【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明は、OLED駆動薄膜トランジスタの閾値電圧検出方法を提供し、当該検出方法は、
ステップS1、
サブピクセル駆動回路と、前記サブピクセル駆動回路に電気的に接続された検出処理回路とを含むOLED表示装置駆動システムを提供するステップS1であって、
前記サブピクセル駆動回路は、第1薄膜トランジスタと、第2薄膜トランジスタと、第3薄膜トランジスタと、第1キャパシタと、有機発光ダイオードとを含み、
前記第1薄膜トランジスタのゲート電極は走査信号を受信し、ソース電極はデータ信号を受信し、ドレイン電極は第1ノードに電気的に接続されており、
前記第2薄膜トランジスタのゲート電極は前記第1ノードに電気的に接続されており、ソース電極は第2ノードに電気的に接続されており、ドレイン電極は直流電圧信号を受信し、
前記第3薄膜トランジスタのゲート電極は検出信号を受信し、ソース電極は前記第2ノードに電気的に接続されており、ドレイン電極は前記検出処理回路に電気的に接続されており、前記第1キャパシタの一端は前記第1ノードに電気的に接続されており、他端は前記第2ノードに電気的に接続されており、前記有機発光ダイオードのアノードは前記第2ノードに電気的に接続されており、カソードは接地されており、
前記第2薄膜トランジスタは駆動薄膜トランジスタであり、
前記検出処理回路は、前記第3薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に接続された電流積分器と、前記電流積分器に電気的に接続されたCDSサンプラと、前記CDSサンプラに電気的に接続されたアナログデジタル変換器と、前記アナログデジタル変換器に電気的に接続された中央処理装置とを含むステップS1と;
ステップS2、
前記走査信号と前記検出信号とを同時に高電位にすることで、前記第1薄膜トランジスタと前記第3薄膜トランジスタとを同時にオンにし、
前記データ信号が前記第2薄膜トランジスタのゲート電極に第1データ電圧を書き込むことにより、前記第2薄膜トランジスタをオンにし、
前記検出処理回路が、前記第2薄膜トランジスタのソース電極電圧と、前記第2薄膜トランジスタを流れる電流とを検出することで、第1ソース電極電圧及び第1電流データを取得し、前記第1データ電圧、前記第1ソース電極電圧及び前記第1電流データを、前記中央処理装置に保存するステップS2と;
ステップS3、
前記走査信号と前記検出信号をともに高電位に維持し、前記第1薄膜トランジスタと前記第3薄膜トランジスタをともにオンの状態に維持して、前記データ信号が前記第2薄膜トランジスタのゲート電極に、前記第1データ電圧とは異なる第2データ電圧を書き込むことにより、前記第2薄膜トランジスタをオンにし、
前記検出処理回路が、前記第2薄膜トランジスタのソース電極電圧と、前記第2薄膜トランジスタを流れる電流とを検出することで、第2ソース電極電圧及び第2電流データを取得し、前記第2データ電圧、前記第2ソース電極電圧及び前記第2電流データを前記中央処理装置に保存するステップS3であって、
前記第2薄膜トランジスタを流れる電流を検出する際に設定した前記電流積分器の積分時間は、前記ステップS2において前記第2薄膜トランジスタを流れる電流を検出する際に設定した前記電流積分器の積分時間と同じである、ステップS3と;
ステップS4、
前記中央処理装置が所定の計算式を用いて、保存された前記第1データ電圧、前記第1ソース電極電圧、前記第1電流データ、前記第2データ電圧、前記第2ソース電極電圧及び前記第2電流データから、前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧を算出するステップであって、
前記所定の計算式を、Data
I1/Data
I2=(V
g1−V
s1−V
th)
2/(V
g2−V
s2−V
th)
2とし、
Data
I1は前記第1電流データを表し、Data
I2は前記第2電流データを表し、V
g1は前記第1データ電圧を表し、V
s1は前記第1ソース電極電圧を表し、V
g2は前記第2データ電圧を表し、V
s2は前記第2ソース電極電圧を表し、V
thは前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧を表す、ステップS4
と;
ステップS5、
前記ステップS2から前記ステップS4までのステップを複数回繰り返し、検出を複数回行なうことで、前記第2薄膜トランジスタの複数の閾値電圧を取得し、前記第2薄膜トランジスタの複数の閾値電圧の平均値を、最終的に前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧とし、
毎回の検出時にいずれも異なる前記第1データ電圧及び異なる前記第2データ電圧が用いられるステップS5を含む。
【0009】
前記ステップS2及び前記ステップS3において、前記第2薄膜トランジスタを流れる電流を検出する工程として、まず、前記第2薄膜トランジスタを流れる電流を前記電流積分器で積分し、前記電流積分器による積分が完了した後、前記CDSサンプラが前記電流積分器の出力結果を収集し、続いて、前記アナログデジタル変換器がアナログ信号の出力結果をデジタル信号に変換することで電流データを取得し、前記電流データは前記中央処理装置に保存される。
【0010】
前記電流データと前記第2薄膜トランジスタを流れる電流との関係は、I
ds=Data
I×C/ΔTであり、I
dsは前記第2薄膜トランジスタを流れる電流を表し、Data
Iは前記電流データを表し、Cは前記電流積分器の容量値を表し、ΔTは設定した前記電流積分器の積分時間を表す。
【0011】
前記中央処理装置はFPGA処理システムである。
【0012】
前記サブピクセル駆動回路において、さらに寄生キャパシタが形成されており、前記寄生キャパシタは前記有機発光ダイオードの両端に並列接続されている。
【0015】
前記第1薄膜トランジスタ、前記第2薄膜トランジスタ及び前記第3薄膜トランジスタは、低温多結晶シリコン薄膜トランジスタ、非晶質シリコン薄膜トランジスタ、又は酸化物半導体薄膜トランジスタである。
【0016】
検出された前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧は、前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧補償に用いられる。
【0017】
本発明はさらにOLED駆動薄膜トランジスタの閾値電圧検出方法を提供し、当該検出方法は、
ステップS1、
サブピクセル駆動回路と、前記サブピクセル駆動回路に電気的に接続された検出処理回路とを含むOLED表示装置駆動システムを提供するステップS1であって、
前記サブピクセル駆動回路は、第1薄膜トランジスタと、第2薄膜トランジスタと、第3薄膜トランジスタと、第1キャパシタと、有機発光ダイオードとを含み、
前記第1薄膜トランジスタのゲート電極は走査信号を受信し、ソース電極はデータ信号を受信し、ドレイン電極は第1ノードに電気的に接続されており、
前記第2薄膜トランジスタのゲート電極は前記第1ノードに電気的に接続されており、ソース電極は第2ノードに電気的に接続されており、ドレイン電極は直流電圧信号を受信し、
前記第3薄膜トランジスタのゲート電極は検出信号を受信し、ソース電極は前記第2ノードに電気的に接続されており、ドレイン電極は前記検出処理回路に電気的に接続されており、前記第1キャパシタの一端は前記第1ノードに電気的に接続されており、他端は前記第2ノードに電気的に接続されており、前記有機発光ダイオードのアノードは前記第2ノードに電気的に接続されており、カソードは接地されており、
前記第2薄膜トランジスタは駆動薄膜トランジスタであり、
前記検出処理回路は、前記第3薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に接続された電流積分器と、前記電流積分器に電気的に接続されたCDSサンプラと、前記CDSサンプラに電気的に接続されたアナログデジタル変換器と、前記アナログデジタル変換器に電気的に接続された中央処理装置とを含むステップS1と;
ステップS2、
前記走査信号と前記検出信号とを同時に高電位にすることで、前記第1薄膜トランジスタと前記第3薄膜トランジスタとを同時にオンにし、
前記データ信号が前記第2薄膜トランジスタのゲート電極に第1データ電圧を書き込むことにより、前記第2薄膜トランジスタをオンにし、
前記検出処理回路が、前記第2薄膜トランジスタのソース電極電圧と、前記第2薄膜トランジスタを流れる電流とを検出することで、第1ソース電極電圧及び第1電流データを取得し、前記第1データ電圧、前記第1ソース電極電圧及び前記第1電流データを、前記中央処理装置に保存するステップS2と;
ステップS3、
前記走査信号と前記検出信号をともに高電位に維持し、前記第1薄膜トランジスタと前記第3薄膜トランジスタをともにオンの状態に維持して、前記データ信号が前記第2薄膜トランジスタのゲート電極に、前記第1データ電圧とは異なる第2データ電圧を書き込むことにより、前記第2薄膜トランジスタをオンにし、
前記検出処理回路が、前記第2薄膜トランジスタのソース電極電圧と、前記第2薄膜トランジスタを流れる電流とを検出することで、第2ソース電極電圧及び第2電流データを取得し、前記第2データ電圧、前記第2ソース電極電圧及び前記第2電流データを前記中央処理装置に保存するステップS3であって、
前記第2薄膜トランジスタを流れる電流を検出する際に設定した前記電流積分器の積分時間は、前記ステップS2において前記第2薄膜トランジスタを流れる電流を検出する際に設定した前記電流積分器の積分時間と同じである、ステップS3と;
ステップS4、
前記中央処理装置が所定の計算式を用いて、保存された前記第1データ電圧、前記第1ソース電極電圧、前記第1電流データ、前記第2データ電圧、前記第2ソース電極電圧及び前記第2電流データから、前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧を算出するステップS4であって、
前記所定の計算式を、Data
I1/Data
I2=(V
g1−V
s1−V
th)
2/(V
g2−V
s2−V
th)
2とし、
Data
I1は前記第1電流データを表し、Data
I2は前記第2電流データを表し、V
g1は前記第1データ電圧を表し、V
s1は前記第1ソース電極電圧を表し、V
g2は前記第2データ電圧を表し、V
s2は前記第2ソース電極電圧を表し、V
thは前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧を表す、ステップS4と
;
ステップS5、
前記ステップS2から前記ステップS4までのステップを複数回繰り返し、検出を複数回行なうことで、前記第2薄膜トランジスタの複数の閾値電圧を取得し、前記第2薄膜トランジスタの複数の閾値電圧の平均値を、最終的に前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧とし、
毎回の検出時にいずれも異なる前記第1データ電圧及び異なる前記第2データ電圧を用いる、ステップS5を含み、
前記第1薄膜トランジスタ、前記第2薄膜トランジスタ及び前記第3薄膜トランジスタは、低温多結晶シリコン薄膜トランジスタ、非晶質シリコン薄膜トランジスタ、又は酸化物半導体薄膜トランジスタであり、
検出により得られた前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧を、前記第2薄膜トランジスタの閾値電圧補償に用い、
前記中央処理装置はFPGA処理システムである。