特許第6815021号(P6815021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6815021
(24)【登録日】2020年12月24日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】組立式棚物
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/04 20060101AFI20210107BHJP
【FI】
   A47B47/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-146199(P2016-146199)
(22)【出願日】2016年7月26日
(65)【公開番号】特開2018-15105(P2018-15105A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】503190279
【氏名又は名称】株式会社大崎商店
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】大崎 兼嗣
(72)【発明者】
【氏名】松尾 大輔
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−265135(JP,A)
【文献】 特開2001−182723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B47/04
F16B12/00〜12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点前に際して組み立てられ、茶道具が飾り置かれる組立式棚物であって、
第1組付部が形成された第1板と、
第2組付部が形成された第2板と、
第3組付部が形成された第3板と、
直線状に延び、一端に前記第1組付部に組み付けられる第1下係合部が形成されているとともに、他端に前記第2組付部に組み付けられる第1上係合部が形成され、前記第1組付部に前記第1下係合部を組み付けるとともに、前記第2組付部に前記第1上係合部を組み付けることにより、前記第1板に対して前記第2板を上方に位置させる少なくとも2本の第1支柱と、
直線状に延び、一端に前記第2組付部又は前記第1上係合部に組み付けられる第2下係合部が形成されているとともに、他端に前記第3組付部に組み付けられる第2上係合部が形成され、前記第2組付部又は前記第1上係合部に前記第2下係合部を組み付けるとともに、前記第3組付部に前記第2上係合部を組み付けることにより、前記第2板に対して前記第3板を上方に位置させる少なくとも2本の第2支柱とを備え、
前記第1組付部と前記第1下係合部との間、前記第2組付部又は前記第1上係合部と前記第2下係合部との間及び前記第3組付部と前記第2上係合部との間には、互いに引き合う磁力を生じる磁着手段が設けられ、
前記第1板は、第1平坦面を有する木製の第1板本体と、前記第1板本体に前記第1平坦面から凹んで形成された前記第1組付部としての第1凹部とを有し、
前記第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、前記第2板本体に前記第2平坦面から凹んで形成された前記第2組付部としての第2凹部とを有し、
前記第3板は、第3平坦面を有する木製の第3板本体と、前記第3板本体に前記第3平坦面から凹んで形成された前記第3組付部としての第3凹部とを有し、
前記第1支柱は、木製の第1支柱本体と、前記第1支柱本体から突出して形成され、前記第1凹部内に遊嵌可能な前記第1下係合部としての木製の第1下凸部と、前記第1支柱本体から突出して形成され、前記第2凹部内に遊嵌可能な前記第1上係合部としての木製の第1上凸部とを有し、
前記第2支柱は、木製の第2支柱本体と、前記第2支柱本体から突出して形成され、前記第2凹部内に遊嵌可能な前記第2下係合部としての木製の第2下凸部と、前記第2支柱本体から突出して形成され、前記第3凹部内に遊嵌可能な前記第2上係合部としての木製の第2上凸部とを有し、
前記第1凹部と前記第1下凸部との間に前記磁着手段としての第1磁着手段が設けられ、
前記第1上凸部に前記磁着手段としての第2磁着手段が設けられ、
前記第2下凸部に前記磁着手段としての第3磁着手段が設けられ、
前記第3凹部と前記第2上凸部との間に前記磁着手段としての第4磁着手段が設けられ、
前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は、水平方向の断面積が同じであり、
前記第1下凸部、前記第1上凸部、前記第2下凸部及び前記第2上凸部の水平方向の断面積は、同じであり、かつ前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部における水平方向の断面積より小さく、
前記第2磁着手段と前記第3磁着手段とは、互いに磁極が異なる永久磁石からなることを特徴とする組立式棚物。
【請求項2】
点前に際して組み立てられ、茶道具が飾り置かれる組立式棚物であって、
第1平坦面を有する木製の第1板本体と、前記第1板本体に前記第1平坦面から凹んで形成された第1凹部とを有する第1板と、
第2平坦面を有する木製の第2板本体と、前記第2板本体に前記第2平坦面から凹んで形成された第2凹部とを有する第2板と、
第3平坦面を有する木製の第3板本体と、前記第3板本体に前記第3平坦面から凹んで形成された第3凹部とを有する第3板と、
直線状に延びる木製の第1支柱本体と、前記第1支柱本体から突出して形成され、前記第1凹部内に遊嵌可能な木製の第1下凸部と、前記第1支柱本体から突出して形成され、前記第2凹部内に遊嵌可能な木製の第1上凸部とを有し、一端に前記第1下凸部が形成されているとともに、他端に前記第1上凸部が形成され、前記第1凹部に前記第1下凸部を組み付けるとともに、前記第2凹部に前記第1上凸部を組み付けることにより、前記第1板に対して前記第2板を上方に位置させる少なくとも2本の第1支柱と、
直線状に延びる木製の第2支柱本体と、前記第2支柱本体から突出して形成され、前記第2凹部内に遊嵌可能な木製の第2下凸部と、前記第2支柱本体から突出して形成され、前記第3凹部内に遊嵌可能な木製の第2上凸部とを有し、一端に前記第2下凸部が形成されているとともに、他端に前記第2上凸部が形成され、前記第2凹部に前記第2下凸部を組み付けるとともに、前記第3凹部に前記第2上凸部を組み付けることにより、前記第2板に対して前記第3板を上方に位置させる少なくとも2本の第2支柱とを備え、
前記第1凹部と前記第1下凸部との間に互いに引き合う磁力を生じる第1磁着手段が設けられ、
前記第1上凸部に磁力を生じる第2磁着手段が設けられ、
前記第2下凸部に磁力を生じる第3磁着手段が設けられ、
前記第2磁着手段と前記第3磁着手段とは互いに引き合い、
前記第3凹部と前記第2上凸部との間に互いに引き合う磁力を生じる第4磁着手段が設けられ、
前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は、水平方向の断面積が同じであり、
前記第1下凸部、前記第1上凸部、前記第2下凸部及び前記第2上凸部の水平方向の断面積は、同じであり、かつ前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部における水平方向の断面積より小さく、
前記第2磁着手段と前記第3磁着手段とは、互いに磁極が異なる永久磁石からなることを特徴とする組立式棚物。
【請求項3】
前記第2凹部は前記第2板本体を貫通し、
前記第2磁着手段と前記第3磁着手段とは当接している請求項1又は2記載の組立式棚物。
【請求項4】
前記第1磁着手段は、前記第1凹部に設けられた永久磁石と、前記第1下凸部に設けられた永久磁石とからなり、
前記第4磁着手段は、前記第3凹部に設けられた磁性体と、前記第2上凸部に設けられた永久磁石とからなる請求項1乃至3のいずれか1項記載の組立式棚物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組立式棚物に関する。
【背景技術】
【0002】
組立式棚物が古くから知られている。この組立式棚物は、点前に際して組み立てられ、水指、茶入れ、柄杓等の茶道具が飾り置かれるものである。
【0003】
従来の組立式棚物としての例えば更好棚(こうこうだな)は、複数の部品として、地板と呼ばれる第1板と、中板と呼ばれる第2板と、天板と呼ばれる第3板と、地板と中板との間で直線状に延びる4本の第1支柱と、中板と天板との間で直線状に延びる4本の第2支柱とを備えている。
【0004】
地板は、第1平坦面を有する木製の第1板本体と、第1板本体に第1平坦面から四角形状に凹んで形成された第1凹部とを有している。中板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、第2板本体に第2平坦面から四角形状に凹んで形成された第2凹部とを有している。第2凹部は貫通孔とされている。天板は、第3平坦面を有する木製の第3板本体と、第3板本体に第3平坦面から四角形状に凹んで形成された第3凹部とを有している。
【0005】
各第1支柱は、木製の第1支柱本体と、第1支柱本体から四角形状に突出して形成され、第1凹部内に組み付けられる第1凸部と、第1支柱本体から四角形状に突出して形成され、第2凹部内に組み付けられる第2凸部とを有している。各第1支柱は、地板の第1凹部に第1凸部を組み付けるとともに、中板の第2凹部に第2凸部を組み付けることにより、地板に対して中板を上方に位置させる。
【0006】
各第2支柱は、木製の第2支柱本体と、第2支柱本体から四角形状に突出して形成され、第2凹部内に組み付けられる第3凸部と、第2支柱本体から四角形状に突出して形成され、第3凹部内に組み付けられる第4凸部とを有している。各第2支柱は、中板の第2凹部に第3凸部を組み付けるとともに、天板の第3凹部に第4凸部を組み付けることにより、中板に対して天板を上方に位置させる。
【0007】
第1凹部と第1凸部との間、第2凹部と第2凸部との間、第2凹部と第3凸部との間及び第3凹部と第4凸部との間は、特許文献1に開示された多段棚と同様、締り嵌めが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−265135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記従来の組立式棚物では、複数の部品からの組み立てを行う者は、その組み立てが面倒であるとともに、部品の破損を生じるおそれがある。
【0010】
すなわち、地板の第1凹部に第1支柱の第1凸部を組み付ける場合を例にすれば、組立人は、地板の第1凹部と第1支柱の第1凸部との位置を正確に合わせなければならない。この際、第1凹部が四角形状に凹み、第1凸部が四角形状に突出していることから、これらの位置合わせは、第1凹部に対する第1凸部の方向の一致も必要となる。
【0011】
また、そうして位置合わせが終わった後、第1支柱に力を込め、その第1凸部を第1凹部に押し込まなければならない。その際、僅かな位置ずれや過剰な力により、第1凸部が変形し易い。極端な場合には、第1凸部が折れ易い。
【0012】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、組み立てが容易であるとともに、耐久性にも優れた組立式棚物を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の組立式棚物は、点前に際して組み立てられ、茶道具が飾り置かれる組立式棚物であって、
第1組付部が形成された第1板と、
第2組付部が形成された第2板と、
第3組付部が形成された第3板と、
直線状に延び、一端に前記第1組付部に組み付けられる第1下係合部が形成されているとともに、他端に前記第2組付部に組み付けられる第1上係合部が形成され、前記第1組付部に前記第1下係合部を組み付けるとともに、前記第2組付部に前記第1上係合部を組み付けることにより、前記第1板に対して前記第2板を上方に位置させる少なくとも2本の第1支柱と
直線状に延び、一端に前記第2組付部又は前記第1上係合部に組み付けられる第2下係合部が形成されているとともに、他端に前記第3組付部に組み付けられる第2上係合部が形成され、前記第2組付部又は前記第1上係合部に前記第2下係合部を組み付けるとともに、前記第3組付部に前記第2上係合部を組み付けることにより、前記第2板に対して前記第3板を上方に位置させる少なくとも2本の第2支柱とを備え、
前記第1組付部と前記第1下係合部との間、前記第2組付部又は前記第1上係合部と前記第2下係合部との間及び前記第3組付部と前記第2上係合部との間には、互いに引き合う磁力を生じる磁着手段が設けられ
前記第1板は、第1平坦面を有する木製の第1板本体と、前記第1板本体に前記第1平坦面から凹んで形成された前記第1組付部としての第1凹部とを有し、
前記第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、前記第2板本体に前記第2平坦面から凹んで形成された前記第2組付部としての第2凹部とを有し、
前記第3板は、第3平坦面を有する木製の第3板本体と、前記第3板本体に前記第3平坦面から凹んで形成された前記第3組付部としての第3凹部とを有し、
前記第1支柱は、木製の第1支柱本体と、前記第1支柱本体から突出して形成され、前記第1凹部内に遊嵌可能な前記第1下係合部としての木製の第1下凸部と、前記第1支柱本体から突出して形成され、前記第2凹部内に遊嵌可能な前記第1上係合部としての木製の第1上凸部とを有し、
前記第2支柱は、木製の第2支柱本体と、前記第2支柱本体から突出して形成され、前記第2凹部内に遊嵌可能な前記第2下係合部としての木製の第2下凸部と、前記第2支柱本体から突出して形成され、前記第3凹部内に遊嵌可能な前記第2上係合部としての木製の第2上凸部とを有し、
前記第1凹部と前記第1下凸部との間に前記磁着手段としての第1磁着手段が設けられ、
前記第1上凸部に前記磁着手段としての第2磁着手段が設けられ、
前記第2下凸部に前記磁着手段としての第3磁着手段が設けられ、
前記第3凹部と前記第2上凸部との間に前記磁着手段としての第4磁着手段が設けられ、
前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は、水平方向の断面積が同じであり、
前記第1下凸部、前記第1上凸部、前記第2下凸部及び前記第2上凸部の水平方向の断面積は、同じであり、かつ前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部における水平方向の断面積より小さく、
前記第2磁着手段と前記第3磁着手段とは、互いに磁極が異なる永久磁石からなることを特徴とする。
【0014】
本発明の組立式棚物では、例えば、第1組付部と第1下係合部との間に磁着手段が設けられている場合、組み立てを行う者が第1組付部の近傍に第1下係合部を接近させれば、磁着手段の磁力により、第1組付部と第1下係合部とが互いに引き合う。このため、第1組付部と第1下係合部とを位置あわせする際の労力、注意力等が軽減される。また、無理な力を必要とせずに第1下係合部が第1組付部に組み付けられるため、第1組付部と第1下係合部とが変形したり、破損したりし難い。第2組付部と第1上係合部との間に磁着手段が設けられている場合、第2組付部と第1上係合部との組み付けも同様である。こうして、この組立式棚物は、地板及び天板を備えた1段の棚物となる。
【0015】
したがって、本発明の組立式棚物では、組み立てが容易であるとともに、耐久性にも優れている。
【0016】
第1板は、第1平坦面を有する木製の第1板本体と、第1板本体に第1平坦面から凹んで形成された第1組付部としての第1凹部とを有している。また、第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、第2板本体に第2平坦面から凹んで形成された第2組付部としての第2凹部とを有している。第1支柱は、木製の第1支柱本体と、第1支柱本体から突出して形成され、第1凹部内に遊嵌可能な第1下係合部としての第1凸部と、第1支柱本体から突出して形成され、第2凹部内に遊嵌可能な第1上係合部としての第1上凸部とを有している。第1凹部と第1凸部との間に磁着手段としての第1磁着手段が設けられ、第1上凸部に磁着手段としての第2磁着手段が設けられている。
【0017】
この場合、第1凹部と第1凸部の組み付け及び第2凹部と第1上凸部の組み付けにおいて、組み立てが容易である。また、第1板、第2板及び第1支柱が折れ易く、変形し易い木製であっても、本発明の効果を生じる。さらに、この組立式棚物では、例えば、第1凸部が第1凹部内に遊嵌される。このため、第1凹部に第1凸部を組み付ける際も、第1凹部から第1凸部を取り外す際も、第1凹部と第1凸部とが変形したり、破損したりするおそれがより生じ難い。第1上凸部と第2凹部との関係も同様である。このため、この組立式棚物は、より耐久性に優れる。
【0018】
本発明の組立式棚物は、第3組付部が形成された第3板を備えている。また、本発明の組立式棚物は、直線状に延び、一端に第2組付部又は第1上係合部に組み付けられる第2下係合部が形成されているとともに、他端に第3組付部に組み付けられる第2上係合部が形成され、第2組付部又は第1上係合部に第2下係合部を組み付けるとともに、第3組付部に第2上係合部を組み付けることにより、第2板に対して第3板を上方に位置させる少なくとも2本の第2支柱とを備えている。そして、第2組付部又は第1上係合部と第2下係合部との間及び第3組付部と第2上係合部との間に磁着手段が設けられている。
【0019】
この場合、この組立式棚物は、例えば、第2組付部と第2下係合部との間に磁着手段が設けられている場合、組み立てを行う者が第2組付部の近傍に第2下係合部を接近させれば、磁着手段の磁力により、第2組付部と第2下係合部とが互いに引き合う。このため、第2組付部と第2下係合部とを位置あわせする際の労力、注意力等が軽減される。また、無理な力を必要とせずに第2下係合部が第2組付部に組み付けられるため、第2組付部と第2下係合部とが変形したり、破損したりし難い。第1上係合部と第2下係合部との間に磁着手段が設けられている場合において、第1上係合部と第2下係合部との組み付けも同様であり、第3組付部と第2上係合部との間に磁着手段が設けられている場合において、第3組付部と第2上係合部との組み付けも同様である。こうして、この組立式棚物は、地板、中板及び天板を備えた2段の棚物となる。
【0020】
第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、第2板本体に第2平坦面から凹んで形成された第2組付部としての第2凹部とを有している。第3板は、第3平坦面を有する木製の第3板本体と、第3板本体に第3平坦面から凹んで形成された第3組付部としての第3凹部とを有している。第2支柱は、木製の第2支柱本体と、第2支柱本体から突出して形成され、第2凹部内に遊嵌可能な第2下係合部としての第2下凸部と、第2支柱本体から突出して形成され、第3凹部内に遊嵌可能な第2上係合部としての第2上凸部とを有している。第2下凸部に磁着手段としての第3磁着手段が設けられ、第3凹部と第2上凸部との間に磁着手段としての第4磁着手段が設けられている。
【0021】
この場合、第2凹部と第2下凸部の組み付け及び第3凹部と第2上凸部の組み付けにおいて、組み立てが容易である。また、第1板、第2板、第3板、第1支柱及び第2支柱が折れ易く、変形し易い木製であっても、本発明の効果を生じる。さらに、この組立式棚物では、例えば、第2下凸部が第2凹部内に遊嵌される。このため、第2凹部に第2下凸部を組み付ける際も、第2凹部から第2下凸部を取り外す際も、第2凹部と第2下凸部とが変形したり、破損したりするおそれがより生じ難い。第2上凸部と第3凹部との関係も同様である。このため、この組立式棚物は、より耐久性に優れる。
【0022】
第1板は、第1平坦面を有する木製の第1板本体と、第1板本体に第1平坦面から凹んで形成された第1組付部としての第1凹部とを有している。第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、第2板本体に第2平坦面から凹んで形成された第2組付部としての第2凹部とを有している。第3板は、第3平坦面を有する木製の第3板本体と、第3板本体に第3平坦面から凹んで形成された第3組付部としての第3凹部とを有している。第1支柱は、木製の第1支柱本体と、第1支柱本体から突出して形成され、第1凹部内に遊嵌可能な第1下係合部としての木製の第1下凸部と、第1支柱本体から突出して形成され、第2凹部内に遊嵌可能な第1上係合部としての木製の第1上凸部とを有している。第2支柱は、木製の第2支柱本体と、第2支柱本体から突出して形成され、第2凹部内に遊嵌可能な第2下係合部としての木製の第2下凸部と、第2支柱本体から突出して形成され、第3凹部内に遊嵌可能な第2上係合部としての木製の第2上凸部とを有している。第1凹部と第1下凸部との間に磁着手段としての第1磁着手段が設けられ、第1上凸部に磁着手段としての第2磁着手段が設けられ、第2下凸部に磁着手段としての第3磁着手段が設けられ、第3凹部と第2上凸部との間に磁着手段としての第4磁着手段が設けられている。第2磁着手段と第3磁着手段とは、互いに磁極が異なる永久磁石からなる。
【0023】
この場合、第2凹部内において、第1上凸部に第2下凸部を組み付ける際、第1上凸部に設けられた永久磁石と第2下凸部に設けられた永久磁石とが互いに引き合うことにより、第1上凸部と第2下凸部とがより確実に固定される。仮に第1支柱の第1上凸部に設けられた永久磁石の磁極と第2支柱の第2下凸部に設けられた永久磁石の磁極とが同じである場合、これらの永久磁石を互いに接近させると互いに反発し合うため、第2支柱における第2上凸部及び第2下凸部の上下方向の位置関係が明確になり、誤った組み付けがなされない。
【0024】
第1磁着手段は、第1凹部に設けられた永久磁石と、第1下凸部に設けられた永久磁石とからなり、第4磁着手段は、第3凹部に設けられた磁性体と、第2上凸部に設けられた永久磁石とからなることが好ましい。
【0025】
この場合、第1磁着手段では、第1凹部の永久磁石と第1下凸部の永久磁石とは互いに磁極が異なる。このため、第1凹部に第1下凸部を組み付ける際、第1凹部に設けられた永久磁石と第1下凸部に設けられた永久磁石とが互いに引き合わせることにより、第1凹部と第下凸部とがより確実に固定される。仮に第1凹部に設けられた永久磁石の磁極と第1支柱の第1下凸部に設けられた永久磁石の磁極とが同じである場合、これらの永久磁石を互いに接近させると互いに反発し合うため、第1支柱における第1上凸部及び第1下凸部の上下方向の位置関係が明確になり、誤った組み付けがなされない。
【発明の効果】
【0026】
本発明の組立式棚物によれば、組み立てが容易であるとともに、耐久性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、実施例の更好棚の斜視図である。
図2図2は、実施例の更好棚の分解斜視図である。
図3図3は、実施例の更好棚に係り、地板の第1凹部と第1支柱の第1下凸部との組み付け前の状態を示す要部拡大斜視図である。
図4図4は、実施例の更好棚に係り、地板の第1凹部と第1支柱の第1下凸部との組み付け後の状態を示す要部拡大断面図である。
図5図5は、実施例の更好棚に係り、中板の第2凹部と第1支柱の第1上凸部及び第2支柱の第2下凸部との組み付け前の状態を示す要部拡大斜視図である。
図6図6は、実施例の更好棚に係り、中板の第2凹部と第1支柱の第1上凸部と第2支柱の第2下凸部との組み付け後の状態を示す要部拡大断面図である。
図7図7は、実施例の更好棚に係り、天板の第3凹部と第2支柱の第2上凸部との組み付け前の状態を示す要部拡大斜視図である。
図8図8は、実施例の更好棚に係り、天板の第3凹部と第2支柱の第2上凸部との組み付け後の状態を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
実施例の組立式棚物は更好棚である。更好棚は、図1及び図2に示すように、第1板としての地板10と、第2板としての中板20と、第3板としての天板30と、4本の第1支柱40と、4本の第2支柱50とからなる。地板10が本発明の「第1板」の一例であり、中板20が本発明の「第2板」の一例であり、天板30が本発明の「第3板」の一例である
【0030】
地板10は、地板本体11と、4つの第1凹部12A〜D(第1凹部12Dは図示せず)と、4つの支持体13A〜D(支持体13Dは図示せず)とを有している。地板本体11は、同一の正方形をなす平坦な上面11A及び下面11Bを有している。また、上面11Aと下面11Bとの間には、上面11A及び下面11Bの一辺を長辺とする長方形状の側面11C〜Fが形成されている。地板本体11は桐によって形成され、上面11A、下面11B及び側面11C〜Fには塗装が施されている。地板本体11が本発明の「第1板本体」の一例であり、上面11Aが本発明の「第1平坦面」の一例である。
【0031】
各第1凹部12A〜Dはそれぞれ同一の形状を有している。各第1凹部12A〜Dは、地板本体11の四隅にそれぞれ形成されている。各第1凹部12A〜Dは、図3及び図4に示すように、上面11Aから正四角柱状に凹んでいる。各第1凹部12A〜Dは上面11Aに対して垂直に延びている。上面11Aと各第1凹部12A〜Dとの境界である各辺は、地板本体11の上面11Aの各辺とそれぞれ平行である。
【0032】
図1〜4に示すように、地板本体11の下面11Bの四隅には、地板10を下側から支持する4つの支持体13A〜Dが固定されている。各支持体13A〜Dは、各第1凹部12A〜Dに対応してそれぞれ設けられている。図4に示すように、地板本体11の下面11Bには、第1凹部12A〜Dに対応する位置に凹部14A〜D(凹部14Aのみ図示)が形成されている。支持体13A〜Dは各凹部14A〜Dに嵌合されている。第1凹部12A〜D及び凹部14A〜Dが本発明の「第1組付部」の一例である。
【0033】
図3及び図4に示すように、各凹部14A〜Dの底面には、永久磁石61A〜D(永久磁石61Aのみ図示)がそれぞれネジ71A〜D(ネジ71Aのみ図示)によって固定されている。各ネジ71A〜Dは各永久磁石61A〜Dの先端面から突出しないようになっている。永久磁石61A〜Dの先端面側はN極とされている。なお、地板10は、地板本体11が薄くても、地板本体11の下面11Bに支持体13A〜Dが固定されているため、各永久磁石61A〜Dをネジ71A〜Dによって固定しても、地板本体11に割れを生じない。
【0034】
図1及び図2に示すように、中板20は、中板本体21と、4つの第2凹部22A〜D(第2凹部22Dは図示せず)とからなる。中板本体21は、同一の正方形をなす平坦な上面21A及び下面21Bを有している。また、上面21Aと下面21Bとの間には、上面21A及び下面21Bの一辺を長辺とする長方形状の側面21C〜Fが形成されている。中板本体21は地板本体11と同じ大きさ、つまり中板本体21の上面21A及び下面21Bは地板本体11の上面11A及び下面11Bと同一であり、中板本体21の側面21C〜Fは地板本体11の側面11C〜Fと同じである。中板本体21も桐によって形成され、上面21A、下面21B及び側面21C〜Fには塗装が施されている。中板本体21が本発明の「第2板本体」の一例であり、第2凹部22A〜Dが本発明の「第2組付部」の一例であり、下面21Bが本発明の「第2平坦面」の一例である。
【0035】
各第2凹部22A〜Dはそれぞれ同一の形状を有している。各第2凹部22A〜Dは、中板本体21の四隅にそれぞれ形成されている。各第2凹部22A〜Dは、図5及び図6に示すように、上面21Aから下面21Bまで正四角柱状に貫通している。各第2凹部22A〜Dは上面21A及び下面21Bに対して垂直に延びている。各第2凹部22A〜Dにおける水平方向の断面積は、各第1凹部12A〜Dにおける水平方向の断面積と同じである。上面21Aと各第2凹部22A〜Dとの境界である各辺と、下面21Bと各第2凹部22A〜Dとの境界である各辺とは、中板本体21の上面21A及び下面21Bの各辺とそれぞれ平行である。
【0036】
図1及び図2に示すように、天板30は、天板本体31と、4つの第3凹部32A〜Dとを有している。天板本体31は、正方形をなす平坦な上面31A及び下面31Bを有している。また、上面31Aと下面31Bとの間には、上面31A及び下面31Bの一辺を長辺とする長方形状の側面31C〜Fが形成されている。天板本体31は中板本体21及び地板本体11と同じ大きさである。天板本体31も桐によって形成され、上面31A、下面31B及び側面31C〜Fには塗装が施されている。天板本体31が本発明の「第3板本体」の一例であり、第3凹部32A〜Dが本発明の「第3組付部」の一例であり、下面31Bが本発明の「第3平坦面」の一例である
【0037】
各第3凹部32A〜Dはそれぞれ同一の形状を有している。各第3凹部32A〜Dは、天板本体31の四隅にそれぞれ形成されている。各第3凹部32A〜Dは、図7及び図8に示すように、下面31Bから正四角柱状に凹んでいる。各第3凹部32A〜Dは下面31Bに対して垂直に延びている。各第3凹部32A〜Dにおける水平方向の断面積は、各第1凹部12A〜Dにおける水平方向の断面積及び各第2凹部22A〜Dにおける水平方向の断面積と同じである。下面31Bと各第3凹部32A〜Dとの境界である各辺は、天板本体31の下面31Bの各辺とそれぞれ平行である。
【0038】
天板本体31の四隅には、肉厚の薄い正方形状の鉄板66A〜D(鉄板66Aのみ図示)がそれぞれ配置されている。各鉄板66A〜Dは各第3凹部32A〜Dよりも上方に位置している。各鉄板66A〜Dは、天板本体31の側面31C〜Fに形成された図示しないスリットから挿入され、側面31C〜Fに施された塗装によってスリットが隠されている。
【0039】
図1及び図2に示すように、各第1支柱40は、第1支柱本体41と、第1下凸部42と、第1上凸部43とを有している。第1支柱本体41は細長い正四角柱状である。図3及び図4に示すように、第1支柱本体41の下端面41Aから第1下凸部42が突出して形成されている。図5及び図6に示すように、第1支柱本体41の上端面41Bから第1上凸部43が突出して形成されている。第1支柱本体41、第1下凸部42及び第1上凸部43も桐によって形成されている。第1下凸部42が本発明の「第1下係合部、第1凸部」の一例であり、第1上凸部43が本発明の「第1上係合部、第2凸部」の一例である。
【0040】
図3〜6に示すように、各第1下凸部42及び各第1上凸部43は正四角柱状に形成されている。第1支柱本体41の各側面、第1下凸部42の各側面及び各第1上凸部43の各側面は互いに同一方向を向いている。第1支柱本体41の中心軸、第1下凸部42の中心軸及び第1上凸部43の中心軸は一致している。第1下凸部42における中心軸と直交する方向の断面積は、地板10の各第1凹部12A〜Dにおける水平方向の断面積より小さくされている。第1上凸部43における中心軸と直交する方向の断面積は、中板20の各第2凹部22A〜Dにおける水平方向の断面積より小さくされている。
【0041】
各第1下凸部42の先端には、永久磁石62がそれぞれネジ72によって固定されている。各ネジ72は各永久磁石62の先端面から突出しないようになっている。各永久磁石62の先端面側はS極とされている。各第1上凸部43の先端にも、永久磁石63がそれぞれネジ73によって固定されている。各ネジ73も各永久磁石63の先端面から突出しないようになっている。各永久磁石63の先端面側はN極とされている。第1下凸部42と永久磁石62との合計の高さは、第1上凸部43と永久磁石63の合計の高さよりやや高くなっている。永久磁石61A〜D及び永久磁石62が本発明の「磁着手段、第1磁着手段」の一例である。
【0042】
図1及び図2に示すように、各第2支柱50は各第1支柱40よりも短い。各第2支柱50は、第2支柱本体51と、第2下凸部52と、第2上凸部53とを有している。第2支柱本体51は細長い正四角柱状である。図5及び図6に示すように、第2支柱本体51の下端面51Aから第2下凸部52が突出して形成されている。図7及び図8に示すように、第2支柱本体51の上端面51Bから第2上凸部53が突出して形成されている。第2支柱本体51、第2下凸部52及び第2上凸部53も桐によって形成されている。第2下凸部52が本発明の「第2下係合部、第3凸部」の一例であり、第2上凸部53が本発明の「第2上係合部、第4凸部」の一例である。
【0043】
図5〜8に示すように、各第2下凸部52及び各第2上凸部53は正四角柱状に形成されている。第2支柱本体51の各側面、第2下凸部52の各側面及び各第2上凸部53の各側面はそれぞれ同一方向を向いている。第2支柱本体51の中心軸、第2下凸部52の中心軸及び第2上凸部53の中心軸は一致している。第2下凸部52における中心軸と直交する方向の断面積は、中板20の各第2凹部22A〜Dにおける水平方向の断面積より小さくされている。第2上凸部53における中心軸と直交する方向の断面積は、天板30の第3凹部32A〜Dにおける水平方向の断面積より小さくされている。
【0044】
各第2下凸部52の先端には、永久磁石64がそれぞれネジ74によって固定されている。各ネジ74は各永久磁石64の先端面から突出しないようになっている。各永久磁石64の先端面側はS極とされている。各第2上凸部53の先端にも、永久磁石65がそれぞれネジ75によって固定されている。各ネジ75は各永久磁石65の先端面から突出しないようになっている。各永久磁石65の先端面側はN極とされている。第2下凸部52と永久磁石64との合計の高さは、第2上凸部53と永久磁石65の合計の高さと同一になっている。永久磁石63、64が本発明の「磁着手段、第2、3磁着手段」の一例であり、永久磁石65、鉄板66A〜Dが本発明の「磁着手段、第4磁着手段」の一例である。また、永久磁石63、64が本発明の「磁着手段、第1磁着手段」の一例であり、永久磁石65、鉄板66A〜Dが本発明の「磁着手段、第2磁着手段」の一例である。
【0045】
組み立てを行う者は、以下のようにして更好棚を組み立てる。まず、地板10の各第1凹部12A〜Dに各第1支柱40の第1下凸部42を組み付ける。そして、中板20の各第2凹部22A〜Dに各第1支柱40の第1上凸部43を組み付ける。こうして、地板10に対して中板20を上方に位置させる。さらに、中板20の各第2凹部22A〜Dに各第2支柱50の第2下凸部52を組み付ける。また、天板30の各第3凹部32A〜Dに各第2支柱50の第2上凸部53を組み付ける。こうして、中板20に対して天板30を上方に位置させる。
【0046】
この間、図3及び図4に示すように、この更好棚では、組み立てを行う者が各第1凹部12A〜Dの近傍に第1下凸部42を接近させれば、永久磁石61A〜Dと永久磁石62とが互いに引き合うことにより、各第1凹部12A〜Dと第1下凸部42とが互いに引き合う。そして、永久磁石61A〜Dの先端面と永久磁石62の先端面とが磁着する。この際、第1下凸部42の外周面と各第1凹部12A〜Dの内周面との間に隙間W1が確保される。このため、この更好棚は、従来の更好棚と比較して、各第1凹部12A〜Dと第1下凸部42とを位置あわせする際の労力、注意力等が軽減される。また、無理な力を必要とせずに第1下凸部42が各第1凹部12A〜Dに組み付けられるため、各第1凹部12A〜Dと第1下凸部42とが変形したり、破損したりし難い。
【0047】
また、この更好棚では、図5及び図6に示すように、組み立てを行う者が各第2凹部22A〜Dに第1上凸部43に組み付け後、各第2凹部22A〜Dの近傍に第2下凸部52を接近させれば、永久磁石63と永久磁石64とが互いに引き合うことにより、各第2凹部22A〜Dに第2下凸部52が組み付けられる。この際、第1上凸部43及び第2下凸部52の各外周面と各第2凹部22A〜Dの内周面との間に隙間W1がそれぞれ確保される。このため、この更好棚は、中板20においても、上記と同様の作用効果を生じる。
【0048】
さらに、この更好棚では、図7及び図8に示すように、組み立てを行う者が各第3凹部32A〜Dの近傍に第2上凸部53を接近させれば、永久磁石65と鉄板66A〜Dとが互いに引き合うことにより、各第3凹部32A〜Dと第2上凸部53とが互いに引き合う。そして、永久磁石65の先端面と第3凹部32A〜Dの底面とが磁着する。この際、第2上凸部53の外周面と各第3凹部32A〜Dの内周面との間に隙間W1が確保される。このため、この更好棚は、天板30においても、上記と同様の作用効果を生じる。
【0049】
したがって、実施例の更好棚は、組み立てが容易であるとともに、耐久性にも優れている。
【0050】
また、この更好棚では、図3及び図4に示すように、第1下凸部42と各第1凹部12A〜Dとが遊嵌されていても、地板10の上面11Aと第1支柱40の下端面41Aとが当接しているため、地板10に対して第1支柱40が強固に組み付けられている。同様に、この更好棚では、図5及び図6に示すように、第1上凸部43及び第2下凸部52と各第1凹部12A〜Dとが遊嵌されていても、中板20の下面21Bと第1支柱40の上端面41Bとが当接し、中板20の上面21Aと第2支柱50の下端面51Aとが当接して、中板20を上下方向で挟んでいるため、中板20に対して第1支柱40及び第2支柱50が強固に組み付けられる。同様に、この更好棚では、図7及び図8に示すように、第2上凸部53と各第3凹部32A〜Dとが遊嵌されていても、天板30の下面31Bと第2支柱50の上端面51Bとが当接しているため、天板30に対して第2支柱50が強固に組み付けられる。
【0051】
さらに、この更好棚では、各第1凹部12A〜Dから第1下凸部42を取り外す際も、第1下凸部42の外周面と各第1凹部12A〜Dの内周面との間に隙間W1が確保されているため、各第1凹部12A〜Dと第1下凸部42とが変形したり、破損したりするおそれがより生じ難い。同様に、この更好棚では、各第2凹部22A〜Dから第1上凸部43及び第2下凸部52を取り外す際も、第1上凸部43及び第2下凸部52の各外周面と各第2凹部22A〜Dの内周面との間に隙間W1が確保されているため、上記と同様の作用効果を生じる。同様に、この更好棚では、各第3凹部32A〜Dから第2上凸部53を取り外す際も、第2上凸部53の外周面と各第3凹部32A〜Dの内周面との間に隙間W1が確保されているため、上記と同様の作用効果を生じる。
【0052】
このように、この更好棚は、地板10、中板20、天板30、第1支柱40及び第2支柱50が本来的には折れ易く、変形し易い桐であっても、上記の構成であるため、優れた耐久性を発揮する。
【0053】
さらに、この更好棚では、図4に示すように、各第1凹部12A〜D内に第1下上凸部42を組み付ける際、各凹部14A〜Dの底面に固定された永久磁石61A〜Dの先端面側がN極であり、第1下凸部42に固定された永久磁石62の先端面側がS極であり、互いに引き合うことにより、各第1凹部12A〜Dと第1下凸部42とが確実に固定される。仮に、各第1支柱40の上下を逆にした場合、各凹部14A〜Dの底面に固定された永久磁石61A〜Dの先端面側がN極であり、各第1支柱40の第1上凸部43に固定された永久磁石63の先端面側がN極であり、互いに反発し合う。このため、各第1支柱40の上下を逆にしていることが明確になる。こうして、誤った組み付けがなされない。
【0054】
同様に、この更好棚では、図6に示すように、第2凹部22A〜D内に第2下凸部52を組み付ける際、第1上凸部43に設けられた永久磁石63の先端面側がN極であり、第2下凸部52に設けられた永久磁石64の先端面側がS極であり、互いに引き合うことにより、第1上凸部43と第2下凸部52とが確実に固定される。仮に、各第2支柱50の上下を逆にした場合、第1上凸部43に固定された永久磁石63の先端面側がN極であり、各第2支柱50の第2上凸部53に固定された永久磁石65の先端面側がN極であり、互いに反発し合う。このため、各第2支柱50の上下を逆にしていることが明確になる。こうして、誤った組み付けがなされない。
【0055】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0056】
例えば、実施例では、永久磁石61A〜Dの磁極をN極とし、永久磁石62の磁極をS極とし、永久磁石63の磁極をN極とし、永久磁石64の磁極をS極とし、永久磁石65の磁極をN極としているが、永久磁石61A〜Dの磁極をS極とし、永久磁石62の磁極をN極とし、永久磁石63の磁極をS極とし、永久磁石64の磁極をN極とし、永久磁石65の磁極をS極としてもよい。
【0057】
また、実施例では、各第2支柱50は各第1支柱40よりも短くされているが、各第1支柱40と各第2支柱50との長さを同じにしてもよい。
【0058】
さらに、実施例では、3段の組立式棚物に本発明を具体化したが、2段、4段等の組立式棚物に本発明を具体化することも可能である。更好棚以外の組立式棚物に本発明を具体化できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は組立式棚物に利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
10…地板(第1板)
11…地板本体(第1板本体)
11A…上面(第1平坦面)
12A〜D…第1凹部(第1組付部)
20…中板(第1、2板)
21…中板本体(第1、2板本体)
21A…上面(第1平坦面)
21B…下面(第2平坦面)
22A〜D…第2凹部(第1、2組付部)
30…天板(第2板、第3板)
31…天板本体(第2板本体、第3板本体)
31A…下面(第2平坦面、第3平坦面)
32A〜D…第3凹部(第2組付部、第3組付部)
40…第1支柱
41…第1支柱本体
42…第1下係合部、第1凸部、第1下凸部
43…第1上係合部、第2凸部、第1上凸部
50…第2支柱
51…第2支柱本体
52…第2下凸部、第2下係合部、第3凸部
53…第2上凸部、第2上係合部、第4凸部
61、62…永久磁石(磁着手段、第1磁着手段)
63、64…永久磁石(磁着手段、第1、2、3磁着手段)
65…永久磁石(磁着手段、第2、4磁着手段)
66A〜D…鉄板(磁着手段、第2、4磁着手段、磁性体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8