特許第6813905号(P6813905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6813905
(24)【登録日】2020年12月22日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】マットレス梱包体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/07 20170101AFI20201228BHJP
   A47C 27/04 20060101ALI20201228BHJP
   B65B 63/02 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   B65D85/07
   A47C27/04 Z
   B65B63/02
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-132665(P2019-132665)
(22)【出願日】2019年7月18日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3217952号
【原出願日】2018年6月29日
(65)【公開番号】特開2020-1828(P2020-1828A)
(43)【公開日】2020年1月9日
【審査請求日】2019年7月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513146815
【氏名又は名称】株式会社ホームテイスト
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】柴田 誠
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3206408(JP,U)
【文献】 特表2018−508335(JP,A)
【文献】 特開2012−095785(JP,A)
【文献】 特開2005−065735(JP,A)
【文献】 特開2017−196326(JP,A)
【文献】 米国特許第4895352(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/07
A47C 27/04
B65B 63/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状マットレスとそのロール状マットレスが収容される段ボール箱とを有したマットレス梱包体であって、前記ロール状マットレスは、ポケットコイルマットレスと袋とを有し、前記ポケットコイルマットレスは、複数のコイルスプリングを並行配列で配列したポケットコイル集合体を備え、前記ポケットコイル集合体は、通気性を有する不織布からなる1枚の帯状シート材に溶着部を設けることにより前記ポケットコイルマットレスの長手方向に沿って連続的に形成された複数の連続円筒状袋の1袋に1個のコイルスプリングを収容して列状に形成された連続ポケットコイルスプリング列を前記ポケットコイルマットレスの幅方向に複数列に並べてなり、前記ロール状マットレスは、前記ポケットコイルマットレスが前記袋に密封状に圧縮収容された状態で前記ポケットコイルマットレスの幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列の間から縦に二つ折りされ、その二つ折りされたポケットコイルマットレスがロール状に巻かれていることを特徴とするマットレス梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスをその嵩を減らしてコンパクトな形態で流通させるためのマットレス梱包体に関し、特に本発明はコイルスプリングを有するマットレスであってもコンパクトな形態で流通させることを可能にしたマットレス梱包体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマットレス梱包体として、コイルスプリングなしのマットレスを気密性のある袋に入れてその袋ごと厚さ方向に圧縮し、その状態で袋の開口部を封止し、そしてロール状に巻いて段ボール箱に入れたもの知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−10119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、インターネットショッピングの最盛期とともに、人手不足による物流危機で、宅配料金の値上げが相次いでいる中で、マットレス梱包体にはさらなるコンパクト化が求められている。また、マットレス梱包体では袋に穴が開いて真空が破れると、マットレスが復元してしまう虞があった
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明では、ロール状マットレスとそのロール状マットレスが収容される段ボール箱とを有したマットレス梱包体であって、前記ロール状マットレスは、ポケットコイルマットレスと袋とを有し、前記ポケットコイルマットレスは、複数のコイルスプリングを並行配列で配列したポケットコイル集合体を備え、前記ポケットコイル集合体は、通気性を有する帯状シート材により前記ポケットコイルマットレスの長手方向に沿って連続的に形成された複数の連続円筒状袋の1袋に1個のコイルスプリングを収容して列状に形成された連続ポケットコイルスプリング列を前記ポケットコイルマットレスの幅方向に複数列に並べてなり、前記ロール状マットレスは、前記ポケットコイルマットレスが前記袋に密封状に圧縮収容された状態で前記ポケットコイルマットレスの幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列の間から縦に二つ折りされ、その二つ折りされたポケットコイルマットレスがロール状に巻かれていることを特徴とするマットレス梱包体を提供する。
【発明の効果】
【0006】
仮にポケットコイルマットレス(複数のコイルスプリングを並行配列で配列したポケットコイル集合体を備え、ポケットコイル集合体は、通気性を有する帯状シート材によりポケットコイルマットレスの長手方向に沿って連続的に形成された複数の連続円筒状袋の1袋に1個のコイルスプリングを収容して列状に形成された連続ポケットコイルスプリング列をポケットコイルマットレスの幅方向に複数列に並べてなるポケットコイルマットレス)が袋に密封状に圧縮収容された状態でそのままロール状に巻かれる場合、ロール状マットレスの軸方向の長さは元のポケットコイルマットレスの幅以上になり、それに伴いロール状マットレスの軸方向に沿った段ボール箱の一辺の長さも元のポケットコイルマットレスの幅以上になる。これに対し、本発明によれば、ポケットコイルマットレス(複数のコイルスプリングを並行配列で配列したポケットコイル集合体を備え、ポケットコイル集合体は、通気性を有する帯状シート材によりポケットコイルマットレスの長手方向に沿って連続的に形成された複数の連続円筒状袋の1袋に1個のコイルスプリングを収容して列状に形成された連続ポケットコイルスプリング列をポケットコイルマットレスの幅方向に複数列に並べてなるポケットコイルマットレス)が袋に密封状に圧縮収容された状態でポケットコイルマットレスの幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列の間から縦に二つ折りされ、その二つ折りされたポケットコイルマットレスがロール状に巻かれるので、ロール状マットレスの軸方向の長さは元のポケットコイルマットレスの幅未満になり、それに伴いロール状マットレスの軸方向に沿った段ボール箱の一辺の長さも元のポケットコイルマットレスの幅未満にすることができる。
【0007】
また、二つ折りされたポケットコイルマットレスはそのままロール状に巻かれるのではなく、フィルムの上に載置された状態でそのフィルムと一緒にロール状に巻かれ、そのロール状のポケットコイルマットレスの巻き終わりからフィルムのみがそのロール状のポケットコイルマットレスの外側でさらに複数回巻かれている、袋に穴が開いて真空が破れたとしても、ロール状マットレスの形態を維持することができる。
【0008】
また、ポケットコイルマットレスが袋に密封状に圧縮収容された状態でポケットコイルマットレスの幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列の間から縦に二つ折りされ、その二つ折りされたポケットコイルマットレスがロール状に巻かれることで、仮にポケットコイルマットレスが袋に密封状に圧縮収容された状態でそのままロール状に巻かれる場合に比べて、ロール状マットレスの直径が長くなり、それに伴いロール状マットレスの軸方向と直交する段ボール箱の残り二辺の長さも長くなるが、二つ折りされたポケットコイルマットレスがフィルムの上に載置された状態でそのフィルムと一緒にロール状に巻かれる際に、フィルムに張力を掛けることで、二つ折りされたポケットコイルマットレスがそのままロール状に巻かれる場合に比べて、ロール状マットレスの直径が短くなり、それに伴いロール状マットレスの軸方向と直交する段ボール箱の残り二辺の長さも短くすることができる。
【0009】
これにより、マットレス梱包体の縦・横・高さの三辺合計を効率よく減らすことができ、すなわち、マットレス梱包体のさらなるコンパクト化を効率よく実現することができ、商品(ポケットコイルマットレス)の送料(宅配便料金)が安くなり、商品をさらに安くお客様に届けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るマットレス梱包体を示す斜視図である。
図2図1のマットレス梱包体のロール状マットレスの軸方向に直交する断面図である。
図3図1のマットレス梱包体のロール状マットレスの軸方向に沿った断面図である。
図4】梱包対象のポケットコイルマットレスを示す斜視図である。
図5図4のポケットコイルマットレスの内部構造を示す断面図である。
図6図4のポケットコイルマットレスのポケットコイル集合体を示す平面図である。
図7】連続ポケットコイルスプリング列を示す断面平面図である。
図8】連続ポケットコイルスプリング列を示す断面側面図である。
図9図1のマットレス梱包体のロール状マットレスの形成手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1図3に示すように、マットレス梱包体1は、ロール状マットレス2と、そのロール状マットレス2が収容される段ボール箱3からなる。
【0013】
ロール状マットレス2は、図4図6に示す梱包対象のポケットコイルマットレス4と、袋5と、フィルム6と、片面粘着テープ7からなる。
【0014】
図4図6に示すように、ポケットコイルマットレス4は、複数のコイルスプリング20を並行配列で配列した(言い換えると、複数のコイルスプリング20を行列状に配置した)ポケットコイル集合体21を備えている。
【0015】
ポケットコイル集合体21は、図7図8に示すように、通気性を有する不織布からなる帯状シート材によりポケットコイルマットレス4の長手方向に沿って連続的に形成された複数の連続円筒状袋22の1袋に1個のコイルスプリング20を収容して列状に形成された連続ポケットコイルスプリング列23を、ポケットコイルマットレス4の幅方向に複数列に並べてなる。隣り合う連続ポケットコイルスプリング列23同士は、隣り合う連続円筒状袋22の側面上下二箇所でホットメルト等の接着剤24により接着されている。
【0016】
連続円筒状袋22は、帯状シート材をその幅方向の両側から折り畳んで形成される空間にコイルスプリング20が収容される構造とし、帯状シート材の長手方向の端部同士を溶着して連続円筒形袋22の一側面に長手方向溶着部22aを設けると共に、帯状シート材の長手方向に沿って所定ピッチで帯状シート材の幅方向に沿って溶着して隣接する円筒形袋22の間に幅方向溶着部22bを設けることにより形成されている。
【0017】
図4図5に示すように、ポケットコイル集合体21の上下面に不織布25,26を積層し、ポケットコイル集合体21と不織布25,26の積層体が外装体27によって被覆されている。
【0018】
ポケットコイル集合体21の上面に積層される不織布25は、各連続ポケットコイルスプリング列23の連続円筒状袋22の上面に対してホットメルト等の接着剤28により接着されている。ポケットコイル集合体21の下面に積層される不織布26は、各連続ポケットコイルスプリング列23の連続円筒状袋22の下面に対してホットメルト等の接着剤29により接着されている。
【0019】
ポケットコイル集合体21の上面に積層される不織布25は積層体の上面より一回り大きい面積を有しており、積層体の上面からはみ出す不織布25の周縁部は積層体の外周面に沿って下向きに折り曲げられ、積層体の外周面上部を覆うフランジ部25aに形成されている。ポケットコイル集合体21の下面に積層される不織布26は積層体の下面より一回り大きい面積を有しており、積層体の下面からはみ出す不織布26の周縁部は積層体の外周面に沿って上向きに折り曲げられ、積層体の外周面下部を覆うフランジ部26aに形成されている。
【0020】
外装体27は、積層体の上面(不織布25の上面)を被覆する表地体30と、積層体の下面(不織布26の下面)を被覆する裏地体31と、積層体の外周面を被覆するまち部32と、積層体の外周面上部と不織布25のフランジ部25aとの間に設けられる環状の上部連結布33と、積層体の外周面下部と不織布26のフランジ部26aとの間に設けられる環状の下部連結布34とを有している。
【0021】
表地体30とまち部32は、ポリエステル繊維からなる表地30a,32aと不織布からなる裏地30b,32bとの間に詰め物としてのウレタンフォーム30c,32cを介在させ、これら三者を一体にキルティング加工して形成されている。裏地体31と上部連結布33と下部連結布34は不織布からなる。
【0022】
まち部32の上端は表地体30の周縁部にポリエステル繊維からなるエッジテープ35によって一体に縫合されている。まち部32の上端と表地体30の周縁部をエッジテープ35によって縫合する際、断面円形の発泡ポリエチレン製線状体からなる芯体36を抱き込んだ状態で上部連結布33の上端も一緒に縫合されている。上部連結布33の下端は不織布25のフランジ部25aの下端と一緒に積層体の周側部に位置する連続円筒状袋22に複数のクリップ37によって止着されている。
【0023】
まち部32の下端は裏地体31の周縁部にポリエステル繊維からなるエッジテープ38によって一体に縫合されている。まち部32の下端と裏地体31の周縁部をエッジテープ38によって縫合する際、断面円形の発泡ポリエチレン製線状体からなる芯体39を抱き込んだ状態で下部連結布34の上端も一緒に縫合されている。下部連結布34の上端は不織布26のフランジ部26aの上端と一緒に積層体の周側部に位置する連続円筒状袋22に複数のクリップ40によって止着されている。
【0024】
袋5はポケットコイルマットレス4の外形よりも一回り大きいサイズで、一辺側に開口部5aが設けられている。袋5はポリエチレンフィルム等からなる気密性を有する合成樹脂袋からなる。フィルム6はポリエチレンフィルム等からなる帯状の合成樹脂フィルムからなり、ポケットコイルマットレス4の幅の略半分程度の幅を有している。
【0025】
そして、ロール状マットレス2は以下の手順で形成されている。
【0026】
先ず、図9(a)に示すように、ポケットコイルマットレス4を袋5に入れる。
【0027】
次に、図9(b)に示すように、袋5に入れたポケットコイルマットレス4をプレス機のプランジャ下端の押え板を使用して袋5ごと上から押圧することで、袋5に入れたポケットコイルマットレス4をその厚さ方向に袋5ごと圧縮して袋5の内部から空気(袋5の内部の空気及びポケットコイルマットレス4の内部に含まれる空気)を強制的に排出させ、この圧縮状態で袋5の開口部5aを溶着することによって封止する。すると、袋5は密封されて、内部のポケットコイルマットレス4はその厚さ方向に圧縮された状態を維持して復元することはない。
【0028】
次に、図9(c)に示すように、袋5に密封状に圧縮収容されたポケットコイルマットレス4を、その幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列23a,23bの間からポケットコイルマットレス4の長手方向に沿って縦に二つ折りし、この二つ折り状態でフィルム6の上に載置する。
【0029】
次に、図9(d)に示すように、フィルム6の上に二つ折り状態で載置されたポケットコイルマットレス4をそのフィルム6と一緒にロール状に巻く。フィルム6の上に二つ折り状態で載置されたポケットコイルマットレス4をそのフィルム6と一緒にロール状に巻く際は、先ず巻き取り機の巻き取り軸の外周(予め、段ボールを丸めてなる段ボール筒で覆ってある。)にフィルム6のみを複数回巻き取り、その後フィルム6に張力を掛けながら、そのフィルム6と一緒にポケットコイルマットレス4をロール状に巻き取る。ポケットコイルマットレス4の巻き取りが終われば、さらに、その外側にフィルム6を複数回巻き付けてからフィルム6をその幅方向に切断し、ロール状マットレス2となす。
【0030】
最後に、図9(e)に示すように、ロール状マットレス2の外周に片面粘着テープ7を螺旋状に巻き付け、フィルム6の巻き終り端部をその下層のフィルム6に止めてほぐれないようにして、ロール状マットレス2の形態が維持されて解除されることがないようにしてから、ロール状マットレス2を段ボール筒ごと巻き取り機の巻き取り軸から引き抜いて取り出し、その後、ロール状マットレス2から段ボール筒を引き抜いてロール状マットレス2が形成される。
【0031】
このように形成されたロール状マットレス2を段ボール箱3に入れて図1図3に示したマットレス梱包体1となすものである。
【0032】
以上から明らかなように、本実施形態に係るマットレス梱包体1は、ロール状マットレス2とそのロール状マットレス2が収容される段ボール箱3からなり、ロール状マットレス2は、ポケットコイルマットレス4と袋5とフィルム6からなり、ポケットコイルマットレス4は、複数のコイルスプリング20を並行配列で配列したポケットコイル集合体21を備え、ポケットコイル集合体21は、通気性を有する帯状シート材によりポケットコイルマットレス4の長手方向に沿って連続的に形成された複数の連続円筒状袋22の1袋に1個のコイルスプリング20を収容して列状に形成された連続ポケットコイルスプリング列23をポケットコイルマットレス4の幅方向に複数列に並べてなり、ロール状マットレス2は、ポケットコイルマットレス4が袋5に密封状に圧縮収容された状態でポケットコイルマットレス4の幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列23a,23bの間から縦に二つ折りされ、その二つ折りされたポケットコイルマットレス2がフィルム6の上に載置された状態でそのフィルム6と一緒にロール状に巻かれ、そのロール状のポケットコイルマットレス4の巻き終わりからフィルム6のみがそのロール状のポケットコイルマットレス4の外側でさらに複数回巻かれているロール構造を有するものである。
【0033】
そして、仮にポケットコイルマットレス4が袋5に密封状に圧縮収容された状態でそのままロール状に巻かれる場合、ロール状マットレス2の軸方向の長さは元のポケットコイルマットレス4の幅以上になり、それに伴いロール状マットレス2の軸方向に沿った段ボール箱3の一辺の長さAも元のポケットコイルマットレス4の幅a以上になる。これに対し、本実施形態のマットレス梱包体1によれば、ポケットコイルマットレス4が袋5に密封状に圧縮収容された状態でポケットコイルマットレス4の幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列23a,23bの間から縦に二つ折りされ、その二つ折りされたポケットコイルマットレス2がロール状に巻かれるので、ロール状マットレス2の軸方向の長さは元のポケットコイルマットレス6の幅aの略半分になり、それに伴いロール状マットレス2の軸方向に沿った段ボール箱6の一辺の長さAも元のポケットコイルマットレス4の幅の略半分にすることができる。
【0034】
また、二つ折りされたポケットコイルマットレス4はそのままロール状に巻かれるのではなく、フィルム6の上に載置された状態でそのフィルム6と一緒にロール状に巻かれ、そのロール状のポケットコイルマットレス4の巻き終わりからフィルム6のみがそのロール状のポケットコイルマットレス4の外側でさらに複数回巻かれているので、袋5に穴が開いて真空が破れたとしても、ロール状マットレス2の形態を維持することができる。
【0035】
そして、ポケットコイルマットレス4が袋5に密封状に圧縮収容された状態でポケットコイルマットレス4の幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列23a,23bの間から縦に二つ折りされ、その二つ折りされたポケットコイルマットレス4がロール状に巻かれることで、仮にポケットコイルマットレス4が袋5に密封状に圧縮収容された状態でそのままロール状に巻かれる場合に比べて、ロール状マットレス2の直径が長くなり、それに伴いロール状マットレス2の軸方向と直交する段ボール箱3の残り二辺の長さB,Cも長くなるが、二つ折りされたポケットコイルマットレス4がフィルム6の上に載置された状態でそのフィルム6と一緒にロール状に巻かれる際に、フィルム6に張力を掛けることで、二つ折りされたポケットコイルマットレス4がそのままロール状に巻かれる場合に比べて、ロール状マットレス2の直径が短くなり、それに伴いロール状マットレス2の軸方向と直交する段ボール箱3の残り二辺の長さB,Cも短くすることができる。
【0036】
これにより、ポケットコイルマットレス4が袋5に密封状に圧縮収容された状態でポケットコイルマットレス4の幅方向の最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列23a,23bの間から縦に二つ折りされ、その二つ折りされたポケットコイルマットレス4がロール状に巻かれることで、ロール状マットレス2の軸方向に沿った段ボール箱3の一辺の長さAが短くなる分と、ロール状マットレス2の軸方向と直交する段ボール箱3の残り二辺の長さB,Cが長くなる分とが相殺されることなく、マットレス梱包体1の縦・横・高さの三辺合計を効率よく減らすことができ、すなわち、マットレス梱包体1のさらなるコンパクト化を効率よく実現することができ、商品(ポケットコイルマットレス4)の送料(宅配便料金)が安くなり、商品をさらに安くお客様に届けることができるようになる。
【0037】
そして、具体的には、例えば幅97cm×長さ195cm×厚さ15cm〜20cm程度のS(シングル)サイズで、465個のコイルスプリング20を並行配列(15列×31行)で配列したポケットコイル集合体21を備えるポケットコイルマットレス4の場合、マットレス梱包体1にすると、ロール状マットレス2の軸方向に沿った段ボール箱3の一辺の長さAが57cm(ロール状マットレス2の軸方向の長さが65cm)、ロール状マットレス2の軸方向と直交する段ボール箱3の残り二辺の長さがそれぞれ40cm(ロール状マットレス2の直径が38cm)で、その縦・横・高さの三辺合計が137cm程度の梱包サイズを実現することができる。
【0038】
また、幅120cm×長さ195cm×厚さ15cm〜20cm程度のSD(セミダブル)サイズで、589個のコイルスプリング20を並行配列(19列×31行)で配列したポケットコイル集合体21を備えるポケットコイルマットレス4(図例のもの)の場合、マットレス梱包体1にすると、ロール状マットレス2の軸方向に沿った段ボール箱3の一辺の長さAが67cm(ロール状マットレス2の軸方向の長さが65cm)、ロール状マットレス2の軸方向と直交する段ボール箱3の残り二辺の長さがそれぞれ40cm(ロール状マットレス2の直径が38cm)で、その縦・横・高さの三辺合計が147cm程度の梱包サイズを実現することができる。
【0039】
さらに、幅140cm×長さ195cm×厚さ15cm〜20cm程度のD(ダブル)サイズで、682個のコイルスプリング20を並行配列(22列×31行)で配列したポケットコイル集合体21を備えるポケットコイルマットレス4(図例のもの)の場合、マットレス梱包体1にすると、ロール状マットレス2の軸方向に沿った段ボール箱3の一辺の長さAが77cm(ロール状マットレス2の軸方向の長さが70cm)、ロール状マットレス2の軸方向と直交する段ボール箱3の残り二辺の長さがそれぞれ40cm(ロール状マットレス2の直径が38cm)で、その縦・横・高さの三辺合計が157cm程度の梱包サイズを実現することができる。
【0040】
このように、複数のコイルスプリング20を並行配列で配列したポケットコイルマットレス4をその厚さ方向に圧縮し、そして最も内側の隣接する2列の連続ポケットコイルスプリング列23a,23bの間から縦に二つ折りし、その後、フィルム6に張力を掛けながらそのフィルム6と一緒にロール状に巻くことで、SD、Dサイズの梱包サイズが三辺合計で160cm以下になり、これにより、商品(ポケットコイルマットレス4)の送料(宅配便料金)が安くなり、商品をさらに安くお客様に届けることができるようになる。
【符号の説明】
【0041】
1 マットレス梱包体
2 ロール状マットレス
3 段ボール箱
4 ポケットコイルマットレス
5 袋
6 フィルム
20 コイルスプリング
21 ポケットコイル集合体
22 連続円筒状袋
23 連続ポケットコイルスプリング列
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9