【実施例】
【0028】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
【0029】
1.農業用マルチフィルムの製造
(実施例1)
まず、ベース樹脂として用いるものと同様の生分解性ポリエステル系樹脂(三菱化学社製「GSP AZ91TN」)にカーボンブラックを高濃度に配合したマスターバッチ(以下、カーボンブラックマスターバッチともいう)を作成した。
【0030】
次いで、ベース樹脂に、カーボンブラックマスターバッチ、でんぷん、グリセリンを配合してフィルム組成物を得た。でんぷん及びグリセリンは、予め混合し、混合物としてベース樹脂に配合した。このとき、フィルム組成物の組成が、ベース樹脂50wt%、でんぷん30wt%、グリセリン10wt%、カーボンブラック10wt%になるように配合した。
【0031】
前記フィルム組成物を用いて、インフレーション成形法で、厚さ20μm、幅950mm、長さ400mのロール巻き農業用マルチフィルムを作成した。
【0032】
得られた農業用マルチフィルムの比重及び重さは表1に示す通りである。ここで、重さは、ロール紙管の重さを含む(以下に説明する実施例2並びに比較例1、2も同様である)。
【0033】
(実施例2)
実施例1のフィルム組成において、ベース樹脂77wt%、でんぷん10wt%、グリセリン3wt%としたこと以外は、実施例1と同様にして農業用マルチフィルムを得た。
【0034】
(比較例1)
実施例1のフィルム組成において、ベース樹脂60wt%とし、グリセリンの配合を省略したこと以外は、実施例1と同様にして農業用マルチフィルムを得た。
【0035】
(比較例2)
実施例1のフィルム組成において、ベース樹脂10wt%、でんぷん60wt%、グリセリン20%としたこと以外は、実施例1と同様にして農業用マルチフィルムを得た。
【0036】
(比較例3)
実施例1のフィルム組成において、ベース樹脂84wt%、でんぷん5wt%、グリセリン1%としたこと以外は、実施例1と同様にして農業用マルチフィルムを得た。
【0037】
(比較例4)
実施例1において、カーボンブラックマスターバッチの配合を省略し、フィルム組成を、ベース樹脂60wt%、でんぷん30wt%、グリセリン10wt%としたこと以外は、実施例1と同様にして農業用マルチフィルムを得た。
【0038】
(比較例5)
市販の黒色ポリエチレンフィルムを農業用マルチフィルムとした。
【0039】
2.評価方法
(1)展張性(強度)
畑にトラクターで長さ25mの畝を作り、この畝に実施例及び比較例で得られた農業用マルチフィルムを展張し、下記評価基準で展張性を評価した。
〔評価基準〕
○:展張作業中に農業用マルチフィルムが破れなかった
×:展張作業中に農業用マルチフィルムが破れた
【0040】
(2)雑草
実施例及び比較例で得られた農業用マルチフィルムを畝に展張し、30日後の雑草の状態を観察し、下記評価基準で雑草を評価した。
〔評価基準〕
○:雑草なし
△:一部に雑草が生えた
×:雑草が繁茂している
【0041】
(3)栽培効果(官能試験)
実施例及び比較例で得られた農業用マルチフィルムを畝に展張し、畝にサツマイモを植え栽培した。収穫されたサツマイモを50人の被験者で食し、味についての回答を集計し、下記評価基準で栽培効果を評価した。
〔評価基準〕
○:11〜50人が美味しいと回答した
△:5〜10人が美味しいと回答した
×:0〜4人が美味しいと回答した
【0042】
(4)分解性
上記「(3)栽培効果」でサツマイモを収穫した後の畝を、トラクターで耕転し、農業用マルチフィルムを破砕すると共に、土壌中にすき込んだ。その後、破砕された農業用マルチフィルムの破片を観察し、下記評価基準で分解性を評価した。
〔評価基準〕
○:農業用マルチフィルムが10日程度で分解が起こり始めた
×:すき込み後、1ヶ月経過しても、農業用マルチフィルムの分解が十分に進行せず大きな破片が残った(比較例3)か、又は、農業用マルチフィルムの分解が進行せずそのまま残った(比較例5)
【0043】
【表1】
【0044】
3.評価
表1より、本発明の農業用マルチフィルムは、ポリエチレンと同等の密度と強度を持つことが示された。本発明のマルチフィルムは、軽く、畑に問題なく展張でき、栽培期間中のマルチ効果を発揮して、品質の良い作物を栽培することができ、栽培後速やかに分解して農業作業者の負担を軽減することがわかる。