特許第6814629号(P6814629)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6814629旋動式破砕機、及び旋動式破砕機におけるシール部材交換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6814629
(24)【登録日】2020年12月23日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】旋動式破砕機、及び旋動式破砕機におけるシール部材交換方法
(51)【国際特許分類】
   B02C 2/06 20060101AFI20210107BHJP
   F16C 11/04 20060101ALI20210107BHJP
   F16C 11/06 20060101ALI20210107BHJP
   F16C 33/74 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   B02C2/06
   F16C11/04 S
   F16C11/06 Z
   F16C33/74 Z
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-253674(P2016-253674)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-103125(P2018-103125A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】503245465
【氏名又は名称】株式会社アーステクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】木島 崇
(72)【発明者】
【氏名】小林 純
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−013876(JP,A)
【文献】 特公昭47−000709(JP,B1)
【文献】 特開2004−136252(JP,A)
【文献】 実開昭61−019441(JP,U)
【文献】 実公昭38−010889(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 1/00−7/18、15/00−17/24
F16C 11/00−11/12、33/72−33/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受マウント面が形成されたスパイダと、
前記軸受マウント面によって下側からその下端部が支持されるように取り付けられる軸受と、
回転可能に、かつ、その回転軸線の向きが変更可能となるように、前記軸受によって支持される主軸と、
前記主軸の外周を取り囲むように配置され、下方へ取外し可能となるように前記スパイダに対して固定される取付枠と、
前記取付枠と前記主軸の間に配置される環状のシール部材と、
を備えることを特徴とする旋動式破砕機。
【請求項2】
請求項1に記載の旋動式破砕機であって、
前記取付枠を前記スパイダに対して固定する取付枠固定部材が、前記軸受を前記スパイダに対して固定する軸受固定部材とは別に備えられていることを特徴とする旋動式破砕機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の旋動式破砕機であって、
前記軸受はブッシュ型軸受であることを特徴とする旋動式破砕機。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の旋動式破砕機であって、
前記軸受は、外輪及び内輪を有し、前記外輪の下端面が前記軸受マウント面によって下側から支持されるように取り付けられる球面軸受であり、
前記外輪は、上下方向で互いに結合された下側の外輪及び上側の外輪を備え、
前記取付枠を前記スパイダに対して固定する取付枠固定部材が、前記下側の外輪と前記上側の外輪とを結合する外輪結合部材とは別に備えられていることを特徴とする旋動式破砕機。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の旋動式破砕機であって、
前記取付枠及び前記シール部材は何れも、全周にわたって一体的に環状に構成されていることを特徴とする旋動式破砕機。
【請求項6】
請求項1から4までの何れか一項に記載の旋動式破砕機であって、
前記取付枠及び前記シール部材は何れも、前記主軸の周方向で複数に分割されたものを互いに結合して構成されていることを特徴とする旋動式破砕機。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の旋動式破砕機であって、
前記取付枠は、
フランジ部と、
前記フランジ部から上方へ突出して前記シール部材を支持する上方突出部と、
を備え、
前記上方突出部の上端が、前記軸受マウント面より低い高さに位置していることを特徴とする旋動式破砕機。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の旋動式破砕機であって、
前記シール部材は、前記主軸の軸方向に複数並べて配置されていることを特徴とする旋動式破砕機。
【請求項9】
請求項1から6までの何れか一項に記載の旋動式破砕機の前記スパイダに対して下方へ取外し可能となるように固定される取付枠であって、
フランジ部と、
前記フランジ部から上方へ突出し、その内側に前記シール部材を支持する上方突出部と、
を備え、
前記スパイダに対して固定されたとき、前記上方突出部の上端は、前記軸受マウント面より低い高さに位置することを特徴とする取付枠。
【請求項10】
軸受マウント面が形成されたスパイダと、
前記軸受マウント面によってその下端部が下側から支持される軸受と、
回転可能に、かつ、その回転軸線の向きが変更可能となるように、前記軸受によって支持される主軸と、
前記主軸の外周を取り囲むように配置され、下方へ取外し可能となるように前記スパイダに対して固定される取付枠と、
前記取付枠と前記主軸の間に配置される環状のシール部材と、
を備える旋動式破砕機におけるシール部材交換方法であって、
前記軸受が前記軸受マウント面の上に載せられ、かつ、前記軸受が組み立てられた状態を維持しつつ、前記取付枠を前記スパイダから下方へ取り外す工程を含むことを特徴とするシール部材交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋動式破砕機、及び旋動式破砕機におけるシール部材交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コーンケーブと、当該コーンケーブに対して偏心しながら回転する主軸に取り付けられたマントルと、の作用により原石等の岩石を破砕する旋動式破砕機が知られている。特許文献1は、この種の旋動式破砕機を開示する。
【0003】
この特許文献1の旋動式破砕機は、主軸の上端部がスパイダ中央部に収容されて支持される構成となっている。具体的には、スパイダ中央部には、主軸の上端部を支持するための軸受が収容されている。この軸受により、主軸の上端部は、その回転軸線の向きが変更可能となるように支持されている。
【0004】
上記特許文献1には特に記載されていないが、スパイダ中央部内の軸受が収容される部分には、一般的に、当該軸受を潤滑するための潤滑油脂が供給される。このような構成では、当該潤滑油脂が下方のコーンケーブとマントルとにより破砕が行われる空間(破砕室)に漏れないようにするために、また、軸受に供給される潤滑油脂に岩石等の破砕で生じた石屑粉等が混入しないようにするために、軸受が配置されるスパイダ中央部内の空間と、下方の空間(破砕室)とを、シール部材を用いて遮断することが好ましい。ただし、シール部材は消耗品であるため、当該シール部材は、可能であるならば、他の構成部品の分解等の煩わしい作業をなるべく伴わずに簡単に着脱できる態様で設けられることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−13876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1には、軸受が配置されるスパイダ中央部内の空間と、下方の空間(破砕室)とを遮断するための構成については何ら触れられていなかった。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、主軸を支持する軸受が収容される空間と、下方の空間とを遮断するためのシール部材を、メンテナンスが容易に行える状態で設けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の旋動式破砕機が提供される。即ち、この旋動式破砕機は、スパイダと、軸受と、主軸と、取付枠と、環状のシール部材と、を備える。前記スパイダには、軸受マウント面が形成される。前記軸受は、前記軸受マウント面によって下側からその下端部が支持されるように取り付けられる。前記主軸は、回転可能に、かつ、その回転軸線の向きが変更可能となるように、前記軸受によって支持される。前記取付枠は、前記主軸の外周を取り囲むように配置され、下方へ取外し可能となるように前記スパイダに対して固定される。前記環状のシール部材は、前記取付枠と前記主軸の間に配置される。
【0010】
これにより、軸受が軸受マウント面で支持された状態で、取付枠及びシール部材をスパイダの下側から取り外すことができる。よって、シール部材のメンテナンスが容易に行える。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、以下の旋動式破砕機におけるシール部材交換方法が提供される。即ち、この旋動式破砕機におけるシール部材交換方法は、スパイダと、軸受と、主軸と、取付枠と、環状のシール部材と、を備える旋動式破砕機におけるシール部材交換方法である。前記スパイダには、軸受マウント面が形成される。前記軸受は、前記軸受マウント面によってその下端部が下側から支持される。前記主軸は、回転可能に、かつ、その回転軸線の向きが変更可能となるように、前記軸受によって支持される。前記取付枠は、前記主軸の外周を取り囲むように配置され、下方へ取外し可能となるように前記スパイダに対して固定される。前記環状のシール部材は、前記取付枠と前記主軸の間に配置される。この旋動式破砕機におけるシール部材交換方法は、前記軸受が前記軸受マウント面の上に載せられ、かつ、前記軸受が組み立てられた状態を維持しつつ、前記取付枠を前記スパイダから下方へ取り外す工程を含む。
【0012】
これにより、シール部材のメンテナンスに際して取外しが必要となる部材を少なく抑えることができ、シール部材の交換作業が簡単となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、主軸を支持する軸受が収容される空間と、下方の空間とを遮断するためのシール部材を、メンテナンスが容易に行える状態で設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る旋動式破砕機の構成を示す概略的な側面断面図。
図2】旋動式破砕機の構成のうち、球面軸受型の上部軸受を採用した場合の主軸の上端部の支持構造を詳細に示す側面断面図。
図3】別実施形態に係る旋動式破砕機の構成のうち、ブッシュ型の上部軸受を採用した場合の主軸の上端部の支持構造を詳細に示す側面断面図。
図4】取付枠及びそれに取り付けられたシール部材の構成を示す斜視図。
図5】シール部材の交換のために主軸からスパイダ及び軸受を抜いた状態を示す側面断面図。
図6】変形例に係る、取付枠及びそれに取り付けられたシール部材の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る旋動式破砕機100の構成を示す概略的な側面断面図である。なお、図1においては、主軸4の上端部の支持構造等は簡略化して示している。
【0016】
図1に示す本実施形態の旋動式破砕機100は、原石等の岩石を適宜の粒度となるように破砕するものである。旋動式破砕機100は、上部フレーム11、下部フレーム13、スパイダ14、主軸4、マントル5、コーンケーブ6、偏心スリーブ7、及び動力伝達機構20等を備える。上部フレーム11及び下部フレーム13を上下に結合して構成される概ね円柱状の外郭構造の中に、上端部を中心としてすりこぎ運動する主軸4が収容される。主軸4に取り付けられたマントル5と、上部フレーム11の内周面に取り付けられたコーンケーブ6と、が、主軸4のすりこぎ運動に伴って岩石に対して作用し、当該岩石が破砕されるように構成されている。
【0017】
上部フレーム11は、旋動式破砕機100の上部の外郭をなすものである。上部フレーム11の上端部はスパイダ14の外縁の下端部に接続されている。上部フレーム11の下端部は下部フレーム13の上端部に接続されている。本実施形態で図示したように旋動式破砕機100をジャイレトリクラッシャとして構成した場合、上部フレーム11は、下方に向かうに従って径方向の寸法が小さくなる円錐形状に形成される。なお、図示はしていないが、旋動式破砕機100をコーンクラッシャとして構成した場合、上部フレーム11は、下方に向かうに従って径方向の寸法が大きくなる円錐形状に形成される。上部フレーム11の内周面には、コーンケーブ6が配置されている。
【0018】
下部フレーム13は、旋動式破砕機100の下部の外郭をなすものである。下部フレーム13の上端部は上部フレーム11の下端部に接続されている。本実施形態においては、下部フレーム13は、下方に向かうに従って径が大きくなる形状に形成されている。下部フレーム13の下端部は開放されており、当該開放された部分から破砕後の岩石を回収できるようになっている。
【0019】
主軸4は、スパイダ14、上部フレーム11及び下部フレーム13の内部に収容される長い軸状の部材である。主軸4は、平面視及び側面視でこれらのフレーム内の中心部に配置されるように、その軸線を概ね上下方向に向けて設けられる。主軸4の上端部は、スパイダアーム31によってスパイダ14の外縁に支持されている。より詳細には、主軸4の上端部は、スパイダ14の中心部(後述するスパイダ中央部30)に設けられる上部軸受50によって支持されている。この構成により、主軸4は、回転可能、かつ、その上端部を支点としてその軸線(回転軸線)の向きを変更可能となっている。
【0020】
なお、上部軸受50としては、図1及び図2等に示したような球面軸受50を適用することもできるし、図3に示したようなブッシュ型軸受(滑り軸受)50を適用することもできる。以下では、上部軸受50として球面軸受50を適用した場合について主として説明する。
【0021】
主軸4の中途部は、下方に向かうに従って径が大きくなる円錐形状となっている。この円錐形状の部分の上端部から下端部に近づくに従って、当該円錐形状の部分の外周面と、上部フレーム11の内周面と、の間隔が次第に狭くなる。
【0022】
スパイダ14は、主軸4の上端部をスパイダアーム31を介してスパイダ14の外縁に支持し、平面視でスパイダ14の中央部に主軸4を配置させるための構造体である。スパイダ14は、平面視で当該スパイダ14の中央部に配置されるスパイダ中央部30と、当該スパイダ中央部30とスパイダ14の外縁とを連結する複数本(本実施形態では、2本)のスパイダアーム31と、で構成されている。
【0023】
マントル5は、中空の概ね円錐状の部材として構成されており、主軸4の前記円錐形状の部分の外周面に取り付けられている。
【0024】
コーンケーブ6は、概ね板状の部材として構成されており、上部フレーム11の内周面に複数並べて取り付けられている。図1に示すように、このコーンケーブ6の先端(歯先)と、上述のマントル5の先端(歯先)と、の間隔は、下方に向かうに従って次第に狭くなる。
【0025】
マントル5及びコーンケーブ6は、破砕対象物である岩石に作用する部分であるため、高マンガン鋼等の硬くて摩耗しにくい材料で形成されている。また、マントル5及びコーンケーブ6は、ある程度摩耗したら交換できるように、取外し可能な構造になっている。
【0026】
偏心スリーブ7は、その貫通孔の部分に主軸4の下端部を挿入した状態で、後述の動力伝達機構20により回転駆動されるものである。偏心スリーブ7の前記貫通孔は、円形に構成されるとともに、当該偏心スリーブ7の回転軸線に対して偏心して配置されている。主軸4と、偏心スリーブ7の前記貫通孔の内周面と、の間には図示しないブッシュが配置されている。これにより、主軸4は前記貫通孔に対して相対回転可能な状態で当該偏心スリーブ7に挿入されている。
【0027】
動力伝達機構20は、偏心スリーブ7を回転させるための動力を当該偏心スリーブ7に伝達するものである。動力伝達機構20は、横軸21、ベベルピニオン22、及びベベルギア23等を有している。
【0028】
横軸21は、その回転軸線を水平方向(横方向)に向けた状態で、軸受15を介して下部フレーム13に支持される部材である。横軸21の両端部のうち主軸4に近い側に配置される端部には、ベベルピニオン22が固定されている。横軸21は、Vベルト及びVプーリ等を介して駆動源(例えば、電動モータ)からの動力が伝達されることにより回転し、これによってベベルピニオン22も回転する。
【0029】
ベベルギア23は、偏心スリーブ7の下端部に固定される。ベベルギア23は、ベベルピニオン22と噛み合うように設けられる。この結果、横軸21に伝達された動力がベベルギア23に伝達され、偏心スリーブ7が回転する。
【0030】
以上のように、前記駆動源からの動力は、横軸21に伝達され、更にベベルピニオン22及びベベルギア23を介して偏心スリーブ7に伝達される。これにより、偏心スリーブ7の前記貫通孔に挿入された主軸4の下端部が仮想水平面内を旋回する。即ち、主軸4は、上部軸受50により支持されている部分を中心にして、その回転軸線の向きを順次変化させながら下端部を旋回させて、いわゆるすりこぎ運動をする。
【0031】
主軸4のすりこぎ運動により平面視でのマントル5の位置が周期的に変動するので、コーンケーブ6の先端とマントル5の先端との間の距離が繰り返し増減する。
【0032】
上部フレーム11の内部の、マントル5とコーンケーブ6が配置される空間である破砕室Sで、岩石の破砕が行われる。即ち、上部フレーム11の上方から投入された岩石が、マントル5とコーンケーブ6とによる作用を受けて砕かれる。
【0033】
以下では、スパイダ中央部30及びこれに組み付けられる部材について、詳細に説明する。図2は、本実施形態の旋動式破砕機100の構成のうち、主軸4の上端部の支持構造を詳細に示す側面断面図である。
【0034】
スパイダ中央部30は、その軸線を上下方向に向けた概ね短い円筒形状の部材であり、本実施形態では2本のスパイダアーム31の間に配置されている。スパイダ中央部30は、スパイダアーム31を介してスパイダ14の外縁に支持されている。スパイダ中央部30の平面視における中央部には、上下方向に貫通した貫通孔が形成されている(以下、この貫通孔を中央貫通孔と称する場合がある)。言い換えれば、スパイダ中央部30の中心部には、概ね円柱状に前記中央貫通孔が開いている。中央貫通孔の下部において、スパイダ中央部30には、平面視で円環状のフランジ部30aが径方向内側へ突出するように形成されている(この結果、中央貫通孔の下部には段差が形成されている)。フランジ部30aの外側には筒壁部30bが全周にわたって形成されている。筒壁部30bはフランジ部30aの外周部から上方に向かって延びている。
【0035】
スパイダ中央部30のフランジ部30aの上面は、軸受マウント面30cをなしている。本実施形態の軸受マウント面30cは、水平な円環状の面である。スパイダ中央部30の下面には、取付枠マウント部30dが形成されている。言い換えれば、取付枠マウント部30dは、フランジ部30aを基準として、軸受マウント面30cが配置される側とは反対側(下側)に配置されている。当該取付枠マウント部30dには、後述の取付枠60が取り付けられる。
【0036】
スパイダ中央部30の軸受マウント面30cの上には、上部軸受50が載せられた状態で取り付けられる。上部軸受50の下端部は、軸受マウント面30cによって下側から支持されている。なお、上述したように、本実施形態では上部軸受50として球面軸受50を適用した場合を示しているが、これに限るものではなく、上部軸受50としてブッシュ型軸受50を適用してもよい(図3を参照)。
【0037】
スパイダ中央部30の筒壁部30bの上面には、上部軸受50をスパイダ中央部30に対して固定するためのネジ孔30fが、周方向に間隔をおいて全周にわたるように複数形成される。
【0038】
本実施形態の上部軸受50は、下側の外輪51及び上側の外輪52を上下に合わせて構成される外輪と、外輪の内側に配置される内輪53と、複数の外輪結合ボルト(外輪結合部材)54と、を主として備える。
【0039】
下側の外輪51は本実施形態の上部軸受50(球面軸受)の外輪の下半部をなす部材であり、短い円筒形状の部材の内周側に、内輪53と接触するための半球面状の滑り面が形成されている。
【0040】
上側の外輪52は本実施形態の上部軸受50(球面軸受)の外輪の上半部をなす部材であり、短い円筒形状の部材の内周側に、内輪53と接触するための半球面状の滑り面が形成されている。
【0041】
内輪53は、球状の部材であり、その中心部には円形かつ貫通状の軸孔が形成されている。この軸孔の内径は、主軸4の上端部の外形よりも僅かに大きく構成されている。内輪53は、その下半部が下側の外輪51の前記滑り面と接触し、その上半部が上側の外輪52の前記滑り面と接触する状態で、下側の外輪51と上側の外輪52の間に組み付けられる。
【0042】
外輪結合ボルト54は、上部軸受50(球面軸受)を組み立てられた状態に保持するために、下側の外輪51と上側の外輪52とを(外輪の内側に内輪53を支持した状態で)上下に結合する。この外輪結合ボルト54は、周方向に間隔をおいて複数並べて配置されている。
【0043】
このような構成の上部軸受50(球面軸受)が組み立てられた状態でスパイダ中央部30に対して取り付けられて、かつ、上部軸受50(球面軸受)の内輪53の前記軸孔に主軸4の上端部が挿入されることにより、当該主軸4の上端部が上部軸受50によって支持される。これにより、主軸4の上端部が内輪53に対して周方向に相対回転可能となっている。また、内輪53は下側の外輪51及び上側の外輪52(外輪)に対して任意の軸線まわりで回転することが可能であるため、内輪53の前記軸孔に挿入された主軸4の上端部は、その回転軸線の向きを変更可能である。
【0044】
上部軸受50(球面軸受)は、上記のように組み立てられた状態で、軸受マウント面30cの上に載せられた状態でスパイダ中央部30内に組み付けられる。
【0045】
スパイダ中央部30には、上側の外輪52を上側から押さえ付けることにより上部軸受50(球面軸受)をスパイダ中央部30に対して固定する固定部材71が設けられる。
【0046】
固定部材71は、円筒形状の円筒部71aと、当該円筒部71aの上端からその径方向外側に向かって垂直に延びたフランジ部71bと、を有する。固定部材71の円筒部71aの外径は、スパイダ中央部30の前記中央貫通孔の内径とほぼ一致するように設けられている。
【0047】
固定部材71のフランジ部71bには、スパイダ中央部30の筒壁部30bの上面に形成された前記ネジ孔30fに対応するように、取付孔が形成される。
【0048】
円筒部71aの下端からフランジ部71bの下端までの長さは、組み立てられた状態で軸受マウント面30cの上に載せられた上部軸受50(球面軸受)の上面から筒壁部30bの上面までの長さとほぼ一致するように設けられる。
【0049】
このように構成される固定部材71は、組み立てられた状態の上部軸受50(球面軸受)が軸受マウント面30cの上に載せられた状態で、フランジ部71bを上側に向けて、その円筒部71aの部分がスパイダ中央部30の前記中央貫通孔に挿入される。これにより、円筒部71aの下端が上側の外輪52の上面に接触し、かつ、フランジ部71bの下端面が筒壁部30bの上端面に接触した状態となる。この状態で、筒壁部30bに設けられたネジ孔30fと、フランジ部71bに設けられた前記取付孔と、の位置を合わせて、軸受固定ボルト(軸受固定部材)72をネジ止めする。この軸受固定ボルト72は、上部軸受50(球面軸受)をスパイダ中央部30に対して固定するための部材である。これにより、上部軸受50(球面軸受)が固定部材71を介してスパイダ中央部30に固定される。別の視点から見れば、上部軸受50(球面軸受)は、組み立てられた状態で、軸受マウント面30cと固定部材71の下端との間に挟まれて、スパイダ中央部30に固定される。
【0050】
なお、本実施形態のスパイダ中央部30の筒壁部30bには、上部軸受50(球面軸受)に潤滑油脂を供給するための潤滑油脂供給経路30eが形成される。潤滑油脂供給経路30eには、例えばスパイダアーム31の中を通るように配置された図略の配管等からなる潤滑油脂供給経路を経由して、潤滑油脂が供給される。これにより、前記中央貫通孔の上部軸受50(球面軸受)が配置される場所(軸受室)に潤滑油脂を供給することができる。
【0051】
スパイダ中央部30のフランジ部30aの下部(軸受マウント面30cとは反対側)に設けられる取付枠マウント部30dには、取付枠60が下側から取り付けられる。
【0052】
以下では、取付枠60及びこれに取り付けられるシール部材62,63について、詳細に説明する。図4は、取付枠60及びそれに取り付けられたシール部材62,63の構成を示す斜視図である。
【0053】
本実施形態では、取付枠60及びシール部材62,63は環状に構成される。
【0054】
取付枠60は、フランジ部60aと、当該フランジ部60aから上方に突出する上方突出部60bと、を主として有する。
【0055】
フランジ部60aは、円環状のプレート状に形成される。フランジ部60aには、当該フランジ部60a(取付枠60)を下方からスパイダ中央部30のフランジ部30aの下部に対して取り付けるための取付孔60cが、周方向に間隔をおいて複数形成される。
【0056】
上方突出部60bは、フランジ部60aの内側から上方に突出するように、概ね円筒状に設けられる。上方突出部60bの外周面は、上方に向かうに従って径方向の寸法が小さくなるテーパ状(先細り状)に形成される。
【0057】
取付枠60の中心部には、円形の貫通孔が形成されている。上方突出部60bの部分において、前記貫通孔の内周面には、後述のシール部材62,63を取り付けるための円環状の溝が、その軸線方向に沿って複数並んで形成されている。
【0058】
この上方突出部60bの内周面の複数の溝のうち、軸線方向で上部軸受50(球面軸受)に最も近い側(最も上側)に配置される溝には、上部軸受50に供給された潤滑油脂を漏らさない目的でシール部材62が取り付けられる。
【0059】
上記の上方突出部60bの内周面の複数の溝のうち、軸線方向で上部軸受50(球面軸受)から最も遠い側(最も下側)に配置される溝には、外部からの異物(石屑粉等)を上部軸受50に侵入させない目的でシール部材63が取り付けられる。
【0060】
シール部材62,63のそれぞれは、その外周部が上方突出部60bの内周面の前記溝に嵌まり込むように配置される。特に、上部軸受50に供給された潤滑油脂を漏らさない目的で取り付けられるシール部材62の内径は、主軸4の上端部を隙間なく取り囲むことが可能な寸法とされる。また、シール部材62は適度の弾性を有しており、主軸4が上述のすりこぎ運動をした場合でも、軸線の向きを変える主軸4の外周面に追従するように密着してシールすることができる。
【0061】
取付枠60に形成される溝のうち、シール部材63が嵌まり込む溝の下側には、シール部材63を下側から押さえるための円盤状の押え部材64を嵌め込むことが可能な溝(段差)が形成されている。押え部材64は、シール部材63の交換が容易となるように、ボルト等を用いて取付枠60の下端部に前記溝に嵌まり込むように取り付けられる。
【0062】
なお、シール部材63は、複数のシール部材62,63のうち破砕室Sに最も近い側に配置され、主軸4が上下運動した際に主軸4の表面に付着した石屑粉等の異物を剥ぎ取ること(スクレイピング)が可能な、比較的、石屑粉等の外部からの異物に強い樹脂等の素材により形成される。即ち、シール部材63は、スクレイパとしての機能も有する。
【0063】
スパイダ中央部30のフランジ部30aの下部において、中央貫通孔の内壁は、取付枠60が有する上方突出部60bの形状に対応するように、上方に向かうに従って径が小さくなるテーパ状に形成される。また、スパイダ中央部30の下面には、前記取付孔60cの位置に対応するようにネジ孔が形成される。
【0064】
図2に示すように、取付枠60をスパイダ中央部30のフランジ部30aの下部に取り付けたときに、上方突出部60bの上端の高さh1が軸受マウント面30cの高さh2よりも低くなっている。また、上部軸受50が球面軸受の場合に関しては、内輪53が主軸4の偏心挙動に伴って回転した場合でも上部軸受50が取付枠60の上方突出部60bの上端面に接触しないように配置される。
【0065】
この構成で、スパイダ中央部30の下面に形成されるネジ孔と、取付孔60cとの位置を合わせて、取付枠固定ボルト(取付枠固定部材)61をネジ止めすることにより、取付枠60を取付枠マウント部30dに固定することができる。
【0066】
このように、本実施形態の旋動式破砕機100では、主軸4を支持する上部軸受50が収容される軸受室と、下方の破砕室S(マントル5及びコーンケーブ6が配置される空間)と、がシール部材62,63によって遮断されている。言い換えれば、上部軸受50を収容する軸受室の下方がシール部材62,63によって密閉されており、前記軸受室が下方の空間に対して遮断されている。これにより、上部軸受50に供給される潤滑油脂が下方の破砕室Sに漏れるのを防ぐことができ、かつ、上部軸受50に供給される潤滑油脂に岩石の破砕で生じた細かい石屑粉等が混入するのを防ぐことができる。特に本実施形態では、複数のシール部材62,63が主軸4の軸線方向に沿って並べて配置されているので、より高い密閉性を維持し、上部軸受50の健全性を保つことができる。
【0067】
なお、シール部材62,63は消耗品であり、経年劣化による摩耗や破損によってシール性やスクレイピング性が低下するため、ある程度の頻度で交換する必要がある。この点、本実施形態では、主軸4からスパイダ中央部30内の上部軸受50をスパイダ14ごと図5のように取り外した後、取付枠固定ボルト61等を外すことで、スパイダ14の下面(取付枠マウント部30d)から取付枠60を下方へ取り外して、シール部材62,63にアクセスすることができる(このとき、上部軸受50及び固定部材71を取り外す必要がない)。即ち、本実施形態の構成では、重量物である上部軸受50をスパイダ14から取り外したり分解したりせずにシール部材62,63を交換することができるため、メンテナンス性を向上させることができる。
【0068】
本実施形態では、取付枠60は図4に示すように環状(一体型)としているが、必ずしもこれに限るものではなく、図6に変形例として示すように、取付枠60を周方向で複数に分割した分割型としてもよい。取付枠60を分割型の構成とした場合、スパイダ14を主軸4から抜くことなく、図2の状態のままでスパイダ14及び主軸4から取付枠60及びシール部材62,63を径方向外側に取り外すこともできるというメリットがある。この場合、上部フレーム11及びスパイダ14等を図5のように吊り上げる必要がなくなるので、メンテナンス性を更に向上させることができる。なお、取付枠60を分割型の構成とした場合、シール部材62,63も分割型の構成とすることが必要となる。
【0069】
以上に説明したように、本実施形態の旋動式破砕機100は、スパイダ14と、上部軸受(軸受)50と、主軸4と、取付枠60と、環状のシール部材62,63と、を備える。スパイダ14には、軸受マウント面30cが形成される。上部軸受50は、軸受マウント面30cによって下側からその下端部が支持されるように取り付けられる。主軸4は、回転可能に、かつ、その回転軸線の向きが変更可能となるように、上部軸受50によって支持される。取付枠60は、主軸4の外周を取り囲むように配置され、下方へ取外し可能となるようにスパイダ14に対して固定される。環状のシール部材62,63は、取付枠60と主軸4の間に配置される。
【0070】
これにより、上部軸受50が軸受マウント面30cで支持された状態で、取付枠60及びシール部材62,63をスパイダ14の下側から取り外すことができる。よって、シール部材62,63のメンテナンスが容易に行える。
【0071】
また、本実施形態の旋動式破砕機100においては、取付枠60をスパイダ14に対して固定する取付枠固定ボルト61が、上部軸受50をスパイダ14に対して固定する軸受固定ボルト72とは別に備えられている。
【0072】
これにより、上部軸受50をスパイダ14に対して固定したままの状態で、取付枠固定ボルト61を取り外すことにより取付枠60及びシール部材62,63をスパイダ14から取り外すことができ、シール部材62,63のメンテナンスに伴い取外しが必要となる箇所を少なく抑えることができる。
【0073】
ただし、旋動式破砕機100においては、図3に示すように、上部軸受50をブッシュ型軸受として構成することもできる。
【0074】
この場合、軸受の構成を簡素とすることができる。
【0075】
また、本実施形態の旋動式破砕機100においては、主軸4の上部を支持する軸受として、外輪51,52及び内輪53を有し、外輪51,52を合わせたものの下端部が軸受マウント面30cによって下側から支持されるように取り付けられる上部軸受50(球面軸受)が用いられる。前記外輪51,52は、上下方向で互いに結合された下側の外輪51及び上側の外輪52を備える。この旋動式破砕機100においては、取付枠60をスパイダ14に対して固定する取付枠固定ボルト61が、下側の外輪51と上側の外輪52とを結合する外輪結合ボルト54とは別に備えられている。
【0076】
これにより、上部軸受50(球面軸受)において下側の外輪51及び上側の外輪52が結合されたままの状態で、取付枠固定ボルト61を取り外すことにより取付枠60及びシール部材62,63をスパイダ14から取り外すことができ、シール部材62,63のメンテナンスに伴い上部軸受50(球面軸受)を分解する必要がない。
【0077】
また、本実施形態の旋動式破砕機100においては、取付枠60及びシール部材62,63は何れも、全周にわたって一体的に環状に構成されている。
【0078】
これにより、部品点数を少なくすることができ、シール部材62,63の着脱作業が容易となる。
【0079】
また、本実施形態の変形例に係る旋動式破砕機100においては、取付枠60及びシール部材62,63は何れも、主軸4の周方向で複数に分割されたものを互いに結合して構成されている。
【0080】
これにより、主軸4に対する取付枠60及びシール部材62,63の取付け/取外しを、径方向で行うことが可能になる。従って、メンテナンス作業が更に容易になる。
【0081】
また、本実施形態の旋動式破砕機100は取付枠60を備える。この取付枠60は、フランジ部60aと、上方突出部60bと、を備える。上方突出部60bは、フランジ部60a(の内側)から上方へ突出してシール部材62,63を支持する。この取付枠60においては、上方突出部60bの上端が、軸受マウント面30cよりも低い高さに位置している。
【0082】
これにより、取付枠60と球面軸受(軸受)50との干渉を、簡素な構成で回避することができる。
【0083】
また、本実施形態の旋動式破砕機100においては、シール部材62,63は、主軸4の軸方向(軸線方向)に複数並べて配置されている。
【0084】
これにより、球面軸受(軸受)50が配置される空間(本実施形態では、潤滑油脂が供給される空間)を、スパイダ14の下方の空間(本実施形態では、マントル5及びコーンケーブ6が配置される破砕室)に対してより確実に遮断することができる。
【0085】
また、本実施形態の旋動式破砕機100においては、取付枠60の上方突出部60bの外周面は、上方に向かうに従ってその径方向の寸法が小さくなるテーパ状である。スパイダ14の下部の、取付枠60を取り付ける部分である取付枠マウント部30dは、上方突出部60bに対応する形状に形成される。
【0086】
これにより、上方突出部60bの外周面が取付枠マウント部30dの形状に接触することによって容易に案内され、適宜の場所に取付枠60を嵌め込むことができる。
【0087】
また、本実施形態の取付枠60は、旋動式破砕機100のスパイダ14に対して下方に取外し可能となるように固定される。この取付枠60は、フランジ部60aと、上方突出部60bと、を備える。当該上方突出部60bは、フランジ部60aから上方に突出し、その内側にシール部材62,63を支持することが可能である。取付枠60がスパイダ14に対して固定されたとき、上方突出部60bの上端は、軸受マウント面30cよりも低い高さに位置する。
【0088】
これにより、取付枠60の内側にシール部材62,63を支持した状態で、当該取付枠60をスパイダ14に対して固定することができ、シール部材62,63の取付けや取外しが容易となる。また、取付枠60が上部軸受50に干渉することがない。
【0089】
また、本実施形態の旋動式破砕機100においては、上部軸受50が軸受マウント面30cの上に載せられ、かつ、上部軸受50が組み立てられた状態を維持しつつ、取付枠60をスパイダ14から下方へ取り外す工程を含む方法によって、シール部材62,63の交換が行われる。
【0090】
これにより、シール部材62,63のメンテナンスに際して取外しが必要となる部材を少なく抑えることができ、シール部材62,63の交換作業が簡単となる。
【0091】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0092】
上記の実施形態においては、主軸4の上端部を支持する軸受は球面軸受50又はブッシュ型軸受50であるものとしたが、必ずしもこれに限るものではなく、他の軸受を用いることもできる。即ち、軸受は、主軸4を回転可能に、かつ、その回転軸線の向きが変更可能となるように支持する構成のものであればよい。
【0093】
上記の実施形態では、取付枠60及びシール部材62,63は何れも、環状に(一体型に)形成されていてもよく、或いは主軸4の周方向で2つに分割されたものを互いに結合して構成されていてもよいものとした。しかしながら、その分割数は2つに限るものではなく、これよりも多い数(例えば、3つや4つ)に分割されていてもよい。また、周方向で複数に分割された取付枠60及びシール部材62,63は、必ずしも等しい角度で分割されていなくてもよい。
【0094】
上記の実施形態では、シール部材62,63は、主軸4の軸方向に2つ並べて配置されているものとしたが、その数はこれに限るものではなく、これよりも少ない、又はこれよりも多い数のシール部材が主軸4の軸方向に並べて配置されるものとしてもよい。
【0095】
上記の実施形態では、取付枠60のスパイダ中央部30への固定、上部軸受50のスパイダ中央部30への固定、及び外輪51,52の結合のために何れもボルトを用いている。しかしながら、これに限るものではなく、取付け/取外し可能な他の公知の部材によって取付枠60の固定等を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
4 主軸
14 スパイダ
30 スパイダ中央部
30c 軸受マウント面
50 上部軸受
60 取付枠
62,63 シール部材(環状のシール部材)
100 旋動式破砕機
図1
図2
図3
図4
図5
図6