(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンタクトの前記バネ接点に、衣服側コネクタの非バネ接点を電気的に接続することにより、ウエアラブルデバイスとして使用される請求項6に記載の電子機器モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の防水端子構造では、可動接点端子2の可動ピン5が弾性シール部材3の貫通孔7を貫通しているので、弾性シール部材3の外周部と筐体1の開口部6との界面だけでなく、弾性シール部材3の貫通孔7と可動ピン5の外周部との界面も、水の浸入経路となり、優れた防水機能を持たせることが難しいという問題がある。
さらに、可動接点端子2の可動ピン5は、軸線方向に沿って移動可能であるため、弾性シール部材3の貫通孔7と可動ピン5の外周部との間で剥離が生じやすく、防水機能が損なわれるおそれがある。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、バネ接点を有するコンタクトを含みながらも優れた防水機能を有する防水端子構造を提供することを目的とする。
また、この発明は、優れた防水機能を有する電子機器モジュールを提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る防水端子構造は、バネ接点を有するコンタクトを含む防水端子構造であって、コンタクトを保持するターミナル部品を備え、ターミナル部品は、導電性を有し且つコンタクトに接続されるコンタクト接続部と、少なくとも筐体の開口部の周に沿って配置された絶縁性の防水部材に密着されるシール部と、導電性を有し且つ基板の配線部に接続される基板実装部とを有し、コンタクト接続部と基板実装部は、互いに電気的に接続さ
れ、コンタクト接続部から基板実装部への水の浸入経路
は、シール部により分断さ
れ、コンタクトは、ターミナル部品を貫通していないものである。
【0008】
ターミナル部品は、導電性材料からなり且つ互いに反対方向を向いた一対の面を有する板材により形成され、コンタクト接続部は、板材の一対の面のうち一方の面に形成され、基板実装部は、板材の一対の面のうち他方の面に形成されるように構成することができる。
この場合、ターミナル部品は、凹状のコンタクト収容部が形成されたバスタブ形状を有し、コンタクトは、ターミナル部品のコンタクト収容部に収容され、コンタクト接続部は、コンタクト収容部の底面に形成され、基板実装部は、コンタクト収容部の底面の裏側に位置するコンタクト収容部の外面に形成されていることが好ましい。
さらに、ターミナル部品は、コンタクト収容部の周に沿ってコンタクト収容部の縁部から底面に平行に張り出すフランジを有し、シール部は、フランジの表面により形成されていることが好ましい。
【0009】
また、ターミナル部品は、絶縁性材料からなるターミナル部品本体と、ターミナル部品本体の表面上に形成された導電層とを有する板材により形成され、コンタクト接続部および基板実装部は、板材の導電層により形成されるように構成することもできる。
【0010】
この発明に係る電子機器モジュールは、開口部を有する筐体と、少なくとも筐体の開口部の周に沿って配置された絶縁性の防水部材と、筐体の内部に配置され且つ表面上に配線部が形成された基板と、基板に固定されるターミナル部品と、バネ接点を有すると共にバネ接点が筐体の開口部を通して露出するようにターミナル部品を貫通することなくターミナル部品に保持されるコンタクトとを備え、ターミナル部品は、導電性を有し且つコンタクトに接続されるコンタクト接続部と、防水部材に密着されるシール部と、導電性を有し且つ基板の配線部に接続される基板実装部とを有し、コンタクト接続部と基板実装部は、互いに電気的に接続さ
れ、コンタクト接続部から基板実装部への水の浸入経路
は、シール部により分断さ
れ、ターミナル部品のシール部を防水部材に密着させることにより筐体の内部への水の浸入が防止されるものである。
【0011】
また、電子機器モジュールは、コンタクトのバネ接点に、衣服側コネクタの非バネ接点を電気的に接続することにより、ウエアラブルデバイスとして使用されることもできる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、ターミナル部品のコンタクト接続部と基板実装部は、互いに電気的に接続されると共に、コンタクト接続部から基板実装部への水の浸入経路がシール部により分断されるように配置され、コンタクトは、ターミナル部品を貫通していないので、バネ接点を有するコンタクトを含みながらも優れた防水機能を有することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る防水端子構造を示す断面図である。
【
図2】実施の形態1に係る防水端子構造に用いられたターミナル部品を斜め上方から見た斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る防水端子構造に用いられたコンタクトを斜め上方から見た斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る防水端子構造に用いられたコンタクトを斜め下方から見た斜視図である。
【
図5】実施の形態1においてコンタクトが組み込まれたターミナル部品を斜め上方から見た斜視図である。
【
図6】実施の形態1においてコンタクトが組み込まれたターミナル部品を斜め下方から見た斜視図である。
【
図7】実施の形態1においてコンタクトが組み込まれたターミナル部品を示す平面図である。
【
図8】実施の形態2に係る電子機器モジュールを斜め上方から見た斜視図である。
【
図9】実施の形態2に係る電子機器モジュールを斜め下方から見た斜視図である。
【
図10】実施の形態2に係る電子機器モジュールを示す正面図である。
【
図11】実施の形態2に係る電子機器モジュールを示す平面図である。
【
図13】実施の形態2に係る電子機器モジュールに用いられた基板を斜め上方から見た斜視図である。
【
図14】それぞれコンタクトが組み込まれた複数のターミナル部品が実装された基板を示す斜視図である。
【
図15】実施の形態2に係る電子機器モジュールに用いられた筐体を斜め下方から見た斜視図である。
【
図16】嵌合前の実施の形態2に係る電子機器モジュールと衣服側コネクタを示す斜視図である。
【
図17】実施の形態3に係る防水端子構造に用いられたコンタクトを示す斜視図である。
【
図18】実施の形態3に係る防水端子構造に用いられたターミナル部品を示す斜視図である。
【
図19】実施の形態3においてコンタクトが組み込まれたターミナル部品を示す斜視図である。
【
図20】実施の形態4に係る防水端子構造を模式的に描いた断面図である。
【
図21】実施の形態5に係る防水端子構造を模式的に描いた断面図である。
【
図22】実施の形態5の変形例に係る防水端子構造を模式的に描いた断面図である。
【
図23】実施の形態6に係る防水端子構造を模式的に描いた断面図である。
【
図24】従来の防水端子構造を示す一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に実施の形態1に係る防水端子構造を示す。この防水端子構造は、筐体11の内部に配置されている基板12にターミナル部品13が固定されると共に、ターミナル部品13にコンタクト14が保持された構成を有している。
筐体11は、開口部11Aを有し、筐体11の内部を向いた内面11B上に、開口部11Aの周に沿って開口部11Aを囲むように絶縁性のシート状の防水部材15が配置されている。
基板12は、筐体11の内面11Bに対して平行に配置されており、基板12の表面12Aと防水部材15との間にターミナル部品13が配置されている。
ここで、便宜上、筐体11の内面11BがXY面に沿って延び、筐体11の内面11Bに垂直で且つ基板12の表面12Aから筐体11の内面11Bに向かう方向を+Z方向と呼ぶことにする。
【0015】
ターミナル部品13は、
図2に示されるように、凹状に窪んだコンタクト収容部13Aを有し且つ+Z方向の上部が開放された箱形状、すなわち、いわゆるバスタブ形状を有し、金属等の導電性材料からなる板材により形成されている。コンタクト収容部13Aの底面13Bおよび側面13Cは、貫通孔を有しておらず、コンタクト収容部13Aの上部は、開放されている。
また、ターミナル部品13は、コンタクト収容部13Aの周に沿ってコンタクト収容部13Aの縁部から底面13Bに平行にXY面に沿って張り出すフランジ13Dを有している。
なお、+Z方向を向いたコンタクト収容部13Aの底面13Bにより導電性を有するコンタクト接続部が形成され、+Z方向を向いたフランジ13Dの表面によりターミナル部品13のシール部が形成されている。
【0016】
コンタクト14は、ターミナル部品13のコンタクト収容部13A内に収容されるもので、折り曲げられた金属板により形成され、
図3および
図4に示されるように、XY面に沿って延びる平面部を有する基部14Aと、基部14Aの+Y方向端部から基部14Aの−Z方向側に屈曲しながら延びる腕部14Bと、腕部14Bの先端に配置され且つX方向に対向する一対の接点部(バネ接点)14Cを有している。
基部14Aには、−Y方向に偏った位置に、筐体11の開口部11Aに対応する開口部14Dが形成されている。腕部14Bは、+X方向と−X方向に分岐してそれぞれ対応する接点部14Cを保持する一対の撓み変形部14Eを含んでおり、一対の接点部14Cは、それぞれX方向に弾性的に変位可能に構成されている。
また、コンタクト14は、互いに同一のXY面上に位置する3つのターミナル部品接続部14Fを有している。
【0017】
図5に示されるように、コンタクト14は、ターミナル部品13のコンタクト収容部13A内に収容されている。このとき、コンタクト14の3つのターミナル部品接続部14Fがそれぞれターミナル部品13のコンタクト収容部13Aの底面13Bに接続し、コンタクト14の基部14Aがコンタクト収容部13Aの開放されている上部から+Z方向を向くようにコンタクト14が配置されている。
【0018】
さらに、
図6に示されるように、ターミナル部品13のコンタクト収容部13Aの−Z方向を向いた外面13E上で且つコンタクト14の3つのターミナル部品接続部14Fに対応する位置に規定された溶接部位13Fに、それぞれレーザを照射することにより、外面13E側からコンタクト14の3つのターミナル部品接続部14Fがターミナル部品13のコンタクト収容部13Aの底面13Bに溶接されている。これにより、コンタクト14が、コンタクト接続部を形成するターミナル部品13の底面13Bに電気的に接続されている。
なお、
図7に示されるように、+Z方向から見ると、コンタクト14の一対の接点部14Cは、基部14Aの開口部14Dを通して露出している。
【0019】
また、−Z方向を向いたコンタクト収容部13Aの外面13Eにより導電性を有する基板実装部が形成されており、
図1に示されるように、コンタクト収容部13Aの外面13Eが基板12の表面12Aに配置されている図示しない配線部にハンダ接続されている。
すなわち、ターミナル部品13を構成する板材は、互いに反対方向を向いた一対の面を有し、これら一対の面のうち一方の面からなるコンタクト収容部13Aの底面13Bにより導電性を有するコンタクト接続部が形成され、他方の面からなるコンタクト収容部13Aの外面13Eにより導電性を有する基板実装部が形成されている。
コンタクト接続部を形成するコンタクト収容部13Aの底面13Bと、基板実装部を形成するコンタクト収容部13Aの外面13Eは、ターミナル部品13を構成する導電性の板材の内部を介して互いに電気的に接続されているため、コンタクト収容部13Aの底面13B上に固定されたコンタクト14は、ターミナル部品13を介して基板12の配線部に電気的に接続されることとなる。
【0020】
さらに、シール部を形成するターミナル部品13のフランジ13Dの+Z方向を向いた表面が、筐体11の内面11B上に配置された絶縁性のシート状の防水部材15に押しつけられて密着されるように、基板12が筐体11の内部に配置されている。ここで、コンタクト接続部を形成するコンタクト収容部13Aの底面13Bと、基板実装部を形成するコンタクト収容部13Aの外面13Eは、水の浸入経路が、シール部を形成するフランジ13Dの表面により分断されるように配置されている。すなわち、水は、フランジ13Dの表面を通ることなく、ターミナル部品13を構成する板材の表面を伝って、コンタクト収容部13Aの底面13Bからコンタクト収容部13Aの外面13Eまで到達することができない。
【0021】
このため、ターミナル部品13のフランジ13Dの表面が防水部材15に密着されることにより、筐体11の外部から開口部11Aを通してターミナル部品13のコンタクト収容部13A内に水が浸入しても、水はターミナル部品13で遮断され、ターミナル部品13よりも筐体11の内側に配置されている基板12にまで浸入することが防止される。
コンタクト14がターミナル部品13を貫通していないので、筐体11の内部に水が浸入するおそれのある箇所は、ターミナル部品13のフランジ13Dと防水部材15との界面のみとなり、優れた防水機能を持たせることが可能となる。
【0022】
図1に示される防水端子構造に対し、筐体11の開口部11Aを通して、+Z方向から−Z方向に図示しない相手側コネクタの例えばピン形状のコンタクト(非バネ接点)を挿入すると、相手側コネクタのコンタクトは、コンタクト14の一対の接点部14CのX方向の間隔が広がるように一対の撓み変形部14Eを弾性的に変形させながら−Z方向に進み、所定の接触圧でコンタクト14の一対の接点部14Cに接触する。これにより、相手側コネクタのコンタクトが、コンタクト14およびターミナル部品13を介して基板12の図示しない配線部に電気的に接続されることとなる。
【0023】
実施の形態2
実施の形態2に係る電子機器モジュールMを
図8〜
図10に示す。電子機器モジュールMは、例えば絶縁性樹脂等の絶縁性材料からなる筐体11と、筐体11の内部に配置された基板12と、基板12に固定された4つのコンタクト14を有している。
筐体11は、基板12に垂直で且つ基板12から離れるZ方向に突出するほぼ矩形状の凸部11Cを有し、凸部11Cに、4つのコンタクト14に対応して4つの開口部11Aが形成されている。
図11に示されるように、4つのコンタクト14の一対の接点部14Cが、筐体11の対応する開口部11Aを通して露出している。
【0024】
図12に示されるように、4つのコンタクト14に対応して、筐体11の内部に、
図1に示した実施の形態1の防水端子構造と同一の4つの防水端子構造が形成されている。
すなわち、コンタクト14が、いわゆるバスタブ形状を有するターミナル部品13のコンタクト収容部13A内に収容され、コンタクト14のターミナル部品接続部14Fがターミナル部品13のコンタクト収容部13Aの底面13Bに溶接されている。また、ターミナル部品13のコンタクト収容部13Aの外面13Eが基板12の表面12Aに配置されている図示しない配線部にハンダ接続され、ターミナル部品13のフランジ13Dの表面が筐体11の凸部11Cの内面11B上に配置された絶縁性のシート状の防水部材15に密着されている。
【0025】
4つの防水端子構造におけるそれぞれのターミナル部品13において、コンタクト接続部を形成するコンタクト収容部13Aの底面13Bと、基板実装部を形成するコンタクト収容部13Aの外面13Eは、水の浸入経路が、シール部を形成するフランジ13Dの表面により分断されるように配置されている。これにより、筐体11の外部から4つの開口部11Aを通してそれぞれのターミナル部品13のコンタクト収容部13A内に水が浸入しても、水はターミナル部品13で遮断され、ターミナル部品13よりも筐体11の内側に配置されている基板12にまで浸入することが防止される。
【0026】
このような電子機器モジュールMは、例えば次のようにして製造することができる。すなわち、それぞれ、
図5に示したように、コンタクト14が溶接により固定された4つのターミナル部品13を、
図13に示される基板12の表面12Aに配置された対応する配線部12Bにハンダ接続する。このとき、
図14に示されるように、基板12の表面12Aに沿ったXY面上で、4つのコンタクト14が、2つずつ2列に配列され、X方向においても、Y方向においても、隣接する2つのコンタクト14が互いにY方向に反対向きとなるように配置されている。このような配置により、4つのコンタクト14の開口部14Dは、基板12の表面12Aに垂直なZ軸に関して回転非対称の位置、具体的には、等脚台形の4つの頂点上に位置している。
【0027】
次に、
図15に示される筐体11を基板12の上に被せて、基板12を筐体11に固定する。このとき、4つのターミナル部品13が筐体11の凸部11Cの内部に収容され且つ筐体11の4つの開口部11Aが4つのコンタクト14の開口部14Dの直上に位置するように、筐体11が基板12の上に配置される。また、4つのターミナル部品13のフランジ13Dの表面が筐体11の凸部11Cの内面11B上に配置されている絶縁性のシート状の防水部材15に密着されるように、基板12が筐体11に固定される。
【0028】
このようにして製造された電子機器モジュールMに、
図16に示されるような相手側コネクタCを嵌合することで、電子機器モジュールMと相手側コネクタCとの接続が行われる。
図16に示される相手側コネクタCは、例えば絶縁性樹脂等の絶縁性材料からなる筐体21を有し、筐体21に、電子機器モジュールMの筐体11の凸部11Cに対応する形状の凹部21Cが形成されている。さらに、相手側コネクタCは、それぞれ、−Z方向に向けて筐体11の凹部21Cに突出する4つのピン形状のコンタクト(非バネ接点)24を有している。4つのコンタクト24は、XY面上において、電子機器モジュールMの4つのコンタクト14の開口部14Dに対応する位置に配置されている。
【0029】
このような相手側コネクタCと電子機器モジュールMを嵌合することで、相手側コネクタCの4つのコンタクト24が、それぞれ、電子機器モジュールMの対応するコンタクト14の一対の接点部14Cに接触し、互いに対応するコンタクト14およびコンタクト24が電気的に接続される。
相手側コネクタCを衣服に取り付けられる衣服側コネクタとして構成すれば、電子機器モジュールMを、衣服側コネクタに接続されるウエアラブルデバイスとして使用することができる。
【0030】
実施の形態3
実施の形態1で用いたコンタクト14は、XY面に沿って延びる基部14Aと平行なX方向に弾性変位可能である一対の接点部14Cを有しているが、これに限るものではない。
図17に、実施の形態3に係る防水端子構造に使用されるコンタクト34を示す。このコンタクト34は、XY面に沿って延びる基部34Aと、基部34Aから延びる腕部34Bの先端に配置された1つの接点部34Cを有しており、接点部34CがXY面に対して垂直なZ方向に弾性的に変位可能に構成されている。
【0031】
コンタクト34は、
図18に示されような、いわゆるバスタブ形状を有し、金属等の導電性材料からなる板材により形成されたターミナル部品33のコンタクト収容部33A内に収容されて使用される。コンタクト34の基部34Aが、ターミナル部品33のコンタクト収容部33Aの底面33Bに溶接等により接続されることで、
図19に示されように、コンタクト34がターミナル部品33に組み込まれる。
図1に示した実施の形態1の防水端子構造と同様に、ターミナル部品33のコンタクト収容部33Aの外面が基板12の配線部にハンダ接続され、ターミナル部品33のコンタクト収容部13Aの周に沿って形成されているフランジ33Dが筐体11の内面11B上に配置された絶縁性のシート状の防水部材15に密着されることで、優れた防水機能を有する防水端子構造を構成することが可能となる。
【0032】
なお、コンタクト34の接点部34CがZ方向に弾性変位可能であるので、相手側コネクタのコンタクトは、XY面に沿って延びる接点部(非バネ接点)を有することが好ましい。相手側コネクタとの嵌合時に、相手側コネクタのコンタクトの接点部が、Z方向において所定の接触圧でコンタクト34の接点部34Cに接触し、相手側コネクタのコンタクトが、コンタクト34およびターミナル部品33を介して基板12の図示しない配線部に電気的に接続される。
【0033】
実施の形態4
図1に示した実施の形態1の防水端子構造においては、いわゆるバスタブ形状を有するターミナル部品13のコンタクト収容部13A内にコンタクト14が収容されているが、これに限るものではない。
図20に、実施の形態4に係る防水端子構造を模式的に示す。筐体41が、凹状のコンタクト収容部41Aと、コンタクト収容部41Aの底部に形成された開口部41Bを有し、平板形状を有するターミナル部品51が、筐体41の開口部41Bを囲むように配置された絶縁性の防水部材61に密着されている。
【0034】
ターミナル部品51は、金属等の導電性材料からなる板材により形成され、板材の互いに反対方向を向いた一対の面のうち一方の面51Aにより導電性を有するコンタクト接続部が形成され、他方の面51Bにより導電性を有する基板実装部が形成され、面51Aの周縁部により防水部材61に密着されるシール部が形成されている。バネ接点を有するコンタクト71が筐体41のコンタクト収容部41A内に収容され、筐体41の開口部41Bを通してターミナル部品51の面51Aに電気的に接続されている。また、ターミナル部品51の面51Bが、基板81の配線部81Aに電気的に接続されている。
【0035】
このような構成としても、ターミナル部品51のコンタクト接続部と基板実装部が、互いに電気的に接続されると共に、コンタクト接続部から基板実装部への水の浸入経路がシール部により分断されるように配置され、ターミナル部品51のシール部を防水部材61に密着させることにより、筐体41の内部への水の浸入を防止することができる。
【0036】
実施の形態5
図1に示した実施の形態1の防水端子構造においては、ターミナル部品13を構成する板材の一対の面のうち一方の面からなるコンタクト収容部13Aの底面13Bにより導電性を有するコンタクト接続部が形成され、他方の面からなるコンタクト収容部13Aの外面13Eにより導電性を有する基板実装部が形成されているが、これに限るものではない。
図21に、実施の形態5に係る防水端子構造を模式的に示す。ターミナル部品52は、金属等の導電性材料からなる板材により形成され、内部にコンタクト収容部52Aが形成されたバスタブ形状を有している。また、ターミナル部品52に開口部52Bが形成され、バネ接点を有するコンタクト72が、開口部52Bを通してコンタクト収容部52A内に収容されている。
【0037】
ターミナル部品52を形成する板材の互いに反対方向を向いた一対の面のうち、箱形状の外面となる面52Cにより、導電性を有するコンタクト接続部と導電性を有する基板実装部の双方が形成されている。コンタクト接続部は、開口部52Bの内周縁に形成され、このコンタクト接続部にコンタクト72が電気的に接続されている。また、基板実装部は、コンタクト収容部52Aの底部の外面に形成され、この基板実装部が基板82の配線部82Aに電気的に接続されている。
さらに、ターミナル部品52の面52Cのうち、開口部52Bを囲む領域により、防水部材62に密着されるシール部が形成されており、コンタクト接続部から基板実装部への水の浸入経路がシール部により分断されている。
【0038】
このように、ターミナル部品52のコンタクト接続部と基板実装部が互いに同一の面52Cに形成された構造としても、コンタクト接続部と基板実装部が、互いに電気的に接続されると共に、コンタクト接続部から基板実装部への水の浸入経路がシール部により分断され、ターミナル部品52のシール部を防水部材62に密着させることにより、筐体42の内部への水の浸入を防止することができる。
【0039】
実施の形態5においては、ターミナル部品52のコンタクト接続部と基板実装部が互いに同一の面52Cに形成されているので、金属等の導電性材料からなる板材により形成されたターミナル部品52の代わりに、
図22に示されるように、絶縁性樹脂等の絶縁性材料からなるターミナル部品本体53Aと、ターミナル部品本体53Aの表面上に形成された導電層53Bとを有する板材により形成されたターミナル部品53を用いることもできる。導電層53Bが箱形状の外面側に位置するように板材が使用され、導電層53Bによりコンタクト接続部および基板実装部が形成されている。すなわち、導電層53Bにコンタクト72が電気的に接続されると共に基板82の配線部82Aが電気的に接続される。
【0040】
このようにしても、
図21に示した実施の形態5の防水端子構造と同様の防水機能を備えることができる。さらに、例えば絶縁性樹脂を成形してターミナル部品本体53Aを作製し、ターミナル部品本体53Aの表面上に導電材料をコーティングすることで、ターミナル部品53を容易に製造することができる。
【0041】
実施の形態6
図1に示した実施の形態1の防水端子構造においては、ターミナル部品13のフランジ13Dが筐体11の内面11B上に配置されている絶縁性のシート状の防水部材15に押しつけられて密着されるように、基板12が筐体11の内部に配置されているが、これに限るものではない。
図23に、実施の形態6に係る防水端子構造を模式的に示す。ターミナル部品54は、金属等の導電性材料からなる板材により形成され、内部にコンタクト収容部54Aが形成されたバスタブ形状を有している。また、ターミナル部品54に開口部54Bが形成され、バネ接点を有するコンタクト74が、開口部54Bを通してコンタクト収容部54A内に収容されている。
【0042】
ターミナル部品54の開口部54Bの外周縁により、筐体44の開口部44Aの内周に沿って配置されたシール部が形成されている。筐体44の開口部44Aの内周部には、開口部44Aの周に沿って絶縁性の防水部材64が配置されており、例えば、ターミナル部品54を防水部材64の内側に圧入することにより、ターミナル部品54のシール部を防水部材64に密着させることができる。
また、ターミナル部品54を構成する板材の互いに反対方向を向いた一対の面のうち一方の面54Cにより導電性を有するコンタクト接続部が形成され、他方の面54Dにより導電性を有する基板実装部が形成されており、面54Cにコンタクト74が電気的に接続され、面54Dに基板84の配線部84Aが電気的に接続されている。
【0043】
このように、ターミナル部品54のシール部を、筐体44の開口部44Aの内周部に配置された防水部材64に密着させる構成としても、ターミナル部品54の面54Cに形成されたコンタクト接続部と面54Dに形成された基板実装部が、互いに電気的に接続されると共に、コンタクト接続部から基板実装部への水の浸入経路がシール部により分断され、筐体44の内部への水の浸入を防止することができる。