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特許6814093情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6814093
(24)【登録日】2020年12月22日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/909 20190101AFI20201228BHJP
   G06F 16/9038 20190101ALI20201228BHJP
【FI】
   G06F16/909
   G06F16/9038
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-101004(P2017-101004)
(22)【出願日】2017年5月22日
(65)【公開番号】特開2018-195259(P2018-195259A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】西澤 潔
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−019968(JP,A)
【文献】 特開2008−250565(JP,A)
【文献】 特開2007−219655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも広域地名と、ジャンル、サービス又は商品名とを引数にして第1の店舗情報の検索を行い、
前記第1の店舗情報の検索による検索結果の中から前記広域地名に含まれる複数の地名をそれぞれ引数として第2の店舗情報の検索を行い、
前記第2の店舗情報の検索による複数の検索結果の中から店舗情報が集中している検索結果を抽出し、
抽出した検索結果を含む表示情報を生成する
制御部
を具備する
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、店舗情報の集中を、前記第1の店舗情報の検索による検索結果に含まれる店舗情報の数に対する、前記第2の店舗情報の検索による複数の検索結果のそれぞれに含まれる店舗情報の数の割合または差分に基づいて判断する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記広域地名が1又は複数の狭域地名を含み、前記1又は複数の狭域地名のそれぞれが1又は複数の最狭域地名を含む木構造を有するデータとして、前記広域地名と前記複数の地名を扱う
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
店舗情報が集中している検索結果を抽出する際に、
ある狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数の全体に占める割合が
ある最狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数の全体に占める割合と比較して、
同程度であると判断する場合、
前記狭域地名による検索結果を抽出する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
ある狭域地名に含まれる2つの最狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数の全体に占める割合が
同程度であると判断する場合、
前記狭域地名による検索結果を抽出する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記表示情報は、前記第1の店舗情報の検索による検索結果を含み、
前記制御部は、前記抽出した検索結果をユーザへの提案として前記表示情報に含ませる
情報処理装置。
【請求項7】
少なくとも広域地名と、ジャンル、サービス又は商品名とを引数にして第1の店舗情報の検索を行うステップと、
前記第1の店舗情報の検索による検索結果の中から前記広域地名に含まれる複数の地名をそれぞれ引数として第2の店舗情報の検索を行うステップと、
前記第2の店舗情報の検索による複数の検索結果の中から店舗情報が集中している検索結果を抽出するステップと、
抽出した検索結果を含む表示情報を生成するステップ
を含む
情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
少なくとも広域地名と、ジャンル、サービス又は商品名とを引数にして第1の店舗情報の検索を行うステップと、
前記第1の店舗情報の検索による検索結果の中から前記広域地名に含まれる複数の地名をそれぞれ引数として第2の店舗情報の検索を行うステップと、
前記第2の店舗情報の検索による複数の検索結果の中から店舗情報が集中している検索結果を抽出するステップと、
抽出した検索結果を含む表示情報を生成するステップ
を実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、飲食店情報をユーザに提供可能に構成される情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディレクトリ型検索エンジンに関する技術の開示があり、特にそのデータ構成方法に関して記載がある。ディレクトリ型検索エンジンとは、カテゴリ又はコンテンツがノードとしてリンクにより各々接続され、しかも、親ノードと子ノードの関係が定義されることにより階層化されることにより木構造に構成されたディレクトリを検索対象とする検索エンジンである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−251413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の飲食店情報のポータルサイトにおいては、ユーザが地名と料理名でクロス検索をすると、当該地名により指定された地域において、検索した料理を提供する店舗情報の一覧が検索結果としてユーザに提示される。料理名のほかにも、料理のジャンル、サービス、商品名などでも同じことができる。
【0005】
しかしながら、ユーザが地名を正確に覚えていないと上記クロス検索は所望の検索結果を返せない可能性があった。
【0006】
これらの事情に鑑み、本発明は、ユーザが地名を正確に覚えていない場合でも入力した検索キーワードからユーザが欲している情報を類推して提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の一態様は、制御部を具備する情報処理装置である。
上記制御部は、少なくとも広域地名と、「ジャンル、サービス又は商品名」とを引数にして第1の店舗情報の検索を行う。
また、上記制御部は、上記第1の店舗情報の検索による検索結果の中から上記広域地名に含まれる複数の地名をそれぞれ引数として第2の店舗情報の検索を行う。
また、上記制御部は、上記第2の店舗情報の検索による複数の検索結果の中から店舗情報が集中している検索結果を抽出する。
また、上記制御部は、抽出した検索結果を含む表示情報を生成する。
【0008】
上記構成によれば、ユーザが所望の検索結果が得られる狭域の地名をその中に含む広域地名さえ記憶していれば、当該狭域の地名による検索結果をユーザに示せることにより、ユーザが地名を正確に覚えていない場合でも入力した検索キーワードからユーザが欲している情報を類推して提示することができる。
【0009】
上記制御部は、店舗情報の集中を、上記第1の店舗情報の検索による検索結果に含まれる店舗情報の数に対する、上記第2の店舗情報の検索による複数の検索結果のそれぞれに含まれる店舗情報の数の割合または差分に基づいて判断してもよい。
【0010】
上記構成によれば、店舗情報が集中している検索結果を精度よく抽出することができる。
【0011】
上記制御部は、上記広域地名が1又は複数の狭域地名を含み、上記1又は複数の狭域地名のそれぞれが1又は複数の最狭域地名を含む木構造を有するデータとして、上記広域地名と上記複数の地名を扱うように構成されてもよい。
【0012】
また、上記構成の場合、上記制御部は、次のように店舗情報が集中している検索結果を抽出してもよい。
ある狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数の全体に占める割合がある最狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数の全体に占める割合と比較して、同程度であると判断する場合、上記狭域地名による検索結果を抽出する。
【0013】
上記構成によれば、狭域地名による検索結果と、それに含まれる最狭域地名による検索結果が大差ない場合、上位カテゴリである狭域地名による検索結果を抽出することにより、ユーザ所望の検索結果に近づけることができる。
【0014】
あるいは、上記構成の場合、上記制御部は、次のように店舗情報が集中している検索結果を抽出してもよい。
ある狭域地名に含まれる2つの最狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数の全体に占める割合が同程度であると判断する場合、上記狭域地名による検索結果を抽出する。
【0015】
上記構成によれば、ある狭域地名に含まれる2つの最狭域地名による検索結果2つが大差ない場合、両方を包含する上位カテゴリである狭域地名による検索結果を抽出することにより、ユーザ所望の検索結果に近づけることができる。
【0016】
上記構成において、上記表示情報は、上記第1の店舗情報の検索による検索結果を含んでもよい。またこの場合、上記制御部は、上記抽出した検索結果をユーザへの提案として上記表示情報に含ませてもよい。
【0017】
上記構成によれば、表示情報にユーザが当初入力した検索キーワードによる検索結果を含み、その上で「第2の店舗情報の検索」と「検索結果の抽出」の情報処理の結果を提案(サジェスチョン)として含ませることができる。
【0018】
上記目的を達成する本発明の別の一態様は、以下の情報処理方法である。
少なくとも広域地名と、ジャンル、サービス又は商品名とを引数にして第1の店舗情報の検索を行うステップと、
上記第1の店舗情報の検索による検索結果の中から上記広域地名に含まれる複数の地名をそれぞれ引数として第2の店舗情報の検索を行うステップと、
上記第2の店舗情報の検索による複数の検索結果の中から店舗情報が集中している検索結果を抽出するステップと、
抽出した検索結果を含む表示情報を生成するステップ
を含む
情報処理方法。
【0019】
上記目的を達成する本発明の別の一態様は、以下のプログラムである。
情報処理装置に、
少なくとも広域地名と、ジャンル、サービス又は商品名とを引数にして第1の店舗情報の検索を行うステップと、
上記第1の店舗情報の検索による検索結果の中から上記広域地名に含まれる複数の地名をそれぞれ引数として第2の店舗情報の検索を行うステップと、
上記第2の店舗情報の検索による複数の検索結果の中から店舗情報が集中している検索結果を抽出するステップと、
抽出した検索結果を含む表示情報を生成するステップ
を実行させる
プログラム。
【発明の効果】
【0020】
以上に説明したように、本発明によれば、ユーザが地名を正確に覚えていない場合でも入力した検索キーワードからユーザが欲している情報を類推して提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示した図である。
図2】上記実施形態に係る飲食店情報提供サーバのハードウェア構成を示した図である。
図3】上記実施形態に係る飲食店情報提供サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
図4図3の飲食店情報データベースが記憶する地名情報の構成を示した図である。
図5】上記実施形態に係る飲食店情報提供サーバによる、店舗情報提供処理の流れを示したフローチャートである。
図6】上記実施形態において飲食店情報提供サーバが提供する表示情報(Webページ)の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示した図である。
【0024】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上の飲食店情報提供サーバ100と、複数の飲食店端末200と、複数のユーザ端末300を含む。
【0025】
飲食店情報提供サーバ100は、飲食店に関する情報を掲載したポータルサイト(飲食店情報提供サイト)を運営するウェブサーバである。飲食店情報提供サーバ100は、複数の飲食店の各飲食店端末200及び複数のユーザ端末300とインターネット50を介して接続されている。
【0026】
飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイトにアクセスし検索条件を入力したユーザ端末300へ、当該検索条件に合致する飲食店情報を掲載したWebページを送信する。
【0027】
また飲食店情報提供サーバ100は、各飲食店の飲食店端末200から、飲食店情報を構成する店舗写真、店舗紹介、メニュー写真、メニュー紹介などを受信可能である。店舗紹介とメニュー紹介は、店舗やメニューの広告文や売り文句などの文章である。
【0028】
飲食店端末200(200A,200B,・・・)は、各飲食店が飲食店情報を飲食店情報提供サーバ100に入力するための端末である。飲食店端末200として、例えば、通常のパーソナルコンピュータやスマートデバイスなどが利用できる。
【0029】
ユーザ端末300(300A,300B,300C,・・・)は、ユーザ(ユーザA,ユーザB,ユーザC,・・・)により使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0030】
ユーザ端末300は、飲食店情報提供サーバ100が提供する飲食店情報提供サイトへアクセスし、上記Webページを受信して、ブラウザにより画面に表示する。
【0031】
ユーザ端末300のユーザは、上記ブラウザによって表示される画面を介して、上記ポータルサイト内で飲食店を検索し、所望の飲食店に関する情報を閲覧する。上記Webページ上に表示される各飲食店に関する情報には、その飲食店の店名や、その飲食店を識別するID(店舗ID)、その飲食店の業態・サービスのジャンル情報、その飲食店を紹介する内容(飲食店のPR文等の店舗の特徴を示す情報や飲食店が行うイベント情報等)、飲食店が立地しているエリア情報、飲食店の住所、電話番号、飲食店が提供するメニュー情報等が含まれる。
【0032】
[飲食店情報提供サーバのハードウェア構成]
図2は、上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0033】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら飲食店情報提供サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0034】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0035】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0036】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0037】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0038】
後述するが、記憶部18は、飲食店情報データベース31とページ情報データベース32と地名情報データベース33を有している。
【0039】
通信部19は、例えばNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールである。上記通信部19は、上記各飲食店の飲食店端末200や上記ユーザ端末300との間の通信処理を担う。
【0040】
[飲食店情報提供サーバのデータベース構成]
図3は、上記飲食店情報提供サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。図4は、図3中の地名情報データベース33の構成を示した図である。
【0041】
図3に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、記憶部18に、飲食店情報データベース31とページ情報データベース32と地名情報データベース33を有している。
【0042】
飲食店情報データベース31は、図4に示すように、飲食店毎に、その飲食店の店名や、その飲食店を識別するID(店舗ID)の他、その飲食店の業態・サービスのジャンル情報、その飲食店を紹介するテキスト(店舗のPR文等の店舗の特徴を示す情報や、飲食店が行うイベント情報等)、飲食店が立地しているエリア情報、飲食店の住所、電話番号、飲食店が提供するメニュー情報(メニューID含む)、ウェブサイトURL等の情報を記憶している。飲食店情報データベース31は、その他に、飲食店が提供しうるサービスの情報を記憶してもよい。
【0043】
上記エリア情報は、例えば都道府県単位のものであるが、市区町村等のより狭い範囲の単位でも情報が記憶されてもよい。エリア情報は、行政上の区画割に基づいた地理情報に限定されず、そのほかには例えば、駅を中心とした地理的情報が記憶されてもよい。本実施形態において、上記エリア情報は、地名情報データベース33が記憶する地名情報に関連付けられている。
【0044】
上記ジャンル情報は、例えば和食、中華、イタリアン、フレンチ、焼肉等のメインジャンルの他、和食における焼き鳥・天ぷら・もんじゃ等、イタリアンにおけるパスタ・ピザ等のより詳細なサブジャンルを含んでいてもよい。このように、上記ジャンル情報には「メニュー」と呼ばれる可能性のある概念も含む。
【0045】
上記メニュー情報は、各飲食店が提供し得る全てのメニューに関する情報であり、上記各飲食店の飲食店端末200から定期的(例えば1日毎、1週間毎)に受信され記憶される。上記飲食店情報提供サイト上に掲載されるメニュー情報は、この記憶された全てのメニュー情報のうちの少なくとも一部である。なお、上記メニュー情報は各店舗がサーブする個別具体的なメニューを指す。その点で上記メニュー情報は、上記ジャンル情報における「メニュー」と呼ばれる可能性のある概念と異なる。
【0046】
ページ情報データベース32は、飲食店情報提供サーバ100が提供する飲食店情報提供サイトに掲載される各飲食店のウェブページを構成する情報、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)またはXHTML(Extensible HTML)やスタイルシート、画像データ等を記憶している。
【0047】
これら各データベースは、後述する飲食店情報提供サーバ100による表示情報を生成する処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。また、これら各データベース、特に飲食店情報データベース31は、店舗端末200から情報の更新が可能に構成される。飲食店情報データベース31と店舗端末200のインタフェースは、ウェブ技術ベースで構築される。
【0048】
地名情報データベース33は、上記エリア情報を、図4に示すように階層的に記憶している。同図に示すように、広域地名は狭域地名を包含し、狭域地名は最狭域地名を包含する。図示の例は3階層であるがより多段の階層を持つ木構造でもよい。また、下位の地名を持たない上位カテゴリの地名があってもよい(例えば、図中「狭域地名ba」がそのような地名に該当する。)。
【0049】
本実施形態の飲食店情報提供サーバ100が提供する飲食店情報のポータルサイトにおいては、個々の飲食店情報を行政上の地理区分などに応じて小分類に分類し、いくつかの小分類を集めて中分類を構成し、いくつかの中分類を集めて大分類を構成するといった飲食店情報の分類を行う。例えば、大分類に日本の47都道府県を割り当て、中分類に各県の市町村や都市を割り当て、小分類に町名を割り当てる。
【0050】
[飲食店情報提供サーバの動作]
次に、以上のように構成された飲食店情報提供サーバ100の動作について説明する。当該動作は、飲食店情報提供サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0051】
図5は、飲食店情報提供サーバ100による、飲食店情報提供処理の流れを示したフローチャートである。ただし、同図のフローは、ユーザが最初に検索キーワードとして広域地名を指定することを前提としている。
【0052】
同図に示すように、まず、飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、ユーザが指定した広域地名と料理名で検索条件を設定して、飲食店情報データベース31を検索する(ステップ101)。ステップ101は、第1の店舗情報の検索の一例である。
【0053】
広域地名と料理名の指定は、飲食店情報提供サーバ100がユーザ端末200に送信している図6に示すような表示情報をインタフェースとして行われる。図6は飲食店情報提供サーバ100が提供する表示情報(Webページ)の例を示した図である。
【0054】
同図に示すウェブページは、ユーザ端末300のユーザが、例えば飲食店情報提供サイトのトップページ等の一例を示している。このWebページは、検索条件指定モジュール60と、検索結果表示モジュール65に分かれている。
【0055】
検索条件指定モジュール60は、ユーザが入力ボックス61、入力ボックス62、入力ボックス63に検索条件を入力し、検索ボタン64を押下することで、飲食店情報提供サーバ100にユーザが指定した検索条件を送信することができるインタフェースを提供する。
【0056】
同図に示すように、上記検索条件指定モジュール60は、飲食店情報提供サイト内のページであれば例えば常に上部に表示され、ユーザは常時飲食店を検索することができる。
【0057】
ユーザは入力ボックス62にエリア(場所)を入力ないし選択することにより、場所に関する条件を指定することができる。指定可能な条件としては市区町村などの地理情報のほか、駅名なども指定可能である。
【0058】
入力ボックス63はフリーワード入力を受付可能に構成されている。ユーザが入力ボックス63にジャンル名を入力すると飲食店が提供する食事のジャンル(例えば、「和食」「イタリアン」など)を、メニュー名や料理名を入力するとメニューや料理(例えば、「そば」「うどん」など)を指定することができる。さらにサービス名を入力して、飲食店が提供するサービスや付加価値(例えば、「クレジットカード利用可」「夜景の見えるレストラン」など)を指定することもできる。
【0059】
図5のフローの説明においては、簡略化のため、ユーザが入力ボックス62に広域地名を入力することを前提とする。また、ユーザが入力ボックス63に料理名を入力することを前提とする。
【0060】
図5に示されている飲食店情報提供処理においては、特に、ユーザが広域地名の条件と料理名の条件でクロス検索を行った場合の情報処理が示されている。
【0061】
飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、ユーザが指定した広域地名と料理名で検索条件を設定して検索を行い(ステップ101)、その検索結果を得たあと、ユーザが指定した広域地名に含まれる地名を、地名情報データベース33を検索することにより得る(ステップ102)。
【0062】
本実施形態では、CPU11は、ステップ102において、広域地名に含まれる複数の狭域地名と、それらにそれぞれ含まれる最狭域地名のすべてを得る。
【0063】
次に、ステップ102で得た地名のうち、どれか1つを検索条件として、ステップ101の検索結果を検索する(ステップ103)。これは、要するに、ステップ101の検索結果の絞込みを行う処理である。ステップ103は、第2の店舗情報の検索の一例である。
【0064】
次に、CPU11はステップ102で得た地名のすべてについて、検索結果の絞込みを行ったか否か確認する(ステップ104)。ステップ102で得た地名のすべてについて、検索結果の絞込みが行われるまで、ステップ103が繰り返される。
【0065】
繰り返しループを抜けると(ステップ104、Yes)、次に、CPU11は、ステップ103で絞り込んだ検索結果に含まれる店舗情報の数が、全体の検索結果(ステップ101の検索結果)に含まれる店舗情報の数に占める割合を計算する(ステップ105)。CPU11は、この計算を、ステップ102で得た複数の地名のすべてについて、行う。
【0066】
例えば、広域地名で検索した場合の店舗情報のヒット数が100件であり、その広域地名に含まれる狭域地名の1つが20件であれば、その地名による検索結果が全体に占める割合は20%である。
【0067】
続いて、飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、店舗情報が集中している検索結果があるか否かを判断する(ステップ106)。ない場合はフローを終わる(ステップ106、No)。ある場合(ステップ106、Yes)、CPU11は、店舗情報が集中していると判断される検索結果を抽出する(ステップ107)。
【0068】
店舗情報の集中は、ステップ105で算出した割合を根拠にしてCPU11が判断する。その他の方法としては、検索結果に含まれる店舗情報の数を根拠にするという方法がある。例えば、全体の検索結果(ステップ101の検索結果)に含まれる店舗情報の数とステップ103で絞り込んだ検索結果に含まれる店舗情報の数の差分が、所定の範囲内であれば店舗が集中していると判断する方法である。
【0069】
しかしながら、狭域の検索結果に含まれる店舗情報の数が、それより広域の検索結果に含まれる店舗情報の数に占める割合を根拠にして、店舗情報の集中を判断する本実施形態の方法は、ユーザが所望する検索結果が得られる可能性が高い。
【0070】
ステップ108は、表示情報を生成する処理(飲食店情報提供処理の一部)である。CPU11は、ステップ107で抽出された検索結果を含む表示情報を生成する(ステップ108)。
【0071】
再び図6を参照すると、表示モジュール66にステップ101の検索結果が示されていると同時に、表示モジュール67にステップ107で抽出された検索結果が示されている。
【0072】
[まとめ]
例えば、ユーザは、特定のあるエリアで有名な料理を食べたいというような動機を持って、飲食店情報サイトを利用する。そのような場合、当該料理を提供する飲食店が比較的狭い地域に固まって存在している。そのことに着目して、本実施形態は図5に示したような情報処理を行う。
【0073】
これにより、たとえ、ユーザがエリア名や地名を失念してしまった場合でも、本実施形態の飲食店情報提供サービスにおいては、ユーザがそのエリアを包含する広域で当該有名な料理を検索するだけでよい。広域地名の下位に分類される地名で検索し、突出してヒット件数の多い下位地名を抽出する(ステップ107)ためである。
【0074】
例えば、ユーザが大分県の中津でから揚げを食べたいとする。しかしながら、「中津」という固有名詞を忘れてしまい、うまく検索できない場合が往々にして起き得る。しかし、その地名の広域地名である「大分県」さえ覚えていれば、当該広域地名と「から揚げ」という検索キーワードで検索すると、本実施形態の情報処理によれば、中津地域に検索結果が集中していることを判断するため、図6に示したような表示モジュール67でサジェスチョンを行うことができる。
【0075】
[変形例]
上述の実施形態は種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、店舗情報の集中を単に割合で判断するとした。しかしながら、狭域地名(図4に示すもの)による検索結果に含まれる店舗情報の数が全体に占める割合と、その狭域地名に含まれる最狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数が全体に占める割合とがほとんど変わらない場合がある。このような場合には、最狭域地名をサジェスチョンするよりも、それを包含する狭域地名をサジェスチョンするほうが合理的であるため、ステップ107においてそのような場合には狭域地名を抽出するように構成する。
【0076】
CPU11が、狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数が全体に占める割合と、その狭域地名に含まれる最狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数が全体に占める割合が同程度であると判断する基準は、例えば、店舗情報の90%が同一の検索結果であること、などのように設定するとよい。
【0077】
そのほかにも、2つの最狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数が全体に占める割合に、有意な差異がない場合に、店舗情報が集中している検索結果がないと判断される(ステップ106、No)おそれがある。
【0078】
この問題を解決するために、CPU11は、2つの最狭域地名による検索結果に含まれる店舗情報の数が全体に占める割合に有意な差異がない場合、それら2つの最狭域地名の上位にあたる狭域地名による検索結果を、店舗情報が集中している検索結果として抽出する(ステップ106、107)。
【0079】
上に述べたもの以外にも、本実施形態は種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、料理名を検索の引数としたが、これに限定されなければならない理由はなく、ジャンル、サービス、商品名などを検索の引数としてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、本発明を飲食店情報検索サービスに適用した実施形態を開示したが、これは適用例の一つに過ぎない。検索対象は飲食店に限定されない。
【符号の説明】
【0081】
11…CPU
18…記憶部
19…通信部
31…飲食店情報データベース
32…ページ情報データベース
33…地名情報データベース
60…検索条件指定モジュール
62…入力ボックス(エリア条件指定)
63…入力ボックス(料理名条件指定)
64…検索ボタン
65…検索結果表示モジュール
66…検索結果表示モジュール(ユーザ指定)
67…検索結果表示モジュール(システム選択)
100…飲食店情報提供サーバ
200…店舗端末
300…ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6