【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の組立式棚物は、点前に際して組み立てられ、茶道具が飾り置かれる組立式棚物であって、
第1組付部が形成された第1板と、
第2組付部が形成された第2板と、
第3組付部が形成された第3板と、
直線状に延び、一端に前記第1組付部に組み付けられる第1下係合部が形成されているとともに、他端に前記第2組付部に組み付けられる第1上係合部が形成され、前記第1組付部に前記第1下係合部を組み付けるとともに、前記第2組付部に前記第1上係合部を組み付けることにより、前記第1板に対して前記第2板を上方に位置させる少なくとも2本の第1支柱と
、
直線状に延び、一端に前記第2組付部又は前記第1上係合部に組み付けられる第2下係合部が形成されているとともに、他端に前記第3組付部に組み付けられる第2上係合部が形成され、前記第2組付部又は前記第1上係合部に前記第2下係合部を組み付けるとともに、前記第3組付部に前記第2上係合部を組み付けることにより、前記第2板に対して前記第3板を上方に位置させる少なくとも2本の第2支柱とを備え、
前記第1組付部と前記第1下係合部との間
、前記第2組付部又は前記第1上係合部と前記第2下係合部との間及び前記第3組付部と前記第2上係合部との間には、互いに引き合う磁力を生じる磁着手段が設けられ
、
前記第1板は、第1平坦面を有する木製の第1板本体と、前記第1板本体に前記第1平坦面から凹んで形成された前記第1組付部としての第1凹部とを有し、
前記第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、前記第2板本体に前記第2平坦面から凹んで形成された前記第2組付部としての第2凹部とを有し、
前記第3板は、第3平坦面を有する木製の第3板本体と、前記第3板本体に前記第3平坦面から凹んで形成された前記第3組付部としての第3凹部とを有し、
前記第1支柱は、木製の第1支柱本体と、前記第1支柱本体から突出して形成され、前記第1凹部内に遊嵌可能な前記第1下係合部としての木製の第1下凸部と、前記第1支柱本体から突出して形成され、前記第2凹部内に遊嵌可能な前記第1上係合部としての木製の第1上凸部とを有し、
前記第2支柱は、木製の第2支柱本体と、前記第2支柱本体から突出して形成され、前記第2凹部内に遊嵌可能な前記第2下係合部としての木製の第2下凸部と、前記第2支柱本体から突出して形成され、前記第3凹部内に遊嵌可能な前記第2上係合部としての木製の第2上凸部とを有し、
前記第1凹部と前記第1下凸部との間に前記磁着手段としての第1磁着手段が設けられ、
前記第1上凸部に前記磁着手段としての第2磁着手段が設けられ、
前記第2下凸部に前記磁着手段としての第3磁着手段が設けられ、
前記第3凹部と前記第2上凸部との間に前記磁着手段としての第4磁着手段が設けられ、
前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は、水平方向の断面積が同じであり、
前記第1下凸部、前記第1上凸部、前記第2下凸部及び前記第2上凸部の水平方向の断面積は、同じであり、かつ前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部における水平方向の断面積より小さく、
前記第2磁着手段と前記第3磁着手段とは、互いに磁極が異なる永久磁石からなることを特徴とする。
【0014】
本発明の組立式棚物では、例えば、第1組付部と第1下係合部との間に磁着手段が設けられている場合、組み立てを行う者が第1組付部の近傍に第1下係合部を接近させれば、磁着手段の磁力により、第1組付部と第1下係合部とが互いに引き合う。このため、第1組付部と第1下係合部とを位置あわせする際の労力、注意力等が軽減される。また、無理な力を必要とせずに第1下係合部が第1組付部に組み付けられるため、第1組付部と第1下係合部とが変形したり、破損したりし難い。第2組付部と第1上係合部との間に磁着手段が設けられている場合、第2組付部と第1上係合部との組み付けも同様である。こうして、この組立式棚物は、地板及び天板を備えた1段の棚物となる。
【0015】
したがって、本発明の組立式棚物では、組み立てが容易であるとともに、耐久性にも優れている。
【0016】
第1板は、第1平坦面を有する木製の第1板本体と、第1板本体に第1平坦面から凹んで形成された第1組付部としての第1凹部とを有している。また、第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、第2板本体に第2平坦面から凹んで形成された第2組付部としての第2凹部とを有している。第1支柱は、木製の第1支柱本体と、第1支柱本体から突出して形成され、第1凹部内に遊嵌可能な第1下係合部としての第1
下凸部と、第1支柱本体から突出して形成され、第2凹部内に遊嵌可能な第1上係合部としての第
1上凸部とを有している。第1凹部と第1
下凸部との間に磁着手段としての第1磁着手段が設けられ、
第1上凸部に磁着手段としての第2磁着手段が設けられてい
る。
【0017】
この場合、第1凹部と第1
下凸部の組み付け及び第2凹部と第
1上凸部の組み付けにおいて、組み立てが容易である。また、第1板、第2板及び第1支柱が折れ易く、変形し易い木製であっても、本発明の効果を生じる。さらに、この組立式棚物では、例えば、第1
下凸部が第1凹部内に遊嵌される。このため、第1凹部に第1
下凸部を組み付ける際も、第1凹部から第1
下凸部を取り外す際も、第1凹部と第1
下凸部とが変形したり、破損したりするおそれがより生じ難い。第
1上凸部と第2凹部との関係も同様である。このため、この組立式棚物は、より耐久性に優れる。
【0018】
本発明の組立式棚物は、第3組付部が形成された第3板を備えてい
る。また、本発明の組立式棚物は、直線状に延び、一端に第2組付部又は第1上係合部に組み付けられる第2下係合部が形成されているとともに、他端に第3組付部に組み付けられる第2上係合部が形成され、第2組付部又は第1上係合部に第2下係合部を組み付けるとともに、第3組付部に第2上係合部を組み付けることにより、第2板に対して第3板を上方に位置させる少なくとも2本の第2支柱とを備えてい
る。そして、第2組付部又は第1上係合部と第2下係合部との間及び第3組付部と第2上係合部との
間に磁着手段が設けられてい
る。
【0019】
この場合、この組立式棚物は、例えば、第2組付部と第2下係合部との間に磁着手段が設けられている場合、組み立てを行う者が第2組付部の近傍に第2下係合部を接近させれば、磁着手段の磁力により、第2組付部と第2下係合部とが互いに引き合う。このため、第2組付部と第2下係合部とを位置あわせする際の労力、注意力等が軽減される。また、無理な力を必要とせずに第2下係合部が第2組付部に組み付けられるため、第2組付部と第2下係合部とが変形したり、破損したりし難い。第1上係合部と第2下係合部との間に磁着手段が設けられている場合において、第1上係合部と第2下係合部との組み付けも同様であり、第3組付部と第2上係合部との間に磁着手段が設けられている場合において、第3組付部と第2上係合部との組み付けも同様である。こうして、この組立式棚物は、地板、中板及び天板を備えた2段の棚物となる。
【0020】
第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、第2板本体に第2平坦面から凹んで形成された第2組付部としての第2凹部とを有している。第3板は、第3平坦面を有する木製の第3板本体と、第3板本体に第3平坦面から凹んで形成された第3組付部としての第3凹部とを有している。第2支柱は、木製の第2支柱本体と、第2支柱本体から突出して形成され、第2凹部内に遊嵌可能な第2下係合部としての第
2下凸部と、第2支柱本体から突出して形成され、第3凹部内に遊嵌可能な第2上係合部としての第
2上凸部とを有している。
第2下凸部に磁着手段としての第3磁着手段が設けられ、第3凹部と第
2上凸部との間に磁着手段としての第4磁着手段が設けられている。
【0021】
この場合、第2凹部と第
2下凸部の組み付け及び第3凹部と第
2上凸部の組み付けにおいて、組み立てが容易である。また、第1板、第2板、第3板、第1支柱及び第2支柱が折れ易く、変形し易い木製であっても、本発明の効果を生じる。さらに、この組立式棚物では、例えば、第
2下凸部が第2凹部内に遊嵌される。このため、第2凹部に第
2下凸部を組み付ける際も、第2凹部から第
2下凸部を取り外す際も、第2凹部と第
2下凸部とが変形したり、破損したりするおそれがより生じ難い。第
2上凸部と第3凹部との関係も同様である。このため、この組立式棚物は、より耐久性に優れる。
【0022】
第1板は、第1平坦面を有する木製の第1板本体と、第1板本体に第1平坦面から凹んで形成された第1組付部としての第1凹部とを有してい
る。第2板は、第2平坦面を有する木製の第2板本体と、第2板本体に第2平坦面から凹んで形成された第2組付部としての第2凹部とを有してい
る。第3板は、第3平坦面を有する木製の第3板本体と、第3板本体に第3平坦面から凹んで形成された第3組付部としての第3凹部とを有してい
る。第1支柱は、木製の第1支柱本体と、第1支柱本体から突出して形成され、第1凹部内に遊嵌可能な第1下係合部としての木製の第1下凸部と、第1支柱本体から突出して形成され、第2凹部内に遊嵌可能な第1上係合部としての木製の第1上凸部とを有してい
る。第2支柱は、木製の第2支柱本体と、第2支柱本体から突出して形成され、第2凹部内に遊嵌可能な第2下係合部としての木製の第2下凸部と、第2支柱本体から突出して形成され、第3凹部内に遊嵌可能な第2上係合部としての木製の第2上凸部とを有してい
る。第1凹部と第1下凸部との間に磁着手段としての第1磁着手段が設けられ、第1上凸部に磁着手段としての第2磁着手段が設けられ、第2下凸部に磁着手段としての第3磁着手段が設けられ、第3凹部と第2上凸部との間に磁着手段としての第4磁着手段が設けられてい
る。第2磁着手段と第3磁着手段とは、互いに磁極が異なる永久磁石からな
る。
【0023】
この場合、第2凹部内において、第1上凸部に第2下凸部を組み付ける際、第1上凸部に設けられた永久磁石と第2下凸部に設けられた永久磁石とが互いに引き合うことにより、第1上凸部と第2下凸部とがより確実に固定される。仮に第1支柱の第1上凸部に設けられた永久磁石の磁極と第2支柱の第2下凸部に設けられた永久磁石の磁極とが同じである場合、これらの永久磁石を互いに接近させると互いに反発し合うため、第2支柱における第2上凸部及び第2下凸部の上下方向の位置関係が明確になり、誤った組み付けがなされない。
【0024】
第1磁着手段は、第1凹部に設けられた永久磁石と、第1下凸部に設けられた永久磁石とからなり、第4磁着手段は、第3凹部に設けられた磁性体と、第2上凸部に設けられた永久磁石とからなることが好ましい。
【0025】
この場合、第1磁着手段では、第1凹部の永久磁石と第1下凸部の永久磁石とは互いに磁極が異なる。このため、第1凹部に第1下凸部を組み付ける際、第1凹部に設けられた永久磁石と第1下凸部に設けられた永久磁石とが互いに引き合わせることにより、第1凹部と第下凸部とがより確実に固定される。仮に第1凹部に設けられた永久磁石の磁極と第1支柱の第1下凸部に設けられた永久磁石の磁極とが同じである場合、これらの永久磁石を互いに接近させると互いに反発し合うため、第1支柱における第1上凸部及び第1下凸部の上下方向の位置関係が明確になり、誤った組み付けがなされない。