特許第6813945号(P6813945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6813945
(24)【登録日】2020年12月22日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】排泄物処理材
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/00 20060101AFI20201228BHJP
   A01K 1/015 20060101ALI20201228BHJP
   B65D 75/62 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   C02F11/00 ZZAB
   C02F11/00 101Z
   A01K1/015 B
   B65D75/62 B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-198224(P2015-198224)
(22)【出願日】2015年10月6日
(65)【公開番号】特開2017-70885(P2017-70885A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2018年4月18日
【審判番号】不服2019-5506(P2019-5506/J1)
【審判請求日】2019年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148977
【氏名又は名称】株式会社大貴
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】吉永 隼士
【合議体】
【審判長】 宮澤 尚之
【審判官】 日比野 隆治
【審判官】 末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−172964(JP,A)
【文献】 特表2013−512154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00-11/20
B65D 67/00-79/02
B65D 81/18-81/30
B65D 81/38,85/88
B65D 30/00-33/38
A01K 1/00- 3/00
A01K 31/00-31/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人又は動物の排泄物を処理するための複数の粒状体と、
前記複数の粒状体が収容された包装袋と、を備え、
前記包装袋には、当該包装袋を端部以外の部分から開封することが可能な開封口が設けられており、
前記包装袋は、当該包装袋の表面又は裏面の一方を構成する第1のシートと、前記表面又は前記裏面の他方を構成する第2のシートとを有し、
前記第1及び第2のシートは、周縁部の全体において互いに貼り合わされており、
前記開封口は、前記第1のシート上に設けられたコ字状又はU字状のミシン目を含み、
前記ミシン目は、前記第1のシートの前記周縁部に達していないことを特徴とする排泄物処理材。
【請求項2】
請求項に記載の排泄物処理材において、
前記開封口は、前記第1及び第2のシートのうち前記第1のシートにのみ設けられている排泄物処理材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の排泄物処理材において、
前記第1のシートにおける前記ミシン目の内側部分の面積は、当該第1のシート全体の面積の50%以上である排泄物処理材。
【請求項4】
請求項に記載の排泄物処理材において、
前記第1のシートにおける前記ミシン目の前記内側部分の面積は、当該第1のシート全体の面積の80%以上である排泄物処理材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄物処理材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の排泄物処理材としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された排泄物処理材は、人又は動物の排泄物を吸収処理する複数の粒状体を備えている。これらの粒状体は、まとめて1つの包装袋に収容された状態で出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−158253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる排泄物処理材は、箱状のトイレに敷設された状態で使用される。それゆえ、ユーザは、排泄物処理材の使用に先立って、包装袋を開封した上で、その中に収容されている粒状体をトイレに敷設する必要がある。かかる敷設作業は、ユーザにとって負担となるものである。また、場合によっては、敷設作業の際に、粒状体がトイレの外に散乱したり、粉塵(粒状体の一部が剥離等したもの)が舞ったりすることもある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、粒状体の敷設作業を省略することが可能な排泄物処理材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による排泄物処理材は、排泄物を処理するための複数の粒状体と、上記複数の粒状体が収容された包装袋と、を備え、上記包装袋には、当該包装袋を端部以外の部分から開封することが可能な開封口が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この排泄物処理材においては、包装袋を端部以外の部分から開封することが可能な開封口が設けられている。かかる開封口を利用して包装袋を開封することにより、当該包装袋の表面又は裏面から、粒状体を露出させることができる。それゆえ、粒状体が露出する側を上にして包装袋をトイレに配置すれば、ユーザは、包装袋を開封した後、直ちに排泄物処理材を使用することが可能となる。すなわち、包装袋の開封後に、その中に収容されている粒状体をトイレに敷設する作業を行わなくても、排泄物処理材を使用することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、粒状体の敷設作業を省略することが可能な排泄物処理材が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による排泄物処理材の第1実施形態を示す平面図である。
図2図1のII−II線に沿った断面図である。
図3】粒状体10を示す模式図である。
図4図1の排泄物処理材において包装袋20が開封された状態を示す平面図である。
図5図4に示す排泄物処理材がトイレに配置された状態を示す端面図である。
図6】比較例に係る包装袋を示す平面図である。
図7図6の包装袋が開封された状態を示す斜視図である。
図8】本発明による排泄物処理材の第2実施形態を示す平面図である。
図9図8の排泄物処理材において包装袋20が開封された状態を示す平面図である。
図10】本発明による排泄物処理材の第3実施形態を示す平面図である。
図11図10の排泄物処理材において包装袋20が開封された状態を示す平面図である。
図12】本発明による排泄物処理材の第4実施形態を示す平面図である。
図13図12の排泄物処理材において包装袋20が開封された状態を示す平面図である。
図14】本発明による排泄物処理材の第5実施形態を示す平面図である。
図15図14の排泄物処理材において包装袋20が開封された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
【0011】
図1は、本発明による排泄物処理材の第1実施形態を示す平面図である。また、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。排泄物処理材1は、人又は動物の排泄物の処理に用いられる排泄物処理材であって、複数の粒状体10、及び包装袋20を備えている。
【0012】
図3は、粒状体10を示す模式図である。粒状体10は、排泄物を処理するための粒状体である。本実施形態において粒状体10は、排泄物を吸収することにより、当該排泄物を処理する。各粒状体10は、芯部12及び被覆部14を有している。芯部12は、粒状に成形されている。かかる粒状の形状としては、例えば、球、円柱、楕円体が挙げられる。芯部12は、排泄物を吸水及び保水する機能を有する。芯部12を構成する材料としては、例えば、紙類、茶殻、プラスチック類又はオカラを用いることができる。これらの材料は、芯部12の主材料であることが好ましい。ここで、芯部12の主材料とは、芯部12を構成する材料のうち、当該芯部12に占める重量割合が最大のものをいう。
【0013】
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙の他にも、塩ビ壁紙分級物(塩ビ壁紙を分級することにより得られる紙)、フラッフパルプ、製紙スラッジ、パルプスラッジ等が挙げられる。プラスチック類としては、例えば、紙おむつ分級物(紙おむつを分級することにより得られるプラスチック)を用いてもよい。オカラは、乾燥オカラであることが好ましい。
【0014】
被覆部14は、芯部12を覆っている。被覆部14は、芯部12の表面の全体を覆っていてもよいし、芯部12の表面の一部のみを覆っていてもよい。この被覆部14は、使用時に排泄物を吸収した粒状体10どうしを接着させて固まりにする機能を有する。被覆部14を構成する材料としても、例えば、紙類、茶殻、プラスチック類又はオカラを用いることができる。これらの材料は、被覆部14の主材料であることが好ましい。
【0015】
被覆部14には、接着性材料が含有されている。かかる接着性材料としては、例えば、澱粉、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、デキストリン、又は吸水性ポリマーを用いることができる。吸水性ポリマーは、平均粒径が20μm以下であることが好ましい。ここで、平均粒径とは、多数の粒子の集合体である吸水性ポリマーを篩にかけたときに、50重量%以上の粒子が通過できる最小の目開きをいう。したがって、平均粒径が20μm以下であるとは、吸水性ポリマーを目開き20μmの篩にかけたときに、50重量%以上の粒子が通過できるということである。
【0016】
粒状体10は、例えば次のようにして形成することができる。まず、芯部12を構成する材料(芯部材料)を粉砕機で所定の大きさに粉砕した後、所定の割合でミキサーに投入して混ぜ合わせる。そして、必要に応じて加水した後、芯部材料を造粒機によって押出造粒する。これにより、粒状に成形された複数の芯部12が得られる。次に、各芯部12を覆うように、被覆部14を形成する。具体的には、コーティング装置等を用いて、芯部12の周囲に被覆部14を構成する材料(被覆材料)を付着させることにより、被覆部14を形成する。被覆材料の付着は、例えば、散布又は噴霧により行うことができる。その後、このようにして得られた粒状体を、所定の寸法の篩目を有する篩にかけることにより、所定の規格を満たす粒状体のみを抽出する。そして、抽出された粒状体を乾燥機で乾燥させる。以上により、複数の粒状体10が形成される。
【0017】
図1及び図2に戻って、複数の粒状体10は、包装袋20に収容されている。包装袋20は、シート22(第1のシート)及びシート24(第2のシート)を有する。シート22は包装袋20の表面を構成し、シート24は包装袋20の裏面を構成している。これらのシート22及びシート24は、周縁部22a,24aにおいて互いに貼り合わされている。この包装袋20は、柔軟性を有している。包装袋20の材料としては、例えば、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
【0018】
包装袋20には、図1からわかるように、包装袋20をその端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口32が設けられている。端部20aは、シート22の周縁部22aとシート24の周縁部24aとが貼り合わされた部分である。開封口32は、シート22及びシート24のうちシート22にのみ設けられている。開封口32は、直線状のミシン目33a(第1のミシン目)からなる。ミシン目33aは、シート22上において第1の方向(図1中の上下方向)に延在している。このミシン目33aは、シート22の中心を通るように設けられている。また、ミシン目33aは、第1の方向に沿って、シート22の略全体にわたって延在している。ただし、ミシン目33aは、端部20aには形成されていない。
【0019】
排泄物処理材1の効果を説明する。排泄物処理材1においては、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口32が設けられている。開封口32を利用して包装袋20を開封することにより、図4に示すように、包装袋20の表面から、粒状体10を露出させることができる。それゆえ、図5に示すように、粒状体10が露出する側(表面側)を上にして包装袋20を箱状のトイレ90に配置すれば、ユーザは、包装袋20を開封した後、直ちに排泄物処理材1を使用することが可能となる。すなわち、包装袋20の開封後に、その中に収容されている粒状体10をトイレ90に敷設する作業を行わなくても、排泄物処理材1を使用することができる。
【0020】
図6は、比較例に係る包装袋を示す平面図である。この包装袋102は、包装袋20と同様に、周縁部において互いに貼り合わされた2枚のシートからなる。包装袋102の上部には、開封口として切り口104が設けられている。切り口104は、包装袋102の端部102aに形成されている。かかる切り口104を利用して包装袋102を開封する場合、包装袋102は、その端部102aから開封されて、図7に示すように上部が開放された状態となる。この状態では、包装袋102の表面又は裏面から粒状体を露出させることができないため、図5に示した包装袋20と同様にして包装袋102をトイレに配置したとしても、排泄物処理材を使用することができない。そのため、粒状体を包装袋102から出してトイレに敷設する作業が必要となる。これに対して、本実施形態によれば、上述のとおり、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口32が設けられているため、かかる敷設作業を省略することができる。
【0021】
包装袋20は、それぞれ当該包装袋20の表面及び裏面を構成するシート22及びシート24を有している。このため、シート22又はシート24にミシン目等を形成することにより、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口を容易に実現することができる。実際、本実施形態においては、シート22にミシン目33aを形成することにより、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口32が実現されている。
【0022】
シート22及びシート24は、周縁部22a,24aにおいて互いに貼り合わされている。これにより、外観性及び密閉性に優れた包装袋20を容易に形成することができる。
【0023】
開封口32は、シート22及びシート24のうちシート22にのみ設けられている。これにより、シート24を切断することなく、シート22を切断し、包装袋20の表面に粒状体10を露出させることができる。このようにシート24が切断されない場合、包装袋20の裏面が閉じた状態が維持されるため、粒状体10が包装袋20の外にこぼれるのを防ぐことができる。
【0024】
開封口32は、直線状のミシン目33aからなる。これにより、簡易な構成で、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口32を実現することができる。
【0025】
ミシン目33aは、第1の方向に沿って、シート22の略全体にわたって延在している。これにより、ミシン目33aに沿ってシート22を切断したときに、粒状体10を広範囲に露出させることができる。
【0026】
ミシン目33aは、シート22の中心を通るように設けられている。これにより、ミシン目33aに沿ってシート22を切断したときに、粒状体10がシート22の中央部に露出することになるため、排泄物処理材1を使用しやすくなる。
(第2実施形態)
【0027】
図8は、本発明による排泄物処理材の第2実施形態を示す平面図である。排泄物処理材2は、人又は動物の排泄物の処理に用いられる排泄物処理材であって、複数の粒状体10、及び包装袋20を備えている。粒状体10及び包装袋20の構成は、第1実施形態で説明したとおりである。
【0028】
本実施形態において包装袋20には、包装袋20をその端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口34が設けられている。開封口34は、シート22及びシート24のうちシート22にのみ設けられている。開封口34は、直線状のミシン目33aに加えて、直線状のミシン目33b(第2のミシン目)を含んでいる。ミシン目33aの構成は、第1実施形態で説明したとおりである。
【0029】
ミシン目33bは、シート22上において第2の方向(図8中の左右方向)に延在している。第2の方向は、ミシン目33aの延在方向である第1の方向と異なる方向である。本実施形態において第1及び第2の方向は、互いに垂直である。このミシン目33bは、シート22の中心を通るように設けられている。また、ミシン目33bは、第2の方向に沿って、シート22の略全体にわたって延在している。ただし、ミシン目33bは、端部20aには形成されていない。
【0030】
排泄物処理材2の効果を説明する。排泄物処理材2においては、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口34が設けられている。開封口34を利用して包装袋20を開封することにより、図9に示すように、包装袋20の表面から、粒状体10を露出させることができる。それゆえ、粒状体10が露出する側(表面側)を上にして包装袋20をトイレに配置すれば、ユーザは、包装袋20を開封した後、直ちに排泄物処理材2を使用することが可能となる。したがって、粒状体10の敷設作業を省略することが可能な排泄物処理材2が実現されている。
【0031】
開封口34は、ミシン目33aに加えて、ミシン目33bを含んでいる。これにより、開封口34がミシン目33aのみからなる場合に比して、粒状体10を広範囲に露出させることができる。
【0032】
ミシン目33bは、第2の方向に沿って、シート22の略全体にわたって延在している。これにより、ミシン目33bに沿ってシート22を切断したときに、粒状体10を広範囲に露出させることができる。
【0033】
ミシン目33bは、シート22の中心を通るように設けられている。これにより、ミシン目33bに沿ってシート22を切断したときに、粒状体10がシート22の中央部に露出することになるため、排泄物処理材2を使用しやすくなる。本実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
【0034】
図10は、本発明による排泄物処理材の第3実施形態を示す平面図である。排泄物処理材3は、人又は動物の排泄物の処理に用いられる排泄物処理材であって、複数の粒状体10、及び包装袋20を備えている。粒状体10及び包装袋20の構成は、第1実施形態で説明したとおりである。
【0035】
本実施形態において包装袋20には、包装袋20をその端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口35が設けられている。開封口35は、シート22及びシート24のうちシート22にのみ設けられている。開封口35は、直線状のミシン目35a(第1のミシン目)及び直線状のミシン目35b(第2のミシン目)を含んでいる。
【0036】
ミシン目35a,35bは、シート22の対角線上に設けられている。すなわち、ミシン目35aの延在方向(第1の方向)はシート22における2本の対角線の一方に平行な方向であり、ミシン目35bの延在方向(第2の方向)は上記対角線のもう一方に平行な方向である。したがって、これらのミシン目35a,35bは、シート22の中心を通っている。また、ミシン目35a,35bは、それぞれ第1及び第2の方向に沿って、シート22の略全体にわたって延在している。ただし、ミシン目35a,35bは、端部20aには形成されていない。
【0037】
排泄物処理材3の効果を説明する。排泄物処理材3においては、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口35が設けられている。開封口35を利用して包装袋20を開封することにより、図11に示すように、包装袋20の表面から、粒状体10を露出させることができる。それゆえ、粒状体10が露出する側(表面側)を上にして包装袋20をトイレに配置すれば、ユーザは、包装袋20を開封した後、直ちに排泄物処理材3を使用することが可能となる。したがって、粒状体10の敷設作業を省略することが可能な排泄物処理材3が実現されている。
【0038】
開封口35は、ミシン目35a及びミシン目35bを含んでいる。これにより、開封口35がミシン目35a又はミシン目35bの何れか一方のみからなる場合に比して、粒状体10を広範囲に露出させることができる。特にミシン目35a,35bは、シート22の対角線上に設けられている。これにより、包装袋20の表面の略全体に粒状体10を露出させることができる(図11参照)。本実施形態のその他の効果は、第1及び第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
【0039】
図12は、本発明による排泄物処理材の第4実施形態を示す平面図である。排泄物処理材4は、人又は動物の排泄物の処理に用いられる排泄物処理材であって、複数の粒状体10、及び包装袋20を備えている。粒状体10及び包装袋20の構成は、第1実施形態で説明したとおりである。
【0040】
本実施形態において包装袋20には、包装袋20をその端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口36が設けられている。開封口36は、シート22及びシート24のうちシート22にのみ設けられている。開封口36は、コ字状又はU字状のミシン目37(第3のミシン目)からなる。シート22におけるミシン目37の内側部分(図12において斜線が付された部分)の面積は、シート22全体の面積の50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。ただし、ミシン目37は、端部20aには形成されていない。
【0041】
排泄物処理材4の効果を説明する。排泄物処理材4においては、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口36が設けられている。開封口36を利用して包装袋20を開封することにより、図13に示すように、包装袋20の表面から、粒状体10を露出させることができる。それゆえ、粒状体10が露出する側(表面側)を上にして包装袋20をトイレに配置すれば、ユーザは、包装袋20を開封した後、直ちに排泄物処理材4を使用することが可能となる。したがって、粒状体10の敷設作業を省略することが可能な排泄物処理材4が実現されている。
【0042】
開封口36は、コ字状又はU字状のミシン目37からなる。かかる形状のミシン目37は、当該ミシン目37の内側部分を開放することができるため、粒状体10を広範囲に露出させるのに特に適している。このように粒状体10を広範囲に露出させるという観点から、シート22におけるミシン目37の内側部分の面積は、シート22全体の面積の50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。本実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
【0043】
図14は、本発明による排泄物処理材の第5実施形態を示す平面図である。排泄物処理材5は、人又は動物の排泄物の処理に用いられる排泄物処理材であって、複数の粒状体10、及び包装袋20を備えている。粒状体10及び包装袋20の構成は、第1実施形態で説明したとおりである。
【0044】
本実施形態において包装袋20には、包装袋20をその端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口38が設けられている。開封口38は、シート22及びシート24のうちシート22にのみ設けられている。開封口38は、環状のミシン目39(第4のミシン目)からなる。シート22におけるミシン目39で囲まれた部分の面積は、シート22全体の面積の50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。ただし、ミシン目39は、端部20aには形成されていない。
【0045】
排泄物処理材5の効果を説明する。排泄物処理材5においては、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な開封口38が設けられている。開封口38を利用して包装袋20を開封することにより、図15に示すように、包装袋20の表面から、粒状体10を露出させることができる。それゆえ、粒状体10が露出する側(表面側)を上にして包装袋20をトイレに配置すれば、ユーザは、包装袋20を開封した後、直ちに排泄物処理材5を使用することが可能となる。したがって、粒状体10の敷設作業を省略することが可能な排泄物処理材5が実現されている。
【0046】
開封口38は、環状のミシン目39からなる。かかる形状のミシン目39は、当該ミシン目39で囲まれた部分を開放することができるため、粒状体10を広範囲に露出させるのに特に適している。このように粒状体10を広範囲に露出させるという観点から、シート22におけるミシン目39で囲まれた部分の面積は、シート22全体の面積の50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。本実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0047】
本発明による排泄物処理材は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、シート22が包装袋20の表面を構成し、シート24が包装袋20の裏面を構成する場合を例示した。しかし、シート22が包装袋20の裏面を構成し、シート24が包装袋20の表面を構成してもよい。
【0048】
上記実施形態においては、開封口としてミシン目を例示した。しかし、開封口としては、包装袋20を端部20a以外の部分から開封することが可能な構造である限り、ミシン目以外のものを用いてもよい。例えば、ティアテープを開封口として用いてもよい。
【0049】
上記実施形態においては、粒状体10が、芯部12及び被覆部14からなる複層構造を有する例を示した。しかし、被覆部14を設けることは必須でない。すなわち、粒状体10は、芯部12のみからなる単層構造を有していてもよい。その場合、芯部12に接着性材料が含有されることが好ましい。
【0050】
上記実施形態においては、排泄物を吸収することにより当該排泄物を処理する吸水型の粒状体10を例示した。しかし、粒状体10は、排泄物を透過させることにより当該排泄物を処理する透水型の粒状体であってもよい。ここで、透水型の粒状体には、当該粒状体の内部を排泄物が通過するようにしたものと、当該粒状体間の隙間を排泄物が通過するようにしたものとの2種類がある。後者の例としては、撥水性を有する粒状体が挙げられる。
【符号の説明】
【0051】
1 排泄物処理材
2 排泄物処理材
3 排泄物処理材
4 排泄物処理材
5 排泄物処理材
10 粒状体
12 芯部
14 被覆部
20 包装袋
20a 端部
22 シート(第1のシート)
22a 周縁部
24 シート(第2のシート)
24a 周縁部
32 開封口
33a ミシン目(第1のミシン目)
33b ミシン目(第2のミシン目)
34 開封口
35 開封口
35a ミシン目(第1のミシン目)
35b ミシン目(第2のミシン目)
36 開封口
37 ミシン目(第3のミシン目)
38 開封口
39 ミシン目(第4のミシン目)
90 トイレ
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