特許第6813616号(P6813616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6813616
(24)【登録日】2020年12月21日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】配線板モジュール及びその放熱板構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20201228BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20201228BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20201228BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   H01L23/36 Z
   H01L23/36 D
   H01L23/46 Z
   H05K7/20 C
   H05K7/20 F
   H05K7/20 A
   H05K1/02 F
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-63016(P2019-63016)
(22)【出願日】2019年3月28日
(65)【公開番号】特開2020-141115(P2020-141115A)
(43)【公開日】2020年9月3日
【審査請求日】2019年3月28日
(31)【優先権主張番号】108106396
(32)【優先日】2019年2月26日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506169908
【氏名又は名称】嘉聯益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】李 謨霖
(72)【発明者】
【氏名】郭 加弘
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−239043(JP,A)
【文献】 特開2014−192408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
H01L 23/473
H05K 1/02
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1内面を有し、且つ前記第1内面に複数の第1金属バンプを有する第1板と、
前記第1板に接合されてその間に密封された収容キャビティを形成し、第2内面を有し、且つ前記第2内面に複数の第2金属バンプを有する第2板と、
前記収容キャビティ内に設置され、且つ複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの間に位置する熱伝導層と、
前記収容キャビティの残り空間に静的に充填されている熱緩衝液体と
を含む、放熱板構造。
【請求項2】
複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの位置は交互に設置され、前記熱伝導層は多孔層または連続層として存在する、請求項1に記載の放熱板構造。
【請求項3】
前記第1板は第1基板層及び少なくとも1つの前記第1基板層に形成された第1金属層を含み、且つ複数の前記第1金属バンプは前記第1金属層に形成され、
前記第2板は第2基板層及び少なくとも1つの前記第2基板層に形成された第2金属層を含み、且つ複数の前記第2金属バンプは前記第2金属層に形成されている、請求項1に記載の放熱板構造。
【請求項4】
前記第1板は少なくとも1つの第1ブラインドホールを有し、前記第1ブラインドホールは前記第1基板層を貫通し、且つ前記第1ブラインドホール内には第1熱伝導材料が充填され、
前記第2板は少なくとも1つの第2ブラインドホールを有し、前記第2ブラインドホールは前記第2基板層を貫通し、且つ前記第2ブラインドホール内には第2熱伝導材料が充填されている、請求項3に記載の放熱板構造。
【請求項5】
前記第1板は少なくとも1つの第1スルーホールを有し、前記第1スルーホールは前記第1基板層と前記第1金属層とを貫通し、且つ前記第1スルーホール内には第1熱伝導材料が充填され、
前記第2板は少なくとも1つの第2スルーホールを有し、前記第2スルーホールは前記第2基板層と前記第2金属層を貫通し、且つ前記第2スルーホール内には第2熱伝導材料が充填されている、請求項3に記載の放熱板構造。
【請求項6】
前記第1板は第1内側部及び少なくとも1つの前記第1内側部の一方側に位置する第1外側部を有し、
前記第2板は第2内側部及び少なくとも1つの前記第2内側部の一方側に位置する第2外側部を有し、
前記第1内側部と前記第2内側部の間には前記収容キャビティが形成され、
前記第1外側部と前記第2外側部の間には少なくとも1つの熱伝導柱がある、請求項1に記載の放熱板構造。
【請求項7】
前記放熱板構造の厚さは0.2ミリから0.5ミリであり、複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの平均高さは30ミクロンから220ミクロンである、請求項1に記載の放熱板構造。
【請求項8】
第1内面を有し、且つ前記第1内面に複数の第1金属バンプを有する第1板と、前記第1板に接合されてその間に密封された収容キャビティを形成し、第2内面を有し、且つ前記第2内面に複数の第2金属バンプを有する第2板と、前記収容キャビティ内に設置され、且つ複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの間に位置する熱伝導層と、前記収容キャビティの残り空間に静的に充填されている熱緩衝液体とを含む放熱板構造と、
前記放熱板構造の前記第1板に設置され、誘電体基板及び少なくとも1つの前記誘電体基板に形成された機能配線層を含む高周波高速配線板と、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部は前記放熱板構造における前記第1板と熱伝導的に接続され、且つ前記第2端部は前記機能配線層の近傍に設置される熱伝導体と
を含む、配線板モジュール。
【請求項9】
複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの位置は交互に設置され、前記熱伝導層は多孔層または連続層として存在し、
前記第1板は第1基板層及び少なくとも1つの前記第1基板層に形成された第1金属層を含み、且つ複数の前記第1金属バンプは前記第1金属層に形成され、
前記第2板は第2基板層及び少なくとも1つの前記第2基板層に形成された第2金属層を含み、且つ複数の前記第2金属バンプは前記第2金属層に形成され、
前記第1板は少なくとも1つの第1ブラインドホールを有し、前記第1ブラインドホールは前記第1基板層を貫通し、且つ前記第1ブラインドホール内には第1熱伝導材料が充填され、
前記第2板は少なくとも1つの第2ブラインドホールを有し、前記第2ブラインドホールは前記第2基板層を貫通し、且つ前記第2ブラインドホール内には第2熱伝導材料が充填され、
前記第1板は第1内側部及び少なくとも1つの前記第1内側部の一方側に位置する第1外側部を有し、
前記第2板は第2内側部及び少なくとも1つの前記第2内側部の一方側に位置する第2外側部を有し、
前記第1内側部と前記第2内側部の間に前記収容キャビティが形成され、
前記第1外側部と前記第2外側部の間に少なくとも1つの熱伝導柱が形成され、
前記放熱板構造の厚さは0.2ミリから0.5ミリであり、
複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの平均高さは30ミクロンから220ミクロンである、請求項8に記載の配線板モジュール。
【請求項10】
複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの位置は交互に設置され、
前記熱伝導層は多孔層または連続層として存在し、
前記第1板は第1基板層及び少なくとも1つの前記第1基板層に形成された第1金属層を有し、且つ複数の前記第1金属バンプは前記第1金属層に形成され、
前記第2板は第2基板層及び少なくとも1つの前記第2基板層に形成された第2金属層を含み、且つ複数の前記第2金属バンプは前記第2金属層に形成され、
前記第1板は少なくとも1つの第1スルーホールを有し、前記第1スルーホールは前記第1基板層と前記第1金属層とを貫通し、且つ前記第1スルーホール内には第1熱伝導材料が充填され、
前記第2板は少なくとも1つの第2スルーホールを有し、前記第2スルーホールは前記第2基板層と前記第2金属層を貫通し、且つ前記第2スルーホール内には第2熱伝導材料が充填され、
前記第1板は第1内側部及び少なくとも1つの前記第1内側部の一方側に位置する第1外側部を有し、
前記第2板は第2内側部及び少なくとも1つの前記第2内側部の一方側に位置する第2外側部を有し、
前記第1内側部と前記第2内側部の間に前記収容キャビティが形成され、
前記第1外側部と前記第2外側部の間に少なくとも1つの熱伝導柱が形成され、
前記放熱板構造の厚さは0.2ミリから0.5ミリであり、
複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの平均高さは30ミクロンから220ミクロンである、請求項8に記載の配線板モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放熱構造に関し、特に放熱板構造、及びそれを利用した配線板モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
5G世代の到来に伴って、高周波高速製品(例えばアンテナ)に対する効能要求は高まりつつあり、信号の伝達速度を速める必要があるだけではなく、信号を伝達する過程で損失が生じて信号の完全性を低下させることを回避する必要もある。また、電子製品は軽くて薄く且つ小型化及び高効能化されるに伴って、如何に限られた内部空間で電子素子を有効に放熱させるか、すなわち放熱構造を利用して電子素子が稼働過程で生じた熱を逃させるかは、本分野において解決が必要な課題の1つになる。例えば、放熱経路を設計する時には、単にX−Y方向に注目するだけではなく、Z方向における熱伝導の放熱効能全体への貢献を考える必要もある。
【0003】
放熱過程で、放熱構造は直接に電子素子と接触してもよく、或いは電子素子と隙間を持っていてもよい。例えば、黒鉛、金属または黒鉛/金属放熱フィンを直接高出力電子素子(例えばプロセッサー)に貼り付けてもよく、または隣り合う他の部品(例えば背側蓋)に貼り付けてもよい。これによって、熱を電子素子から逃がす。また、高出力電子素子(例えば発光ダイオード)はヒートパイプに設けられ、ヒートパイプによって熱を電子素子から放熱構造(例えば放熱フィン)に移転させて、放熱構造から外部に逃がす。
【0004】
前述放熱フィンは適時に稼働中の電子素子を放熱させるという役割があるが、それらの放熱能力には改善の余地があり、且つ軽くて薄型化の設計に不利となる。なお、ヒートパイプのコストが高く、その他の放熱構造に合わせて放熱を行う必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、現在の技術的不足に対しXYZの3つの方向においていずれも優れた熱伝導効果がある放熱板構造を提供し、、且つ、この放熱板構造を利用した配線板モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した技術的課題を解決するため、本発明による1つの技術的方案は、放熱板構造、高周波高速配線板及び熱伝導体を含む配線板モジュールを提供する。前記放熱板構造は第1板、第2板、熱伝導層及び緩衝液体を含み、前記第1板は第1内面を有し、且つ前記第1内面に複数の第1金属バンプを有し、前記第2板は前記第1板に接合されてその間に収容キャビティを形成し、前記第2板は第2内面を有し、且つ前記第2内面に複数の第2金属バンプを有し、前記熱伝導層は前記収容キャビティ内に設置され、且つ複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの間に位置し、前記緩衝液体は前記収容キャビティ内の残り空間に充填されている。前記高周波高速配線板は前記放熱板構造の前記第1板に設けられ、前記高周波高速配線板は誘電体基板及び少なくとも1つの前記誘電体基板に形成された機能配線層を含む。前記熱伝導体は第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部は前記放熱板構造の前記第1板と熱伝導的に接続され、且つ前記第2端部は前記機能配線層の近傍に設けられている。
【0007】
上記した技術的課題を解決するために、本発明が採用した他の技術的方案は、第1板、第2板、熱伝導層及び緩衝液体を含む放熱板構造を提供し、前記第1板は第1内面を有し、且つ前記第1内面に複数の第1金属バンプを有し、前記第2板は前記第1板に接合されてその間に収容キャビティを形成し、前記第2板は第2内面を有し、且つ前記第2内面に複数の第2金属バンプを有し、前記熱伝導層は前記収容キャビティ内に設置され、且つ複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの間に位置し、前記緩衝液体は前記収容キャビティの残り空間に充填されている。
【0008】
更に、複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの位置は交互に設置されている。
【0009】
更に、前記熱伝導層は多孔層または連続層として存在している。
【0010】
更に、前記第1板は第1基板層及び少なくとも1つの前記第1基板層に形成された第1金属層を含み、且つ複数の前記第1金属バンプは前記第1金属層に形成されている。
【0011】
更に、前記第1板は少なくとも1つの第1ブラインドホールを有し、前記第1ブラインドホールは前記第1基板層を貫通し、且つ前記第1ブラインドホール内には熱伝導材料が充填されている。
【0012】
更に、前記第1板は少なくとも1つの第1スルーホールを有し、前記第1スルーホールは前記第1基板層と前記第1金属層とを貫通し、且つ前記第1スルーホール内には熱伝導材料が充填されている。
【0013】
更に、前記第2板は第2基板層及び少なくとも1つの前記第2基板層に形成された第2金属層を含み、且つ複数の前記第2金属バンプは前記第2金属層に形成されている。
【0014】
更に、前記第2板は少なくとも1つの第2ブラインドホールを有し、前記第2ブラインドホールは前記第2基板層を貫通し、且つ前記第2ブラインドホール内には熱伝導材料が充填されている。
【0015】
更に、前記第2板は少なくとも1つの第2スルーホールを有し、前記第2スルーホールは前記第2基板層と前記第2金属層を貫通し、且つ前記第2スルーホール内には熱伝導材料が充填されている。
【0016】
更に、前記第1板は第1内側部及び少なくとも1つの前記第1内側部の一方側に位置する第1外側部を有し、前記第2板は第2内側部及び少なくとも1つの前記第2内側部の一方側に位置する第2外側部を有し、且つ前記収容キャビティは前記第1内側部と前記第2内側部の間に形成されている。
【0017】
更に、前記放熱板構造は更に少なくとも1つの熱伝導柱を含み、少なくとも1つの前記熱伝導柱は前記第1外側部と前記第2外側部の間に接続されている。
【0018】
更に、前記放熱板構造の厚さは0.2ミリから0.5ミリであり、複数の前記第1金属バンプと複数の前記第2金属バンプの平均高さは30ミクロンから220ミクロンである。
【0019】
本発明による1つの有益な効果は、本発明の放熱板構造が「第1板は第2板に接合されてその間に収容キャビティを形成し、熱伝導層が収容キャビティ内に設置され、且つ第1板内面における複数の第1金属バンプと第2板内面における複数の第2金属バンプの間に位置し、緩衝液体が収容キャビティ内の残り空間に充填されている」という技術的方案によって、軽くて薄型化、構造強度と放熱能力を両立させ、軽くて薄い電子製品の設計要求に応えることができる。
【0020】
更に本発明の特徴及び技術的内容を了解させるために、以下の本発明に係る詳細な説明と図面を参照する。しかし、提供された図面は参照と説明のためのものにすぎず、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る第1実施例における放熱板構造の1つの構造模式図である。
図2】本発明に係る第1実施例における放熱板構造の斜視模式図である。
図3】本発明に係る第1実施例における放熱板構造の他の構造模式図である。
図4図1のIV部分の1つの拡大模式図である。
図5図1のV部分の1つの拡大模式図である。
図6図1のIV部分の他の拡大模式図である。
図7図1のV部分の他の拡大模式図である。
図8図1のIV部分のさらなる拡大模式図である。
図9図1のV部分のさらなる拡大模式図である。
図10】本発明に係る第2実施例における放熱板構造の構造模式図である。
図11】本発明の配線板モジュールの1つの構造模式図である。
図12】本発明の配線板モジュールの他の構造模式図である。
図13】本発明の配線板モジュールのさらなる構造模式図である。
図14】本発明の配線板モジュールのさらなる構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下は特定の具体的な実施例によって本発明で開示された「配線板モジュール及びその放熱板構造」に係る実施形態を説明し、業者は本明細書に開示された内容を通じて本発明の利点と効果を理解できる。本発明は他の異なる具体的な実施例で実施または応用してもよく、本明細書におけるぞれぞれの細部は異なる観点と応用に基づいたものであってもよく、本発明の構想に違反することなく各種の補正と変更を行ってもよい。なお、本発明の図面は簡単な模式的説明にすぎず、実際の寸法に基づいた描写ではない。以下の実施形態はより詳細に本発明の関連する技術的内容を説明するが、開示された内容は本発明の保護範囲を制限するためのものではない。
【0023】
本文において「第1」、「第2」、「第3」などの術語を利用して各種の素子または信号を描写する可能性があるが、これらの素子または信号はこれらの術語に制限されない。これらの術語は主として一方の素子と他方の素子、または一方の信号と他方の信号を区別するためのものである。なお、本文において利用された術語「または」は、実情によれば関連する列挙項目のうちのいずれか1つ或いは複数の組み合わせを含む可能性がある。
【0024】
[第1実施例]
【0025】
図1から図3を参照し、本発明に係る第1実施例は第1板11、第2板12、熱伝導層13及び緩衝液体14を含む放熱板構造1を開示する。第1板11と第2板12の表面にはともに立体的熱伝導パターンを有し、第1板11は第2板12に接合されて密封の収容キャビティCを包囲して構成し、熱伝導層13は収容キャビティC内に設置され、緩衝液体14は収容キャビティC内の残り空間に充填されている。緩衝液体14は純水を採用してもよいが、これに制限されない。
【0026】
利用時に、第1板11は熱源で生じた熱を外へ速やかに導出して収容キャビティCに伝達でき、導出された熱は第1板11と第2板12における立体的熱伝導パターン、緩衝液体14と熱伝導層13の協力によってXY方向に沿って伝達された後、大きな面積にわたってZ方向に沿って第2板12に伝達され、その後第2板12から外部に逃がすことができる。
【0027】
更に言えば、第1板11は吸熱側としてもよく、第1板11は第1外面111及び第1外面111に対する第1内面112を有し、第1内面112には複数の第1金属バンプ1121を有する。第2板12は放熱側としてもよく、第2板12は第2外面121及び第2外面121に対する第2内面122を有し、第2内面122には複数の第2金属バンプ1221を有する。更に言えば、複数の第1金属バンプ1121は第1板11の第1内面112にアレイに配列されてもよく、複数の第1金属バンプ1121の分布面積は第1内面112の面積の5%から30%を占めてもよい。複数の第2金属バンプ1221は第2板12の第2内面122にアレイに配列され、複数の第2金属バンプ1221の分布面積は第2内面122の面積の5%から30%を占めてもよい。しかし、上記に挙げられた例は1つの実行可能な実施例にすぎず、本発明を限定するためのものではない。実際の需要によれば、複数の第1金属バンプ1121と複数の第2金属バンプ1221はその他の規則的配列方式を採用してもよい。
【0028】
本実施例において、第1板11と第2板12はそれぞれ可撓性板、例えば可撓性PCB板であっても良い。第1金属バンプ1121と第2金属バンプ1221は電着またはスクリーン印刷の手段で形成されてもよく、第1金属バンプ1121と第2金属バンプ1221の平均高さは30ミクロンから220ミクロンであってもよい。第1金属バンプ1121と第2金属バンプ1221の材質は銅またはその他の高熱伝導金属であってもよく、第1金属バンプ1121と第2金属バンプ1221の材質は同じでもよいし異なってもよい。第1金属バンプ1121と第2金属バンプ1221の外形は角柱状または円柱状であってもよく、第1金属バンプ1121と第2金属バンプ1221の外形は同じでもよいし異なってもよい。しかし、本発明は上記に挙げられた例に限定されない。
【0029】
図1を参照し、且つ図4及び図5に示すのを合わせて参照し、図4及び図5は第1板11と第2板12のある実現方式である。第1板11は単一の金属、例えば銅またはその他の高熱伝導金属で形成されてもよい。実際の需要によれば、第1板11は金属と高分子または高分子複合材料で構成されてもよい。更に言えば、第1板11は第1基板層11a及び少なくとも1つの第1基板層11aに形成された第1金属層11bを含んでもよく、且つ複数の第1金属バンプ1121は第1金属層11bに形成されている。第2板12は第2基板層12a及び少なくとも1つの第2基板層12aに形成された第2金属層12bを含んでもよく、且つ複数の第2金属バンプ1221は第2金属層12bに形成されている。第1基板層11aと第2基板層12aが支持の役割を果たすことができ、第1金属層11bと第2金属層12bが吸放熱の役割を果たすことができる。
【0030】
図6及び図7を参照し、それらは第1板11と第2板12の他の実現方式である。図6に示すように、第1板11には第1基板層11a及び2つのそれぞれ第1基板層11aにおける対向し合う表面に形成された第1金属層11bが含まれた構造において、第1板11に1つまたは複数の第1ブラインドホール11cが形成されてもよい。第1ブラインドホール11cは第1基板層11aを貫通し、第1ブラインドホール11c内には第1熱伝導材料が充填されて2つの第1金属層11bの間の熱伝導的接続を形成する。第2板12には第2基板層12a及び2つのそれぞれ第2基板層12aにおける対向し合う表面に形成された第2金属層12bが含まれた構造において、第2板11に1つまたは複数の第2ブラインドホール12cが形成されてもよい。第2ブラインドホール12cは第2基板層11aを貫通し、第2ブラインドホール12c内に第2熱伝導材料が充填されて2つの第2金属層12bの間の熱伝導的接続を形成する。これによって、全体としての放熱効率を向上させることができる。
【0031】
図8及び図9を参照し、それらは第1板11と第2板12のさらなる実現方式である。図8に示すように、2つの第1金属層11bの間の熱伝導的接続を形成するには、第1板11に1つまたは複数の第1スルーホール11dが形成されてもよい。第1スルーホール11dは第1基板層11aと第1金属層11bを貫通し、第1スルーホール11d内には第1熱伝導材料が充填されている。図9に示すように、2つの第2金属層12bの間の熱伝導的接続を形成するには、第2板12に1つまたは複数の第2スルーホール12dが形成されてもよい。第2スルーホール12dは第2基板層12aと第2金属層12bを貫通し、第2スルーホール12d内には第2熱伝導材料が充填されている。
【0032】
本実施例において、第1基板層11aと第2基板層12aの材料は改質されないまたは改質されたポリイミド、改質されないまたは改質された液晶高分子またはガラスファイバー補強エポキシ樹脂であってもよい。改質されたポリイミドと改質された液晶高分子の分子鎖構造には機能性モノマー(芳香族モノマー)が含まれてもよい。第1基板層11aと第2基板層12aの材料は同じでもよいし異なってもよい。第1金属層11bと第2金属層12bの材料は銅またはその他の高熱伝導金属であってもよい。第1金属層11bと第2金属層12bの材料は同じでもよいし異なってもよい。第1と第2ブラインドホール11c、12cまたは第1と第2スルーホール11d、12d内に充填された熱伝導材料は金属または金属基材料、炭素系または炭素基材料、またはその組み合わせであってもよい。しかし、本発明は上記に挙げられた例に限定されない。
【0033】
本実施例において、第1板11と第2板12は規則的形状、例えば正方形及び矩形を有してもよい。第1板11と第2板12は拡散接合の方式で結合してもよいが、これに制限されない。収容キャビティCを構成するには、第1板11の第1内面112と第2板12の第2内面122の間には環状仕切り壁15が形成され、且つ環状仕切り壁15は複数の第1金属バンプ1121と複数の第2金属バンプ1221を囲む。更に言えば、環状仕切り壁15の上半部は第1板11に一体成型されてもよく、環状仕切り壁15の下半部は第2板12に一体成型されてもよいが、これに制限されない。その他の実施例において、環状仕切り壁15全体は第1板11または第2板12と一体になってもよい。環状仕切り壁15の厚さは3ミクロンから6ミクロンであってもよく、第1板11と第2板12との接合に利する。
【0034】
本実施例において、図1から図3に示すように、熱伝導層13は多孔層または連続層として存在してもよく、熱伝導層13の材料は高熱伝導金属(例えば銅)、黒鉛または炭素繊維であってもよい。例えば、熱伝導層13は金属網、金属片、黒鉛片、黒鉛紙または炭素繊維網であってもよい。熱伝導層13は多孔層である構造において、熱伝導層13における複数の孔(標記しない)はマトリックス状に配列されてもよく、孔ごとの形状は円形、角形またはその他の多角形であってもよく、且つ孔径は25ミクロンから200ミクロンであってもよい。しかし、本発明は上記に挙げられた例に限定されない。熱伝導層13が多孔層である構造において、複数の第1金属バンプ1121と複数の第2金属バンプ1221の位置が交互に設置されることに合わせて、収容キャビティC内で複数の熱伝導通路が提供されてもよく、緩衝液体14はXY方向の熱伝導効果を高めることができる。好ましくは、熱伝導層13、第1金属バンプ1121と第2金属バンプ1221は互いに接触しない。
【0035】
[第2実施例]
【0036】
図10を参照し、本発明に係る第2実施例は第1板11、第2板12、熱伝導層13及び緩衝液体14を含む放熱板構造1を提供する。第1板11と第2板12の表面にはともに立体的熱伝導パターンを有し、第1板11は第2板12に接合されて密封の収容キャビティCを包囲して構成し、熱伝導層13は収容キャビティC内に設置され、緩衝液体14は収容キャビティC内の残り空間に充填されている。本実施例は第1実施例との主な相違点について、放熱板構造1が少なくとも1つの熱伝導柱16を更に含む。
【0037】
本実施例において、第1板11は第1内側部11P1及び少なくとも1つの第1内側部11P1の一方側に位置する第1外側部11P2を有し、第2板12は第2内側部12P1及び少なくとも1つの第2内側部12P1の一方側に位置する第2外側部12P2を有する。収容キャビティCはその内部の熱伝導層13と緩衝液体14ごと第1内側部11P1と第2内側部12P1の間に設置される。熱伝導柱16は第1外側部11P2と第2外側部12P2の間に設置され、且つ熱伝導柱16の両端はそれぞれ第1外側部11P2と第2外側部12P2に接続されている。これによって、放熱板構造1の構造安定性と使い勝手性を高めることができる。
【0038】
図11から図14を参照し、本発明は前述した構造を有する放熱板構造1、高周波高速配線板2及び熱伝導体3を含む配線板モジュールMを更に提供する。高周波高速配線板2は放熱板構造1の第1板11に設置され、熱伝導体3は高周波高速配線板2における熱源で生じた熱を第1板11に導き、その後有効に放熱させる。
【0039】
本実施例において、高周波高速配線板2は誘電体基板21及び少なくとも1つの誘電体基板21に形成された機能配線層22を含み、機能配線層22はアンテナ構造であってもよいが、これに制限されない。熱伝導体3は第1端部31、第2端部32及び第1端部31と第2端部32に接続された本体部33を有し、第1端部31と第1板11は熱伝導的に接続され、第2端部32は機能配線層22の近傍に設置されている。
【0040】
更に言えば、図11に示すように、高周波高速配線板2の誘電体基板21は直接に放熱板構造1の第1板11に貼り付けられてもよい。好ましくは、誘電体基板21は印刷回路基板プロセスまたはフレキシブルボードプロセスで第1板11に形成されてもよいが、これに制限されない。実際の需要によれば、適当な熱伝導接続界面(例えば熱伝導ペースト)を介して誘電体基板21と第1板11が接続される。しかし、本発明は上記に挙げられた例に限定されない。この構造で、熱伝導体3は柱として存在し、熱伝導体3の第1端部31と本体部33はともに誘電体基板21に埋設され、且つ第1端部31は直接に第1板11に接触する。熱伝導体3の第2端部32は機能配線層22に近接する位置から誘電体基板21に張り出して、熱対流の方式で機能配線層22と熱交換を行う。
【0041】
また、図12に示すように、高周波高速配線板2の誘電体基板21は複数の支持柱4によって放熱板構造1の第1板11の上方に設置されてもよい。すなわち誘電体基板21と第1板11の間には複数の支持柱4が設けられてもよい。この構造で、熱伝導体3は柱として存在してもよい。熱伝導体3の第1端部31と本体部33はともに誘電体基板21に埋設され、第1端部31は直接に支持柱4に接触し、支持柱4によって第1板11と熱伝導的に接続され、熱伝導体3の第2端部32は機能配線層22に接近する位置から誘電体基板21に張り出す。こうすれば、熱伝導体3の第2端部32は機能配線層22と隣り合って設置されるため、熱対流の方式で機能配線層22と熱交換を行うことができる。
【0042】
また、図13及び図14に示すように、前述の両種類の構造で、熱伝導体3は帯として存在してもよく、熱伝導体3の第1端部31は第1板11から延伸して形成されてもよい。熱伝導体3の本体部33は誘電体基板21に接触しないように機能配線層22に近接する方向に延伸し、第2端部32は機能配線層22の近傍に位置し、誘電体基板21内部の配線(図示しない)の正常な動作に影響を与えないようにする。
【0043】
[実施例の有益な効果]
【0044】
本発明の1つの有益な効果は、本発明の放熱板構造が「第1板は第2板に接合されてその間に収容キャビティを形成し、熱伝導層は収容キャビティ内に設置され、且つ第1板内面における複数の第1金属バンプと第2板内面における複数の第2金属バンプの間に位置し、緩衝液体は収容キャビティ内の残り空間に充填されている」という技術的方案によって、軽くて薄型化、構造強度と放熱能力を両立させ、軽くて薄い電子製品の設計要求に応えることができる。
【0045】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実行可能な実施例にすぎず、本発明の特許請求の範囲はこれに限定されなく、本発明の明細書及び図面の内容を用いて行った等価的技術変形は本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
M 配線板モジュール
1 放熱板構造
11 第1板
11a 第1基板層
11b 第1金属層
11c 第1ブラインドホール
11d 第1スルーホール
111 第1外面
112 第1内面
1121 第1金属バンプ
11P1 第1内側部
11P2 第1外側部
12 第2板
12a 第2基板層
12b 第2金属層
12c 第2ブラインドホール
12d 第2スルーホール
121 第2外面
122 第2内面
1221 第2金属バンプ
12P1 第2内側部
12P2 第2外側部
13 熱伝導層
14 緩衝液体
15 環状仕切り壁
16 熱伝導柱
C 収容キャビティ
2 高周波高速配線板
21 誘電体基板
22 機能配線層
3 熱伝導体
31 第1端部
32 第2端部
33 本体部
4 支持柱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14