【文献】
ソリューション&サービス・ケーススタディ(2) Solution & Service case study,はいたっく 通巻550号,株式会社日立製作所情報・通信システムグループ情報・通信システム社,2013年 3月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1乃至非特許文献4における従来の就業管理のシステムでは,従業員が出勤時または退勤時に,出勤または退勤の操作を行った後,それとは別に,コンピュータなどで乖離理由を入力する処理となっている。そのため,乖離理由を後日まとめて入力することも多くなり,実際の乖離理由を失念してしまうこともあった。これでは,組織体としては,従業員の就業状況を適切に管理しているとはいえず,望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は上記課題に鑑み,従業員の始業時刻前の出勤,終業時刻後の退勤があった場合の乖離理由について,その場で入力可能とせしめることで,組織体にとって,従業員の就業状況を適切に管理することができる就業管理システムを発明した。
【0007】
第1の発明は,従業員の就業管理をするための就業管理システムであって,前記就業管理システムは,従業員の出勤または退勤の際の打刻を受け付ける打刻受付処理部と,打刻時刻と,始業基準時刻または終業基準時刻とを比較して乖離があるかを判定する乖離判定処理部と,乖離があることを判定した場合に,乖離理由の入力を受け付ける乖離理由入力受付処理部と,を有しており,
前記打刻受付処理部は,前記従業員の従業員識別情報を受け付けており,前記乖離理由入力受付処理部は,前記従業員識別情報に基づいて,乖離理由の表示内容および/または表示順番を変更して,前記打刻の後に乖離理由の入力を行わせる,就業管理システムである。
【0008】
本発明のように,出退勤の打刻の際に,始業基準時刻,終業基準時刻との乖離があることを判定すると,打刻の後に乖離理由の入力を行わせることで,その場で乖離理由の入力が可能となる。そのため,従業員は乖離理由の記憶が鮮明なうちに,また従業員の負担もほとんどなく乖離理由を登録することができる。そして,組織体にとっても,従業員の就業状況を適切に管理することができる。
また,乖離理由は従業員,部署,職種,職員区分などによって変わることがある。そこで,出退勤の打刻を行う従業員の属性に応じて乖離理由の表示内容,表示順番を変更することで,従業員の操作性を向上させることができる。
【0009】
第2の発明は,従業員の就業管理をするための就業管理システムであって,前記就業管理システムは,従業員の出勤または退勤の際の打刻を受け付ける打刻受付処理部と,打刻時刻と,始業基準時刻または終業基準時刻とを比較して乖離があるかを判定する乖離判定処理部と,乖離があることを判定した場合に,乖離理由の入力を受け付ける乖離理由入力受付処理部と,を有しており,
前記打刻受付処理部は,前記打刻時刻を用いて,前記従業員の勤務計画または勤務実績に関する情報を記憶する勤務情報記憶部を参照することで,前記従業員の出勤または退勤を判定し,前記乖離理由入力受付処理部は,前記打刻の後に乖離理由の入力を行わせる,就業管理システムである。
【0010】
本発明のように,出退勤の打刻の際に,始業基準時刻,終業基準時刻との乖離があることを判定すると,打刻の後に乖離理由の入力を行わせることで,その場で乖離理由の入力が可能となる。そのため,従業員は乖離理由の記憶が鮮明なうちに,また従業員の負担もほとんどなく乖離理由を登録することができる。そして,組織体にとっても,従業員の就業状況を適切に管理することができる。
また,本発明のように構成することで,従業員が出退勤の区別を示す入力操作を行わずともすみ,従業員の操作負担を軽減することができる。
【0013】
上述の発明において,前記乖離理由入力受付処理部は,前記乖離判定処理部において乖離があることを判定した場合には,乖離理由の入力を行うことを前記従業員に通知する,就業管理システムのように構成することができる。
【0014】
上述の発明において,前記乖離理由入力受付処理部は,音を出力する,メッセージを表示する,入力端末の表示装置を点滅させる,乖離理由がない場合とは異なる画面表示をするのいずれかによって,乖離理由の入力を行うことを前記従業員に通知する,就業管理システムのように構成することができる。
【0015】
出退勤の打刻を行う場で乖離理由の入力を行う場合,その操作を行うことに従業員が気づかない場合がある。そのため,乖離があることを判定した場合,それを従業員に通知することが好ましい。
【0018】
第1の発明は本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することで実現できる。すなわち,コンピュータを,従業員の出勤または退勤の際の打刻を受け付ける打刻受付処理部,打刻時刻と,始業基準時刻または終業基準時刻とを比較して乖離があるかを判定する乖離判定処理部,乖離があることを判定した場合に,乖離理由の入力を受け付ける乖離理由入力受付処理部,として機能させるための就業管理プログラムであって,
前記打刻受付処理部は,前記従業員の従業員識別情報を受け付けており,前記乖離理由入力受付処理部は,前記従業員識別情報に基づいて,乖離理由の表示内容および/または表示順番を変更して,前記打刻の後に乖離理由の入力を行わせる,就業管理プログラムである。
また,第2の発明は本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することで実現できる。すなわち,コンピュータを,従業員の出勤または退勤の際の打刻を受け付ける打刻受付処理部,打刻時刻と,始業基準時刻または終業基準時刻とを比較して乖離があるかを判定する乖離判定処理部,乖離があることを判定した場合に,乖離理由の入力を受け付ける乖離理由入力受付処理部,として機能させるための就業管理プログラムであって,
前記打刻受付処理部は,前記打刻時刻を用いて,前記従業員の勤務計画または勤務実績に関する情報を記憶する勤務情報記憶部を参照することで,前記従業員の出勤または退勤を判定し,前記乖離理由入力受付処理部は,前記打刻の後に乖離理由の入力を行わせる,就業管理プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の就業管理システムを用いることによって,従業員は出勤,退勤の操作を行った際に,始業基準時刻または終業基準時刻との乖離理由を簡単に入力することができるため,組織体にとっても,従業員の就業状況を適切に管理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の就業管理システム1の処理機能の一例のブロック図を
図1に示す。管理端末2は,就業管理システム1を運営する企業や医療機関等の組織体が利用するコンピュータである。また,入力端末3は,組織体で勤務する従業員の出退勤を入力するための端末である。なお,従業員としては正社員,契約社員,アルバイト,嘱託職員などさまざまな雇用形態の者が含まれ,組織体が就業管理をする必要がある者であればよい。入力端末3としては,従業員が操作可能なタッチパネルのタブレット型コンピュータを用いることができるが,それに限定しない。また,従業員証に備えたICチップを読み取るリーダ装置,あるいは静脈や指紋などの生体情報を読み取るための生体情報読取装置,バーコードなどの2次元コードを読み取るためのバーコードリーダ装置,磁気カード読取装置などと接続していてもよい。
【0022】
就業管理システム1における管理端末2,入力端末3は,コンピュータを用いて実現される。
図2にコンピュータのハードウェア構成の一例を模式的に示す。コンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,情報を表示するディスプレイなどの表示装置72と,情報の入力が可能なキーボードやマウスなどの入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。
【0023】
コンピュータがタッチパネルディスプレイを備えている場合には,表示装置72と入力装置73とが一体的に構成されていてもよい。タッチパネルディスプレイは,たとえばタブレット型コンピュータやスマートフォンなどの可搬型通信端末などで利用されることが多いが,それに限定するものではない。
【0024】
タッチパネルディスプレイは,そのディスプレイ上で,直接,所定の入力デバイス(タッチパネル用のペンなど)や指などによって入力を行える点で,表示装置72と入力装置73の機能が一体化した装置である。
【0025】
管理端末2は,打刻受付処理部20と乖離判定処理部21と乖離理由入力受付処理部22と就業状況情報記憶部23とを有する。
【0026】
打刻受付処理部20は,入力端末3で入力を受け付けた従業員識別情報,出勤または退勤の情報,打刻時刻とを受け付ける。なお打刻時刻は,入力端末3で入力を受け付けた時刻のほか,打刻受付処理部20で入力を受け付けた時刻であってもよい。
【0027】
乖離判定処理部21は,打刻受付処理部20で入力を受け付けた従業員識別情報,出勤または退勤の情報,出勤の打刻時刻(出勤時刻)または退勤の打刻時刻(退勤時刻)と,あらかじめ定められている就業時間帯を示す情報とを比較して,始業時刻または終業時刻と,出勤時刻または退勤時刻との間に乖離があるかを判定する。就業時間帯を示す情報としては,たとえば始業時刻,終業時刻が特定できる情報であれば如何なる情報であってもよい。
【0028】
乖離判定処理部21では,打刻受付処理部20で出勤の情報を受け付けた場合には,出勤時刻と始業時刻とを比較して乖離があるかを判定する。また打刻受付処理部20で退勤の情報を受け付けた場合には,退勤時刻と終業時刻とを比較して乖離があるかを判定する。なお,出勤時刻と始業時刻,退勤時刻と終業時刻との乖離は,あらかじめ定められた時間以上の乖離がある場合に,乖離があると判定をしてもよい。実際には,終業時刻になってから片付けを開始し,実際に退勤するのは,終業時刻から10分後といったこともあるからである。したがって,出勤時刻,退勤時刻と比較するのは,始業基準時刻,終業基準時刻でよい。始業基準時刻,終業基準時刻は,
始業基準時刻=始業時刻−あらかじめ定めた第1の時間
終業基準時刻=終業時刻+あらかじめ定めた第2の時間
で算出する。あらかじめ定めた第1の時間,第2の時間としては0分以上の任意の時間とすることができる。たとえば0分(始業時刻,終業時刻と同じ),5分,10分,15分,30分などのように設定可能である。あらかじめ定めた第1の時間と第2の時間は同じ時間であってもよいし,異なる時間であってもよい。たとえば始業基準時刻は始業時刻の10分前(あらかじめ定めた第1の時間は10分)とし,終業基準時刻は終業時刻の5分後(あらかじめ定めた第2の時間は5分)のように設定することもできる。始業基準時刻,終業基準時刻は,乖離理由の入力が必要になる程度の時間に基づいて適宜設定できる。
【0029】
乖離理由入力受付処理部22は,乖離理由判定処理部で乖離があると判定した場合に,後述する乖離理由入力画面を入力端末3に表示し,乖離理由の入力を受け付ける。乖離理由としては,たとえば,「管理監督業務」,「通常出勤」,「出張」,「私用」,「職務専念義務免除」,「自己学習・研鑽・学会準備」,「勤務外活動(組合・院友会等)」,「その他」などがボタン形式で選択可能となっている。また,「その他」の選択を受け付けた場合には,自由入力欄を表示させてもよい。
【0030】
なお,乖離理由入力受付処理部22は,打刻受付処理部20で入力を受け付けた従業員識別情報に基づいて,従業員,部署,職種,職員区分などを判定し,それらに対応させて乖離理由として表示する内容や表示順番を変更してもよい。すなわち,従業員識別情報に基づいて,従業員に関する属性情報を記憶する記憶部(図示せず)を参照し,その従業員,部署,職種,職員区分などを判定し,あらかじめ設定された従業員ごと,部署ごと,職種ごと,職員区分ごとなどの乖離理由を表示順番にしたがって入力端末3の乖離理由入力画面に表示させてもよい。
【0031】
また,乖離理由入力受付処理部22は,乖離理由の入力を行う必要があることを従業員に通知するため,たとえば音を出力する,メッセージを表示する,入力端末3の表示装置72を点滅させる,乖離理由がない場合とは異なる画面表示をするなどによって,乖離理由の入力を行わなければならないことを従業員に気づかせるようにしてもよい。
【0032】
就業状況情報記憶部23は,従業員識別情報に対応づけて出勤時刻,退勤時刻,乖離理由などの就業状況情報を記憶する。
【実施例1】
【0033】
つぎに本発明の就業管理システム1の処理プロセスの一例を
図3のフローチャートを用いて説明をする。なお,本実施例の以下の説明では従業員が退勤する場合を説明するが,出勤する場合でも同様である。
【0034】
まず本発明の就業管理システム1を用いる際に,入力端末3を従業員が利用しやすい場所,たとえば通用口などに設置をしておく。入力端末3が設置された状態の一例を
図4に示す。
図4では,タッチパネル型のタブレット型コンピュータと従業員証などを読み取るリーダ装置と静脈認証により従業員を特定するための生体情報読取装置とが,通用口の壁面に設置された状態を示している。
【0035】
従業員は退勤する場合,所定の操作をすることで,自らの従業員識別情報を入力する。たとえば,従業員証をリーダ装置にかざすことで,従業員証のICチップに記憶された従業員識別情報をリーダ装置が読み取って入力端末3に渡す,または手を生体情報読取装置にかざすことで,指紋や静脈などの生体情報を生体情報読取装置が読み取り,それに基づいて入力端末3が従業員を特定し,対応する従業員識別情報を特定するなどの方法がある。
【0036】
そして従業員証をリーダ装置にかざす,手を生体情報読取装置にかざすなどのあと,入力端末3に表示されている打刻画面(
図5)における「退勤」のボタン101を押下する。打刻画面では,たとえば「出勤」,「退勤」が入力可能となっていればよいが,さらに「外出」,「再入館」など,一時的な外出に対応をしていてもよい。
【0037】
打刻画面において「退勤」ボタン101が押下されると,入力端末3は,従業員識別情報と退勤の情報と退勤時刻(たとえば17時40分)とを管理端末2に送り,管理端末2の打刻受付処理部20でそれらの情報を受け付ける(S100)。そして,打刻受付処理部20は,従業員識別情報と退勤の情報と退勤時刻とを受け付けると,従業員識別情報に対応づけて,退勤時刻を就業状況情報記憶部23に記憶させる(S110)。
【0038】
また乖離判定処理部21は,退勤時刻と終業基準時刻とを比較し,乖離があるかを判定する(S120)。
【0039】
たとえば終業基準時刻が17時45分とすると,退勤時刻は終業基準時刻よりも前であるので,乖離はないと判定し,
図6に示す打刻完了画面を入力端末3に表示させる。
【0040】
一方,たとえば終業基準時刻が17時15分とすると,退勤時刻は終業基準時刻よりも後であるので,乖離があると判定し,
図7に示す乖離理由入力画面を入力端末3に表示させる。そして,従業員は,入力端末3に表示される乖離理由入力画面から該当する乖離理由のボタン102a〜102hのいずれかを押下する。なお,「その他」ボタン102hを押下した場合には,自由入力欄が表示され,そこに乖離理由を,入力端末3に表示するソフトウェアキーボードなどにより自由記述して入力するように構成してもよい。また,共用とする入力端末3では,「その他」ボタン102hを押下してもそのまま「その他」の情報のみが送られ(自由記述の入力は行わせず),乖離理由の登録を従業員が利用する端末から入力可能としてもよい。
【0041】
以上のようにして乖離理由のボタン102a〜102hが押下されると,乖離理由の情報が入力端末3から管理端末2に送られ,管理端末2の乖離理由入力受付処理部22でその入力を受け付ける(S130)。そして,乖離理由入力受付処理部22は,受け付けた乖離理由を,当該従業員識別情報に対応づけて就業状況情報記憶部23に記憶させる。
【0042】
また,乖離理由入力受付処理部22は,乖離理由の入力を受け付けると,
図8に示すように乖離理由を入力した場合の打刻完了画面を入力端末3に表示させる。
【0043】
以上のような処理を実行することで,従業員は乖離理由の記憶が鮮明なうちに,また従業員の負担もほとんどなく乖離理由を登録することができる。そして,組織体にとっても,従業員の就業状況を適切に管理することができる。
【実施例2】
【0044】
実施例1では打刻画面において「出勤」,「退勤」などのボタンを従業員が押下する場合であったが,あらかじめ従業員の勤務計画を登録している場合には,その勤務計画に基づいて,自動的に「出勤」,「退勤」の判定を行ってもよい。これによって,従業員による打刻画面での「出勤」,「退勤」のボタンの押下操作を省略できる。
図9に,本実施例における就業管理システム1の処理機能の一例を模式的に示すブロック図である。本実施例では,たとえば医療機関のように従業員がシフト制で勤務している場合には,各シフトや勤務形態によって就業時間帯が相違するので,とくに効果的である。なお,勤務計画のみならず,登録している勤務実績で判断をしてもよい。この場合,「勤務計画」を「勤務実績」に読み替えればよい。
【0045】
本実施例における就業管理システム1では,実施例1の就業管理システム1に加えて,勤務情報記憶部24を有する。勤務情報記憶部24は,従業員の勤務計画に関する情報を記憶する。たとえば従業員を識別する従業員識別情報と,従業員の氏名,所属部署,職種などの従業員の属性情報と,勤務計画に関する情報とを記憶する。勤務計画としては,たとえば日勤,夜勤,準夜勤,当直,休暇など就業時間帯を示す情報が含まれていればよい。たとえば日勤としては就業時間帯として8時30分から17時30分などが定められていればよい。この場合,始業時刻が8時30分,終業時刻が17時30分となる。なお,勤務計画としては,就業時間帯のほか,始業時刻と終業時刻が定められているなどであってもよく,始業時刻,終業時刻が特定できる情報であれば如何なる情報であってもよい。また勤務情報記憶部24は,労務管理システムなどのほかのシステムで設定された情報またはそれに基づく情報であってもよい。
【0046】
つぎに本実施例における就業管理システム1における処理プロセスの一例を
図10のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
従業員は出勤,退勤する場合,たとえば従業員証をリーダ装置にかざす,手を生体情報読取装置にかざすなどの所定の操作をすることで,自らの従業員識別情報を入力する。そして,入力端末3は,従業員識別情報と打刻時刻とを管理端末2に送り,管理端末2の打刻受付処理部20でそれらの情報を受け付ける(S200)。打刻受付処理部20は,従業員識別情報と打刻時刻とに基づいて勤務情報記憶部24を参照し,当該従業員の勤務計画を特定する。そして打刻受付処理部20は,特定した勤務計画における始業時刻,終業時刻と,打刻時刻とを比較し,出退勤のいずれであるかを判定する(S210)。すなわち,打刻時刻が始業時刻と近ければ「出勤」と判定し,打刻時刻が終業時刻と近ければ「退勤」と判定する。なお,出退勤の判定は,上記のほか,出勤時刻が打刻されていなければ「出勤」と判定し,出勤時刻が打刻されていれば「退勤」と判定をするようにしてもよい。また出退勤の判定は,ほかの方法によってもよい。
【0048】
そして打刻受付処理部20は,従業員識別情報と出退勤の情報と打刻時刻とに基づいて,「出勤」と判定した場合には,従業員識別情報に対応づけて出勤時刻を就業状況情報記憶部23にに記憶させ,「退勤」と判定した場合には,従業員識別情報に対応づけて退勤時刻を就業状況情報記憶部23に記憶させる(S220)。
【0049】
また乖離判定処理部21は,出勤時刻と始業基準時刻,または退勤時刻と終業基準時刻とを比較し,乖離があるかを判定する(S230)。
【0050】
そして乖離がないと判定した場合,
図6に示す打刻完了画面を入力端末3に表示させる。
【0051】
一方,乖離があると判定した場合,
図7に示す乖離理由入力画面を入力端末3に表示させる。そして,従業員は,入力端末3に表示される乖離理由入力画面から該当する乖離理由のボタン102a〜102hのいずれかを押下する。
【0052】
乖離理由のボタン102a〜102hが押下されると,乖離理由の情報が入力端末3から管理端末2に送られ,管理端末2の乖離理由入力受付処理部22でその入力を受け付ける(S240)。そして,乖離理由入力受付処理部22は,受け付けた乖離理由を,当該従業員識別情報に対応づけて就業状況情報記憶部23に記憶させる。
【0053】
そして乖離理由入力受付処理部22は,乖離理由の入力を受け付けると,
図8に示すように乖離理由を入力した場合の打刻完了画面を入力端末3に表示させる。
【0054】
以上のような処理を実行することで,従業員は乖離理由の記憶が鮮明なうちに,また従業員の負担もほとんどなく乖離理由を登録することができ,組織体にとっても,従業員の就業状況を適切に管理することができる。また従業員は,出退勤の選択も不要となる。