特許第6815053号(P6815053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6815053
(24)【登録日】2020年12月24日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】ハンカチ
(51)【国際特許分類】
   A41B 15/00 20060101AFI20210107BHJP
【FI】
   A41B15/00
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-55444(P2020-55444)
(22)【出願日】2020年3月26日
【審査請求日】2020年3月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500215850
【氏名又は名称】株式会社 東京第一商興
(72)【発明者】
【氏名】和田 雅徹
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3032449(JP,U)
【文献】 特開平11−081004(JP,A)
【文献】 特開2015−164857(JP,A)
【文献】 特表2013−518007(JP,A)
【文献】 特開2020−156704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B15/00
A47K 7/00−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形の第1ハンカチ部と、
前記第1ハンカチ部の所定の辺から折り畳み可能に延在する四角形の第2ハンカチ部と、を備えるハンカチであって、
前記第1ハンカチ部の表裏いずれか一方の面に重ねられたシート体の端部を保持するシート体保持部をさらに備え、
前記シート体保持部は、保持している前記シート体の表面を50%以上露出させることで、保持状態を維持しつつ前記シート体の使用を許容するものであって、前記第1ハンカチ部の4辺から前記第1ハンカチ部のシート体保持面の中心部に向かって延在し、前記第1ハンカチ部の4辺近傍において前記シート体の端部を前記第1ハンカチ部との間で挟持し、
前記シート体保持部の延在幅は、保持している前記シート体の表面が50%以上露出するように設定されることを特徴とするハンカチ。
【請求項2】
請求項1に記載のハンカチであって、
前記シート体は、薄紙を重ね合わせたティッシュ、吸水性を有する吸水シート、保湿性を有する保湿シート、液体を含浸させた拭取シート、アルコールを含浸させた除菌シート、冷却性を有する冷却シート、加熱性を有する加熱シート、薬剤が塗布又は含浸された薬用シートのいずれかを含むことを特徴とするハンカチ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のハンカチであって、
前記シート体保持部は、
前記シート体の端部を保持する保持姿勢と、外方に展開して前記第1ハンカチ部のシート体保持面から退避する展開姿勢と、に操作可能な複数の保持片と、
前記保持片を前記保持姿勢に係止する係脱可能な係止手段と、を備えることを特徴とするハンカチ。
【請求項4】
請求項3に記載のハンカチであって、
前記保持片は、前記第1ハンカチ部の4辺に設けられ、
前記係止手段は、隣接する前記保持片同士を係止することを特徴とするハンカチ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のハンカチであって、
前記係止手段は、面ファスナ、ホック、又は、ボタンであることを特徴とするハンカチ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハンカチであって、
前記シート体の露出部分は、前記第1ハンカチ部及び前記シート体を中央部で谷折り側に折り畳むことにより隠蔽可能であることを特徴とするハンカチ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のハンカチであって、
前記シート体の露出部分は、前記第2ハンカチ部を前記所定の辺で谷折り側に折り畳むことにより隠蔽可能であることを特徴とするハンカチ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のハンカチであって、
前記第1ハンカチ部及び前記第2ハンカチ部は、タオル生地で形成されていることを特徴とするハンカチ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のハンカチであって、
前記シート体保持部は、前記第1ハンカチ部及び前記シート体を中央部で谷折り側又は山折り側に折り畳む際の折畳み線に沿って形成され、前記シート体保持部の折畳みを容易にする易折畳み加工部を備えることを特徴とするハンカチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート体を保持可能なハンカチに関する。
【背景技術】
【0002】
ティッシュや生理用ナプキンを収納可能なハンカチが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このようなハンカチによれば、ハンカチをティッシュ入れや生理用ナプキン入れに兼用できるので、外出時における所持品の点数を削減できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−126593号公報
【特許文献2】実用新案登録第3157279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のハンカチでは、収納したティッシュを使用する際、ハンカチのティッシュ収納部から必要枚数分のティッシュを1枚ずつ引き出して使用し、その後、使用済みのティッシュを処理する必要があるので、ハンカチに収納したティッシュを使用する際の利便性に改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
四角形の第1ハンカチ部と、
前記第1ハンカチ部の所定の辺から折り畳み可能に延在する四角形の第2ハンカチ部と、を備えるハンカチであって、
前記第1ハンカチ部の表裏いずれか一方の面に重ねられたシート体の端部を保持するシート体保持部をさらに備え、
前記シート体保持部は、保持している前記シート体の表面を50%以上露出させることで、保持状態を維持しつつ前記シート体の使用を許容するものであって、前記第1ハンカチ部の4辺から前記第1ハンカチ部のシート体保持面の中心部に向かって延在し、前記第1ハンカチ部の4辺近傍において前記シート体の端部を前記第1ハンカチ部との間で挟持し、
前記シート体保持部の延在幅は、保持している前記シート体の表面が50%以上露出するように設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シート体入れに兼用可能なハンカチでありながら、保持しているシート体の表面を50%以上を露出させることで、保持状態を維持しつつシート体の使用を許容するので、シート体をいちいち取り出すことなく迅速に使用でき、その結果、保持したシート体を使用する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係るハンカチの斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るハンカチのシート体保持状態を示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るハンカチのシート体使用例を示す斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るハンカチの第1の折り畳み手順を示す斜視図であり、(a)はステップ1を示す斜視図、(b)はステップ2を示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るハンカチの第2の折り畳み手順を示す斜視図であり、(a)はステップ1を示す斜視図、(b)はステップ2を示す斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るハンカチの斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るハンカチのシート体保持状態を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るハンカチのシート体保持手順を示す斜視図であり、(a)はステップ1を示す平面図、(b)はステップ2を示す平面図、(c)はステップ3を示す平面図、(d)はステップ4を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1図5に示すように、本実施形態のハンカチ1は、四角形の第1ハンカチ部2と、第1ハンカチ部2の所定の辺2aから折り畳み可能に延在する四角形の第2ハンカチ部3と、を備える。なお、本実施形態のハンカチ1は、タオル生地で形成されるハンカチタオルであり、所定の辺2aに限らず、任意の位置で折り畳むことができる。
【0009】
また、本実施形態のハンカチ1は、全体として略正方形であって、長方形の第1ハンカチ部2及び第2ハンカチ部3の長辺同士が連結された形状であるが、ハンカチ1の全体形状は、正方形に限定されるものではなく、長方形であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0010】
ハンカチ1は、第1ハンカチ部2の表裏いずれか一方の面をシート体保持面2bとし、該シート体保持面2bに重ねられたシート体10の端部を保持するシート体保持部4を備える。なお、図面では、シート体10の表面にハッチングを入れることにより、シート体10の保持状態を明確にしている。
【0011】
シート体10としては、薄紙を重ね合わせたティッシュ、吸水性を有する吸水シート、保湿性を有する保湿シート、液体を含浸させた拭取シート、アルコールを含浸させた除菌シート、冷却性を有する冷却シート、加熱性を有する加熱シート、薬剤が塗布又は含浸された薬用シートなどを想定しているが、その他のシートであってもよい。
【0012】
本実施形態のシート体保持部4は、第1ハンカチ部2の4辺からシート体保持面2bの中心部に向かって延在し、第1ハンカチ部2の4辺近傍においてシート体10の端部を第1ハンカチ部2との間で挟持する。シート体保持部4の延在幅Wは、保持しているシート体10の表面が50%以上露出するように設定される。このようなシート体保持部4を備えるハンカチ1によれば、保持状態を維持しつつシート体10の使用を許容できるので、シート体10をいちいち取り出すことなく迅速に使用でき、その結果、保持したシート体10を使用する際の利便性を向上させることができる。なお、保持しているシート体10の表面を50%以上露出させる理由は、50%未満の露出だとシート体10を使いづらいだけでなく、シート体10の使用効率が低下するからである。
【0013】
図3は、シート体10としてティッシュを保持したハンカチ1のシート体使用例を示す斜視図である。この図に示すように、ハンカチ1で保持されたティッシュで鼻をかむ場合は、第2ハンカチ部3を所定の辺2aで山折り側に折り畳んで第1ハンカチ部2の裏面側に重ねた後、露出したティッシュの中心部に鼻尖部Naを当て、左右からティッシュで鼻翼部Nbを挟みつつ鼻をかむ。
【0014】
このような使用例によれば、ハンカチ1からティッシュを取り出すことなく鼻をかめるので、鼻をかむ頻度が高い花粉症患者などの利便性を向上させることができる。なお、鼻をかんで汚れた使用済みのティッシュは、直ちにハンカチ1から取り出して処分してもよいし、しばらくの間は保持状態を維持し、ゴミ箱が見つかったタイミングで処分してもよいし、再度使用してもよい。なお、保持するティッシュのサイズや枚数は任意である。
【0015】
図4に示すように、シート体10の露出部分は、第1ハンカチ部2及びシート体10を中央部で谷折り側に折り畳むことにより隠蔽できる。このような折り畳み手順によれば、シート体10の露出面同士が重なるので、例えば、使用によって汚れたシート体10が第2ハンカチ部3に接触することを回避できる。
【0016】
また、図5に示すように、シート体10の露出部分は、第2ハンカチ部3を所定の辺2aで谷折り側に折り畳むことにより、第2ハンカチ部3で隠蔽するようにしてもよい。このような折り畳み手順によれば、シート体10の露出面同士を接触させないので、粘着性を有するシート体10を保持する場合などに有用である。
【0017】
また、図1図2及び図4に示すように、シート体保持部4は、第1ハンカチ部2及びシート体10を中央部で谷折り側又は山折り側に折り畳む際の折畳み線に沿って形成され、シート体保持部4の折畳みを容易にする易折畳み加工部4aを備える。易折畳み加工部4aは、例えば、シート体保持部4が分断されないように折畳み線に沿って切込みを入れる加工や、シート体保持部4を折畳み線に沿って分断した後、分断部を糸や薄いシート材で連結する加工によって形成することができる。このような易折畳み加工部4aによれば、ハンカチ1の折畳みが容易になるだけでなく、折畳み部分の厚みを抑制することができる。
【0018】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、四角形の第1ハンカチ部2と、第1ハンカチ部2の所定の辺2aから折り畳み可能に延在する四角形の第2ハンカチ部3と、を備えるハンカチ1であって、第1ハンカチ部2の表裏いずれか一方の面2bに重ねられたシート体10の端部を保持するシート体保持部4をさらに備え、シート体保持部4は、保持しているシート体10の表面を50%以上を露出させることで、保持状態を維持しつつシート体10の使用を許容するので、シート体10をいちいち取り出すことなく迅速に使用でき、その結果、保持したシート体10を使用する際の利便性を向上させることができる。
【0019】
また、シート体10は、薄紙を重ね合わせたティッシュ、吸水性を有する吸水シート、保湿性を有する保湿シート、液体を含浸させた拭取シート、アルコールを含浸させた除菌シート、冷却性を有する冷却シート、加熱性を有する加熱シート、薬剤が塗布又は含浸された薬用シートのいずれかを含むので、保持するシート体10の選択に基づいてハンカチ1の機能を拡張させることができる。
【0020】
また、シート体10の露出部分は、第1ハンカチ部2及びシート体10を中央部で谷折り側に折り畳むことにより隠蔽可能なので、シート体10を使用しないときは、シート体10の露出部分を衛生的に保護できる。
【0021】
また、シート体10の露出部分は、第2ハンカチ部3を所定の辺2aで谷折り側に折り畳むことにより隠蔽可能なので、シート体10を使用しないときは、シート体10の露出部分を衛生的に保護できる。
【0022】
また、第1ハンカチ部2及び第2ハンカチ部3は、タオル生地で形成されているので、本発明のハンカチ1を吸水性の高いハンカチタオルとして実施することができる。
【0023】
また、シート体保持部4は、第1ハンカチ部2及びシート体10を中央部で谷折り側又は山折り側に折り畳む際の折畳み線に沿って形成され、シート体保持部4の折畳みを容易にする易折畳み加工部4aを備えるので、ハンカチ1の折畳みが容易になるだけでなく、折畳み部分の厚みを抑制することができる。
【0024】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態のハンカチ1について、図6図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と共通の構成については、第1実施形態と同じ符号を用いることで、第1実施形態の説明を援用する場合がある。
【0025】
図6図8に示すように、第2実施形態のハンカチ1は、シート体保持部4が、シート体10の端部を保持する保持姿勢と、外方に展開して第1ハンカチ部2のシート体保持面2bから退避する展開姿勢と、に操作可能な複数の保持片5と、保持片5を保持姿勢に係止する係脱可能な係止手段6と、を備える点が第1実施形態のハンカチ1と相違している。このような第2実施形態のハンカチ1によれば、シート体10を保持する際の作業や、シート体10を取外す際の作業が容易になる。
【0026】
具体的に説明すると、保持片5は、第1ハンカチ部2の4辺に設けられ、係止手段6は、隣接する保持片5同士を係脱可能に係止するようになっている。このようにすると、シート体10の4辺を確実に保持できるだけでなく、保持片5の保持姿勢を確実に維持することができる。
【0027】
係止手段6としては、面ファスナ、ホック、ボタン7などを用いることができ、図6図8では、係止手段6としてボタン7を用いたハンカチ1を示している。このようにすると、係止手段6を安価に構成できるだけでなく、既知の操作で保持片5を容易に係脱させることができる。
【0028】
図8は、第2実施形態のハンカチ1のシート体保持手順を示す平面図であり、(a)はステップ1を示す平面図、(b)はステップ2を示す平面図、(c)はステップ3を示す平面図、(d)はステップ4を示す平面図である。
【0029】
第2実施形態のハンカチ1にシート体10を保持させる場合は、まず、4つの保持片5を第1ハンカチ部2のシート体保持面2bから退避する展開姿勢とする(図8の(a)参照)。つぎに、第1ハンカチ部2のシート体保持面2bにシート体10を重ねる(図8の(b)参照)。つぎに、4つの保持片5にうち、両端部にボタン7が付けられた一対の保持片5(本実施形態では第1ハンカチ部2の短辺に設けられた保持片5)を保持姿勢にしてシート体10の表面端部に重ねる(図8の(c)参照)。つぎに、両端部にボタン穴8が形成された一対の保持片5(本実施形態では第1ハンカチ部2の長辺に設けられた保持片5)を保持姿勢にしてシート体10の表面端部に重ねるとともに、ボタン7をボタン穴8に掛けて隣接する保持片5同士を係止させる(図8の(d)参照)。なお、保持したシート体10を取り出す場合は、逆の手順により容易に取り出すことができる。
【0030】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。例えば、前記実施形態のシート体保持部は、シート体の4辺においてシート体の端部を保持しているが、シート体の対向する2辺においてシート体の端部を保持するようにしてもよいし、シート体の4隅を保持するようにしてもよい。また、液体を含浸させたシート体を保持するハンカチでは、ハンカチのシート体接触部分に防水加工を施したり、防水フィルムなどの防水層を設けることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 ハンカチ
2 第1ハンカチ部
2a 所定の辺
2b シート体保持面
3 第2ハンカチ部
4 シート体保持部
4a 易折畳み加工部
5 保持片
6 係止手段
7 ボタン
8 ボタン穴
10 シート体
【要約】
【課題】保持したシート体を使用する際の利便性を向上させることができるハンカチを提供する。
【解決手段】四角形の第1ハンカチ部2と、第1ハンカチ部2の所定の辺2aから折り畳み可能に延在する四角形の第2ハンカチ部3と、を備えるハンカチ1であって、第1ハンカチ部2の表裏いずれか一方の面2bに重ねられたシート体10の端部を保持するシート体保持部4をさらに備え、シート体保持部4は、保持しているシート体10の表面を50%以上を露出させることで、保持状態を維持しつつシート体10の使用を許容する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8