(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3に示すように、本発明の建具である玄関ドア1(以下、ドア1と略す)は、いわゆる片開きドアであり、建物の外壁開口部に固定される建具枠であるドア枠2と、このドア枠2に開閉可能に支持される戸体である扉5とを備えて構成されている。
【0015】
ドア枠2は、上枠10、下枠20および左右の縦枠30,40を有する。なお、
図1の右側に配置される縦枠30が吊元側とされて丁番4が取り付けられ、
図1の左側に配置される縦枠40が戸先側とされている。丁番4は、旗丁番などの一般的な丁番である。また、ドア枠2としては、下枠20を備えないタイプでもよい。
以下の説明において、ドア枠2(上枠10、下枠20、縦枠30、40)や扉5の見込み方向とは屋内外方向(奥行き方向)を意味し、上枠10、下枠20の見付け方向とは上下方向を意味し、縦枠30、40の見付け方向とはドア枠2を正面(室外面や室内面)から見た際の左右方向を意味する。このため、
図1〜3に示すように、玄関ドア1の上下方向をY軸とし、Y軸に対して直交し、かつ、扉5の表面に平行な左右方向をX軸とし、X軸およびY軸に直交する方向をZ軸とすると、見込み方向はZ軸方向であり、上枠10、下枠20の見付け方向はY軸方向であり、縦枠30、40の見付け方向はX軸方向となる。
【0016】
上枠10は、
図2に示すように、アルミ製の屋外部材11および屋内部材12を、ウレタン樹脂等の断熱材13で連結して構成された断熱形材であり、屋外部材11および屋内部材12が図示略の躯体に固定される。上枠10には、扉5の屋内面に当接可能なタイト材15が取り付けられている。
なお、
図2〜9において、断熱材13と、後述する扉5の断熱芯材53、沓摺部24以外の構成に関しては、図を見やすくするためにハッチングを省略している。
【0017】
屋外部材11は、中空枠形状とされたアルミ(金属)製の押出形材である。なお、屋外部材11の下面部113は、ドア枠2の見込み方向に沿った見込み面を構成する。
屋内部材12は、アルミ(金属)製の押出形材であり、ドア枠2の見込み方向に沿って設けられた下面部121と、下面部121から下方に突出して設けられた保持片部122とを備える。保持片部122の屋外面に形成された溝部に、タイト材15が取り付けられている。したがって、保持片部122は、扉5の屋内側に配置される屋内側見付け面を構成する。
【0018】
タイト材15は、EPDM(エチレンプロピレンゴム)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の一般的な合成樹脂材で構成されている。タイト材15は、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。
【0019】
下枠20は、アルミ押出形材で構成され、見込み面となる上面部213と、タイト材25を保持する保持片部222とを備えている。
下枠20は、例えば、モルタルで納まるため、熱の出入りが少ない。このため、下枠20は、上枠10のようなアルミ断熱形材ではなく、屋外側から屋内側まで一体に形成されたアルミ押出形材で構成されている。
下枠20には、ゴム製の沓摺部24と、タイト材25とが取り付けられている。
タイト材25は、タイト材15と同一の部品であり、保持片部222に取り付けられて扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。下枠20の屋内露出面は、沓摺部24およびタイト材25で被覆されている。
【0020】
吊元側の縦枠30および戸先側の縦枠40は、
図3に示すように、アルミ押出形材からなる屋外部材31、41と、屋内部材32、42とを、ウレタン樹脂等の断熱材33、43で連結したアルミ断熱形材で構成されている。さらに、上枠10と同様に、屋外部材31、41と、屋内部材32,42とは、図示略の躯体に固定されている。
屋外部材31、41は、中空枠形状とされ、ドア枠2の見込み方向に沿った見込み面を構成する側面部313、413を備える。
【0021】
屋内部材32、42は、ドア枠2の見込み方向に沿って設けられる側面部321、421と、側面部321、421から側方に突出して設けられて、屋内側見付け面部を構成する保持片部322、422とを備える。保持片部322、422の屋外面に形成された溝部に、タイト材35、45が取り付けられている。
タイト材35、45は、タイト材15、25と同じ材質の合成樹脂材であり、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。
【0022】
扉5は、
図2,3に示すように、屋外面材51と、屋内面材52と、断熱芯材53とを備えている。屋外面材51および屋内面材52は、断熱芯材53の屋外面および屋内面に接着剤で接着されて一体化されている。なお、屋外面材51および屋内面材52は、必ずしも断熱芯材53の屋外面および屋内面に接着されたものに限定されず、ブラケットなどを介して断熱芯材53に取り付けられてもよい。要するに、屋外面材51および屋内面材52は、断熱芯材53の屋外側および屋内側に設けられていればよい。
【0023】
屋外面材51および屋内面材52は、鋼板で構成されている。屋外面材51は、断熱芯材53の屋外面に沿って配置され、屋内面材52は断熱芯材53の屋内面に沿って配置されている。
断熱芯材53は、EPS(発泡ビーズ法ポリスチレン)製の断熱材で構成されている。なお、断熱芯材53は、フェノール樹脂系の断熱材を用いてもよいし、ハニカム材(水酸化アルミハニカム、セラミックハニカム、ペーパーハニカム)、フォーム材(イソシアヌレートフォーム、ウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム)等の断熱材が使用されてもよい。
断熱芯材53は、扉5の見込み方向(Z軸方向)に沿った外周面(上面、下面、左右の側面)を備えている。玄関ドア1の扉5は、左右方向の寸法(X軸方向の寸法)に比べて上下寸法(Y軸方向の寸法)が長い縦長の扉5であり、断熱芯材53も縦長に形成されている。このため、断熱芯材53の外周面のうち、左右の側面の長手方向(上下方向)の寸法は、上面および下面の長手方向(左右方向)の寸法に比べて長くされている。
【0024】
屋外面材51は、断熱芯材53の屋外面に接着される屋外面部511と、屋外面部511の周囲に設けられた周縁部510A〜510Dを備えている。
図2に示すように、屋外面材51の上下の周縁部510A、510Bは、屋外面部511から上方向および下方向(Y軸方向)に延長された延長部512A、512Bと、延長部512A、512Bの上下の各端縁から屋内側(Z軸方向)に折曲されて設けられた屋外見込み面部513A、513Bと、屋外見込み面部513A、513Bの屋内側端縁から断熱芯材53側(Y軸方向)に折曲されて設けられた屋外見付け面部514A、514Bとを備えている。
【0025】
図3に示すように、屋外面材51の左右の周縁部510C、510Dは、屋外面部511からX軸方向に沿った左右方向(縦枠30側および縦枠40側)に延長された延長部512C、512Dと、延長部512C、512Dの左右の各端縁から屋内側(Z軸方向)に折曲されて設けられた屋外見込み面部513C、513Dと、屋外見込み面部513C、513Dの屋内側端縁から断熱芯材53側(Y軸方向)に折曲されて設けられた屋外見付け面部514C、514Dとを備えている。
なお、戸先側の屋外見込み面部513Dには、
図3に示すように、ラッチボルト6Aやデッドボルト(図示略)等を備える錠6と、アルミニウムなどの金属製のエッジ材7が取り付けられている。このため、延長部512Dの延出寸法(X軸方向の寸法)は、他の延長部512A、512B、512Dに比べて短く設定されている。
【0026】
屋内面材52は、断熱芯材53の屋内面に接着される屋内面部521と、屋内面部521の周囲に設けられた周縁部520A〜520Dを備えている。
図2に示すように、屋内面材52の上下の周縁部520A、520Bは、屋内面部521の上下の各端縁から連続して形成されて断熱芯材53の上面および下面に沿って屋外側に延長された外周面部522A、522Bと、外周面部522A、522Bから上方向および下方向に延長された屋内見付け面部523A、523Bと、屋内見付け面部523A、523Bから断熱芯材53の上面および下面に沿って屋外側に延長された屋内見込み面部524A、524Bとを備えている。
なお、屋内見付け面部523A、523Bの延出寸法(Y軸方向の寸法)は、延長部512A、512Bの延出寸法よりも短くされている。また、屋内見付け面部523A、523Bは、鋼板を折り返して形成されており、鋼板2枚の厚さ寸法とされている。
【0027】
図3に示すように、屋内面部521の吊元側の周縁部520Cは、屋内面部521の吊元側の端縁から断熱芯材53の側面に沿って屋外側に折曲された外周面部522Cと、外周面部522Cから縦枠30側に延長された屋内見付け面部523Cと、屋内見付け面部523Cから断熱芯材53の側面に沿って屋外側に延長された屋内見込み面部524Cとを備えている。屋内見付け面部523Cは、屋内見付け面部523A、523Bと同じく、鋼板を折り返して形成されており、鋼板2枚の厚さ寸法とされている。したがって、周縁部520Cは、周縁部520A、520Bと同様に構成されている。
【0028】
図3に示すように、屋内面部521の戸先側の周縁部520Dは、屋内面部521の戸先側の端縁から断熱芯材53の側面に沿って屋外側に折曲された外周面部522Dと、外周面部522Dから縦枠40側に延長された屋内見付け面部523Dとを備えている。
このため、周縁部520Dは、屋内見付け面部523Dの端縁が屋内面材52の端縁とされており、屋内見付け面部523Cのように鋼板が折り返されて構成されていない点と、このために周縁部520A〜520Cの屋内見込み面部524A〜524Cに対応する部分を備えていない点で、周縁部520A〜520Cと相違する。なお、屋外面材51、屋内面材52は、縦長に形成されているため、左右の周縁部510C、510D、520C、520Dは、屋外面材51、屋内面材52の長手方向(上下方向)に沿った周縁部である。
【0029】
図2〜4に示すように、扉5の外周面の屋内側端部、つまり扉5においてドア枠2の見込み面に対向する見込み面と、屋内面材52に沿った屋内面とが交差する角部には、前記屋内面材52の外周面部522A〜522Dと、屋内見付け面部523A〜523Dとで区画される凹部(段部)57が形成されている。
【0030】
屋外面材51と、屋内面材52とは、屋外見付け面部514A〜514Dと、屋内見付け面部523A〜523Dとを、締結部材であるリベット65で直接締結している。このため、本実施形態では、屋外見付け面部514A〜514Dが屋外面材51の締結面部であり、屋内見付け面部523A〜523Dが屋内面材52の締結面部である。なお、屋外見付け面部514A〜514Dに裏板を設けて、屋外面材51および屋内面材52をネジを用いて締結してもよい。
【0031】
屋外見付け面部514A〜514Dと、屋内見付け面部523A〜523Dとの間には、断熱部材60が配置されている。
断熱部材60は、屋外面材51および屋内面材52間での熱伝導を抑制して断熱性を向上できる材質であればよく、ウレタン樹脂等の一般的な断熱材でもよいし、不燃性ポリウレタン等の不燃性を有する断熱材でもよい。
断熱部材60は、屋外見付け面部514A〜514Dおよび屋内見付け面部523A〜523Dをリベット65で締結した際に、屋外面材51および屋内面材52が直接接触することを防止できるように構成されている。このため、断熱部材60は、少なくともリベット65の締結箇所に配置されていればよく、ピース状の断熱部材を、間隔を空けて複数個配置してもよいが、本実施形態では、長尺の断熱部材60として形成されている。そのため、断熱部材60は、屋外見付け面部514A〜514Dおよび屋内見付け面部523A〜523D間の全長に渡って配置されている。
また、断熱部材60は、
図4にも示すように、屋外見付け面部514A〜514Dの端縁が当接される突起部61を備えている。突起部61は、屋外見付け面部514A〜514Dの端縁と、屋内見込み面部524A〜524Cとの間に配置され、屋外見付け面部514A〜514Dが屋内見込み面部524A〜524Cと直接接触しないように構成している。
【0032】
したがって、屋外見付け面部514A〜514D、断熱部材60、屋内見付け面部523A〜523Dには、見込み方向に貫通する貫通穴が所定間隔で形成され、貫通穴に挿通されるリベット65により屋外面材51および屋内面材52は、断熱部材60を介在して締結されている。また、リベット65によって規制される屋外見付け面部514A〜514Dと、屋内見付け面部523A〜523Dとの間隔寸法(見込み方向つまりZ軸方向の寸法)に応じて断熱部材60の厚さ寸法(Z軸方向の寸法)が設定されている。このため、リベット65で締結した際に、屋外見付け面部514A〜514Dと、屋内見付け面部523A〜523Dとは、断熱部材60に隙間無く密着し、屋外見付け面部514A〜514D、屋内見付け面部523A〜523D間でガタツキが生じないように構成されている。
エッジ材7は、アルミニウムなどの金属製の押出形材で形成され、屋外見込み面部513Dに図示略のリベットや接着剤などを用いて固定されている。
【0033】
扉5の周縁部の凹部57には、樹脂部材8が装着されている。樹脂部材8の形状について、
図4を参照して説明する。なお、
図4では、錠6は省略している。
樹脂部材8は、屋外面部81と、屋外面部81の外周側端部から屋内側に延出されてドア枠2の見込み面(下面部113、上面部213、側面部313、413)に対向する見込み面部82と、保持片部122、222、322、422に対向する見付け面部83と、断面円弧状に形成されて見込み面部82および見付け面部83を連結する連結部84とを備えている。
【0034】
屋外面部81において、断熱部材60に当接する端部の厚さ寸法(見込み方向の寸法)は、屋外面部81の他の部分に比べて大きくされている。このため、扉5の上面、下面および吊元側の側面に配置される樹脂部材8の屋外面部81は、屋外見付け面部514A〜514Cと屋内見付け面部523A〜523Cとの隙間に圧入されている。また、戸先側の側面に配置される樹脂部材8の屋外面部81は、エッジ材7の屋内側端部と屋内見付け面部523Dとの間に圧入されている。
【0035】
見付け面部83の屋外面(屋内見付け面部523A〜523Dに対向する面)には、溝831が形成されている。この溝831に図示略の小口キャップの係止片を差し込むことで、各樹脂部材8は扉5に取り付けられる。
【0036】
このような樹脂部材8は、屋外面部81から見付け面部83までの見込み方向(Z軸方向)の寸法を、外周面部522A〜522Dの見込み寸法を基準に設定することで、見付け面部83が屋内面部521とほぼ同一面となるように設定されている。このため、屋内面部521と見付け面部83との間には、段差が生じないようにされている。
また、周縁部520A〜520Cに設けられる樹脂部材8は、見込み面部82から見付け面部83の先端部までの見付け方向(扉5の上下に設けられる樹脂部材8ではY軸方向、吊元側に設けられる樹脂部材8ではX軸方向)の寸法を、屋内面材52の外周面部522A〜522Cから屋外面材51の屋外見込み面部513A〜513Cまでの寸法を基準に設定することで、見込み面部82が屋外見込み面部513A〜513Cとほぼ同一面となるように設定されている。このため、屋外見込み面部513A〜513Cと見込み面部82との間には段差が生じないようにされている。
【0037】
このような構成の樹脂部材8は、ポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂等に、熱膨張性黒鉛等の熱膨張性材料を混入した熱膨張性樹脂材を押出成形することで製造されたものであり、発泡温度まで加熱されると樹脂部材8の全体が発泡、膨張する。
この際、見込み面部82は、ドア枠2の見込み面(下面部113、上面部213、側面部313、413)に対向して設けられており、ドア枠2の見込み面に向かって発泡する。このため、見込み面部82によって、第1加熱発泡部が構成されている。
見付け面部83は、ドア枠2の屋内側見付け面、つまりタイト材15、25、35、45が取り付けられた保持片部122、222、322、422に対向して設けられており、ドア枠2の屋内側見付け面に向かって発泡する。このため、見付け面部83によって、第2加熱発泡部が構成されている。
連結部84は、円弧状に湾曲されているため、見込み方向および見付け方向に対して交差する斜め方向に発泡する。このため、連結部84は、例えば、断熱材13、33、43に向かって発泡する。
【0038】
扉5と、ドア枠2との間の防火構造について、扉5の戸先側と縦枠40との間で樹脂部材8が発泡した状態を示す
図5、6を参照して説明する。なお、
図5は、扉5の屋外側を加熱して試験を行った屋外側加熱状態であり、
図6は、扉5の屋内側を加熱して試験を行った屋内側加熱状態を示す。
【0039】
図5に示すように、屋外側加熱状態では、屋外面材51等が熱伸びするため、扉5の上端部や下端部は屋内側に移動するように反る。なお、扉5の上下方向の中間部は、ラッチボルト6Aやデッドボルトで、ドア枠2に係止されるため、扉5が熱反りした際には、扉5の上下方向中間部は移動せず、上端部や下端部が移動する。
このため、扉5の上端部や下端部は屋内側に移動し、タイト材15、25、35、45との隙間は熱反りしていない場合に比べて狭くなる。
樹脂部材8が発泡して膨張すると、扉5とドア枠2の見込み面との隙間や、扉5とタイト材15、25、35、45や保持片部122、222、322、422との隙間を、発泡した樹脂部材8が塞ぐ。樹脂部材8は、タイト材15、25、35、45、断熱材13、33、43、断熱部材60等も覆うため、タイト材15、25、35、45や断熱材13、33、43、断熱部材60が焼失することも防止できる。
【0040】
図6に示すように、屋内側加熱状態では、屋内面材52等が熱伸びするため、扉5の上下方向の中間部に対して、扉5の上端部や下端部は屋外側に移動するように反る。このため、扉5の上端部や下端部と、タイト材15、25、35、45との隙間は、熱反りしていない場合に比べて広くなる。
樹脂部材8が発泡して膨張すると、扉5とドア枠2の見込み面との隙間や、扉5とタイト材15、25、35、45や保持片部122、222、322、422との隙間を、発泡した樹脂部材8が塞ぐ。また、屋内側を加熱するため、タイト材15、25、35、45が溶融することもあるが、樹脂部材8が発泡して扉5とドア枠2との隙間を塞ぐため、防火性能を確保することができる。
また、樹脂部材8は、断熱材13、33、43、断熱部材60等も覆うため、断熱材13、33、43、断熱部材60が焼失することも防止できる。
さらに、鋼板からなる屋外面材51、屋内面材52を、リベット65で直接締結しているため、火災時も屋外面材51、屋内面材52の締結状態を維持でき、扉5部分での防火性も確保できる。
【0041】
以上のように、火災時には熱膨張性黒鉛を含有する樹脂部材8が発泡、膨張するため、扉5とドア枠2との隙間を塞ぐことができ、屋外面材51および屋内面材52もリベット65で締結されているので、玄関ドア1において必要な防火性能が確保される。
【0042】
[第1実施形態による効果]
本実施形態によれば、本発明で得られる効果を奏することができる上、以下の効果も奏することができる。
骨材を不要にできるため、扉5を構成する部品点数も少なくでき、扉5の生産効率を向上できる。その上、扉5を軽量化できるので、扉5を開閉する際に必要な開閉力を低減できる。このため、ユーザーは扉5を容易に開閉でき、ドアクローザーを設けた場合も扉5を確実に閉めることができる。
また、扉5は断熱芯材53で剛性を確保でき、さらに、屋外面材51や屋内面材52の周縁部510A〜510D、520A〜520Dでは、屋外面材51、屋内面材52を折り曲げているため、周縁部510A〜510D、520A〜520Dでの剛性も確保できる。したがって、骨材を設けなくても、扉5として必要な剛性を確保できる。特に、屋外面材51および屋内面材52の上下および左右の周縁部510A〜510D、520A〜520Dに設けた締結面部である屋外見付け面部514A〜514D、屋内見付け面部523A〜523Dをリベット65で締結しているため、例えば、断熱芯材53の左右の周縁部510C、510D、520C、520Dの締結面部のみをリベット65で締結した場合に比べて扉5の剛性を向上できる。
【0043】
扉5では、屋外面材51および屋内面材52を、リベット65で直接締結しているので、火災時にも屋外面材51および屋内面材52の締結状態を維持できる。このため、扉5およびドア枠2間を樹脂部材8を発泡させて塞ぐことで、遮炎ラインを形成でき、玄関ドア1の防火性能を向上できる。
また、屋内見付け面部523A〜523Cは、屋内面材52を折り曲げて鋼板が2重に重なっているので、リベット65の締結時の強度をより向上できる。
【0044】
扉5の外周面の屋内側端部に樹脂部材8を設けたので、扉5が熱反りしても、樹脂部材8を建具枠であるドア枠2の見込み面に対向して位置させることができる。したがって、扉5が屋内側だけでなく屋外側に熱反りしても、樹脂部材8の見込み面部82を、ドア枠2の見込み面に向かって確実に発泡させることができる。このため、ドア枠2と扉5との隙間を、発泡、膨張した見込み面部82で塞ぐことができ、玄関ドア1の防火性能を向上できる。
また、樹脂部材8は見付け面部83を備えているので、屋内側見付け面部である保持片部122、222、322、422と、扉5との間も、発泡、膨張した見付け面部83で塞ぐことができる。したがって、玄関ドア1の防火性能をさらに向上できる。
【0045】
樹脂部材8は扉5側に設けているので、扉5を開いた場合にドア枠2が露出しても意匠性を低下させることがない。また、扉5を閉めた状態では、樹脂部材8は、保持片部122、222、322、422や、タイト材15、25、35、45で隠されて、樹脂部材8全体が屋内側に露出することはないため、扉5を閉めた状態でも意匠性を維持できる。したがって、意匠性に優れ、防火性能を向上できる玄関ドア1を提供できる。
【0046】
樹脂部材8は見付け面部83を備えているので、タイト材15、25、35、45を、発泡、膨張した見付け面部83で覆うことができる。このため、不燃性タイト材を用いる必要が無く、扉5を閉めた際に、色合いに制約がある不燃性タイト材が屋内側に露出して意匠性が低下することも防止できる。
さらに、不燃性タイト材に比べて柔らかい一般的なタイト材を用いることができるので、扉5を閉じた場合の反発力も小さくできる。このため、不燃性タイト材を用いたためにドアクローザーで扉5を完全に閉じることもできないといった不具合も防止できる。
【0047】
樹脂部材8は、見込み面部82と、見付け面部83に加えて、これらの間に配置された連結部84を設け、連結部84を断面円弧状に湾曲させて斜め方向に向かって発泡可能に構成したので、見込み面部82で塞がれる空間と、見付け面部83で塞がれる空間との間の空間も塞ぐことができる。したがって、発泡、膨張した連結部84で断熱材13、33、43を覆うこともでき、ドア枠2と扉5との間をより確実に塞ぐことができ、防火性能を向上できる。
【0048】
樹脂部材8は、扉5の屋内面材52を折曲して形成した凹部57に配置しているので、樹脂部材8の寸法に合わせて凹部57を形成することも容易であり、樹脂部材8を屋内面部521や屋外見込み面部513A〜513C等に対して段差無く配置できる。
【0049】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、
図7を参照して説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成については同一符号を付して説明を省略、簡略する。
第2実施形態は、屋外面材51および屋内面材52の締結構造と、樹脂部材8の構成が第1実施形態と相違する。
すなわち、
図7に示すように、第2実施形態の扉5Aでは、屋外面材51は、屋外面部511から屋内側に折曲された屋外見込み面部513Dを備えている。また、屋内面材52は、屋内面部521から屋外側に折曲された外周面部522Dと、外周面部522Dの屋外側端部から外周側(ドア枠2側)に折曲された屋内見付け面部523Dと、屋内見付け面部523Dから屋外側に延出された屋内見込み面部524Dとを備えている。
そして、屋外面材51の屋外見込み面部513Dの外周側(ドア枠2側)に屋内見込み面部524Dが配置され、屋外見込み面部513Dおよび屋内見込み面部524Dは、これらを見付け方向に貫通するリベット65Aによって締結されている。したがって、屋外見込み面部513Dが屋外面材51の締結面部であり、屋内見込み面部524Dが屋内面材52の締結面部である。なお、リベット65Aは、見付け方向に向かって配置されているため、屋外面材51(屋外見込み面部513D)および屋内面材52(屋内見込み面部524D)の見込み方向の位置は、それぞれリベット65Aを基準に設定される。このため、屋外見込み面部513Dおよび屋内見込み面部524D間の間隔寸法(スペーサー部86の厚さ寸法)は、屋外見込み面部513Dおよび屋内見込み面部524Dの位置決めに影響しない。
【0050】
扉5Aに設けられる樹脂部材8Aは、屋外面部81、見込み面部82、見付け面部83、連結部84を備え、さらに、屋外面部81から屋外側に延出されたカバー部85と、屋外見込み面部513Dおよび屋内見込み面部524D間に配置されるスペーサー部86とを備えている。
カバー部85は、ドア枠2の見込み面に対向して設けられて、扉5の屋外面材51や屋内面材52の端部を覆うものである。スペーサー部86は、屋外見込み面部513Dおよび屋内見込み面部524D間に配置されて、これらが直接接触することを防止している。したがって、スペーサー部86は、第1実施形態の断熱部材60と同様に、屋外面材51および屋内面材52間に配置された断熱部材を兼ねている。
【0051】
樹脂部材8Aにおいて、屋外面部81、見込み面部82、見付け面部83、連結部84は、樹脂部材8と同様に、熱膨張性黒鉛を含有した樹脂で成形されている。また、カバー部85およびスペーサー部86は、熱膨張性黒鉛を含有した樹脂で成形してもよいし、熱膨張性黒鉛を含有しない樹脂で成形してもよい。
熱膨張性黒鉛を含有した樹脂でカバー部85を成形すれば、扉5の外周面とドア枠2の見込み面(側面部413)との隙間を塞ぐ領域を増やすことができ、扉5およびドア枠2間で火炎や煙をより確実に遮ることができる。
熱膨張性黒鉛を含有した樹脂でスペーサー部86を成形すれば、屋外面材51および屋内面材52間を確実に塞ぐことができ、断熱芯材53からガスが発生してもそのガスが屋外面材51および屋内面材52間から流出することを防ぐことができる。
【0052】
扉5Aの戸先側には、樹脂部材8Aの屋外側にエッジ材7が取り付けられている。このため、エッジ材7の見込み寸法は、第1実施形態のエッジ材7に比べて短い寸法である。
【0053】
[第2実施形態による効果]
第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、屋外見込み面部513Dおよび屋内見込み面部524Dの見込み方向の位置決めは、リベット65Aの軸を基準に設定できるため、屋外見込み面部513Dおよび屋内見込み面部524Dの見付け方向の間隔寸法を、スペーサー部86の厚さ寸法に合わせる必要が無い。このため、スペーサー部86を圧縮状態で配置する必要が無く、スペーサー部86の経年劣化も抑制できる。
また、リベット65Aは、屋外見込み面部513D、屋内見込み面部524Dを締結するだけでなく、樹脂部材8Aの固定にも兼用でき、扉5Aの生産効率を向上できる。
【0054】
さらに、樹脂部材8Aにカバー部85、スペーサー部86を設けたので、扉5Aの外周面を覆うエッジ材や、屋外面材51および屋内面材52間に配置される断熱部材を樹脂部材8Aで兼用することができる。このため、扉5Aの部品数を少なくできて組立性を向上できる。
さらに、断熱芯材53と屋外見込み面部513D、屋内見込み面部524Dとの隙間を小さくできるため、扉5Aの断熱性能や剛性を向上できる。
【0055】
[変形例]
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、樹脂部材8としては、
図8の扉5Bに用いられる樹脂部材8Bでもよいし、
図9の扉5Cに用いられる樹脂部材8Cでもよい。扉5B、5Cは、屋外見込み面部513Dや屋内見込み面部524Dの寸法が相違し、リベット65Aで締結される箇所が異なるものである。すなわち、扉5Bでは、締結面部である屋外見込み面部513D、屋内見込み面部524Dは、扉5Bの外周面において、屋外側に近い位置でリベット65Aにより締結されている。扉5Cでは、締結面部である屋外見込み面部513D、屋内見込み面部524Dは、扉5Cの外周面においてほぼ中間位置でリベット65Aにより締結されている。なお、リベット65Aは、カバー部85を貫通して設けられているが、スペーサー部86はリベット65Aに当接する位置までしか延長されていないため、スペーサー部86を貫通させる必要は無く、その分、樹脂部材8B、8Cの加工も容易にできる。
樹脂部材8B、8Cは、樹脂部材8Aと同様の構成とされ、屋内見込み面部524Dの長さ寸法の相違などに応じた形状とされている。
これらの変形例においても、前記第1,2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0056】
前記各実施形態では、屋内面材52の端部を折り曲げて凹部57を形成していたが、凹部57を設けずに、断熱芯材53の外周面に沿って折り曲げた外周面部522Aをそのまま屋外側に延長してもよい。この場合も、樹脂部材8、8A〜8Cの見付け面部83が屋内面部521と同一面に配置されるように、樹脂部材8、8A〜8Cの形状や寸法を設定すればよい。
【0057】
前記各実施形態では、屋外面材51および屋内面材52の上下および左右の各周縁部510A〜510D、520A〜520Dに設けた締結面部をリベット65、65Aで締結していたが、周縁部510C、510D、520C、520Dに設けた締結面部のみをリベット65、65Aで締結してもよい。すなわち、屋外面材51および屋内面材52の少なくとも長手方向に沿った周縁部に設けた締結面部を締結部材で締結すればよい。例えば、前記実施形態のように、縦長の扉5の場合は、屋外面材51、屋内面材52の長手方向(上下方向)に沿って設けられる周縁部510C、510D、520C、520Dに設けた締結面部である屋外見付け面部514C、514Dと屋内見付け面部523C、523Dとをリベット65で締結し、屋外面材51、屋内面材52の上下に配置される屋外見付け面部514A、514Bと、屋内見付け面部523A、523Bとは締結しない構成としてもよい。
【0058】
本発明の建具は、玄関ドアに限らず、勝手口ドアなど出入り口の各種ドアとして利用できる。この際、本発明は、親扉、子扉の2枚の扉が設けられた建具にも適用でき、さらには、引戸タイプの建具にも適用できる。
また、ドア枠としては、アルミ製の屋外部材と、樹脂製の屋内部材とで構成したドア枠でもよい。要するに、建具の断熱性能は、建具を設置する地域等によって設定すればよい。さらに、防火性能が不要な建具の場合には、樹脂部材8を熱膨張性材料が含有されていない一般的な樹脂材料で構成してもよい。