特許第6814519号(P6814519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6814519
(24)【登録日】2020年12月23日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】撮像レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20210107BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【請求項の数】15
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-98997(P2018-98997)
(22)【出願日】2018年5月23日
(65)【公開番号】特開2019-203990(P2019-203990A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2020年8月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391014055
【氏名又は名称】カンタツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】深谷 尚生
【審査官】 殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−115456(JP,A)
【文献】 特開2015−055728(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0025953(US,A1)
【文献】 国際公開第2017/199633(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第106908932(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第107102425(CN,A)
【文献】 特開2019−079003(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第109143535(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第109960013(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側に向かって順に、光軸近傍で正の屈折力を有する第1レンズと、光軸近傍で正の屈折力を有する第2レンズと、光軸近傍で負の屈折力を有する第3レンズと、光軸近傍で正の屈折力を有する第4レンズと、光軸近傍で正の屈折力を有する第5レンズと、第6レンズと、光軸近傍で負の屈折力を有する第7レンズとから構成され、
前記第1レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けた形状に形成され、
前記第4レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凹面を向けた形状に形成され、
前記第6レンズの物体側の面および像側の面は、非球面の形状に形成され、
前記第7レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凹面を向け、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成された形状であり、
以下の条件式(3)、(15a)、(18)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(3)0.10<νd4/(νd5+νd6)<0.40
(15a)0.50<r7/r8<1.10
(18)2.10<T1/T2<8.30
ただし、
νd4:第4レンズのd線に対するアッベ数
νd5:第5レンズのd線に対するアッベ数
νd6:第6レンズのd線に対するアッベ数
r7:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
r8:第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
T1:第1レンズの像側の面から第2レンズの物体側の面までの光軸上の距離
T2:第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離
【請求項2】
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
(1)1.50<(D1/f1)×100<17.00
ただし、
D1:第1レンズの光軸上の厚み
f1:第1レンズの焦点距離
【請求項3】
以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
(2)0.02<T2/T4<0.10
ただし、
T2:第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離
T4:第4レンズの像側の面から第5レンズの物体側の面までの光軸上の距離
【請求項4】
以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
(4)1.50<(D5/f5)×100<12.50
ただし、
D5:第5レンズの光軸上の厚み
f5:第5レンズの焦点距離
【請求項5】
以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
(5)0.20<(T2/TTL)×100<0.90
ただし、
T2:第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離
TTL:光学全長
【請求項6】
以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
(6)6.70<(T4/TTL)×100<15.00
ただし、
T4:第4レンズの像側の面から第5レンズの物体側の面までの光軸上の距離
TTL:光学全長
【請求項7】
以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
(7)2.00<f4/f<16.00
ただし、
f4:第4レンズの焦点距離
f:撮像レンズ全系の焦点距離
【請求項8】
以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
(8)0.50<f5/f<3.00
ただし、
f5:第5レンズの焦点距離
f:撮像レンズ全系の焦点距離
【請求項9】
以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
(9)−1.40<f7/f<−0.40
ただし、
f7:第7レンズの焦点距離
f:撮像レンズ全系の焦点距離
【請求項10】
以下の条件式(10)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
(10)0.40<r7/f<1.90
ただし、
r7:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
f:撮像レンズ全系の焦点距離
【請求項11】
以下の条件式(11)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
(11)0.50<r8/f<2.60
ただし、
r8:第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
f:撮像レンズ全系の焦点距離
【請求項12】
以下の条件式(12)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
(12)−3.50<r9/f<−0.50
ただし、
r9:第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径
f:撮像レンズ全系の焦点距離
【請求項13】
以下の条件式(13)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
(13)0.70<r13/f<6.50
ただし、
r13:第7レンズの物体側の面の近軸曲率半径
f:撮像レンズ全系の焦点距離
【請求項14】
以下の条件式(14)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
(14)0.40<r6/r7<1.60
ただし、
r6:第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
r7:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
【請求項15】
以下の条件式(16)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
(16)−1.90<r8/r9<−0.30
ただし、
r8:第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
r9:第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に使用されるCCDセンサやC-MOSセンサの固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズに係り、特に、小型化、高性能化が進むスマートフォンや携帯電話機、およびPDA(Personal Digital Assistant)やゲーム機、PC、ロボットなどの情報機器等、さらにはカメラ機能が付加された家電製品、および監視用カメラや自動車等に搭載される撮像レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家電製品や情報端末機器、自動車や公共交通機関にカメラ機能が搭載されることが一般的となった。また、カメラ機能を融合させた商品の需要はますます高まる状況にあり、様々な商品開発が進んでいる。
【0003】
このような機器に搭載される撮像レンズは、小型でありながらも高い解像性能が求められる。
【0004】
従来の高性能化を目指した撮像レンズとしては、例えば、以下の特許文献1のような撮像レンズが知られている。
【0005】
特許文献1には、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、正の屈折力を有する第6レンズと、負の屈折力を有する第7レンズとを備えた撮像レンズが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017−125887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のレンズ構成で、広角化と低背化、および低Fナンバー化を図ろうとした場合、周辺部における収差補正が非常に困難であり、良好な光学性能を得ることはできない。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、広角化と低背化、および低Fナンバー化の要求をバランスよく満足しながらも、諸収差が良好に補正された高い解像力を備える撮像レンズを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明において使用する用語に関し、レンズの面の凸面、凹面、平面とは近軸(光軸近傍)における形状を指すものと定義する。屈折力とは、近軸(光軸近傍)における屈折力を指すものと定義する。極点とは接平面が光軸と垂直に交わる光軸上以外における非球面上の点として定義する。光学全長とは、最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から撮像面までの光軸上の距離として定義する。なお、光学全長やバックフォーカスは、撮像レンズと撮像面との間に配置されるIRカットフィルタやカバーガラス等の厚みを空気換算して得られる距離とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に、光軸近傍で物体側に凸面を向けた第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、両面に非球面が形成された第6レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた負の屈折力を有する第7レンズとから構成され、第7レンズの像側の面は、光軸上以外の位置に極点を有する非球面を形成して構成される。
【0011】
上記構成の撮像レンズは、第1レンズは、光軸近傍で物体側に凸面を向けることにより、球面収差、歪曲収差を良好に補正する。第2レンズは、非点収差、歪曲収差を良好に補正する。第3レンズは、球面収差、コマ収差、色収差を良好に補正する。第4レンズは、非点収差、歪曲収差を良好に補正する。第5レンズは、非点収差、像面歪曲、歪曲収差を良好に補正する。第6レンズは、両面に形成した非球面形状によって、周辺部の収差を良好に補正する。第7レンズは、低背化を維持しながらバックフォーカスを確保する。また、像側の面は光軸近傍で像側に凹面を向けており、光軸上以外の位置に極点を有する非球面形状を形成することで、像面湾曲、歪曲収差、撮像素子への光線入射角度の制御を良好に行うことができる。
【0012】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第2レンズの光軸近傍における屈折力は、正であることが望ましい。
【0013】
第2レンズを正の屈折力にすることで、光学全長を短くしながら、非点収差の良好な補正が可能になる。
【0014】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第4レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凹面を向けた形状とすることが望ましい。
【0015】
第4レンズの像側の面を光軸近傍で像側に凹面とすることで、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0016】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第5レンズの光軸近傍における屈折力は、正であることが望ましい。
【0017】
第5レンズを正の屈折力にすることで、低背化をより容易なものとする。
【0018】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第6レンズの物体側、および像側の面は、光軸近傍で平面の形状とすることが望ましい。
【0019】
第6レンズの物体側、および像側の面を光軸近傍で平面の形状とすることで、撮像レンズ全系の屈折力に影響を与えることは無く、両面に形成した非球面形状によって、周辺部の収差の良好な補正が可能になる。
【0020】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第7レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けた形状とすることが望ましい。
【0021】
第7レンズの物体側の面を光軸近傍で物体側に凸面とすることで、非点収差と像面湾曲の良好な補正が可能になる。
【0022】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)1.50<(D1/f1)×100<17.00
ただし、D1は第1レンズの光軸上の厚み、f1は第1レンズの焦点距離である。
【0023】
条件式(1)は、第1レンズの光軸上の厚みを適切な範囲に規定するものである。条件式(1)の上限値を下回ることで、第1レンズの光軸上の厚みが厚くなり過ぎることを防ぎ、第1レンズの像側の空気間隔の確保を容易にする。その結果、低背化を維持できる。一方、条件式(1)の下限値を上回ることで、第1レンズの光軸上の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、レンズの成型性を良好にする。
【0024】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)0.02<T2/T4<0.10
ただし、T2は第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離、T4は第4レンズの像側の面から第5レンズの物体側の面までの光軸上の距離である。
【0025】
条件式(2)は、第2レンズと第3レンズとの間隔、および第4レンズと第5レンズとの間隔を適切な範囲に規定するものである。条件式(2)を満足することにより、第2レンズと第3レンズとの間隔、および第4レンズと第5レンズとの間隔の差が大きくなることが抑制され、低背化が図られる。また、条件式(2)の範囲を満足することで、第3レンズ、および第4レンズは最適な位置に配置され、当該レンズによる諸収差補正機能をより効果的なものとする。
【0026】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.10<νd4/(νd5+νd6)<0.40
ただし、νd4は第4レンズのd線に対するアッベ数、νd5は第5レンズのd線に対するアッベ数、νd6は第6レンズのd線に対するアッベ数である。
【0027】
条件式(3)は、第4レンズと第5レンズと第6レンズそれぞれの、d線に対するアッベ数を適切な範囲に規定するものである。条件式(3)を満足することで、色収差の良好な補正が可能になる。
【0028】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)1.50<(D5/f5)×100<12.50
ただし、D5:第5レンズの光軸上の厚み、f5:第5レンズの焦点距離である。
【0029】
条件式(4)は、第5レンズの光軸上の厚みを適切な範囲に規定するものである。条件式(4)の上限値を下回ることで、第5レンズの光軸上の厚みが厚くなり過ぎることを防ぎ、第5レンズの物体側、および像側の空気間隔の確保を容易にする。その結果、低背化を維持できる。一方、条件式(4)の下限値を上回ることで、第5レンズの光軸上の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、レンズの成型性を良好にする。
【0030】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)0.20<(T2/TTL)×100<0.90
ただし、T2は第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離、TTLは光学全長である。
【0031】
条件式(5)は、第2レンズと第3レンズの光軸上の間隔を適切な範囲に規定するための条件である。条件式(5)の範囲を満足することで、非点収差、像面湾曲の良好な補正が可能になる。
【0032】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6)6.70<(T4/TTL)×100<15.00
ただし、T4:第4レンズの像側の面から第5レンズの物体側の面までの光軸上の距離、TTLは光学全長である。
【0033】
条件式(6)は、第4レンズと第5レンズの光軸上の間隔を適切な範囲に規定するための条件である。条件式(6)の範囲を満足することで、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0034】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7)2.00<f4/f<16.00
ただし、f4:第4レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0035】
条件式(7)は、第4レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(7)の上限値を下回ることで、第4レンズの正の屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(7)の下限値を上回ることで、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0036】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
(8)0.50<f5/f<3.00
ただし、f5:第5レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0037】
条件式(8)は、第5レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(8)の上限値を下回ることで、第5レンズの正の屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(8)の下限値を上回ることで、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0038】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
(9)−1.40<f7/f<−0.40
ただし、f7:第7レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0039】
条件式(9)は、第7レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(9)の上限値を下回ることで、第7レンズの負の屈折力が適切なものとなり、低背化に有利になる。一方、条件式(9)の下限値を上回ることで、色収差、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0040】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(10)を満足することが望ましい。
(10)0.40<r7/f<1.90
ただし、r7は第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0041】
条件式(10)は、第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径を適切な範囲に規定するものである。条件式(10)の上限値を下回ることで、コマ収差の良好な補正が可能になる。一方、条件式(10)の下限値を上回ることで、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0042】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(11)を満足することが望ましい。
(11)0.50<r8/f<2.60
ただし、r8は第4レンズの像側の面の近軸曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0043】
条件式(11)は、第4レンズの像側の面の近軸曲率半径を適切な範囲に規定するものである。条件式(11)の上限値を下回ることで、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。一方、条件式(11)の下限値を上回ることで、コマ収差の良好な補正が可能になる。
【0044】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(12)を満足することが望ましい。
(12)−3.50<r9/f<−0.50
ただし、r9:第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0045】
条件式(12)は、第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径を適切な範囲に規定するものである。条件式(12)の上限値を下回ることで、球面収差の良好な補正が可能になる。一方、条件式(12)の下限値を上回ることで、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0046】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(13)を満足することが望ましい。
(13)0.70<r13/f<6.50
ただし、r13:第7レンズの物体側の面の近軸曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0047】
条件式(13)は、第7レンズの物体側の面の近軸曲率半径を適切な範囲に規定するものである。条件式(13)の上限値を下回ることで、像面湾曲の良好な補正が可能になる。一方、条件式(13)の下限値を上回ることで、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0048】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(14)を満足することが望ましい。
(14)0.40<r6/r7<1.60
ただし、r6は第3レンズの像側の面の近軸曲率半径、r7は第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径である。
【0049】
条件式(14)は、第3レンズの像側の面、および第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径の関係について規定するものである。条件式(14)を満足することで、第3レンズの像側の面、および第4レンズの物体側の面の屈折力が過剰になることを抑制することができる。その結果、コマ収差、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0050】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(15)を満足することが望ましい。
(15)0.30<r7/r8<1.30
ただし、r7は第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径、r8は第4レンズの像側の面の近軸曲率半径である。
【0051】
条件式(15)は、第4レンズの物体側の面、および像側の面の近軸曲率半径の関係について規定するものである。条件式(15)を満足することで、物体側の面、および像側の面の屈折力が過剰になることを抑制することができる。その結果、コマ収差、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。また、第4レンズの製造誤差感度を低減させる効果が得られる。
【0052】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(16)を満足することが望ましい。
(16)−1.90<r8/r9<−0.30
ただし、r8は第4レンズの像側の面の近軸曲率半径、r9は第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径である。
【0053】
条件式(16)は、第4レンズの像側の面、および第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径の関係について規定するものである。条件式(16)を満足することで、第4レンズの像側の面、および第5レンズの物体側の面の屈折力が過剰になることを抑制することができる。その結果、コマ収差、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0054】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(17)を満足することが望ましい。
(17)0.15<νd6/νd7<0.55
ただし、νd6は第6レンズのd線に対するアッベ数、νd7は第7レンズのd線に対するアッベ数である。
【0055】
条件式(17)は、第6レンズと第7レンズそれぞれの、d線に対するアッベ数を適切な範囲に規定するものである。条件式(17)を満足することで、色収差の良好な補正が可能になる。
【0056】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(18)を満足することが望ましい。
(18)2.10<T1/T2<8.30
ただし、T1は第1レンズの像側の面から第2レンズの物体側の面までの光軸上の距離、T2は第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離である。
【0057】
条件式(18)は、第1レンズと第2レンズとの間隔、および第2レンズと第3レンズとの間隔を適切な範囲に規定するものである。条件式(18)を満足することにより、第1レンズと第2レンズとの間隔、および第2レンズと第3レンズとの間隔の差が大きくなることが抑制され、低背化が図られる。また、条件式(18)の範囲を満足することで、第2レンズは最適な位置に配置され、当該レンズによる諸収差補正機能をより効果的なものとする。
【0058】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(19)を満足することが望ましい。
(19)1.20<|f5/f7|<3.40
ただし、f5は第5レンズの焦点距離、f7は第7レンズの焦点距離である。
【0059】
条件式(19)は、第5レンズと第7レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(19)の範囲を満足することで、コマ収差、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0060】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第6レンズと第7レンズの合成屈折力は、負であることが望ましく、さらには以下の条件式(20)を満足することがより望ましい。
(20)−1.35<f67/f<−0.40
ただし、f67は第6レンズと第7レンズの合成焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0061】
第6レンズと第7レンズの合成屈折力を負にすることで、色収差の補正に有利になる。条件式(20)は、第6レンズと第7レンズの合成屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(20)の上限値を下回ることで、第6レンズと第7レンズの負の合成屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(20)の下限値を上回ることで、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【0062】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(21)を満足することが望ましい。
(21)−1.00<r10/f<−0.20
ただし、r10は第5レンズの像側の面の近軸曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0063】
条件式(21)は、第5レンズの像側の面の近軸曲率半径を適切な範囲に規定するものである。条件式(21)の範囲を満足することで、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
【発明の効果】
【0064】
本発明により、広角化、低背化、低Fナンバー化の要求をバランスよく満足しながらも、諸収差が良好に補正された解像力の高い撮像レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本発明の実施例1の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施例1の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図3】本発明の実施例2の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図4】本発明の実施例2の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図5】本発明の実施例3の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図6】本発明の実施例3の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図7】本発明の実施例4の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図8】本発明の実施例4の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図9】本発明の実施例5の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図10】本発明の実施例5の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図11】本発明の実施例6の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図12】本発明の実施例6の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図13】本発明の実施例7の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図14】本発明の実施例7の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図15】本発明の実施例8の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図16】本発明の実施例8の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図17】本発明の実施例9の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図18】本発明の実施例9の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図19】本発明の実施例10の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図20】本発明の実施例10の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図21】本発明の実施例11の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図22】本発明の実施例11の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0067】
図1図3図5図7図9図11図13図15図17図19、および図21はそれぞれ、本発明の実施形態の実施例1から11に係る撮像レンズの概略構成図を示している。
【0068】
図1に示すように、本実施形態の撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、光軸Xの近傍で像側に凹面を向けた負の屈折力を有する第7レンズL7とから構成されている。第7レンズL7の像側の面は、光軸X上以外の位置に極点を有する非球面が形成されている。
【0069】
また、第7レンズL7と撮像面IMG(すなわち、撮像素子の撮像面)との間には赤外線カットフィルタやカバーガラス等のフィルタIRが配置されている。なお、このフィルタIRは省略することが可能である。
【0070】
開口絞りSTは、第1レンズL1の物体側に配置しているため、諸収差の補正を容易にするとともに、高像高の光線が撮像素子に入射する際の角度の制御を容易にしている。
【0071】
第1レンズL1は、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成されている。そのため、球面収差、非点収差、歪曲収差を良好に補正している。
【0072】
第2レンズL2は、正の屈折力を有し、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凸面を向けた両凸形状に形成されている。そのため、非点収差、歪曲収差を良好に補正している。さらに、両面を凸面にすることで強い曲率になることを抑え、製造誤差感度を低減させている。なお、第2レンズL2の形状は、図7図9図11図13図15、および図17に示す実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、および実施例9のように、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状を採用してもよい。この場合、球面収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が図られている。
【0073】
第3レンズL3は、負の屈折力を有し、光軸Xの近傍で物体側に凹面を向けているとともに、像側に凹面を向けた両凹形状に形成されている。そのため、球面収差、コマ収差、色収差を良好に補正している。さらに、両面を凹面にすることで強い曲率になることを抑え、製造誤差感度を低減させている。なお、第3レンズL3の形状は、図5図7図9図11図13図15図17図19、および図21に示す実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10、および実施例11のように、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状を採用してもよい。この場合、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が図られている。
【0074】
第4レンズL4は、正の屈折力を有し、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成されている。そのため、コマ収差、非点収差、歪曲収差を良好に補正している。
【0075】
第5レンズL5は、正の屈折力を有し、光軸Xの近傍で物体側に凹面を向けているとともに、像側に凸面を向けたメニスカス形状に形成されている。そのため、第5レンズL5への光線入射角度が適切なものとなり、非点収差、像面歪曲、歪曲収差を良好に補正している。
【0076】
第6レンズL6は、光軸Xの近傍で物体側、および像側ともに平面に形成され、光軸Xの近傍で実質的に屈折力を有しない形状に形成されている。そのため、撮像レンズ全系の屈折力に影響を与えることは無く、両面に形成した非球面形状によって、周辺部の収差を良好に補正している。
【0077】
第7レンズL7は、負の屈折力を有し、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成されている。そのため、低背化を維持しながらバックフォーカスを確保しつつ、色収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差を良好に補正している。
【0078】
また、第7レンズL7の像側の面に、光軸X上以外の位置に極点を有する非球面形状を形成されているため、像面湾曲、歪曲収差のより良好な補正と、撮像素子への光線入射角の適切な制御が図られている。
【0079】
本実施の形態に係る撮像レンズは、第1レンズL1から第7レンズL7のすべてが、それぞれ単レンズで構成されていることが好ましい。単レンズのみの構成は、非球面を多用することができる。本実施形態においては、すべてのレンズ面に適切な非球面を形成することで、良好な諸収差の補正が行われている。また、接合レンズを採用する場合に比較して工数を削減できるため、低コストで製作することが可能となる。
【0080】
また、本実施の形態に係る撮像レンズは、すべてのレンズにプラスチック材料を採用することで製造を容易にし、低コストでの大量生産を可能にしている。
【0081】
なお、採用するレンズ材料はプラスチック材料に限定されるものではない。ガラス材料を採用することで、さらなる高性能化を目指すことも可能である。また、すべてのレンズ面を非球面で形成することが望ましいが、要求される性能によっては、製造が容易な球面を採用してもよい。
【0082】
本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1)から(21)を満足することにより、好ましい効果を奏するものである。
(1)1.50<(D1/f1)×100<17.00
(2)0.02<T2/T4<0.10
(3)0.10<νd4/(νd5+νd6)<0.40
(4)1.50<(D5/f5)×100<12.50
(5)0.20<(T2/TTL)×100<0.90
(6)6.70<(T4/TTL)×100<15.00
(7)2.00<f4/f<16.00
(8)0.50<f5/f<3.00
(9)−1.40<f7/f<−0.40
(10)0.40<r7/f<1.90
(11)0.50<r8/f<2.60
(12)−3.50<r9/f<−0.50
(13)0.70<r13/f<6.50
(14)0.40<r6/r7<1.60
(15)0.30<r7/r8<1.30
(16)−1.90<r8/r9<−0.30
(17)0.15<νd6/νd7<0.55
(18)2.10<T1/T2<8.30
(19)1.20<|f5/f7|<3.40
(20)−1.35<f67/f<−0.40
(21)−1.00<r10/f<−0.20
ただし、
νd4:第4レンズL4のd線に対するアッベ数
νd5:第5レンズL5のd線に対するアッベ数
νd6:第6レンズL6のd線に対するアッベ数
νd7:第7レンズL7のd線に対するアッベ数
D1:第1レンズL1の光軸X上の厚み
D5:第5レンズL5の光軸X上の厚み
T1:第1レンズL1の像側の面から第2レンズL2の物体側の面までの光軸X上の距離
T2:第2レンズL2の像側の面から第3レンズL3の物体側の面までの光軸X上の距離
T4:第4レンズL4の像側の面から第5レンズL5の物体側の面までの光軸X上の距離
TTL:光学全長
f:撮像レンズ全系の焦点距離
f1:第1レンズL1の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
f7:第7レンズL7の焦点距離
f67:第6レンズL6と第7レンズL7の合成焦点距離
r6:第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径
r7:第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径
r8:第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径
r9:第5レンズL5の物体側の面の近軸曲率半径
r10:第5レンズL5の像側の面の近軸曲率半径
r13:第7レンズL7の物体側の面の近軸曲率半径
なお、上記の各条件式をすべて満足する必要はなく、それぞれの条件式を単独に満たすことで、各条件式に対応した作用効果を得ることができる。
【0083】
また、本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1a)から(21a)を満足することにより、より好ましい効果を奏するものである。
(1a)3.00<(D1/f1)×100<13.50
(2a)0.04<T2/T4<0.08
(3a)0.20<νd4/(νd5+νd6)<0.35
(4a)2.80<(D5/f5)×100<10.50
(5a)0.40<(T2/TTL)×100<0.75
(6a)7.50<(T4/TTL)×100<12.50
(7a)3.50<f4/f<13.00
(8a)0.90<f5/f<2.50
(9a)−1.10<f7/f<−0.60
(10a)0.60<r7/f<1.50
(11a)0.75<r8/f<2.10
(12a)−2.90<r9/f<−0.80
(13a)1.10<r13/f<5.20
(14a)0.60<r6/r7<1.30
(15a)0.50<r7/r8<1.10
(16a)−1.50<r8/r9<−0.50
(17a)0.25<νd6/νd7<0.45
(18a)2.35<T1/T2<6.90
(19a)1.40<|f5/f7|<2.80
(20a)−1.10<f67/f<−0.60
(21a)−0.85<r10/f<−0.30
ただし、各条件式の符号は前の段落での説明と同様である。
【0084】
本実施形態において、レンズ面の非球面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、近軸曲率半径をR、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20としたとき数式1により表わされる。
【0085】
【数1】
【0086】
次に、本実施形態に係る撮像レンズの実施例を示す。各実施例において、fは撮像レンズ全系の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角を、ihは最大像高を、TTLは光学全長をそれぞれ示す。また、iは物体側から数えた面番号、rは近軸曲率半径、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)、Ndはd線(基準波長)の屈折率、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面に関しては、面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示す。
【0087】
(実施例1)
【0088】
基本的なレンズデータを以下の表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
実施例1の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0091】
図2は実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。球面収差図は、F線(486nm)、d線(588nm)、C線(656nm)の各波長に対する収差量を示している。また、非点収差図にはサジタル像面Sにおけるd線の収差量(実線)、タンジェンシャル像面Tにおけるd線の収差量(破線)をそれぞれ示している(図4図6図8図10図12図14図16図18図20図22においても同じ)。図2に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0092】
(実施例2)
【0093】
基本的なレンズデータを以下の表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】
実施例2の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0096】
図4は実施例2の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図4に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0097】
(実施例3)
【0098】
基本的なレンズデータを以下の表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】
実施例3の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0101】
図6は実施例3の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図6に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0102】
(実施例4)
【0103】
基本的なレンズデータを以下の表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】
実施例4の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0106】
図8は実施例4の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図8に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0107】
(実施例5)
【0108】
基本的なレンズデータを以下の表5に示す。
【0109】
【表5】
【0110】
実施例5の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0111】
図10は実施例5の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図10に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0112】
(実施例6)
【0113】
基本的なレンズデータを以下の表6に示す。
【0114】
【表6】
【0115】
実施例6の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0116】
図12は実施例6の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図12に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0117】
(実施例7)
【0118】
基本的なレンズデータを以下の表7に示す。
【0119】
【表7】
【0120】
実施例7の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0121】
図14は実施例7の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図14に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0122】
(実施例8)
【0123】
基本的なレンズデータを以下の表8に示す。
【0124】
【表8】
【0125】
実施例8の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0126】
図16は実施例8の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図16に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0127】
(実施例9)
【0128】
基本的なレンズデータを以下の表9に示す。
【0129】
【表9】
【0130】
実施例9の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0131】
図18は実施例9の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図18に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0132】
(実施例10)
【0133】
基本的なレンズデータを以下の表10に示す。
【0134】
【表10】
【0135】
実施例10の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0136】
図20は実施例10の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図20に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0137】
(実施例11)
【0138】
基本的なレンズデータを以下の表11に示す。
【0139】
【表11】
【0140】
実施例11の撮像レンズは、表12に示すように条件式(1)から(21)を満たしている。
【0141】
図22は実施例11の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図22に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0142】
表12に実施例1から実施例11に係る条件式(1)から(21)の値を示す。
【0143】
【表12】
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明に係る撮像レンズを、カメラ機能を備える製品へ適用した場合、当該カメラの広角化、低背化、および低Fナンバー化への寄与とともに、高性能化を図ることができる。
【符号の説明】
【0145】
ST 開口絞り
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
ih 最大像高
IR フィルタ
IMG 撮像面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22