(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記安全運転支援部は、前記複数の車線のうちの少なくとも1つが渋滞しており、他の少なくとも1つが渋滞していない場合に、前記対象車両の進行方向に応じて異なる安全運転の支援処理を実行する
請求項2に記載の安全運転支援システム。
前記安全運転支援部は、渋滞している車線を走行中の前記対象車両が、当該渋滞している車線に進む場合には、前記対象車両を減速させて渋滞の末尾につかせるための支援処理を実行する
請求項3に記載の安全運転支援システム。
前記安全運転支援部は、渋滞している車線を走行中の前記対象車両が、渋滞していない車線に進む場合には、前記対象車両に前記車線変更推奨区間において車線変更させるための支援処理を実行する
請求項3または請求項4に記載の安全運転支援システム。
前記末尾位置算出部は、前記取得部が取得した前記プローブ情報のうち走行車線を特定可能な車両である車線特定可能車両から取得した前記プローブ情報を優先して、前記渋滞末尾位置を算出し、
前記推奨区間算出部は、前記車線特定可能車両から取得した前記プローブ情報を優先して算出された前記渋滞末尾位置に基づいて、前記車線変更推奨区間を算出する
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の安全運転支援システム。
前記推奨区間算出部は、さらに、前記末尾位置算出部が算出した前記渋滞末尾位置から上流に混雑していない区間である非混雑区間を探索し、探索した前記非混雑区間に基づいて前記車線変更推奨区間を算出する
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の安全運転支援システム。
所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置の情報であって、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部での分岐後の前記プローブ車両の進路ごとに、前記分岐部の上流における前記渋滞末尾位置の情報をサーバから取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記進路ごとの前記渋滞末尾位置の情報に基づいて、車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間を前記進路ごとに算出する推奨区間算出部と、
前記推奨区間算出部が算出した前記進路ごとの前記車線変更推奨区間に基づいて、自車両の進路に応じた安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部と
を備える車両。
所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置の情報であって、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部での分岐後の前記プローブ車両の進路ごとの前記分岐部の上流における前記渋滞末尾位置の情報に基づいて算出された前記進路ごとの車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間の情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記進路ごとの前記車線変更推奨区間の情報に基づいて、自車両の進路に応じた安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部と
を備える車両。
所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置の情報であって、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部での分岐後の前記プローブ車両の進路ごとに、前記分岐部の上流における前記プローブ車両の進路ごとの前記渋滞末尾位置の情報をサーバから取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記進路ごとの前記渋滞末尾位置の情報に基づいて、車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間を前記進路ごとに算出する推奨区間算出部と、
前記推奨区間算出部が算出した前記進路ごとの前記車線変更推奨区間に基づいて、自車両の進路に応じた安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部と
してコンピュータを機能させるためのプログラム。
所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置の情報であって、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部での分岐後の前記プローブ車両の進路ごとの前記分岐部の上流における前記渋滞末尾位置の情報に基づいて算出された前記進路ごとの車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間の情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記進路ごとの前記車線変更推奨区間の情報に基づいて、自車両の進路に応じた安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部と
してコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1では、過去に収集された統計交通情報に基づいて、渋滞を判定している。このため、突発的に生じた渋滞を判定することができないという課題がある。
【0010】
また、特許文献2では、道路を撮影し、道路上に存在する車両の台数を測定する路側機の測定結果に基づいて、渋滞を判定している。このため、路側機から測定結果を得られない場合や、路側機が設置されていない箇所においては、渋滞を判定することができないという課題がある。
【0011】
そこで、本開示のある局面では、突発的に発生する任意の地点の渋滞を判定し、渋滞を回避した車両の安全運転を支援する安全運転支援システム、サーバ、車両およびプログラムを提供することを目的の1つとする。
【0012】
[本開示の効果]
この開示によると、突発的に発生する任意の地点の渋滞を判定し、渋滞を回避した車両の安全運転を支援することができる。
【0013】
[実施の形態の概要]
最初に、本開示の実施態様の内容を列記して説明する。
【0014】
本開示の一実施態様に係る安全運転支援システムは、サーバと、安全運転の支援を受ける対象車両とを備える安全運転支援システムであって、前記サーバは、所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報を、前記プローブ車両から取得する取得部と、前記取得部が取得した前記プローブ情報に基づいて、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部の上流における渋滞末尾位置を算出する末尾位置算出部と、を備え、前記安全運転支援システムは、さらに、前記末尾位置算出部が算出した前記渋滞末尾位置に基づいて、車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間を算出する推奨区間算出部を備え、前記対象車両は、前記推奨区間算出部が算出した前記車線変更推奨区間に基づいて、前記対象車両の安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部を備える。
【0015】
この構成によると、プローブ情報に基づいて、渋滞末尾位置が算出される。このプローブ情報は、所定時間内に道路を走行するプローブ車両から取得可能な情報である。このため、突発的に発生する渋滞を判定することができ、かつ任意の地点で発生する渋滞を判定することができる。また、渋滞末尾位置に基づいて車線変更推奨区間を算出している。このため、渋滞末尾位置に対象車両が到達するよりも前に、対象車両のドライバや自動走行する対象車両に対して必要に応じた車線変更を指示することができる。よって、対象車両に渋滞を回避させるなどの安全運転を支援することができる。
【0016】
好ましくは、前記サーバは、前記取得部が取得した前記プローブ情報に基づいて、前記分岐部での分岐後の前記プローブ車両の進路を判別する判別部をさらに備え、前記末尾位置算出部は、前記判別部が判別した進路ごとに、当該進路を走行する前記プローブ車両の前記プローブ情報に基づいて、前記渋滞末尾位置を算出し、前記推奨区間算出部は、前記判別部が判別した進路ごとに、当該進路に係る前記渋滞末尾位置に基づいて、前記車線変更推奨区間を算出し、前記安全運転支援部は、前記推奨区間算出部が算出した前記進路ごとの前記車線変更推奨区間に基づいて、前記対象車両の安全運転の支援処理を実行する。
【0017】
この構成によると、プローブ情報からプローブ車両の進路を判別し、進路ごとに渋滞末尾位置および車線変更推奨区間を算出している。このため、目的の分岐先に進行するプローブ車両が渋滞している場合に、当該分岐先に分岐するために事前に渋滞末尾に並ぶように、ドライバや自動走行する対象車両に指示することができる。これにより、対象車両の無理な割り込みを防止し、目的の分岐先に進行するための運転支援をすることができる。
【0018】
好ましくは、前記サーバは、さらに、前記取得部が取得した前記プローブ情報に基づいて、前記プローブ車両が走行する車線を判別する判別部を備え、前記末尾位置算出部は、前記判別部が判別した車線ごとに、当該車線を走行する前記プローブ車両の前記プローブ情報に基づいて、前記渋滞末尾位置を算出し、前記推奨区間算出部は、前記判別部が判別した車線ごとに、当該車線に係る前記渋滞末尾位置に基づいて、前記車線変更推奨区間を算出し、前記安全運転支援部は、前記推奨区間算出部が算出した前記車線ごとの前記車線変更推奨区間に基づいて、前記対象車両の安全運転の支援処理を実行する。
【0019】
この構成によると、プローブ情報からプローブ車両が走行する車線を判別し、車線ごとに渋滞末尾位置および車線変更推奨区間を算出している。このため、渋滞車線を走行している対象車両のドライバに、非渋滞車線への車線変更を促したり、目的の分岐先に接続されている渋滞車線への事前の車線変更を促したりすることができる。これにより、対象車両の安全な走行を支援することができる。
【0020】
好ましくは、前記安全運転支援部は、前記複数の車線のうちの少なくとも1つが渋滞しており、他の少なくとも1つが渋滞していない場合に、前記対象車両の進行方向に応じて異なる安全運転の支援処理を実行する。
【0021】
この構成によると、対象車両の進行する車線ごとに、異なる安全運転の支援処理を実行することができる。よって、車線の渋滞状況に応じた走行を支援することができる。
【0022】
好ましくは、前記安全運転支援部は、渋滞している車線を走行中の前記対象車両が、当該渋滞している車線に進む場合には、前記対象車両を減速させて渋滞の末尾につかせるための支援処理を実行する。
この構成によると、対象車両は渋滞車列の後方に安全に並ぶことができる。
【0023】
好ましくは、前記安全運転支援部は、渋滞している車線を走行中の前記対象車両が、渋滞していない車線に進む場合には、前記対象車両に前記車線変更推奨区間において車線変更させるための支援処理を実行する。
【0024】
この構成によると、対象車両の車線変更推奨区間における車線変更を支援することができる。このため、渋滞に巻き込まれ車線変更のタイミングが遅れるのを防止することができる。
【0025】
好ましくは、前記末尾位置算出部は、前記取得部が取得した前記プローブ情報のうち走行車線を特定可能な車両である車線特定可能車両から取得した前記プローブ情報を優先して、前記渋滞末尾位置を算出し、前記推奨区間算出部は、前記車線特定可能車両から取得した前記プローブ情報を優先して算出された前記渋滞末尾位置に基づいて、前記車線変更推奨区間を算出する。
【0026】
自動走行車両に代表される車線特定可能車両は、カメラやレーダ装置などの周囲の状況を観測するための各種センサを備え、常に安全運転を行うように設計されている。このため、無理な運転を行わない車線特定可能車両のプローブ情報を優先して算出された渋滞末尾位置および車線変更推奨区間は、信頼性が高いと考えられる。この構成によると、渋滞末尾位置および車線変更推奨区間の信頼性を高めることができるため、対象車両のより安全な運転を支援することができる。
【0027】
好ましくは、前記推奨区間算出部は、さらに、前記末尾位置算出部が算出した前記渋滞末尾位置から上流に混雑していない区間である非混雑区間を探索し、探索した前記非混雑区間に基づいて前記車線変更推奨区間を算出する。
【0028】
渋滞末尾位置の上流であっても、渋滞末尾位置の近くの道路リンクにおいては、渋滞末尾位置に安全に並ぼうとする車両である程度混雑している。このため、このような混雑した道路リンクから渋滞していない隣接車線への車線変更を行うと、隣接車線を通常走行時の速度で走行する車両に衝突する可能性がある。この構成によると、混雑していない区間に基づいて車線変更推奨区間を算出している。このため、対象車両の安全な位置での車線変更を指示することができ、より安全な運転を支援することができる。
【0029】
本開示の他の一実施態様に係るサーバは、所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報を、前記プローブ車両から取得する取得部と、前記取得部が取得した前記プローブ情報に基づいて、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部の上流における渋滞末尾位置を算出する末尾位置算出部と、前記末尾位置算出部が算出した前記渋滞末尾位置に基づいて、車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間を算出する推奨区間算出部と、前記推奨区間算出部が算出した前記車線変更推奨区間の情報を、安全運転の支援を受ける対象車両または当該対象車両のドライバに提供する提供部と、を備える。
【0030】
この構成によると、プローブ情報に基づいて渋滞末尾位置が算出される。このプローブ情報は、所定時間内に道路を走行するプローブ車両から取得可能な情報である。このため、突発的に発生する渋滞を判定することができ、かつ任意の地点で発生する渋滞を判定することができる。また、渋滞末尾位置に基づいて車線変更推奨区間を算出している。このため、渋滞末尾位置に対象車両が到達するよりも前に、対象車両のドライバや自動走行する対象車両に対して必要に応じた車線変更を指示することができる。よって、対象車両に渋滞を回避させるなどの安全運転を支援することができる。
【0031】
本開示の他の一実施態様に係る車両は、所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置の情報であって、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部の上流における前記渋滞末尾位置の情報をサーバから取得する取得部と、前記取得部が取得した前記渋滞末尾位置の情報に基づいて、車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間を算出する推奨区間算出部と、前記推奨区間算出部が算出した前記車線変更推奨区間に基づいて、自車両の安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部と、を備える。
【0032】
この構成によると、渋滞末尾位置は、プローブ情報に基づいて算出される。このプローブ情報は、所定時間内に道路を走行するプローブ車両から取得可能な情報である。このため、突発的に発生する渋滞を判定することができ、かつ任意の地点で発生する渋滞を判定することができる。また、渋滞末尾位置に基づいて車線変更推奨区間を算出している。このため、渋滞末尾位置に車両が到達するよりも前に、車両のドライバや自動走行する車両は、必要に応じた車線変更などを行い、渋滞を回避するための安全運転を支援することができる。
【0033】
本開示の他の一実施態様に係る車両は、所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置の情報であって、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部の上流における前記渋滞末尾位置の情報に基づいて算出された車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間の情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記車線変更推奨区間の情報に基づいて、自車両の安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部と、を備える。
【0034】
この構成によると、渋滞末尾位置はプローブ情報に基づいて算出される。このプローブ情報は、所定時間内に道路を走行するプローブ車両から取得可能な情報である。このため、突発的に発生する渋滞を判定することができ、かつ任意の地点で発生する渋滞を判定することができる。また、車線変更推奨区間は渋滞末尾位置に基づいて算出される。このため、渋滞末尾位置に車両が到達するよりも前に、車両のドライバや自動走行する車両は、必要に応じた車線変更などを行い、渋滞を回避するための安全運転を支援することができる。
【0035】
本開示の他の一実施態様に係るプログラムは、所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報を、前記プローブ車両から取得する取得部と、前記取得部が取得した前記プローブ情報に基づいて、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部の上流における渋滞末尾位置を算出する末尾位置算出部と、前記末尾位置算出部が算出した前記渋滞末尾位置に基づいて、車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間を算出する推奨区間算出部と、前記推奨区間算出部が算出した前記車線変更推奨区間の情報を、安全運転の支援を受ける対象車両または当該対象車両のドライバに提供する提供部としてコンピュータを機能させる。
【0036】
この構成は、上記のサーバと同様の構成を有する。このため、上記のサーバと同様の作用および効果を奏する。
【0037】
本開示の他の一実施態様に係るプログラムは、所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置の情報であって、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部の上流における前記渋滞末尾位置の情報をサーバから取得する取得部と、前記取得部が取得した前記渋滞末尾位置の情報に基づいて、車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間を算出する推奨区間算出部と、前記推奨区間算出部が算出した前記車線変更推奨区間に基づいて、自車両の安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部としてコンピュータを機能させる。
【0038】
この構成は、上記の車両と同様の構成を有する。このため、上記の車両と同様の作用および効果を奏する。
【0039】
本開示の他の一実施態様に係るプログラムは、所定時間内の時刻および当該時刻におけるプローブ車両の位置の情報を含むプローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置の情報であって、道路が複数の車線に分岐する箇所である分岐部の上流における前記渋滞末尾位置の情報に基づいて算出された車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間の情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記車線変更推奨区間の情報に基づいて、自車両の安全運転の支援処理を実行する安全運転支援部としてコンピュータを機能させる。
【0040】
この構成は、上記の車両と同様の構成を有する。このため、上記の車両と同様の作用および効果を奏する。
【0041】
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0042】
(第1の実施の形態)
[1−1.システムの全体構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。
【0043】
図1を参照して、安全運転支援システム1は、道路を走行する対象車両の安全運転を支援するシステムであり、サーバ20と、対象車両30と、を備える。
【0044】
サーバ20は、プローブ車両10からプローブ情報を受信し、受信したプローブ情報に基づいて、渋滞が発生している場合に安全に車線変更をすることのできる車線変更推奨区間を算出する。サーバ20は、算出した車線変更推奨区間の情報を、ネットワーク40および無線基地局42を介して、安全運転の支援を受ける対象車両30または対象車両30のドライバに提供する。
【0045】
対象車両30は、ドライバが運転する通常の自動車または自動走行車両(自動運転車)であり、サーバ20から提供される車線変更推奨区間の情報を受信し、受信した情報に基づいて、自車両の安全運転の支援処理を実行する。つまり、対象車両30は、車線変更推奨区間の情報をナビゲーション装置の表示画面に表示する。また、対象車両30が自動走行車両である場合には、必要に応じて車線変更区間で車線変更を行う。
【0046】
プローブ車両10は、プローブ車両10の走行する位置および当該位置を走行時の時刻の情報を少なくとも含むプローブ情報を、所定の時間間隔(例えば、3秒間隔)で生成する。プローブ車両10は、生成したプローブ情報を無線基地局42およびネットワーク40を介してサーバ20に送信する。サーバ20へのプローブ情報の送信は、リアルタイムで行ってもよいし、所定の時間間隔または所定数のプローブ情報が集まった時点で行ってもよい。なお、ネットワーク40は、インターネットまたは携帯電話網などの公衆通信網であってもよいし、専用通信網であってもよい。
【0047】
[1−2.プローブ車両10の構成]
図2は、プローブ車両10の機能的な構成を示すブロック図である。なお、
図2では、プローブ情報の生成に関する処理部のみを示し、プローブ車両10の走行に関する処理部については記載を省略している。
【0048】
プローブ車両10は、プローブ情報生成部12と、提供部16と、通信I/F(インタフェース)部18と、を備える。プローブ情報生成部12および提供部16は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro-Processing Unit)などのデジタル信号処理を行うプロセッサよりなる。これらの各部は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、別個のプロセッサで構成されていてもよい。
【0049】
プローブ情報生成部12は、GPS(Global Positioning System)装置14を含んで構成され、GPS装置14によって測位されたプローブ車両10の位置と、当該位置を走行時の時刻との情報を少なくとも含むプローブ情報を、所定の時間間隔で生成する。なお、プローブ車両10の位置情報は、移動情報および緯度情報を含む。
【0050】
提供部16は、プローブ情報生成部12が生成したプローブ情報を、通信I/F部18を介して送信することにより、サーバ20にプローブ情報を提供する。プローブ情報の送信は、上述したように、1つずつリアルタイムで送信してもよいし、複数のプローブ情報をまとめて送信してもよい。
【0051】
通信I/F部18は、無線でデータを送信するための通信インタフェースであり、無線モジュールなどにより構成される。
【0052】
図2に示したプローブ情報生成部12、提供部16および通信I/F部18の構成は、専用のプローブ端末により構成されていてもよいし、プローブ車両10のドライバが使用するスマートフォンなどの汎用端末により構成されていてもよい。
【0053】
[1−3.サーバ20の構成]
図3は、サーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。サーバ20は、CPUまたはMPUなどのデジタル信号処理を行うプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備えるコンピュータである。
【0054】
図3を参照して、サーバ20は、通信I/F部21と、取得部22と、軌跡情報蓄積部23と、地図情報蓄積部24と、末尾位置算出部25と、推奨区間算出部26と、提供部27と、を備える。取得部22と、末尾位置算出部25と、推奨区間算出部26と、提供部27とは、たとえば、CPUなどのプロセッサよりなる。これらの各部は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、別個のプロセッサで構成されていてもよい。
【0055】
通信I/F部21は、プローブ車両10および対象車両30と無線でデータを送信するための通信インタフェースであり、無線モジュールなどにより構成される。
【0056】
取得部22は、通信I/F部21を介してプローブ車両10からプローブ情報を取得する。
【0057】
軌跡情報蓄積部23は、取得部22が取得したプローブ情報を蓄積する記憶装置であって、HDD(Hard Disc Drive)などにより構成される。
【0058】
地図情報蓄積部24は、車両が走行する道路地図の情報を蓄積する記憶装置であり、HDDなどにより構成される。
【0059】
末尾位置算出部25は、軌跡情報蓄積部23に蓄積されたプローブ情報および地図情報蓄積部24に蓄積された地図情報に基づいて、渋滞末尾位置を算出する。つまり、末尾位置算出部25は、プローブ情報が示すプローブ車両10の位置が地図情報が示す道路上にない場合に、正しい道路上の位置を推測するマップマッチング処理を行う。末尾位置算出部25は、マップマッチング後のプローブ情報に基づいて、プローブ車両10の渋滞の末尾位置を算出する。なお、末尾位置算出部25は、車線が複数の車線に分岐する箇所である分岐部の上流において、渋滞末尾位置を算出する。これは、分岐部の手前の渋滞末尾位置を算出することで、渋滞に巻き込まれずに、目的の車線にスムーズに進行するための安全運転支援を、対象車両30に対して行うためである。
【0060】
推奨区間算出部26は、末尾位置算出部25が決定した渋滞末尾位置に基づいて、車線の変更を推奨する区間である車線変更推奨区間を算出する。車線変更推奨区間は渋滞末尾位置よりも上流に設けられる。車線変更推奨区間で車線変更を行うことにより、渋滞の影響により車線変更が遅れることを防止することができる。なお、車線変更推奨区間の算出方法の詳細については後述する。
【0061】
提供部27は、推奨区間算出部26が算出した車線変更推奨区間の情報を、通信I/F部21を介して対象車両30に送信する。これにより、車線変更推奨区間の情報を対象車両30または対象車両30のドライバに提供する。
【0062】
[1−4.対象車両30の構成]
図4は、対象車両30の機能的な構成を示すブロック図である。
図4を参照して、対象車両30は、通信I/F部31と、取得部32と、安全運転支援部33と、表示画面38と、を備える。取得部32と安全運転支援部33とは、たとえば、CPUまたはMPUなどのデジタル信号処理を行うプロセッサよりなる。これらの各部は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、別個のプロセッサで構成されていてもよい。
【0063】
通信I/F部31は、サーバ20から無線でデータを受信するための通信インタフェースであり、無線モジュールなどにより構成される。
【0064】
取得部32は、通信I/F部31を介して、サーバ20から車線変更推奨区間の情報を取得する。
【0065】
安全運転支援部33は、取得部32が取得した車線変更推奨区間の情報に基づいて、自車両の安全運転の支援処理を実行する処理部であり、ナビゲーション部34と、走行制御部37と、を含む。ナビゲーション部34と走行制御部37ともまた、たとえば、CPUまたはMPUなどのプロセッサよりなる。これらの各部は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、別個のプロセッサで構成されていてもよい。
【0066】
表示画面38は、安全運転支援部33による安全運転支援処理のために用いられるディスプレイなどの表示装置である。
【0067】
ナビゲーション部34は、対象車両30のドライバに対して目的地への経路案内を行う処理部であり、経路表示部35と、車線変更箇所表示部36と、を含む。経路表示部35は、目的地までの経路を算出し、表示画面38に表示する制御を行う。車線変更箇所表示部36は、表示画面38に表示された目的地までの経路のうち、車線変更推奨区間を視認可能な態様で表示する制御を行う。例えば、車線変更推奨区間を他の道路区間と異なる色で示す。なお、ナビゲーション部34は、対象車両30が車線変更推奨区間に到達した際に、音声により車線変更を促す通知を行ってもよい。
【0068】
走行制御部37は、エンジン、ブレーキ、ステアリング、方向指示器などを制御し、対象車両30を自動走行させる。走行制御部37は、車線変更の必要性を判断し、対象車両30が車線変更推奨区間に到達した際に、必要に応じ車線変更を行う。例えば、高速道路の本線車線から退出する予定の対象車両30が追越車線を走行中に車線変更推奨区間の情報を取得した場合には、スムーズな本線車線からの退出を行うために、車線変更推奨区間において出口に最も近い走行車線への車線変更を行う。
【0069】
[1−5.サーバ20の処理フロー]
以下、サーバ20が実行する処理について、より詳細に説明する。
図5は、サーバ20が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図6は、サーバ20が実行する処理を説明するための図である。
図6は、高速道路50と、高速道路上を走行する複数の車両54とを示している。高速道路50は、走行車線51および追越車線52の2つの本線車線からなる。また、本線車線を退出して高速道路50の出口に向かう減速車線53が、走行車線51から分岐して設けられている。高速道路50上を走行する車両54の中には、プローブ情報を提供するプローブ車両10が含まれる。また、走行車線51から減速車線53に分岐する分岐部55の上流を対象車両30が走行しているものとする。分岐部55の上流の高速道路は、所定距離(たとえば、100m)の道路リンク56に区切られているものとする。
【0070】
図5を参照して、取得部22は、通信I/F部21を介して、所定時間内(例えば、現在時刻から過去に遡って15分間)の時刻情報を含むプローブ情報をプローブ車両10から取得する(S1)。取得部22は、取得したプローブ情報を軌跡情報蓄積部23に書き込む。
【0071】
末尾位置算出部25は、プローブ車両10のプローブ情報に対してマップマッチング処理を行うことにより、正しい高速道路上の位置を推測し、プローブ情報の組からなる各プローブ車両10の移動軌跡を算出する(S2)。末尾位置算出部25は、算出した移動軌跡を軌跡情報蓄積部23に書き込む。
【0072】
末尾位置算出部25は、軌跡情報蓄積部23に蓄積されたプローブ車両10の移動軌跡を示すプローブ情報に基づいて、分岐部55の上流における渋滞末尾位置を算出する(S3)。例えば、末尾位置算出部25は、所定時間(例えば、15分)内に高速道路50を走行したプローブ車両10のプローブ情報から渋滞末尾位置を算出する。末尾位置算出部25は、プローブ車両10の上流において、平均速度が所定速度閾値(例えば、20km/h)以下の道路リンク56が連なっている場合に、その最も上流の道路リンク56で平均速度が所定速度閾値となっているプローブ車両10の位置を渋滞末尾位置として算出する。プローブ車両10の平均速度は、プローブ車両10の速度を平均することで求められるが、各プローブ車両10の速度は、プローブ情報に含まれるプローブ車両の位置と当該位置を通過した時刻との情報に基づいて、単位時間当たりの移動距離を算出することにより計算可能である。プローブ情報に速度情報が含まれている場合には、その速度情報を用いてプローブ車両10の平均速度を計算してもよい。なお、渋滞末尾位置の算出方法はこれに限定されるものではない。
【0073】
末尾位置算出部25により渋滞末尾位置が算出されなかった場合には(S4でNO)、その後の処理は実行されない。
【0074】
末尾位置算出部25により渋滞末尾位置が算出された場合には(S4でYES)、末尾位置算出部25は、渋滞末尾位置よりも所定の距離(たとえば、500m)上流の位置を新たな渋滞末尾位置とする渋滞末尾位置の補正を行う(S5)。これは、渋滞末尾位置とされたプローブ車両10の位置の後方には、プローブ情報を送信しない通常の車両54が連なっている可能性があるためである。このような位置補正を行うことで、渋滞末尾位置の後方が渋滞しているという状況を避けることができる。
【0075】
推奨区間算出部26は、補正後の渋滞末尾位置に基づいて、当該渋滞末尾位置より上流の車線変更推奨区間を算出する。以下、算出方法について説明する。なお、
図6に示すように補正後の渋滞末尾位置が属する道路リンク56よりも上流の道路リンク56を、当該渋滞末尾位置に近いものから順に、道路リンクa[0]、道路リンクa[1]、道路リンクa[2]のように呼ぶものとする。
推奨区間算出部26は、カウンタiに0を代入する(S6)。
【0076】
推奨区間算出部26は、道路リンクa[i]におけるプローブ車両10の速度が非混雑条件を満たすか否かを判定する(S7)。ここで、非混雑条件とは、混雑していない区間をプローブ車両10が走行していることを示す条件であり、例えば、プローブ車両10の平均速度が60km/h以上で、かつ速度の分散値が100以下を満たす場合に、非混雑条件を満たすと判定する。なお、推奨区間算出部26による非混雑条件の判定方法はこれに限定されるものではない。例えば、光ビーコンや画像式車両感知器などの出力情報から車両54の速度を取得可能であれば、プローブ車両10の速度の代わりに車両54の速度を用いて非混雑条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0077】
推奨区間算出部26は、非混雑条件を満たすまでカウンタiをインクリメントしながら(S8)、非混雑条件判定処理(S7)を実行する。
【0078】
非混雑条件を満たすと判定された場合には(S7でYES)、推奨区間算出部26は、非混雑条件を満たす道路リンク(以下、「非混雑区間」という。)の上流の所定距離(例えば、500mの区間)を車線変更推奨区間として算出する(S9)。なお、車線変更のタイミングを計るなどのドライバの行動を考慮して、非混雑区間と車線変更推奨区間との間に所定の距離(例えば、500m)の緩衝区間を設けてもよい。これにより、ドライバの車線変更の判断に一定の猶予を与えることができる。
【0079】
提供部27は、推奨区間算出部26が算出した車線変更推奨区間の情報を対象車両30に送信する(S10)。
【0080】
車線変更推奨区間の情報を受け取った対象車両30は、ナビゲーション部34により車線変更推奨区間を視認可能な態様で表示したり、走行制御部37により車線変更推奨区間における車線変更を行ったりすることができる。例えば、
図6に示すように、追越車線52を走行している対象車両30が高速道路50を退出するために減速車線53に向かう予定であるとする。このとき、ナビゲーション部34は車線変更推奨区間での走行車線51への車線変更を促したり、走行制御部37は車線変更推奨区間での走行車線51への車線変更制御を行ったりすることができる。これにより、対象車両30の車線変更が遅れ、渋滞により車線変更できなくなってしまうことを防止することができる。これとは逆に、対象車両30が直進する場合には、車線変更推奨区間において車線変更をせずに追越車線52を走行し続けるという判断をドライバまたは走行制御部37が行うこともできる。これにより、渋滞に巻き込まれないよう、不必要な車線変更を防止することができる。
【0081】
[1−6.第1の実施の形態の効果等]
以上説明したように第1の実施の形態によると、プローブ情報に基づいて渋滞末尾位置が算出される。このプローブ情報は、所定時間内に道路を走行するプローブ車両10から取得可能な情報である。このため、突発的に発生する渋滞を判定することができ、かつ任意の地点で発生する渋滞を判定することができる。また、渋滞末尾位置に基づいて車線変更推奨区間を算出している。このため、渋滞末尾位置に対象車両30が到達するよりも前に、対象車両30のドライバや自動走行する対象車両30に対して必要に応じた車線変更を指示することができる。よって、対象車両30に渋滞を回避させるなどの安全運転を支援することができる。
【0082】
図7は、安全運転支援処理の一例を示す図である。たとえば、
図7(a)に示すように走行車線51を走行中の対象車両30が直進する場合には、
図7(b)に示すように車線変更推奨区間において追越車線52に車線変更するための支援処理を行う。これにより、
図7(c)に示すように、対象車両30は、走行車線51の渋滞を回避し、追越車線52から直進することができる。
【0083】
図8は、安全運転支援処理の他の一例を示す図である。たとえば、
図8(a)に示すように追越車線52を走行中の追越車線52が高速道路50から退出するために減速車線53に進む場合には、
図8(b)に示すように車線変更推奨区間において走行車線51に車線変更するための制御を行う。これにより、
図8(c)に示すように、対象車両30は渋滞車列の後方に並ぶことができる。よって、
図8(d)に示すように、車線変更のタイミングが遅れて、追越車線52および減速車線53へ車線変更できなくなり、高速道路の出口を過ぎてしまうような事態を防止することができる。
【0084】
また、渋滞末尾位置の上流であっても、渋滞末尾位置の近くの道路リンク56においては、渋滞末尾位置に安全に並ぼうとする車両である程度混雑している。このため、このような混雑した道路リンク56から渋滞していない隣接車線への車線変更を行うと、隣接車線を通常走行時の速度で走行する車両に衝突する可能性がある。しかし、推奨区間算出部26は、非混雑区間を探索し、非混雑区間に基づいて車線変更推奨区間を算出している。このため、対象車両の安全な位置での車線変更を指示することができ、より安全な運転を支援することができる。
【0085】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、プローブ車両10の進路ごとに車線変更推奨区間を算出する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明し、同様の説明は適宜省略する。
【0086】
第2の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成は、
図1に示した第1の実施の形態に係る安全運転支援システム1の構成と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
第2の実施の形態では、サーバ20の構成が、第1の実施の形態とは異なる。
【0087】
[2−1.サーバ20の構成]
図9は、第2の実施の形態に係るサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図9に示すサーバ20は、
図3に示す第1の実施の形態に係るサーバ20の構成において、判別部28をさらに備える。判別部28は、たとえば、CPUまたはMPUなどのデジタル信号処理を行うプロセッサよりなる。判別部28は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし複数のプロセッサで構成されていてもよい。
【0088】
判別部28は、軌跡情報蓄積部23に蓄積されている、マップマッチング後のプローブ情報に基づいて、分岐部での分岐後のプローブ車両10の進路を判別する。プローブ情報は、プローブ車両10の移動軌跡を示している。このため、この移動軌跡と地図情報蓄積部24に蓄積されている道路地図情報とを照合することにより、進路を判別することができる。例えば、
図6に示した高速道路50においては、プローブ車両10が減速車線53の方に分岐して高速道路50の出口に向かったか、走行車線51または追越車線52を走行して直進したかを判別することができる。
【0089】
[2−2.サーバ20の処理フロー]
図10は、サーバ20が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図11は、サーバ20が実行する処理を説明するための図であり、(a)は高速道路50を退出して出口に向かう車両54の一例を示し、(b)は高速道路50を直進する車両54の一例を示す。
【0090】
図10を参照して、ステップS1〜S10の処理は、
図5に示したものと同様である。
【0091】
移動軌跡算出処理(S2)の後、判別部28は、プローブ情報に基づいて、所定時間(例えば、現在時刻から過去に遡って15分)内に高速道路50を走行したプローブ車両10の進路を判別する(S11)。たとえば、判別部28は、
図11(a)に示すようにプローブ車両10が高速道路50を退出して出口に向かう進路を取ったのか、
図11(b)に示すようにプローブ車両10が高速道路50を直進する進路を取ったのかを判別する。
【0092】
その後、末尾位置算出部25、推奨区間算出部26および判別部28が、判別部28が判別した進路ごとにステップS3〜S10の処理を実行する(ループA)。
【0093】
これにより、進路ごとの車線変更推奨区間の情報を対象車両30に送信することができる。
【0094】
車線変更推奨区間の情報を受信した対象車両30は、自車両が進む進路に応じた安全運転支援処理を実行することができる。例えば、
図11(a)および
図11(b)に示すように、出口方向および直進方向に向かうプローブ車両10からそれぞれ車線変更推奨区間が算出されたものとする。
【0095】
安全運転支援部33は、対象車両30が出口方向に向かう場合には、
図11(a)に示す車線変更推奨区間に基づいて安全運転支援処理を実行する。つまり、対象車両30が出口方向に向かう場合には、
図11(a)に示す車線変更推奨区間において、追越車線52から走行車線51への車線変更が行われるように、ナビゲーション部34からドライバに対して指示を行ったり、走行制御部37が車線変更の制御を行ったりする。これにより、車線変更のタイミングが遅れ、渋滞している車線に進行できなくなるのを防止することができる。
【0096】
また、安全運転支援部33は、対象車両30が直進方向に向かう場合には、
図11(b)に示す車線変更推奨区間に基づいて、安全運転支援処理を実行する。この場合、対象車両30は、既に本線車線を走行しているため車線変更の必要はない。しかし、
図11(b)に示す車線変更推奨区間において、ナビゲーション部34がドライバに対して減速の指示を行ったり、走行制御部37が減速制御を行ったりすることができる。これにより、対象車両30は渋滞車列の後方に安全な速度で並ぶことができる。
【0097】
[2−3.第2の実施の形態の効果]
以上説明したように第2の実施の形態によると、プローブ情報からプローブ車両10の進路を判別し、進路ごとに渋滞末尾位置および車線変更推奨区間を算出している。このため、目的の分岐先に進行するプローブ車両10が渋滞している場合に、当該分岐先に分岐するために事前に渋滞末尾に並ぶよう、ドライバや自動走行する対象車両30に指示することができる。これにより、対象車両の無理な割り込みを防止し、目的の分岐先に進行するための運転支援をすることができる。
【0098】
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、プローブ車両10の進路ごとに車線変更推奨区間を算出した。これに対し、第3の実施の形態では、プローブ車両10の走行する車線ごとに車線変更推奨区間を算出する点が、第2の実施の形態とは異なる。以下、第1および第2の実施の形態と異なる点を中心に説明し、同様の説明は適宜省略する。
【0099】
第3の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成は、
図1に示した第1の実施の形態に係る安全運転支援システム1の構成と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0100】
[3−1.サーバ20の構成]
第3の実施の形態に係るサーバの構成は、
図9に示した第2の実施の形態に係るサーバ20の構成と同様である。ただし、判別部28が実行する処理が第2の実施の形態とは異なる。つまり、判別部28は、軌跡情報蓄積部23に蓄積されているマップマッチング後のプローブ情報に基づいて、プローブ車両10が走行する車線を判別する。プローブ車両10が自動走行車両である場合には、プローブ情報に走行車線の情報が含まれる。このため、プローブ情報に含まれる走行車線の情報と地図情報蓄積部24が蓄積している道路地図情報とを照合することで、プローブ車両10が走行する車線を判別することができる。なお、プローブ情報が示す位置が高精度である場合にも、道路地図情報と照合することによりプローブ車両10の走行車線を判別することができる。
【0101】
[3−2.サーバ20の処理フロー]
図12は、サーバ20が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図13A,13Bは、サーバ20が実行する処理を説明するための図であり、
図13Aは高速道路50の走行車線51を走行する車両54の一例を示し、
図13Bは高速道路50の追越車線52を走行する車両54の一例を示す。
【0102】
図12を参照して、ステップS1〜S10の処理は、
図5に示したものと同様である。
【0103】
移動軌跡算出処理(S2)の後、判別部28は、プローブ情報に基づいて、所定時間(例えば、15分)内に高速道路50を走行したプローブ車両10の走行する車線を判別する(S21)。たとえば、判別部28は、
図13Aに示すようにプローブ車両10が走行車線51を走行したのか、
図13Bに示すようにプローブ車両10が追越車線52を走行したのかを判別する。
【0104】
その後、末尾位置算出部25、推奨区間算出部26および判別部28が、判別部28が判別した車線ごとにステップS3〜S10の処理を実行する(ループB)。
【0105】
これにより、車線ごとの車線変更推奨区間の情報を対象車両30に送信することができる。
【0106】
車線変更推奨区間の情報を受信した対象車両30は、自車両が進む進路および自車両が走行する車線に応じた安全運転支援処理を実行することができる。例えば、
図13Aに示すように走行車線51を走行するプローブ車両10から車線変更推奨区間が算出され、
図13Bに示すように追越車線52を走行するプローブ車両10からは車線変更推奨区間は算出されなかったものとする。
【0107】
例えば、走行車線51を走行する対象車両30が高速道路50の出口の方に進行予定の場合には、対象車両30は既に走行車線51を走行しているため車線変更の必要はない。しかし、
図13Aに示す車線変更推奨区間において、ナビゲーション部34がドライバに対して減速の指示を行ったり、走行制御部37が減速制御を行ったりすることができる。これにより、対象車両30は渋滞車列の後方に安全な速度で並ぶことができる。
【0108】
また、対象車両30が高速道路50を直進する予定の場合には、
図13Aに示す車線変更推奨区間において、ナビゲーション部34がドライバに対して渋滞している走行車線51から渋滞していない追越車線52への車線変更を指示したり、走行制御部37が車線変更を行ったりすることができる。これにより、渋滞に巻き込まれ車線変更のタイミングが遅れるのを防止することができる。
【0109】
[3−3.第3の実施の形態の効果]
以上説明したように、第3の実施の形態によると、プローブ情報からプローブ車両10が走行する車線を判別し、車線ごとに渋滞末尾位置および車線変更推奨区間を算出している。このため、渋滞車線を走行している対象車両30のドライバに、非渋滞車線への車線変更を促したり、目的の分岐先に接続されている渋滞車線への事前の車線変更を促したりすることができる。これにより、対象車両30の安全な走行を支援することができる。
【0110】
また、複数の車線のうちの少なくとも1つが渋滞しており、他の少なくとも1つが渋滞していない場合に、対象車両30の進行する車線ごとに、異なる安全運転の支援処理を実行することができる。よって、車線の渋滞状況に応じた走行を支援することができる。
【0111】
例えば、渋滞している車線に進む場合には、渋滞車列の後方に安全な速度で並ぶための走行支援を行うことができる。また、渋滞していない車線に進む場合には、車線変更推奨区間で車線変更をするための走行支援を行うことができる。これにより、渋滞に巻き込まれ車線変更のタイミングが遅れるのを防止することができる。
【0112】
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態では、自動走行車両から受信したプローブ情報と、通常のドライバが運転する車両から受信したプローブ情報とを区別することなく利用した。第4の実施の形態では、自動走行車両から受信したプローブ情報を優先して利用する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明し、同様の説明は適宜省略する。
【0113】
第4の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成は、
図1に示した第1の実施の形態に係る安全運転支援システム1の構成と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0114】
[4−1.サーバ20の構成]
第4の実施の形態に係るサーバは、
図3に示した第1の実施の形態に係るサーバ20の構成と同様である。ただし、末尾位置算出部25および推奨区間算出部26が実行する処理が第1の実施の形態と異なる。
【0115】
末尾位置算出部25は、軌跡情報蓄積部23に蓄積されているプローブ情報のうち自動走行車両から取得したプローブ情報(以下、「自動走行プローブ情報」という。)を優先して、渋滞末尾位置を算出する。例えば、末尾位置算出部25は、自動走行プローブ情報を利用して、第1の実施の形態と同様に渋滞末尾位置を算出する。渋滞末尾位置が算出された場合には、自動走行プローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置を推奨区間算出部26に出力する。渋滞末尾位置が算出されなかった場合には、末尾位置算出部25は、自動走行車両のプローブ情報と通常のプローブ車両10から得られるプローブ情報との両方を含むプローブ情報(以下、「全プローブ情報」という。)を利用して、第1の実施の形態と同様に渋滞末尾位置を算出する。
【0116】
推奨区間算出部26は、自動走行プローブ情報を優先して算出された渋滞末尾位置に基づいて、車線変更推奨区間を算出する。つまり、末尾位置算出部25が自動走行プローブ情報を利用して渋滞末尾位置を算出できた場合には、推奨区間算出部26は、当該渋滞末尾位置に基づいて車線変更推奨区間を算出する。末尾位置算出部25が自動走行プローブ情報を利用して渋滞末尾位置を算出できなかったが、全プローブ情報に基づいて渋滞末尾位置を算出できた場合には、推奨区間算出部26は、全プローブ情報に基づいて算出された渋滞末尾位置に基づいて車線変更推奨区間を算出する。
【0117】
サーバ20が実行する処理の流れは、末尾位置算出部25および推奨区間算出部26が実行する処理が異なるだけであり、
図5に示したものと同様である。
【0118】
[4−2.第4の実施の形態の効果]
自動走行車両は常に安全運転を行うように設計されている。このため、無理な運転を行わない自動走行車両のプローブ情報を優先して算出された渋滞末尾位置および車線変更推奨区間は、信頼性が高いと考えられる。よって、第4の実施の形態によると、渋滞末尾位置および車線変更推奨区間の信頼性を高めることができるため、対象車両のより安全な運転を支援することができる。
【0119】
(第5の実施の形態)
第3および4の実施の形態では、自動走行車両であるプローブ車両10から取得したプローブ情報を用いて、プローブ車両10の走行する車線ごとに車線変更推奨区間を算出した。しかし、車線ごとの車線変更推奨区間の算出に用いられるプローブ情報は、自動走行車両から取得したものには限定されない。つまり、走行車線を特定することができるプローブ車両10から取得したプローブ情報であれば、車線ごとの車線変更推奨区間の算出に用いることができる。以下では、走行車線を特定可能な車両のことを車線特定可能車両という。なお、自動走行車両は、車線特定可能車両の一種である。
第5の実施の形態では、車線特定可能車両について詳細に説明する。
【0120】
[5−1.車線特定可能車両であるプローブ車両10の構成]
図14は、車線特定可能車両であるプローブ車両10の機能的な構成を示すブロック図である。
図14を参照して、プローブ車両10は、
図2に示したプローブ車両10の構成において、GPS装置14の代わりに車線特定部70を備える。
【0121】
図15は、車線特定部70の構成を示すブロック図である。車線特定部70は、プローブ車両10が走行する道路リンクおよび車線を特定するための処理部であり、車速センサ78と、衛星電波受信機71と、方位センサ72と、アクティブセンサ73と、カメラ74と、位置検出部75と、地図データベース76と、車線検出部77と、を備える。位置検出部75と車線検出部77とは、たとえば、CPUまたはMPUなどのデジタル信号処理を行うプロセッサよりなる。これらの各部は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、別個のプロセッサで構成されていてもよい。
【0122】
車速センサ78は、プローブ車両10の車輪の回転数を測定することにより、速度情報を計測する。車速センサ78によって検出されたプローブ車両10の走行速度情報はプローブ情報に含めてもよい。
【0123】
衛星電波受信機71は、衛星からの電波を受信し、プローブ車両10の位置する緯度、経度および高度を計測する。衛星電波受信機71としては、GPS受信機が一般的であるが、GPS受信機よりも高精度なQZSS(準天頂衛星システム、Quasi-Zenith Satellite System)受信機が望ましい。QZSS受信機を用いることにより、GPS受信機による測位信号を補完および補強し、測位精度を向上させることができる。
【0124】
方位センサ72は、プローブ車両10の方位を計測するセンサであり、振動式や光学式のジャイロスコープにより構成される。なお、振動式に比べて高精度な光学式のジャイロスコープを方位センサ72として用いるのが望ましい。
【0125】
アクティブセンサ73は、白線および構造物を検出するセンサであり、このようなセンサとしてミリ波レーダなどを用いたセンサが知られているが、白線と路面との反射率の違いを三次元の空間構造を示すデータに含めることが可能なLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)を用いることが望ましい。LIDARによると、パルス状に発光するレーザー照射による対象における散乱光を測定することで、対象までの距離や対象の性質を分析することができる。
【0126】
カメラ74は、撮像した画像から白線および構造物を検出する。カメラ74には、単眼方式とステレオ方式とがあるが、白線が路面上にあるか否かを3次元的に判定することのできるステレオ方式が望ましい。
【0127】
地図データベース76は、高精度な道路地図データを格納したHDDなどによって構成される。道路地図データは、例えば、道路外側(区画)線、道路(車線)中心線、道路幅員、縦横断勾配、信号・標識点、停止線などの情報を含み、先読み可能なネットワーク構造を有する。
【0128】
位置検出部75は、衛星電波受信機71が計測したプローブ車両10の位置情報を、地図データベース76に格納された道路地図データと照合することにより、プローブ車両10が走行している道路リンク上の位置を検出する。例えば、位置検出部75は、衛星電波受信機71から順次出力されるプローブ車両10の位置情報からプローブ車両10の走行軌跡を求める。位置検出部75は、求めた走行軌跡と地図データベース76に格納された道路地図データとを比較し、交差点や屈曲点などの走行軌跡の特徴部分に着目してプローブ車両10の現在位置を道路上に修正するマップマッチング処理を行うことで、プローブ車両10の位置を検出する(例えば、特許文献3参照)。なお、電波状況等により衛星電波受信機71がプローブ車両10の位置情報を計測することができない場合には、位置検出部75は、車速センサ78から得られたプローブ車両10の速度からプローブ車両10の走行距離を算出し、算出した走行距離と方位センサ72が計測したプローブ車両10の方位情報とに基づいて、プローブ車両10の位置を順次計算してもよい。
【0129】
車線検出部77は、アクティブセンサ73が検出した白線および構造物と、カメラ74が検出した白線および構造物とを、地図データベース76に格納された道路地図データと照合することにより、地図上での白線および構造物の位置を特定する。また、車線検出部77は、位置検出部75が検出したプローブ車両10が走行している道路リンク上の位置と、地図上での白線および構造物の位置とを照合することにより、プローブ車両10が走行している道路リンク上の車線を検出する。なお、車線検出部77は、アクティブセンサ73の検出結果と、カメラ74の検出結果とを状況に応じて使い分けてもよい。例えば、通常時にはカメラ74の検出結果を用いて、白線および構造物の位置を特定し、夜間や悪天候時などのように周囲の視認性が低下しているような状況においては、視認性の低下の影響を受けにくいアクティブセンサ73の検出結果を用いて、白線および構造物の位置を特定してもよい(例えば、特許文献4および5参照)。
【0130】
また、車線検出部77は、プローブ車両10によって検出された固定物(例えば、路肩に設置された照明灯や路面上のキャッツアイなど)の位置情報と、道路地図データが示す固定物の位置情報とを照合することにより、プローブ車両10の位置を修正してもよい(例えば、特許文献3参照)。
【0131】
位置検出部75および車線検出部77が検出したプローブ車両10が走行している道路リンク上の位置および車線の情報は、プローブ情報生成部12が生成するプローブ情報に含められ、サーバ20に送信される。
【0132】
[5−2.車線特定可能車両である対象車両30の構成]
なお、上述した車線特定部70の構成が対象車両30に備えられていてもよい。
図16は、車線特定部70を備えた対象車両30の機能的な構成を示す図である。
図16に示す対象車両30は、
図4に示した対象車両30の構成において、ナビゲーション部34がさらに車線特定部70を含む。
【0133】
経路表示部35は、車線特定部70により特定された対象車両30の走行位置および走行車線に基づいて、車線を区別して目的地までの経路を算出し、算出した経路を表示画面38に表示する制御を行う。例えば、経路表示部35は、
図8(a)〜
図8(c)に示すように高速道路50の左出口から退出予定である追越車線52を走行中の対象車両30を当該左出口から安全に退出させるために、事前に最も左側の走行車線51に車線変更を行うような経路を算出し、算出した経路の情報を表示画面38に表示する。
【0134】
また、車線変更箇所表示部36は、車線特定部70により特定された対象車両30の走行位置および走行車線に基づいて、表示画面38に表示された目的地までの経路のうち、車線変更推奨区間を視認可能な態様で表示する制御を行う。例えば、対象車両30が現在走行している車線上の車線変更推奨区間を他の道路区間と異なる色で示す。これにより、ドライバは車線変更推奨区間において安全に車線変更を行うことができる。
【0135】
[6.付記]
以上、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムについて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0136】
(変形例)
第1〜第4の実施の形態では、車線変更推奨区間をサーバ20が算出するものとしたが、対象車両30が算出してもよい。
図17は、変形例に係る対象車両30の機能的な構成を示すブロック図である。
【0137】
図17を参照して、対象車両30は、
図4に示した第1の実施の形態に係る対象車両30の構成において、さらに、軌跡情報蓄積部23、地図情報蓄積部24および推奨区間算出部26を備える。これらの構成は、サーバ20に備えられていたものである。
【0138】
対象車両30が車線変更推奨区間を算出する構成であっても、第1の実施の形態と同様に対象車両30の安全運転を支援することができる。
【0139】
このように、安全運転支援システム1を構成する各構成は、プローブ車両10およびサーバ20に自由に分散配置することができる。また、各構成は、サーバ20以外の他のサーバに分散配置されていてもよい。
【0140】
また、
図4に示した対象車両30は、自動走行車両を想定しているが、ドライバが運転をする通常の車両の場合には、走行制御部37は備えられていなくてもよい。
【0141】
また、対象車両30は、
図2に示したプローブ車両10の構成を、さらに含んでいてもよい。これにより、自車両からプローブ情報を送信することができる。
【0142】
また、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されてもよい。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0143】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0144】
また、本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、本開示は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0145】
さらに、本開示は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、ハードディスクドライブ、CD−ROM、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
【0146】
また、本開示は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0147】
また、上記プログラムに含まれる各ステップは、複数のコンピュータにより実行されてもよい。
さらに、上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0148】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。