特許第6814030号(P6814030)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6814030レーザ切断を必要としない可撓基板におけるベアダイの印刷による構成要素との統合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6814030
(24)【登録日】2020年12月22日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】レーザ切断を必要としない可撓基板におけるベアダイの印刷による構成要素との統合
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/56 20060101AFI20201228BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20201228BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   H01L21/56 R
   H01L23/28 Z
   H01L23/12 501P
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-227298(P2016-227298)
(22)【出願日】2016年11月22日
(65)【公開番号】特開2017-108120(P2017-108120A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2019年11月22日
(31)【優先権主張番号】14/965,039
(32)【優先日】2015年12月10日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チェ・グァ・ング
(72)【発明者】
【氏名】ピン・メイ
(72)【発明者】
【氏名】ブレント・エス・クルーサー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・エル・ホワイティング
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・イー・レディー
(72)【発明者】
【氏名】ヤーノス・ヴェレシュ
【審査官】 安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0056867(US,A1)
【文献】 特開2012−062373(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104517911(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0268899(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0049388(US,A1)
【文献】 特開2014−135346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 23/28−31
H01L 23/12−15
H05K 3/10−28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子アセンブリを形成する方法であって、
粘着層を用意するステップと、
第1の側および第2の側を有しており、前記第1の側が電子装置を有している電子回路部品を用意するステップと、
前記電子回路部品の前記第1の側を前記粘着層に接触させて配置するステップと、
結合材料を、前記粘着層のうちの前記電子回路部品の前記第1の側によって覆われていない部分へと、前記電子回路部品の前記第2の側を実質的に覆う深さまで堆積させるステップと、
前記結合材料を硬化させ、硬化した結合材料とするステップと、
前記粘着層を取り除くステップと
を含んでおり、
前記堆積させられた硬化した結合材料は、前記電子回路部品により近いより堅固な材料組成物と、前記電子回路部品からより遠いより堅固でない材料組成物とで構成され、前記堆積させられた硬化した結合材料を構成する前記より堅固な材料組成物および前記より堅固でない材料組成物は、同じ硬化作業の際に、実質的に同時に硬化させられ、
前記電子回路部品は、前記硬化した結合材料によって堅固に取り付けられた状態に保持される、方法。
【請求項2】
前記堆積は、異なる硬化可能結合材料組成物を含んでいる少なくとも2つの異なる印刷ヘッドを使用して達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記堆積は単一の印刷ヘッドを使用して達成され、前記結合材料は変化するUV硬化ポリマー材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電子回路部品の前記第1の表面および前記硬化した結合材料の第1の表面は、互いに実質的に平坦である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記硬化した結合材料と前記電子回路部品の前記第1の表面との間に導電性の配線を配置するステップ
をさらに含む請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記結合材料を堆積させるステップの前に、前記粘着層の一部分に沿って広がり、かつ前記電子回路部品の側面に沿って高さ方向に上方へと延びる予備結合材料を、堆積させるステップと、
前記結合材料を堆積させるステップの前に、前記予備結合材料を硬化させ、硬化した予備結合材料とするステップと
をさらに含み、
前記硬化した予備結合材料は、前記硬化した結合材料よりも堅い性質を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記粘着層は、傾斜した側面と、傾斜した側面の間の平坦な部分とによって定められる、空洞部を備えて形成され、前記平坦な部分は、前記電子回路部品を受け入れるようなサイズとされており、
前記粘着層の表面および前記結合材料の表面へと実質的に透明な基板を配置するステップ
をさらに含み、
前記結合材料を硬化させるステップは、前記透明基板を通して前記結合材料へと硬化をもたらし、前記結合材料を硬化させるステップを含み、
前記粘着層を取り除くステップは、前記導電性の電子部品の各側に斜面の構成をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記結合材料を堆積させるステップは、インクジェット式の印刷、エアロゾル式の印刷、および押し出し式の印刷のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、電子製造に関し、さらに詳しくは、共通の基板上に位置する集積回路およびディスクリートな部品などの異なる種類の構成部品で構成されたハイブリッド電子プラットフォームの製造に関する。ハイブリッド電子プラットフォームは、シリコン基盤のシステムと同じ複雑な機能および処理能力を保ちつつ、費用効率が高い大面積の製造技術を採用する。温度および機械的な理由に起因して、はんだボンディングおよびワイヤボンディングなどの伝統的なシリコン集積方法は、可撓な印刷による電子装置を含み得るハイブリッドプラットフォームには適さないかもしれない。種々のパッケージング技術が、可撓基板上へのチップの集積のために開発されてきている。例えば、異方性導電膜(ACF)を、プラスチック基板上の回路へのチップの接合および接続のために適用することができる。しかしながら、この方法の不都合な面は、接着剤で接合することができるチップ上の接点パッドの最小サイズの限界である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
上述の限界および他の限界を克服する技術および構成を提供することが、有用であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
電子アセンブリを形成するための他の構成の中でもとりわけベアダイおよびパッケージされた集積チップなどの電子回路部品のための製造プロセスが提供される。電子回路部品の表面は、導電性の配線および/または接点パッドを含む他の構成などの電子要素を有している。電子アセンブリを形成するための方法は、粘着層を用意することを含む。次いで、第1の側および第2の側を有しており、第1の側が電子装置を有している電子回路部品が用意される。電子回路部品の第1の側は、粘着層に接触して配置される。次いで、結合材料が、粘着層のうちの電子回路部品の第1の側によって覆われていない部分へと、電子回路部品の少なくとも一部分を覆うために充分な深さまで堆積させられる。その後に、結合材料は、定着または硬化させられ、定着または硬化した結合材料となり、粘着層が取り除かれる。これらの作業により、電子回路部品は、定着または硬化した結合材料によって堅固に取り付けられた状態に保持され、回路の接続が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、レーザ切断プロセスを用いた可撓基板と電子回路部品との間の高分解能の接続を容易にするための方法および構造を示している。
図2図2は、本出願の考え方を実行することができる電子回路部品を示している。
図3図3は、電気的接続のための平坦な露出面をもたらすように電子回路部品を埋め込む本出願によるプロセスの実施形態を示している。
図4図4は、電気的接続のための平坦な露出面を有している電子回路部品を埋め込むための2層構造を示している本出願によるプロセスの別の実施形態を示している。
図5図5は、基板が自身の長さに沿って剛性の勾配を有している電子回路部品を埋め込むための本出願によるプロセスの別の実施形態を示している。
図6図6は、外部のパッドまたは部品へと延びた電気配線を有している埋め込まれた電子回路部品の上面図を示しており、図4および5に関連して述べられるより堅固な基板範囲および柔軟な基板範囲を示している。
図7図7は、形状付けられた粘着材料が電気的接続を形成するための斜面を形成するために用いられる本出願によるプロセスの実施形態を示している。
図8図8は、集積回路への印刷による相互接続の側面図を示している。
図9図9は、図8の上面図を示している。
図10A図10Aは、本教示に関連して用いることができる基板を示している。
図10B図10Bは、本教示に関連して用いることができる電子回路部品を示している。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の検討において、用語「電子回路部品」の使用は、これらに限られるわけではないがとりわけベアダイおよび電子パッケージ化された電子チップなど、いくつかある電子回路構成の任意のいずれかを含むと理解されるべきである。
【0006】
可撓基板における電子回路部品の統合のための製造プロセスを提供するために、本検討は、印刷プロセスでの高分解能の接続を容易にするための方法および構造を開示する。実施形態のうちの特定のいくつかにおいては、接点パッドおよび他の電子回路などの電子要素を有している電子回路部品の表面が、基板(例えば、硬化した結合材料)と同じ高さにある。この構成は、電子回路部品と基板上の回路との間に導電性の配線または接続を構成し、あるいは配置するための高分解能のパターニングを容易に実行することを可能にする。
【0007】
パッケージングの複雑さという課題に対処するために、特定の実施形態は、高密度かつ低抵抗の相互接続を可能にする能力を提供するインクジェット式印刷と一般的に称される印刷技術などの印刷技術を採用する。他に、これらに限られるわけではないが、エアロゾル印刷および押し出し印刷が挙げられる。印刷技術(例えば、インクジェット式、3D、など)の使用により、相互接続が平坦で平面的な水平領域上の印刷による導電性の(例えば、金属の)線で形成されるときに、標準的なワイヤボンディングプロセスを置き換えることができる。このように、印刷される材料は、印刷可能な導電性材料と理解される。
【0008】
図1に目を向けると、一連の概略図102〜108によって表されたハイブリッドエレクトロニクスプラットフォームアセンブリ(Ping Mei等による「Bare Die Integrator With Printed Component On Flexible Substrate」という名称の米国特許出願[代理人事件番号第20150242US02号]においてさらに詳しく論じられている)を構成するための組み立てプロセス100が示されている。
【0009】
図102に示されるように、基板102Aが用意される(いくつかの実施形態において、基板は、プラスチック基板などの可撓基板である)。基板102Aは、第1の表面102Bと、第1の表面の反対側の第2の表面102Cとを有する。これらの表面は、基板102Aの高さを定めている。第1の表面102Bは、これに限られるわけではないが導電性の回路配線など、電子回路102Dを含むことができる。また、側面図にて示されているが、基板102Aが当然ながら幅および長さ寸法も有することを、理解すべきである。
【0010】
材料除去装置(例えば、レーザ)102Eが、基板102Aのあらかじめ特定された位置に開口102F(平行な下向きの矢印の線によって定められている開口102F)を形成する。より詳しくは、基板を貫いて開口を形成するために適した基板102Aの第1の表面102B上の少なくとも1つの位置が、特定される。その後に、材料除去装置102Eが、基板102Aに開口102Fを生み出すように材料除去作業を実行し、ここで開口102Fは、基板102Aの長さおよび幅の限界の範囲内に位置し、開口は、第1の表面102Bおよび第2の表面102Cを貫いて延びる。
【0011】
材料除去装置102Eは、一実施形態においてはレーザ設備であるが、別の実施形態においては、物理的な接触による切断装置である。さらなる実施形態においては、材料を正確に除去して開口102Fを形成することができる他の装置を、使用することができる。また、1つの基板に複数の開口を形成してもよく、図1の組み立てプロセスを、複数の開口を形成できるようにその同じ基板について複数回繰り返すことができることを、理解すべきである。
【0012】
102Fによって特定される開口は、組み込まれる特定の電子回路部品(例えば、ベアダイ)の形状および寸法に一致するように形成される。しかしながら、特定の量のすき間(例えば、約5〜25μm)が、電子回路部品を確実に受け入れることができるように設けられる。電子回路部品104Bは、ベアダイまたはあらかじめパッケージされた電子回路の少なくとも一方である。
【0013】
図104によって示される次の工程において、開口102Fが、より明瞭に示されている。ここで、略図104(および、図1の他の略図)が修正された側面または断面図であり、理解を容易にするために、電子回路部品104Bの手前の基板の材料は図示されていないことに、言及しておく。しかしながら、電子回路部品104Bの位置が基板102Aの限界の内側であるため、基板について電子回路部品104Bの手前に位置する部分が存在し、すき間104Eならびに電子回路部品104Bの一部分を遮って見えなくすると考えられることを、理解すべきである。また、図1の他の略図も修正された側面または断面図であることを、理解すべきである。
【0014】
図104において、基板102Aは、第1の表面102B(回路/配線102Dを有する)が今や下方を向くように裏返されている。さらに、粘着性の上面を有する粘着層104A(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)材料、エラストマポリマー、など)が、開口102Fおよび基板102Aの第1の表面102Bの少なくとも一部分を覆って配置される。次いで、電子回路部品104Bが、前面104Cを下方に向けた状態で、開口102F内に配置される。前面104Cが、導電性の回路配線(接点パッド、などを含む)104Gを備えることに、言及しておく。また、粘着層104Aは、構成要素を一体に保持するが、構成要素を恒久的に結合させるものではないと理解される。
【0015】
粘着表面104Aを有する平坦な物品104Aの上面を、基板102Aの第1の表面102Bと電子回路部品104Bの第1の表面104Cとが平坦な物品104Aゆえに実質的に平面または平坦あるいは水平な関係に整列させられる整列領域104Dと考えることができる。
【0016】
さらに略図104には、開口102Fの端部と電子回路部品104Bとの間に存在するすき間104Eが示されている。すき間104Eは、過度に大きくないが、電子回路部品104Bの配置を妨げることがないように充分であることが好ましい(例えば、約5〜25μm)。
【0017】
図1の略図106に目を向けると、結合材料106Aが、電子回路部品104Bの第2の表面(後ろ側)106Bへと、この第2の表面106Bを覆って適用され、かつ基板102Aの第2の表面102Cの少なくとも一部分へと、これらの部分を覆って適用される。この後ろ側を、基板102Aの第2の表面102Cと電子回路部品104Bの第2の表面106Bとが整列していない(例えば、互いに実質的に平面または平坦あるいは水平でない)非整列領域106Cと理解することができる。換言すると、電子回路部品104Bの高さが、基板の高さよりも大きい。
【0018】
一実施形態において、結合材料106Aは、配置の後ろ側へと施されたUV硬化ポリマーであり、結合材料は、すき間104Eを封じるように機能する。定着または硬化設備(硬化ランプ、ヒータ、および/または他の適切な構成要素を備えることができる)106Dが、結合材料(例えば、UV硬化ポリマー)の定着または硬化を実行するために用意される。UV硬化後に、UV硬化したポリマーは、アセンブリのための結合構造をもたらす。当然ながら、技術的に公知の他の結合材料を、UV結合材料の代わりに使用することもできる。
【0019】
図1の略図108において、アセンブリは裏返されており、粘着層(例えば、PDMSパッド)104Aが、分離されて取り除かれ、第1の表面102Bから、充てんされたすき間104E’(すなわち、平坦または平面的な表面を形成するように結合材料106Aで満たされている)を横切り、さらに第1の表面104Dを横切って広がる実質的に平坦または平面あるいは水平な表面を露出させている。選択された粘着材料が、上述の構成部品を保持する特性を備えるが、分離されたときに、さらなる組み立てプロセスを妨げかねない望ましくない量の残留物を残すことがないことに、言及しておく。また、随意による工程として、構成部品および基板の表面の清掃を、分離および除去に続いて行うことができる。
【0020】
最後に、基板102Aの第1の表面102Bと電子回路部品104Bの第1の表面104Dとの間を延びる導電性の配線108Aが、形成される。一実施形態において、配線108Aは、(導電性の流体を用いる)インクジェット式の印刷装置108Bを使用することによって生成される。別の実施形態においては、配線を、導電性の配線の形成に平坦または平面あるいは水平な表面を必要とするフォトリソグラフィを使用することによって形成することができる。
【0021】
図2に目を向けると、約120μmの最小ピッチにて36個の接点パッド202(すべてのパッドに番号が付されているわけではない)を有しているベアダイ設備200などの典型的な電子回路部品が示されており、パッドからベアダイの縁204までの間隔は、約60μmである。実務において、チップの接点パッドを覆うことなくダイの側壁を封じるために必要な斜面を構成することは、困難である。
【0022】
可撓基板における電子回路部品の統合(ベアダイ、パッケージされたチップ、などを含む)のための製造プロセスを提供するために、本発明の発明者は、レーザ切断の使用を必要としない適切な印刷プロセスによる高分解能の接続を容易にするための方法および構造を開発した。特定の実施形態においては、電子回路部品の表面が結合材料から形成された基板と同じレベルに位置する方法および構造が開示される。したがって、高分解能のパターニングを、電子回路部品と基板上の回路との間の導電性の接続を構成するために容易に実行することができる。
【0023】
図3に目を向けると、電子回路部品304Aを電子回路部品から離れた構成部品へと電気的に接続するための実質的に平坦または平面の露出された表面を有するように埋め込むために使用されるプロセス300の特定の実施形態が示されている。プロセス300において、略図302が、粘着層302A(PDMS材料または他の適切な材料であってよい)が用意される旨を示している。粘着層302は、粘着材料を有する上面302Bと、下面302Cとを備える。
【0024】
次いで、略図304において、電子回路部品304Aがもたらされ(図1の104Bと同様の特徴を有している)、第1の表面または前面あるいは第1の側または前側304Bと、後ろ側または第2の側あるいは後面または第2の表面304Cとを有している。前面または第1の表面あるいは前側または第1の側304Bは、これらに限られるわけではないが回路配線および接点パッドなど、電子導電要素304Dを有している。このプロセス300において見て取ることができるとおり、第1の側または前側304Bは、粘着層302Aの(粘着性の)表面302Bに接触させて配置される。これは、液状の化学品が304Aの下方の領域へと浸入して表面304Bを覆うことを許さず、かつプロセスの残りの部分における移動を許さないように、電子回路部品304Aの恒久的ではない固定をもたらす。
【0025】
図306に目を向けると、電子回路部品304Aが粘着層302Aに対して固定された状態で、結合材料306Aが、電子回路部品304Aを実質的に保持するための充分な厚さまたは高さを有するように、粘着表面302Bを覆って堆積させられる。略図306に示されるとおり、結合材料306Aの堆積は、一実施形態においては、種々の実施形態においてとりわけインクジェットプリンタ、エアロゾルプリンタなどの印刷装置であってよい堆積装置306Bによって達成される。結合材料306Aの堆積について、他の形態も採用できることを、理解すべきである。さらに、結合材料306Aが、ひとたび堆積させられると、定着または硬化装置306Cによって定着または硬化させられることも、略図306に示されている。特定の実施形態において、結合材料306Aは、UV硬化ポリマーであり、硬化装置306Cは、技術的に公知のような光および/または熱の発生装置であってよい。しかしながら、恒久的に固まるように定着または硬化させることができる他の結合材料も採用可能であることを、理解すべきである。
【0026】
さらに略図306に注目すると、定着または硬化した結合材料306Aが、電子回路部品304Aの第1の表面または前面あるいは第1の側または前側304Cと実質的に同一平面または整列した表面306Bを備えることを、見て取ることができる。これを、略図308においてさらに容易に見て取ることができる。
【0027】
結合材料306Aの定着または硬化後に、粘着層302Aが、粘着部分302Bを硬化して定着した結合材料306Aおよび電子回路部品304Aから分離させ、あるいは引き離すことによって、取り除かれる。PDMSおよび他の材料が接続相手の部品を損傷させることなく取り除くことが可能であることが知られている。所望であれば、清掃作業を行うこともできる。
【0028】
図308に目を向けると、この構造が、電子回路部品304Aの第1の表面または前面あるいは第1の側または前側304Bがページの上端の方を向くように、今や約180°回転させられている。略図308において見て取ることができるとおり、電子回路部品304Aは、今や硬化または定着した結合材料306Aに恒久的な様相で埋め込まれている。この時点において、導電性の配線308Bを印刷して、電子回路部品304Aと電子回路部品304Aから離れた地点308Cとの間の接続を形成するために、プリンタ(例えば、インクジェットプリンタ、音響プリンタ、など)などの堆積装置308Aが使用される。地点308Cは、一実施形態においては、他の電子要素(例えば、図1に示したものと同様の)のための接点パッドであってよい。硬化または定着した結合材料306Aを、基板の一形態と考えることができ、とくには基板306Aと電子回路部品304Aとの間にすき間が存在しない可撓基板と考えることができる。また、略図308において見て取ることができるとおり、定着または硬化した結合材料306Aの上面306Bと表面304Bとは、互いに実質的に整列し、同じ高さであり、あるいは同一平面にある。これにより、斜面を使用することなく、図1のプロセスにおいて行われるような基板の切断を使用することなく、プリンタが導電性の配線の印刷のためにこの領域を横切って単純に印刷を行うことができる。
【0029】
図4に目を向けると、本教示による組み立てプロセス400の別の実施形態が示されている。略図402が、プロセスが粘着性の上面402Bと下面402Cとを有する粘着層402A(例えば、PDMS材料または他の適切な層)を用意することを含んでいることを示している。この実施形態において、(図3の)略図304のものと同様に、本実施形態の略図404は、(図3の電子回路部品304Aと同様の)電子回路部品404Aが、電子回路部品404Aの第1の表面または前面あるいは第1の側または前側404Bが粘着層402Aによって保持される一方で、電子回路部品404Aの第2の側または後ろ側あるいは第2の表面または後面404Cは粘着層402Aに接触しないようなやり方で、粘着層402Aの上面402Bに接触させて配置されることを示している。前面または第1の表面あるいは前側または第1の側404Bが、これらに限られるわけではないが導電性の配線(接点パッドを含む)などの電子要素404Dを含むことに、注意すべきである。
【0030】
しかしながら、上述の実施形態と異なり、予備結合材料404Fが、粘着層402Aの表面402Bに堆積させられ、電子回路部品404Aの側壁404Gへとある高さ寸法にて延びている。一実施形態において、この予備結合材料404Fは、技術的に公知であり、これらに限られるわけではないがインクジェット式プリンタ、エアロゾルプリンタ、押し出し印刷装置、などを含むと考えられる堆積装置404Hによって堆積させられる。ひとたび予備結合材料404Fが電子回路部品404Aの側壁404Gを(少なくとも途中まで)上方へと延びるように堆積させられると、定着または硬化装置404Iが結合材料404Fへと作用し、予備結合材料を恒久的な状態へと定着または硬化させる。一実施形態において、予備結合材料404Fが、UV硬化ポリマーであってよく、硬化または定着装置404Iが、技術的に公知のように予備結合材料を定着または硬化させるために充分な光/熱を発生させる装置であってよいことに、注意すべきである。
【0031】
図406に目を向けると、ひとたび予備結合材料404Fが定着または硬化させられると、第2の平坦化または他の結合材料406Aが、堆積装置406Bによって堆積させられる。これは、特定の実施形態においては、略図404において用いられたものと同じ堆積装置であってよいが、他の実施形態においては、異なってもよい。特定の実施形態における結合材料406Aは、電子回路部品404Aならびに予備結合材料404Fを覆うための充分な厚さまで堆積させられる。結合材料406Aの堆積に続いて、定着または硬化装置406Cが、平坦化または他の結合材料が表面406Dを有する恒久的な状態へと定着または硬化させられることを保証する(略図406の定着または硬化装置406Cが、略図404の硬化または定着装置404Hとは別の装置であってよい一方で、他の実施形態においては、それらが同じ装置であってよいことに、注意すべきである)。
【0032】
平坦化または他の結合材料406Aの定着または硬化に続いて、粘着層402Aが、技術的に公知のようなやり方で、すでに述べたように除去される。
【0033】
その後に、略図408により明瞭に示されているとおり、アセンブリが、導電性の配線、接点パッド、など404Dを有している電子回路部品404Aの表面が図面ページの上方を向いて示されるように、図面において基本的に180°回転させられる。略図408において見て取ることができるとおり、電子回路部品404Aの表面404Bと、予備結合材料404Fの表面404Jと、平坦化または他の結合材料406Aの表面406Dとが、すき間を存在させずに互いに実質的に整列し、同じ高さであり、あるいは同一平面にある。これは、堆積装置408Aが電子回路部品404Aから予備結合材料404Fおよび平坦化の結合材料406Aを横切って実質的に平坦な様相で延びる導電性の配線408Bを印刷することを可能にする。
【0034】
少なくとも一実施形態において、予備結合材料404Fは、平坦化の結合層406Aの化学組成よりも堅固な(より柔軟でない)組成である。この態様は、基板の残りの部分(例えば、406A)に対して電子回路部品404Aの付近により堅固な構造(例えば、404F)を形成することを可能にする。定着した予備結合材料404F(より堅固である)ならびに平坦化または他の結合材料406A(あまり堅固でない)を、電子部品を設けることができ、さらには/あるいは他の電子デバイス(例えば、図6に示されるような電子チップ)へと接続することができる基板と考えることができる。
【0035】
図5に目を向けると、埋め込み型の電子回路部品(例えば、チップ)の形成であって、基板の剛性が電子回路部品からの距離が大きくなるにつれてより堅固からより堅固でなくなる(より柔軟になる)勾配である埋め込み型の電子回路部品の形成を説明する略図502、504、506、および508を含むプロセス500が示されている。上述の実施形態と同様に、略図502が、粘着材料を有する前側または第1の側502Bと、第2の表面502Cとを有する粘着層502Aを示している。略図504が、上述の実施形態と同様に、前側または第1の側の表面504Bと、後ろ側または第2の側あるいは後面または第2の表面504Cとを有している電子回路部品504Aを示している。上面または前面504Bに、電子要素504D(例えば、これらに限られるわけではないが、導電性の配線および接点パッドを含む)が位置している。電子回路部品504Aは、粘着層502Aの粘着性の前面または第1の表面502Bに物理的に接触する。これにより、電子回路部品504Aが、固定の(しかしながら、恒久的な定着ではない)位置に保たれる。この構成は、液状の化学品の504Aの下方の領域への浸入を許さず、プロセスの残りの部分における移動を許さない。
【0036】
図506に目を向けると、平坦化の結合材料層506Dを堆積させるために、少なくとも2つの別々の堆積要素(例えば、印刷ヘッド)506Bおよび506Cを備える堆積装置506Aが示されている。堆積装置506Aは、すでに述べたように、いくつかの公知の印刷装置または押出装置のいずれかであってよい。一実施形態においては、堆積要素506Bに、第1の結合材料組成物506B’が供給され、堆積要素506Cに、第2の結合材料組成物506C’が供給される。第1の結合材料組成物506B’は、第2の結合組成物よりも堅固であるように設計される。
【0037】
堆積装置506Aは、より堅固な結合組成物506B’を電子回路部品504Aのより近くに堆積させ、第2の結合材料組成物506C’をより遠くに堆積させるように制御される。特定の実施形態において、堆積要素506Bおよび506Cは、第1および第2の結合組成物506B’、506C’が、堆積が図5に示されるように電子回路部品504Aから遠ざかるにつれて、堅固からより堅固でなくなる滑らかな勾配が生み出されるように、各位置において所定の割合で混合されるように制御されると理解される。
【0038】
このようにして、領域506Eが、より堅固な非可撓の結合材料の組成を呈し、領域506Fが、より可撓な結合材料の組成である。ひとたび堆積させられると、組成物を電子回路部品504Aを恒久的に保持するように定着または硬化させるために、定着または硬化装置506Gが動作させられる。ひとたび結合材料層506Dが定着させられると、粘着層502Aが、公知の技術を使用して取り除かれる。
【0039】
図508に示されるように、アセンブリは、上面または第1の表面504Bが今やページの上端を向くように180°回転させられており、結果として結合材料506Dの上側または第1の側508Aが、電子回路部品504Aの第1の側または上側504Bに実質的に整列し、あるいは同一平面となる。これは、上述の実施形態と同様に、堆積装置(例えば、プリンタ)508Aが、電子導電部品504Aならびに今や電子回路部品504Aのための基板として働く定着または硬化した結合材料層506Dを横切って、導電性の配線508Bを印刷することを可能にする。
【0040】
このように、図4のプロセスと同様に、図5においては、略図508の結果としての基板構造(例えば、定着または硬化した結合材料層506D)は、電子回路部品504Aのより近くにおいてより堅固であり、電子回路部品504Aから遠ざかるにつれてより柔軟(すなわち、定着または硬化した結合材料)である。図4および5の2つの実施形態の間の相違は、図4のプロセスが2つの別々の定着または硬化作業を必要とする一方で、図5の実施形態は、単一の定着または硬化作業を提供する点にある。
【0041】
図506に示される堆積装置506Aにおいて、2つの堆積要素506Bおよび506Cが示されていると理解される。これを、他の実施形態において、作業の速度を高めるためにさらに多くの堆積要素を備えるように設計できることを、理解すべきである。また、またさらなる実施形態において、ただ1つの堆積要素を使用し、この要素への供給物を堆積作業の位置に応じて変化させることも、可能であると考えられる。例えば、堆積装置506Aを、最初に電子回路部品504Aの近くに結合材料(より堅固な材料)を堆積させるようにコンピュータで制御することができる。次いで、前方へと移動するにつれて、より柔軟な結合組成物を供給することができる。
【0042】
図6に目を向けると、上述した図4および5の考え方を採用する構成の上面図600が示されている。より詳しくは、すでに述べた電子回路部品(404Aおよび504A)と同様の電子回路部品604が、上述の基板(例えば、定着または硬化した結合材料;例えば、図4の406Aおよび図5の506A)上に位置し、あるいは上述の基板を過ぎて位置する接点パッドおよび/または電子デバイス608まで延びる導電性の配線606(すべての配線に番号が付されているわけではない)を備えて示されている。図6に示されるとおり、破線612の内側の領域610(電子回路部品604により近い)が、点線612を過ぎて電子部品608へと広がる材料または領域612よりも堅固な基板領域を呈している。
【0043】
図3、4、5の実施形態は、導電性の配線が斜面のない設計にて電子回路部品と遠方の接続部(例えば、接点パッド)との間に配置される方法および構成を説明している。
【0044】
図7に目を向けると、略図702、704、706、および708を含むプロセス700の別の実施形態が示されている。略図702において、粘着材料702A(例えば、PDMS)が、傾斜した側壁702B、702Cと、側壁の間の平坦な平面領域702Dとを備え、空洞部703を生み出すように設計されている。(すでに述べた電子回路部品と同様の)電子回路部品704Aが、第1の側または前側あるいは第1の表面または前面704Bと、第2の側または後ろ側あるいは第2の表面または後面704Cとを備えており、前面または第1の表面704Bは、すでに述べたものと同様の導電性の配線(接点パッドを含む)704Dを備えている。略図702において、電子回路部品704Aは、非恒久的に定着した関係であるように平坦な表面702Dに接触させられている。
【0045】
図704に、結合材料704Fが、粘着材料702Aの傾斜した壁702B、702Cによって形成された切り欠き領域または空洞703へと、堆積装置704Gによって堆積させられる旨が示されている。結合材料704Fが、粘着材料702Aと実質的に同じ高さとなるまで充てんされる。その後に、略図706において、可撓な透明基板706Aが切り欠き領域を覆って配置され、硬化または定着用の構成要素706Bが、結合材料704Fを硬化させ、あるいは定着させる。
【0046】
その後に、上述の実施形態と同様に、粘着材料702Aが取り除かれ、略図708に示されるように、電子部品デバイス704Aの第1の表面または前面704Bは、斜面708A、708Bが設けられた固定位置にある。この実施形態において、プリンタ708Cが、基板706Aへと電子回路部品704Aの間を延びる導電性の配線708Dを印刷する。
【0047】
次に図8および9に目を向けると、ハイブリッド電子回路を電子回路部品(例えば、パッケージされたICまたはベアダイIC)を含むように印刷による電子装置と組み合わせることが、印刷による導電路によって達成することができるものと、集積回路(IC)などにおける接続パッドの小さなサイズおよび密度との間の相対的なサイズの違いゆえに、難題であることが知られている。また、印刷による導体への最も信頼できる接続を形成するために、どのようにICを向けるかという問題も解決しなければならない。1つのやり方は、ICを、接続パッドを上に向けた状態とすることである。しかしながら、印刷方法は、ICが配置された基板表面の高さから接続パッドが位置するICの上面への移行が可能でなければならないと考えられる。
【0048】
図8および9のこの実施形態は、(例えば、Optomec社の)集中型エアロゾル式堆積装置を使用することによって基板表面上の印刷による導体へとICパッドを接続する方法および構成を説明する。本方法は、ICの位置および形状ならびに接続が形成されるべき印刷による導体配線に関する接続すべきパッドの位置の正確な知識を使用する。
【0049】
図8の側面図に示されるように、方法および構成800は、基板806上で互いに特定の既知の距離にある押し出しによる導体802の一部分および電子回路部品(例えば、ベアダイ、IC、など)804の一部分を示している。プロセスは、印刷による配線(例えば、20〜40μmの線幅)を生成するためにエアロゾル式堆積装置などの堆積システム808を使用することを含む。システム808は、特定の描画速度で動作させられる。とくには、導電性の配線が電子回路部品802の縁から描かれるとき、印刷速度は、堆積させられる導電性材料(すなわち、配線810の形態である)が電子回路部品804の縁に到達するときに、電子回路部品804の高さに見合うようにますます高い配線810を堆積させるように遅くされる。そこから、導電性の配線の高さ812を小さくするために速度が高められる。とくには、位置812における配線810の高さは、部品804に到達する前の配線の高さよりもはるかに小さい。配線は、接点パッド814に到達するまで続けられる。
【0050】
一実施形態においては、基板上に配置された正確な電子回路部品の位置が、較正済みの機械視覚要素816によって割り出され、電子回路部品の段差の高さが、(例えばPrecitec GroupからのPrecitec共焦点器具による)光学式のプロファイラ要素818との組み合わせにおいて求められる。
【0051】
次に、図10Aおよび10Bに目を向ける。以上の実施形態において、それぞれの電子回路は、それぞれの基板の表面と実質的に同じ高さまたは同一平面である。しかしながら、今回の考え方は、電子回路と基板とが同じ高さでない場合にも適用可能である。例えば、図10Aおよび10Bに、基板1000および電子回路部品1002が示されている。見て取ることができるとおり、基板1000上の電子回路または配線1000A、ならびに電子部品1002上の電子回路または配線1002Aは、輪郭においてそれぞれの表面1000B、1002Bの上方に立ち上がっている。特定の実施形態において、輪郭は、実質的に1〜20ミクロンであり、さらに特定の実施形態においては、それぞれの表面(例えば、1000B、1002B)の上方の10〜20ミクロンの範囲内である。例えば、電子回路部品1002が充分に柔らかい材料(例えば、PDMS)に接触して配置される場合、これは、要素1002AをPDMS材料へと押し込み、プロセスの残りの部分を行うための適切な配置の構成をもたらすことを可能にする。
【0052】
また、導電性の配線が基板1000と部品1002との間に形成される場合、先行の図において示したような実質的に平坦な導電線を生成するための充分な堆積高さが存在する。
【0053】
以上の図および検討は、ハイブリッド電子プラットフォームの製造のための実施形態を示すために言及されている。
【0054】
要約
これまでの検討において、電子アセンブリを形成する方法であって、粘着層を用意するステップと、第1の側および第2の側を有しており、第1の側が電子装置を有している電子回路部品を用意するステップと、電子回路部品の第1の側を粘着層に接触させて配置するステップと、結合材料を、粘着層のうちの電子回路部品の第1の側によって覆われていない部分へと、電子回路部品の第2の側を実質的に覆う深さまで堆積させるステップと、結合材料を硬化させ、硬化した結合材料とするステップと、最後に粘着層を取り除くステップと、を含んでおり、電子回路部品は、硬化した結合材料によって堅固に取り付けられた状態に保持される、方法を説明した。
【0055】
上述の方法のいくつかの態様が、以下で説明される。
【0056】
電子回路部品の第1の表面および硬化した結合材料の第1の表面は、互いに実質的に平坦である。
【0057】
導電性の配線が、硬化した結合材料と電子回路部品の第1の表面との間に配置される。
【0058】
予備結合材料が、結合材料を堆積させるステップに先立って堆積させられる。予備結合材料は、粘着層の一部分に沿って広がり、かつ電子回路部品の側面に沿って高さ方向に上方へと延びる。その後に、予備結合材料は、結合材料を堆積させるステップに先立って、硬化した予備結合材料へと硬化させられる。硬化した予備結合材料は、硬化した結合材料よりも堅い性質を有する。
【0059】
堆積させられた硬化可能材料は、電子回路部品により近いより堅固な材料組成物と、電子回路部品からより遠いより堅固でない材料組成物とで構成される。
【0060】
堆積させられた硬化可能材料を構成する(i)より堅固な材料組成物および(ii)より堅固でない材料組成物は、同じ硬化作業の際に実質的に同時に硬化させられる。
【0061】
堆積は、異なる硬化可能材料組成物を含んでいる少なくとも2つの異なる印刷ヘッドを使用して達成される。
【0062】
堆積は、変化するUV硬化ポリマー材料にて単一の印刷ヘッドを使用して達成される。
【0063】
粘着層は、傾斜した側面と、傾斜した側面の間の平坦な部分とによって定められる空洞部を備えて形成され、平坦な部分は、電子回路部品を受け入れるようなサイズとされている。電子回路部品の第1の側を粘着層に接触させて配置するステップは、平坦な部分の表面において行われ、第1の表面は、粘着層の平坦な部分の表面に接触する。堆積させるステップは、硬化可能な材料を、粘着層のうちの電子回路部品の第1の側によって覆われていない部分へと、電子回路部品の後ろ側を実質的に覆う深さまで堆積させ、残りの空洞部を結合材料で実質的に埋めることをさらに含む。
【0064】
実質的に透明な基板が、粘着層の表面および結合材料の表面に位置する。結合材料を硬化させるステップは、透明な基板を通して結合材料へと硬化をもたらし、結合材料を硬化させるステップを含む。粘着層を取り除くステップは、導電性の電子部品の各側に斜面の構成をもたらす。
【0065】
結合材料を堆積させるステップは、インクジェット式の印刷、エアロゾル式の印刷、および押し出し式の印刷のうちの少なくとも1つである。
【0066】
上述のステップは、電子要素を第1の表面上に有している電子回路部品と、電子回路部品の第2の表面を実質的に覆う充分な深さを有しており、電子回路部品を堅固に固定された関係に保持する硬化した結合材料と、電子回路部品の第1の表面と硬化した結合材料の少なくとも一部分とで構成された上面と、硬化した結合材料と電子回路部品の第1の表面との間を延びる印刷による導電性の配線とを備える電子チップを形成する。
【0067】
アセンブリは、硬化した結合材料が2つ以上の結合材料組成物で構成されるように設計され、電子回路部品により近い結合材料組成物は、電子回路部品からより遠い別の結合材料組成物と比べてより堅固な組成物を有する。
【0068】
電子回路部品の第1の表面および硬化した結合材料の第1の表面は、お互いに対して実質的に平坦である。
【0069】
硬化した結合材料は、導電性の電子部品の各側の斜面の構成にて形成される。
【0070】
結合材料を堆積させるステップは、インクジェット式の印刷、エアロゾル式の印刷、および押し出し式の印刷のうちの少なくとも1つである。
【0071】
別の実施形態においては、電子アセンブリを形成する方法であって、基板上に導体を設けるステップと、導体の高さ以上の高さの電気回路部品を基板上に導体から離して設けるステップと、導体と電子回路部品との間の高さおよび距離の差を割り出し、割り出した導体と電気回路部品との間の差に応じて堆積の速度を変化させるようにエアロゾル印刷装置を動作させることによって、エアロゾルプリンタが特定の領域に配置する材料の量を変化させるステップとを含む方法が開示される。
【0072】
上述の方法は、電子回路部品に近付くにつれてエアロゾルプリンタの速度を下げることで、材料の深さを電子回路部品の高さに等しくなり、あるいは上回るまで増加させ、その後にエアロゾルプリンタの移動の速度を上げるステップをさらに含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B