(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6814813
(24)【登録日】2020年12月23日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】リード・フレーム・セクションを有するオプトエレクトロニクス部品
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20210107BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20210107BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/60
H01L23/48 Y
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-544536(P2018-544536)
(86)(22)【出願日】2017年2月24日
(65)【公表番号】特表2019-512167(P2019-512167A)
(43)【公表日】2019年5月9日
(86)【国際出願番号】EP2017054382
(87)【国際公開番号】WO2017144691
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2018年8月23日
(31)【優先権主張番号】102016103354.5
(32)【優先日】2016年2月25日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィットマン ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】ブランドル マルチン
【審査官】
吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−231068(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102014111483(DE,A1)
【文献】
特開2013−179271(JP,A)
【文献】
特開2015−188081(JP,A)
【文献】
特開2014−049594(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/122665(WO,A1)
【文献】
特開2002−084004(JP,A)
【文献】
特開2015−015265(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0269269(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのリード・フレーム・セクション(1、2)を有するオプトエレクトロニクス部品であって、
オプトエレクトロニクス素子(22)が前記リード・フレーム・セクション(1、2)上に配置され、
モールド材料(20)が前記リード・フレーム・セクション(1、2)の少なくとも第1の面に付着され且つ前記第1の面により前記リード・フレーム・セクション(1、2)に接着で結合され、
前記リード・フレーム・セクションが所定の材料から構成され、
前記リード・フレーム・セクション(1、2)の前記第1の面の一部がコーティング(9)を備え、
前記第1の面の一部の領域(10、11、12、13、14、15、18、19、26、29)は前記コーティング(9)を有しないフリー領域であり、
前記モールド材料(20)が前記フリー領域(10、11、12、13、14、15、18、19、26、29)で前記リード・フレーム・セクション(1、2)の前記材料に結合され、
前記フリー領域(10、11、12、13、14、15、18、19、26、29)が前記コーティング(9)を、当該コーティング(9)の中央領域(16、17)および当該コーティング(9)の外側境界領域(51)に細分化し、
前記素子(22)が前記コーティング(9)の前記中央領域(16、17)に配置され、
前記第1の面が前記リード・フレーム・セクション(1、2)の上側に環状に形成され、
前記モールド材料(20)が環状に形成され且つ凹部(21)の境界を規定し、
前記素子(22)が前記凹部(21)内に配置され、
前記コーティング(9)が前記リード・フレーム・セクション(1、2)の前記上側に配置され、
前記フリー領域(18)が前記素子を環状に取り囲み且つ前記モールド材料(20)の下に配置され、
前記フリー領域が前記コーティング(9)の前記中央領域(16)を前記コーティング(9)の環状の前記外側境界領域(51)から分離しており、
前記凹部(21)内には、前記素子(22)を封止する封止材料(25)が充填されている、
オプトエレクトロニクス部品。
【請求項2】
前記リード・フレーム・セクション(1、2)が、第1のリード・フレーム・セクション(1)と、第2のリード・フレーム・セクション(2)と、により構成され、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)からある距離に配置され、
前記第1及び第2のリード・フレーム・セクション(1、2)がそれぞれの第1の側端部(31、41)を互いに向き合わせて配置され、
前記第1及び第2のリード・フレーム・セクション(1、2)が前記モールド材料(20)により互いに結合され、
前記第1の面が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記上側に部分的に環状に形成され、
前記第1の面の端部が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の側端部(31)に隣接し、
前記モールド材料(20)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の面上に部分的に環状に形成され、
前記コーティング(9)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記上側に配置され、
前記第1のリード・フレーム・セクションの前記コーティング(9)の前記フリー領域(10、11、12、18)が前記中央領域(16、17)のうちの一方領域である第1の中央領域(16)を前記コーティング(9)の前記外側境界領域(51)から分離し、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記上側には前記コーティング(9)があり、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記コーティング(9)には前記フリー領域があり、
前記フリー領域が前記コーティング(9)の前記中央領域(16、17)のうちの他方領域である第2の中央領域(17)を前記コーティング(9)の前記外側境界領域から分離し、
前記モールド材料(20)が前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記上側に部分的に環状に配置され、
前記フリー領域が前記モールド材料(20)の下に配置され、
前記フリー領域が前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記第1の側端部(41)から前記第2の中央領域(17)を周り前記第1の側端部(43)に戻るように環状に導かれ、
前記モールド材料(20)が環状に形成され且つ前記凹部(21)を取り囲み、
前記凹部(21)が前記第1および第2のリード・フレーム・セクション(1、2)の前記上側の面にわたり広がる、
請求項1に記載の部品。
【請求項3】
前記第1および/または前記第2のリード・フレーム・セクション(1、2)の前記コーティング(9)の前記フリー領域(10、11、12、13、14、15、18、19)が部分的に環状にもしくはU字型に形成される、
請求項2に記載の部品。
【請求項4】
前記リード・フレーム・セクション(1、2)には側端部(31、41)の一部にコーティング(9)があり、
前記側端部(31、41)の他の一部は、前記コーティング(9)を有しないフリー領域(26、29)となっており、
前記モールド材料(20)が前記側端部(31、41)をカバーする、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の部品。
【請求項5】
前記リード・フレーム・セクション(1、2)には、第1の側端部(31、41)の一部にコーティング(9)があり、
前記第1の側端部(31、41)の他の一部は、前記コーティング(9)を有しないフリー領域(26、29)となっており、
前記モールド材料(20)が前記第1の側端部(31、41)をカバーする、
請求項4に記載の部品。
【請求項6】
前記第1の側端部(31、41)の前記フリー領域(26、29)が少なくとも前記凹部(21)の幅にわたって延びる、
請求項5に記載の部品。
【請求項7】
前記素子(22)は発光ダイオードを有する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の部品。
【請求項8】
前記リード・フレーム・セクション(1、2)の前記材料が金属である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の部品。
【請求項9】
前記コーティング(9)が金属を含む、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の部品。
【請求項10】
前記コーティング(9)がニッケルおよび/または銀および/またはパラジウムおよび/または金を含む、
請求項9に記載の部品。
【請求項11】
前記フリー領域(10、11、12、13、14、15、18、19、26、29)の幅が、0.8mm未満の範囲内である、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の部品。
【請求項12】
前記リード・フレーム・セクション(1、2)が、第1のリード・フレーム・セクション(1)と、第2のリード・フレーム・セクション(2)と、により構成され、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)からある距離に配置され、
前記第1及び第2のリード・フレーム・セクション(1、2)がそれぞれの第1の側端部(31、41)を互いに向き合わせて配置され、
前記第1及び第2のリード・フレーム・セクション(1、2)が前記モールド材料(20)により互いに結合され、
前記第1の面が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記上側に部分的に環状に形成され、
前記第1の面の端部が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の側端部(31)に隣接し、
前記モールド材料(20)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の面上に部分的に環状に形成され、
前記コーティング(9)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記上側に配置され、
前記第1のリード・フレーム・セクションの前記コーティング(9)の前記フリー領域(10、11、12、18)が前記中央領域(16、17)のうちの一方領域である第1の中央領域(16)を前記コーティング(9)の前記外側境界領域(51)から分離し、
前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記コーティング(9)の前記フリー領域(10、11、12、18)は、U字型に形成され、
前記フリー領域(10、11、12、18)の前記U字型は、前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の側端部(31)から始まって、前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の側端部(31)で終端し、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記上側には前記コーティング(9)があり、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記コーティング(9)には前記フリー領域があり、
前記フリー領域が前記コーティング(9)の前記中央領域(16、17)のうちの他方領域である第2の中央領域(17)を前記コーティング(9)の前記外側境界領域から分離し、
前記モールド材料(20)が前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記上側に部分的に環状に配置され、
前記フリー領域が前記モールド材料(20)の下に配置され、
前記フリー領域が前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記第1の側端部(41)から前記第2の中央領域(17)を周り前記第1の側端部(43)に戻るように環状に導かれ、
前記モールド材料(20)が環状に形成され且つ前記凹部(21)を取り囲み、
前記凹部(21)が前記第1および第2のリード・フレーム・セクション(1、2)の前記上側の面にわたり広がり、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記コーティング(9)の前記フリー領域(13、14、15、19)は、U字型に形成され、
前記フリー領域(13、14、15、19)の前記U字型は、前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記第1の側端部(41)から始まって、前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記第1の側端部(41)で終端する、
請求項1に記載の部品。
【請求項13】
前記リード・フレーム・セクション(1、2)が、第1のリード・フレーム・セクション(1)と、第2のリード・フレーム・セクション(2)と、により構成され、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)からある距離に配置され、
前記第1及び第2のリード・フレーム・セクション(1、2)がそれぞれの第1の側端部(31、41)を互いに向き合わせて配置され、
前記第1及び第2のリード・フレーム・セクション(1、2)が前記モールド材料(20)により互いに結合され、
前記第1の面が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記上側に部分的に環状に形成され、
前記第1の面の端部が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の側端部(31)に隣接し、
前記モールド材料(20)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の面上に部分的に環状に形成され、
前記コーティング(9)が前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記上側に配置され、
前記第1のリード・フレーム・セクションの前記コーティング(9)の前記フリー領域(10、11、12、18)が前記中央領域(16、17)のうちの一方領域である第1の中央領域(16)を前記コーティング(9)の前記外側境界領域(51)から分離し、
前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記コーティング(9)の前記フリー領域(10、11、12、18)は、U字型に形成され、
前記フリー領域(10、11、12、18)の前記U字型は、前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の側端部(31)から始まって、前記第1のリード・フレーム・セクション(1)の前記第1の側端部(31)で終端し、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記上側には前記コーティング(9)があり、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記コーティング(9)には前記フリー領域があり、
前記フリー領域が前記コーティング(9)の前記中央領域(16、17)のうちの他方領域である第2の中央領域(17)を前記コーティング(9)の前記外側境界領域から分離し、
前記モールド材料(20)が前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記上側に部分的に環状に配置され、
前記フリー領域が前記モールド材料(20)の下に配置され、
前記フリー領域が前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記第1の側端部(41)から前記第2の中央領域(17)を周り前記第1の側端部(43)に戻るように環状に導かれ、
前記モールド材料(20)が環状に形成され且つ前記凹部(21)を取り囲み、
前記凹部(21)が前記第1および第2のリード・フレーム・セクション(1、2)の前記上側の面にわたり広がり、
前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記コーティング(9)の前記フリー領域(13、14、15、19)は、U字型に形成され、
前記フリー領域(13、14、15、19)の前記U字型は、前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記第1の側端部(41)から始まって、前記第2のリード・フレーム・セクション(2)の前記第1の側端部(41)で終端し、
前記第1及び第2のリード・フレーム・セクション(1、2)の前記フリー領域(10、11、12、13、14、15)は、当該リード・フレーム・セクション(1、2)の前記コーティング(9)の前記中央領域(16、17)を前記コーティング(9)の境界領域(51)から分離する真直ぐな細長い形状に形成される、
請求項1に記載の部品。
【請求項14】
前記第1及び/又は第2のリード・フレーム・セクション(1、2)の前記コーティング(9)の前記境界領域(51)は、境界素子(3、4、5、6、7、8)を有し、
前記第1及び/又は第2のリード・フレーム・セクション(1、2)の前記境界素子(3、4、5、6、7、8)は、前記モールド材料(20)の外側側面と隣接する、
請求項2、3、12又は13のいずれか一項に記載の部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リード・フレーム・セクションを有するオプトエレクトロニクス部品、および部品を製作するための方法に関する。
【0002】
この特許出願は、独国特許出願DE102016103354.5号明細書の優先権を主張するものであり、その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
LEDが上に配置されるリード・フレームをハウジング材料中に埋め込むことが、先行技術では知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、リード・フレーム・セクションが単純な手段によりモールド材料に確実に結合されているリード・フレーム・セクションを有するオプトエレクトロニクス部品を提供することである。目的はさらに、部品を製作するための単純な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、独立特許請求項により達成される。
【0006】
さらなる実施形態が従属請求項に特定されている。
【0007】
説明する部品の1つの利点は、リード・フレーム・セクション上のモールド材料の優れた接着性が単純な製作方法により達成されることである。これは、モールド材料をリード・フレーム・セクションに付着する表面の一部にはリード・フレーム・セクションのコーティングがないことにより達成される。
【0008】
この目的を達成するために、少なくとも1つのリード・フレーム・セクションを有するオプトエレクトロニクス部品を提案し、オプトエレクトロニクス素子がリード・フレーム・セクション上に配置され、モールド材料がリード・フレーム・セクションの少なくとも第1の面に付着され且つ第1の面によりリード・フレーム・セクションに接着で結合され、リード・フレーム・セクションがある材料から構成され、リード・フレーム・セクションの第1の面の一部がコーティングを備え、第1の面の少なくとも1つの第1の領域にはコーティングがない。
【0009】
部品の1つの実施形態では、フリー領域がコーティングを中央領域および外側境界領域に細分化し、素子が中央領域に配置される。この実施形態は、フリー領域をコーティングに簡単に、特に後で導入することが可能であるという利点を提供する。モールド材料の接着の改善のために、狭いフリー領域、特に細長い形状の領域が十分なことがある。
【0010】
1つの実施形態では、第1の面がリード・フレーム・セクションの上側に環状に形成され、モールド材料が同様に、環状に形成され且つ凹部の範囲を定める。素子が凹部内に配置され、コーティングがリード・フレーム・セクションの上側に配置される。フリー領域が素子を環状に取り囲み且つモールド材料の下に配置される。フリー領域がコーティングの中央領域をコーティングの外側境界領域から分離する。
【0011】
1つの実施形態では、第1の面がリード・フレーム・セクションの上側に部分的に環状に形成され且つリード・フレーム・セクションの側端部に端部で隣接する。モールド材料がリード・フレーム・セクション上に部分的に環状に形成され且つ凹部の一部と境を接する。コーティングがリード・フレーム・セクションの上側に配置される。素子が凹部内のコーティングの中央領域に配置される。フリー領域が素子を部分的に環状に取り囲み且つモールド材料の下に配置される。フリー領域がコーティングをコーティングの部分的に環状の外側境界領域から分離する。
【0012】
1つの実施形態では、第2のリード・フレーム・セクションが用意され、第2のリード・フレーム・セクションが第1のリード・フレーム・セクションからある距離に配置される。リード・フレーム・セクションがそれぞれの第1の側端部を互いに向き合わせて配置され、2つのリード・フレーム・セクションがモールド材料により互いに結合される。第1の面が第1のリード・フレーム・セクションの上側に部分的に環状に形成され、第1の面の端部がリード・フレーム・セクションの第1の側端部に隣接する。コーティングが第1のリード・フレーム・セクションの上側に配置され、コーティングのフリー領域が第1の中央領域をコーティングの外側境界領域から分離し且つ第1の面に配置される。モールド材料が第1のリード・フレーム・セクションの第1の面に部分的に環状に形成される。第2のリード・フレーム・セクションには、上側にコーティングがある。モールド材料が環状に形成され且つ凹部を取り囲む。凹部が第1および第2のリード・フレーム・セクションの上側の分割面にわたって広がる。モールド材料が第2のリード・フレーム・セクションの上側に部分的に環状に配置される。第2のリード・フレーム・セクションのコーティングにはフリー領域があり、フリー領域がコーティングの第2の中央領域をコーティングの外側境界領域から分離する。フリー領域がモールド材料の下に配置され、フリー領域が環状に第2のリード・フレーム・セクションの第1の側端部から第2の中央領域を周って第1の側端部に戻るように導かれる。このようにして、モールド材料の優れた接着が、互いに結合された2つのリード・フレーム・セクションの場合でも実現される。
【0013】
1つの実施形態では、第1および/または第2のリード・フレーム・セクションのコーティングのフリー領域が、部分的に環状におよび/またはU字型におよび/または角度付きのU字型の形状に形成される。フリー領域のこれらの幾何学的形状を簡単且つ精密に製作することが可能である。
【0014】
1つの実施形態では、リード・フレーム・セクションには、側端部にコーティングがあり、フリー領域が側端部のコーティングに形成され、モールド材料が側端部をカバーする。このようにして、モールド材料の接着の改善を、リード・フレーム・セクションの側端部でも実現することが可能である。
【0015】
1つの実施形態では、リード・フレーム・セクションには、第1の側端部にコーティングがあり、フリー領域が第1の側端部のコーティングに形成され、第1の側端部のフリー領域が凹部の少なくとも幅にわたって延びる。このようにして、リード・フレーム・セクションの側端部とモールド材料との間の接着および/または封止の改善が、特に凹部の領域内で実現される。
【0016】
1つの実施形態では、素子が、発光ダイオードの形態である。特に、発光ダイオードの場合では、リード・フレーム・セクションとモールド材料との間の信頼性の高い機械的結合部が有利である。
【0017】
1つの実施形態では、リード・フレーム・セクションの材料が、金属、特に銅である。
【0018】
1つの実施形態では、コーティングが金属を含む。金属を用いて、所望の光学的特性および化学的特性を簡単且つ経済的に実現することが可能である。コーティングが、ニッケルおよび/または銀および/またはパラジウムおよび/または金を含むことがある。
【0019】
1つの実施形態では、リード・フレーム・セクションが、モールド材料に少なくとも部分的に埋め込まれる。このようにして、リード・フレーム・セクションの保護の改善を実現することが可能である。モールド材料が、ハウジングの一部を形成することがある。したがって単純な構造が可能になる。
【0020】
モールド材料とリード・フレーム・セクションとの間の接着および/または耐漏洩性(leaktightness)の改善が、非常に狭いフリー領域を用いてすでに実現できている。例えば、フリー領域の幅は、0.8mm未満、特に0.5mm未満であってもよい。選択する実施形態に応じて、フリー領域の幅は、0.2mm未満であってもよい。特に、フリー領域の幅は、100μm未満、特に50μm未満であってもよく、例えば10μmの範囲内であってもよい。100μm未満の範囲内の幅、特に10μmの幅を有するフリー領域でさえ、接着および封止の改善をもたらす。特に、小さな幅を有するフリー領域を、例えば、レーザ・ビームを用いてコーティングに迅速且つ精密に導入することが可能である。このようにして、フリー領域を、小面積リード・フレーム・セクションにも設けることが可能である。
【0021】
少なくとも1つのリード・フレーム・セクションを有するオプトエレクトロニクス部品を製作するための方法が提案され、オプトエレクトロニクス部品がリード・フレーム・セクション上に配置され、リード・フレーム・セクションがある材料から構成され、リード・フレーム・セクションの表面の一部はコーティングを備え、第1の面の少なくとも第1の領域がコーティングのないままであり、モールド材料が第1のリード・フレーム・セクションの少なくとも第1の面上に付着され、第1のリード・フレーム・セクションの接着結合部に入り込む。
【0022】
1つの実施形態では、コーティングが、第1の面に最初に付着され、コーティングが第1の領域内でその後除去される。このようにして、第1の領域の精密な形状を、製作することが可能である。
【0023】
1つの実施形態では、第1の面の第1の領域が、コーティングの付着中にカバー部材を用いてカバーされ、コーティングが、第1の領域の外側の第1の面に付着される。これが、単純な手段でフリー領域を製作することを可能にする。
【0024】
本発明を、図を用いて下記により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】2つのリード・フレーム・セクションの概略図である。
【
図2】コーティングありおよびコーティング無しの領域を上から見た2つのリード・フレーム・セクションの図である。
【
図3】モールド材料に埋め込まれているリード・フレーム・セクションを表す図である。
【
図6】リード・フレーム・セクションを有するさらなる部品の図である。
【
図7】第1および第2のリード・フレーム・セクションの側面図である。
【
図9】ポイント面の形態のフリー領域を有する2つのリード・フレーム・セクションの図である。
【
図10】ポイント面の形態のフリー領域を有する2つのさらなるリード・フレーム・セクションの図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、概略斜視図で第1のリード・フレーム・セクション1および第2のリード・フレーム・セクション2を示している。リード・フレーム・セクションを、例えば、金属、特に銅からスタンピングおよび/またはエッチングにより製作する。リード・フレーム・セクション1、2には、側面に、ストリップ状の境界素子、いわゆるタイバー3、4、5、6、7、8がある。化学的特性および光学的特性の改善のために、リード・フレーム・セクション1、2の少なくとも上側に、
図2に概略的に示したように、コーティング9を設ける。コーティング9は、例えば、電磁放射の反射を大きくできる。さらに、コーティングは、リード・フレーム・セクションの材料の電気的接触を容易にできるおよび/または材料を保護できる。
【0027】
図2は、上方からのリード・フレーム・セクション1、2を示しており、リード・フレーム・セクション1、2の上側に、コーティング9を設けている。例えば、ニッケル−銀合金を、コーティング用に使用できる。コーティングは、ニッケルおよび/または銀および/またはパラジウムおよび/または金を含むまたはそれらからなることがある。
【0028】
コーティング9は、他の金属または合金を含むまたはそれらからなってもよい。さらに、リード・フレーム・セクション1、2には、コーティング9のないフリー領域10、11、12、13、14、15がある。提示した例示的な実施形態では、フリー領域10、11、12、13、14、15を真直ぐな細長い領域の形態に構成し、その細長い領域が、リード・フレーム・セクション1、2のコーティング9の中央領域16、17をコーティング9の境界領域51から、特に境界素子3、4、5、6、7、8を有する境界領域から分離する。真直ぐな細長い形状の代わりに、フリー領域は、線形形状、ポイントまたは他の表面形状であってもよい。
【0029】
さらに、例えば、細長い形状のフリー領域のうちの1つだけ、または複数の細長い形状のフリー領域を、第1のリード・フレーム・セクション1の上側に設けることができる。第3のフリー領域12を、第1のリード・フレーム・セクション1の第1の側端部31から第1のリード・フレーム・セクション1の反対の第2の側端部32まで導く。第1のフリー領域10を、第3のフリー領域12とは反対に配置し、第1のリード・フレーム・セクション1の第1の側端部31から第1のリード・フレーム・セクション1の反対の第2の側端部32まで導く。第2のフリー領域11を、同様に狭い細長い領域として構成し、第3のフリー領域12および第1のフリー領域10に垂直に、したがって第2の側端部32に平行に配置する。細長い形状の第3のフリー領域12を、第1のリード・フレーム・セクション1の第3の側端部33に平行に配置する。細長い形状の第1のフリー領域10を、第1のリード・フレーム・セクション1の第4の側端部34に平行に配置する。
【0030】
細長い形状の第1、第2および第3のフリー領域10、11、12は、隣接する側端部32、33、34からある横方向距離35にあり、側端部に平行にフリー領域が導かれ、横方向距離35は、それぞれの細長い形状のフリー領域10、11、12の長手方向の長さに垂直に第1のリード・フレーム・セクション1の幅の1/4未満または1/5未満である。横方向距離35を、0.5mm未満、特に150μm未満とすることができる。細長い形状のフリー領域の幅を、その長手方向の長さに垂直に、1mm以下の範囲内とすることができる。
【0031】
例えば、長手方向の長さに垂直なフリー領域の幅を、0.8mm未満、特に0.5mm未満とすることができる。選択する実施形態に応じて、フリー領域の幅は、0.2mm未満であってもよい。特に、フリー領域の幅は、100μm未満、特に50μm未満であってもよく、例えば10μmの範囲内であってもよい。試験は、幅が10μmの範囲内であるフリー領域でさえ、接着および封止の改善をもたらすことを示している。特に、小さな幅のフリー領域を、例えばレーザ・ビームを用いてコーティングに迅速且つ精密に導入することが可能である。
【0032】
このようにして、第2の側端部32、第3の側端部33および第4の側端部34に隣接している第1のリード・フレーム・セクション1のコーティング9の外側境界領域51を、第1、第2および第3のフリー領域10、11、12のU字形の構造によりコーティング9の第1の中央領域16から分離する。このようにして、境界素子3、4、8をも、細長い形状の第1、第2および第3のフリー領域10、11、12によりコーティング9の第1の中央領域16から分離する。
【0033】
第1の側端部31からそれぞれ始まる第1および第3の細長い形状のフリー領域10、12は、第2の側端部32からある距離でも終端することができる。しかしながら、第2の側端部32に沿って配置された第2のフリー領域11にとって、一方の端部が第1のフリー領域10に開き、他方の端部が第3のフリー領域12に開くことは有利である。このようにして、結合されたフリー領域10、11、12で、第1の中央領域16の周りにリングの形状に連続的に延びる構造を、コーティング9に設ける。環状の周囲の構造が、角度付きのU字形状、または他の形状であってもよい。
【0034】
さらに、例えば、細長い形状のフリー領域のうちの1つだけ、または複数のフリー領域13、14、15を、第2のリード・フレーム・セクション2の上側のコーティング9に設けることができる。第4のフリー領域13を、第2のリード・フレーム・セクション2の第1の側端部41から反対の第2の側端部42まで導く。第6のフリー領域15を、第4のフリー領域13の反対に配置し、第1の側端部41から第2のリード・フレーム・セクション1の反対の第2の側端部42まで同様に導く。第5のフリー領域14を、狭い細長い領域として同様に構成し、第4のフリー領域13および第6のフリー領域15に垂直に、したがって第2の側端部42に平行に配置する。細長い形状の第4のフリー領域13を、第2のリード・フレーム・セクション2の第3の側端部43に平行に配置する。細長い形状の第6のフリー領域15を、第2のリード・フレーム・セクション2の第4の側端部44に平行に配置する。細長い形状の第4、第5および第6のフリー領域13、14、15は、隣接する側端部42、43、44からある横方向距離35にあり、側端部に平行にフリー領域が導かれ、横方向距離35は、それぞれの細長い形状のフリー領域13、14、15の長手方向の長さに垂直に第2のリード・フレーム・セクション2の幅の1/4未満または1/5未満である。横方向距離35を、0.5mm未満、特に150μm未満とすることができる。細長い形状の第4、第5および/または第6のフリー領域の幅を、その長手方向の長さに垂直に、1mm以下の範囲内とすることができる。
【0035】
例えば、フリー領域の幅を、0.8mm未満、特に0.5mm未満とすることができる。選択する実施形態に応じて、フリー領域の幅は、0.2mm未満であってもよい。特に、フリー領域の幅は、100μm未満、特に50μm未満であってもよく、例えば10μmの範囲内であってもよい。試験は、10μmの範囲内の幅を有するフリー領域でさえ、接着および封止の改善をもたらすことを示している。特に、小さな幅のフリー領域を、例えばレーザ・ビームを用いてコーティングに迅速且つ精密に導入することが可能である。
【0036】
このようにして、第2の側端部42、第3の側端部43および第4の側端部44を有する第2のリード・フレーム・セクション2のコーティング9の外側境界領域51を、第4、第5および第6のフリー領域13、14、15の連続的なU字形構造によりコーティング9の第2の中央領域17から分離する。このようにして、境界素子5、6、7をも、細長い形状のフリー領域13、14、15によりコーティング9の第2の中央領域17から分離する。
【0037】
細長い形状の第4および第6のフリー領域13、15を、第1の側端部41までそれぞれ導くことができる、またはそれらフリー領域は第2の側端部42からある距離で終端することができる。しかしながら、第2の側端部42に沿って配置された第5のフリー領域14にとって、一方の端部が第4のフリー領域13に開き、他方の端部が第6のフリー領域15に開くことが有利である。このようにして、結合されたフリー領域13、14、15で、第2の中央領域17の周りにリングの形状に連続的に延びる構造を、コーティング9に設ける。
【0038】
図3は、第7および第8のフリー領域18、19をリード・フレーム・セクション1、2のコーティング9に2つのU字型の線の形態に構成している実施形態を示している。同様にこの実施形態では、フリー領域18、19によって、第1のリード・フレーム・セクション1の第2、第3および第4の側端部32、33、34に隣接するコーティング9の外側境界領域51が第1の中央領域16から分離され、そして第2のリード・フレーム・セクション2の第2、第3および第4の側端部42、43、44に隣接するコーティング9の外側境界領域51が第2の中央領域17から分離される。したがって、対応する境界素子3、4、5、6、7、8は、第7および第8のフリー領域18、19によって中央領域16、17からも分離される。同様にこの実施形態では、フリー領域18、19を、U字型の線形状に沿って配置されたポイントの形態に構成することができる。
【0039】
第1のリード・フレーム・セクション1のコーティング9の第7のフリー領域18の形状は、U字型であり、U字型の2つの端部が第1のリード・フレーム・セクション1の第1の側端部31で終端する。第2のリード・フレーム・セクション2のコーティング9の第8のフリー領域19の形状は、U字型であり、U字型の2つの端部が第2のリード・フレーム・セクション2の第1の側端部41で終端する。U字型の代わりに、第7および第8の領域18、19の形状は、角度付きのU字型もしくは部分円の形状、または別の周囲形状であってもよく、これがコーティング9の中央領域16、17をコーティング9の外側境界領域51から分離する。第7および第8のフリー領域18、19の端部は、それぞれのリード・フレーム・セクション1、2の第1の側端部31、41までそれぞれ導かれるはずである。
【0040】
図2および
図3のフリー領域10から15、18、19を、例えば、コーティング9の堆積中に保護層、例えばフォトレジスト、または機械的なマスクを用いてカバーされるフリー領域10から15、18、19の面により製作することができる。コーティング9を、例えば、電解コーティング法を用いて堆積することができる。さらに、選択する実施形態に応じて、第1および第2のリード・フレーム・セクション1、2の表面全体に、コーティング9を設けることができ、そしてフリー領域10から15および18、19を、その後、コーティング9の対応する除去により所望の形状に製作することができる。例えば、フリー領域10から15および18、19を、レーザ・アブレーション法を用いて製作することができ、目的とするフリー領域10から15および18、19の面領域のレーザ・アブレーションによりリード・フレーム・セクション1、2の表面からコーティング9を除去する。
【0041】
その後、
図2のリード・フレーム・セクション1、2の実施形態について概略的に
図4に示したように、モールド材料20をリード・フレーム・セクション1、2の上に付着する。この場合では、リード・フレーム・セクション1、2を、境界領域の少なくとも上側をモールド材料20によりカバーし、モールド材料が、中央領域16、17から始まり外に向かってリード・フレーム・セクションの側端部まで第1、第2、第3、第4、第5、および第6のフリー領域10から15にわたって導かれる。第1、第2、第3、第4、第5、および第6のフリー領域10、11、12、13、14、15が、破線の形態で示されている。さらに、2つのリード・フレーム・セクション1、2を、モールド材料20により所定の距離で互いに結合する。第1のリード・フレーム・セクション1の第1の側端部31と第2のリード・フレーム・セクション2の第1の側端部41との間に、平坦面50をモールド材料20から形成する。したがって、リード・フレーム・セクション1、2の半環状の境界領域を、モールド材料20によりそれぞれカバーする。リード・フレーム・セクション1、2の中央領域16、17には、少なくとも部分的にモールド材料20がない。コーティング9のフリー領域10から15を、モールド材料20によりカバーする。モールド材料20には、モールド材料20によりフレームの形態に環状に範囲を定められた凹部21がある。凹部21は、モールド材料20の上側から中央領域16、17内のリード・フレーム・セクション1、2の上側まで広がる。凹部21は、環状に構成されたモールド材料20により、リード・フレーム・セクション1、2の表面の露出したサブ領域により、そして2つのリード・フレーム・セクション1、2の第1の側端部31、41の間の中間領域ではモールド材料20から構成される平坦面50により境界を形成される。モールド材料の平坦面50を、リード・フレーム・セクション1、2の上側と同じ高さに配置する。フリー領域10から15の領域内では、リード・フレーム・セクションの材料とモールド材料との間に、直接結合が形成される。このようにして、機械的な接着結合部を改善する。さらに、リード・フレーム・セクションとモールド材料との間の封止の改善を実現する。
【0042】
選択する実施形態に応じて、モールド材料20内にリード・フレーム・セクション1、2を埋め込んでいるあいだに、凹部21を製作することができる。さらに、モールド材料20を除去することにより、凹部21をも後で製作することができる。その後、オプトエレクトロニクス素子22を、第1のリード・フレーム・セクション1の第1の中央領域16に載置する。さらに、例えば、ボンド・ワイア23を用いて、素子22と第2のリード・フレーム・セクション2との間に導電性結合部を形成する。
【0043】
その後、凹部21を、封止材料25で封止する。この方法ステージを、
図4にも示しており、モールド材料20を透明に示している。このようにして、素子22の封止を実現する。モールド材料20とコーティング9のフリー領域10、11、12、13、14、15との間のより優れた封止のために、リード・フレーム・セクション1、2とモールド材料20との間での液体モールド材料の流れを回避する。
【0044】
フリー領域10から15は、リード・フレーム・セクション1、2の材料とモールド材料20との間の直接接触を可能にする。これが、モールド材料20とフリー領域10から15との間の強い結合を可能にする、すなわち大きな接着力を有する優れた接着および/または優れた表面接着を実現する。特に、リード・フレーム・セクションの銅表面間の優れた接着を実現する。このようにして、モールド材料とリード・フレーム・セクションとの間の結合部の機械的な安定性を、さらに改善する。加えて、モールド材料とリード・フレーム・セクションとの間の耐湿結合部を実現することが可能である。このようにして、オプトエレクトロニクス素子への水分の侵入を困難にし、特に防止する。さらに、他の液体、例えば融剤、スズ残渣、洗浄液、等の侵入または通過流を、困難にするまたは回避することが可能である。
【0045】
図4を用いると、リード・フレーム・セクション1、2の境界素子3、4、5、6、7、8がモールド材料20の外側側面に隣接することが分かる。これは、水分が露出した境界素子3乃至8を通って素子22に侵入することがあるというリスクを必然的にともなう。第1または第2のリード・フレーム・セクション1、2上のコーティング9の中央領域16、17の周りに配置されたフリー領域のために、しかしながら、非常にぴったりとした結合部を、モールド材料とリード・フレーム・セクションとの間に実現する。したがって、水分は、このバリア領域を通って移動できない。選択する実施形態に応じて、リード・フレーム・セクション1、2の境界素子3、4、5、6、7、8を省略することができ、そしてリード・フレーム・セクション1、2をも、モールド材料20に横に埋め込む。
【0046】
レーザまたはフォトレジスト技術を用いて、リード・フレーム・セクション1、2の表面上にコーティング9を広範囲に付着した後で、且つコーティング9上にモールド材料20を付着する前に、精密な面を有する非常に小さなフリー領域10から15を、リード・フレーム・セクション1、2の上側のコーティング9に製作することができる。したがって、この方法はまた、非常に小さな部品の場合に、コーティング9を有するリード・フレーム・セクション1、2の表面の大きな領域を設けるために、そして単にリード・フレーム・セクション1、2の材料を露出させ且つコーティング9を除去した小さなフリー領域を設けるために使用することができる。素子22にとっての優れた封止を、リード・フレーム・セクションの材料とモールド材料との間の直接接触によって実現する。したがって部品の封止の長期間安定性を改善する。
【0047】
図4の実施形態では、リード・フレーム・セクション1、2の側端部31、32、33、34、41、42、43、44を、モールド材料により少なくとも部分的にカバーする。第1のリード・フレーム・セクション1の第1の側端部31および第2のリード・フレーム・セクション2の第1の側端部41を、モールド材料20により完全にカバーする。さらに、第1のリード・フレーム・セクション1の第1の側端部31および第2のリード・フレーム・セクション2の第1の側端部41は、平坦面50および封止材料25で埋められた凹部21に隣接する。
【0048】
選択する実施形態に応じて、第1のリード・フレーム・セクション1の側端部31、32、33、34および/または第2のリード・フレーム・セクション2の側端部41、42、43、44にも、コーティング9を設けることができる。さらに、フリー領域をも、第1および第2のリード・フレーム・セクション1、2の側端部31、32、33、34、41、42、43、44に設けることができ、フリー領域にはリード・フレーム・セクション1、2の材料上にコーティング9が配置されない、またはコーティング9を付着した後で、フリー領域をコーティング9に導入している。
【0049】
特に、第2のリード・フレーム・セクション2の第1の側端部41には、コーティング9を設けることができる。コーティング9には、第9のフリー領域26を第1の側端部41に設ける。第9のフリー領域26は、例えば、真直ぐな細長い領域の形態に構成され、且つ第1の側端部41の全長にわたり横断方向に延びる。提示した例では、第9のフリー領域26は、第3の側端部43および第4の側端部44に隣接する。選択する実施形態に応じて、第9のフリー領域26も、第3および第4の側端部43、44から所定の距離で終端する。有利なことに、第9のフリー領域26は、凹部21の少なくとも全幅にわたり延びる。
【0050】
第1のリード・フレーム・セクション1の反対の第1の側端部31には、コーティング9が同様に設けられる。さらに、第10のフリー領域29を、第1のリード・フレーム・セクション1の第1の側端部31のコーティング9に導入する。第10のフリー領域29は、真直ぐな細長い領域の形態に構成され、第1の側端部31の全長にわたり横断方向に延びる。フリー領域29は、第3の側端部33および第4の側端部34に隣接する。選択する実施形態に応じて、第10のフリー領域29も、第3および第4の側端部33、34から所定の距離で終端する。有利なことに、第10のフリー領域29は、凹部21の少なくとも全幅にわたり延びる。
【0051】
図5は、封止材料25およびモールド材料20がハウジング24を構成している
図4の配置を示している。
【0052】
選択する実施形態に応じて、オプトエレクトロニクス部品には、
図6に概略的に示したように、オプトエレクトロニクス素子22が配置されている1つだけのリード・フレーム・セクション1があってもよい。この実施形態では、第1のリード・フレーム・セクション1の第1の中央領域16を、ビーズの形態にモールド材料20により環状に囲むことができる。同様にこの実施形態では、第1のリード・フレーム・セクションの上側に、コーティング9を設ける。モールド材料20を、コーティング9の環状の第1の面に配置する。第1のリード・フレーム・セクション1の上側にコーティング9が配置されていない第7のフリー領域18を、連続する環状面の形態に構成し、環状面は、同様に第1の面内にある。第7のフリー領域18を、モールド材料20によりカバーする。第7のフリー領域18では、第1のリード・フレーム・セクション1の材料が、モールド材料20に直接隣接する。環状のモールド材料20により形成され凹部21を構成する内部空間を、封止材料25で埋める。オプトエレクトロニクス素子22をモールド材料20により環状に取り囲み、第1のリード・フレーム・セクション1の凹部21内に配置する。したがって、素子22および中央領域16を、封止材料25によりカバーする。同様にこの実施形態では、第7のフリー領域18は、コーティング9の中央領域16を環状に取り囲む他の表面形状であってもよい。例えば、第7のフリー領域18は、中央領域16の周囲の周りで互いに隣接する3つまたは4つの細長い形状の領域、特に真直ぐな細長い形状の領域のモールド材料20の下にあってもよい。さらに、第7のフリー領域18をも、相互に連続するポイント面の形態に構成することができ、連続するポイント面は、環状の線として中央領域16を取り囲み、そして中央領域16をコーティング9の外側境界領域51から分離する。
【0053】
図7は、
図2および
図4にしたがって構成された第1および第2のリード・フレーム・セクション1、2の配置を概略的に示している。リード・フレーム・セクション1、2を、それぞれリード・フレーム・セクション1、2の第1の側端部31、41の図で互いに上に示している。この実施形態では、
図2および
図4に示したように、リード・フレーム・セクション1、2には、上側にコーティング9を設けている。さらに、リード・フレーム・セクション1、2には、第1の側端部31、41にコーティング9を設けている。リード・フレーム・セクション1、2の第1の側端部31、41のコーティング9に、第9および第10のフリー領域29、26をそれぞれ導入している。
【0054】
第2のリード・フレーム・セクション2の第1の側端部41の第9のフリー領域26は、真直ぐな細長い領域の形態に構成され、第1の側端部41の全長にわたって横断方向に延びる。第9のフリー領域26は、第3の側端部43および第4の側端部44に隣接する。第1のリード・フレーム・セクション1の第1の側端部31の第10のフリー領域29は、真直ぐな細長い領域の形態に構成され、第1の側端部31の全長にわたって横断方向に延びる。第10のフリー領域29は、第3の側端部33および第4の側端部34に隣接する。
【0055】
選択する実施形態に応じて、第1および第2のリード・フレーム・セクション1、2の第1の側端部31、41の第9および第10のフリー領域29、26をも、短くなるように、そして側端部まで延びないように構成することができる。第9および第10のフリー領域26、29を設けることによって、コーティング9を第1の側面31、41に設けたとしても、モールド材料20とリード・フレーム・セクション1、2の第1の側面31、41との間の接着効果が大きくなる。
【0056】
選択する実施形態に応じて、リード・フレーム・セクション1、2の他の側端部32、33、34、42、43、44にも、コーティング9を設けることができ、この場合では、コーティング9には、リード・フレーム・セクション1、2の側端部32、33、34、42、43、44にフリー領域があってもよい。
図8は、さらに完成した部品を示しており、
図3にしたがって、第1のリード・フレーム・セクション1のコーティング9には第7のフリー領域18があり、第2のリード・フレーム・セクション2のコーティング9には第8のフリー領域19があるが、完成した部品は、
図4の部品にしたがって本質的に構成される。第7および第8のフリー領域18、19を、破線として表している。
【0057】
図9は、
図2にしたがって本質的に構成されているリード・フレーム・セクション1、2の1つの実施形態の概略図を示しているが、この実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5および第6のフリー領域10、11、12が、列に配置されているポイント面52の形態に構成されている。ポイント面52の互いの距離を、一定にすることができ、例えば、ポイント面52の直径よりも小さくすることができる。ポイント面の間の距離は変わることがある。ポイント面52の面形状は、円形、長方形、正方形または他の表面形状であってもよい。ポイント面52は、同じサイズのものであっても異なるサイズでもよい。ポイント面52の直径を、例えば、1mm未満とすることができる。
【0058】
図10は、
図3にしたがって本質的に構成されているリード・フレーム・セクション1、2の1つの実施形態の概略図を示しているが、この実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5および第6のフリー領域10、11、12が、列に配置されているポイント面52の形態に構成されている。ポイント面52の互いの距離を、一定にすることができ、例えば、ポイント面52の直径よりも小さくすることができる。ポイント面の間の距離は変わることがある。ポイント面52の面形状は、円形、長方形、正方形または他の表面形状であってもよい。ポイント面52は、同じサイズのものであっても異なるサイズでもよい。ポイント面52の直径を、例えば、1mm未満とすることができる。
【0059】
図9および
図10のリード・フレーム・セクション1、2を用いて、
図4および
図7による部品を製作することが可能である。
【0060】
モールド材料とリード・フレーム・セクションとの間の接着および/または耐漏洩性の改善を、小さなフリー・ポイント面52を用いてすでに実現できている。例えば、ポイント面の幅または直径を、0.8mm未満、特に0.5mm未満にすることができる。選択する実施形態に応じて、ポイント面52の幅または直径を、0.2mm未満にすることができる。特に、ポイント面52の幅または直径を、100μm未満、特に50μm未満にすることができ、例えば10μmの範囲内であってもよい。100μm未満の範囲内の幅または直径であり、特に10μm付近の幅または直径を有するフリー・ポイント面52でさえ、接着および封止の改善をもたらすことが可能である。特に、小さな幅または直径を有するフリー・ポイント面52を、例えば、レーザ・ビームを用いてコーティングに迅速且つ精密に導入することが可能である。このようにして、フリー領域をも、小面積リード・フレーム・セクションに設けることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 第1のリード・フレーム・セクション
2 第2のリード・フレーム・セクション
3乃至8 境界素子
9 コーティング
10 第1のフリー領域
11 第2のフリー領域
12 第3のフリー領域
13 第4のフリー領域
14 第5のフリー領域
15 第6のフリー領域
16 第1の中央領域
17 第2の中央領域
18 第7のフリー領域
19 第8のフリー領域
20 モールド材料
21 凹部
22 素子
23 ボンド・ワイア
24 ハウジング
25 封止材料
26 第9のフリー領域
29 第10のフリー領域
31 第1のリード・フレーム・セクションの第1の側端部
32 第1のリード・フレーム・セクションの第2の側端部
33 第1のリード・フレーム・セクションの第3の側端部
34 第1のリード・フレーム・セクションの第4の側端部
35 横方向距離
41 第2のリード・フレーム・セクションの第1の側端部
42 第2のリード・フレーム・セクションの第2の側端部
43 第2のリード・フレーム・セクションの第3の側端部
44 第2のリード・フレーム・セクションの第4の側端部
50 平坦面
51 境界領域
52 ポイント面