特許第6813507号(P6813507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6813507
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】圧力制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/20 20060101AFI20201228BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   G05D16/20 Z
   F16K31/06 330
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-563920(P2017-563920)
(86)(22)【出願日】2016年6月2日
(65)【公表番号】特表2018-518767(P2018-518767A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】EP2016000897
(87)【国際公開番号】WO2016198149
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2018年2月5日
【審判番号】不服2020-1362(P2020-1362/J1)
【審判請求日】2020年1月31日
(31)【優先権主張番号】102015007424.5
(32)【優先日】2015年6月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516021430
【氏名又は名称】ハイダック フルイドテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】フランク シュルツ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ライク
【合議体】
【審判長】 見目 省二
【審判官】 田々井 正吾
【審判官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−060114(JP,A)
【文献】 特開平07−036551(JP,A)
【文献】 特開2008−068825(JP,A)
【文献】 特開平10−306801(JP,A)
【文献】 特開2010−134812(JP,A)
【文献】 特表2011−502806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/00 - 16/20
F16K 31/00 - 31/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ドライバによって駆動可能な、2つの切り替え弁(10、12)と、
センサ装置(20)と、
制御装置(14)と、
前記2つの切り替え弁(10、12)と前記制御装置(14)のための電圧供給部(24)とを少なくとも備える、流体圧システムを常に調節するための、圧力制御装置において、
前記2つの切り替え弁(10、12)は着座密であり、前記弁ドライバは、前記電圧供給部(24)と前記2つの切り替え弁(10,12)の間に配置された電子的なスイッチ(26)であって、前記2つの切り替え弁(10,12)のための前記電圧供給部(24)の電圧供給を制御するために、2つの個別のPID制御器からなる前記制御装置(14)の構成要素としてのトランジスタによって駆動される電子的なスイッチ(26)を備え、前記2つの個別のPID制御器の内の一方が、それぞれの切り替え弁(10、12)のための圧力減少機能を、前記2つの個別のPID制御器の内の他方が、それぞれの切り替え弁(10、12)のための圧力制限機能を制御し、油圧負荷が、前記2つの切り替え弁(10、12)の間の油圧接続導管(42)に接続されている圧力供給導管(18)に接続されている、デジタルの圧力制御弁を備えた流体圧システムを常に調節するための、圧力制御装置。
【請求項2】
前記トランジスタは電界効果トランジスタ(FET)である、ことを特徴とする請求項1に記載の圧力制御装置。
【請求項3】
圧力制御装置が、無段階に電気的に調節可能である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力制御装置。
【請求項4】
それぞれの切り替え弁(10、12)が2/2ルート切り替え弁を備える、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力制御装置。
【請求項5】
前記制御装置(14)が、計算機(16)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧力制御装置。
【請求項6】
前記計算機(16)はマイクロプロセッサ(μc)として形成されていることを特徴とする請求項5に記載の圧力制御装置。
【請求項7】
前記計算機が、制御アルゴリズムとして少なくとも1つのPID制御を実現することを特徴とする請求項6に記載の圧力制御装置。
【請求項8】
着座密の切り替え弁(10、12)が、圧力制御装置の制御エッジを形成し、一方の制御エッジ(10)が圧力減少の機能を引き受け、他方の制御エッジ(12)が圧力制限の機能を引き受ける、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧力制御装置。
【請求項9】
センサ装置(20)が、圧力制御装置に接続されている、油圧シリンダ又は流体モータのような負荷において実際支配している圧力値(p)を検出し、前記圧力値が制御装置(14)内へ読み込まれて、あらかじめ定めることのできる目標値と比較され、かつ、
目標値と実際値の間に生じるエラー(e)に従って、制御装置(14)の制御アルゴリズムが、最小の制御偏差において所望の目標値へ達するために、それぞれの弁(10、12)を開放するように2つの切り替え弁(10、12)のどの制御エッジを選択すべきかを決定する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧力制御装置。
【請求項10】
それぞれの切り替え弁(10、12)のための弁ドライバが、操作磁石のような、電磁的な操作装置を備え、前記操作装置が、電気的な電圧供給部(24)に接続されているスイッチ(26)を介して駆動可能であり、かつ、
制御装置(14)の制御アルゴリズムが、スイッチ(26)のためのそれぞれのオン長さを定める、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の圧力制御装置。
【請求項11】
着座密の2/2ルート切り替え弁によって、比例弁の弁特性が実現される、ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載の圧力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧システムを常に調節するための圧力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、流体圧システムを常に調節するために、いわゆる比例弁が使用される。この比例弁は、電気的な入力信号を有する制御器具であって、その制御器具は、例えば流体圧作業シリンダのパワーの形態で、区間の出力量を常に調節するために、常に信号を形成する制御指令に従って流体圧システムを調節する。
【0003】
特に電流の形態の、電気信号のための入力部材は、いわゆる比例磁石であって、それが電気信号をパワーに変換する。比例磁石は、自らが発生する磁場を介して、通常磁気アーマチュアの形態の、強磁性のボディにパワーを及ぼす。非磁気的ゾーンと組み合わせた制御幾何学配置の適合を介して、磁力−ストローク−特性曲線を、ほぼ距離に依存しない一定の磁力を発生させることができるように、変化させることができる。非磁気的ゾーンは、通常、溶接プロセスによって形成され、その溶接プロセスは、変化しない品質を得ることができるようにするために、極めて大きい手間をかけて監視されなければならない。言及される電気信号は、内部の電流制御を有する増幅器エレクトロニクスによって発生される。電流によるコイルの抵抗変化と、磁場内の強磁性アーマチュアの移動による電流調節が、補償される。通常、摩擦を減少させるために、いわゆるディザの重畳も適用されなければならない。弁の電気側において摩擦を減少させるためのこの措置がまた、比例弁の機械的部分において、強磁性アーマチュアの支承及び機械的な要素を案内するための極めて精密に加工された面のような、適切な措置を必要とする。
【0004】
比例弁の上述した欠点を回避するために、弁の阻止ボディの弾道学的運動を駆動する方法であって、阻止ボディは弁の通過横断面を遮断するように形成されており、阻止ボディは第1の切り替え位置と第2の切り替え位置へ切り替え可能であって、阻止ボディは非作動位置において第1の切り替え位置をとり、かつ阻止ボディは能動化信号に応答して非作動位置から移動される、弁の阻止ボディの弾道学的運動を駆動する方法が既に示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
このような既知の方法は、2ストローク大型ディーゼルエンジン内で潤滑箇所に潤滑剤を供給し、かつ正確な時間及び量で配量するために、流体圧制御に応じて使用される。潤滑量は2/2ルート弁を介して配量され、そのルート弁は弾道学的に駆動される。すなわち、弁は、長さの短い電流パルスを介して駆動され、その電流パルスは、通常、完全に開放する場合に弁ピストンをその終端位置へ移動させるには、充分ではない。開放ストロークは弾道学的に行われ、すなわちピストンはパルス状の磁気操作によって開放方向へ突き出されて、この運動とは逆に作用する弁ばねの作用と弁に生じる流れ力を受けて再びその閉鎖された終端位置へ戻るように倒れ込む。パルスの長さが、弾道学的な開放ストロークごとに配量されるオイル量を定める。既知の駆動解決においては、上述した駆動モードによって平均的な体積流が生じ、その体積流は、例えばファクター1/10000だけ基礎弁の定格体積流を下回ることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2431640号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この従来技術から出発して、本発明の課題は、市場で一般的な比例圧力制御弁をその弁挙動について、簡略化された手段で、したがってコスト的に好ましく、かつ機能的により確実なやり方で、他の手段によって実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、
好ましくは着座密に形成された、2つの切り替え弁と、
制御装置と、
センサ装置、特に圧力センサ装置と、
電圧供給部とを少なくとも備えた、
特許請求項1の特徴を有する圧力制御装置によって解決する。
【0009】
本発明に係る解決によって、特に簡単に、切り替え弁によって、好ましくは着座密の切明弁によって、かつ複雑な増幅器エレクトロニクスなしで、区間の出力量を常に調節することが可能である。本発明に係る解決は、それぞれの弁の摩耗のない切り替えを可能にする。場合によっては発生する全ての非線形性は、制御装置によって、いずれにせよ常に調節が可能であるように、効果的に調節される。本発明に係る圧力制御装置は、流体圧エネルギと特に効果的につきあう。
【0010】
本発明に従って使用される切り替え弁は、磁気システムの構造的構築から、比例弁よりずっと簡単に実現される。特に制御円錐システムは、より簡単に実現することができる。というのは、比例圧力制御弁の場合のように、必ずしも実質的に水平に延びる力−ストローク特性曲線を維持する必要がないからである。既知の比例弁において溶接プロセスにより、かつ製造によって生じる、磁力に関する全ての偏差は、最小力が得られる限りにおいて、役割を果たさない。同じことが、シリーズ製造における磁力ラインのバリアントについてもいえる。さらに、摩擦を減少させるためのDU軸受による磁気アーマチュアの通常の軸承とディザ駆動は、不要である。
【0011】
特に少なくとも1つの圧力センサを使用する、1つ又は複数のセンサ装置及び適切なマイクロプロセッサユニットと組み合わせて、高価値の比例弁を簡単なやり方で模倣する可能性が得られる。小さいクロック周波数を有するプロセッサで充分であって、それが圧力制御装置全体のためのコストの低下を支援する。
【0012】
圧力制御装置の枠内で使用される制御回路は、制御装置自体、通常本来の磁気弁と弁ドライバとを備えた操作部材、油圧システム及びすでに言及したセンサとを備える。センサ装置のこのセンサが、実際の測定値又は実際値を実際信号としてマイクロプロセッサへ送信する。その後マイクロプロセッサがこの実際値を目標値と比較し、その目標値は上位に配置されている入力箇所からマイクロプロセッサへ達する。目標値と実際値の差から生じるエラーeの大きさに従って、マイクロプロセッサが、使用される2つの弁のための他の切り替え方法を定める。このシステムによって、比例圧力制御弁の比例挙動が2つの単純な切り替え弁によって得られる。このような切り替え弁は、比例弁とは異なり、ヒステリシスをもたず、本発明に係る圧力制御装置によって、容易に圧力減少機能、圧力制限又は圧力閉ループ制御が実現される。
【0013】
以下、図面に示す実施例を用いて本発明に係る圧力制御装置を詳細に説明する。図は、原理的であり、縮尺を離れた表示である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】圧力制御装置の基本的な構造を示す電気的かつ流体圧的な回路図である。
図2図1に示す圧力制御装置によって圧力制御する場合の時間的な圧力推移を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、市場で一般的な比例圧力制御弁を用いてその機能を簡単に説明し、それは、本発明に係る圧力制御装置によっても実現しようとするものである。このような圧力制御は、通常、スライダ構造の圧力制御である。通電されない状態において、圧力供給接続端又はポンプ接続端は閉鎖されている。さらに負荷接続端がタンク接続端と流体を案内するように接続されている。電流信号が圧力制御弁の比例磁石に印加された場合に、磁石が制御電流の高さに応じた力で弁の制御ピストンを押圧する。それによって制御ピストンが復帰ばねに抗して移動され、油圧オイルが圧力供給接続端又はポンプ接続端から負荷接続端へ流れる。負荷接続端に接続されている、例えばルート-スライダ弁の形態の油圧負荷によって、負荷接続端に圧力が構築され、その圧力は、例えば比例圧力制御弁の圧力告知ピンに作用することができ、その限りにおいて比例磁石の力に対する反力を発生させる。それによってまた、上述した初期位置へ戻る圧力告知ピンによる制御ピストンの運動が生じ、その結果、圧力供給接続端又はポンプ接続端から負荷接続端への供給流は、負荷接続端に印加される圧力が復帰ばねのばね力を除いた磁力及びそれに伴って、印加される電流信号を介しての圧力値設定に相当するまで、減少される。負荷接続端に接続されている負荷が、例えば言及されるルートスライダ弁がストッパに添接しているために、もはや圧力液を必要としない場合に、制御弁は再び戻り移動して、供給孔を閉鎖する。
【0016】
負荷接続端における負荷の負担除去によって出力圧が圧力設定の下に低下した場合に、磁気アーマチュアが制御ピストンを再び制御位置へ押圧して、新たに制御プロセスが開始される。最大達成可能な制御圧は、原則的に比例磁石の磁力によって定められる。負荷接続端における圧力が設定値を超えて上昇した場合に、制御ピストンが磁気アーマチュアによって、負荷接続端からタンク接続端への接続が開放されるように、移動される。それによって負荷接続端における圧力が制限される。制御電流が中断された場合に、制御ピストンは負荷接続端における圧力と復帰ばねによって引き戻される。それによって負荷接続端がタンク接続端と接続されて、負荷接続端における負荷圧力が、タンク接続端に生じるタンク水準へ下降する。
【0017】
市場で一般的な比例圧力制御弁のための上述した既知の圧力制御機能が、本発明に基づいて、2つの着座密の2/2ルート切り替え弁によって模写される。このような着座密の弁は、弁に接続されている油圧負荷の弁の漏れのない遮断を許す。
【0018】
これを詳細に説明するために、図1に示す表示を利用し、それは、本発明に係る圧力制御装置の重要なコンポーネントを示している。同装置は、2つの切り替え弁10、12を備え、それらは好ましくは着座密の2/2ルート弁として形成されている。図1に示す実施形態において、切り替え弁10は、圧力減少機能を実施するために使用され、第2の切り替え弁12は圧力制限機能を実現するために用いられる。さらに、本発明に係る圧力制御装置は、全体を符号14で示す、好ましくはマイクロプロセッサμcの形態の、計算機16を備えた、制御装置を有している。マイクロプロセッサμc上で遂行される制御アルゴリズムが、特に、切り替え弁10のためにも、切り替え弁12のためにも、PID制御の形態の、駆動制御を許す。2つの切り替え弁10、12の間に圧力供給導管18が連通しており、その圧力供給導管は詳しく図示されない負荷へ通じており、例えば油圧作業シリンダのピストン側へ連通している。圧力供給導管18に、特に市場で一般的な圧力センサの形態の、センサ装置20が接続されており、その圧力センサがそれぞれ圧力供給導管18内に生じる負荷圧を実際電圧値に変換し、その実際電圧値が制御装置14のための入力量として用いられる。この実際電圧値が、マイクロプロセッサμcの内部で言及された制御アルゴリズムによって、目標値設定22の形態の制御装置14の他の入力値と比較され、そのような目標値設定22は、圧力目標設定から生じる他の電圧値に相当し、その圧力目標設定は、例えば負荷を受けて言及した油圧作業シリンダの引き出されたピストンロッドユニットがとるものである。上述した電圧値の代わりに、電気的な電流量を使用することもできる。
【0019】
通常の電圧源24の形態の電圧供給部24の他に、言及される切り替え弁10、12は、さらに、電子的なスイッチ26とそれに接続されている操作磁石とを備える、いわゆる弁ドライバを必要とする。スイッチ26は、好ましくは、制御装置14の構成要素である、いわゆる電界効果トランジスタ(FET)によって駆動される。その限りにおいて示されていない、通常の構造のトランジスタはその入力信号を、各スイッチ10、12のための、すでに説明したPID制御から得る。PID制御器の出力信号は、図1においては矩形波信号30の形態で象徴的に示されている。さらに、制御装置14は、具体的な駆動のために、さらに、機械制御からなることもできる、上位に配置されている開ループ制御のいわゆるイネーブル信号を得るための他の入力32を有し、かつ、2つの他の出力34、36を有しており、一方はノイズ信号を検出するため、もしくは測定値を検出するためである。本発明にかかる圧力制御装置を具体的に駆動するために、さらに、第1の切り替え弁10がその入力側において圧力供給接続端又はポンプ接続端38に接続されており、第2の切り替え弁の出力側が、タンク圧又は周囲圧を有するタンク接続端40を有しうることが、必要である。さらに第1の切り替え弁10の出力側は接続導管42に接続されており、その接続導管は第2の切り替え弁12の入力側へ通じており、すでに言及したように、油圧負荷のための圧力供給導管18が、接続導管42内へ流体を案内するように連通している。
【0020】
言及した2つの切り替え弁10、12は、上述した圧力制御装置のいわゆる制御エッジである。一方の制御エッジが第1の切り替え弁10のいわゆるポンプ制御エッジとして圧力減少機能を引き受け、他方の制御エッジが第2の切り替え弁12のいわゆるタンク制御エッジとして圧力制限機能を引き受ける。図1を見る視線方向において上に示されるPID制御器が、第1の切り替え弁に関する圧力減少機能のための駆動を引き受け、下方のPID制御器が、第2の切り替え弁12のための圧力制限機能用の駆動を引き受ける。
【0021】
図1に示す、圧力センサ装置20の一部としての圧力センサは、その圧力供給導管18を介して、詳しく図示されない油圧負荷における実際の圧力値を測定する。この実際圧力が、制御装置14内へ読み込まれて、目標値設定22における目標値と比較される。エラーe=目標値マイナス実際値に従って、その後制御アルゴリズムが、所望の目標値を達成するため、かつそのようにして制御偏差を最小限に抑えるために、どの制御エッジが開放されなければならないか、を決定する。そのために制御アルゴリズムは、それぞれのトランジスタのための切り替え長さを計算して、トランジスタのため、もしくはスイッチ26のための切り替え長さを設定する。言及されるエラーeが小さい場合には、2つの弁10、12は着座密に閉鎖されている。これは、言及された既知の比例弁に比較して、エネルギ的に極めて好ましい。というのは、まず、タンク接続端40の方向に漏れが発生せず、したがって油圧エネルギが不必要に浪費されないからである。言及される操作磁石28は通電可能なコイルを有しているので、この操作磁石は圧力制御装置の具体的な駆動のために常に通電される必要はないので、それは発熱することもないが、それは、圧力制御装置の多くの適用について、望ましくないことである。
【0022】
PWM(パルス幅変調)周波数は、好ましくは2つの弁10、12のいわゆるコーナー周波数よりもずっと上にあり、それは、弁10、12のための操作磁石を含めた機構に関する。比例弁は、常に、弁の直接近傍の圧力にのみ反応する。提案される本発明に係る圧力制御装置によれば、制御量自体は、油圧システム内の任意の箇所において取り出すことができる。したがって制御区間は、システム全体及び制御課題に合わせて、任意に選択することができる。
【0023】
さらに説明するために、図2を参照するよう指示し、それは、線形に延びる三角形として示される、あらかじめ定められた圧力ランプにおいて時間にわたってbarで計算された圧力推移(段付きのカーブ推移)を示している。圧力制御装置は、閉成された変化しない体積に接続されている(V=一定=0.15l)。
【0024】
図1に示すデジタルの圧力制御弁は、示すように、2つの切り替え弁10、12を備え、それらは以下で直接制御エッジと称する。ポンプ制御エッジはオイルをポンプ(接続端38)から負荷へ、そしてタンク側の制御エッジはオイルを負荷からタンク接続端40へ移送する。
【0025】
圧力を変化させるために、制御エッジの閉鎖部材は圧力変化速度
=E/V・ΣQ
にしたがって開放され、すなわち制御装置14は、それぞれエラーに応じて該当する制御エッジを開放し、それによって圧力が上昇し、あるいは下降する。開放横断面は、大体において以下の式から得られる。
【数1】
ここで、dは、それぞれの弁のシート直径を表し、弁ピストンのストロークxは、圧力変化速度のための上の式に従って、ポンプ圧と負荷圧の間もしくはタンク圧に対する負荷圧の圧力差Δpに依存する。さらに閉鎖部材のストロークxは、液体の弾性係数Eと負荷体積Vに依存する。開放ストロークは、主として圧力差Δpに依存し、圧力差が小さくなるほど、ストロークxは大きくなる。Δp=0MPa(0bar又)はΔp<0MPa(0バール)の圧力差は、それぞれの弁10、12の最大の開放をもたらす。他の全てのパラメータは、弁のシミュレーションにおいて実質的に一定であることが明らかにされた。したがってそれぞれの弁10、12のストロークxは、直接制御装置14によって定められるのではなく、上述したように、示されるシステム変量に依存している。
【0026】
本発明に係る圧力制御装置の内部で使用される切り替え弁10、12は標準弁であるので、その限りにおいて切り替え時間又は寿命に関して特別な要請は生じることはなく、それらはそのほかにおいては摩耗が少ないという特徴を有している。通常のスライダ弁に比較して、切り替え弁10、12は、汚れに不感であると分類される。生じる油圧損失がわずかであることと、制御駆動における電気的な出力消費の少なさにおいて、弁10、12は、エネルギ効率がよいと格付けされる。システムに電流がない場合に、図1に示す表示によれば、それぞれの弁10、12は弁ばねによってそこに示されている阻止位置へ移動されるので、Fail−Safe機能が実現されている。
【0027】
既知の比例弁においては、圧力はそれぞれの弁においてのみ直接制御できるが、それに対して提案される本発明に係る解決においては、センサ装置20の圧力センサは、場所的にそれぞれの切り替え弁10、12とは別に、任意に配置することができる。切り替え弁10、12自体は、市場でコスト的に好ましく入手することができる。さらに、本発明に係る圧力制御装置によって、種々の適用へのフレキシブルな適合が可能である。というのは、制御装置14はマイクロプロセッサ−計算機16によって自由にプログラミング可能であり、かつ、機構による機能の引き受けが必要とされないからである。
図1
図2