(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6813573
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
G01J 5/04 20060101AFI20201228BHJP
G01J 5/48 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
G01J5/04
G01J5/48 A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-516654(P2018-516654)
(86)(22)【出願日】2016年6月9日
(65)【公表番号】特表2018-523138(P2018-523138A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】IB2016053395
(87)【国際公開番号】WO2016199057
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2019年3月14日
(31)【優先権主張番号】102015000023357
(32)【優先日】2015年6月12日
(33)【優先権主張国】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517433429
【氏名又は名称】トータル サーマル ヴィジョン ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】TOTAL THERMAL VISION S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】バラルディ,ルカ
【審査官】
田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】
中国実用新案第201548329(CN,U)
【文献】
特開平09−046487(JP,A)
【文献】
特開2007−187497(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/108708(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 5/00−5/62
G01J 1/00−1/60
G01N 21/00−21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともサーモグラフィー画像を検出する装置であって、
前記サーモグラフィー画像を取得するために赤外線放射を感知可能であるサーマルカメラ(2)と、
内部に前記サーマルカメラ(2)が挿入される保護ケース(3)と、
を備え、
前記保護ケース(3)が、前記サーマルカメラ(2)による前記サーモグラフィー画像の取得を可能にする窓(4)を有しており、
前記装置が、
前記保護ケース(3)の外部に配置され、環境外乱から保護するよう前記窓(4)に重ねられる第一動作位置と前記サーマルカメラ(2)が前記サーモグラフィー画像を取得できるよう前記窓(4)からずらされる第二動作位置との間で移動可能であるスクリーン(5)と、
前記保護ケース(3)の外部にある入口(8)を有する前記保護ケース(3)の内部の圧搾空気供給システム(7)と、
を備える装置において、
前記圧搾空気供給システム(7)は、前記保護ケース(3)の内部で機能的に作用するとともに前記外部入口(8)に接続される、空気の調整・分配手段(12)を備え、
前記空気の調整・分配手段(12)は、前記外部入口に接続される複数のソレノイドバルブと前記ソレノイドバルブに接続される複数の導管とを備えており、
前記装置は、前記ソレノイドバルブの電子制御・命令ユニット(10)を備えており、
前記調整・分配手段(12)は、前記保護ケース(3)の内部に空気を吹き込み少なくとも前記サーマルカメラ(2)を冷却するための第一導管(13a,15)と、前記第一導管(13a,15)に空気を供給するために前記外部入口(8)と前記第一導管(13a,15)との間で機能的に作用する第一ソレノイド(13)と、を備え、
前記第一ソレノイド(13)は、前記第一導管(13a,15)が閉じられる第一動作構成と、前記第一導管(13a,15)を開かせ前記外部入口(8)と接続状態とする第二動作構成との間で移動可能であり、
前記電子制御・命令ユニット(10)は、前記第一ソレノイド(13)を前記第一動作構成と前記第二動作構成との間で制御するよう構成されており、
前記装置は、前記第一ソレノイド(13)と前記保護ケース(3)との間に配置されるボルテックスチューブ(14)と、
前記第一ソレノイド(13)に接続される前記ボルテックスチューブ(14)の加圧空気のための入口と、
前記第一導管(13a,15)に接続される前記ボルテックスチューブの冷却空気のための出口と、
を備えており、
前記ボルテックスチューブ(14)は、好ましくは前記保護ケース(3)の外部に配置されている検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検出装置において、
前記保護ケース(3)の内部に配置されるとともに前記電子制御・命令ユニット(10)と接続される温度センサ(16)を備えており、
前記電子制御・命令ユニット(10)は、前記温度センサ(16)によって検出された温度値の関数として前記第一ソレノイド(13)を前記第一動作構成と前記第二動作構成との間で制御するよう構成されている検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検出装置において、
前記第一動作位置と前記第二動作位置との間で前記スクリーン(5)を移動させるよう、前記スクリーン(5)を作動させるための空気モータ(6)を備え、
前記調整・分配手段(12)は、前記空気モータ(6)への供給を行うために前記空気モータ(6)に接続される少なくとも第二導管(19,20)と、前記第二導管(19,20)に空気を供給するために前記外部入口(8)と前記第二導管(19,20)の間で機能的に作用する少なくとも第二ソレノイド(17,18)と、を備えており、
前記第二ソレノイド(17,18)は、前記第二導管(19,20)が閉じられる第一動作構成と、前記第二導管(19,20)を開かせ前記外部入口(8)と接続状態とする第二動作構成との間で移動可能である検出装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載の検出装置において、
前記圧搾空気供給システム(7)は、前記保護ケース(3)の内部に接続される、空気を吹き込むための第二入口(5a)を有するスクリーン(5)である前記スクリーン(5)と、前記保護ケース(3)の外部に空気を吹き出す出口(5b)と、を備え、
前記調整・分配手段(12)は、前記第二入口(5a)に接続される第三導管(22)と、前記スクリーン(5)に空気を供給するために前記第一の外部入口(8)と前記第三導管(22)との間で機能的に作用する第三ソレノイド(21)と、を備えており、
前記第三ソレノイド(21)は、前記第三導管(22)が閉じられる第一動作構成と、前記第三導管(22)を開かせ前記第一の外部入口(8)と接続状態とする第二動作構成との間で移動可能であり、
前記電子制御・命令ユニット(10)は、好ましくは前記第一動作位置にある前記スクリーン(5)における前記出口(5b)を通じて前記窓(4)に空気を吹き付けるよう、前記第三ソレノイド(21)を前記第一動作構成と前記第二動作構成との間で制御するよう構成されている検出装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の検出装置において、
前記サーマルカメラ(2)は焦点調節装置を備え、
前記検出装置は、前記サーマルカメラに用いられる前記焦点調節装置のための電動化部(2a)を備えており、
前記電子制御・命令装置(10)は前記電動化部(2a)を制御するよう構成されている検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関し、特に好ましくは金属加工プラント(例えばダイ・キャスティング専用の金属加工プラント)のサーモグラフィー画像を検出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連するダイ・キャスティング用プラントは一般に、溶融金属が注入される、二つの半分の型(ハーフ・ダイ)で構成される少なくとも一つのダイを備える。ダイは、注入の時間全体にわたって油圧プレスによって閉じられ、注入が終わると冷却され固化したピースを取り出すために開けられる。
【0003】
サーモグラフィー画像を検出するために金属加工プラント用に構成された装置が知られており、動作温度を最適化するように技術プロセスを制御するためのシステムに関係する例えば欧州特許出願公開第1535034号(EP1535034)に記載されている。
【0004】
検出装置は、放射センサを備える、例えばそれぞれの半分のダイに向けられたいわゆるサーマルカメラを備える。
【0005】
ダイを開く場合、特に赤外線放射を感知可能である放射センサが、特にサーモグラフィーの画像を取得することにより、半分のダイの表面の熱学的なパラメータを取得する。
【0006】
取得したデータは、以降の処理のために、対応する配線を用いて、検出装置に接続された電子命令・制御ユニットに送信される。
【0007】
検出装置は、内部にサーマルカメラを収容する保護ケースを備える。これにより、サーマルカメラは、ダイ・キャスティング・プロセスの典型的な環境外乱から保護される。
【0008】
そのケースには、例えばゲルマニウム・レンズによって閉じられる窓が配置される。この窓を通じて、サーマルカメラは上述のサーモグラフィー画像を取得することができる。
【0009】
検出装置は、上述の窓のシャッタすなわちスクリーンを備え、これにより、サーマルカメラをプラントの動作中に周囲の外乱から保護する。
【0010】
シャッタは第一動作構成と第二動作位置との間で移動可能である。第一動作構成においては、窓は開いている、すなわち、サーモグラフィー画像を取得するためにサーマルカメラの視野が開けている。第二動作位置においては、窓は閉じられ保護されている。
【0011】
検出装置は、放射センサを冷却するためにケースの内部に接続されるとともに、窓において、閉じている状態のレンズをきれいにしておくためにケースの外部に接続される圧気システムを備える。
【0012】
従来技術の解決法には、いくつかの欠点がある。
【0013】
圧気システムは、圧縮空気源に接続されて空気を分配するためのユニットと、分配ユニットから保護ケースまで空気を供給するための複数のパイプと、を備える。
【0014】
分配ユニットは保護ケースの外部に配置される。過剰な圧力ロスを防止するために、ユニットはケースおよびセンサに比較的接近しておよそ10メートル以内に配置しなければならず、したがって、制御システムの設定の実現性が制限される。
【0015】
放射センサの冷却は、ケースの内側に空気に連続的に注入することにより実行され、その結果、空気を比較的大量に消費することになり、センサの冷却が全体的に最適ではない。
【0016】
保護ケースに空気を供給するためのパイプは、ケースおよび分配ユニットの外部に配置され、したがって環境外乱を受け、したがって特に障害を受けやすい。
【0017】
この事情に鑑みて、本発明の主な目的は上述の欠点を解決することにある。
【発明の概要】
【0018】
本発明の目的は、従来技術の解決法よりも応用のきく、対応する空気源に対してより自由に配置することができるサーモグラフィー画像を検出するための装置を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、従来技術の解決法よりもロバストで、より信頼できるサーモグラフィー画像を検出するための装置を提供することにある。
【0020】
上述した技術的目的および特定の目標は、請求項1にかかるサーモグラフィー画像を検出するための装置によって十分に達成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の添付図面を参照した、サーモグラフィー画像を検出するための装置の好ましい実施形態の、限定するものではない説明からより明らかとなろう。
【
図1】分かりやすくするために一部を切断した、本発明にかかる検出装置の第一構成を部分的にブロックで示した概略的な斜視図で示す。
【
図2】分かりやすくするために一部を切断した、
図1の検出装置を部分的にブロックで示した概略的な側面図で示す。
【
図3】分かりやすくするために一部を切断した、先の図の検出装置の第二構成を示した概略的な前面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照して、符号1は、好ましくは金属加工プラント(例えばダイ・キャスティング用の金属加工プラント)のサーモグラフィー画像を検出するための装置を示している。
【0023】
関連するダイ・キャスティング用プラントは一般に、溶融金属が注入される、二つの半分の型で構成される少なくとも一つのダイを備える。ダイは、注入の時間全体にわたって油圧プレスによって閉じられ、注入が終わると冷却され固化したピースを取り出すために開けられる。
【0024】
装置1は、ダイ等における重力による例えば低圧力キャスティング(鋳造)などの任意のタイプのキャスティング・プロセスにおける使用に適している。
【0025】
装置1は、対応するブロック2と付した、赤外線放射を感知可能な、サーモグラフィーの画像を取得するためのサーマルカメラを備える。サーマルカメラ2はよく知られているタイプであり、さらなる説明は行わない。
【0026】
サーマルカメラ2は、図示しない焦点調節装置を有する。装置1は、サーマルカメラに用いられブロック2aとして概略的に示す焦点調節装置用の駆動ユニットを備える。
【0027】
装置1は、内部にサーマルカメラ2が挿入される、3を付した保護ケースを備える。
【0028】
ケース3は、装置1が用いられるのに好ましいプラントにおいて通常存在する周囲の外乱からサーマルカメラ2を特に保護するために用いられる。
【0029】
なお、
図3を参照して、保護ケース3は、サーマルカメラ2によるサーモグラフィー画像の取得を可能にする窓4を有することを記載しておく。
【0030】
窓4は好ましくは、非常に高い温度の状況における使用に適しているゲルマニウム・レンズによって保護される。
【0031】
装置1は、ケース3の外部に配置されるスクリーン5を備える。スクリーンは、例えば
図1に示す通り窓4に重ねられる第一動作位置と、
図3に示す通りサーマルカメラ2がサーモグラフィー画像を取得できるよう窓4からずらされる第二動作位置と、の間で移動可能である。
【0032】
図示する実施形態において、スクリーン5は、ケース3に装着されるとともに、第一動作位置と第二動作位置との間で移行するよう
図3の面に対して垂直である軸R回りに回転することができる。
【0033】
装置1は、ブロック6として概略的に示す、上述の第一動作位置と第二動作位置との間でスクリーン5を移動させる空気モータを備える。
【0034】
装置1は、参照符号7で包括的に示す、以下に説明する複数の機能のためにケース3の内側に加圧空気を供給するための加圧空気供給用圧気システムを備える。
【0035】
圧気システム7は、ブロック9として概略的に示す、ケース3の外部の加圧空気源へ接続するための入口接続器8を備える。接続器8は、実際上、ケース3内に空気を加圧送出するための入口を構成する。
【0036】
装置1はまた、ブロック10として概略的に示す電子(computerised)命令・制御ユニットを備える。命令・制御ユニットは、以下により詳細に説明する通り、装置1に命令し制御を行うよう構成される。
【0037】
具体的には、例えば、ユニット10は、装置1の管理または制御を行う専用のプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)により構成される。
【0038】
ユニット10とケース3の内部との間でデータおよびコマンド(命令)をやりとりできるよう、ケース3は、電子(computerised)ユニット9と接続するための接続器11を有する。
【0039】
好ましくは、接続器11は、サーモグラフィー画像を送信するためのイーサネット(登録商標)線とコマンドを送信するためのデータ線によって電子ユニット9に接続するよう構成される。
【0040】
電子ユニット10は、要するに、サーモグラフィー画像を受信するためにサーマルカメラ2と、そして好ましくは焦点調節装置のあらゆる調整を行うための駆動ユニット2aと、に接続されている。
【0041】
好ましくは、装置1は、ブロック10aとして概略的に示す、電子ユニット10と接続された電子カードをケース3の内部に備える。電子カードは、よく知られた方法で、ユニット10と、制御される部品またはケース3の内部と通信する部品と、の間のインターフェースとして機能する。
【0042】
説明の便宜上、以下では別の部品がユニット10と直接接続されているものとして説明を行うが、好ましくは、接続はカード10aを用いて行われる。
【0043】
上述した圧気システム7は、源9から加圧空気を受けるよう接続器8に接続されて保護ケース3の内部において作用する空気を調整し分配するための手段12を備える。
【0044】
以下により詳細に説明する通り、ユニット10は調整・分配手段12を制御するよう構成される。
【0045】
調整・分配手段12は、入口8に接続される第一ソレノイドバルブ13を備える。
【0046】
ソレノイドバルブ13の下流側に、圧気システムは、よく知られた、好ましくはケース3の外部に配置されるボルテックスチューブ14(すなわちランク・ヒルシュ(Ranque−Hilsch)チューブ)を備える。
【0047】
ボルテックスチューブ14は、導管13aを用いるソレノイドバルブ13に接続される加圧空気のための入口と、ケース3の内部に接続される冷却空気の出口と、高温空気の解放出口と、を有する。
【0048】
より具体的には、冷却空気出口は、導管15を用いてケース3の内部と接続状態にある。
【0049】
ソレノイドバルブ13は、ボルテックスチューブ14すなわち導管15が閉じられるつまり供給を受けない第一動作構成と、ボルテックスチューブ14すなわち導管15を開かせ圧縮空気入口8と接続状態とする第二動作位置との間で移動可能である。
【0050】
ソレノイドバルブ13は基本的に、サーマルカメラ2を冷却するために必要なケース3の内部への新たな空気の導入を調整する。
【0051】
サーマルカメラ2は、動作温度に、すなわち測定誤差を回避するための最大値範囲内に入る温度に、維持される必要がある。
【0052】
好ましくは、装置1は、ケース3の内部に配置されて電子ユニット10と接続される温度センサ16を備える。
【0053】
電算処理ユニット10は、温度センサ16によって検出された温度値に応じてソレノイドバルブ13を第一動作構成と第二動作構成との間で制御するよう構成されている。
【0054】
好適には、このように、必要な場合だけ、冷却空気がケース3の内部に供給される。そして、従来技術の解決法と比較して空気の消費が低減され、サーマルカメラ2の動作が最適化される。
【0055】
好ましくは、ケース3における圧力は外圧より高い値に維持される、すなわち、汚染原因物質の外部からの侵入を防ぐようケース3は外部に対して過剰圧力状態にある。
【0056】
好ましくは、ケース3における圧力は適切に較正された図示しないベントによって所定の値に維持される。
【0057】
図2に示す通り、空気を調整し分配するための手段12は、スクリーン5を開くためのソレノイドバルブ17とスクリーンを閉じるためのソレノイドバルブ18を備える。ソレノイドバルブ17,18は両方とも電子ユニット10に接続される。
【0058】
ソレノイドバルブ17は、対応する導管19を用いてモータ6と接続される。またソレノイドバルブ18は、入口8からモータ6に加圧空気を供給するための対応する導管20を用いてモータ6と接続される。
【0059】
ソレノイドバルブ17,18は、関係する導管19,20が閉じられるそれぞれの第一動作構成と、関係する導管19,20を開かせ入口8と接続状態とするそれぞれの第二動作位置と、の間で移動可能である。
【0060】
よく知られている方法で、ソレノイドバルブ17および導管19を通じて空気モータ6に供給される加圧空気に応じてスクリーン5が開き、ソレノイドバルブ18および導管20を通じて空気モータ6に供給される加圧空気によってスクリーン5が閉じる。
【0061】
好ましくは、空気を調整し分配するための手段12は、ブロック23で概略的に示すスクリーン5の開閉速度を調整するための装置を備える。
【0062】
好ましくはケース3の外部から設定可能な装置23が、スクリーン5の開閉速度を決定するソレノイドバルブ17,18の間の圧力差に影響を与える。
【0063】
好適には、開いた位置から閉じた構成へのそして閉じた構成から開いた位置への移行時におけるスクリーン5の最後の停止を多少制動するよう、装置23は調整される。
【0064】
例として示す好ましい実施形態において、圧気システム7はスクリーン5を備える。すなわち、スクリーン5は空気を吹き込むための導管を規定する。
【0065】
スクリーン5が閉じた位置にある
図2に概略的に示す通り、スクリーン5は、入口5a(好ましくは回転軸Rに)と、窓4に出口5bと、を有する。
【0066】
調整手段12は、電子ユニット10および圧縮空気入口8に接続されるソレノイドバルブ21を備える。
【0067】
調整手段12は、ソレノイドバルブ21とスクリーン5における入口5aとの間で機能する導管22を備える。
【0068】
ソレノイドバルブ21は、導管22が閉じられる第一動作構成と、導管22を開かせ入口8および源9に接続状態とする第二動作位置と、の間で移動可能である。
【0069】
電子ユニット10は、スクリーン5における出口5bを通じて窓4に空気を吹き込むために、ソレノイドバルブ21を第一動作構成と第二動作構成との間で制御するよう構成されている。
【0070】
好ましい実施形態において、ソレノイドバルブ21は常に開けた状態にされる。
【0071】
異なる実施形態においては、スクリーン5が
図1に示す閉じた位置にある場合に、ソレノイドバルブ21は開けた状態にされる。
【0072】
上述した発明により顕著な利点が得られる。
【0073】
保護ケースの内部に配置される調整手段によって作動される加圧空気の調整および分配の構造を全体として簡単化できる。
【0074】
外部配管をなくすことによって解決法の信頼性が高められる。障害を受けやすい外部部品を少なくできるからである。
【0075】
ケース3に対して離れた点に配置することできる加圧空気源に接続する外部接続を十分に簡単にできる。空気調整/管理がケースの内部で行われ外部で行う必要がないからである。
【0076】
サーマルカメラに用いられる外部駆動ユニットにより、ケース3の内部の空間を最適に合理化でき、冷却を総合的に改善できる。
【0077】
ケースの内部の部品と電子コマンド・制御ユニットとの間でのデータおよびコマンドのやりとりは、対応する接続器に接続された単一ケーブルを用いて行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1535034号