(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記共界面活性剤は、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココモノエタノールアミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3〜6のいずれか一項に記載の発泡組成物。
前記発泡剤は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、シクロプロパン、及びこれらの混合物、並びにジクロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テトロフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロ−2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、モノクロロジフルオロメタン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、及びこれらの混合物などのハロゲン化炭化水素からなる群から選択され、好ましくは、前記発泡剤は、プロパン及びイソブテン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発泡組成物。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する「特許請求の範囲」をもって結論とするが、本発明は、以下の記載からよりよく理解されるものと考えられる。
【0006】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体及びゲルを包含する。
【0007】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、「特許請求の範囲」に使用するとき、請求又は記載されているもののうちの1種又は複数を意味するものと理解される。
【0008】
本明細書で使用するとき、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語には、「〜からなる」及び「〜から本質的になる」という用語が包含される。
【0009】
本明細書で使用するとき、「混合物」は、材料の単純な組み合わせと、結果としてそのような組み合わせから得られる場合がある任意の化合物とを含むことを意味する。
【0010】
本明細書で使用するとき、「分子量(molecular weight)」又は「分子量(Molecular weight)」は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法、ゲル透過クロマトグラフィー(「GPC」)を使用して測定される。
【0011】
本明細書で使用するとき、「パーソナルケア組成物」は、シャンプー、シャワーゲル、液体手洗い剤、染毛剤、洗顔料、及び他の界面活性剤ベースの液体組成物等の製品を含む。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include、includes、及びincluding)」は非限定的であることを意味し、それぞれ「含む(comprise、comprises、及びcomprising)」を意味すると理解される。
【0013】
全ての百分率、部、及び比率は、特に指定されない限り、本発明の組成物の総重量を基準とする。全てのこのような重量は、提示された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に含まれる場合のあるキャリア又は副生成物を含まない。
【0014】
特に明記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0015】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して記載される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通して記載される全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に入る全てのより狭い数値範囲を、かかる狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0016】
洗浄性界面活性剤
ヘアケア組成物は、組成物に洗浄性能を提供する約20重量%超の界面活性剤系を含み得る。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び/又は、アニオン性界面活性剤と、両性、双性イオン性、非イオン性及びこれらの混合物からなる群から選択される共界面活性剤との組み合わせを含む。洗浄性界面活性剤の種々の例及び説明が、米国特許第8,440,605号、米国特許出願公開第2009/155383号、及び米国特許出願公開第2009/0221463号に記述されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0017】
ヘアケア組成物は、1種以上のアニオン性界面活性剤を約18重量%〜約36重量%、約20重量%〜約32重量%、及び/又は約22重量%〜約28重量%含んでもよい。
【0018】
本発明の組成物はまた、
a)R
1O(CH
2CHR
3O)
ySO
3M;
b)CH
3(CH
2)
zCHR
2CH
2O(CH
2CHR
3O)
ySO
3M;及び
c)これらの混合物、からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤も含むことができ、
式中、R
1は、CH
3(CH
2)
10を表し、R
2は、H、又はz内の炭素原子の合計及びR
2が8であるように1〜4個の炭素原子を含む炭化水素基を表し、R
3は、H、又はCH
3であり、yは0〜7であり、yがゼロ(0)でないときyの平均値は約1であり、Mは、一価の又は二価の正電気を帯びたカチオンである。
【0019】
本組成物で用いるのに好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートである。他の好適なアニオン性界面活性剤は、有機硫酸反応生成物の水溶性の塩である。更に他の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化されかつ水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物である。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
ヘアケア組成物で用いられる例示的なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、硫酸ウンデシル及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。
【0021】
好適なアニオン性アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェート界面活性剤としては、ガーベットアルコール、アルドールアルコール、オキソアルコール及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよいC8〜C18 2−アルキル分枝状アルコールから合成される分枝状アルキル鎖を有するものが挙げられるが、これらに限定されない。2−アルキル分枝状アルコールの非限定的な例として、2−メチル−1−ウンデカノール、2−エチル−1−デカノール、2−メチル−1−ドデカノール、2−ブチル1−オクタノール、2−ブチル−1−ノナノール、2−エチル−1−ウンデカノール、2−プロピル−1−ノナノール、2−ペンチル−1−オクタノール、2−ペンチル−1−ヘプタノール、及び商品名ISOFOL(登録商標)(Sasol)で販売されているものなどのガーベットアルコールと、例えば、LIAL(登録商標)(Sasol)、ISALCHEM(登録商標)(Sasol)、NEODOL(登録商標)(Shell)の商品名で販売されているものなどのオキソアルコールと、が挙げられる。
【0022】
ヘアケア組成物は、共界面活性剤を含んでもよい。共界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。共界面活性剤としては、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココモノエタノールアミド及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
ヘアケア組成物は、約1重量%〜約5重量%、約2重量%〜約4重量%、約2.5重量%〜約3重量%の1種以上の両性/双性イオン性、非イオン性共界面活性剤、又はこれらの混合物を更に含んでもよい。
【0024】
本明細書のヘアケア組成物での使用に好適な両性又は双性イオン性の界面活性剤としては、シャンプー又は他のヘアケアクレンジングに使用する公知のものが挙げられる。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定的な例が、米国特許第5,104,646号及び同第5,106,609号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
組成物での使用に好適な両性の共界面活性剤は、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として記述される界面活性剤が挙げられるが、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン性基を含有する。好適な両性界面活性剤として、コカミノプロピオン酸ナトリウム、コカミノジプロピオン酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミノプロピオン酸アンモニウム、コカミノジプロピオン酸アンモニウム、ココアンホ酢酸アンモニウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ココアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウラミノプロピオン酸アンモニウム、ラウロアンホ酢酸アンモニウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ラウロアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウリミノジプロピオン酸アンモニウム、コカミノプロピオン酸トリエタノールアミン、コカミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホ酢酸トリエタノールアミン、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ココアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウラミノプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホ酢酸トリエタノールアミン、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウリミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホジプロピオン酸、カプロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム(disodium capryloamphodipriopionate)、ココアンホカルボキシエチルヒドロキシプロピルスルホン酸二ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ジカルボキシエチルココプロピレンジアミン二ナトリウム、ラウレス−5カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、オレオアンホジプロピオン酸二ナトリウム、PPG−2−イソデセチル(isodecethyl)−7カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸、ラウロアンホジプロピオン酸、ラウリルアミノプロピルグリシン、ラウリルジエチレンジアミノグリシン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるもの、が挙げられるが、これらに限定されない
【0026】
両性共界面活性剤は、以下の構造による界面活性剤であってもよい。
【0027】
【化1】
式中、R12は、9個〜15個の炭素原子を含む置換アルキル系、9個〜15個の炭素原子を含む非置換アルキル系、9個〜15個の炭素原子を含む直鎖アルキル系、9個〜15個の炭素原子を含む分枝鎖アルキル系、及び9個〜15個の炭素原子を含む不飽和アルキル系からなる群から選択されるC連鎖一価置換基であり、R13、R14、及びR15は、1個〜3個の炭素原子を含むC連鎖二価直鎖アルキル系、及び1個〜3個の炭素原子を含むC連鎖二価分枝鎖アルキル系からなる群からそれぞれ独立して選択され、M+は、ナトリウム、アンモニウム、及びプロトン化トリエタノールアミンからなる群から選択される一価対イオンである。一実施形態において、両性界面活性剤は、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸アンモニウム、ココアンホ酢酸アンモニウム、ラウロアンホ酢酸トリエタノールアミン、ココアンホ酢酸トリエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
本組成物は、双性イオン性共界面活性剤を含んでもよく、この双性イオン性界面活性剤は、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体であり、脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。双性イオン性界面活性剤は、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルジメチルアミノヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタインアミドアンホプロピオネート、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココ−スルタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。好適な双性イオン性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタインである。双性イオン性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココ−スルタイン、ラウリルベタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0029】
共界面活性剤は双性イオン性界面活性剤であってもよく、この双性イオン性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココ−スルタイン、ラウリルベタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0030】
共界面活性剤は、コカミド、コカミドメチルMEA、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドMIPA、ラウラミドDEA、ラウラミドMEA、ラウラミドMIPA、ミリスタミドDEA、ミリスタミドMEA、PEG−20コカミドMEA、PEG−2コカミド、PEG−3コカミド、PEG−4コカミド、PEG−5コカミド、PEG−6コカミド、PEG−7コカミド、PEG−3ラウラミド、PEG−5ラウラミド、PEG−3オレアミド、PPG−2コカミド、PPG−2ヒドロキシエチルコカミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤であってもよい。
【0031】
ヘアケア組成物における使用に好適なその他のアニオン性、双性イオン性、両性及び非イオン性の追加の界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon著「Emulsifiers and Detergents,1989 Annual」M.C.Publishing Co.発行、並びに米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、及び同第2,528,378号に記載されており、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれている。
【0032】
粘度低減剤
ヘアケア組成物は、ヘアケア組成物の約1重量%〜約5重量%、あるいは約2重量%〜約4重量%、あるいは約1重量%〜約3重量%の1種以上の粘度低減剤を含む。
【0033】
粘度低減剤は、エタノール、ジプロピレングリコール、キシレンスルホン酸ナトリウム、アルコキシル化シリコーン/エトキシル化シリコーン/プロポキシル化シリコーン/ポリオキシエチレンシリコーン/ポリオキシプロピレンシリコーン/ポリエチレングリコールシリコーン/PEG−8シリコーン/PEG−9シリコーン/PEG−nシリコーン/シリコーンエーテル(nは別の整数であると考えられる)からなる群から選択されてもよく、非限定的な例には、PEG8−ジメチコンA208)MW 855、PEG8ジメチコンD208 MW2706、Silsurf及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
本明細書に記載のヘアケア組成物は、約8センチポアズ〜約15,000センチポアズ、あるいは約9センチポアズ〜約12,000センチポアズ、あるいは約10センチポアズ〜約11,000センチポアズの液相粘度を有してもよい。濃縮毛髪組成物の粘度値は、25℃で2レシプロカル秒のせん断速度で同心円筒アタッチメントを有するTA器具AR−G2レオメータを使用して測定することができる。本発明の一実施形態において、ヘアケア組成物は、パッケージ構成からの分配を容易にすることができる範囲の粘度を有してもよい。
【0035】
水混和性溶媒
組成物は、水混和性グリコール及び他のジオールを含むことができる。非限定的な例として、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1−プロペン、1,3,3,3テトラフルオロ−(1E)、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールが挙げられる。
【0036】
フケ防止活性物質
本発明の組成物はまた、フケ防止剤を含有してもよい。フケ防止粒子の好適な非限定例には、ピリジンチオン塩、硫化セレン、粒子状硫黄、及びこれらの混合物が挙げられる。かかるフケ防止粒子は、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合する必要があり、製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なってはならない。
【0037】
1.ピリジンチオン塩
ピリジンチオンフケ防止粒子、特に1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、本発明の組成物に用いる粒子状フケ防止剤の1つの実施形態である。ピリジンチオンフケ防止粒子の濃度は、典型的には組成物の約0.1重量%〜約10重量%の範囲である。一実施形態において、ピリジンチオンフケ防止粒子の濃度は、約0.1重量%〜約8重量%の範囲であり、更なる実施形態では、約0.3重量%〜約5重量%の範囲である。本発明の一実施形態において、ピリジンチオン塩は、亜鉛、銅、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム及びジルコニウムなどの重金属から形成されるものを含む。本発明の一実施形態において、ピリジンチオン塩は、重金属亜鉛から形成され、更なる実施形態においては、(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られる)1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩であり、なお血小板状粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩の更なる実施形態においては、当該粒子は約20μまでの平均粒径を有する。本発明の一実施形態において、粒子は、約5μまで、更なる実施形態においては、約2.5μまでの平均粒径を有する。他のカチオン(例えば、ナトリウム)から形成される塩類もまた好適であり得る。ピリジンチオンフケ防止剤は、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。本明細書の組成物において、ZPTをフケ防止粒子として使用する際、毛髪の成長又は再生が刺激されるか、又は調節されるか、若しくはその両方が行われるか、又は脱毛が低減されるか又は阻害されるか、若しくは毛髪がより濃く若しくは豊かに見える可能性があると想到される。
【0038】
2.その他の抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択されるフケ防止活性物質に加えて、本発明は、金属ピリチオン塩活性物質に加えて、1つ以上の抗真菌若しくは抗菌活性物質を更に含んでもよい。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イクチオールペール(ichthyol pale)、Sensiva SC−50、Elestab HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の一実施形態において、抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン及びコールタールが挙げられる。
【0039】
a.アゾール
アゾール抗菌剤としては、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールなどのトリアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。組成物に存在する場合、アゾール抗菌有効成分は約0.01%〜約5%の量で含まれる。本発明の一実施形態において、アゾール抗菌有効成分は、組成物の約0.1重量%〜約3重量%、更なる実施形態においては約0.3重量%〜約2重量%の量で含まれる。本発明の一実施形態において、アゾール抗菌剤はケトコナゾールである。
【0040】
b.硫化セレン
硫化セレンは、本発明の抗菌組成物に用いるのに好適な粒子状フケ防止剤であり、その有効濃度は組成物の約0.1重量%〜約4重量%であり、本明細書の一実施形態においては約0.3重量%〜約2.5重量%、更なる実施形態においては約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲である。硫化セレンは、一般的には、セレン1モル及び硫黄2モルを有する化合物とみなされるが、一般式Se
xS
y(式中x+y=8)に従う環式構造であってもよい。前方レーザー光散乱装置(例えば、Malvern 3600装置)で測定した硫化セレンの平均粒径は、典型的には15μm未満であり、本発明の一実施形態においては、10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、及び同第4,885,107号に記載されている。
【0041】
c.硫黄
d.角質溶解剤
e.追加の抗菌活性物質
本発明の追加の抗菌活性物質は、メラレウカ(茶木)及び炭の抽出物を含んでもよい。本発明はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせには、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールとイオウとの組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、ジンクピリチオンとクリムバゾール並びにこれらの混合物を挙げることができる。これらの有効成分は、本明細書で使用されるとき、約1%〜約4%、本発明の一実施形態においては約2%〜約4%のレベルで使用される。
【0042】
一実施形態において、組成物は、有効な量の亜鉛含有層状材料を含む。一実施形態において、本組成物は、組成物の総重量の約0.001重量%〜約10重量%、又は約0.01重量%〜約7重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%の亜鉛含有層状材料を含む。
【0043】
亜鉛含有層状材料は、結晶の成長が主に二次元で生じたものであってもよい。層構造は、全ての原子が明確な層に組み込まれているものだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層間にイオン又は分子があるものとすることが慣例的である(A.F.Wellsの「Structural Inorganic Chemistry」Clarendon Press,1975)。亜鉛含有層状材料(Zinc-containing layered material、ZLM)は、亜鉛を層に組み込んでいてもよく、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であってもよい。以下のZLMのクラスは、一般的分野における比較的一般的な例を代表するものであり、この定義に適合する、より広範囲の物質に関して限定的であることを意図するものではない。
【0044】
多くのZLMが鉱物として天然に存在する。一実施形態において、ZLMは、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化銅亜鉛)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。亜鉛を含有する関連鉱物が組成物中に含まれていてもよい。粘土性鉱物(例えば、フィロシリケート)等のアニオン性層の種がイオン交換された亜鉛ギャラリーイオンを含有する、天然のZLMもまた存在し得る。これら天然物質は全て、合成によって得ることもでき、又は組成物中においてその場で、若しくは製造プロセスの間に形成することもできる。
【0045】
必ずしもそうではないが、多くの場合合成である、ZLMの別の一般的なクラスは、層状複水酸化物である。一実施形態において、ZLMは、式[M
2+1−xM
3+x(OH)
2]
x+A
m−x/m・nH
2O(式中、二価イオン(M
2+)の一部又は全ては、亜鉛イオンである)に一致する層状複水酸化物である(Crepaldi,EL,Pava,PC,Tronto,J,Valim,JB J.Colloid Interfac.Sci.2002、248、429〜42)。
【0046】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、更に別のクラスのZLMを調製することもできる(Morioka,H.,Tagaya,H.,Karasu,M,Kadokawa,J,Chiba,KInorg.Chem.1999,38,4211〜6)。一実施形態において、ZLMは、式[M
2+1−xM
2+1+x(OH)
3(1−y)]
+ A
n−(1=3y)/n・nH
2Oに一致するヒドロキシ複塩であり、2つの金属イオン(M
2+)は同一であっても異なっていてもよい。金属イオンが同一であって亜鉛で表される場合、式は、[Zn
1+x(OH)
2]
2x+ 2x A
−・nH
2Oに簡素化される。この後者の式は、ヒドロキシ塩化亜鉛及びヒドロキシ硝酸亜鉛等の物質を表す(x=0.4である場合)。一実施形態において、ZLMは、ヒドロキシ塩化亜鉛及び/又はヒドロキシ硝酸亜鉛である。これらはまた、二価のアニオンで一価のアニオンを置き換える、水亜鉛土にも関連する。また、これらの材料は、組成物中においてその場で、又は製造プロセスの間に形成することができる。
【0047】
一実施形態において、本組成物は塩基性炭酸亜鉛を含む。塩基性炭酸亜鉛の市販供給源としては、塩基性炭酸亜鉛(Cater Chemicals:Bensenville,IL,USA)、炭酸亜鉛(Shepherd Chemicals:Norwood,OH,USA)、炭酸亜鉛(CPS Union Corp.:New York,NY,USA)、炭酸亜鉛(Elementis Pigments:Durham,UK)、及び炭酸亜鉛AC(Bruggemann Chemical:Newtown Square,PA,USA)が挙げられる。塩基性炭酸亜鉛は、商業的には、「炭酸亜鉛」、「炭酸亜鉛塩基」、又は「ヒドロキシ炭酸亜鉛」と呼ばれる場合もあるが、天然の水亜鉛土に似た物質からなる合成物である。理想的な化学量論は、Zn
5(OH)
6(CO
3)
2により表されるが、実際の化学量論的比は僅かに変化することがあり得、またその他の不純物が結晶格子内に組み込まれる場合がある。
【0048】
亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、亜鉛含有層状物質とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩の比は、約5:100〜約10:1、又は約2:10〜約5:1、又は約1:2〜約3:1である。
【0049】
カチオン性ポリマー
ヘアケア組成物は、カチオン性ポリマーを更に含む。これらのカチオン性ポリマーは、(a)カチオン性グアーポリマー、(b)カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー、(c)カチオン性タピオカポリマー、(d)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、及び/又は(e)洗浄性界面活性剤と組み合わせた際にリオトロピック液晶を形成してもしなくてもよい、合成非架橋型カチオン性ポリマー、(f)カチオン性セルロースポリマーのうちの少なくとも1つを含み得る。更に、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの混合物であってよい。
【0050】
本ヘアケア組成物は、カチオン性に置換されたガラクトマンナン(グアー)ガム誘導体であるカチオン性グアーポリマーを含んでもよい。これらのグアーガム誘導体の調製に用いられるグアーガムは典型的に、グアープラントの種から天然に産出される材料として得られる。グアー分子自体は、交互に位置するマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分枝する直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1−4)グリコシド結合によって互いに結合している。ガラクトース分岐は、α(1−6)結合によって生じる。グアーガムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との間の反応によって得られる。グアー構造上のカチオン性基の置換度は、上述の必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分でなくてはならない。
【0051】
一実施形態によれば、カチオン性ポリマーとしては、1,000,000g/mol未満、又は約10,000〜約1,000,000g/mol、又は約25,000〜約1,000,000g/mol、又は約50,000〜約1,000,000g/mol、又は約100,000〜約1,000,000g/molの分子量を有するカチオン性グアーポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、約0.2〜約2.2meq/g、又は約0.3〜約2.0meq/g、又は約0.4〜約1.8meq/g、又は約0.5meq/g〜約1.7meq/gの電荷密度を有する。
【0052】
一実施形態によれば、カチオン性グアーポリマーは、約1,000,000g/mol未満の重量平均分子量を有し、約0.1meq/g〜約2.5meq/gの電荷密度を有する。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは950,000g/mol未満、又は約10,000〜約900,000g/mol、又は約25,000〜約900,000g/mol、又は約50,000〜約900,000g/mol、又は約100,000〜約900,000g/mol、約150,000〜約800,000g/molの重量平均分子量を有する。1つの実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、約0.2〜約2.2meq/g、又は約0.3〜約2.0meq/g、又は約0.4〜約1.8meq/g、又は約0.5meq/g〜約1.5meq/gの電荷密度を有する。
【0053】
ヘアケア組成物は、組成物の総重量の約0.05重量%〜約1重量%未満、約0.05重量%〜約0.9重量%、約0.1重量%〜約0.8重量%、又は約0.2重量%〜約0.7重量%のカチオン性ポリマー(a)を含むことができる。
【0054】
カチオン性グアーポリマーは、四級アンモニウム化合物から形成することができる。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーを形成するための四級アンモニウム化合物は、次の一般式1に適合する。
【0055】
【化2】
式中、R
3、R
4、及びR
5は、メチル又はエチル基であり、R
6は、次の一般式2のエポキシアルキル基のいずれかである:
【0056】
【化3】
又は、R
6は、次の一般式3のハロヒドリン基である:
【0057】
【化4】
式中、R
7は、C
1〜C
3アルキレンであり、Xは、塩素又は臭素であり、Zは、Cl−、Br−、I−、又はHSO
4−などのアニオンである。
【0058】
一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは次の一般式4に適合する。
【0059】
【化5】
式中、R
8は、グアーガムであり、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上の定義と同様であり、Zは、ハロゲンである。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは式5に適合する。
【0061】
好適なカチオン性グアーポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体が挙げられる。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの具体的な例としては、Rhone−Poulenc Incorporatedから市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、例えば、Rhodiaから市販されているJaguar(登録商標)C−500が挙げられる。Jaguar(登録商標)C−500は、0.8meq/gの電荷密度及び500,000g/molの分子量を有する。他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、約1.1meq/gの電荷密度、及び約500,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能であるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、並びに約1.5meq/gの電荷密度、及び約500,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能であるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/molの分子量を有し、Rhodiaから入手可能であるHi−Care1000、約0.7meq/gの電荷密度、及び約425,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能であるN−Hance 3269、及びN−Hance 3270である。AquaCat CG518は、約0.9meq/gの電荷密度、及び約50,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能である。約1.1meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有するホウ酸塩(ホウ素)を含まないグアーであるBF−13、並びに約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有するホウ酸塩(ホウ素)を含まないグアーであるBF−17は、いずれもASIから入手可能である。
【0062】
ヘアケア組成物には、モノマー対モノマー基準でマンノースとガラクトースとの比が2:1より大きいガラクトマンナンポリマー誘導体を含有させてもよい。ガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、及び正味電荷が正である両性ガラクトマンナンポリマー誘導体からなる群から選択される。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」は、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」は、ポリマーが正味の正電荷を有するようにカチオン性基及びアニオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。
【0063】
ガラクトマンナンポリマーは、マメ科植物の種子の内胚乳に存在する。ガラクトマンナンポリマーは、マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの組み合わせから構成される。ガラクトマンナン分子は、特定のマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分枝した直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1−4)グルコシド結合によって互いに結合されている。ガラクトース分岐は、α(1−6)結合によって生じる。マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの比は、植物種によって様々であり、気候の影響も受ける。非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、モノマー対モノマー基準で2:1より大きいマンノースとガラクトースとの比を有し得る。好適なマンノースとガラクトースとの比は、約3:1より大きくてもよく、マンノースとガラクトースとの比は約4:1より大きくてもよい。マンノースとガラクトースとの比の分析は、当該技術分野において周知であり、典型的には、ガラクトース含量の測定に基づく。
【0064】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体の調製に用いられるガムは典型的には、植物の種又はマメなどの天然物質として得られる。様々な非グアーガラクトマンナンポリマーの例としては、タラガム(マンノース3部/ガラクトース1部)、イナゴマメ又はカロブ(マンノース4部/ガラクトース1部)、及びカッシアガム(マンノース5部/ガラクトース1部)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
本発明の一実施形態では、非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1,000〜約1,000,000、及び/又は約5,000〜約900,000の分子量を有する。
【0066】
ヘアケア組成物はまた、約0.5meq/g〜約7meq/gのカチオン電荷密度を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を含むことができる。一実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1meq/g〜約5meq/gのカチオン電荷密度を有する。ガラクトマンナン構造へのカチオン性基の置換度は、必要なカチオン電荷密度をもたらすのに十分でなければならない。
【0067】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、非グアーガラクトマンナンポリマーのカチオン性誘導体であってもよく、これは、ポリガラクトマンナンポリマーのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との反応によって得られる。カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体の形成に使用する好適な四級アンモニウム化合物としては、上記で定義された一般式1〜5に適合するものが挙げられる。
【0068】
上記の試薬から形成されるカチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、次の一般式6により表される:
【0069】
【化7】
式中、Rはガムである。カチオン性ガラクトマンナン誘導体は、ガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであることができ、これは、より具体的には、下記の一般式7によって表すことができる。
【0071】
あるいは、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であってもよく、これはカチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体がアニオン基を更に含む場合に得られる。
【0072】
カチオン性非グアーガラクトマンナンは、約4:1より大きいマンノースとガラクトースとの比、約50,000g/mol〜約1,000,000g/mol、及び/又は約100,000g/mol〜約900,000g/molの分子量、並びに約1meq/g〜約5meq/g及び/又は2meq/g〜約4meq/gのカチオン電荷密度を有し、カッシアという植物から得ることもできる。
【0073】
ヘアケア組成物は、組成物の少なくとも約0.05重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体、あるいは、組成物の約0.05重量%〜約2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含むことができる。
【0074】
ヘアケア組成物には水溶性のカチオン変性デンプンポリマーを含有させることができる。本明細書で使用するとき、用語「カチオン変性デンプン」とは、デンプンがより小さい分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプン、又はデンプンの変性後にカチオン性基が付加されて所望の分子量に達したデンプンを指す。用語「カチオン変性デンプン」の定義には、両性変性デンプンも含まれる。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
【0075】
ヘアケア組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、及び/又は約0.05重量%〜約5重量%の範囲のカチオン変性デンプンポリマーを含むことができる。
【0076】
本発明で開示されるカチオン変性デンプンポリマーは、結合窒素の百分率が約0.5%〜約4%である。
【0077】
ヘアケア組成物で用いるカチオン変性デンプンポリマーは、約50,000g/mol〜約1,000,000g/mol、及び/又は約100,000g/mol〜約1,000,000g/molの分子量を有することができる。
【0078】
ヘアケア組成物は、約0.2meq/g〜約5meq/g、及び/又は約0.2meq/g〜約2meq/gの電荷密度を有するカチオン変性デンプンポリマーを含んでもよい。このような電荷密度を得るための化学修飾としては、デンプン分子にアミノ基及び/又はアンモニウム基を付加することが挙げられるが、これらに限定されない。これらのアンモニウム基の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライドなどの置換基を挙げることができる。Solarek,D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.(Boca Raton,Fla.),1986,pp 113〜125を参照のこと。カチオン性基は、より小さな分子量に分解される前にデンプンに付加されてもよく、又は、カチオン性基は、このような変性の後に付加されてもよい。
【0079】
カチオン変性デンプンポリマーは、概して、約0.2〜約2.5のカチオン性基の置換度を有する。本明細書で使用するとき、カチオン変性デンプンポリマーの「置換度」とは、置換基によって誘導体化された各無水グルコース単位のヒドロキシル基数の平均値である。各無水グルコース単位は、置換に利用できる3個の可能なヒドロキシル基を有し、可能な最大置換度は3である。置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数として、モル平均基準で表わされる。置換度は、当該技術分野において周知のプロトン核磁気共鳴分光法(「.sup.1H NMR」)法を使用して求めることができる。好適な.sup.1H NMR法としては、「Observation on NMR Spectra of Starches in Dimethyl Sulfoxide,Iodine−Complexing,and Solvatingin Water−Dimethyl Sulfoxide」,Qin−Ji Peng and Arthur S.Perlin,Carbohydrate Research,160(1987),57〜72;及び「An Approach to the Structural Analysis of Oligosaccharides by NMR Spectroscopy」,J.Howard Bradbury and J.Grant Collins,Carbohydrate Research,71,(1979),15〜25に記載されているものが挙げられる。
【0080】
化学修飾前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草及び穀物などの様々な供給源から選択することができる。この供給源のデンプンの非限定的な例としては、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ワキシーコーンスターチ、オートムギデンプン、キャッサバデンプン、もち麦、もち米(waxy rice)デンプン、グルテン状ライススターチ、もち米(sweet rice)デンプン、アミオカ、バレイショデンプン、タピオカデンプン、オートムギデンプン、サゴデンプン、もち米、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0081】
カチオン変性デンプンポリマーは、分解カチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ジャガイモデンプン、及びこれらの混合物から選択することができる。あるいは、カチオン変性デンプンポリマーは、カチオン性コーンスターチ及びカチオン性タピオカである。
【0082】
デンプンは、より小さな分子量へと分解する前又は修飾した後に、1以上の追加の修飾を施してもよい。例えば、これらの修飾には、架橋、安定化反応、リン酸化反応、及び加水分解を挙げることができる。安定化反応としては、アルキル化及びエステル化を挙げることができる。
【0083】
カチオン変性デンプンポリマーは、加水分解デンプン(例えば、酸、酵素、若しくはアルカリ分解)、酸化デンプン(例えば、過酸化物、過酸、次亜塩素酸塩、アルカリ、若しくは他のいずれかの酸化剤)、物理的又は機械的に分解させたデンプン(例えば、加工装置のサーモメカニカルエネルギー投入によるもの)、又はこれらの組み合わせ、の形態で組成物に組み込んでよい。
【0084】
デンプンの最適な形状は、水に容易に溶解して、実質的に透明な水溶液(600nmの透過率(%)が80以上)を形成する形状である。組成物の透過率は、紫外可視(UV/VIS)吸光度測定法によって測定される。この測定法は、関連する指示事項に従って、Gretag Macbeth Colorimeter Color i 5を用いて、サンプルのUV/VIS光の吸収率又は透過率を測定する。600ナノメートルの光波長が、化粧品組成物の透明度を特徴づけるのに適していることが示されている。
【0085】
ヘアケア組成物で用いるのに好適なカチオン変性デンプンは、公知のデンプン供給業者から入手可能である。同様に、ヘアケア組成物での使用に適しているのは、当該技術分野において公知のカチオン変性デンプンに更に誘導体化することができるノニオン性変性デンプンである。他の好適な変性デンプンの出発物質は、ヘアケア組成物での使用に好適なカチオン変性デンプンポリマーを製造するために、当該技術分野において公知であるように、四級化されてもよい。
【0086】
デンプン分解手順:デンプンスラリーは、水中に粒状のデンプンを混合することによって調製することができる。温度を、約35℃まで上昇させる。次に、デンプンに対して約50ppmの濃度で、過マンガン酸カリウム水溶液を添加した。水酸化ナトリウムによってpHを約11.5まで上昇させ、スラリーを十分に攪拌して、デンプンが沈殿しないようにする。次に、デンプンベースで過酸化物濃度が約1%になるまで、水で希釈した過酸化水素の約30%溶液を加える。続いて、追加の水酸化ナトリウムを加えることによって、pHを約11.5に戻す。この反応は、約1〜約20時間かけて完了する。次に、混合物を、希塩酸で中和する。分解したデンプンを、ろ過によって回収してから、洗浄、乾燥する。
【0087】
本ヘアケア組成物には、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含めることができ、このコポリマーは約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーであってもよい。
【0088】
カチオン性コポリマーは、以下を含み得る。
【0089】
(i)次式AMのアクリルアミドモノマー:
【0090】
【化9】
式中、R
9は、H、又はC
1〜4アルキルであり、R
10及びR
11は独立して、H、C
1〜4アルキル、CH
2OCH
3、CH
2OCH
2CH(CH
3)
2、及びフェニルからなる群から選択されるか、ともにC
3〜6シクロアルキルを形成する。
【0091】
(ii)次式CMに適合するカチオン性モノマー:
【0092】
【化10】
式中、kは1であり、v、v’、及びv”はそれぞれ独立して、1〜6の整数であり、wは、0、又は1〜10の整数であり、X
−はアニオンである。
【0093】
カチオン性モノマーは、式CMに適合して、式中、k=1、v=3で、w=0、z=1であり、X
−がCl
−であって、次の構造を形成することができる。
【0095】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されてもよい。あるいは、カチオン性モノマーは、式CMに適合することができ、式中、v及びv”がそれぞれ3であり、v’=1、w=1、y=1であり、X
−はCl
−であって、次のようになる。
【0097】
上記の構造は、トリクワット(triquat)と称してもよい。
【0098】
好適なアクリルアミドモノマーとしては、アクリルアミド又はメタクリルアミドのいずれか一方が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
代替の実施形態では、カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマー及びカチオン性モノマーであり、カチオン性モノマーは、以下からなる群から選択される:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン;トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物。
【0100】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物を含むカチオン性モノマーからなる群から選択されるカチオン性モノマーを含むことができる。
【0101】
カチオン性コポリマーは、水溶性であってもよい。カチオン性コポリマーは、(1)(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドに基づくカチオン性モノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのコポリマーと、(2)(メタ)アクリルアミド、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー、及び(メタ)アクリルアミドに基づくモノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのターポリマーと、から形成される。カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、第四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルであってもよい。一実施形態において、四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートである。四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸の好適なカチオン化エステルは、塩化メチルで四級化されたジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩からなる群から選択することができる。一実施形態において、四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、ハロゲン化アルキルで、又は塩化メチル若しくは塩化ベンジル若しくは硫酸ジメチルで四級化された、ジメチルアミノエチルアクリレート(ADAME−Quat)である。カチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミドを主成分とする場合、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドであるか、又はハロゲン化アルキル、若しくは塩化メチル若しくは塩化ベンジル若しくは硫酸ジメチルで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドであり得る。
【0102】
(メタ)アクリルアミドを主成分とする好適なカチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドを含む。(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキルハライドで、特にメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくはジメチルサルフェートで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドであってもよい。
【0103】
カチオン性モノマーは、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーであってもよい。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド以外に、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、OECD加水分解試験に対して安定であるとみなされる全てのモノマーであり得る。カチオン性モノマーは加水分解に対して安定であってもよく、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及び水溶性カチオン性スチレン誘導体からなる群から選択されてもよい。
【0104】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドと、メチルクロリドで四級化された2−ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(ADAME−Q)と、メチルクロリドで四級化された3−ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド(DIMAPA−Q)とのターポリマーであってもよい。カチオン性コポリマーは、アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから形成することができ、このアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドは、約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。
【0105】
カチオン性コポリマーは、約1.1meq/g〜約2.5meq/g、又は約1.1meq/g〜約2.3meq/g、又は約1.2meq/g〜約2.2meq/g、又は約1.2meq/g〜約2.1meq/g、又は約1.3meq/g〜約2.0meq/g、又は約1.3meq/g〜約1.9meq/gの電荷密度を有することができる。
【0106】
カチオン性コポリマーは、約10,000g/mol〜約1,000,000g/mol、又は約25,000g/mol〜約1,000,000g/mol、又は約50,000g/mol〜約1,000,000g/mol、又は約100,000g/mol〜約1,000,000g/mol、又は約150,000g/mol〜約1,000,000g/molの分子量を有することができる。
【0107】
ヘアケア組成物は、1種以上のカチオン性モノマー単位から形成され得るカチオン性合成ポリマーを含むことができ、任意選択的に負電荷を有する1種以上のモノマー単位及び/又は非イオン性モノマーを含み、コポリマーの以降の電荷は正電荷である。これらの3種のモノマーの比は「m」、「p」及び「q」で表され、ただし、「m」は、カチオン性モノマーの数であり、「p」は、負電荷を有するモノマーの数であり、「q」は、非イオン性モノマーの数である。
【0108】
カチオン性ポリマーは、以下の構造を有する、水溶性又は分散性で、非架橋型の合成カチオン性ポリマーであってもよい。
【0109】
【化13】
式中、Aは次のカチオン性部分のうちの1以上のものであってよく、
【0110】
【化14】
式中、@は、アミド、アルキルアミド、エステル、エーテル、アルキル、又はアルキルアリールであり、
Yは、C1〜C22アルキル、アルコキシ、アルキリデン、アルキル、又はアリールオキシであり、
Ψは、C1〜C22のアルキル、アルキルオキシ、アルキルアリール又はアルキルアリールオキシであり、
Zは、C1〜C22のアルキル、アルキルオキシ、アリール又はアリールオキシであり、
R1は、H、C1〜C4の直鎖又は分枝鎖のアルキルであり、
sは、0又は1であり、nは、0又は≧1であり、
T及びR7は、C1〜C22アルキルであり、
X
−は、ハロゲン、ヒドロキシド、アルコキシド、サルフェート又はアルキルサルフェートである。
【0111】
上記の構造中、負電荷を有するモノマーは、R2’がH、C1〜C4の直鎖又は分枝状アルキルであり、R3が下記のとおりであることによって定義される。
【0112】
【化15】
式中、Dは、O、N、又はSであり、
Qは、NH
2、又はOであり、
uは、1〜6であり、
tは、0〜1であり、
J=元素P、S、Cを含有する酸化官能基である。
【0113】
上記の構造中、非イオン性モノマーは、R2”がH、直鎖又は分枝鎖のC1〜C4アルキルであることと、R6が直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルキルアリール、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルアリールオキシであることと、βが下記の定義どおりであることによって定義される。
【0114】
【化16】
式中、G’及びG”は互いに独立して、O、S、又はN−Hであり、Lは、0又は1である。
【0115】
カチオン性モノマーの例として、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの二級、三級、若しくは四級アミン官能基、又は窒素原子含有複素環基を含むモノマー、ビニルアミン又はエチレンイミン;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;これらの混合物、これらの塩、及びこれらに由来するマクロモノマーが挙げられる。
【0116】
カチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0117】
好適なカチオン性モノマーとしては、式−NR
3+(式中、Rは、同じであるか、又は異なるものであり、水素原子、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基を表す)の四級アンモニウム基を含み、任意選択的にヒドロキシル基を有するとともに、アニオン(対イオン)を含むものが挙げられる。アニオンの例は、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1〜6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートである。
【0118】
好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0119】
更なる好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドが挙げられる。
【0120】
負電荷を有するモノマーの例としては、ホスフェート又はホスホネート基を含むαエチレン性不飽和モノマー、αエチレン性不飽和モノカルボン酸、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、スルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物の塩が挙げられる。
【0121】
負電荷を有する好適なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩、及びスチレンスルホネート(SS)が挙げられる。
【0122】
非イオン性モノマーの例としては、酢酸ビニル、αエチレン性不飽和カルボン酸のアミド、αエチレン性不飽和モノカルボン酸と水素化又はフッ素化アルコールとのエステル、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(すなわちポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、ビニルニトリル、ビニルアミンアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、及びビニル芳香族化合物が挙げられる。
【0123】
好適な非イオン性モノマーとしては、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。
【0124】
ポリマーが、水、ヘアケア組成物、又はヘアケア組成物のコアセルベート相中に可溶性又は分散性を維持する限り、また、対イオンが、ヘアケア組成物の必須成分と物理的及び化学的相溶性を有するか、又はそうでなければ製品の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわない限り、合成カチオン性ポリマーに付随するアニオン性対イオン(X−)は、任意の既知の対イオンであってよい。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0125】
カチオン性ポリマーの濃度は、ヘアケア組成物の約0.025重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約3重量%、及び/又は約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
【0126】
好適なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、これは、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれており、Dow/Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から、Polymer LR、JR、及びKGシリーズのポリマーで入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corpより、Polymer LM−200の商標名で入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム67と呼ばれている、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から、SoftCAT Polymer SL−5、SoftCAT Polymer SL−30、Polymer SL−60、Polymer SL−100、Polymer SK−L、Polymer SK−M、Polymer SK−MH、及びPolymer SK−Hという商品名で入手可能である。
【0127】
発泡剤
本明細書に記載のヘアケア組成物は、ヘアケア組成物の約1重量%〜約10重量%の発泡剤、あるいは約2重量%〜約8重量%の発泡剤、及びあるいは約2.5重量%〜約7重量%の発泡剤を含んでもよい。
【0128】
発泡剤は、1種以上の揮発性物質を含んでもよく、これは気体状態では、ヘアケア組成物の他の成分を粒子状又は飛沫形態で運ぶことができる。発泡剤は、約−45℃〜約5℃の範囲内の沸点を有し得る。発泡剤は、従来のエアゾール容器に圧縮をかけて封入されるとき、液化され得る。エアゾールフォームディスペンサから出るときの発泡剤の急速沸騰は、ヘアケア組成物の他の成分の噴霧化に役立ち得る。
【0129】
エアゾール組成物に用いられ得るエアゾール発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、シクロプロパン、及びこれらの混合物などの化学的に不活性の炭化水素、並びにジクロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テトロフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロ−2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、モノクロロジフルオロメタン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、及びこれらの混合物などのハロゲン化炭化水素を挙げてもよい。発泡剤の非限定的な例としては、Honey Well製のプロペラントA46(イソブタン及びプロパン)(18、Diversified Cpc International(Channahon US)及びHF0(トランス1,3,3,3テトラフルオロプロパ1エン)(19)であってもよい。発泡剤は、イソブタン、プロパン、及びブタンなどの炭化水素を含んでよく、これらの物質は、低いオゾン反応性のために使用することができ、21.1℃で蒸気圧の範囲が約117キロパスカル〜約745キロパスカル(約1.17バール〜約7.45バール)、あるいは約117キロパスカル〜約483キロパスカル(約1.17バール〜約4.83バール)、及びあるいは214キロパスカル〜約379キロパスカル(約2.14バール〜約3.79バール)である場合、個々の成分として使用され得る。
【0130】
任意成分
ヘアケア組成物は、有益剤を含む1種以上の任意成分を更に含み得る。好適な有益剤としては、コンディショニング剤、カチオン性ポリマーシリコーンエマルジョン、フケ防止活性物質、ゲルネットワーク、キレート剤、及びヒマワリ油又はヒマシ油等の天然油が挙げられるが、これらに限定されない。更なる好適な任意成分としては、香料、香料マイクロカプセル、着色剤、粒子、抗菌剤、消泡剤(foam busters)、帯電防止剤、レオロジー変性剤及び増粘剤、懸濁材料及び構造化剤、pH調整剤及び緩衝剤、防腐剤、パールエッセンス剤、溶媒、希釈剤、抗酸化剤、ビタミン並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
そのような任意成分は、物理的及び化学的に組成物の成分に適合する必要があり、製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なうべきではない。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition(the Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)より出版)(2004年)(本明細書、以下「CTFA」と呼ぶ)に、本明細書の組成物に付加され得る様々な非限定的な材料が記載されている。
【0132】
コンディショニング剤
ヘアケア組成物のコンディショニング剤は、シリコーンコンディショニング剤であってよい。シリコーンコンディショニング剤は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約8重量%、約0.1重量%〜約5重量%、及び/又は約0.2重量%〜約3重量%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーン用の任意選択の懸濁化剤の非限定的な例が、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されており、これらの記載を参照により本明細書に援用する。
【0133】
使用のために好適なシリコーンコンディショニング剤は、25℃で測定したときに約20〜約2,000,000平方ミリメートル/秒(「mm
2/s」)、約1,000〜約1,800,000mm
2/s、約50,000〜約1,500,000mm
2/s、及び/又は約100,000〜約1,500,000mm
2/s(約20〜約2,000,000センチストローク(「csk」)、約1,000〜約1,800,000csk、約50,000〜約1,500,000csk、及び/又は約100,000〜約1,500,000csk)の粘度を有することができる。
【0134】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、典型的には、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートルの範囲の体積平均粒径を有する。小さい粒子を毛髪に塗布する場合、体積平均粒径は、典型的には、約0.01μm〜約4μm、約0.01μm〜約2μm、約0.01μm〜約0.5μmの範囲である。
【0135】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を議論する項を包含するシリコーンついての更なる資料が、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204〜308,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に見出され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0136】
使用に好適なシリコーンエマルジョンとしては、米国特許第4,476,282号、及び米国特許出願公開第2007/0276087号に記載の説明に従って調製された不溶性ポリシロキサンのエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、好適な不溶性ポリシロキサンとしては、α,ωヒドロキシ末端ポリシロキサン、又はα,ωアルコキシ末端ポリシロキサンなどの、約50,000〜約500,000g/molの範囲内の分子量を有するポリシロキサンが挙げられる。不溶性ポリシロキサンの平均分子量は、約50,000〜約500,000g/molの範囲内であることができる。例えば、不溶性ポリシロキサンの平均分子量は、約60,000〜約400,000;約75,000〜約300,000;約100,000〜約200,000の範囲内であってもよいか、又は平均分子量は約150,000g/molであってもよい。不溶性ポリシロキサンは、約30ナノメートル〜約10マイクロメートルの範囲内の平均粒径を有し得る。平均粒径は、例えば、約40ナノメートル〜約5μm、約50ナノメートル〜約1μm、約75ナノメートル〜約500ナノメートル、又は、約100ナノメートルの範囲内であってもよい。
【0137】
不溶性ポリシロキサンの平均分子量、シリコーンエマルションの粘度、及び不溶性ポリシロキサンを含む粒子の大きさは、Smith,A.L.The Analytical Chemistry of Silicones,John Wiley & Sons,Inc.:New York,1991に開示されている方法のように、当業者に広く用いられている方法によって測定される。例えば、シリコーンエマルションの粘度は、30℃で、2.5rpmでスピンドル6を備えたBrookfield粘度計を用いて測定することができる。シリコーンエマルションは、追加の乳化剤を、アニオン性界面活性剤とともに更に含んでよい。
【0138】
使用のために好適なシリコーンの他の種類としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。i)25℃で測定したとき約1,000,000mm
2/s(約1,000,000csk)未満の粘度を有する流動性物質であるシリコーン油を含むがこれに限定されないシリコーン流体、ii)少なくとも1つの一級、二級、又は三級アミンを含む、アミノシリコーン、iii)少なくとも1つの四級アンモニウム官能基を含むカチオン性シリコーン、iv)シリコーンゴム、(25℃で測定したとき、1,000,000mm
2/s(1,000,000csk)以上の粘度を有する材料を含む)v)高架橋ポリマーシロキサン系を含む、シリコーン樹脂、vi)少なくとも1.46の屈折率を有する、高屈折率シリコーン、及びvii)これらの混合物。
【0139】
ヘアケア組成物のコンディショニング剤は、単独で又は上記のシリコーンなどのその他のコンディショニング剤と組み合わせて、油又はロウなどの少なくとも1つの有機コンディショニング材料を更に含んでもよい。有機材料は、非ポリマー、オリゴマー、又はポリマーであってよい。この有機材料は、油又はロウの形態であってよく、配合物に、そのまま付加しても、予備乳化した形態で付加してもよい。有機コンディショニング材料のいくつかの非限定例としては、i)炭化水素油;ii)ポリオレフィン、iii)脂肪族エステル、iv)フッ素化コンディショニング化合物、v)脂肪族アルコール、vi)アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体、vii)四級アンモニウム化合物、viii)CTFA名称がPEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、PEG−2M、PEG−7M、PEG−14M、PEG−45Mであるもの、及びこれらの混合物などの、最大約2,000,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、が挙げられる。
【0140】
乳化剤
種々のアニオン性及び非イオン性乳化剤をヘアケア組成物に使用することができる。アニオン性及び非イオン性乳化剤は、本質的にモノマー又はポリマーのいずれかであることができる。モノマーの例としては、アルキルエトキシレート、アルキルサルフェート、石鹸、及び脂肪酸エステル、並びにそれらの誘導体が例示として挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、及びブロックコポリマー、並びにこれらの誘導体が例示として挙げられるが、これらに限定されない。ラノリン、レシチン及びリグニンなどの天然の乳化剤、並びにそれらの誘導体も、有用な乳化剤の非限定的な例である。
【0141】
キレート剤
ヘアケア組成物は、キレート剤を更に含むことができる。好適なキレート剤としては、A E Martell & R M Smith,Critical Stability Constants,Vol.1,Plenum Press,New York & London(1974)及びA E Martell & R D Hancock,Metal Complexes in Aqueous Solution,Plenum Press,New York & London(1996)に記載されるものが挙げられ、いずれも参照により本明細書に組み込まれる。キレート剤に関し、用語「塩及びそれらの誘導体」は、参照しているキレート剤と同じ官能構造(例えば、同じ化学主鎖)を含み、同様の又はより優れたキレート化特性を有する塩及び誘導体を意味する。塩及びそれらの誘導体としては、アルカリ金属、アルカリ土類、アンモニウム、置換アンモニウム塩(すなわち、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム)塩、酸性部分を有するキレート剤のエステル、及びこれらの混合物、特に、全てのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩が挙げられる。用語「誘導体」は、米国特許第5,284,972号に例示される化合物などの「キレート化界面活性剤」化合物、及び米国特許5,747,440号に開示されるポリマーEDDS(エチレンジアミン二コハク酸)などの、親キレート剤と同じ官能構造を有する1以上のキレート化基を含む大型分子も含む。
【0142】
ヘアケア組成物中のEDDSキレート剤の濃度は、約0.01重量%の低濃度又は約10重量%の高濃度であってよいものの、このような高濃度(即ち、10重量%)を超える場合には、配合及び/又は人の安全性に関する懸念が生じ得る。一実施形態において、EDDSキレート剤の濃度は、ヘアケア組成物の少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.25重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、又は少なくとも約2重量%であってよい。約4重量%超の濃度を使用することができるものの、追加効果は得られない。
【0143】
水性キャリア
ヘアケア組成物は、(周囲条件下で)注ぐことが可能な液体の形態であってよい。したがって、かかる組成物は、典型的にキャリアを含み、これはヘアケア組成物の約40重量%〜約80重量%、あるいは約45重量%〜約75重量%、あるいは約50重量%〜約70重量%の濃度で存在する。キャリアは、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよいが、一態様では、他の必須又は任意成分の微量成分として組成物中に偶然取り込まれる場合を除き、最小限の有機溶媒を含むか、又は有意の濃度の有機溶媒を含まない水を含んでもよい。
【0144】
ヘアケア組成物において、有用なキャリアとしては、水並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な例示的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0145】
エアゾールフォームディスペンサ
エアゾールフォームディスペンサは、ヘアケア組成物を保持するための収容容器を含んでもよい。収容容器は、プラスチック、金属、合金、積層体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される任意の好適な材料で作製されてもよい。一実施形態において、収容容器は、1回使い切りであり得る。一実施形態において、収容容器は、エアゾールフォームディスペンサから取り外し可能であり得る。あるいは、収容容器は、エアゾールフォームディスペンサと一体化してもよい。一実施形態において、2つ以上の収容容器が存在し得る。
【0146】
一実施形態において、収容容器は、剛性材料、可撓性材料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料で構成され得る。収容容器は、内側が不完全真空の対象となるときに、外圧下で潰れない場合、剛性材料で構成されてもよい。
【0147】
試験方法
泡沫密度
泡密度を、100mLのビーカーを質量計(mass balance)の上に配置し、ビーカーの質量を風袋引き(tarring)し、次いでエアゾール容器から100mLのビーカーに泡の体積が容器のへりより上になるまで製品を分配することにより測定する。泡は、泡にわたってへらで掻くことにより、ビーカーの上面と同じ高さになる。次いで、泡100mLの得られた質量を体積(100)で割り、g/mL単位の泡密度を求める。
【0148】
生体内頭皮付着量
頭皮上へのフケ防止活性物質の付着量は、熟練の美容師が従来の洗浄プロトコルに従い、個人の毛髪をフケ防止活性物質含有の組成物、例えば、本発明による組成物で洗浄することによって測定される。次いで、表面に開放端ガラスシリンダを保持できるよう毛髪を頭皮の領域上で分けて、同時に抽出溶液のアリコートを添加し撹拌した後、抗ふけ活性物質の内容物を回収し、HPLCのような従来の方法論に基づいて分析定量する。
【0149】
粘度コーン/プレート粘度測定
Brookfield Engineering Laboratories(Stoughton,MA)製Cone/Plate Controlled Stress Brookfield Rheometer R/S Plusにより、配合物の粘度を測定する。使用されるコーン(スピンドルC−75−1)は、直径が75mm、角度が1°である。粘度は、一定のせん断速度2s
−1及び温度26.5℃で定常状態の流動実験を使用して測定する。サンプル寸法は2.5mLであり、全測定読み取り時間は3分間である。
【0150】
製造方法
以下の実施例は、本明細書に述べられる本発明の実施形態を図示する。例示されたヘアケア組成物は、薄い界面活性剤相に、水、ポリマー、及び界面活性剤を、キシレンスルホン酸ナトリウム又はレオロジー変性剤とともに混合することにより製造することができる。界面活性剤は、pH7を目標として調整する。中和された界面活性剤相にジンクピリチオンと炭酸亜鉛固形物とを混合して分散させる。成分は周囲温度で完全に混合される。発泡剤、電解質、シリコーンエマルジョン、防腐剤及び芳香剤を含む追加の成分を、製品に添加してもよい。配合物分野の当業者の技術範囲内でヘアケア組成物の他の変形例が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。本明細書における全ての部、比率(%)、及び比は、特に指定しない限り、重量基準である。特定の成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。記載される量は、特に指定しない限り、活性物質の重量%を表す。
【0151】
以下の実施例は、本明細書に述べられる本発明の実施形態を図示する。本明細書における全ての部、比率(%)、及び比は、特に指定しない限り、重量基準である。特定の成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。記載される量は、特に指定しない限り、活性物質の重量%を表す。以下の表は、本明細書に記載されたヘアケア組成物の非限定的な例である。
【0154】
【表3】
1.ラウレス−1硫酸ナトリウム(Stepan Company製)
2.ラウリル硫酸ナトリウム(Stepan Company製)
3.Amphosol HCA(Stepan Company製)
4.トリヒドロキシステアリン(Elementis Specialties製)
5.グリコールジステアレート(Golschmidt Chemical Company製)
6.U2 ZPT(Lonza製)
7.硫化セレン(Eskay Fine Chemicals製)
8.オクトピロックス(Clariant製)
9.炭酸亜鉛(Bruggeman Group製)
10.芳香剤(P&G製)
11.Jaguar C500(Solvay製、分子量500,000g/mol、電荷密度0.8meq/g)
12.ジメチコンDM5500、ワッカーシリコーン
13.塩酸(Mallinckrodt Baker Inc.製)
14.防腐剤Kathon CG(Akzo Nobel製)
15.塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:Morton
16.キシレンスルホン酸ナトリウム(Stepan Company製)
17.安息香酸ナトリウム(Kalama Chemical製)
18.水(Misty Mountain Spring Water製)
19.発泡剤A46(イソブタン及びプロパン)(18、Diversified Cpc International(Channahon US))
20.発泡剤HF0(トランス1,3,3,3テトラフルオロプロパ1エン)(19)(Honey Well製)
21.PEG8ジメチコンA208(20)(MW855)(Siltech製)
22.PEG8ジメチコンD208(20)MW2706(Siltech製)
【0155】
【表4】
1)1%ZPT及び1.61%の炭酸亜鉛を有するフケ防止シャンプー
【0156】
結果
表の結果は、ZPTの濃縮レベルを含有するエアゾールフォームからのZPTの平均付着量がほぼ2倍に増加したことを示している。この付着量の増加は、液体形態のシャンプー製品コントロールの投与重量の半分で送達される。更に、より高い密度を有する泡(チャートの例B及びF)は、A及びEのより低密度の例と体積基準で比較して、送達時、更に多くのZPTを送達する能力を有することを観察することができる。
【0157】
実施例/組み合わせ
A.
i.約18%〜約36%の1種以上のアニオン性界面活性剤と、
ii.0.01〜約5%の分子量約38〜約2800の1種以上の粘度調整剤と、
iii.約0.1〜約10%のフケ防止粒子と、
iv.約1%〜約10%の発泡剤と、を含み、
泡密度は、約0.05〜約0.25g/mLである、発泡組成物。
B.フケ防止付着量は、0.8マイクログラム/cm
2以上である、A項に記載の発泡組成物。
C.泡密度は、0.1%〜約0.2%である、A及びB項に記載の発泡組成物。
D.(25℃で測定された)粘度は、9000cps未満である、A〜C項に記載の発泡組成物。
E.組成物は、約1%〜約5%の1種以上の両性/双性イオン性又は非イオン性共界面活性剤、及びこれらの混合物を更に含む、A〜D項に記載の発泡組成物。
F.粘度調整剤の分子量は、約75〜約350である、A〜E項に記載の発泡組成物。
G.フケ防止粒子は、フケ防止粒子の約1〜約5%である、A〜F項に記載の発泡組成物。
H.発泡剤は、約2%〜約8%である、A〜G項に記載の発泡組成物。
I.組成物は、0.1%〜5%の安定化剤を更に含む、A〜H項に記載の発泡組成物。
J.安定化剤は、トリヒドロキシステアリン、エチレングリコールジステアレートポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、A〜I項に記載の発泡組成物。
K.粘度調整剤は、エタノール、ジプロピレングリコール、キシレンスルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、アルコキシル化シリコーン/エトキシル化シリコーン/プロポキシル化シリコーン/ポリオキシエチレンシリコーン/ポリオキシプロピレンシリコーン/ポリエチレングリコールシリコーン/PEG−8シリコーン/PEG−9シリコーン/PEG−nシリコーン/シリコーンエーテル(nは別の整数であると考えられる)、及びこれらの混合物からなる群から選択される、A〜J項に記載の発泡組成物。
L.フケ防止粒子は、ピリジンチオン塩、硫化セレン、粒子状硫黄、及びこれらの混合物からなる群から選択される、A〜K項に記載の発泡組成物。
M.フケ防止粒子は、ジンクピリチオンである、A〜L項に記載の発泡組成物。
N.組成物は、アゾール、オクトピロックス、及びこれらの混合物からなる群から選択されるフケ防止物質を更に含む、A〜M項に記載の発泡組成物。
O.共界面活性剤は、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココモノエタノールアミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される、A〜N項に記載の発泡組成物。
P.発泡剤は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、シクロプロパン、及びこれらの混合物、並びにジクロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テトロフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロ−2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、モノクロロジフルオロメタン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、及びこれらの混合物などのハロゲン化炭化水素からなる群から選択される、A〜O項に記載の発泡組成物。
Q.発泡剤は、プロパン及びイソブテン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、A〜P項に記載の発泡組成物。
R.組成物は、カチオン性ポリマーを更に含む、A〜Q項に記載の発泡組成物。
S.組成物は、コンディショニング剤を更に含む、A〜R項に記載の発泡組成物。
T.コンディショニング剤は、シリコーンである、A〜S項に記載の発泡組成物。
【0158】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指定がない限り、そのような各寸法は、記載された値、及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図している。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0159】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用をも、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより本明細書に援用された文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0160】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。