の時刻が、前記第1の時刻と重なる場合には、前記スケジュール制御部によるスケジュールの設定を無効とする
請求項に記載の監視装置。
【請求項11】
前記監視システムは、前記監視局と一部の観測局との間の通信を中継する中継局をさらに備え、
前記通信回線は、前記中継局の有無、または使用する中継局に応じて異なる通信チャネルを使用する通信回線であり、
前記スケジュール制御部は、観測データを取得する対象の観測局を現在の観測局から次の観測局に変更する際に通信チャネルの切り替えが必要な場合、前記次の観測局が観測データの送信を開始する時刻が、前記現在の観測局が観測データの送信を完了した後で前記通信チャネルの切り替えが完了する時刻以降となるように前記スケジュールを設定する、
請求項8に記載の監視装置。
【請求項12】
前記スケジュール制御部は、観測局から中継局を介して観測データを受信する場合、前記中継局を起動させる時刻を設定し、当該観測局による前記観測データの送信開始時刻が前記中継局の起動時刻以降となるように前記スケジュールを設定するとともに、前記中継局の停止時刻が前記観測データの送信終了時刻以降となるように前記スケジュールを設定する、
請求項8に記載の監視装置。
【請求項13】
前記スケジュール制御部は、所定の時間内に全ての観測局から観測データの収集が終了しない場合、前記第2の観測局の一部の観測局について、観測データの受信スケジュールを前記第1の時より前の時間に設定し、残りの第2の観測局について、観測データの受信スケジュール前記第1の時刻よりの時間に設定する
請求項8に記載の監視装置。
【請求項14】
取得した前記第2の観測データに対してエラーの判定を行うエラー種別判定部をさらに備え、
前記エラー種別判定部で判定されたエラーに基づいて、再度の観測データの取得要求を送信する第2の観測局を決定する再呼出観測決定部と、
前記再呼出観測決定部で決定された前記第2の観測局に対して再度の前記取得要求を送信する時刻を、前記第2の観測局の第2の観測データの取得直後又は全ての一度目の観測終了後に設定する再呼出時刻設定部と、
をさらに備える、
請求項に記載の監視装置。
【請求項15】
監視局と、所定の時刻に自発的に観測した第1の観測データを前記監視局に対して送信する第1の観測局と、前記監視局からの観測データの取得要求に応じて観測した第2の観測データを送信する第2の観測局とを備え、通信回線を介して通信する監視システムが行う監視方法であって、
前記監視局が、前記第1の観測局から前記第1の観測データを取得する第1の時刻と、前記第2の観測局に対して前記取得要求を送信して前記第2の観測データを取得する第2の時刻と設定され、少なくとも前記第2の時刻を変更可能であるスケジュール設定するスケジュール制御ステップと
前記スケジュール制御部で設定された前記スケジュールを表示装置に表示させる表示ステップと、
前記スケジュールに沿って、前記監視局が、前記第1の観測データを取得する第1データ取得ステップと、
前記スケジュールに沿って、前記監視局が、前記第2の観測局に対して取得要求を送信して第2の観測データを取得する第2データ取得ステップと、
有する監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視システム、監視装置及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレメータシステムは、雨量や水位等の気象データを観測・収集するものであり、様々な場所に配置される観測局と、それらを監視制御する監視局で構成される。現在テレメータシステムの方式は、電気通信関係機器仕様書(国電通仕)において、2方式が定められている。第1は、旧型の21号仕様のテレメータシステム(以下「21号システム」という。)であり、監視局から呼び出し信号に基づいて、21号システムの観測局から観測データが返送される構成となっている。一方、新型の54号仕様のテレメータシステム(以下「54号システム」という。)は、観測局内に計時機能を有するため、監視局からの呼出し信号が無くても予め設定された時刻に観測データを送信するように構成されている。今後は、21号システムから54号システムへ更新が進んで行くと考えられる。しかしながら急激な更新は難しいため、現時点では、両仕様のテレメータ装置を1つのシステム内に混在させる(以下「混在型システム」という。)での運用も行われている。
このような混在型システムにおけるデータ取得の方法は、設定時刻<例えば、正定時時刻(00秒)>になると、「54号システム」からの観測データを取得後、その後で、21号システムに対して呼出し信号を送信し、当該21号システムからのデータ取得という動作を順次行っていく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−266435号公報
【特許文献2】特開2014−106178号公報
【特許文献3】特開2013−183406号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】国土交通省、 電気通信関係機器仕様書、 標準機器仕様書、 国電通仕第21号(暫定仕様) テレメータ装置標準仕様書、平成13年1月
【非特許文献2】国土交通省、 電気通信関係機器仕様書、 標準機器仕様書、 国電通仕第54号 テレメータ装置(自律型)標準仕様書、平成23年7月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、受信エラー等で観測データが届かない「21号システム」に対しては、その都度、再度の呼出信号の送付を行って観測データの受信を行っている。一方、監視局は、受信した観測データを管轄する上位局へ、決められた間隔で転送を行う必要がある。このため、観測データの受信エラーが頻発すると、定められた上位局への転送時間内に、全ての観測局からデータを収集が完了できない可能性があった。
本発明が解決しようとする課題は、混在型システム全体に与えられている所定のデータ取得時間内に、監視局が少なくとも一度はすべての観測局からのデータを取得することができる、監視システム、監視装置及び監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の監視システムは、監視局と、所定の時刻に自発的に観測した第1の観測データを前記監視局に対して送信する第1の観測局と、前記監視局からの観測データの取得要求に応じて観測した第2の観測データを送信する第2の観測局とを持ち、通信回線を介して通信する。前記監視局は、第1データ取得部と、第2データ取得部と、表示装置と、スケジュール制御部と、を持つ。第1データ取得部は、前記第1の観測データを受信する。第2データ取得部は、前記第2の観測局に対して前記取得要求を送信して前記第2の観測データを取得する。表示装置は、前記第1の観測局から前記第1の観測データを取得する第1の時刻と、前記第2の観測局に対して前記取得要求を送信して前記第2の観測データを取得する第2の時刻とが設定され、少なくとも前記第2の時刻を変更可能であるスケジュールを設定する。表示装置は、前記スケジュール制御部で設定された前記スケジュールを表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の監視システムのシステム構成を示す図。
図2】監視局1の機能を示す概略ブロック図。
図3】中継局2の機能を示す概略ブロック図。
図4】54号観測局3の機能を示す概略ブロック図。
図5】21号観測局4の機能を示す概略ブロック図。
図6】管理端末12の表示部130に表示される表示画面を示す図。
図7図6で説明したタイムスケジュール設定部1030に実際の数値が入力された場合の表示の具体例を示す図。
図8】タイムスケジュール設定部1030に21号観測局4が表示された場合の表示画面を示す図。
図9図8に示されるタイムスケジュール設定部1030に実際の数値が入力された場合の表示の具体例を示す図。
図10図1の監視システムが、3つのチャンネルCH1と、CH2と、CH3とを備え、CH1及びCH2に54号観測局3がそれぞれ2つずつ備わっていて、CH3に21号観測局4が5つ備わっている場合のシーケンス図。
図11】監視局1が全ての子局の観測データを取得するのに要する時間を記した具体例を示す図。
図12図7及び図9に表示されたタイムスケジュールにしたがって監視局1による観測データの取得が行われる場合の監視システムのタイムチャートを示す図。
図13図7及び図9のスケジュールの場合における、順番設定表示画面3000の具体例を示す図。
図14】送信完了目標時間内に子局のデータの取得が終わるようにスケジュールの設定が入力された場合の順番設定表示画面3000の具体例を示す図。
図15図15は、図14に示されたスケジュールを監視局1が実行する流れを表したフローチャートの図。
図16図14に表示されたスケジュールの順番に監視局1が子局の観測データを取得する場合の、監視システムの処理の流れを示すシーケンス図。
図17図14の設定開始時刻3016のタイムスケジュールにしたがって監視局1による観測データの取得が行われる場合の監視システムのタイムチャート。
図18図6の制御画面1000において、現況データ1001が選択された時に表示される、現況表示画面1060の図。
図19】順番設定表示画面3000に入力されたスケジュールにしたがって、監視局1が観測データを取得した時に、スケジュールと実際の観測において、時間差が生じた場合の具体例を示す図。
図20図19に示されるスケジュールを監視局1が実行する場合において、再度呼出信号の送付が行われる場合の処理の流れを表すフローチャート。
図21図19に示されるスケジュールを監視局1が実行した後、順番が3のG局に対する再度呼出信号の送付が行われる場合における、監視システムの処理の流れを示すシーケンス図。
図22図19に示されるスケジュールを監視局1が実行した後、順番が3のG局に対する再度呼出信号の送付が行われる場合における、監視システムのタイムチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の監視システム、監視装置及び監視方法を、図面を参照して説明する。
なお、以下では、54号仕様の観測局(以下「54号観測局」という。)は、子局(54号)の一例であり、21号仕様の観測局(以下「21号観測局」という。)は、子局(21号)の一例である。また、54号仕様の観測局のタイムスケジュールは第1のスケジュールの一例であり、21号仕様の観測局のタイムスケジュールは第2のスケジュールの一例である。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態の監視システムのシステム構成の具体例を示す図である。監視システムは、監視局1と、中継局2と、54号観測局3と、21号観測局4とを持つ監視システムとして機能する。監視システムは、監視局1を親局、54号観測局3及び21号観測局4を子局とする。以下、54号観測局3と21号観測局4を区別しない場合、「子局」という場合もある。また、図1には図示されていないが、監視局1、中継局2及び子局は各々、お互いのデータを送受信するための少なくともひとつの通信装置を備える。
なお、54号観測局3は第1の観測局の一例であり、21号観測局4は第2の観測局の一例である。
【0010】
監視局1は、54号観測局3及び21号観測局4において取得された観測データを取得する。監視局1は、所定の地域に配置された複数の観測局を管轄する管轄局である。監視局1は、所定の地域に1又は複数が配置されてもよい。例えば、図1では、監視局1が1台配置される場合を示している。
監視局1は、さらに上位の上位局に管轄されている。監視局1は、観測データを送信する。監視局1は、取得した全ての観測データを取得した後、例えば県庁や国交省などの上位局に送信する。
【0011】
中継局2は、中継局2が属するチャンネルの子局と監視局1を中継する中継の局である。中継局2の数は2つに限られるものではなく、監視システム中に3つ以上あってもよいし、ひとつもなくてもよい。また、中継の段数は2段以上であってもよい。
【0012】
図2は、監視局1の機能を示す概略ブロック図である。監視局1は、監視装置11と、管理端末12と、操作卓13と、操作盤14とを持つ。監視局1の各機能の全て又は一部は、ハードウェア、ソフトウェア又はミドルウェアを用いて実現されてもよい。
【0013】
監視装置11は、監視装置制御部111、データ取得部112、中継制御部113、時刻制御部114、試験制御部115、操作制御部116、外部I/F(Interface)117、通信制御部118、回線切換部119の各機能を持つ。監視装置11は、既存のサーバ装置などの情報処理装置を用いて構成される。監視装置11の各機能は、それぞれハードウェア、ソフトウェア又はミドルウェアで実現されてもよい。監視装置11は、監視局1において子局と通信して子局を制御する監視装置である。
【0014】
監視装置制御部111は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を用いて構成される。監視装置制御部111は、監視装置11を制御する制御部である。監視装置制御部111は、通信バスによって、データ取得部112と、中継制御部113と、時刻制御部114と、試験制御部115と、操作制御部116と、外部I/F(Interface)117と、通信制御部118とに接続されており、それらの各機能をプログラムによって実現する。
【0015】
データ取得部112は、54号データ取得部1121及び21号データ取得部1122を持つ。54号データ取得部1121は、54号観測局3において観測された観測データを取得する。
なお、54号データ取得部1121は、第1データ取得部の一例であり、21号データ取得部1122は、第2データ取得部の一例である。
また、前述の54号観測局から送信される観測データは、第1の測定データの一例であり、前述の21号観測局から送信される観測データは、第2の測定データの一例である。
【0016】
中継制御部113は、中継局2を制御する。中継局2は、監視局1と子局との通信を中継する。中継局2は、例えば図1に示される中継局2である。図1には2つの中継局2が示されているが、前述したように中継局2の数は3つ以上でもよいし、3つ未満でもよい。中継制御部113は、中継局2が正常に動作しているか否かの動作状態を示すデータを取得する。
【0017】
時刻制御部114は、タイマ(内部時計)の時刻を管理する。タイマはタイムスケジュールに基づき観測データを取得するときに利用される。時刻制御部114は、GPSアンテナ1141を介してGPS衛星が送信する電波の受信を制御するGPS装置である。時刻制御部114は、GPS衛星から受信した電波に基づきタイマの時刻を校正し、所定の誤差の範囲内になるように管理する。時刻制御部114は、NTP(Network Time Protocol)装置を制御してタイマを校正するものであってもよい。時刻制御部114は、NPT装置を利用する場合、ネットワークにおける遅延時間を考慮してタイマを校正する。
【0018】
試験制御部115は、子局との通信を試験するための試験信号を制御する。試験制御部115は、21号観測局に対して試験信号の取得要求を送信する。21号観測局は取得要求に応じて試験信号を監視局1に送信する。試験制御部115は、21号観測局が送信した試験信号を取得する。21号観測局との通信を試験するための試験信号は複数種類の試験信号を用いることができる。試験制御部115は、通信を試験するための試験信号を選択可能であるように管理端末12に表示してもよい。
【0019】
操作制御部116は、操作卓13及び操作盤14を制御して、操作卓13又は操作盤14による操作入力を取得し、操作卓13又は操作盤14に対してランプ等の表示出力を出力する。
【0020】
外部I/F117は、管理端末12と監視装置11とを接続するためのI/Fである。外部I/F117は管理端末12と所定の通信プロトコルで通信する。本実施形態では、監視装置11と管理端末12は1対1で接続される場合を例示するが、外部I/F117は、監視装置11と管理端末12を1対複数、又は複数対1で接続するものであってもよい。また、外部I/F117は、ネットワークを介して管理端末12と接続するものであってもよい。
【0021】
通信制御部118は、監視局と子局との通信を制御する。通信制御部118は、回線切換部119によって、回線切換部119に接続された無線装置1191と、多重無線装置1192と、有線装置1193との接続を切り換え、無線装置1191、多重無線装置1192又は有線装置1193のいずれかの通信回線を使用して子局と通信する。通信制御部118はそれぞれの通信回線に応じた通信データ符号化及び複合化を行う。
【0022】
回線切換部119は、2つの無線装置1191と、2つの多重無線装置1192と、2つの有線装置1193の通信装置と接続している。無線装置1191、多重無線装置1192及び有線装置1193の少なくともいずれかひとつの通信装置は、図1には図示されていないが、監視局1に付属して存在する。回線切換部119は、接続された各通信装置との接続を切り換える。無線装置1191のひとつは、子局と無線通信を行う。多重無線装置1192のひとつは、子局と多重回線による無線通信を行う。有線装置1193のひとつは、子局と有線回線によって通信を行う。監視局1と上位局との通信は、前述の子局との通信に使用されていない、もうひとつの上記無線装置1191、もうひとつの多重無線装置1192、もうひとつの有線装置1193の通信装置のいずれかを用いた通信によって行うことができる。回線切換部119の回線の切り換えは、通信制御部118によって制御される。
【0023】
管理端末12は、管理端末制御部121、スケジュール制御部122、データフォーマット制御部123、休止制御部124、エラー種別判定部125、同時稼動判定部126、再呼出観測決定部127及び再呼出時刻設定部128を持つ。管理端末12は、例えばPCであり、キーボード・マウス等の入力部129、液晶ディスプレイ等の表示装置を備えた表示部130及びプリンタ等の印字部131が接続されている。管理端末制御部121は、管理端末12の上記各機能を制御する。
【0024】
スケジュール制御部122は、スケジュール設定機能及びスケジュール通知機能を有する。
スケジュール設定機能とは、子局から観測データを取得するタイムスケジュールを、管理端末12の操作者が設定できるようにする機能である。スケジュール制御部122は、タイムスケジュールの設定又は変更(以下、タイムスケジュールの「設定」には「変更」を含むものとする。)を行うための表示画面(ユーザインターフェイス)を表示部130に表示する。操作者は表示された表示画面を見ながら入力部129を介してタイムスケジュールの入力を行う。スケジュール設定機能は、入力されたタイムスケジュールに基づき、54号観測局から観測データを取得する時刻と21号観測局から観測データを取得する時刻を調整して表示画面に反映することにより、操作者がタイムスケジュールを設定できるようにする。スケジュール制御部122は、設定されたタイムスケジュールを管理端末12の図示しない記憶部等に記憶する。
スケジュール通知機能とは、設定されたタイムスケジュールを記憶部(不図示)等から読み出して、タイムスケジュールに基づいたスケジュールの通知を監視装置11に対して行う機能である。例えば、スケジュール制御部122は、設定されたタイムスケジュールに基づき、監視装置11の54号データ取得部1121に対して受信時刻を通知する。54号データ取得部1121は、スケジュール制御部122から通知された受信時刻に基づき通信制御部118等を介して54号観測局3から観測データを取得する。また、スケジュール制御部122は、設定されたタイムスケジュールに基づき、監視装置11の21号データ取得部1122に対して呼出時刻を通知する。21号データ取得部1122は、通知された呼出時刻に基づき、通信制御部118等を介して21号観測局4に対して呼出信号を送信し、観測データを取得する。
【0025】
スケジュール制御部122は、後述する表示部130の表示画面で設定されたタイムスケジュールを実際に監視局1が実行するスケジュールとして設定するとともに、図2の54号データ取得部1121及び21号データ取得部1122にスケジュールを通知することにより、54号データ取得部1121における54号観測局からの観測データの取得タイミングと21号データ取得部1122における21号観測局からの観測データの取得タイミングを制御することができる。
【0026】
データフォーマット制御部123は、観測データのフォーマット変換を制御する。データフォーマット制御部123は、21号で定められた観測データのデータフォーマットを54号で定められた観測データのデータフォーマットに変換し、データフォーマットを54号に統一する。なお、統一のデータフォーマットはこれに限られるものではなく、他のデータフォーマットに統一されてもよい。例えば、データフォーマットは21号のデータフォーマットに統一されてもよい。
【0027】
休止制御部124は、子局から取得する観測データの休止を管理端末12の操作者が設定できるようにする機能である。観測データの休止の設定とは、子局が送信する観測データの中で、所定の観測値(データ)を取得しないようにする設定である。
【0028】
エラー種別判定部125は、21号データ取得部1122が取得した21号観測局4の観測データについて、エラーの判定を行う。エラーについては、国電通仕に定められている、サイングラフ、無効データ、特殊情報、0桁パリティ、1桁パリティ、2桁パリティ、3桁パリティ、BCDエラー、電源異常及び無応答の10個のエラーのいずれであるかを判定する。前述のエラーのいずれでもない場合には、エラー種別判定部125は、取得したデータにエラーは無いと判定する。なお、前述の国電通士とは、国土交通省 電気通信関係機器仕様書、 標準機器仕様書、 国電通仕第21号(暫定仕様) テレメータ装置標準仕様書と、国土交通省、 電気通信関係機器仕様書、 標準機器仕様書、 国電通仕第54号 テレメータ装置(自律型)標準仕様書、平成23年7月とである。例えば、国土交通省 電気通信関係機器仕様書、 標準機器仕様書、 国電通仕第21号(暫定仕様) テレメータ装置標準仕様書は、平成13年1月のものであってもよい。例えば、国土交通省、 電気通信関係機器仕様書、 標準機器仕様書、 国電通仕第54号 テレメータ装置(自律型)標準仕様書は、平成23年7月のものであってもよい。なお、以下エラーは、上述の国電通仕に定められている、サイングラフ、無効データ、特殊情報、0桁パリティ、1桁パリティ、2桁パリティ、3桁パリティ、BCDエラー、電源異常及び無応答の10個のエラーを表す。
【0029】
同時稼動判定部126は、スケジュール制御部122によってタイムスケジュールが設定される際に、21号観測局4が54号観測局3の稼働時刻に稼働していないか否かの判定を行う。実施形態の監視システムにおいて、監視局1は、54号観測局3の観測データを取得している際に、21号観測局4の観測データを取得することはできない。そのため、同時稼動判定部126は、21号データ取得部1122の稼働時に54号データ取得部1121が稼働していないかを判定する。また、同時稼動判定部126は、21号観測局4に対して54号観測局3の稼働時刻に稼働していないかの判定を行うため、判定対象となる子局が21号観測局4なのか54号観測局3なのかの判定も行う。
【0030】
再呼出観測決定部127は、再呼出信号を送付する21号観測局4を決定する。再呼出観測決定部127は、エラー種別判定部125が判定したエラーに基づいて、再呼出を行う21号観測局4を決定する。
【0031】
再呼出時刻設定部128は、再呼出観測決定部127で決定された21号観測局4に対して、監視局1が再呼出信号を送付する時刻を決定する。再呼出時刻設定部128は、入力部129を介して入力された、送付時刻に関する信号に基づいて再呼出信号を送付する時刻を決定する。
【0032】
図3は、中継局2の機能を示す概略ブロック図である。中継局2は、中継局制御部21、中継制御部22、状態返送部23、試験部24及び電源部25の各機能を持つ。
【0033】
中継局2は、監視局1と前述の子局との通信を中継する設備であり、山岳地域等に設置されて監視局1との直接の通信が困難な子局と監視局1との通信を可能にする。中継局2は、子局と通信可能な場所に設置されるため、子局の設置場所によっては多段の中継局2が設置される。本実施形態では、観測データの取得は同じ中継局2を使用するCH毎に逐次行われる。
【0034】
中継局制御部21は、例えばCPU等の演算処理装置である。中継局制御部21は、中継局2を制御する。中継局制御部21において実行されるプログラムによって、中継制御部22、状態返送部23、試験部24及び電源部25の各機能は実現される。
【0035】
中継制御部22は、監視局1と子局との通信の中継を制御する。中継制御部22は、2つの無線装置221と、2つの多重無線装置222と、2つの有線装置223の通信装置と接続している。2つの無線装置221は、監視局1又は子局と無線通信を行う。2つの多重無線装置222は、監視局1及び子局と多重回線による無線通信を行う。2つの有線装置223は、監視局1及び子局と有線回線によって通信を行う。中継局2と監視局1との通信は、前述の無線装置221のひとつ、多重無線装置222のひとつ、有線装置223の通信装置のひとつのいずれかを用いた通信によって行うことができる。中継局2と子局との通信は、前述の監視局1との通信に使われていない、無線装置221のひとつ、多重無線装置222のひとつ、有線装置223の通信装置のひとつのいずれかを用いた通信によって行うことができる。中継制御部22は、監視局1から受信する通信データを中継局2に接続された子局に対して中継する。
【0036】
状態返送部23は、監視局1の中継制御部22からの動作状態の取得要求に対して、中継局2の動作状態データを返送する。中継局2の動作状態とは、例えば、電源部25から供給される電力の電力供給状態である。状態返送部23は、中継局2が21号に定める中継局である場合、中継制御部22から起動を指示する信号を受信したときに、起動状態になったことを示す動作状態を監視局に対して返送する。
【0037】
試験部24は、監視局1の試験制御部115から取得した試験信号取得要求に対して、中継局2の動作試験を実施する。動作試験は、電力供給状態を省電力状態から起動状態に切り換える動作が正常に行われるか否かを試験する。試験部24は、電力供給状態を切り換えるとともに、動作状態を監視局1に返送する。
【0038】
電源部25は、中継局2で使用する電力を供給する。電源部25は、商用電源からの電力又はバッテリからの電力を供給する。
【0039】
図4は、54号観測局3の機能を示す概略ブロック図である。54号観測局3は、新型の観測局で、監視局からの呼出しが不要で、予め所定の時刻になると所定の観測データを観測し、監視局に対して送信する観測局である。54号観測局3は、54号制御部31と、通信制御部32と、回線切換部33と、電源部34と、センサ通信部35と、時刻制御部36とを持つ。54号観測局3の各機能の全て又は一部は、ハードウェア、ソフトウェア又はミドルウェアを用いて実現されてもよい。
【0040】
54号制御部31は、例えばCPU等の演算処理装置である。54号制御部31は、54号観測局3を制御する。54号制御部31は、通信バスによって、通信制御部32と、電源部34と、センサ通信部35と、時刻制御部36とに接続されており、それらの各機能をプログラムによって実現する。54号制御部31は、第1制御部の一例である。
【0041】
通信制御部32は、通信の制御部である。通信制御部32は、回線切換部33に対して通信に使用する通信回線の切り換えを指示して、無線装置37、多重無線装置38又は有線装置39のいずれかの通信回線を用いて監視局と通信する。通信制御部32はそれぞれの通信回線に応じた通信データの符号化及び複号化を行う。
【0042】
回線切換部33は、通信制御部32が使用する通信回線を切り換える。回線切換部33は、無線装置37、多重無線装置38又は有線装置39との接続を切り換えることにより通信回線を切切り換える。無線装置37、多重無線装置38及び有線装置39は、監視局1に接続される、ふたつのうちのひとつの無線装置1191と、ふたつのうちのひとつの多重無線装置1192と、ふたつのうちのひとつの有線装置1193とそれぞれの通信回線において通信する。
【0043】
電源部34は、54号観測局3で使用する電力を供給する。電源部34は、商用電源を介した電力又はバッテリの電力を供給する。
【0044】
センサ通信部35は、水位計351、雨量計352、積雪量計353の各センサと通信し、各センサが測定した測定データを取得する。水位計351は、河川等の水位を測定する。雨量計352はセンサ設置場所の雨量を測定する。積雪量計353は、センサ設置場所の積雪量を測定する。なお、センサ通信部35に接続されるセンサの種類又は数は、これに限られるものではなく任意である。センサは、例えば、道路気象に関して、気温、路面温度、風速、風向等を測定するものであってもよい。また、センサは、水質に関して、水温、pH、電気伝導度、濁度、溶存酸素等を測定するものであってもよい。
【0045】
時刻制御部36は、タイマ(内部時計)の時刻を管理する。観測データを送信する送信時刻は、タイマに基づき判断される。時刻制御部36は、GPSアンテナ361を介してGPS衛星が送信する電波の受信を制御し、時刻を校正する。時刻制御部36は、NTP(Network Time Protocol)装置を制御してタイマを校正するものであってもよい。
【0046】
図5は、21号観測局4の機能を示す概略ブロック図である。21号観測局は、旧型と観測局で、管理局からの呼出し信号に基づいて起動し、所定の観測データを観測して観測局に送信する観測局である。21号観測局4は、21号制御部41と、呼出制御部42と、試験部43と,通信制御部44と、回線切換部45と、電源部46と、センサ通信部47とを持つ。21号観測局4の各機能の全て又は一部は、ハードウェア、ソフトウェア又はミドルウェアを用いて実現されてもよい。
【0047】
21号制御部41は、例えばCPU等の演算処理装置である。21号制御部41は、21号観測局4を制御する。21号制御部41は、通信バスによって、呼出制御部42と、試験部43と,通信制御部44と、電源部46と、センサ通信部47とに接続されており、それらの各機能をプログラムによって実現する。21号制御部41は、第2制御部の一例である。
【0048】
呼出制御部42は、監視局1の21号データ取得部1122から送信される呼出信号を受信して、センサ通信部47が取得した測定データに基づく観測データを監視局1に送信する。呼出信号には21号観測局4が送信可能な観測データの中で取得対象を指定する指定情報を含んでいてもよい。指定情報は、例えば、水位、雨量等、個別の観測データを指定する。
【0049】
試験部43は、監視局1の試験制御部115から送信される試験信号の取得要求に対応した試験信号を送信する。試験信号は21号観測局4と監視局1の間の通信状況を試験するために用いられる。試験信号は例えば、S/N制御信号、N制御信号、1KHz信号、マーク信号又はスペース信号等である。
【0050】
通信制御部44は、監視局1との通信を制御する。通信制御部44は、呼出制御部42が監視局1から受信した呼出信号に応じて、センサ通信部47において生成された観測データを監視装置11に送信する。
【0051】
回線切換部45と、電源部46と、センサ通信部47とはそれぞれ、54号観測局の回線切換部33と、電源部34と、センサ通信部35と同様の機能であるため説明を省略する。
【0052】
図6は、管理端末12の表示部130に表示される表示画面である。
【0053】
制御画面1000は、現況データ1001、システム監視1002、観測履歴1003、表示/設定1004、観測順序設定1005、保守1006及び21号ソフト1007の選択ボタンを有する。なお、以下において説明する選択ボタンは、例えば、マウスによって制御画面1000に表示されたカーソルを選択ボタンの上に移動してクリックをすることにより選択ボタンが押下されて選択操作が可能なユーザインターフェイスである。
【0054】
制御画面1000は、現況データ1001、システム監視1002、観測履歴1003、表示/設定1004、観測順序設定1005、保守1006及び21号ソフト1007は、いずれか一つの選択ボタンが選択されることにより表示画面を変更する。図6の制御画面1000は、表示/設定1004の選択ボタンが選択された場合の表示画面を示す。
【0055】
現況データ1001は、それぞれの観測局から取得した観測データを表示する表示画面に切り換える選択ボタンである。
【0056】
システム監視1002は、子局と中継局2等とのシステム状態を監視するための表示画面に切り換える選択ボタンである。システム監視1002の表示画面には、例えば、観測局、中継局2又は上位局が稼働中であるか停止中であるか、障害が発生していないか等の動作状態、観測局、中継局2又は上位局との通信に異常が発生しているか等の通信状態、観測データの欠測情報等の情報が表示される。システム監視1002の表示画面に表示する情報は、障害等が発生した時間順、障害等が発生した局順、又は障害等の種別順に並び順を整列してもよい。
【0057】
現況データ1001は、子局から取得した観測データを表示するための表示画面(以下「現況表示画面1060」という。)に切り換える選択ボタンである。現況データ1001を選択したときの表示画面の詳細は図19を用いて後述する。
【0058】
システム監視1002は、それぞれの観測局、中継局2等のシステム状態を監視するための表示画面に切り換える選択ボタンである。システム監視1002の表示画面においては、例えば、観測局、中継局2又は上位局が稼働中であるか停止中であるか、障害が発生していないか等の動作状態、観測局、中継局2又は上位局との通信に異常が発生しているか等の通信状態、観測データの欠測情報等の情報を表示することができる。システム監視1002の表示画面に表示する情報は、障害等が発生した時間順、障害等が発生した局順、又は障害等の種別順に並び順を整列してもよい。
【0059】
観測履歴1003は、それぞれの観測局から観測データを取得した履歴を表示するための表示画面に切り換える選択ボタンである。観測データを取得した履歴は、例えば、観測データの取得に成功したか否かの履歴である。観測履歴1003の表示画面によって、所定の期間観測データを取得がされていない観測局を確認することができる。また、観測履歴1003の表示画面においては、過去のデータを検索して参照できるようにしてもよい。過去のデータを検索できるようにすることにより、データの解析等が容易となる。
【0060】
表示/設定1004は、図6の表示画面に切り換える選択ボタンである。
【0061】
観測順序設定1005は、子局の観測順序を設定する表示画面(以下「順番設定表示画面3000」という。)を表示する選択ボタンである。
【0062】
保守1006は、観測システムの保守をするための表示画面に切り換える選択ボタンである。保守1006の表示画面においては、例えば、それぞれの観測局や中継局2の保守状況を表示する。
【0063】
21号ソフト1007は、21号に基づくテレメータ装置を制御するための表示画面に切り換える選択ボタンである。混在型システムである本実施形態においては、21号観測局を制御するための機能を管理端末12に搭載して監視装置11を制御することにより、21号観測局専用の監視装置を設置しなくてもよい。
【0064】
タイムスケジュール1021は、タイムスケジュール設定画面1010を表示させるための選択ボタンである。図6は、タイムスケジュール1021が選択されていることを示している。
【0065】
休止設定1022は、測定データの休止を設定する休止設定画面を表示させるための選択ボタンである。
【0066】
手動禁止1023は、監視局1による子局又は中継局2の手動操作が禁止された状態であることを示す。
【0067】
測定中1024は、監視装置11が子局から観測データを受信中であることを示す。
【0068】
受信障害1025は、監視装置11による子局からの観測データの受信に障害が発生中であることを示す。
【0069】
システム終了1026は、管理端末12を停止させるための選択ボタンである。
【0070】
時刻表示部1027は、現在の時刻の表示である。
【0071】
受信間隔1028は、54号観測局から観測データを取得する定時間隔を表示する選択ボタンである。受信間隔1028の選択ボタンを選択することにより観測データを取得する定時の間隔を変更する表示画面を表示できるようにしてもよい。なお、受信間隔1028に表示される時間は、監視局1がデータの受信を開始した時刻から、子局が送信するすべてのデータを受信し終えて新たなデータの受信を開始する直前の時刻まで、の1周期の時間である。
【0072】
上位装置1029は、上位局との通信状態を示す表示である。上位装置1029の数はひとつに限られるものではなく、上位局の数に応じて複数個存在しても良い。
【0073】
タイムスケジュール設定画面1010はタイムスケジュールを設定する表示画面である。タイムスケジュール設定画面1010は、ms/s切換1011と、54号21号切換1012と、設定1013の選択ボタンと、タイムスケジュール設定部1030とを持つ。タイムスケジュール設定画面1010は、タイムスケジュール1021の選択ボタンを選択することによって表示される。
【0074】
ms/s切換1011は、タイムスケジュール設定部1030に表示される時刻及び時間の単位をms(m sec)とs(sec)とで切り換える選択ボタンである。
【0075】
54号21号切換1012は、タイムスケジュール設定部1030に表示される子局を54号観測局3とするか、21号観測局4とするかの切り替えを行う選択ボタンである。
【0076】
設定1013は、タイムスケジュール設定部1030において設定した値を確定しタイムスケジュール設定部1030の設定を保存するための選択ボタンである。
【0077】
タイムスケジュール設定部1030は、表形式の設定画面である。タイムスケジュール設定部1030は、No1031と、観測装置名1032と、系統1033と、受信ライン1034と、観測局1035と、観測局起動時刻1036と、送信時間1037と、局間時間1038と、回線切換時刻1039との項目を持つ。タイムスケジュール設定部1030は、54号21号切換1012で設定された子局の観測データを監視局1が受信するタイムスケジュールを設定するための表示画面である。タイムスケジュールの設定は、例えば表示画面に表示されたタイムスケジュール設定部1030内の設定項目をマウスによってクリック等をすることによって選択し、選択された設定項目にキーボード等から数値等を入力することによって行うことができる。
【0078】
No1031は、タイムスケジュール設定部1030の行番号を示す項目である。
【0079】
観測装置名1032は、観測装置の名前を表示する項目である。
【0080】
系統1033は、図1で説明したCHを示す項目である。
【0081】
受信ライン1034は、子局と通信する通信回線を示す項目である。例えば、無線装置、多重無線装置、又は有線装置のいずれかの通信装置における通信回線を設定することができる。図6においては、系統“3”の子局は“2”の受信ラインが設定され、系統“1”の子局は“3”の受信ラインが設定されていることを示している。
【0082】
観測局1035は、子局を特定する項目である。
【0083】
観測局起動時刻1036は、子局毎に設定する子局の起動時刻である。図6は、図1に記載されている、CH1に属する第1の54号観測局3(以下「54号観測局3−1」という。);CH1に属する第2の54号観測局3(以下「54号観測局3−2」という。);CH2に属する第1の54号観測局3(以下「54号観測局3−3」という。);CH2に属する第2の54号観測局3(以下「54号観測局3−4」という。)の4つの54号観測局3の観測局起動時刻1036が、それぞれ、t0、t2、t5、及びt7に設定されていることを示している。なお、t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8及びt9は時刻であり、T1、T2、T3及びT4は時間である。
【0084】
送信時間1037は、それぞれの子局による監視局1への観測データ送信に要する時間を示す項目である。送信時間1037は、それぞれの子局から送信される観測データのデータ量に応じて設定される。図6は、54号観測局3−1、54号観測局3−2、54号観測局3−3、及び54号観測局3−4、による観測データの送信時間1037が、それぞれ、T1(t0→t1)、T2(t2→t3)、T3(t5→t6)、及びT4(t7→t8)に設定されていることを示している。例えば、T1(t0→t1)は、送信の時間が時刻t0から時刻t1までのT1時間であることを表す。そのため、例えば、54号観測局302の起動時刻t2は、t2>t0+T1を満たす。
【0085】
局間時間1038は、観測データを受信する受信先の切り換えに要するインターバルの時間を示す項目である。図6は、54号観測局3−1、54号観測局3−2、54号観測局3−3、及び54号観測局3−4の局間時間1038が、それぞれ、I1(t1→t2)、I2(t3→t5)、I3(t6→t7)、及びI4(t8→t9)に設定されていることを示している。そのため、例えば、54号観測局3−2の局間時間I2は、54号観測局3−2の起動時刻t2と、54号観測局3−1の起動時刻t0と、54号観測局3−1が送信を完了する時刻t1と、I1=t2−(t0+T1)の関係を満たす。ただし、局間時間は、例えば、監視局1がCH2の全ての子局の観測データ取得を終えてCH2中継局2−1を停止状態にする場合など、中継局2の停止が行われる際には、中継局2が停止状態になるまでの時間も含む。
【0086】
回線切換時刻1039は、受信ライン1034で設定された通信回線に切り替える時刻である。図6は、受信ラインが“2”の54号観測局3−2が、次の受信ラインに受信先を切り換える時刻がt4であり、受信ラインが“3”の54号観測局3−4から次の受信ラインに受信先を切り換える時刻がt9であることを示している。回線切換の時刻は、局間の時間中または終了時であるように設定される。例えば、回線切換の時刻t4は、局間時間I2(t3→t5)で定められる時間中であるように設定される。なお、回線切換は、子局から子局への回線の切換えの場合だけでなく、中継局2の起動又は停止の場合に行われてもよい。そのため、回線切換時刻1039に表示される時刻は、中継局2を起動又は停止する時刻であってもよい。例えば、受信ラインの切換えだけでなく系統が変わる時の回線の切換時刻であるt4は、CH2に属するCH2中継局2(以下「CH2中継局2−1」という。)を起動する時刻でもある。また、例えば、回線切換の時刻t9は、CH2中継局2−1が停止する時刻でもある。
【0087】
図7は、図6で説明したタイムスケジュール設定部1030に実際の数値が入力された場合の表示の具体例を示す。
図7において、観測局起動時刻1036、送信時間1037、局間時間1038、回線切換時刻1039には、ms単位の時刻及び時間を入力することができる。図7においては、54号観測局3−3の送信時間は1890msに設定されている。54号観測局3−4の観測局起動の時刻は、54号観測局3−3の起動時刻6340msに54号観測局3−3の送信時間1890msと局間時間1050msを足した9280msに設定されていることを示している。また、54号観測局3−4の回線切換の時刻は、54号観測局3−4の観測局起動の時刻に54号観測局3−4の送信時間と局間時間を足した11600msに設定されていることを示している。
【0088】
図8は、タイムスケジュール設定部1030に21号観測局4が表示された場合の表示画面を示している。図8は、図1に示される5つの21号観測局を表示している。すなわち、CH3に属する第1の21号観測局4(以下「21号観測局4−1」という。);CH3に属する第2の21号観測局4(以下「21号観測局4−2」という。);CH3に属する第3の21号観測局4(以下「21号観測局4−3」という。);CH3に属する第4の21号観測局4(以下「21号観測局4−4」という。);CH3に属する第5の21号観測局4(以下「21号観測局4−5」という。)である。
【0089】
図9は、図8に示されるタイムスケジュール設定部1030に実際の数値が入力された場合の表示の具体例を示す。
図9において、21号観測局4−3の送信時間は2500msに設定されている。21号観測局4−4の観測局起動の時刻は、21号観測局403の起動時刻38000msに21号観測局4−3の送信時間2500msと局間時間9000msを足した49500msに設定されていることを示している。
【0090】
次に、図10のシーケンス図を用いて、図1に記載の監視システムにおける、54号観測局3が送信する観測データの取得動作と、21号観測局4が送信する観測データ取得動作とを説明する。
【0091】
図10は、図1の監視システムが、図中の3つのチャンネルであるCH1と、CH2と、CH3とを備え、CH1及びCH2に54号観測局3がそれぞれ2つずつ備わっていて、CH3に21号観測局4が5つ備わっている場合のシーケンス図である。図10において、監視システムは、監視局1と、54号観測局3−1と、54号観測局3−2と、54号観測局3−3と、54号観測局3−4と、21号観測局4−1と、21号観測局4−2と、21号観測局4−3と、21号観測局4−4と、21号観測局4−5と、CH2中継局2−1と、CH3に属する中継局2(以下「CH3中継局2−2」という。)と、を持つ。
【0092】
図10の(a)〜(d)は、監視局1がCH1及びCH2の54号観測局3−1〜54号観測局3−4が送信する観測データを取得する動作である。図1に示されているように、CH1に属する54号観測局3−1及び54号観測局3−2は、中継局2を介さずに監視局1と直接通信する。図1に示されているように、CH2に属する54号観測局3−3及び54号観測局3−4は、CH2中継局2−1を介して監視局1と通信する。
【0093】
54号観測局3−1は、54号観測局3−1の送信時刻に従い、観測データを監視局1に送信する(a)。次に、54号観測局3−2は、54号観測局3−2の送信時刻に従い、観測データを監視局1に送信する(b)。54号観測局3−1の送信時刻と54号観測局3−2の送信時刻には、所定の時間間隔が設けられる。例えば、図7の表示画面のスケジュールが設定されていた場合、54号観測局3−1の送信時刻がt0であるとして、54号観測局3−1から観測データを送信するために要する送信時間がT1となる。
【0094】
CH2中継局2−1は、CH2の54号観測局3−3の送信時刻より前に設定された起動時刻に自らの電力供給状態を停止状態から起動状態とする。次にCH2中継局2−1は、通信の中継が可能な状態にする。CH2中継局2−1の電力供給状態を停止状態から起動状態にするには所定の起動時間が必要となる。
【0095】
54号観測局3−3は、54号観測局3−3の送信時刻に従い、CH2中継局2−1を介して観測データを監視局1に送信する(c)。次に、54号観測局3−4は、54号観測局3−4の送信時刻に従い、CH2中継局2−1を介して観測データを監視局1に送信する(d)。
【0096】
CH2中継局2−1は、CH2の54号観測局3−3及び54号観測局3−4の観測データの送信が終了すると、停止時刻に電力供給状態を起動状態から停止状態として、省電力状態になる。CH2中継局2−1の停止時刻は、54号観測局3−4の観測データの送信が終了した後、所定時間が経過した後である。
【0097】
前述の54号観測局3の観測データは、54号観測局3のセンサ通信部35の各センサによって取得される。
【0098】
また、54号データ取得部1121は、54号観測局3に予め設定された観測データの送信時刻に54号観測局3から送信される観測データを、送信時刻に対応した受信時刻において受信することで観測データを取得する。54号観測局3が観測データを送信する送信時刻は、54号観測局3の時刻制御部36において管理される。一方、受信時刻は監視局1の時刻制御部114によって管理される。54号観測局3で管理される送信時刻と監視局1によって管理される受信時刻とは54号で定められた誤差範囲の誤差を生じる場合がある。そのため、54号データ取得部1121は、誤差を考慮した受信時刻が設定される。なお、本実施形態における送信時刻は、観測局が起動される起動時刻であるものとする。すなわち、観測局は送信時刻に起動されて、観測データの送信が可能になったときに観測データの送信を行う。したがって、送信時刻と実際に観測データが送信される時刻の間にはタイムラグが発生する。54号観測局が送信する観測データの取得のタイムスケジュールは、管理端末12によって管理される。
【0099】
監視局1は、CH3中継局2−2に対して起動指令を送信する(e)。CH3中継局2−2は起動指令を受信するとCH3中継局2−2を起動状態にして通信を中継可能な状態にする。CH3中継局2−2は、監視局1に対して、CH3中継局2−2が起動中であることを示す動作状態を返送する(f)。
【0100】
CH3中継局2−2が起動中であることを示す動作状態を返送された監視局1は、21号観測局4−1に対してCH3中継局2−2を介して呼出信号を送信する(g)。呼出信号に対して、21号観測局4−1は観測データを返送する(h)。21号観測局4−1から観測データを取得した監視局1は、21号観測局4−2に対してCH3中継局2−2を介して呼出信号を送信する(i)。呼出信号に対して、21号観測局4−2は観測データを返送する(j)。同様に、監視局1は、21号観測局4−3、21号観測局4−4及び21号観測局4−5の観測データを取得する(k)〜(p)。
【0101】
CH3に属する全ての観測局から観測データを取得した監視局1は、CH3中継局2−2に対して停止指令を送信する(q)。CH3中継局2−2は停止指令を受信するとCH3中継局2−2を停止状態にする。CH3中継局2−2は、監視局1に対して、CH3中継局2−2が停止中であることを示す動作状態を返送する(r)。
【0102】
監視局1は、全ての観測データを取得した後、例えば県庁や国交省などに設置されている上位装置に対して、順次、階層的に観測データを転送する。
図6において、具体例として観測間隔である受信間隔1028に10分とする。上位装置値の各階層で観測データのとりまとめ等の処理が入るため、上位局への転送の時間は、例えば県庁まで3分程度、国交省まで5分程度を要することになる。このような事情があるため、監視局1は、実際の使用においては1分以内にすべての子局の観測データを取得する必要がある。
【0103】
図11は、監視局1が全ての子局の観測データを取得するのに要する時間を記した具体例である。図11では、監視局1は40秒ですべての子局の観測データを取得することを表している。そのため、不足なくデータを上位局へ転送するためには、監視局1は、54号観測局3の測定開始の時刻(以下「正定時時刻」という。)を時間原点として1分以内には全ての子局からデータを収集する必要がある。以下正定時時刻を時間原点として1分の時刻を送信完了目標時間という。
【0104】
監視局1は1分以内に観測データを取得できない子局の観測データについては、取得することなく上位局へ観測データを送信してしまう。
【0105】
図12は、図7及び図9に表示されたタイムスケジュールにしたがって監視局1による観測データの取得が行われる場合の監視システムのタイムチャートである。時刻t1mは、送信完了目標時間を表す。
【0106】
54号観測局3−1は、正定時時刻t0において観測データの送信を開始する。監視局1は、54号観測局3−1の送信時間T1の時間を要して観測データを受信する。監視局1は、t0から送信時間T1が経過したt1から、54号観測局3−2の送信時刻であるt2まで、局間時間I1を設ける。
【0107】
監視局1は、同様に、54号観測局3−2から送信時間T2で観測データを受信し、局間時間I2の後に、54号観測局3−3から送信時間T3で観測データを受信し、さらに局間時間I3の後に、54号観測局3−4から送信時間T4で観測データを受信する。
CH2中継局2−1は、54号観測局3−3の送信時刻t5より所定の時間早いt4において起動状態となり、54号観測局3−4からの観測データの送信時間T4が終了する時刻t8が経過した後、所定の時間遅いt9において停止状態となる。
【0108】
監視局1は、時刻t9において、CH3中継局2−2を起動状態にする信号をCH3中継局2−2に送る。監視局1は、CH3中継局2−3が起動状態になるまでの時間I5を待機した後に、時刻t10において21号観測局4−1に呼出信号を送信して観測データを取得する。
【0109】
監視局1は、同様に、呼出時刻t12において21号観測局4−2に呼出信号を送信して観測データを取得し、呼出時刻t14において21号観測局4−3に呼出信号を送信して観測データを取得し、呼出時刻t16において21号観測局4−4に呼出信号を送信して観測データを取得し、呼出時刻t18において21号観測局4−5に呼出信号を送信して、CH3の全ての子局からの観測データの取得が終了した後、時刻t20において、監視局1は、CH3中継局2−2を停止状態にする。
【0110】
ただし、図7及び図9に記載のスケジュールでは、図9の観測局起動時刻1036に記載されているように、H局が起動してからI局が起動するまでの間に送信完了時間t1mがきてしまう。そのため、前述したように、図7及び図9のスケジュールでは、監視局1が上位局に転送するデータには不足が生じる。
【0111】
次に、図13と、図14と、図15とを用いて、前述のデータが不足する問題を解決するための観測データ取得のスケジュール、の設定について説明する。
【0112】
図13は、図7及び図9のスケジュールの場合において観測順序設定1005が選択された時に表示部130に表示されるスケジュールの設定画面であるところの、順番設定表示画面3000の具体例である。
順番設定表示画面3000は、54号観測局3及び21号観測局4の観測に関する情報の設定と表示とを行う。順番設定表示画面3000は、観測局情報表示欄3010と、観測順番入力部3020と、21号仕様観測局再呼出条件3030と、再呼出タイミング指示ボタン3040と、設定ボタン3050とキャンセルボタン3060と、を備える。
【0113】
観測局情報表示欄3010は、複数の54号観測局3及び21号観測局4の観測開始時刻と観測の順番とに関する、情報の表示と設定とを行う。
【0114】
観測局情報表示欄3010は、例えばテーブルの形式で観測局に関する情報を表示してもよい。観測局情報表示欄3010は、設定スケジュール順番3011と、観測装置名3012と、仕様3013と、所要時間3014と、経過時間3015と、設定開始時刻3016と、実際開始時刻3017との項目、を備える。
【0115】
観測局情報表示欄3010の前述のテーブルの観測装置名3012、仕様3013、所要時間3014の項目の各要素は、例えばマウスによって、制御画面1000に表示のカーソルを介して操作される。テーブルの各要素は、例えば、所望の要素の上に移動された前述のカーソルによってクリックされることにより、入力待機状態になる。入力待機状態では、待機状態の要素の色が変わる。また、テーブルの各要素は、例えば、キーボードによる数値等の入力を可能とする。
【0116】
設定スケジュール順番3011は、監視局1による子局の観測データ取得の順番を表す。
【0117】
観測装置名3012は、子局の名前を表示する。
【0118】
仕様3013は、観測装置名3012の項目に記された子局の仕様を表示する。
【0119】
所要時間3014は、観測装置名3012に記された子局の観測データを監視局1が取得するのに要する時間を表示する。
【0120】
経過時間3015は、設定スケジュール順番3011の1番目の開始時刻を時間原点の0秒として、各観測局の観測が終わる時間を記している。経過時間3015は、所要時間3014に記された時間から算出される時刻を表示する。
【0121】
設定開始時刻3016は、設定された観測の開始時刻を表示する。
【0122】
実際開始時刻3017は、実際に観測が開始された時刻を表示する。
【0123】
観測順番入力部3020は、下へ3021と、上へ3022と、追加3023と、削除3024との選択ボタンを備える。下へ3021は、観測局情報表示欄3010に表示されている所望の装置の順番を下に移動させる。上へ3022は、観測局情報表示欄3010に表示されている所望の装置の順番を上に移動させる。追加3023は、観測局情報表示欄3010に表示されていない新たな観測装置を、観測局情報表示欄3010に追加する。削除3024は、観測局情報表示欄3010に表示された所望の装置を一覧から削除する。
【0124】
21号仕様観測局再呼出条件3030は、前述の国電通仕に定められている、サイングラフ、無効データ、特殊情報、0桁パリティ、1桁パリティ、2桁パリティ、3桁パリティ、BCDエラー、電源異常及び無応答の10個のエラーに対してそれぞれの選択ボタンを備える。例えば図13では、無効データのエラーが選択されている。監視局1のエラー種別判定部125で判定された21号観測局4のエラーが、21号仕様観測局再呼出条件3030で選択されたエラーの場合、監視局1は、そのエラーを示した21号観測局4に再度呼出信号を送付する。21号仕様観測局再呼出条件3030によって、テレメータシステムはエラーの種類ごとに再度呼出信号の送付の設定を行うことが可能となる。したがって、テレメータシステムの観測データ取得時間の短縮が可能となる。エラーの選択は、複数個選択しても良い。エラーの選択ボタンがひとつも選択されていない場合は、再度呼出信号の送付を行わない。
【0125】
再呼出タイミング指示ボタン3040は、直後3041と最後3042との選択ボタンを備える。ボタンの選択によって、再呼出信号の送付時間を、監視局1が21号観測局4のデータを受信した直後にするか(以下「直後信号」という。)、監視局1がすべての子局からのデータの受信を終えた後にするか(以下「最後信号」という。)のいずれかの情報が、再呼出時刻設定部128に送信される。再呼出時刻設定部128は、直後信号を取得した場合は、再度呼出信号の送付時間を、監視局1が21号観測局4のデータを受信した直後にする。再呼出時刻設定部128は、最後信号を取得した場合は、再呼出信号の送付時間を、管理端末12の図示しない記憶部等に記憶されたタイムスケジュールと照らし合わせて、全ての子局からの観測データを監視局1が受信した後の時刻(すなわち、測定が終了した後の時刻)に設定する。直後3041が選択されると、再呼出時刻設定部128に直後信号が送信される。最後3042が選択されると、再呼出時刻設定部128に最後信号が送信される。
【0126】
設定ボタン3050は、順番設定表示画面3000に表示されていることを確定し、スケジュール制御部122のスケジュールを再設定する選択ボタンである。このボタンが押されると、順番設定表示画面3000は消え、表示部130には、順番設定表示画面3000が表示される前の画面が表示される。
【0127】
キャンセルボタン3060は、順番設定表示画面3000に表示されていることを破棄する選択ボタンある。このボタンが押されると、順番設定表示画面3000は消え、表示部130には、順番設定表示画面3000が表示される前の画面が表示される。
【0128】
前述したように図13は、表示されるスケジュールの具体例として図7及び図9のスケジュールが設定された場合のスケジュールを表示している。
【0129】
例えば、順番が1であるA局は観測開始の時刻が58分00秒に設定されており、所要時間2520msを要して、観測を終了するように設定されている。したがって、順番の項目が2であるB局は、58分02秒に測定を開始するように設定されている。
【0130】
図13において、順番が9であるI局は観測開始の時刻が0:59:01である。I局は観測開始の時刻は、A局の観測開始の時刻である58分00秒からみて、送信完了目標時間である1分を経過してしまっている。そのため、図13に示すスケジュールでは、監視局1から上位局に転送されるデータに不足が生じる。
【0131】
図14は、前述の問題点を解決するためのスケジュールの設定が入力された場合の順番設定表示画面3000の具体例である。21号仕様の子局であるE局、F局及びG局の観測開始の時刻が、正定時時刻に観測の開始を行う54号仕様のA局の観測開始時刻以前に設定されている。この場合、I局の経過時間が72500msであって、G局の経過時間が36900msであるため、正定時時刻を0sとしたときの、I局の観測の終了時刻は、60s以下の24100(=72500−36900)msである。このため、図14のスケジュールでは、送信完了目標時間を超えることなく、全ての子局の観測が終了する。
【0132】
図14において、I局の経過時間は72500msであり、I局に関して1分を超えているが、これは順番が1の子局の観測開始の時刻を時間原点としているためである。そのため、正定時時刻であるA局の観測開始の時刻を基準とすれば、I局の観測終了までの時刻も送信完了目標時間である1分を超えない。
【0133】
なお、図13のスケジュールから図14へのスケジュールへの変更については例えば次に示す手順で行われる。制御画面1000に表示のカーソルを介して、観測局情報表示欄3010に表示されているE局が含まれる行が例えばクリック等で選択される。選択された行は、観測順番入力部3020の上へ3022が選択されることで、順番が1に設定される。
【0134】
54号観測局3と21号観測局4との同時の稼働はできないため、上記のスケジュールの変更に際して、同時稼動判定部126は、54号観測局3と21号観測局4との同時稼動になるか否かを判定する。同時稼動になる場合には、エラーを警告するなどして、スケジュールの設定を無効にする。
【0135】
図15用いて、図14のスケジュールが監視局1によって実際に実行される流れを説明する。図15は、図14に示されたスケジュールを監視局1が実行する流れを表したフローチャートである。説明のために、図15において、設定スケジュール順番3011の番号を表す変数として変数pを考える。すなわち、例えば、p=1は、設定スケジュール順番3011の1を表しており、図14においては、E局を含む行を表す。変数pは、例えば、監視局1が備える記憶部(不図示)に記憶されていてもよい。
【0136】
図15は、監視局1が図14に記載のスケジュールを実際に実行する流れを表したフローチャートである。
スケジュール制御部122が設定されたスケジュールを取得する(ステップS101)。変数pに1が代入される(ステップS102)。スケジュール制御部122が、上記スケジュールにおけるp番目のスケジュールの子局が属するチャンネル(すなわち、p=1においては、設定スケジュール順番3011の値が1に相当する監視局1が実行するスケジュールの子局のチャンネル)が中継局2を有するかの判定を行う(ステップS103)。中継局2を有する場合(ステップS104:YES)、中継局2が起動済みかの判定が行われる。中継局2が起動済みの場合(ステップS105:YES)、スケジュール制御部122が上記子局の仕様を判定する(ステップS107)。中継局2が起動されていない場合(ステップS105:NO),中継制御部113が、上記中継局2を起動する(ステップS106)。ステップS106の後、ステップS107の判定が行われ、p番目のスケジュールの子局が54号仕様の子局であった場合(ステップS108:YES)、監視局1は、p番目の子局の観測データの受信時刻まで待機する(ステップS111)。上記受信時刻に、監視局1は、上記観測データを受信する(ステップS112)。ステップS107において、p番目のスケジュールの子局が21号仕様であった場合(ステップS108:NO)、監視局1は、上記の21号観測局4に対して観測データを送信するよう指示する呼出信号を送付する(S109)。次に、監視局1は、上記の21号観測局4の観測データを取得する(S110)。上記のステップS110又はステップS112の後、スケジュール制御部122は、中継局2の停止を判定する(ステップS113)。中継局2が起動していない場合と、中継局2へ観測データを送信していない子局が存在する場合には(ステップS113:NO)、中継局2への処理は行われない。次に、現在の変数pの値をp0として、変数pの値はp0+1になる(ステップS114)。ステップS114の後、スケジュール制御部122は、p番目(すなわちp0+1番目)のスケジュールが存在するか否かの判定を行う(ステップS115)。存在する場合には(ステップS115:YES)、ステップS103に戻る。存在しない場合には(ステップS115:NO)、監視局1の観測データ取得処理は終了する。ステップS113において,中継局2が存在して、中継局2へ観測データを送信していない子局が存在しない場合には(ステップS113:YES)、中継局2の停止処理が行われる(ステップS116)。その後、ステップS114に戻る。
【0137】
図15において、変数p=1におけるステップS103からステップS110までのステップが、図14のE局の観測データを監視局1が実際に取得するステップである。図15において、変数p=2と、p=3とにおける、ステップS103からステップS105までのステップと、ステップS107からステップS110までのステップとで表される一連のステップが、それぞれ図14のF局とG局との観測データを監視局1が実際に取得するステップである。また、変数p=4と、5とにおけるステップS103と、ステップS104と、ステップS107と、ステップS108と、ステップS111と、ステップS112とで表される一連のステップが、図14のA局とB局との観測データを監視局1が実際に取得するステップである。変数p=6におけるステップS103からステップS108までのステップと、ステップS111と、ステップS112とで表される一連のステップが、図14のC局の観測データを監視局1が実際に取得するステップである。変数p=7におけるステップS103と、ステップS104と、ステップS107と、ステップS108と、ステップS111と、ステップS112とで表される一連のステップが、図14のD局の観測データを監視局1が実際に取得するステップである。変数p=8と9とにおけるステップS103からステップS105までのステップと、ステップS107からステップS110までのステップとで表される一連のステップが、それぞれ図14のH局と、I局の観測データを監視局1が実際に取得するステップである。
【0138】
図16は、図14に表示されたスケジュールの順番に監視局1が子局の観測データを取得する場合の、監視システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0139】
図16の(a)〜(h)は、図14において順番が1である21号観測局4−1(E局)と、順番が2である21号観測局4−2(F局)と、順番が3である21号観測局4−3(G局)との観測データを監視局1が取得する動作である。21号観測局4−1(E局)と、21号観測局4−2(F局)と、21号観測局4−3(G局)とはCH2中継局2−2を介して監視局1と通信する。
【0140】
監視局1は、CH3中継局2−2に対して起動指令を送信する(a)。CH3中継局2−2は起動指令を受信するとCH3中継局2−2を起動状態にして通信を中継可能な状態にする。CH3中継局2−2は、監視局1に対して、CH3中継局2−2が起動中であることを示す動作状態を返送する(b)。
【0141】
CH3中継局2−2が起動中であることを示す動作状態を返送された監視局1は、21号観測局4−1に対してCH3中継局2−2を介して呼出信号を送信する(c)。呼出信号に対して、21号観測局4−1は観測データを返送する(d)。次に、監視局1は、21号観測局4−2に対してCH3中継局2−2を介して呼出信号を送信する(e)。呼出信号に対して、21号観測局4−2は観測データを返送する(f)。次に、監視局1は、21号観測局4−3に対してCH3中継局2−2を介して呼出信号を送信する(g)。呼出信号に対して、21号観測局4−3は観測データを返送する(h)。
【0142】
図16の(i)〜(l)は、図14において順番が4から7までに対応する子局であるところの、54号観測局3−1(A局)と、54号観測局3−2(B局)と、54号観測局3−2(C局)と、54号観測局3−4(D局)との観測データを監視局1が取得する動作である。
【0143】
CH1に属する54号観測局3−1及び54号観測局3−2は、中継局2を介さずに監視局1と直接通信する。CH2に属する54号観測局3−3及び54号観測局3−4は、CH2中継局2−1を介して監視局1と通信する。
【0144】
54号観測局3−1は、54号観測局3−1の送信時刻に従い、観測データを監視局1に送信する(i)。次に、54号観測局3−2は、54号観測局3−2の送信時刻に従い、観測データを監視局1に送信する(j)。
【0145】
CH2中継局2−1は、CH2の54号観測局3−3の送信時刻より前に設定された起動時刻に自らの電力供給状態を停止状態から起動状態とする。次にCH2中継局2−1は、通信の中継が可能な状態にする。CH2中継局2−1の電力供給状態を停止状態から起動状態にするには所定の起動時間が必要となる。
【0146】
54号観測局3−3は、54号観測局3−3の送信時刻に従い、CH2中継局2−1を介して観測データを監視局1に送信する(k)。次に、54号観測局3−4は、54号観測局3−4の送信時刻に従い、CH2中継局2−1を介して観測データを監視局1に送信する(l)。
【0147】
CH2中継局2−1は、CH2の54号観測局3−3及び54号観測局3−4の観測データの送信が終了すると、停止時刻に電力供給状態を起動状態から停止状態として、省電力状態になる。CH2中継局2−1の停止時刻は、54号観測局3−4の観測データの送信が終了した後、所定時間が経過した後である。
【0148】
図16の(m)〜(r)は、図14において順番が8と9とに対応する子局であるところの、21号観測局4−4(H局)と、21号観測局4−5(I局)との観測データを監視局1が取得する動作である。
【0149】
監視局1は、前述のCH2中継局2−1が停止した後、21号観測局4−4に対してCH3中継局2−2を介して呼出信号を送信する(m)。呼出信号に対して、21号観測局4−4は観測データを返送する(n)。21号観測局4−4から観測データを取得した監視局1は、21号観測局4−5に対してCH3中継局2−2を介して呼出信号を送信する(o)。呼出信号に対して、21号観測局4−5は観測データを返送する(p)。
【0150】
CH3に属する全ての子局の観測データを取得した監視局1は、CH3中継局2−2に対して停止指令を送信する(q)。CH3中継局2−2は停止指令を受信するとCH3中継局2−2を停止状態にする。CH3中継局2−2は、監視局1に対して、CH3中継局2−2が停止中であることを示す動作状態を返送する(r)。
【0151】
図17は、図14の設定開始時刻3016のタイムスケジュールにしたがって監視局1による観測データの取得が行われる場合の監視システムのタイムチャートである。なお、図17においては、送信時間T1から送信時間T10までと、局間時間I1から局間時間I9までとが表す時間の長さは、図6と、図7と、図8と、図9とに示されている長さと同じである。しかし、時刻については、観測データを取得する子局の順番を変更しているため、同じではない。正定時時刻をt0として、動作の順番に時刻の符号がふられている。正定時時刻0より以前の動作については、負の数字を用いた符号によって、時刻が正定時時刻t0以前であることを表している。
【0152】
監視局1は、正定時時刻t0以前の時刻t−7において、CH3中継局2−2を起動状態にする信号をCH3中継局2−2に送る。監視局1は、CH3中継局2−2が起動状態になるまでの時間I5を待機した後に、時刻t−6において21号観測局4−1に呼出信号を送信して観測データを取得する。次に、監視局1は、時間I6を待機した後に、時刻t−4において21号観測局4−2に呼出信号を送信して観測データを取得する。次に、監視局1は、時間I7を待機した後に、時刻t−2において21号観測局4−3に呼出信号を送信して観測データを取得する。
【0153】
次に、54号観測局3−1は、正定時時刻t0において観測データの送信を開始する。監視局1は、54号観測局3−1の送信時間T1の時間を要して観測データを受信する。監視局1は、t0から送信時間T1が経過したt1から、54号観測局3−2の送信時刻であるt2まで、局間時間I1を設ける。
【0154】
監視局1は、同様に、54号観測局3−2から送信時間T2で観測データを受信し、局間時間I2の後に、54号観測局3−3から送信時間T3で観測データを受信し、さらに局間時間I3の後に、54号観測局3−4から送信時間T4で観測データを受信する。
CH1中継局2−1は、54号観測局3−3の送信時刻t5より所定の時間早いt4において起動状態となり、54号観測局3−4からの観測データの送信時間T4が終了する時刻t8が経過した後、所定の時間遅いt9において停止状態となる。
【0155】
監視局1は、時刻t9において、21号観測局4−4に呼出信号を送信する。監視局1は、時刻t11において、21号観測局4−5に呼出信号を送信する。t10及びt12は、それぞれ21号観測局4−4及び21号観測局4−5の観測データの監視局1による取得が終了する時刻である。CH2の全ての子局からの観測データの取得が終了した後、時刻t13において、監視局1は、CH2中継局2−2を停止状態にする。
【0156】
このように構成された第1の実施形態の監視システムでは、54号システムとの同時判定を行う同時稼動判定部126によって、必ずしも21号システムを54号システムの稼働後に稼働するものと設定せずとも、21号システムが54号システムと同時刻に稼働してしまう事態を回避することが可能となった。そのため、21号システムを54号システムの稼働時刻以前に設定することが可能となり、送信完了目標時間までの、監視局1による不足のない観測データの取得が可能となった。
【0157】
(第2の実施形態)
上記実施形態では、設定したスケジュールに沿って、各観測局からデータ受信を行ってきた。しかしながら、各観測局のセンサ異常や通信異常等の事情で、観測データを欠測したり、受信できても一部のセンサ情報が欠けている場合も考えられる。
本実施形態では、観測データが受信エラーとなった観測局に対して、再呼び出しを行って、観測データの取得を行う実施形態について、説明する。
【0158】
まず図を用いて、エラーにおける制御画面1000の表示の具体例を示す。
【0159】
図18は、図6の制御画面1000において、現況データ1001が選択された時に表示される、現況表示画面1060である。
【0160】
図18の、表示項目1063、1064、1065、1066の表示項目は、それぞれ、監視局1が取得した54号観測局3−3、54号観測局3−4、21号観測局4−2及び21号観測局4−3の観測データを表す。表示項目1063、1064、1065、1066の表示項目は、それぞれ、監視局1が取得した54号観測局3−3、54号観測局3−4、21号観測局4−2及び21号観測局4−3に実装されている観測装置の観測データの表示項目を有する。図18は、左右スクロールによって、表示項目1063及び表示項目1066の一部の表示項目が表示され、表示項目1064、及び表示項目1065の全部表示項目が表示されていることを示している。表示項目1066に表示されている「*****」の表示は、欠測データであることを示している。
【0161】
図19は、順番設定表示画面3000に入力されたスケジュールにしたがって、監視局1が観測データを取得した時に、スケジュールと実際の観測において、時間差が生じた場合の具体例を表す。
【0162】
前述したように、実際開始時刻3017は、実際の観測データ取得時の時刻を表す。図19においては、順番が3のG局において、設定開始時刻3016と実際開始時刻3017の間に時間差が生じている。すなわち、I局において、エラーが生じている。順番設定表示画面3000は、実際の観測データの取得時刻がスケジュールと異なる子局については、図19に斜線で示すように特徴的な表示をしてもよい。なお、その後の子局については、G局における時間差がそのまま反映されているものであり、エラーは生じていない。
【0163】
図20は、図19に示されるスケジュールを監視局1が実行する場合に、順番設定表示画面3000の最後3042ボタンが選択されており、再度呼出信号の送付が行われる場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【0164】
ステップS101から、ステップS115までは図15に記載のステップと同じステップである。ステップS115において、p(=p0+1)番目のデータが存在しないことが判明した場合(ステップS115:NO)、再呼出観測決定部127は、ステップS1110とステップS112とで受信したデータに基づいて、21号仕様観測局再呼出条件3030において設定されたエラーを生じた子局を決定する(ステップS117)。21号仕様観測局再呼出条件3030において設定されたエラーを生じた子局がない場合には(ステップS117:NO)、監視局1は処理を完了する。21号仕様観測局再呼出条件3030において設定されたエラーを生じた子局がある場合には(ステップS117:YES)、再呼出時刻設定部128が、再度呼出の信号を送付するスケジュールを設定し、21号データ取得部1122はそのスケジュールにしたがって、21号仕様観測局再呼出条件3030において設定されたエラーを生じた子局に対して再度呼出の信号を送付する(ステップS118)。次に、21号データ取得部1122は再度呼出の信号を受信した子局からの観測データを受信する(ステップS119)。観測データを受信した後、ステップS117に戻る。
【0165】
前述したように、図19に表示されたスケジュールにおいて、監視局1によるG局の観測データ取得の際にエラーを生じている。エラーが、G局に対して再度呼出を必要とする場合であり、最後3042が選択されている場合に、図20のフローにおいて、G局に対しては具体的に次の処理がなされる。
ステップS115でNOの判定結果が出た後、ステップS117の判定において、G局はエラーがある子局と判定され、再度呼出が決定される。すなわち、ステップS117においてYESが選択される。ステップS118にて、G局に対して再度呼出の信号が送付される。次に、ステップS119にて、監視局1はG局の観測データを取得する。
【0166】
図21は、図19に示されるスケジュールを監視局1が実行した後、順番が3のG局に対する再度呼出信号の送付が行われる場合における、監視システムの処理の流れを示すシーケンス図である。再呼出の信号送付は、再呼出タイミング指示ボタン3040の最後3042が選択されているために、スケジュールの10番目に行われる。
【0167】
図21の(a)〜(p)は、図16と同様のシーケンスであり、図19において設定スケジュール順番3011の数字が1から9までのスケジュールを実行する際のシーケンスを表す。
【0168】
シーケンスの(p)が終了した後、監視局1は、エラーを生じたG局に対して、再度呼出の信号の送信を行う(q)。再度呼出の信号を受信したG局は、CH3中継局2−2を介して、監視局1に観測データを再度送信する(r)。
CH3に属する全ての子局の観測データを取得した監視局1は、CH3中継局2−2に対して停止指令を送信する(s)。CH3中継局2−2は停止指令を受信するとCH3中継局2−2を停止状態にする。CH3中継局2−2は、監視局1に対して、CH3中継局2−2が停止中であることを示す動作状態を返送する(t)。
【0169】
図22は、図19に示されるスケジュールを監視局1が実行した後、順番が3のG局に対する再度呼出信号の送付が行われる場合における、監視システムのタイムチャートを示す図である。再呼出の信号送付は、再呼出タイミング指示ボタン3040の最後3042が選択されているために、スケジュールの10番目に行われる。なお、図22においては、時刻t−7から時刻t−12までは図17と同様である。しかし、図17と異なり図22は再度呼出を行う場合のタイムスケジュールであるので、時刻t13以降は図17と異なるタイムスケジュールとなる。時刻t13に監視局1は、G局に対して再度呼出の信号を送信する。時刻t14において、監視局1は、再度呼出を受信したG局の観測データの受信を完了する。
CH3の全ての子局からの観測データの取得が終了した後、時刻t15において、監視局1は、CH3中継局2−2を停止状態にする。
【0170】
このように構成された第1の実施形態の監視システムでは、再度呼出の信号の送付を、一度は全ての子局の観測データを取得した後にできるようになった。そのため、監視局1が、送信完了目標時間までに全ての子局から一度はすべての観測データを取得する、ことが可能となった。
【0171】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、監視局1が21号観測局4の観測データを取得する時刻における54号システムとの同時判定を行う同時稼動判定部126と、取得した21号測定データに対して、上記電気通信関係機器仕様書に定められているエラーの判定をするエラー種別判定部125と、前述のエラーの判定の結果に基づいて、再度呼出の信号の送付対象となる21号観測局を決定する再呼出観測決定部127と、再度呼出の信号の送付時刻を、上記再度呼出の信号の送付対象となる21号観測局測定データの一度目の観測データ取得直後とするか、全ての子局の観測データ取得後とするかのいずれか一方を、入力にしたがって、スケジュールに設定する再呼出時刻設定部128と、を持つことにより、送信完了目標時間までに監視局1が少なくとも一度はすべての子局の観測データの取得することができる。
【0172】
なお、上述した装置は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
また、図を用いて説明した装置の各機能部は、ソフトウェア機能部であるものとしたが、機能の一部又は全部は、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
【0173】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0174】
1…監視局、2…中継局、3…54号観測局、4…21号観測局、11…監視装置、12…管理端末、122…スケジュール制御部、123…データフォーマット制御部、124…休止制御部、125…エラー種別判定部、126…同時稼動判定部、127…再呼出観測決定部、128…再呼出時刻設定部
図1
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